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JP2007071055A - 磁場集中構造を有する磁気回路を備えたホールスラスタ - Google Patents

磁場集中構造を有する磁気回路を備えたホールスラスタ Download PDF

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JP2007071055A
JP2007071055A JP2005256646A JP2005256646A JP2007071055A JP 2007071055 A JP2007071055 A JP 2007071055A JP 2005256646 A JP2005256646 A JP 2005256646A JP 2005256646 A JP2005256646 A JP 2005256646A JP 2007071055 A JP2007071055 A JP 2007071055A
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Koichi Tawara
弘一 田原
Masao Yuge
政郎 弓削
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Osaka University NUC
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Abstract

【課題】簡素な構成により、加速チャネルの下流端域に磁場を集中し、陽極近傍の磁場の強さを抑制する。
【解決手段】チャネル外周壁2a、内周壁2bにより形成された円環状空間からなりその下流端が開口した加速チャネル1と、加速チャネルの下流端近傍に配置された陰極と、加速チャネルの上流域に配置された陽極4と、加速チャネルに推進剤ガスを供給する推進剤供給口4aと、チャネル外周壁外側に配置された外周磁気コア5、チャネル内周壁内側に配置された中央磁気コア8、および加速チャネル上流端側において外周磁気コアと中央磁気コアとの間の磁路を形成するヨーク9により形成された磁気回路と、外周磁気コア及び中央磁気コアにそれぞれ付設された外側、内側磁気コイル10、11を備える。外周磁気コアと中央磁気コアとの間隔が、下流端において上流端よりも狭く、内側磁気コイルは、中央磁気コアに対して下流端側に偏在配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、宇宙推進に用いられるホールスラスタ、すなわち、円環状の加速チャネルに径方向の磁場と軸方向の電場を作用させて、加速チャネル内で生成されたプラズマからイオンのみを静電的に加速・噴出させることにより推進力を得るホールスラスタに関する。特に、改良された磁場集中構造を有する磁気回路を備えたホールスラスタに関する。
図10に、ホールスラスタの基本構造を示す。ホールスラスタは、円環状の加速チャネル31を有する。加速チャネル31は、チャネル外周壁32aとチャネル内周壁32bにより形成され、その下流端が開口している。加速チャネル31の下流端の近傍には、陰極33が配置されている。加速チャネル31の上流部には、陽極34が配置されている。陽極34には、加速チャネル31に推進剤を供給するための推進剤供給口34aが設けられている。推進剤としては、例えばキセノンが用いられる。チャネル外周壁32aの外側には、外周磁気コア35が配置され、チャネル内周壁32bの内側には、中央磁気コア36が配置されている。
加速チャネル31には、径方向の磁場と軸方向の電場が印加される。すなわち、図示しないが、外周磁気コア35と中央磁気コア35により形成される磁気回路に磁気コイルが付設され、発生する磁束が漏洩することにより加速チャネル31に径方向の磁場が印加される。また、陽極34と陰極33の間には電圧が印加されて、軸方向の電場を形成する。
陰極33から放出され加速チャネル31内に流入した電子は、電場と磁場の相互作用によって、加速チャネル31内を円周方向に周回し、ホール電流と呼ばれる円周方向の電流を形成して電子が閉じ込められる。推進剤供給口34aから供給される推進剤は、ホール電流として閉じこめられた電子と電離衝突して、プラズマが発生する。このプラズマからイオンのみが軸方向の電場によって加速・噴出され、その反作用で推力が得られる。噴出されたイオンは陰極33から放出された電子と結合して中性粒子となる。
以上のとおりホールスラスタは、電気推進機の一種であり、エネルギー変換効率(推進効率)が50%以上と高く、また高比推力、すなわち、推進剤単位量当たりの加速に使えるエネルギが大きい、という特徴がある。このため、所要推進剤量が少なく、小型で軽量であり、宇宙機の姿勢制御、軌道制御用に適した宇宙用推進機として期待されている。従って、その性能を向上させるための改良が急速に進められている。
ホールスラスタの性能を向上させるための課題の1つは、電離とイオン加速の効率を高めることであり、そのためには、加速チャネルの下流端域に磁場を集中させて、その狭い領域でのみ電離と加速を実現し、陽極近傍における漏洩磁場はできる限り小さくすることが望ましい。
加速チャネルの下流端域に磁場を集中させるための一例として、特許文献1には、3つのコイルを用いてそれぞれが形成する磁場の組み合わせを適切に調整した構成が記載されている。
また、加速チャネルの下流端域に磁場を集中させるための他の例として、図11に記載の構成が知られている。加速チャネル41は、チャネル外周壁42aとチャネル内周壁42bにより形成された円環状空間からなる。加速チャネル41の下流端近傍に、陰極43が配置されている。加速チャネル41の上流域に、陽極44が配置されている。加速チャネル41の上流端部には、推進剤供給口45が設けられている。
チャネル外周壁42aの外側に外周磁気コア46が配置され、チャネル内周壁42bの内側には、中央磁気コア47が配置されている。加速チャネル41の上流端側に配置された後端板48は、外周磁気コア46と中央磁気コア47の間の磁路を形成するヨークとして機能する。外周磁気コア46及び中央磁気コア47にはそれぞれ、外側磁気コイル49、および内側磁気コイル50が付設されている。外側磁気コイル49と加速チャネル41の間、および内側磁気コイル50と加速チャネル41の間にはマグネティックシールド51、52が配置されている。
このホールスラスタにおいては、マグネティックシールド51、52を設けて漏洩磁束を遮断し、加速チャネル41の下流端域のみにおいて漏洩磁束を通過させることにより、所望の位置に集中した磁場分布が形成される。
特表平8−500699号公報
上記従来例の構成においては、磁束を発生させるコイルの数を増加させ、あるいはマグネティックシールドを設けることにより、所望の磁場集中を行っている。従って、磁場集中のための追加部材が必要であり、構造の複雑化を伴い、装置の小型化を阻害する要因となる。
本発明は、簡素な構成により、加速チャネルの下流端域に磁場が効果的に集中され、陽極近傍における磁場の強さが十分に抑制されたホールスラスタを提供することを目的とする。
本発明のホールスラスタは、基本的な構成として、チャネル外周壁とチャネル内周壁により形成された円環状空間からなりその下流端が開口した加速チャネルと、前記加速チャネルの前記下流端に隣接した外部に配置された陰極と、前記加速チャネルの上流域に配置された陽極と、前記加速チャネルに推進剤ガスを供給するための推進剤供給口と、前記チャネル外周壁の外側に配置された外周磁気コア、前記チャネル内周壁の内側に配置された中央磁気コア、および前記加速チャネルの上流端側において前記外周磁気コアと前記中央磁気コアとの間の磁路を形成するヨークにより形成された磁気回路と、前記外周磁気コア及び前記中央磁気コアにそれぞれ付設された磁気コイルとを備える。前記磁気コイルにより発生する磁束が前記磁気回路から漏洩することにより前記加速チャネルの径方向に印加される磁場と、前記陰極と前記陽極により前記加速チャネルの軸方向に印加される電場の作用により、前記推進剤供給口から供給される推進剤が電離し、生成されたイオンが加速されて推力を発生する。
上記課題を解決するために、本発明の第1の構成のホールスラスタは、前記外周磁気コアと前記中央磁気コアとの間隔が、前記下流端において前記上流端よりも狭く、前記中央磁気コアに付設された内側磁気コイルは、前記中央磁気コアに対して前記下流端側に偏在して配置されていることを特徴とする。
本発明の第2の構成のホールスラスタは、前記中央磁気コアの直径が、前記下流端において前記上流端よりも大きいことを特徴とする。
本発明の第3の構成のホールスラスタは、前記中央磁気コアに付設された内側磁気コイルが、前記中央磁気コアに対して前記下流端側に偏在して配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、外周磁気コアと中央磁気コアとの間隔、中央磁気コアの横断面積、あるいは内側磁気コイルの配置の調整、という追加部材を必要としない極めて簡素な構成により、加速チャネルの下流端域に磁場が効果的に集中され、陽極近傍における磁場の強さが十分に抑制されたホールスラスタを得ることができる。
本発明の第1の構成のホールスラスタにおいて、前記外周磁気コアは、前記加速チャネルの軸方向において、前記中央磁気コアに対して傾斜した形状を有する構成とすることができる。
また、前記外周磁気コアの上流端の直径D0、前記外周磁気コアの下流端の直径D1が、下記の式(1)の関係を満たすことが好ましい。それにより、加速チャネルの下流端域と陽極近傍における磁束密度の比を適切に設定することが容易になる。
1.2×D1<D0<1.5×D1 (1)
本発明の第2の構成のホールスラスタにおいて、前記中央磁気コアは、前記下流端側の大径部と前記上流端側の小径部により形成された2段構造を有する構成とすることができる。
この構成において、前記小径部の長さLcは、中央磁気コアの長さLに対してLc≧0.5Lの関係を満たす範囲であることが好ましい。
また、前記中央磁気コアの前記小径部の直径W1、前記大径部の直径W2が、下記の式(2)の関係を満たすことが好ましい。それにより、加速チャネルの下流端域と陽極近傍における磁束密度の比を適切に設定することが容易になる。
2/2<W1<3W2/4 (2)
以上の構成において、前記中央磁気コアに付設された内側磁気コイルは、前記中央磁気コアに対して前記下流端側に偏在して配置されている構成とすることができる。
内側磁気コイルが前記中央磁気コアに対して前記下流端側に偏在して配置されている構成とする場合、前記中央磁気コアの上流端から前記内側磁気コイルの上流端までの距離Lbは、前記中央磁気コアの長さLに対して、Lb≧0.5Lの関係を満たす範囲であることが好ましい。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1におけるホールスラスタの構造について、図1の断面図を参照して説明する。加速チャネル1は、チャネル外周壁2aとチャネル内周壁2bにより形成された円環状空間からなり、その下流端は開口している。チャネル外周壁2a、およびチャネル内周壁2bは、例えば窒化ホウ素(BN)等のセラミックを用いて形成される。加速チャネル1の下流端に隣接した外部には、従来例と同様に中空陰極が配置されるが、図示を省略する。加速チャネル1の上流端は、封口部材3により封口されている。封口部材3には陽極4が固定され、加速チャネル1の上流域に位置している。陽極4には、加速チャネル1に推進剤を供給するための推進剤供給口4aが設けられている。
チャネル外周壁2aの外側に外周磁気コア5が配置され、前端板6を介して連結部材7と連結されている。連結部材7は封口部材3と結合され、従って、外周磁気コア5は、前端板6、連結部材7および封口部材3を介して、加速チャネル1に対する位置が固定されている。チャネル内周壁2bの内側には、中央磁気コア8が配置されている。加速チャネル1の上流端側に配置された後端板9は、外周磁気コア5と中央磁気コア8とを結合して中央磁気コア8を支持するとともに、外周磁気コア5と中央磁気コア8との間の磁路を形成するヨークとして機能する。従って、外周磁気コア5、中央磁気コア8および後端板9により磁気回路が形成される。外周磁気コア5及び中央磁気コア8にはそれぞれ、外側磁気コイル10、および内側磁気コイル11が付設されている。
外側磁気コイル10、および内側磁気コイル11により発生される磁束が磁気回路から漏洩することにより、加速チャネル1の径方向に磁場が印加される。また、陰極と陽極4により加速チャネル1の軸方向に電場が印加される。この磁場と電場の作用により、推進剤供給口4aから供給される推進剤が電離し、生成されたイオンが加速されて推力を発生する。
本実施の形態においては、外周磁気コア5と中央磁気コア8との間隔が、下流端において上流端よりも狭くなるように設定される。図の構成では、外周磁気コア5は、加速チャネル1の軸方向において、中央磁気コア8に対して傾斜した形状を有する。すなわち、外周磁気コア5の上流端の直径D0は、下流端の直径D1よりも大きい。それにより、加速チャネル1に印加される磁場は下流端部に集中される。
更に、中央磁気コア8に付設された内側磁気コイル4は、下流端側に偏在して配置されている。すなわち、図1に示した中央磁気コア8の上流端から内側磁気コイル4の上流端までの距離Lbは、0.5Lに設定されている。それにより、磁束の発生する位置が下流端側に偏るため、加速チャネル1の下流端域に対する磁場の集中度が向上する。
以上の構成により、加速チャネル1に印加される磁場は下流端部に集中され、陽極4の近傍では磁場の強さが十分に抑制される。その結果、磁場が集中された狭い領域に集中して電離と加速が行われ。電離とイオン加速の効率を高めることができる。
本実施の形態による磁気回路の構成に基づく効果を、図2および図3に示す。図2は、図1のホールスラスタにおいて形成される磁場を示す。但し、図1におけるホールスラスタの上半分の断面のみを示す。12は磁力線である。図3は、図2の加速チャネル1の軸方向における位置と印加される磁場の強さ(磁束密度)の関係を示す。P1は加速チャネル1の下流端に対応する位置である。Laは、中央磁気コア8の長さLの1/2であり、従って、P0は陽極4の近傍の位置に対応する。磁束密度は、最大値Bmaxに対する比率で表わされる。
図3から判るように、加速チャネル1の下流端域に磁場が十分に集中し、陽極近傍での磁束密度B0が十分に抑制されている。このような磁場の集中は、B0<0.2Bmaxの条件を満足する程度であれば、実用的に十分である。そのためには、外周磁気コア5の上流端の直径D0、外周磁気コア5の下流端の直径D1が、下記の式(1)の関係を満たすように構成することが望ましい。
1.2×D1<D0<1.5×D1 (1)
印加される磁場の状態は、中央磁気コア8の長さLによっても影響を受けるが、長さLと直径D1の実用的な範囲において、式(1)の関係を満たすことにより、上述の磁束密度の関係を得ることが可能である。寸法の一例として、L=80cm、D1=180cmであれば、上記磁束密度の条件を容易に充足することができる。
また、中央磁気コア8の上流端から内側磁気コイル4の上流端までの距離Lbは、Lb≧0.5Lの範囲であれば、上記効果を十分に得ることが可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2におけるホールスラスタの構造について、図4の断面図を参照して説明する。基本的な構造は図1に示した実施の形態1と同様であり、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
本実施の形態においては、中央磁気コア20、及び外周磁気コア22の形状が実施の形態1とは相違する。外周磁気コア22は、中央磁気コア20に対して傾斜せず、平行である。中央磁気コア20は、上流端側の小径部20aと下流端側の大径部20bとにより形成された2段構造を有する。すなわち、小径部20aの直径W1に対して、大径部20bの直径W2の方が大きい。直径W1の小径部20aの長さLcは、中央磁気コア20の長さLの1/2である。内側磁気コイル21、外側磁気コイル23はいずれも、軸方向全域に亘って配置されている。
この構成によれば、実施の形態1と同様に、外周磁気コア22と中央磁気コア20との間隔が、下流端において上流端よりも狭くなっている。従って、加速チャネル1に印加される磁場は下流端域に集中され、陽極4の近傍では磁場の強さが十分に抑制される。その結果、磁場が集中された狭い領域に集中して電離と加速が行われ。電離とイオン加速の効率を高めることができる。なお、小径部20aの長さLcは、Lc≧0.5Lであれば、上記効果を十分に得ることが可能である。
本実施の形態による磁気回路の構成に基づく効果を、図5および図6に示す。図5は、図4のホールスラスタにおいて形成される磁場を示す。但し、図4におけるホールスラスタの上半分の断面のみを示す。図6は、図5の加速チャネル1の軸方向における位置と印加される磁場の強さの関係を示す。図3と同様、P1は加速チャネル1の下流端に対応する位置である。Laは、中央磁気コア20の長さLの1/2であり、従ってP0は陽極4の近傍の位置に対応する。磁束密度は、最大値Bmaxに対する比率で表わされる。
図6から判るように、加速チャネル1の下流端域に磁場が十分に集中し、陽極近傍での磁束密度B0は十分に抑制されている。実施の形態1と同様にB0<0.2Bmaxの条件を満足するためには、下記の式(2)の関係を満たすように構成することが望ましい。
2/2<W1<3W2/4 (2)
印加される磁場の状態は、中央磁気コア20の長さL、外周磁気コア22の外径D、チャネル外周壁2aの内径D2、チャネル内周壁2bの外径D3によっても影響を受けるが、それらの寸法の実用的な範囲においては、式(2)の関係を満たすことにより、上述の磁束密度の関係を得ることが可能である。寸法の一例として、L=80cm、D=180cm、D2=100cm、D3=56cmであれば、上記磁束密度の条件を容易に充足することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3におけるホールスラスタの構造について、図7の断面図を参照して説明する。基本的な構造は図4に示した実施の形態2と同様であり、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
本実施の形態においては、下流端域での磁場の集中効果を更に高めるために、中央磁気コア20に付設された内側磁気コイル24は、下流端側に偏在して配置されている。すなわち、図7に示した中央磁気コア20の上流端から内側磁気コイル24の上流端までの距離Lbが、0.5Lに設定されている。それにより、磁束の発生する位置が下流端側に偏るため、加速チャネル1の下流端域に対する磁場の集中度が向上する。距離Lbは、Lb≧0.5Lであれば、上記効果を十分に得ることが可能である。
本実施の形態による磁気回路の構成に基づく効果を、図8および図9に示す。図8は、図7のホールスラスタにおいて形成される磁場を示す。但し、図7におけるホールスラスタの上半分の断面のみを示す。図9は、図8の加速チャネル1の軸方向における位置と印加される磁場の強さの関係を示す。図3と同様、P1は加速チャネル1の下流端に対応する位置である。Laは、中央磁気コア20の長さLの1/2であり、従ってP0は陽極4の近傍の位置に対応する。
図9から判るように、加速チャネル1の下流端域に磁場が十分に集中し、陽極近傍での磁束密度をB0は十分に抑制されている。実施の形態1と同様にB0<0.2Bmaxの条件を満足するためには、上述の式(2)の関係を満たすように構成することが望ましい。
なお、図示しないが、中央磁気コアに付設された内側磁気コイルを、中央磁気コアに対して下流端側に偏在して配置することのみにより、加速チャネル1の下流端域に磁場を十分に集中させることも可能である。
本発明のホールスラスタは、加速チャネルの下流端域に磁場が集中して、電離とイオン加速の効率が向上するので、人工衛星や惑星探査機等、宇宙機の姿勢制御あるいは軌道制御等に用いられる宇宙航行機用推進装置として有用である。
本発明の実施の形態1におけるホールスラスタの断面図 同ホールスラスタにおいて形成される磁場を示す断面図 同磁場の強さと加速チャネル軸方向における位置との関係を示す図 本発明の実施の形態2におけるホールスラスタの断面図 同ホールスラスタにおいて形成される磁場を示す断面図 同磁場の強さと加速チャネル軸方向における位置との関係を示す図 本発明の実施の形態3におけるホールスラスタの断面図 同ホールスラスタにおいて形成される磁場を示す断面図 同磁場の強さと加速チャネル軸方向における位置との関係を示す図 ホールスラスタの基本構造を示す斜視図 従来例のホールスラスタを示す断面図
符号の説明
1、31、41 加速チャネル
2a、32a、42a チャネル外周壁
2b、32b、42b チャネル内周壁
3 封口部材
4、34、44 陽極
4a、34a、45 推進剤供給口
5、22、35、46 外周磁気コア
6 前端板
7 連結部材
8、20、36、47 中央磁気コア
9、48 後端板
10、、23、49 外側磁気コイル
11、21、50 内側磁気コイル
12 磁力線
20a 小径部
20b 大径部
33、43 陰極
51、52 マグネティックシールド

Claims (10)

  1. チャネル外周壁とチャネル内周壁により形成された円環状空間からなりその下流端が開口した加速チャネルと、
    前記加速チャネルの前記下流端に隣接した外部に配置された陰極と、
    前記加速チャネルの上流域に配置された陽極と、
    前記加速チャネルに推進剤ガスを供給するための推進剤供給口と、
    前記チャネル外周壁の外側に配置された外周磁気コア、前記チャネル内周壁の内側に配置された中央磁気コア、および前記加速チャネルの上流端側において前記外周磁気コアと前記中央磁気コアとの間の磁路を形成するヨークにより形成された磁気回路と、
    前記外周磁気コア及び前記中央磁気コアにそれぞれ付設された磁気コイルとを備え、
    前記磁気コイルにより発生する磁束が前記磁気回路から漏洩することにより前記加速チャネルの径方向に印加される磁場と、前記陰極と前記陽極により前記加速チャネルの軸方向に印加される電場の作用により、前記推進剤供給口から供給される推進剤が電離し、生成されたイオンが加速されて推力を発生するホールスラスタにおいて、
    前記外周磁気コアと前記中央磁気コアとの間隔が、前記下流端において前記上流端よりも狭く、
    前記中央磁気コアに付設された内側磁気コイルは、前記中央磁気コアに対して前記下流端側に偏在して配置されていることを特徴とするホールスラスタ。
  2. 前記外周磁気コアは、前記加速チャネルの軸方向において、前記中央磁気コアに対して傾斜した形状を有する請求項1に記載のホールスラスタ。
  3. 前記外周磁気コアの上流端の直径D0、前記外周磁気コアの下流端の直径D1が、下記の式(1)の関係を満たす請求項1または2に記載のホールスラスタ。
    1.2×D1<D0<1.5×D1 (1)
  4. チャネル外周壁とチャネル内周壁により形成された円環状空間からなりその下流端が開口した加速チャネルと、
    前記加速チャネルの前記下流端に隣接した外部に配置された陰極と、
    前記加速チャネルの上流域に配置された陽極と、
    前記加速チャネルに推進剤ガスを供給するための推進剤供給口と、
    前記チャネル外周壁の外側に配置された外周磁気コア、前記チャネル内周壁の内側に配置された中央磁気コア、および前記加速チャネルの上流端側において前記外周磁気コアと前記中央磁気コアとの間の磁路を形成するヨークにより形成された磁気回路と、
    前記外周磁気コア及び前記中央磁気コアにそれぞれ付設された磁気コイルとを備え、
    前記磁気コイルにより発生する磁束が前記磁気回路から漏洩することにより前記加速チャネルの径方向に印加される磁場と、前記陰極と前記陽極により前記加速チャネルの軸方向に印加される電場の作用により、前記推進剤供給口から供給される推進剤が電離し、生成されたイオンが加速されて推力を発生するホールスラスタにおいて、
    前記中央磁気コアの直径は、前記下流端において前記上流端よりも大きいことを特徴とするホールスラスタ。
  5. 前記中央磁気コアは、前記下流端側の大径部と前記上流端側の小径部により形成された2段構造を有する請求項4に記載のホールスラスタ。
  6. 前記小径部の長さLcは、中央磁気コアの長さLに対してLc≧0.5Lの関係を満たす範囲である請求項5に記載のホールスラスタ。
  7. 前記中央磁気コアの前記小径部の直径W1、前記大径部の直径W2が、下記の式(2)の関係を満たす請求項5または6に記載のホールスラスタ。
    2/2<W1<3W2/4 (2)
  8. 前記中央磁気コアに付設された内側磁気コイルは、前記中央磁気コアに対して前記下流端側に偏在して配置されている請求項4〜7のいずれか1項に記載のホールスラスタ。
  9. チャネル外周壁とチャネル内周壁により形成された円環状空間からなりその下流端が開口した加速チャネルと、
    前記加速チャネルの前記下流端に隣接した外部に配置された陰極と、
    前記加速チャネルの上流域に配置された陽極と、
    前記加速チャネルに推進剤ガスを供給するための推進剤供給口と、
    前記チャネル外周壁の外側に配置された外周磁気コア、前記チャネル内周壁の内側に配置された中央磁気コア、および前記加速チャネルの上流端側において前記外周磁気コアと前記中央磁気コアとの間の磁路を形成するヨークにより形成された磁気回路と、
    前記外周磁気コア及び前記中央磁気コアにそれぞれ付設された磁気コイルとを備え、
    前記磁気コイルにより発生する磁束が前記磁気回路から漏洩することにより前記加速チャネルの径方向に印加される磁場と、前記陰極と前記陽極により前記加速チャネルの軸方向に印加される電場の作用により、前記推進剤供給口から供給される推進剤が電離し、生成されたイオンが加速されて推力を発生するホールスラスタにおいて、
    前記中央磁気コアに付設された内側磁気コイルは、前記中央磁気コアに対して前記下流端側に偏在して配置されていることを特徴とするホールスラスタ。
  10. 前記中央磁気コアの上流端から前記内側磁気コイルの上流端までの距離Lbは、前記中央磁気コアの長さLに対して、Lb≧0.5Lの関係を満たす範囲である請求項1〜3、8、および9のいずれか1項に記載のホールスラスタ。

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