JP2007083693A - セラミック基板の分割方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セラミック基板1製造の歩留まりを向上させ、セラミック基板1の品質を向上させ、セラミック基板1の製造コストを低減することができるセラミック基板1等の分割方法を提供する。
【解決手段】 レーザー3照射による熱応力と曲げによる応力を利用したセラミック基板1の分割方法において、分割予定線10上に形成したV字溝11に沿って分割する。又、セラミック基板1の表面側の分割予定線101上にV字溝11を形成し、鋭利な直線部231を有するブレード23の直線部231を前記V字溝11の奥端に圧接し、セラミック基板1の裏面側の分割予定線102の両側部において二つのブレード21、22の直線部211、221で支持することによりセラミック基板1に曲げ応力を与えると共に、レーザー3を裏面側の分割予定線102に沿って照射することで熱応力を与えて分割する。
【選択図】図1
【解決手段】 レーザー3照射による熱応力と曲げによる応力を利用したセラミック基板1の分割方法において、分割予定線10上に形成したV字溝11に沿って分割する。又、セラミック基板1の表面側の分割予定線101上にV字溝11を形成し、鋭利な直線部231を有するブレード23の直線部231を前記V字溝11の奥端に圧接し、セラミック基板1の裏面側の分割予定線102の両側部において二つのブレード21、22の直線部211、221で支持することによりセラミック基板1に曲げ応力を与えると共に、レーザー3を裏面側の分割予定線102に沿って照射することで熱応力を与えて分割する。
【選択図】図1
Description
本願発明は、立体回路基板等の製造過程に必要な、セラミック基板の分割方法に関するものである。
従来から、特開平10−71483号に示される如く、セラミック基板などの脆性材料を分割する場合に、レーザー照射による熱応力と応力とを分割対象である脆性材料に加えるような、脆性材料の分割方法(すなわち、セラミック基板の分割方法)は知られている。この種のセラミック基板の分割方法では、一般に、同公報でも説明されるように、セラミック基板などの脆性材料を分割する場合に、セラミック基板を分割する切取線となる分割予定線にレーザー照射の熱応力と曲げ応力とを集中させて分割するものであった。この方法は、多数個取りのためシート状に形成された複数個のセラミック基板を分割することによってセラミック基板を取り出す、セラミック基板の製造方法にも応用が可能である。
例えば、図8に示す如く、セラミック基板1を表面側の分割予定線101、裏面側の分割予定線102にそって分割する場合において、表面側の分割予定線101に鋭利な直線部231を有するブレード23の直線部231を圧接し、セラミック基板1の裏面側には、裏面側の分割予定線102と両側に平行して、ブレード21の直線部211、ブレード22の直線部221を圧接して、分割予定線101、102上に曲げ応力を発生させる。同時に、裏面側の分割予定線102にはレーザー3を照射して、分割予定線102に熱応力を発生させる。分割予定線101、102に加えられた曲げ応力とレーザー照射による熱応力とによって、セラミック基板1を分割することが出来る。
しかしながら、この場合には、曲げ応力を正確に分割予定線10に加えるのが困難であり、表面側の分割予定線10にブレード23を正確に圧接するのが困難であるという問題があった。そのため、セラミック基板1を正確に分割するには、セラミック基板1の製造設備が複雑になり、それに従って製造コストが高くなるといった問題点がある。
また、セラミック基板1の分割精度が低ければ、セラミック基板1の歩留まりが悪くなり、製造コストが高くなる。また、分割の精度が低ければ、セラミック基板1に意図しないクラックが発生するなど、セラミック基板1の品質低下を招く、といった問題点がある。
特開平10−71483号公報
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、セラミック基板製造の歩留まりを向上させ、セラミック基板の品質を向上させ、セラミック基板の製造コストを低減することができるセラミック基板の分割方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本願発明は、レーザー照射による熱応力と曲げによる応力を利用したセラミック基板の分割方法において、分割予定線上に形成したV字溝に沿って分割する。又、セラミック基板の表面側の分割予定線上にV字溝を形成し、鋭利な直線部を有するブレードの直線部を前記V字溝の奥端に圧接し、セラミック基板の裏面側の分割予定線の両側部において二つのブレードの直線部で支持することによりセラミック基板に曲げ応力を与えると共に、レーザーを裏面側の分割予定線に沿って照射することで熱応力を与えて分割する。又、セラミック基板には薄肉部を形成し、V字溝は前記セラミック基板の薄肉部に形成する。又、セラミック基板はV字溝を形成してから焼結されて成型される。又、セラミック基板の裏面側の分割予定線上に分割補助溝を形成した後に分割補助溝にレーザーを照射する。又、V字溝に圧接されるブレードは振動させられる。
本願発明のセラミック基板の分割方法においては、分割予定線上に形成したV字溝に沿って分割するようになしたことから、セラミック基板は分割予定線に沿って分割されるようになるため、セラミック基板の分割精度が向上する。また、V字溝を形成することによって、セラミック基板の分割する肉厚が薄くなることから、分割の精度が向上すると共に、分割するための曲げ応力が小さくなるという効果があり、これらはいずれも、セラミック基板の製造設備簡略化による製造コスト低減の効果がある。さらにセラミック基板を分割する肉厚が薄くなれば、分割の速度が向上するため、単位時間当たりの生産数が向上することによる製造コストの低減が可能となるという効果がある。
又、セラミック基板の表面側の分割予定線に1本のブレードの直線部を圧接し、セラミック基板の裏面側の分割予定線に両側部に平行な方向にブレードを2本圧接することによる三点曲げによって、セラミック基板に曲げ応力を与えると共に、レーザーをセラミック基板の裏面側の分割予定線に沿って照射することで熱応力を与えて分割することから、セラミック基板の表面側に圧接したブレードはV字溝によって位置決めがされるため、圧接位置の精度を高めることが可能となり、セラミック基板の分割精度が向上して品質が向上すると共に、不良が減少することによってセラミック基板製造の歩留まりが向上することによる、更なる製造コスト低減が可能となる。
このとき、セラミック基板の製造設備から、セラミック基板の表面側に圧接したブレードの位置決め精度を高める機構を省略することが可能となることにより、更なる製造コスト低減が可能となる。
ここで、特に、曲げ応力を加えるために鋭利な直線部を有するブレードを用いた三点曲げを行っていることから、曲げ応力を分割予定線に集中させることが可能となる。さらに、曲げ応力が集中する分割予定線にレーザーを照射して熱応力を与えることから、セラミック基板の分割に必要な曲げ応力が軽減されることとなり、セラミック基板の製造設備簡略化が可能となることから更なる製造コスト低減が可能となる。
又、セラミック基板には薄肉部を形成し、V字溝は前記セラミック基板の薄肉部に形成することから、セラミック基板を分割する肉厚が薄くなることにより、セラミック基板の分割に必要な曲げ応力が軽減され、分割の精度向上、分割の速度向上が可能となり、更なる製造コスト低減が可能となると共に、セラミック基板の品質がより向上される。
又、セラミック基板はV字溝を形成してから焼結されて成型されることから、セラミック基板の焼結時には、V字溝の奥端部にクラックを生じやすくなる。クラックが発生したセラミック基板は、セラミック板上に分割するための余分に設けられた部分、すなわち分割代の範囲内において、V字溝の奥端部の強度を下げる効果があることから、セラミック基板の分割に必要な曲げ応力が軽減されてセラミック基板の製造設備が簡略化されて、より製造コストが低減される。また分割の速度が向上して単位時間当たりの製造量が増加し、更に製造コストが低減される。
又、セラミック基板の裏面側の分割予定線上に分割補助溝を形成した後に分割補助溝にレーザーを照射することから、セラミック基板を分割する肉厚が薄くなるとともに、セラミック基板は表面側のV字溝と裏面側の分割補助溝に沿って分割されるため、セラミック基板の分割に必要な曲げ応力軽減、分割の精度向上、分割の速度向上が可能となり、更なる製造コストの低減やセラミック基板の品質向上が可能となる。
又、V字溝に圧接されるブレードは振動させられることから、セラミック基板の分割速度が向上して更なる製造コストの低減を実現する。
図1〜4は、本願の請求項1、2に対応した第一実施形態であるセラミック基板の分割方法を示している。この実施形態のセラミック基板の分割方法は、図1に示す如く、レーザー3照射による熱応力と曲げによる応力を利用したセラミック基板1の分割方法において、分割予定線10上に形成したV字溝11に沿って分割する。又、セラミック基板1の表面側の分割予定線101上にV字溝11を形成し、鋭利な直線部231を有するブレード23の直線部231を前記V字溝11の奥端に圧接し、セラミック基板1の裏面側の分割予定線102の両側部において二つのブレード21、22の直線部211、221で支持することによりセラミック基板1に曲げ応力を与えると共に、レーザー3を裏面側の分割予定線102に沿って照射することで熱応力を与えて分割する。
以下、第一実施形態のセラミック基板の分割方法を、より具体的詳細に説明する。図1において、セラミック基板1を三点曲げによる曲げ応力とレーザー3照射による熱応力で分割する様子を示す。多数個取りのため複数のセラミック基板1がシート状に形成されている。セラミック基板1は分割予定線10に沿って分割されて製造される。
最初に、セラミック基板1の表面側の分割予定線101に、レーザー3を照射し、表面側の分割予定線101に沿って、V字溝11を形成する。次に、セラミック基板1表面のV字溝11に鋭利な直線部231を有するブレード23を圧接する。このとき、直線部231はV字溝11の奥端部に圧接されているため、ブレード23は正確にセラミック基板1表面の分割予定線101に力を加えている。これと同時に、V字溝11の形成されている側の反対側であるセラミック基板1裏面側には、裏面側の分割予定線102と平行に、かつ裏面側の分割予定線102の両側に、ブレード21の直線部211とブレード22の直線部221が圧接されている。これにより、3本のブレード21、22、23によって、三点曲げによる曲げ応力がセラミック基板1の分割予定線10に加えられている。
三点曲げによる曲げ応力をセラミック基板1に加えるのと同時に、先ほどV字溝11を形成するために表面側に照射したレーザー3を、裏面側の分割予定線102に照射する。これによりセラミック基板1に熱応力が加えられ、セラミック基板1の分割予定線10には、三点曲げによる曲げ応力と、レーザー3照射による熱応力が加えられて、セラミック基板1は分割される。
図2はセラミック基板1がV字溝11の近傍に凹部14を有する場合を示す。この場合には、V字溝11の深さT2と、凹部14の深さT3との間には、T2>T3の関係が満たされることが好ましい。すなわち、V字溝11の深さT2は、凹部14の深さT3よりも深くすることが好ましい。
図2(a)は、T2<T3の場合の、すなわち好ましくないV字溝11の深さT2を有するセラミック基板1を分割した様子を示す。このような場合には、セラミック基板1を分割した分割面は、セラミック基板1の表面側の分割予定線101と、裏面側の分割予定線102とを結んだ面にならず、図2(a)の不良分割面Yの如く、凹部14と裏面側の分割予定線102を結んだ面などになる可能性がある。このような場合、セラミック基板1は不良品となる。
このような事態を防ぐためには、図2(b)に示す如く、T2>T3として、V字溝11の深さを凹部14よりも深くすることが好ましい。この場合には、セラミック基板1の分割面は、図2(b)の正しい分割面Xのように、表面側の分割予定線101と裏面側の分割予定線102を結んだ面になる。
図3は、セラミック基板1に対する曲げ応力について示す。三点曲げによって、曲げ応力を分割予定線10に加えるためには、セラミック基板1の分割面Xに、ブレード21、22による曲げ応力が均等に加えられる(均等にモーメントが発生する)ようになすことが好ましい。そのために、ブレード21を圧接してセラミック基板1に加わる力P1、ブレード22を圧接してセラミック基板に加わる力P2、及びブレード21の有する直線部211とセラミック基板1の分割面Xとの距離L1、ブレード22の有する直線部221とセラミック基板1の分割面Xとの距離L2との間に、P1×L1=P2×L2の関係を満たすようになすことが好ましい。
図4は、セラミック基板1表面にレーザー3を照射して、V字溝11の深さT2を形成する方法を示す。V字溝11は、熱応力を加えるレーザー3によって形成が可能であるから、ケミカルドライエッチング等の複雑な工程を必要とせず、セラミック基板1の製造工程が複雑になることは無い。図4(a)に示すように、レーザー3を照射してV字溝11を形成する場合、レーザー3の照射角θと、セラミック基板1の表面とレーザー3の焦点との距離Rを調整することにより、V字溝11の幅L3と深さT2を決定する。
V字溝11を形成する場合には、まず図4(b)に示すようにレーザー3の照射角をθ1、焦点距離をR1としてレーザー3を照射した後、図4(c)に示すようにレーザー3の照射角をθ2、焦点距離をR2と設定してレーザー3を照射する。そして、このとき照射角θ1、θ2、と焦点距離R1、R2との間には、それぞれθ1>θ2、R1<R2の関係を満たすようになせば、照射角θと焦点距離Rを変更しない場合と比較して、希望のV字溝11の深さT2に速く到達可能となる。
本実施形態においては、分割予定線10上に形成したV字溝11に沿ってセラミック基板1を分割するようになしたことから、セラミック基板1は分割予定線10に沿って分割されるようになるため、セラミック基板1の分割精度が向上する。また、V字溝11を形成することによって、セラミック基板1の分割する肉厚が薄くなることから、分割の精度が向上すると共に、分割するための曲げ応力が小さくなるという効果があり、これらはいずれも、セラミック基板1の製造設備簡略化が可能となり、製造コストを低減させる効果がある。さらにセラミック基板1を分割する肉厚が薄くなれば、分割の速度が向上するため、単位時間当たりの生産数が向上することによって、製造コストの低減が可能となるという効果がある。
また、セラミック基板1の表面側の分割予定線101に1本のブレード23の直線部231を圧接し、セラミック基板1の裏面側の分割予定線102に両側部に平行な方向にブレード21、22を2本圧接することによる三点曲げによって、セラミック基板1に曲げ応力を与えると共に、レーザー3をセラミック基板1の裏面側の分割予定線102に沿って照射することで熱応力を与えて分割することから、セラミック基板1の表面側に圧接したブレード23はV字溝11によって位置決めがされるため、圧接位置の精度を高めることが可能となり、セラミック基板1の分割精度が向上して品質が向上する。また、セラミック基板1製造の歩留まりが向上して製造コストを低減可能となる。
このとき、セラミック基板1の製造設備から、セラミック基板1の表面側に圧接したブレード23の位置決め精度を高める機構を省略することが可能となり、製造コストが低減される。
ここで、特に、曲げ応力を加えるために鋭利な直線部211、221、231を有するブレード21、22、23を用いた三点曲げを行っていることから、曲げ応力を分割予定線10に集中させることが可能となる。さらに、曲げ応力が集中する分割予定線10にレーザー3を照射して熱応力を与えることから、セラミック基板1の分割に必要な曲げ応力が軽減されることとなり、セラミック基板1の製造設備簡略化が可能となり、製造コストが低減される。
第一実施形態に加えて、セラミック基板1には薄肉部13を形成し、V字溝11は前記セラミック基板1の薄肉部13に形成してもよい。すなわち、図5は、本願の請求項1〜3に対応する第二実施形態であるセラミック基板の分割方法を示している。この実施形態のセラミック基板の分割方法は、図5に示す如く、セラミック基板1には薄肉部13を形成し、V字溝11は前記セラミック基板1の薄肉部13に形成される。
以下、第二実施形態のセラミック基板の分割方法を、より具体的詳細に説明する。第一実施形態と異なる点は、分割の対象となるセラミック基板1には、セラミック形成時に、薄肉部13が形成されている点である。薄肉部13の厚さT4は、セラミック基板1の厚さT1よりも薄くなされており、T1>T4の関係がある。また、セラミック基板1の分割予定線10は、薄肉部13にある。以下、セラミック基板1の分割方法として、セラミック基板1の薄肉部13にある表面側の分割予定線101に、レーザー3を照射してV字溝11を形成する工程以降は、第一実施形態と同じであるため説明を省略する。
第二実施形態においては、セラミック基板1には薄肉部13を形成し、V字溝11は前記セラミック基板1の薄肉部13に形成することから、セラミック基板1を分割する肉厚が薄くなることにより、セラミック基板1の分割に必要な曲げ応力が軽減され、分割の精度向上、分割の速度向上が可能となり、製造コストが低減されてセラミック基板1の品質が向上される。
第一実施形態に加えて、セラミック基板はV字溝を形成してから焼結されて成型されてもよい。すなわち、図6は、本願の請求項1、2、4に対応する第三実施形態であるセラミック基板の分割方法を示している。この実施形態のセラミック基板の分割方法においては、図6に示す如く、セラミック基板1はV字溝11を形成してから焼結されて成型される。
以下、第三実施形態のセラミック基板の分割方法を、より具体的詳細に説明する。セラミック基板1の分割工程において、最初に、セラミック基板1の形成時において、焼結前にセラミック基板1の表面にV字溝11を形成する。具体的には、セラミック基板1はその製造方法において、材料となるセラミック粉体をバインダと混ぜて受け側の金型に入れ、上側から別の金型で押さえて成型して焼結するが、その上側からの別の金型はV字の凸状部を有しており、V字の凸状部がバインダと混ぜられたセラミック粉体を圧縮するため、焼結が完了後にはV字溝11を有するセラミック基板1が形成されている。前記手順により作成されたセラミック基板1のV字溝11は、その奥端部の先端にクラック111が発生しやすくなり、この作用でセラミック基板1の強度が低下し、分割が容易となる。
セラミック基板1の分割方法としては、セラミック基板1の焼結時に予めV字溝11を形成しておく。以下、セラミック基板1表面のV字溝11に鋭利な直線部231を有するブレード23を圧接する工程以降は、第一実施形態と同じであるため説明を省略する。
この実施形態においては、セラミック基板1はV字溝11を形成してから焼結されて成型されることから、セラミック基板1の焼結時には、V字溝11の奥端部にクラック111を生じやすくなる。クラック111が発生したセラミック基板1は、セラミック板上に分割するための余分に設けられた部分、すなわち分割代の範囲内において、V字溝11の奥端部の強度を下げる効果があることから、セラミック基板1の分割に必要な曲げ応力が軽減されてセラミック基板1の製造設備が簡略化される。また分割の速度が向上して単位時間当たりの製造量が増加し、製造コストの低減を実現する。
第一実施形態に加えて、セラミック基板1の裏面側の分割予定線102上に分割補助溝12を形成した後に分割補助溝12にレーザー3を照射してもよい。すなわち、図7は、本願の請求項1、2、5に対応する第四実施形態であるセラミック基板の分割方法を示している。この実施形態のセラミック基板の分割方法においては、図7に示す如く、セラミック基板1の裏面側の分割予定線102上に分割補助溝12を形成した後に分割補助溝12にレーザー3を照射する。
以下、第四実施形態のセラミック基板の分割方法を、より具体的詳細に説明する。セラミック基板1の分割方法として、図7(a)に、セラミック基板1を三点曲げによる曲げ応力とレーザー3照射による熱応力で分割する様子を示す。セラミック基板1は、多数個取りのためにシート状に複数個形成されている。セラミック基板1は分割予定線10に沿って分割されて製造される。
最初に、セラミック基板1の表面側の分割予定線101に、レーザー3を照射し、表面側の分割予定線101に沿って、V字溝11を形成する。次に、レーザー3をセラミック基板1の裏面の分割予定線102に沿って動かしながら照射する、すなわちスキャン照射を行うが、この照射は、熱応力によってセラミック基板が分割されないように行い、裏面の分割予定線102に分割補助溝12が形成されるようにレーザー3の照射強度や、スキャンの速度、すなわちレーザー3を裏面の分割予定線102に沿って動かす速度を調節して行う。レーザー3の照射強度を、第一実施形態における熱応力をかけるための照射強度と同等にする場合には、レーザー3を裏面の分割予定線102に沿って動かす速度を、第一実施形態における熱応力をかけるための照射よりも速くして、高速スキャンを行う。
上記工程により、V字溝11と分割補助線12を形成した後の、セラミック基板1表面のV字溝11に鋭利な直線部231を有するブレード23を圧接する以降の工程は、第一実施形態と同様のため省略する。
この実施形態においては、セラミック基板1の裏面側の分割予定線102上に分割補助溝12を形成した後に分割補助溝12にレーザー3を照射することから、セラミック基板1を分割する肉厚が薄くなるとともに、セラミック基板1は表面側のV字溝11と裏面側の分割補助溝12に沿って分割されるため、セラミック基板1の分割に必要な曲げ応力軽減、分割の精度向上、分割の速度向上が可能となり、製造コストの低減やセラミック基板の品質が向上する。
第一実施形態に加えて、V字溝11に圧接されるブレード23を振動させてもよい。この実施形態(図示せず)は、本願の請求項1、2、6に対応する第五実施形態であるセラミック基板の分割方法である。この実施形態のセラミック基板の分割方法においては、図1におけるV字溝11に圧接されるブレード23は振動させられる。本実施形態のセラミック基板の分割方法では、図1に示す第一実施形態において、セラミック基板1の表面に形成されたV字溝11にブレード23を圧接する際、ブレード23を振動させる。その他の工程は第一実施形態と同様につき説明を省略する。本実施形態においては、V字溝11に圧接されるブレード23は振動させられることから、セラミック基板1の分割速度が向上して製造コストの低減を実現する。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、図1に示す第一実施形態において、セラミック基板1の表面に形成されたV字溝11に圧接するブレード23の温度を低下させても良い。この場合、ブレード23を通じて、セラミック基板1の温度が低下させられることから、レーザー3照射による熱応力の効果が増大する効果がある。また、別の例として、図1に示す第一実施形態において、セラミック基板1の表面に生成されたV字溝11の奥端にブレード23を圧接して応力を加えると同時に、ブレード23の鋭利な直線部231からV字溝11の奥端に向かってレーザー3を照射して熱応力を加えても良い。この場合、セラミック基板1の表面の分割予定線101には、ブレード23圧接による力、3本のブレード21、22、23による三点曲げの曲げ応力の他、レーザー3照射による熱応力が加えられる。
1 セラミック基板
10 分割予定線(セラミック基板の切取線である分割予定線)
101 表面側の分割予定線(セラミック基板の表面側の分割予定線)
102 裏面側の分割予定線(セラミック基板の裏面側の分割予定線)
11 V字溝(セラミック表面に形成されたV字溝)
111 クラック
12 分割補助溝
13 薄肉部(セラミック基板に形成された薄肉部)
14 凹部(セラミック基板上のV字溝近傍に設けられた凹部)
2 ブレード
21、22 裏面を支持するブレード(セラミック基板の裏面を支持するブレード)
23 表面を支持するブレード(セラミック基板の表面を支持するブレード)
211、221、231 ブレードの有する直線部
3 レーザー
T1 セラミック基板厚さ
T2 V字溝深さ
T3 凹部深さ(V字溝付近に設けられた凹部深さ)
T4 薄肉部厚さ(セラミック基板に形成された薄肉部厚さ)
X 分割面(セラミック基板の分割面)
Y 不良分割面(セラミック基板の不良分割面)
P1 ブレード21を圧接してセラミック基板に加わる力
P2 ブレード22を圧接してセラミック基板に加わる力
L1 ブレード21の有する直線部211とセラミック基板の分割面Xとの距離
L2 ブレード22の有する直線部221とセラミック基板の分割面Xとの距離
θ、θ1、θ2 レーザーの照射角
R、R1、 セラミック基板表面とレーザー焦点間の距離
10 分割予定線(セラミック基板の切取線である分割予定線)
101 表面側の分割予定線(セラミック基板の表面側の分割予定線)
102 裏面側の分割予定線(セラミック基板の裏面側の分割予定線)
11 V字溝(セラミック表面に形成されたV字溝)
111 クラック
12 分割補助溝
13 薄肉部(セラミック基板に形成された薄肉部)
14 凹部(セラミック基板上のV字溝近傍に設けられた凹部)
2 ブレード
21、22 裏面を支持するブレード(セラミック基板の裏面を支持するブレード)
23 表面を支持するブレード(セラミック基板の表面を支持するブレード)
211、221、231 ブレードの有する直線部
3 レーザー
T1 セラミック基板厚さ
T2 V字溝深さ
T3 凹部深さ(V字溝付近に設けられた凹部深さ)
T4 薄肉部厚さ(セラミック基板に形成された薄肉部厚さ)
X 分割面(セラミック基板の分割面)
Y 不良分割面(セラミック基板の不良分割面)
P1 ブレード21を圧接してセラミック基板に加わる力
P2 ブレード22を圧接してセラミック基板に加わる力
L1 ブレード21の有する直線部211とセラミック基板の分割面Xとの距離
L2 ブレード22の有する直線部221とセラミック基板の分割面Xとの距離
θ、θ1、θ2 レーザーの照射角
R、R1、 セラミック基板表面とレーザー焦点間の距離
Claims (6)
- レーザー照射による熱応力と曲げによる応力を利用したセラミック基板の分割方法において、分割予定線上に形成したV字溝に沿って分割することを特徴とするセラミック基板の分割方法。
- セラミック基板の表面側の分割予定線上にV字溝を形成し、鋭利な直線部を有するブレードの直線部を前記V字溝の奥端に圧接し、セラミック基板の裏面側の分割予定線の両側部において二つのブレードの直線部で支持することによりセラミック基板に曲げ応力を与えると共に、レーザーを裏面側の分割予定線に沿って照射することで熱応力を与えて分割することを特徴とする請求項1記載のセラミック基板の分割方法。
- セラミック基板には薄肉部を形成し、V字溝は前記セラミック基板の薄肉部に形成することを特徴とする請求項1記載のセラミック基板の分割方法。
- セラミック基板はV字溝を形成してから焼結されて成型されることを特徴とする請求項1記載のセラミック基板の分割方法。
- セラミック基板の裏面側の分割予定線上に分割補助溝を形成した後に分割補助溝にレーザーを照射することを特徴とする請求項2記載のセラミック基板の分割方法。
- V字溝に圧接されるブレードは振動させられることを特徴とする請求項2記載のセラミック基板の分割方法。
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CN102380713A (zh) * | 2010-08-27 | 2012-03-21 | 三星钻石工业股份有限公司 | 激光切割装置 |
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CN112701066A (zh) * | 2021-01-07 | 2021-04-23 | 深圳市粤海翔精密科技有限公司 | 一种晶圆裂片用劈裂刀设备及其使用方法 |
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2005
- 2005-09-26 JP JP2005278761A patent/JP2007083693A/ja active Pending
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