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JP2007075836A - 半田付け用無鉛合金 - Google Patents

半田付け用無鉛合金 Download PDF

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Joo Dongu Lee
ジョー・ドング リー,
Kii Pyungu Namu
キー・ピュング ナム,
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LT Materials Co Ltd
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Heesung Material Ltd
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Abstract

【課題】 濡れ性、接着性、信頼性の高い無鉛半田を製造する。
【解決手段】 銅(Cu)が0.05重量%〜1.5重量%であり、ニッケル(Ni)が0.001重量%〜0.5重量%であり、燐が0.001重量%〜0.5重量%であり、ガリウム(Ga)が0.001重量%〜0.5重量%であり、残りが錫(Sn)から成る構成として、組成の選定によって錫による濡れ性の向上、胴による接合強度の向上、ニッケルによる機械的強度の向上、燐による参加防止の効果を効果的に発揮させることができ、濡れ性、接着性、信頼性の高い無鉛半田を製造するとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鉛を含有しない構成による半田付け用無鉛合金に関する。
電気機器の組み立て製造、例えば電子部品の印刷回路への搭載における電気的、機械的接合など、金属等の接合に、半田付けが広く利用されている。
この半田付けを行う半田材は、接合する金属より溶融温度が低い半田合金が用いられる。
この半田合金は、鉛の溶融温度(327℃)より低い温度で溶融可能な軟鉛と、溶融温度が450℃以上の硬鉛とに大別される。
軟鉛の成分は、通常鉛と錫であり、その含有量によって引っ張り強度と剪断強度がそれぞれ異なる性質を示す。
一方、硬鉛は、通常、粉末、バンド、ワイヤ等の形状とされ、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)が主成分である黄銅鉛と銀(Ag)を添加して流動性を改善した銀鉛などかある。
一般に、電子機器類は、故障などの理由で廃棄されると、焼却等の処分がされることなく、単に裁断処理され、安定型の産業廃棄物として地中に埋め立てられる。
ところが、いま、地中に埋め立て処分された電子機器類が問題となっている。
これは、化石燃料の多用から大気中に硫黄酸化物や窒化酸化物が多量発生され、酸性状態になった大気を雨が通過することによって酸性雨となり、この酸性雨が地中に浸透し、埋め立てられた電子機器類から鉛などの有害金属を湧出させる問題である。
この有害金属は、地中に浸透することによって、地下水を汚染する。この地下水を長年に渡って飲むことによって、鉛中毒を引起す恐れがある。
また、このような有鉛の半田を用いて半田付け作業を行なうと、その作業時に発生する半田溶融から発生するガスを作業者が吸引することによって人体に蓄積されると、鉛中毒という人体に致命的影響を与える。
現在まで、開発された無鉛(Lead Free)の半田は、錫(Sn)を主成分として、Cu、Ag、Bi、Zn、Ni、Pなどの金属を添加したものである(例えば特許文献1参照)。
無鉛の半田の代表組成としては、Sn-0.7重量%Cu、Sn-3.5重量%Ag、Sn-58重量%Bi、Sn-9重量%Znの2元合金以外に、用途に応じて、添加金属元素を組み合わせて3元合金、またはそれ以上として用途に応じて使用されている。
しかしこれらの無鉛半田は、それぞれの合金ごとに問題点を抱えている。
例えば、Sn-9重量%ZnなどのSn-Zn系半田は、Znが非常に酸化しやすい金属であるから、厚い酸化膜を形成しやすく、大気中の半田付けにおいては、濡れ性が悪い。
さらに、Sn-58重量%BiなどのSn-Bi系半田は、Biの特性に因り機械的な強度が弱いし、半田の接合部における信頼性の低下の恐れがある。
現在、無鉛半田で、最も実用的であると思われているものは、Sn-0.7重量%CuなどのSn-Cu系、Sn-3.5重量%AgなどのSn-Ag系及びSn-Ag系半田にCuを添加したSn-Ag-Cu系半田である。
しかし、Sn-0.7重量%CuのようなSn-Cu系半田は、コスト面で安価であるが、半田付け時の濡れ性に乏しい。
一方、Sn-3.5重量%AgのようなSn-Ag系及びSn-Ag系半田にCuを少量添加したSn-Ag-Cu系は濡れ性が良いが、高価であるAgを含有しているので、コストが高くなる。これに対してコストダウンのために、Agの含有量を少なくすると濡れ性と半田の合金強度が劣ってくるという問題が生じてくる。
特開2000−246483号公報
本発明は、上述した諸問題の解決を図ることができ、無鉛半田構成とするにも拘わらず、濡れ性、接着性にすぐれ信頼性にすぐれた半田付け用無鉛合金を提供するものである。
本発明は、錫(Sn)を基本物質として、ここに作業性と強度を改善して機械的な特性を増加させて無鉛半田付けの製造時にドロッス(Dross)される量を最小化するため、付加金属で銅(Cu)、ニッケル(Ni)、燐(P)、ガリウム(Ga)を添加した組成とするものである。
本発明による半田付け用無鉛合金は、銅(Cu)が0.05重量%〜1.5重量%であり、ニッケル(Ni)が0.001重量%〜0.5重量%であり、燐が0.001重量%〜0.5重量%であり、ガリウム(Ga)が0.001重量%〜0.5重量%であり、残りが錫(Sn)から成ることを特徴とする。
上述した本発明による半田付け用無鉛半田によれば、金属に対し濡れ性にすぐれ、接着性にすぐれ、信頼性にすぐれた無鉛半田が得られた。
本発明による半田付け用無鉛半田は、銅(Cu)が0.05重量%〜1.5重量%、ニッケル(Ni)が0.001重量%〜0.5重量%であり、燐が0.001重量%〜0.5重量%であり、ガリウム(Ga)が0.001重量%〜0.5重量%であり、残部錫(Sn)から成る。
上述の構成において、錫(Sn)は自体の毒性がないものであり、接合母材に対して濡れ性を提供する役割をする半田材必須金属である。
銅(Cu)は無鉛合金に添加されて合金の組織を微細化して接合強度を向上させると共に被接合体の例えば電子部品や印刷回路基板の浸食を抑える効果を奏する。
本発明では、Cuを0.05重量%〜1.5重量%含有させる。この含有量の選定は、銅の含有率が0.05重量%未満とすると、機械的な強度の向上の効果が微々であり、1.5重量%を超えると溶融温度を上昇させて濡れ性の低下及びドロッス(Dross)の発生量が増加することを認めたことに因る。
また、ニッケル(Ni)は、錫に固溶(Solid Solution)され、機械的な強度を向上させる役割をする。
本発明構成では、Niを0.001重量%〜0.5重量%含有させるものであり、この含有量の選定は、0.001重量%未満では機械的な強度の向上の効果が微々であり、0.5重量%を超えると液状性の温度が上昇して半田の流動性が減少することを認めたことに因る。
燐(P)の添加は、半田の酸化防止及び濡れ性を向上させる効果を有する。すなわちこの燐の添加によって無鉛半田の製造時において、その溶融状態で燐が上部層へ浮き上がって空気中の酸素と接触する皮膜が形成されるようにして、ドロス(Dross)される量を最小化することができる効果を奏する。
本発明構成では、燐(P)0.001重量%〜0.5重量%を含有させる。この含有量の選定は、燐の添加量は0.001重量%未満では酸化防止および濡れ性の向上に効果がみられず、0.5重量%を超えると、半田の粘性を増加させて半田付け時のブリッジ(Bridge)などの欠陥が発生することを認めたことに因る。
そして、上記の無鉛合金に0.001重量%〜0.5重量%のガリウム(Ga)を添加する。このGaの添加により融点を低下させることができ、作業性を改善し、酸化防止及び濡れ性を更に向上させることができる。
このように溶融半田にガリウム(Ga)を添加すると、溶融半田の表面に薄く拡散するため、半田付けに際してガリウムの薄い酸化物が溶融半田の表面を覆うことによって溶融半田の大気との接触を遮断する効果が得られ、高温で溶融された無鉛半田における酸化を防止するという効果を奏することができる。
このGa添加量の選定は、0.001重量%未満では融点低下、酸化防止及び濡れ性の改善に効果がほとんど生じることがなく、0.5重量%を超えると溶融半田の粘性が増加され、作業が困難になり、さらに製造原価の上昇で経済性が落ちることに因る。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
銅(Cu)が0.5重量%、ニッケル(Ni)が0.06重量%、燐(P)が0.07重量%、ガリウム(Ga)が0.02重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
(実施例2)
銅(Cu)が0.8重量%、ニッケル(Ni)が0.4重量%、燐(P)が0.4重量%、ガリウム(Ga)が0.4重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
(比較例1)
錫が63.0重量%、鉛が37重量%である有鉛合金を製造した。
上記の実施例1、2によって製造された無鉛合金と比較例1による半田との、固相温度、液相温度、半田付けの強度及びクリープ(creep)の寿命を表1に比較して示した。
Figure 2007075836
上記の表1で示すように、本発明の無鉛合金は固相温度が200℃〜208℃であり、液相温度が212℃〜215℃であって凝固範囲が狭いので、電子部品の配線用の無鉛半田として用いることができる。さらに、本発明の添加元素によって半田付けの強度及びクリープ(creep)の寿命が増加して機械的な特性が向上されることが分かる。
(実施例3)
銅(Cu)が0.5重量%、ニッケル(Ni)が0.06重量%、燐(P)が0.002重量%、ガリウム(Ga)が0.01重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
(実施例4)
銅(Cu)が0.5重量%、ニッケル(Ni)が0.06重量%、燐(P)が0.004重量%、ガリウム(Ga)が0.2重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
(実施例5)
銅(Cu)が0.5重量%、ニッケル(Ni)が0.06重量%、燐(P)が0.008重量%、ガリウム(Ga)が0.4重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
(比較例2)
銅が0.5重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
(比較例3)
銅が0.5重量%で、ニッケルが0.06重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
(比較例4)
銅が0.5重量%で、ニッケルが0.06重量%で、燐が0.002重量%で、残りが錫である無鉛合金を製造した。
上記の実施例3乃至実施例5によって製造された無鉛合金と比較例2乃至比較例4によって製造された無鉛合金を小型半田付けの分類槽から各10kg溶融して、攪拌したときの1時間の間のドロッス(Dross)の発生量を表2に示した。
Figure 2007075836
上記の表2のように従来の無鉛合金に燐とガリウムを同時に添加するとき、ドロッスの発生量が急激に減少する。これは添加された微量の燐とガリウムが溶融半田の表面に薄い酸化皮膜を形成して大気との接触を遮断して高温で溶融された無鉛半田の酸化を防止するためである。
上述したように、本発明の無鉛合金は従来のSn-Pb系の半田におけるように鉛が含有されていないので、作業の環境を改善することができるものであり、冒頭に述べた環境汚染を回避することができる。
また、本発明によれば、上述したように、既存のSn-Pb系半田比較して半田付けの強度及びクリープの寿命を延長させる優秀な効果を有している。さらに、既存の無鉛半田と比較しても、ガリウムの追加的な添加によって融点の低下、ドロッス(Dross)量の低減及び機械的な特性を向上させることができる。
また、鉛を使用しなくても既存の半田とほぼ類似な融点を有することになるので、Sn-Pb系半田を使用する場合の装備をそのまま使用することができるということは勿論、濡れ性の向上及びドロッス(Dross)の発生量の低減などで無鉛合金の使用量を最小化することができることから、工業的、経済的に大きな利益をもたらすものである。

Claims (1)

  1. 銅(Cu)が0.05重量%〜1.5重量%であり、ニッケル(Ni)が0.001重量%〜0.5重量%であり、燐が0.001重量%〜0.5重量%であり、ガリウム(Ga)が0.001重量%〜0.5重量%であり、残りが錫(Sn)から成る
    ことを特徴とする半田付け用無鉛合金。
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