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JP2007067792A - 撮像装置 - Google Patents

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JP2007067792A
JP2007067792A JP2005250819A JP2005250819A JP2007067792A JP 2007067792 A JP2007067792 A JP 2007067792A JP 2005250819 A JP2005250819 A JP 2005250819A JP 2005250819 A JP2005250819 A JP 2005250819A JP 2007067792 A JP2007067792 A JP 2007067792A
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吉造 森
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Abstract

【課題】 赤外線を利用して精度高く被写体を特定する撮像装置を提供すること。
【解決手段】
デジタルカメラ1において、撮像素子6は、被写体を含む被写界を複数の画素単位で撮像して撮像データを出力し、撮影者は、スイッチ11を介して、検出したい被写体の温度を設定被写体温度として設定し、赤外センサ5は、被写界を赤外光成分に分解した上で複数の画素単位で撮像し、複数の画素の各画素単位の赤外成分レベル情報により構成される赤外光データを出力し、温度センサ7は、デジタルカメラ1周辺の周辺温度を検出する。信号処理装置10は、赤外センサ5からの赤外光データと撮影者が設定した設定被写体温度と温度センサ7により検出された周辺温度とに基づいて、撮像データの複数の画素のうち検出したい被写体に対応する画素を特定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被写体を特定する撮像装置に関する。
テレビ電話などで、撮影した画像の中から人物だけを抽出する技術が知られている(特許文献1参照)。このような技術では、人物を特定するために赤外線が利用される。
特開平7−250272号公報
しかし、周囲温度が高くなると、人物と周囲温度との境界が判別しにくくなるという問題が生じる。また、赤外線を利用した人物の特定精度を向上させる必要も生じる。
本発明は、赤外線を利用して精度高く被写体を特定する撮像装置を提供する。
請求項1の発明は、撮像装置に適用され、被写体を含む被写界を複数の画素単位で撮像して撮像データを出力する撮像手段と、検出したい被写体の温度を設定被写体温度として設定する被写体温度設定手段と、被写界を赤外光成分に分解した上で複数の画素単位で撮像し、複数の画素の各画素単位の赤外成分レベル情報により構成される赤外光データを出力する赤外光撮像手段と、撮像装置周辺の周辺温度を検出する周辺温度検出手段と、赤外光データと設定被写体温度と周辺温度とに基づいて、撮像データの複数の画素のうち検出したい被写体に対応する画素を特定することにより被写体を特定する被写体特定手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度とに基づいて被写体に対応する被写体赤外成分レベル範囲を設定し、赤外光データの中から被写体赤外成分レベル範囲に該当する赤外成分レベルに対応する画素を第1被写体画素として特定し、撮像データの複数の画素から第1被写体画素に対応する画素を特定することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1範囲を被写体赤外成分レベル範囲として設定し、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第3温度以上第4温度以下に対応する赤外成分レベルである第2範囲を被写体赤外成分レベル範囲として設定し、第2範囲を設定する際に、第3温度が第1温度より高い値となるような設定と、第4温度が第2温度より低い値となるような設定との少なくとも一方の設定をすることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1範囲を第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第1レベルから第1レベルより小さい第3レベルへの変換と第2レベルから第2レベルより大きい第4レベルへの変換を含む赤外成分レベルのレベル変換をした後に、第2範囲を、第3温度以上第4温度以下に対応する第5レベル以上第6レベル以下の範囲に設定し、第2範囲を設定する際に、第5レベルを第3レベルより大きい値とする設定と第6レベルを第4レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1範囲を第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第2範囲を第3温度以上第4温度以下に対応する赤外成分レベルである第3レベル以上第4レベル以下の範囲に設定し、第2範囲を設定する際に、第3レベルを第1レベルより大きい値とする設定と、第4レベルを第2レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、少なくとも2つのマイクを有し、被写界のどの方向から音が発せられているかを検出して方向情報を出力する音検出手段を更に備え、被写体特定手段は、方向情報を考慮して検出したい被写体を特定することを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項6に記載の撮像装置において、音検出手段の機能の有効または無効のいずれか一方を指定する指定手段を更に備えることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、撮像データのうち被写体特定手段により被写体として特定された第1データに対して第1画像処理を行い、被写体特定手段により被写体として特定されなかった第2データに対して第1画像処理と異なる第2画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項8に記載の撮像装置において、画像処理手段は、第1データに対して第1ホワイトバランス処理を行い、第2データに対して第2ホワイトバランス処理を行うことを特徴とするものである。
請求項10の発明は、請求項8に記載の撮像装置において、画像処理手段は、第1データに対して第1輪郭強調処理を行い、第2データに対して第2輪郭強調処理を行うことを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項8に記載の撮像装置において、画像処理手段は、第1データに対して第1色再現処理を行い、第2データに対して第2色再現処理を行うことを特徴とするものである。
請求項12の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、被写体特定手段により特定された画素に対応する撮像データに基づいて、撮像データに対して行う画像処理を決定し、撮像データに対して画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とするものである。
請求項13の発明は、請求項12に記載の撮像装置において、画像処理はホワイトバランス処理であることを特徴とするものである。
請求項14の発明は、請求項12に記載の撮像装置において、画像処理は輪郭強調処理であることを特徴とするものである。
請求項15の発明は、請求項12に記載の撮像装置において、画像処理は色再現処理であることを特徴とするものである。
請求項16の発明は、撮像装置に適用され、被写体を含む被写界を複数の画素単位で撮像して撮像データを出力する撮像手段と、検出したい被写体の温度を設定被写体温度として設定する被写体温度設定手段と、被写界を赤外光成分に分解した上で複数の画素単位で撮像し、複数の画素の各画素単位の赤外成分レベル情報により構成される赤外光データを出力する赤外光撮像手段と、被写体までの距離を被写体距離情報として検出する被写体距離検出手段と、被写体距離情報に基づいて、赤外光データの複数の画素の赤外成分レベルを補正赤外成分レベルに補正することにより、赤外光データを補正赤外光データに変換する赤外光データ補正手段と、補正赤外光データと設定被写体温度とに基づいて、撮像データの複数の画素のうち検出したい被写体に対応する画素を特定することにより被写体を特定する被写体特定手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項17の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度に基づいて被写体に対応する被写体赤外成分レベル範囲を設定し、補正赤外光データの中から被写体赤外成分レベル範囲に該当する補正赤外成分レベルに対応する画素を第1被写体画素として特定し、撮像データの複数の画素から第1被写体画素に対応する画素を特定することを特徴とするものである。
請求項18の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、撮像装置周辺の周辺温度を検出する周辺温度検出手段を更に備え、被写体特定手段は、補正赤外光データと設定被写体温度と周辺温度とに基づいて、撮像データの複数の画素のうち検出したい被写体に対応する画素を特定することにより被写体を特定することを特徴とするものである。
請求項19の発明は、請求項18に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度とに基づいて被写体に対応する被写体赤外成分レベル範囲を設定し、補正赤外光データの中から被写体赤外成分レベル範囲に該当する補正赤外成分レベルに対応する画素を第1被写体画素として特定し、撮像データの複数の画素から第1被写体画素に対応する画素を特定することを特徴とするものである。
請求項20の発明は、請求項19に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1範囲を被写体赤外成分レベル範囲として設定し、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第3温度以上第4温度以下に対応する赤外成分レベルである第2範囲を被写体赤外成分レベル範囲として設定し、第2範囲を設定する際に、第3温度が第1温度より高い値となるような設定と、第4温度が第2温度より低い値となるような設定との少なくとも一方の設定をすることを特徴とするものである。
請求項21の発明は、請求項20に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1範囲を第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第1レベルから第1レベルより小さい第3レベルへの変換と第2レベルから第2レベルより大きい第4レベルへの変換を含む赤外成分レベルのレベル変換をした後に、第2範囲を、第3温度以上第4温度以下に対応する第5レベル以上第6レベル以下の範囲に設定し、第2範囲を設定する際に、第5レベルを第3レベルより大きい値とする設定と第6レベルを第4レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とするものである。
請求項22の発明は、請求項20に記載の撮像装置において、被写体特定手段は、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1範囲を第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、設定被写体温度と周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第2範囲を第3温度以上第4温度以下に対応する第3レベル以上第4レベル以下の範囲に設定し、第2範囲を設定する際に、第3レベルを第1レベルより大きい値とする設定と、第4レベルを第2レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とするものである。
請求項23の発明は、請求項18から22のいずれかに記載の撮像装置において、周辺温度が被写体の周辺温度である被写体周辺温度に相当するか否かを判定する被写体周辺温度判定手段をさらに備え、被写体周辺温度判定手段が、周辺温度が被写体周辺温度に相当しないと判定する場合は、被写体特定手段は、被写体を特定する際に周辺温度を考慮しないことを特徴とするものである。
請求項24の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、赤外光データ補正手段は、赤外光データの複数の画素の赤外成分レベルを被写体距離情報の増加につれて2乗に比例して増加させるように補正することを特徴とするものである。
請求項25の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、赤外光撮像手段は、被写体までの距離が所定距離である場合において適切な被写体温度に対応する赤外成分レベルを出力するものであって、赤外光データ補正手段は、被写体までの距離と所定距離との差分を2乗した値である補正値を、赤外光データの赤外成分レベルに乗算することを特徴とするものである。
請求項26の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、少なくとも2つのマイクを有し、被写界のどの方向から音が発せられているかを検出して方向情報を出力する音検出手段を更に備え、被写体特定手段は、方向情報を考慮して検出したい被写体を特定することを特徴とするものである。
請求項27の発明は、請求項26に記載の撮像装置において、音検出手段の機能の有効または無効のいずれか一方を指定する指定手段を更に備えることを特徴とするものである。
請求項28の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、撮像データのうち被写体特定手段により被写体として特定された第1データに対して第1画像処理を行い、被写体特定手段により被写体として特定されなかった第2データに対して第1画像処理と異なる第2画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とするものである。
請求項29の発明は、請求項28に記載の撮像装置において、画像処理手段は、第1データに対して第1ホワイトバランス処理を行い、第2データに対して第2ホワイトバランス処理を行うことを特徴とするものである。
請求項30の発明は、請求項28に記載の撮像装置において、画像処理手段は、第1データに対して第1輪郭強調処理を行い、第2データに対して第2輪郭強調処理を行うことを特徴とするものである。
請求項31の発明は、請求項28に記載の撮像装置において、画像処理手段は、第1データに対して第1色再現処理を行い、第2データに対して第2色再現処理を行うことを特徴とするものである。
請求項32の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、被写体特定手段により特定された画素に対応する撮像データに基づいて、撮像データに対して行う画像処理を決定し、撮像データに対して画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とするものである。
請求項33の発明は、請求項32に記載の撮像装置において、画像処理はホワイトバランス処理であることを特徴とするものである。
請求項34の発明は、請求項32に記載の撮像装置において、画像処理は輪郭強調処理であることを特徴とするものである。
請求項35の発明は、請求項32に記載の撮像装置において、画像処理は色再現処理であることを特徴とするものである。
本発明は、以上説明したように構成しているので、赤外線を利用して精度高く被写体を特定することができる。
図1は、本発明の撮像装置の一実施の形態であるデジタルカメラ(電子カメラ)1の構成を示す図である。デジタルカメラ1は、レンズ2、ミラー3、ペンタプリズム4、赤外センサ5、撮像素子6、温度センサ7、マイク8、WB(ホワイトバランス)センサ9、信号処理装置10、スイッチ11などから構成される。
デジタルカメラ1は、デジタル一眼レフカメラである。撮影者は、レンズ2、ミラー3、ペンタプリズム4、ファインダ(不図示)を通して被写体を観察する。撮影者がシャッターレリーズボタン(不図示)をオンすると、ミラー3がアップし、CCD撮像素子もしくはCMOS撮像素子のような撮像素子6により被写体を撮像(撮影)する。撮像素子6により撮像され生成された撮像データは、信号処理装置10に入力される。
信号処理装置10には、赤外センサ5、温度センサ7、WBセンサ9などの各種のセンサ信号が入力され、これらのセンサ信号を使用して、撮像素子6から入力される撮像データについて各種の処理を行う。また、信号処理装置10には、マイク8からの音声信号、レンズ2からの被写体までの距離情報、スイッチ11からの信号も入力される。信号処理装置10は、不図示のマイクロプロセッサおよびメモリを含む周辺回路から構成され、メモリに格納されたプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。
このように構成された本実施の形態のデジタルカメラ1は、被写界(撮像範囲)に含まれる被写体を撮像し、撮像した被写界の範囲からある被写体を特定し、特定した被写体に適した各種の画像処理を行う。被写界には、1個あるいは2個以上複数の被写体が含まれる。以下、撮像した被写界の範囲からある被写体を特定する方法について、詳細に説明する。
図2は、上述した各種センサおよび信号処理装置10の機能ブロックを示す図である。撮像素子6は、例えば3000×2000画素のCCD撮像素子から構成されている。撮像素子6は、レンズ2を通して被写体を含む被写界を撮像し、3000×2000画素の複数の画素の撮像データとして信号処理アルゴリズム部21に出力する。
赤外センサ5は、撮像素子6よりも少ない例えば640×430の画素として赤外光センサが配列されている。赤外センサ5は、ミラー3およびペンタプリズム4を介して、撮像素子6と同じ被写界を撮像する。撮像素子6と赤外センサ5の撮像画面のアスペクト比はほぼ同一である。赤外センサ5で撮像された各画素の赤外光アナログ信号は、A/D変換部22に順次出力される。
A/D変換部22は、赤外センサ5からの各画素の赤外光アナログ信号を順次A/D変換し、0℃をゼロとし100℃をフルスケールとした1画素あたり1バイト(8ビット)のデータを赤外光データ生成部35に順次出力する。赤外光データ生成部35は、A/D変換部22からの出力データを微調整(微調整については後述)し、640×430画素の赤外光データT1を生成する。すなわち、赤外センサ5は、被写界を赤外光成分に分解した上で複数の画素で撮像し、A/D変換部22および赤外光データ生成部35を介して、複数の画素の各画素単位の赤外成分レベル情報により構成される赤外光データを出力する。これにより、撮像素子6が撮像する被写界の温度データを得る。
赤外光データ生成部35から出力される赤外光データT1は、補正部23においてレンズ2からの距離情報d(m)に基づき補正される。補正された赤外光データT1’は、レベル変換部24に入力される。レンズ2は、レンズの回転角に応じた距離情報dを補正部23に出力する。デジタルカメラ1では、合焦動作のためレンズ2が随時回転駆動される。主要被写体に合焦すると、レンズの回転角に応じた主要被写体までの距離情報dがレンズ2から出力される。
赤外センサ5は、対象物から発する赤外線を検出して対象物の温度を測定するために使用されるセンサである。対象物が同じであっても、赤外センサ5の各画素あたりの出力値は対象物までの距離によって変化する。図3は、赤外センサ5の出力レベルと距離d(m)と検出温度との関係を示す図である。図3は、赤外センサ5の出力値が、距離の2乗に比例して低下すること、すなわち距離の2乗に反比例することが示されている。
例えば、25℃の対象物が1mの距離では、赤外センサ5は出力値Taを検出するが、25℃の対象物が5mの距離では、赤外センサ5は距離の2乗に比例して低下した出力値Tbを検出する。逆に言えば、赤外センサ5の出力値がTaの場合、対象物までの距離が1mであれば対象物の温度は25℃であるが、対象物までの距離が5mであれば対象物の温度は30℃である。
このように、赤外センサ5の出力値が対象物までの距離によって変化するという特性があるため、赤外光データ生成部35は、所定の距離(本実施の形態では1m)を基準にした赤外センサの出力値(赤外光データの値)と温度との関係データ(テーブル)を保有し、この関係データを使用してA/D変換部22から出力されるデータを微調整する。この関係データは、例えば、予め実験等により、所定の距離に温度が測定できる熱源をおき、その熱源の温度を随時変化させて赤外センサ5と同等の赤外センサで赤外光を検出して赤外センサの出力値を取得する。このようにして得られた所定距離にある対象物の赤外センサ出力値(赤外光データ値)対温度の特性データを赤外光データ生成部35が保有する。具体的には、信号処理装置10のメモリに格納されている。赤外光データ生成部35の補正処理によりA/D変換部22から出力される1バイトのデータはビット飛びを生じることになるが、赤外光データ生成部35は基準距離における温度のデータに対応する赤外光データT1を出力する。
補正部23は、赤外センサ5の出力である赤外光データT1を被写体までの距離dによって補正する。具体的には、赤外光データT1の各画素の値に、補正係数b(d−1)をかけて補正し、補正された赤外光データT1’を出力する。すなわち、被写体までの距離と所定距離1mとの差分を2乗した値をかけて補正している。係数bは、実験あるいは理論値により決められる係数である。距離dは、レンズ2から出力される距離情報により求められる合焦した被写体までの距離(m)である。補正係数中の1は上記の所定の距離であり、本実施の形態では1mである。
温度センサ7は、デジタルカメラ1のボディに設けられ、デジタルカメラ1周辺の温度を検出する。温度センサ7で検出されたアナログ温度信号は、A/D変換部25でA/D変換され、スイッチ部26を経由してレベル変換部24に入力される。スイッチ部26は、通常オンしている機能を有する。また、スイッチ部26は、所定の条件によりオフする機能を有する。すなわち、スイッチ部26は、通常、レベル変換部24に温度センサ7により検出された周辺温度を考慮してレベル変換処理をさせる機能を有し、所定の条件のときはレベル変換部24に周辺温度を考慮したレベル変換処理を行なわせない機能を有する。この所定の条件については後述する。
スイッチ11は、撮影者が検出したい被写体の温度Tc(℃)を設定するために操作するスイッチである。撮影者は、デジタルカメラ1のモニタ(不図示)に表示されるメニュー画面を見ながら、スイッチ11を操作して検出したい被写体の温度Tcを設定する。例えば、人物を検出したい場合は、Tc=36.5℃を設定する。検出温度範囲設定部27は、スイッチ11を使用して設定された検出温度Tcを中心として所定の温度範囲を設定する。例えば、人物のTc=36.5℃が設定された場合は、検出温度範囲設定部27は温度範囲を36.5±2℃すなわち34.5〜38.5℃を温度範囲として設定する。
2値化処理部28では、設定された検出温度Tcに基づき赤外光データに対して2値化処理を行う。まず、2値化処理部28の処理を説明するために、レベル変換部24でレベル変換処理を行わない前提で2値化処理を考えてみる。この場合、補正後の赤外光データT1’が2値化処理部28に入力される。2値化処理部28は、赤外光データT1’の各画素の値が、設定された検出温度範囲内であれば1とし、検出温度範囲外であれば0とする。例えば、人物のTc=36.5℃が設定された場合は、温度が34.5〜38.5℃に対応する赤外光データの赤外成分レベルの範囲に該当する画素のみが1として設定される。このようにして、温度が34.5〜38.5℃の範囲の人物のみが抽出された640×430画素の2値化データが生成される。
次に、レベル変換部24で行うレベル変換処理について説明する。人物を検出するような場合、通常、人物である被写体の温度と人物周辺の温度との温度差がある程度あるため、人物を抽出しやすい。しかし、人物周辺温度が高温になり、人物の温度36.5℃に近づくような値になってくると、人物である被写体が検出されにくい状況になってくる。すなわち、人物周辺温度が高温になり人物の温度に近づいてくると、人物に接する空気の温度も人物に近い温度となり、人物として検出される幅が大きくなってしまうという問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、検出したい被写体の温度Tcと被写体周辺温度との差に応じて、赤外センサ5で検出された値のレベルを変換するようにしている。被写体周辺温度は、温度センサ7で検出されるデジタルカメラ1の周辺温度で代用する。すなわち、検出したいとして設定された被写体の検出温度Tcと周辺温度との差の絶対値が小さくなれば、赤外光データと設定された被写体の検出温度Tcとの差を強調するようなレベル変換をして、検出したい被写体を検出しやすくしている。
レベル変換部24でのレベル変換は、次の式により行う。
T3=a・T1’+Tcd(1−a) ...(1)
ただし、
|Tcd−T2’|≦2のときa=5 ...(2)
2<|Tcd−T2’|≦5のときa=2 ...(3)
5<|Tcd−T2’|のときa=1 ...(4)
T3はレベル変換部24でレベル変換された赤外光データ(赤外成分レベル情報)である。T1’はレベル変換部24へ入力される赤外光データ(赤外成分レベル情報)である。Tcdは検出したい被写体の検出温度Tcをデジタル化した値である。T2’は温度センサ7により検出されたデジタルカメラ1の周辺温度である。係数aは、検出温度Tcと周辺温度との差が変化しても、後述する2値化処理で被写体として特定される範囲が一定となるような値を、実験等により求めて決定する。
図4は、式(1)を使用したレベル変換の具体例を示す図である。例えば、人物のTc=36.5℃が設定され、検出温度範囲を36.5±2℃と設定されたとする。赤外光データは8bitでデジタル化され、100℃をフルスケール(255digit)とすると、検出温度範囲設定部27は、検出温度Tcd=93、検出温度範囲=88〜98を設定する。
図4は、条件式(4)が成立する場合はグラフ41によりレベル変換し、条件式(2)が成立する場合はグラフ42によりレベル変換することを示している。グラフ41は、設定された検出温度と周辺温度との差の絶対値が大きい場合、具体的には所定の値5より大きい場合であり、傾き1のグラフを示し、実際にはレベル変換されず赤外光データT1’の値がそのまま赤外光データT3の値となる。
グラフ42は、設定された検出温度と周辺温度との差の絶対値が小さい場合であり、具体的には所定の値2以下の場合であり、検出温度Tcd=93を中心に傾き5のグラフを示している。従って、T1’=93はそのままのT3=93、T1’=90はT3=78へ、T1’=96はT3=108へレベル変換されている。すなわち、設定された検出温度Tcd=93との差が強調されるようにレベル変換されている。
2値化処理部28では、このようにレベル変換された赤外光データT3に対して、レベル変換前に設定された検出温度範囲=88〜98で2値化処理を行う。すなわち、設定された検出温度と周辺温度との差が小さい場合は、レベル変換部24で検出温度との差を強調しながら、検出温度範囲を固定として2値化処理をする。その結果、赤外光データのレベルをそのままにして、検出温度範囲を狭めて2値化処理をしているのと等価となる。
グラフ42によりレベル変換された状態での検出温度範囲=88〜98は、レベル変換前の検出温度範囲=92〜94に相当する。これは、温度に換算すると36.1〜36.9℃、すなわち36.5±0.4℃に相当する。すなわち、レベル変換をすることにより、検出温度範囲36.5±2℃を36.5±0.4℃に狭めたのと等価となる。
検出温度範囲の赤外光データの赤外成分レベルは、設定された検出温度と周辺温度との差の絶対値が大きい場合(>5)では温度34.5〜38.5℃に対応する値が設定される。また、検出温度範囲の赤外光データの赤外成分レベルは、設定された検出温度と周辺温度との差の絶対値が小さくなる(≦2)と温度36.1〜36.9℃に対応する値が設定される。差が小さい場合の検出温度範囲の下限36.1℃は差が大きい場合の検出温度範囲の下限34.5℃より高く、差が小さい場合の検出温度範囲の上限36.9℃は差が大きい場合の検出温度範囲の上限38.5℃より低い値が設定されている。
なお、レベル変換後、赤外光データT3には存在しない値については、階調補間によりデータを作成する。
図5は、信号処理アルゴリズム部21の詳細を示す図である。信号処理アルゴリズム部21は、被写体検出アルゴリズム部31、WBアルゴリズム部32、色再現部33、輪郭強調部34、WBゲイン部38、WBゲイン算出部39などからなる。
被写体検出アルゴリズム部31は、2値化処理部28からの2値化データと、撮像素子6からの撮像データに基づき、撮像データから所望の被写体を特定し抽出する。具体的には、2値化データにおいて1と設定されている画素に対応する撮像データの画素のみを抽出する。なお、撮像データの画素3000×2000と2値化データの画素640×430は1対1には対応していない。従って、2値化データの画素640×430を撮像データの画素3000×2000に広げるように対応させ2値化処理を行う。
WBアルゴリズム部32、WBゲイン算出部39、WBゲイン部38は、撮像素子6から出力される撮像データに対してホワイトバランス処理を行う。本実施の形態では、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体に適したホワイトバランス処理を行う。すなわち、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体の撮像データと特定されなかった(非被写体)撮像データに対して、ホワイトバランスの処理内容を変更する。
例えば、画像全体の通常のホワイトバランス処理で得られたRGBの係数に対し、被写体検出アルゴリズム部31で特定された画素に対してはそのRGBの係数を変更する。
以下、ホワイトバランス処理について説明する。WBアルゴリズム部32は、撮像データ全体から、R=撮像素子6のR画素出力値の合計、B=撮像素子6のB画素出力値の合計、G=撮像素子6のG画素出力値の合計/2を求める。G画素の画素数は、R画素B画素の画素数の2倍であるため、2で割り算する。次に、WBアルゴリズム部32は、R/GおよびB/Gを求める。
ここで求めたR/GおよびB/Gは、後述する色温度比較のためにも利用される。また、WBゲイン部38は、1枚の画像の画像データを記憶するバッファメモリを含んでおり、後述する色温度比較処理が行われ、2値化処理を経て各画素に対応したWBゲインが設定されるまでの間、バッファメモリに画像データが保持されている。
WBゲイン算出部39は、WBゲインを次のように設定する。被写体として特定されなかった画素用の非被写体用WBゲイン(Rデータ)に先に求めたR/Gを設定し、同様に、被写体として特定されなかった画素用の非被写体用WBゲイン(Bデータ)に先に求めたB/Gを設定する。また、被写体として特定された画素用の被写体用WBゲイン(Rデータ)に先に求めたR/Gに係数a1を掛けたものa1×R/Gを設定し、同様に、被写体として特定された画素用の被写体用WBゲイン(Bデータ)に先に求めたB/Gに係数a2を掛けたものa2×B/Gを設定する。a1、a2は、被写体に適した係数値が、経験値や実験値から決定される。
WBゲイン部38は、2値化処理部28の出力に同期して、WBゲイン部38のバッファメモリの画像データにWBゲイン算出部39のゲインを掛ける。このようにして、WBゲイン算出部39は、被写体か非被写体であるかという観点で、適切なWBゲインを選び、被写体に適したホワイトバランス処理が行われる。
次に、色再現部33の処理について説明する。遅延回路33aは、色再現部33が被写体と非被写体とを適切に区別して処理できるように、2値化処理部28の出力を遅延させて色再現部33へ出力する。
色再現部33は、撮像素子6から出力され、ホワイトバランス処理が終了した撮像データに対して色再現処理を行う。本実施の形態では、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体に適した色再現処理を行う。すなわち、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体の撮像データと特定されなかった撮像データに対して、色再現の処理内容を変更する。
通常は、撮像素子6により撮像された撮像データ全体に対して、撮像した条件や、撮像内容や、撮像データの用途等に応じて異なる色再現処理が行われる。例えば、人物を撮像した撮像データに対しては、人物の肌色の微妙なトーンをきれいに再現する人物に適した色再現処理を行う。風景を撮像した撮像データに対しては、青空や草木の緑をあざやかに再現する風景に適した色再現再現処理を行う。また、スタジオで撮像した撮像データに対しては、広い色域をもつため画像調整のしやすい画像を得るスタジオ撮像に適した色再現処理を行う。これらの色再現処理は、色空間(表色系)を適宜変換しながら行なわれる。
しかし、本実施の形態では、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体の撮像データに対して適応的な色再現処理を行う。例えば、戸外で人物を撮像した場合、被写体検出アルゴリズム部31で特定した人物の撮像データに対しては、人物に適した色再現処理を行い、その他の撮像データに対しては、風景に適した色再現処理を行う。スタジオで人物を撮像した場合は、人物の撮像データに対しては人物に適した色再現処理を行い、人物以外の撮像データに対しては、スタジオ撮像に適した色再現処理を行う。
具体的には、色再現部33は、撮影モードとしてポートレートモードが設定されたときにおいてのみ、次の処理をする。被写体の画素の画素値(2値化処理部28の出力が1)に対してポートレート撮影モード用色処理ルックアップテーブルにより色変換する。そして、非被写体の画素の画素値(2値化処理部28の出力が0)に対して風景撮影モード用色処理ルックアップテーブルにより色変換する。なお、ポートレ一ト撮影モードで撮影されていない場合は、色処理33は何も処理を行わない。
次に、輪郭強調部34の処理について説明する。遅延回路34aは、輪郭強調部34が被写体と非被写体とを適切に区別して処理できるように、2値化処理部28の出力を遅延させて輪郭強調34へ出力する。
輪郭強調部34は、撮像素子6から出力され、ホワイトバランス処理が終了し、色再現処理が終了した撮像データに対して必要に応じて輪郭強調処理を行う。本実施の形態では、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体に適した輪郭強調処理を行う。すなわち、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体の撮像データと特定されなかった撮像データに対して、輪郭強調の処理内容を変更する。
例えば、風景の画像に対して輪郭強調処理を行うと、風景が鮮明になるという効果がある。一方、風景と同じように人物の画像にも輪郭強調処理を行うと、肌の凸凹感が強調されて好ましくない場合がある。そこで、本実施の形態では、被写体検出アルゴリズム部31で人物を特定し、人物の撮像データには輪郭強調処理を行わず、人物以外の撮像データに対しては輪郭強調処理を行うようにする。あるいは、人物の撮像データには弱い輪郭強調処理を行い、人物以外の撮像データに対してはそれより強い輪郭強調処理を行うようにする。
上記のホワイトバランス処理や色再現処理や輪郭強調処理では、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体の撮像データと特定されなかった撮像データに対して、異なる画像処理を行うようにした。しかし、特定した被写体の撮像データと特定されなかった撮像データに対して、必ずしも異なる画像処理にしなくてもよい。すなわち、被写体検出アルゴリズム部31で特定した被写体の撮像データに応じて、特定した被写体に適切な画像処理内容を決定し、決定した画像処理の内容を撮像データ全体に対して行う場合であってもよい。
例えば、被写体検出アルゴリズム部31で特定された画素の撮像データを使用してホワイトバランスの係数を求め、このようにして求めた係数を画像全体に適用するようにしてもよい。なお、撮像データ全体とは画像全体のことを言い、被写界全体の撮像データのことである。
次に、スイッチ部26の動作について説明する。スイッチ部26は、レベル変換部24のレベル変換処理に温度センサ7により検出された周辺温度を考慮するか否かを指定するスイッチである。スイッチ部26は、プログラムによるソフトウェアの機能である。
スイッチ部26がオンの場合、レベル変換部24は、前述の条件式(2)〜(4)により選択された係数aを代入した(1)式を用いてレベル変換を行う。一方スイッチ部26がオフの場合、レベル変換部24は、係数a=1を代入した(1)式を用いて演算を行う。この場合、レベル変換部24の入力値T1’と出力値T3とは同じ値となる。即ち、この場合、レベル変換部24がレベル変換を行っていないのと同じこととなる。次に、どのような場合にスイッチ部26がオンされて、どのような場合にスイッチ部26がオフされるかについて説明する。
ここでは、温度センサ7により検出されたデジタルカメラ1の周辺温度は、被写体の周辺温度に相当するものとして使用されている。これは、デジタルカメラ1と被写体は同じ雰囲気にいるものとして、デジタルカメラ1の周辺温度が被写体の周辺温度として代用できると考えられるからである。
しかし、撮像環境によっては、温度センサ7により検出されたデジタルカメラ1の周辺温度が、被写体の周辺温度に相当しない場合がある。そのような場合にも、レベル変換部24に温度センサ7により検出された周辺温度を考慮してレベル変換処理をさせると、被写体の特定が不正確なものとなる。例えば、屋内から戸外の被写体を撮像するような場合、デジタルカメラ1の周辺温度と被写体周辺温度とは必ずしも一致しない。
そこで、本実施の形態では、WBセンサ9とWBアルゴリズム部32の処理結果を利用して、デジタルカメラ1の周辺温度が被写体の周辺温度に相当するかどうかを判定するようにしている。WBセンサ9は、デジタルカメラ1の上部に露出して設けられ、デジタルカメラ1周辺の照明光の色温度を検出する。一方、WBアルゴリズム部32は、撮像データのホワイトバランス処理のため、被写体の照明光の色温度を推定する。
WBセンサ9は、R撮像素子とG撮像素子とB撮像素子とを備える。各撮像素子の出力は、A/D変換部36によってA/D変換される。A/D変換部36の出力値はLUT(ルックアップテーブル)部37に入力される。
LUT部37は、まず、R/GおよびB/Gを求める。図7は、色温度対R/GおよびB/Gを示すグラフである。図7に示すグラフに対応するデータがルックアップテーブルとして信号処理装置10内のメモリに格納されている。LUT部37は、ルックアップテーブルを参照して、R/Gに対応する色温度である色温度(R/G)、および、B/Gに対応する色温度である色温度(B/G)を求める。次に、LUT部37は、色温度WB1=(色温度(R/G)+色温度(B/G))/2を求め、色温度WB1を色温度比較部29へ出力する。
WBアルゴリズム部32は、ホワイトバランス処理のところで説明したように、撮像データ全体から、R=撮像素子6のR画素出力値の合計、B=撮像素子6のB画素出力値の合計、G=撮像素子6のG画素出力値の合計/2を求める。そして、WBアルゴリズム部32は、R/GおよびB/Gを求める。これらの値は、ホワイトバランス処理と共通に使用するものである。
次に、WBアルゴリズム部32は、LUT部37と同様に、ルックアップテーブルに参照して、R/Gに対応する色温度である色温度(R/G)、および、B/Gに対応する色温度である色温度(B/G)を求める。次に、WBアルゴリズム部32は、色温度WBアルゴ=(色温度(R/G)+色温度(B/G))/2を求め、色温度WBアルゴを色温度比較部29へ出力する。
色温度比較部29は、WBセンサ9から入力されるデジタルカメラ1周辺の照明光の色温度WB1と、WBアルゴリズム部32から入力される被写体の照明光の色温度WBアルゴとを比較する。色温度比較部29は、色温度の差が例えば500K以上あると、温度センサ7からの温度は被写体周辺温度に相当しないと判断し、スイッチ部26をオフさせる。
色温度の差が500K以上あると、照明光が異なると判断され、デジタルカメラ1が存在する環境と被写体が存在する環境とが異なると判断できる。従って、温度センサ7からの温度は必ずしも被写体周辺温度に相当しないと判断できる。
次に、マイク8の利用について説明する。本実施の形態のデジタルカメラ1には、撮像時、被写体からの音声等を録音するためにマイク8が設けられている。マイク8は、2つのマイクを有するステレオマイクである。例えば、デジタルカメラ1ボディの左右に2つのマイクが設けられている。
方向判定部30は、右マイクおよび左マイクからの2つの音信号を入力し、2つのマイクからの音信号の位相差を分析することにより、音を発している被写体の方向を検出することができる。ここでいう方向とは、カメラから見て右方向、左方向であり、言い換えると、撮像した画像内すなわち被写界内の右方向あるいは左方向である。
図6は、音信号の位相差により方向を判定する様子を説明する図である。図6(a)は右マイクからの音信号であり、図6(b)は左マイクからの音信号である。両信号とも波形は同じであるが、右マイクの信号の方が早くデジタルカメラ1に到達していることを示している。これにより、方向判定部30は、音を発生する被写体が右側にあると判定する。位相差の程度によって、どの程度右かあるいは左かも判定できる。
2値化処理部28は、被写体を特定するとき、方向判定部30から出力される音を発している被写体の方向情報も使用する。例えば、人物を特定する場合、人間は音を発している可能性が高いため、検出温度範囲内として特定された被写体のうち、音を発している方向の被写体のみを人物として特定する。
具体的には、被写界を左右に2分し、方向が右として判定された場合は、右半分にある特定された被写体のみを最終的に特定する被写体とする。方向が左として判定された場合は、左半分にある特定された被写体のみを最終的に特定する被写体とする。また、右方向あるいはか左方向の程度が強い場合には、被写界を左右に3分、4分あるいはそれ以上に分割してその端の領域にある被写体を特定するようにしてもよい。
なお、方向判定部30による被写体の方向判定結果を使用するかしないかは、撮影者がスイッチ11により設定することができる。すなわち、撮影者は、方向判定部30による方向判定機能をオンオフ(有効/無効)させることができる。これは、撮影者が、デジタルカメラ1のモニタ(不図示)に表示されるメニュー画面を見ながら、スイッチ11を操作して設定することができる。
以上のように構成されたデジタルカメラ1は、次のような効果を奏する。
(1)被写体の周辺温度を考慮して、所望の被写体を特定するようにしているので、赤外線を利用した被写体の特定を精度よく行うことができる。特に、被写体の周辺温度が被写体の温度に近づき、被写体と周辺温度との境界が判別しにくくなっても、精度よく被写体を特定することができる。
(2)検出したいとして設定された被写体の温度と周辺温度との差が小さい場合、赤外センサで検出された赤外光データのレベルを、設定された被写体の温度との差が広がるようにレベルを変換しているので、精度よく被写体を特定することができる。本実施の形態では、被写体を特定する場合、ある幅を持った検出温度範囲に入るもので被写体を特定している。もし、被写体の温度と周辺温度との差が小さくなってくると、被写体として特定する範囲が広がってしまう。しかし、上記のようにレベルを変換し、検出温度範囲を一定としているので、被写体として検出される範囲が広がったりしない。すなわち、設定された被写体の温度と周辺温度との差が大きかろうと小さかろうと、特定される被写体の範囲(幅)を一定とすることができる。
(3)赤外光データ自体を設定された被写体の温度との差が広がるようにレベル変換しているので、実質検出温度範囲を狭めたのと等価な結果を得ることができる。
(4)温度センサ7により検出されたデジタルカメラ1の周辺温度が被写体の周辺温度に相当しないと判定する場合、周辺温度を考慮したレベル変換処理をしないようにしている。これにより、誤ったレベル変換による不正確な被写体の特定を排除することができる。また、この判定をWBセンサ9の出力と、WBアルゴリズム部32の出力を利用して行っているので、この判定のために特別なセンサを設ける必要がない。すなわち、ホワイトバランス処理のために設けられた仕組みを使用するだけで、上記の判定を行うことができる。
(5)ステレオマイクを利用して、被写体の方向判定を行い、その方向判定結果を利用して被写体を特定しているので、より精度の高い被写体特定を行うことができる。特に、音声を発する人物や、大きなエンジン音のレーシングカーなどの被写体を特定するときに効果を奏する。また、マイクによる方向判定を利用するかしないかは、撮影者が任意に設定することができるので、撮像環境(撮影環境)に応じた適切な被写体の特定を行うことができる。
(6)特定した被写体に対して、専用のホワイトバランス処理を行っているので、被写体に応じた適切なホワイトバランスを行うことができる。また、特定した被写体の撮像データを使用して設定されたホワイトバランス係数を画像全体にかけることも可能である。このような場合であっても、画像全体のホワイトバランスが主要被写体に適したものとなる。
(7)特定した被写体に対して、個別に色再現処理を行うことができるので、適応的な色再現処理が可能である。例えば、人物の被写体と風景の被写体を識別することができるので、人物に適した色再現処理と風景に適した色再現処理を個別に行うことができる。人物と風景画両方撮像されている画像であっても、人物の肌色の微妙なトーンをきれいに再現しながら、同時に青空や草木の緑をあざやかに再現することが可能となる。これにより、人間の目にとって自然な色合いの画像を得ることができる。
(8)特定した被写体に対して、個別に輪郭強調処理を行うことができるので、被写体に適した輪郭強調が可能である。例えば、人物と風景の画両方撮像されている画像であっても、風景を鮮明にしながら、人物の肌は柔らかなトーンとすることも可能となる。
(9)赤外センサ5の出力を被写体までの距離によって補正するので、精度の高い赤外センサ出力を得ることができる。A/D変換部22からは、対象物が所定の距離の場合に高精度な赤外光データが出力されるように設定されている。従って、被写体までの距離とこの所定の距離の差分の2乗に比例させる計算をするだけで、容易に精度の高い赤外センサ出力を得ることができる。
(変形例)
上記では、検出したい被写体の温度Tcと被写体周辺温度との差に応じて、赤外センサ5で検出された値のレベルを変換するようにした。しかし、検出したい被写体の温度Tcと被写体周辺温度との差に応じて、検出温度範囲を変更するようにしてもよい。すなわち、検出したい被写体の温度Tcと被写体周辺温度との差が小さくなるにつれて検出温度範囲を小さくするようにしてもよい。例えば、以下のような条件で検出温度範囲を設定してもよい。
|Tcd−T2’|≦1℃のとき 36.5±0.1℃
1℃<|Tcd−T2’|≦2℃のとき 36.5±0.3℃
2℃<|Tcd−T2’|のとき 36.5±0.5℃
この場合、赤外光データの1ビットあたりの分解能として、上記の検出温度範囲の違いが設定できる分解能が必要となる。そのためには、A/D変換部22における温度に対する分解能が高いことが好ましい。例えば、A/D変換部22の分解能を16ビットにすることにより、8ビットの場合と比べて、分解能が256倍となる。
本変形例を実現するには、図2において以下のようにすればよい。まず、レベル変換部24は不要であるので削除し、温度センサ7の出力T2’を検出温度範囲設定部27に入力するようにする。検出温度範囲設定部27は、スイッチ11を使用して設定された検出温度Tcd(Tc)と温度センサ7の出力T2’との差に応じて、設定された検出温度Tcdを中心とした検出温度範囲を設定し、2値化処理部28に出力する。2値化処理部28は、赤外光データT1’の各画素の値が、設定された検出温度範囲内であれば1とし、検出温度範囲外であれば0とする。
これにより、検出したい被写体の温度Tcと被写体周辺温度との差に応じて、単に検出温度範囲を変更するだけで、簡単な処理で、上記実施の形態のレベル変換と同様な効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、デジタルカメラ1はデジタル一眼レフカメラの例で説明をしたが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。コンパクトデジタルカメラのようなデジタルカメラであってもよい。また、カメラつき携帯電話やテレビ電話のカメラなどにも適用できる。さらに、本発明は、ビデオカメラにも適用できる。すなわち、CCD撮像素子のような撮像素子で被写体を撮像するあらゆる撮像装置に適用できる。
上記の実施の形態では、被写体を特定した結果を、ホワイトバランス処理や色再現処理や輪郭強調処理などの画像処理に応用する例で説明をしたが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。その他の、画像処理であってもよい。被写体を特定した結果を利用できる画像処理であればどのような画像処理であってもよい。
上記の実施の形態では、レンズ2が出力するレンズの回転角に応じた距離情報で被写体までの距離を取得する例を説明をしたが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。その他の測距手段を使用するものであってもよい。すなわち、被写体までの距離が把握できる方法であれば、どのような方法でも本発明に使用できる。
上記の実施の形態では、赤外センサ5出力を被写体までの距離に応じて補正し、補正した赤外センサの出力値を被写体を特定する処理に利用する例で説明をしたが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。この内容を赤外線温度計に応用してもよい。この場合、赤外線温度計は、測定対象物までの距離を測定する測距センサを有し、測距センサにより測定され距離により赤外センサの出力を補正する。
上記の実施の形態では、人物の検出温度範囲を36.5±2℃の例で説明をしたが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。変形例で示した36.5±0.5℃のような範囲でもよい。あるいは、他の検出温度範囲であってもよい。ただし、設定する温度範囲およびレベル変換で変換される温度範囲についてデータ処理が可能なビット分解能のデータで処理をするようにする。
上記の実施の形態では、レベル変換をする場合としない場合とで、検出温度範囲の赤外光データの値は同じ値を使用し、結果として検出温度範囲が異なるようになる例を説明した。しかし、必ずしも、レベル変換をする場合としない場合とで、検出温度範囲の赤外光データの値を同じとする必要はない。レベル変換をした場合に、レベル変換をしない場合に比べて結果として検出温度範囲が狭まるような検出温度範囲に対応する赤外光データの値を使用すればよい。
また、レベル変換を小さくする場合と大きくする場合との間においても同様である。上記の実施の形態では、設定された検出温度と周辺温度との差の絶対値がそれほど小さくない場合には(前述条件式(3)の場合)、中規模のレベル変換をし(a=2)、設定された検出温度と周辺温度との差の絶対値がこれより大きい場合には(前述条件式(4)の場合)、上記より規模の大きなレベル変換をする(a=5)。この場合、検出温度範囲の赤外光データの値に同じ値を使用するので、結果として検出温度範囲が異なるようになる。しかしこの場合にも、中規模のレベル変換をする場合と大規模のレベル変換をする場合とで、検出温度範囲の赤外光データの値を同じとする必要はない。大規模のレベル変換をした場合に、中規模のレベル変換をした場合に比べて結果として検出温度範囲が狭まるような検出温度範囲に対応する赤外光データの値を使用すればよい。
上記の実施形態では、所定の距離(1m)を基準にした赤外センサ5の出力値と温度との特性データをメモリに記憶しておき、この特性データに基づいて赤外光データ生成部35が赤外光データを生成することとしたがこの構成に限られない。例えば以下のような構成としてもよい。この例は、特性データを記憶するメモリを搭載することなく、赤外光データ生成部35を設けることなく、A/D変換部22の出力値をデジタルカメラ1の工場出荷前の調整により調整することにより、A/D変換部22の出力値を所望の値とする。
具体的には、工場出荷前の調整において、1mの距離にある被写体が摂氏0度であるときA/D変換部22の出力が0となるようにA/D変換部22を調整する。次に、1mの距離にある被写体が摂氏100度であるときにA/D変換部22の出力が225となるようにA/D変換部22を調整する。よって、摂氏0度から100度の範囲にある1mの距離の被写体に対して、A/D変換部22はその出力レンジが0から255になるように調整される。更に1mの距離にある被写体が摂氏25度であるときに、A/D変換部22の出力が64となるように調整する。このような構成とすれば、特性データを記憶するメモリが不要となるので、部品点数を減らし、コストを削減することができる。また、赤外光データ生成部35による処理が不要となり、プログラムが簡単となる。さらに、A/D変換部22のフルスケールを調整するので、ビット飛びがなく高精度である。
上記の実施の形態では、信号処理装置10内で行う各種の処理は、マイクロプロセッサがプログラムを実行することにより行う例を説明をしたが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。各種の処理をワイヤードロジックで構成するようにしてもよい。その場合は、各種の回路はゲートアレイなどのASICで構成するのが好ましい。また、マイクロプログラミングやその他の実現方法であってもよい。すなわち、前述した機能を実現できる方法であればどのような方法でもよい。
上記の実施の形態では、WBアルゴリズム部32によって求められたR/GとB/Gとに基づいて、WBゲイン算出部39が被写体用WBゲインと非被写体用WBゲインとを求めることにしたが、次のようにしてもよい。WBセンサ9から入力されるデジタルカメラ1周辺の照明光の色温度WB1とWBアルゴリズム部32から入力される被写体の照明光の色温度WBアルゴとの色温度が500K未満であると、色温度比較部29が判断した場合は、WBセンサ9の出力に基づいてWBゲインを求めることにしてもよい。即ち、LUT部37によって求められたR/GとB/Gとに基づいて、WBゲイン算出部39が被写体用WBゲインと非被写体用WBゲインとを求めることにしてもよい。この場合は、LUT部37によって求められたR/GとB/GがWBゲイン算出部39に出力される(不図示)。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
本発明の撮像装置の一実施の形態であるデジタルカメラ1の構成を示す図である。 各種センサおよび信号処理装置10の機能ブロックを示す図である。 赤外センサ5の出力レベルと距離d(m)と検出温度との関係を示す図である。 レベル変換の具体例を示す図である。 信号処理アルゴリズム部21の詳細を示す図である。 音信号の位相差により方向を判定する様子を説明する図である。 色温度対R/GおよびB/Gを示すグラフである。
符号の説明
1 デジタルカメラ
2 レンズ
3 ミラー
4 ペンタプリズム
5 赤外センサ
6 撮像素子
7 温度センサ
8 マイク
9 WBセンサ
10 信号処理装置
11 スイッチ
21 信号処理アルゴリズム部
22、25、36 A/D変換部
23 補正部
24 レベル変換部
26 スイッチ部
27 検出温度範囲設定部
28 2値化処理部
29 色温度比較部
30 方向判定部
31 被写体検出アルゴリズム部
32 WBアルゴリズム部
33 色再現部
33a、33b 遅延回路
34 輪郭強調部
35 赤外光データ生成部
37 LUT部
38 WBゲイン部
39 WBゲイン算出部

Claims (35)

  1. 撮像装置であって、
    被写体を含む被写界を複数の画素単位で撮像して撮像データを出力する撮像手段と、
    検出したい被写体の温度を設定被写体温度として設定する被写体温度設定手段と、
    前記被写界を赤外光成分に分解した上で複数の画素単位で撮像し、前記複数の画素の各画素単位の赤外成分レベル情報により構成される赤外光データを出力する赤外光撮像手段と、
    撮像装置周辺の周辺温度を検出する周辺温度検出手段と、
    前記赤外光データと前記設定被写体温度と前記周辺温度とに基づいて、前記撮像データの複数の画素のうち前記検出したい被写体に対応する画素を特定することにより前記被写体を特定する被写体特定手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、前記設定被写体温度と前記周辺温度とに基づいて前記被写体に対応する被写体赤外成分レベル範囲を設定し、前記赤外光データの中から前記被写体赤外成分レベル範囲に該当する前記赤外成分レベルに対応する画素を第1被写体画素として特定し、前記撮像データの複数の画素から前記第1被写体画素に対応する画素を特定することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1範囲を前記被写体赤外成分レベル範囲として設定し、前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第3温度以上第4温度以下に対応する赤外成分レベルである第2範囲を前記被写体赤外成分レベル範囲として設定し、
    前記第2範囲を設定する際に、前記第3温度が前記第1温度より高い値となるような設定と、前記第4温度が前記第2温度より低い値となるような設定との少なくとも一方の設定をすることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項3に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、前記第1範囲を前記第1温度以上前記第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、前記第1レベルから前記第1レベルより小さい第3レベルへの変換と前記第2レベルから前記第2レベルより大きい第4レベルへの変換を含む前記赤外成分レベルのレベル変換をした後に、前記第2範囲を、前記第3温度以上前記第4温度以下に対応する第5レベル以上第6レベル以下の範囲に設定し、
    前記第2範囲を設定する際に、前記第5レベルを前記第3レベルより大きい値とする設定と前記第6レベルを前記第4レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項3に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、前記第1範囲を前記第1温度以上前記第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、前記第2範囲を第3温度以上第4温度以下に対応する赤外成分レベルである第3レベル以上第4レベル以下の範囲に設定し、
    前記第2範囲を設定する際に、前記第3レベルを前記第1レベルより大きい値とする設定と、前記第4レベルを前記第2レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1に記載の撮像装置において、
    少なくとも2つのマイクを有し、前記被写界のどの方向から音が発せられているかを検出して方向情報を出力する音検出手段を更に備え、
    前記被写体特定手段は、前記方向情報を考慮して前記検出したい被写体を特定することを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項6に記載の撮像装置において、
    前記音検出手段の機能の有効または無効のいずれか一方を指定する指定手段を更に備えることを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記撮像データのうち前記被写体特定手段により前記被写体として特定された第1データに対して第1画像処理を行い、前記被写体特定手段により前記被写体として特定されなかった第2データに対して前記第1画像処理と異なる第2画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とする撮像装置。
  9. 請求項8に記載の撮像装置において、
    前記画像処理手段は、前記第1データに対して第1ホワイトバランス処理を行い、前記第2データに対して第2ホワイトバランス処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  10. 請求項8に記載の撮像装置において、
    前記画像処理手段は、前記第1データに対して第1輪郭強調処理を行い、前記第2データに対して第2輪郭強調処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  11. 請求項8に記載の撮像装置において、
    前記画像処理手段は、前記第1データに対して第1色再現処理を行い、前記第2データに対して第2色再現処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  12. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段により特定された画素に対応する前記撮像データに基づいて、前記撮像データに対して行う画像処理を決定し、前記撮像データに対して前記画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とする撮像装置。
  13. 請求項12に記載の撮像装置において、
    前記画像処理はホワイトバランス処理であることを特徴とする撮像装置。
  14. 請求項12に記載の撮像装置において、
    前記画像処理は輪郭強調処理であることを特徴とする撮像装置。
  15. 請求項12に記載の撮像装置において、
    前記画像処理は色再現処理であることを特徴とする撮像装置。
  16. 撮像装置であって、
    被写体を含む被写界を複数の画素単位で撮像して撮像データを出力する撮像手段と、
    検出したい被写体の温度を設定被写体温度として設定する被写体温度設定手段と、
    前記被写界を赤外光成分に分解した上で複数の画素単位で撮像し、前記複数の画素の各画素単位の赤外成分レベル情報により構成される赤外光データを出力する赤外光撮像手段と、
    前記被写体までの距離を被写体距離情報として検出する被写体距離検出手段と、
    前記被写体距離情報に基づいて、前記赤外光データの前記複数の画素の赤外成分レベルを補正赤外成分レベルに補正することにより、前記赤外光データを補正赤外光データに変換する赤外光データ補正手段と、
    前記補正赤外光データと前記設定被写体温度とに基づいて、前記撮像データの複数の画素のうち前記検出したい被写体に対応する画素を特定することにより前記被写体を特定する被写体特定手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
  17. 請求項16に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、前記設定被写体温度に基づいて前記被写体に対応する被写体赤外成分レベル範囲を設定し、前記補正赤外光データの中から前記被写体赤外成分レベル範囲に該当する前記補正赤外成分レベルに対応する画素を第1被写体画素として特定し、前記撮像データの複数の画素から前記第1被写体画素に対応する画素を特定することを特徴とする撮像装置。
  18. 請求項16に記載の撮像装置において、
    前記撮像装置周辺の周辺温度を検出する周辺温度検出手段を更に備え、
    前記被写体特定手段は、前記補正赤外光データと前記設定被写体温度と前記周辺温度とに基づいて、前記撮像データの複数の画素のうち前記検出したい被写体に対応する画素を特定することにより被写体を特定することを特徴とする撮像装置。
  19. 請求項18に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、前記設定被写体温度と前記周辺温度とに基づいて前記被写体に対応する被写体赤外成分レベル範囲を設定し、前記補正赤外光データの中から前記被写体赤外成分レベル範囲に該当する前記補正赤外成分レベルに対応する画素を第1被写体画素として特定し、前記撮像データの複数の画素から前記第1被写体画素に対応する画素を特定することを特徴とする撮像装置。
  20. 請求項19に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1範囲を前記被写体赤外成分レベル範囲として設定し、前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、第3温度以上第4温度以下に対応する赤外成分レベルである第2範囲を前記被写体赤外成分レベル範囲として設定し、
    前記第2範囲を設定する際に、前記第3温度が前記第1温度より高い値となるような設定と、前記第4温度が前記第2温度より低い値となるような設定との少なくとも一方の設定をすることを特徴とする撮像装置。
  21. 請求項20に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、前記第1範囲を前記第1温度以上前記第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、前記第1レベルから前記第1レベルより小さい第3レベルへの変換と前記第2レベルから前記第2レベルより大きい第4レベルへの変換を含む前記赤外成分レベルのレベル変換をした後に、前記第2範囲を、前記第3温度以上前記第4温度以下に対応する第5レベル以上第6レベル以下の範囲に設定し、
    前記第2範囲を設定する際に、前記第5レベルを前記第3レベルより大きい値とする設定と前記第6レベルを前記第4レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とする撮像装置。
  22. 請求項20に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段は、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値より大きい場合は、前記第1範囲を第1温度以上第2温度以下に対応する赤外成分レベルである第1レベル以上第2レベル以下の範囲に設定し、
    前記設定被写体温度と前記周辺温度との差の絶対値が所定値以下の場合は、前記第2範囲を第3温度以上第4温度以下に対応する第3レベル以上第4レベル以下の範囲に設定し、
    前記第2範囲を設定する際に、前記第3レベルを前記第1レベルより大きい値とする設定と、前記第4レベルを前記第2レベルより小さい値とする設定との少なくとも一方の設定を行うことを特徴とする撮像装置。
  23. 請求項18から22のいずれかに記載の撮像装置において、
    前記周辺温度が前記被写体の周辺温度である被写体周辺温度に相当するか否かを判定する被写体周辺温度判定手段をさらに備え、
    前記被写体周辺温度判定手段が、前記周辺温度が前記被写体周辺温度に相当しないと判定する場合は、前記被写体特定手段は、前記被写体を特定する際に前記周辺温度を考慮しないことを特徴とする撮像装置。
  24. 請求項16に記載の撮像装置において、
    前記赤外光データ補正手段は、前記赤外光データの前記複数の画素の赤外成分レベルを前記被写体距離情報の増加につれて2乗に比例して増加させるように補正することを特徴とする撮像装置。
  25. 請求項16に記載の撮像装置において、
    前記赤外光撮像手段は、被写体までの距離が所定距離である場合において適切な被写体温度に対応する赤外成分レベルを出力するものであって、
    前記赤外光データ補正手段は、前記被写体までの距離と前記所定距離との差分を2乗した値である補正値を、前記赤外光データの前記赤外成分レベルに乗算することを特徴とする撮像装置。
  26. 請求項16に記載の撮像装置において、
    少なくとも2つのマイクを有し、前記被写界のどの方向から音が発せられているかを検出して方向情報を出力する音検出手段を更に備え、
    前記被写体特定手段は、前記方向情報を考慮して前記検出したい被写体を特定することを特徴とする撮像装置。
  27. 請求項26に記載の撮像装置において、
    前記音検出手段の機能の有効または無効のいずれか一方を指定する指定手段を更に備えることを特徴とする撮像装置。
  28. 請求項16に記載の撮像装置において、
    前記撮像データのうち前記被写体特定手段により前記被写体として特定された第1データに対して第1画像処理を行い、前記被写体特定手段により前記被写体として特定されなかった第2データに対して前記第1画像処理と異なる第2画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とする撮像装置。
  29. 請求項28に記載の撮像装置において、
    前記画像処理手段は、前記第1データに対して第1ホワイトバランス処理を行い、前記第2データに対して第2ホワイトバランス処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  30. 請求項28に記載の撮像装置において、
    前記画像処理手段は、前記第1データに対して第1輪郭強調処理を行い、前記第2データに対して第2輪郭強調処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  31. 請求項28に記載の撮像装置において、
    前記画像処理手段は、前記第1データに対して第1色再現処理を行い、前記第2データに対して第2色再現処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  32. 請求項16に記載の撮像装置において、
    前記被写体特定手段により特定された画素に対応する前記撮像データに基づいて、前記撮像データに対して行う画像処理を決定し、前記撮像データに対して前記画像処理を行う画像処理手段を更に備えることを特徴とする撮像装置。
  33. 請求項32に記載の撮像装置において、
    前記画像処理はホワイトバランス処理であることを特徴とする撮像装置。
  34. 請求項32に記載の撮像装置において、
    前記画像処理は輪郭強調処理であることを特徴とする撮像装置。
  35. 請求項32に記載の撮像装置において、
    前記画像処理は色再現処理であることを特徴とする撮像装置。
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