JP2007065314A - 円偏光分離シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 0.18以上の複屈折Δnを有する重合性液晶化合物を含む溶液を基材に塗布し、次いで紫外線を照射して前記重合性液晶化合物を重合させて、コレステリック規則性を持った、総厚み7μm以下の樹脂層を形成することによって円偏光分離シートを得る。偏光子A、液晶セル、偏光子B、1/4波長板及び前記偏光分離シートをこの順に有する液晶表示装置を得る。
【選択図】 無し。
Description
特に表示明るさを増大させるための輝度向上フィルムは液晶表示装置の消費電力を抑えるための必須の構成要素になっており、その品質に対する要求は高い。輝度向上フィルムは、構成要素として入射光を偏光状態に応じて透過光と反射光に分離するための偏光分離膜を含んでいる。
本発明の目的は、斜めから観察したときにも着色の生じない表示ができ且つ偏光分離性能に優れた円偏光分離シート及び該円偏光分離シートを備えた液晶表示装置を提供することにある。
(1) 0.18以上の複屈折Δnを有する重合性液晶化合物を用いて得られた、コレステリック規則性を持った、総厚み7μm以下の樹脂層を有してなる円偏光分離シートが提供される。
(2)前記樹脂層が非液晶性である前記円偏光分離シート、
(3)コレステリック規則性が厚み方向にある、前記円偏光分離シート、
(4)コレステリック規則性の周期が厚み方向で段階的に変化している前記円偏光分離シート。
(5)前記樹脂層は、コレステリック規則性の周期が異なる2以上の層で形成されている前記円偏光分離シート。
(6)コレステリック規則性の周期が厚み方向で連続的に変化している前記円偏光分離シート。
(7)前記樹脂層の平均屈折率が1.5〜1.8である、前記円偏光分離シート、及び/又は
(8)反射率が30%以上となる入射角0度の光の最大波長が700nm以上である、前記円偏光分離シートが提供される。
好適な態様として
(11)偏光子Bと1/4波長板とが一体になっている、前記液晶表示装置、
(12)前記円偏光分離シートの、前記1/4波長板側の面に、光拡散性が備わっている、前記液晶表示装置、
(13)円偏光分離シートと1/4波長板との間に拡散シートをさらに有する、前記液晶表示装置、が提供される。
コレステリック規則性を持つ樹脂層は、棒状液晶分子が捩れてらせん状に回転した構造を成している。コレステリック規則性を持つ樹脂層の屈折率はコレステリック規則性の周期等でその値が変わるが、一般に、nx=ny>nz(nx、nyは面内方向の主屈折率、nzは厚み方向の主屈折率)の関係を有している。
コレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるという具合に、該平面の法線方向に分子軸の角度が次々にずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造はカイラルな構造と呼ばれる。該平面の法線(カイラル軸)は、コレステリック規則性を持つ樹脂層の厚み方向に略平行になっていることが好ましい。
紫外線照射でピッチの大きさを連続的に変化させる機構は詳細に判っていないが、つぎのような機構でピッチに傾斜が生じると言われている。前記重合性液晶化合物と、カイラル剤と、紫外線吸収剤とを含有してなる層に照射された紫外線の受光強度は、層の表面(紫外線照射面)側では強い。層の中では紫外線は紫外線吸収剤によって吸収されるので層の深さが増すほどに紫外線受光強度が弱くなる。したがって、層の表面(紫外線照射面)から層の深さが増すにつれて重合度の差が生じる。重合性液晶化合物とカイラル剤のうち重合度の高い化合物の濃度が層表面側で高くなり、未反応成分として残った重合性液晶化合物とカイラル剤のうち重合度の低い化合物が拡散して層の反対側へと移動する。最終的に、重合性液晶化合物あるいはカイラル剤の濃度が層の深さ方向で連続的に変化した濃度勾配が形成される。カイラル剤の量はカイラル構造のピッチの大きさに影響を与える。このようにして、深さ方向に対して連続的にカイラル構造のピッチが変化したコレステリック樹脂層を得ることができる。
本発明に用いる重合性液晶化合物は、その複屈折Δn(=ne−no)が0.18以上、好ましくは0.18〜0.40、より好ましくは0.18〜0.22のものである。Δnはセルナモン法によって測定できる。上記範囲に入るΔnを有する重合性液晶化合物は、棒状の重合性液晶化合物から選択するのが好ましい。
R1−B1−A1−B3−M−B4−A2−B2−R2 式(1)
なお、式(1)中のA1及びA2は、後述するように連結基であるが、この連結基を省いて、直接にB1とB3又はB4とB2が結合していてもよい。
光重合開始剤としては、多核キノン化合物(米国特許3046127号公報、米国特許2951758号公報)、オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報)、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号公報、米国特許2367670号公報)、アシロインエーテル化合物(米国特許2448828号公報)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号公報)などが挙げられる。
カイラル構造のピッチを変化させる方法としては、例えば、液晶相を示す温度以上に加熱する方法、光重合した樹脂層にさらに重合性液晶化合物を含む組成物を塗布し、さらに光重合する方法、光重合した樹脂層に非液晶性化合物を塗布する方法が挙げられる。これらのうち液晶相を示す温度以上に加熱する方法が好ましい。加熱温度は、液晶化合物の種類によって適宜選択でき、通常65〜115℃である。加熱時間は通常0.001〜20分間、好ましくは0.001〜10分間、より好ましくは0.001〜5分間である。
重合転化率が100%になるまでの紫外線照射量は、重合性液晶化合物の種類によって適宜選択される。重合転化率が100%になるまでの照射量は、最初の紫外線照射量との積算で、UV−A基準で、通常、200〜1500mJ/cm2である。
配向膜は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどの樹脂を主成分とする塗布液を基材に膜状に積層し、乾燥させ、次いで一方向にラビングすることによって得られる。膜状に積層した塗布層を一方向にラビングすることで、コレステリック規則性を持つ樹脂層を一方向に配向規制することが可能になる。
λ=n×p×cosθ2 式(2)
ここで、n=(ne+no)/2(式中、noは重合性液晶化合物の短軸方向の屈折率を表し、neは重合性液晶化合物の長軸方向の屈折率を表し、pは、カイラル構造のピッチ長さを表す。)である。
従って、ピッチpのコレステリック樹脂層で反射される円偏光の反射帯域は、式(3)で表される。
no×p×cosθ2≦λ≦ne×p×cosθ2 式(3)
偏光子Aの偏光透過軸と偏光子Bの偏光透過軸とは、通常、直角になるように、液晶セルを挟むようにして配置する。偏光子は吸湿によって偏光性能が変化することがある。これを防ぐために保護フィルムが偏光子AまたはBの両面に通常貼り合わせてある。
液晶物質の配向状態を変化させる方式(動作モード)などによって、液晶セルは分類され、例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶セル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Alignment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment)型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セルなどが挙げられる。
さらに、1/4波長板として、位相補償機能を有するものを用いることができる。位相補償機能を有する1/4波長板とは、550nm付近において、1/4波長の位相差を与えるものであるとともに、0nm未満、好ましくは−2000〜−10nmの厚み方向のレターデーションRth(=((nx+ny)/2−nz)×d);nx,nyは面内主屈折率、nzは法線方向の主屈折率、dは厚さ)を与えるものである。
一体とする方法は特に制限されない、例えば、偏光子Bと1/4波長板とを直接に貼り合わせ、1/4波長板を前記保護フィルムとして機能させてもよいし;偏光子Bの保護フィルムに1/4波長板を貼り合わせてもよい。貼り合わせるときには粘着剤や接着剤などを用いてもよい。偏光子Bの偏光透過軸は、1/4波長板から出射される直線偏光の方向と略平行になるように配置する。偏光透過軸と直線偏光の方向とがなす角度が略平行であるとは、その角度が0〜3°の角度であることを意味する。
このような範囲のRthを有する位相補償素子は、1/4波長板に斜めから入射する光の位相差を補償する機能を有する。
また、この位相補償素子の、面内方向のレターデーションRe(Re=(nx−ny)×d:nx、ny及びdは前記と同じ意味を表す。)は、通常20nm以下、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下である。
このような光学特性を有する位相補償素子は、負の固有複屈折値を有する材料の層を含むフィルムを延伸配向させることによって得ることができる。
なお、前記拡散板は、一般に、粒子状の拡散材が樹脂等のマトリックス中に均一に分散し、それによって光を散乱拡散する機能を有する板として知られているものである。前記プリズムシートは、一般に、散乱等により広く進行方向が広がった光をシート面法線方向に狭める機能を有するシートとして知られているものである。
また、図2において、位相補償素子と円偏光分離シートの間に、拡散シートを介在させてもよい。拡散シートは、一般に、透明フィルムの上に粒子状の拡散材が均一に分散するように積層されたものであり、光を散乱拡散する機能を有するシートとして知られているものである。
本発明では、円偏光分離シートの、1/4波長板側の面に、光拡散性を備えていることが好ましい。光拡散性とは、光を散乱拡散する性質のことである。光拡散性を備えさせるために、例えば、円偏光分離シートの表面に、粒子状の拡散材を均一に分散するように積層させる方法、基材に粒子状の拡散材を均一に分散する方法、または前記拡散シートを円偏光分離シートに貼りあわせる方法などが挙げられる。
<膜厚測定>ULVAC社製 表面形状測定装置〔DEKTAK6M〕を用いて測定した。
<Δn> セルナモン法に従って、使用顕微鏡ニコン社製[エクリプスE−600POL]IFレンズ546nmを使用して測定した。
<位相補償素子の屈折率> 王子計測器(株)製〔KOBRA〕を用いて測定した。
<液晶分子の屈折率> Metricon社製 プリズムカプラ 〔Model 2010〕を用いて633nmのレーザー光における屈折率を測定した。
スチレン−無水マレイン酸共重合体(固有複屈折値が負の材料、Tg=131℃)、及びノルボルネン系重合体(「ゼオノア1020」、日本ゼオン社製、Tg=105℃)を共押出し法によって成形し、ノルボルネン系重合体層(厚さ50μm)/スチレン−無水マレイン酸共重合体層(厚さ200μm)/ノルボルネン系重合体層(厚さ50μm)の三層構造の多層フィルムを得た。
ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて得られた偏光子Bの片面に、前記1/4波長板(C)を貼り合わせ固着させた。また、偏光子のもう一方の片面に平均厚み 60μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせ固着させて、偏光板(X)を得た。
ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて得られた偏光子Aの両面に、平均厚み60μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせ固着させて、偏光板(Y)を得た。
ゼオノアフィルム(日本ゼオン社製ZF14−100)の片面をコロナ放電し、次いでその面にポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバールMP203)の5重量%水溶液を塗布し、100℃で3分間乾燥した後、フェルトのロールでラビングして、配向膜を形成させて、基材を得た。
複屈折Δnが0.18である重合性液晶化合物 90.3部、カイラル剤(BASF社製 LC756)6.7部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGACURE907)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40)0.1部をメチルエチルケトンに固形分40%になるように溶解し、次いで孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製シリンジフィルターにて濾過して重合性溶液を得た。
この重合性溶液を、前記基材の配向膜を設けた面に塗布し、乾燥させ、塗布膜を得た。塗布膜に紫外線を、UV−A基準で70mJ/cm2照射し、100℃のオーブンに3分間放置し、次いで紫外線を、UV−A基準で300mJ/cm2照射して塗布膜を硬化させて、コレステリック樹脂層を有する厚み3μmの光学素子P1を形成した。この際、厚みは、重合性溶液の塗布量を調整することにより制御した。
別の基材に、複屈折Δnが0.18である重合性液晶化合物 94.9部、カイラル剤(BASF社製 LC756)5.1部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製IRGACURE907)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40)0.1部をメチルエチルケトンに固形分40%になるように溶解し、次いで孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製シリンジフィルターにて濾過して得た重合性溶液を塗布し、乾燥させ、次いで上記と同様に紫外線を照射して硬化させて、コレステリック樹脂層を有する厚み4μmの光学素子P2を形成した。、
光学素子P1の、コレステリック樹脂層のカイラル構造のピッチが大きい方の側と、光学素子P2の、コレステリック樹脂層のカイラル構造のピッチが小さい方の側とが向かい合うように重ね合わせて総厚み7μmのコレステリック樹脂層を有する円偏光分離シートを得た。この円偏光分離シートは、入射角0度の光線を30%以上反射する波長帯域が、405〜743nmであった。
SEM観察により、得られた光学素子P1およびP2のカイラル構造のピッチを確認したところ、光学素子P1およびP2は、カイラル構造のピッチが一方の側の面からもう一方の側の面に向かって連続的に変化していた。また、光学素子のカイラル構造のピッチ長さの平均値は、光学素子P1よりも、光学素子P2の方が大きかった。
さらに、光反射板、冷陰極管、拡散板及びプリズムシートからなるバックライトユニットの上に、円偏光分離シート、偏光板(X)、液晶セル、偏光板(Y)の順に載置して、液晶表示装置を得た。この液晶表示装置は、斜め方向から観察しても、正面方向から観察した場合と同じ色合いであり、画面の着色は見られなかった。
重合性溶液の塗布量を調整することにより、コレステリック樹脂層P1の膜厚を2μm、コレステリック樹脂層P2の膜厚を3μmにした以外は実施例1と同様に実験を行った。なお、得られた円偏光分離シートは、入射角0度の光線を30%以上反射する波長帯域が、410〜738nmであった。
実施例1と同様に、偏光光源装置を得、エルゴスコープにより、色度のばらつきと正面輝度比を測定した。Δxは0.027、Δyは0.030、正面輝度比は1.21であった。また、実施例1と同様に、液晶表示装置を得、その表示性能を確認した。液晶表示装置は、斜め方向から観察しても、正面方向から観察した場合と同じ色合いであり、画面の着色は見られなかった。
ゼオノアフィルム(日本ゼオン社製ZF14−100)の片面をコロナ放電し、次いでその面にポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバールMP203)の5重量%水溶液を塗布し、100℃で3分間乾燥し、フェルトのロールでラビングして、配向膜を表面に積層させた基材を得た。
複屈折Δnが0.20である重合性液晶化合物93.9部、カイラル剤(BASF社製 LC756)6.1部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGACURE907)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40)0.1部をメチルエチルケトンに固形分40%になるように溶解し、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製シリンジフィルターにて濾過して重合性溶液を得た。
この重合性溶液を、前記基材の配向膜を設けた面に塗布し、乾燥させ、塗布膜を得た。塗布膜に紫外線を、UV−A基準で40mJ/cm2照射し、100℃のオーブンに3分間放置し、次いで紫外線を、UV−A基準で300mJ/cm2照射して塗布膜を硬化させて、厚み2μmのコレステリック樹脂層P3を形成した。
別の基材に、複屈折Δnが0.20である重合性液晶化合物94.9部、カイラル剤(BASF社製 LC756)5.1部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGACURE907)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40)0.1部をメチルエチルケトンに固形分40%になるように溶解し、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製シリンジフィルターにて濾過して重合性溶液を得た。
この重合性溶液を、前記基材の配向膜を設けた面に塗布し、乾燥させ、塗布膜を得た。塗布膜に紫外線を、UV−A基準で40mJ/cm2照射し、100℃のオーブンに3分間放置し、次いで紫外線を、UV−A基準で300mJ/cm2照射して塗布膜を硬化させて、厚み2μmのコレステリック樹脂層P4を形成した。
SEM観察により、得られた光学素子P3およびP4のカイラル構造のピッチを確認したところ、光学素子P3およびP4は、カイラル構造のピッチが一方の側の面からもう一方の側の面に向かって連続的に変化していた。また、光学素子のカイラル構造のピッチ長さの平均値は、光学素子P3よりも、光学素子P4の方が大きかった。
コレステリック樹脂層P3のカイラル構造のピッチが大きい方の側と、コレステリック樹脂層P4のカイラル構造のピッチが小さい方の側とが向かい合うように貼り合わせて総厚み4μmのコレステリック樹脂層を有する円偏光分離シートを得た。この円偏光分離シートは、入射角0度の光線を30%以上反射する波長帯域が、402〜746nmであった。実施例1と同様に、偏光光源装置を得、エルゴスコープにより、色度のばらつきと正面輝度比を測定した。Δxは0.022、Δyは0.024、正面輝度比は1.22であった。また、実施例1と同様に、液晶表示装置を得、その表示性能を確認した。液晶表示装置は、斜め方向から観察しても、正面方向から観察したと同じ色合いであり、画面の着色は見られなかった。
実施例3で得た円偏光分離シートに、拡散シート(恵和社製 オパルスPSS−010)を貼り合せた。そして、実施例1と同様に、光反射板20、冷陰極管19、拡散板18及びプリズムシート17からなるバックライトユニットの上に、前記拡散シートを貼り合わせた円偏光分離シート、偏光板(X)の順に載置して、偏光光源装置を得た。この際、拡散シートが、円偏光分離シートと偏光板(X)との間になるように配置した。色度のばらつきと正面輝度比の測定を行った結果、Δx:0.017、Δy:0.019、正面輝度比1.20であった。また、光反射板20、冷陰極管19、拡散板18及びプリズムシート17からなるバックライトユニットの上に、前記拡散シートを貼り合わせた円偏光分離シート、偏光板(X)、液晶セル、偏光板(Y)の順に載置して、液晶表示装置を得た。この際、拡散シートが、円偏光分離シートと偏光板(X)との間になるように配置した。表示性能を確認した結果、斜め方向から観察しても、正面方向から観察した場合と同じ色合いであり、画面の着色は見られなかった。
複屈折Δnが0.14である重合性液晶化合物94.0部、カイラル剤(BASF社製 LC756)5.9部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGACURE907)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40)0.1部をメチルエチルケトンに固形分40%になるように溶解し、次いで孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製シリンジフィルターにて濾過して重合性溶液を得た。
この重合性溶液を、前記基材の配向膜を設けた面に塗布し、乾燥させ、塗布膜を得た。塗布膜に紫外線を、UV−A基準で0.2mJ/cm2照射し、100℃のオーブンに3分間放置し、次いで紫外線を、UV−A基準で300mJ/cm2照射して塗布膜を硬化させて、厚み4μmのコレステリック樹脂層P5を形成した。
別の基材に、複屈折Δnが0.14である重合性液晶化合物 95.3部、カイラル剤(BASF社製 LC756)4.7部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGACURE907)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40)0.1部をメチルエチルケトンに固形分40%になるように溶解し、次いで孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製シリンジフィルターにて濾過して重合性溶液を得た。
この重合性溶液を、前記基材の配向膜を設けた面に塗布し、乾燥させ、塗布膜を得た。塗布膜に紫外線を、UV−A基準で0.2mJ/cm2照射し、100℃のオーブンに3分間放置し、次いで紫外線を、UV−A基準で300mJ/cm2照射して塗布膜を硬化させて、厚み5μmのコレステリック樹脂層P6を形成した。
さらに、別の基材に、複屈折Δnが0.14である重合性液晶化合物 96.1部、カイラル剤(BASF社製 LC756)3.9部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGACURE907)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40)0.1部をメチルエチルケトンに固形分40%になるように溶解し、次いで孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製シリンジフィルターにて濾過して重合性溶液を得た。
この重合性溶液を、前記基材の配向膜を設けた面に塗布し、乾燥させ、塗布膜を得た。塗布膜に紫外線を、UV−A基準で0.2mJ/cm2照射し、100℃のオーブンに1分〜5分間放置し、次いで紫外線を、UV−A基準で300mJ/cm2照射して塗布膜を硬化させて、厚み6μmのコレステリック樹脂層P7を形成した。
SEM観察により、得られた光学素子P5、P6およびP7のカイラル構造のピッチを確認したところ、光学素子P5、P6およびP7は、カイラル構造のピッチが一方の側の面からもう一方の側の面に向かって連続的に変化していた。また、光学素子のカイラル構造のピッチ長さの平均値は、大きい方から順に、光学素子P7、光学素子P6、光学素子P5であった。
コレステリック樹脂層P5のカイラル構造のピッチが大きい方の側と、コレステリック樹脂層P6のカイラル構造のピッチが小さい方の側とが向かい合うように、さらに、コレステリック樹脂層P6のカイラル構造のピッチが大きい方の側と、コレステリック樹脂層P7のカイラル構造のピッチが小さい方の側とが向かい合うように貼り合わせて総厚み15μmのコレステリック樹脂層を有する円偏光分離シートを得た。この円偏光分離シートは、入射角0度の光線を30%以上反射する波長帯域が、412〜738nmであった。
実施例1と同様に、偏光光源装置を得、エルゴスコープにより、色度のばらつきと正面輝度比を測定した。Δxは0.047、Δyは0.069、正面輝度比は1.27であった。また、実施例1と同様に、液晶表示装置を、その表示性能を確認した。この液晶表示装置は、斜め方向から観察すると、正面方向から観察した場合と色合いが変化しており、画面が全体的に黄色付いて見られた。
重合性溶液の塗布量を調整することにより、コレステリック樹脂層P5の膜厚を2μm、コレステリック樹脂層P6の膜厚を2μm、コレステリック樹脂層P7の膜厚を3μmにした以外は比較例1と同様に実験を行った。なお、得られた円偏光分離シートは、入射角0度の光線を30%以上反射する波長帯域が、419〜731nmであった。
実施例1と同様に、偏光光源装置を得、エルゴスコープにより、色度のばらつきと正面輝度比を測定した。Δxは0.037、Δyは0.040、正面輝度比は1.07であった。また、実施例1と同様に、液晶表示装置を得、その表示性能を確認した。この液晶表示装置は、斜め方向から観察しても、正面方向から観察した場合と同じ色合いであり、画面の着色は見られなかった。しかし、この比較例2で得られた液晶表示装置は、実施例1〜4および比較例1で得られた液晶表示装置に比較して、画面表示が顕著に暗かった。
これに対して、Δnが0.14の重合性液晶化合物を用いた、総厚み15μmのコレステリック規則性を持つ樹脂層では、色度のばらつきが大きくなることがわかる(比較例1)。また、Δnが0.14の重合性液晶化合物を用いた、総厚み7μmのコレステリック規則性を持つ樹脂層では、正面輝度比が高くならないことがわかる(比較例2)。
2:配向膜
3:コレステリック樹脂層
11:偏光子A
12:液晶セル
13:偏光子B
14:1/4波長板
15:位相補償素子
21:円偏光分離シート
16:基材
17:コレステリック樹脂層
18:拡散板
19:冷陰極管
20:光反射板
Claims (13)
- 0.18以上の複屈折Δnを有する重合性液晶化合物を用いて得られた、コレステリック規則性を持った、総厚み7μm以下の樹脂層
を有してなる円偏光分離シート。 - 前記樹脂層が非液晶性である請求項1記載の円偏光分離シート。
- コレステリック規則性が厚み方向にある、請求項1〜2のいずれかに記載の円偏光分離シート。
- コレステリック規則性の周期が厚み方向で段階的に変化している請求項3記載の円偏光分離シート。
- 前記樹脂層は、コレステリック規則性の周期が異なる2以上の層で形成されている請求項4記載の円偏光分離シート。
- コレステリック規則性の周期が厚み方向で連続的に変化している請求項3記載の円偏光分離シート。
- 前記樹脂層の平均屈折率が1.5〜1.8である請求項1〜6のいずれかに記載の円偏光分離シート。
- 反射率が30%以上となる入射角0度の光の最大波長が700nm以上である請求項1〜7のいずれかに記載の円偏光分離シート。
- 0.18以上の複屈折Δnを有する重合性液晶化合物を含む溶液を基材に塗布し、次いで紫外線を照射して前記重合性液晶化合物を重合させて、コレステリック規則性を持った、総厚み7μm以下の樹脂層を形成することを含む円偏光分離シートの製造方法。
- 偏光子A、
液晶セル、
偏光子B、
1/4波長板及び
請求項1〜8のいずれかに記載の円偏光分離シート をこの順に有する液晶表示装置。 - 前記偏光子Bと1/4波長板とが一体になっている、請求項10記載の液晶表示装置。
- 前記円偏光分離シートの、1/4波長板側の面に、光拡散性が備わっている、請求項10〜11のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 円偏光分離シートと1/4波長板との間に拡散シートをさらに有する、請求項10〜11のいずれかに記載の液晶表示装置。
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