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JP2007064154A - 密閉タンクシステム - Google Patents

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JP2007064154A
JP2007064154A JP2005253933A JP2005253933A JP2007064154A JP 2007064154 A JP2007064154 A JP 2007064154A JP 2005253933 A JP2005253933 A JP 2005253933A JP 2005253933 A JP2005253933 A JP 2005253933A JP 2007064154 A JP2007064154 A JP 2007064154A
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Yoshimichi Takifuji
喜道 瀧藤
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Abstract

【課題】燃料タンクとキャニスタとの間に封鎖弁を備えながらも給油等に起因してキャニスタに余剰に吸着される傾向にある燃料蒸気の外部への放出を好適に抑制することのできる密閉タンクシステムを提供する。
【解決手段】この密閉タンクシステムは、燃料タンク20と同燃料タンク20で発生する燃料蒸気を吸着するキャニスタCAとを繋ぐ配管に開閉可能な封鎖弁V2を備えて構成されている。電子制御装置110は、封鎖弁V2の開弁制御および閉弁制御に用いられる開閾値および閉閾値を上方へシフト設定する封鎖弁開閉閾値設定部113を備えて構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の燃料タンクと該燃料タンクで発生する燃料蒸気を一時的に吸着するキャニスタとを繋ぐ配管に開閉可能な封鎖弁を配した密閉タンクシステムに関するものである。
周知のように、燃料蒸気処理装置を備えるエンジンシステムでは、燃料タンク中で発生する燃料蒸気(ベーパ)を大気中に放出させることなくキャニスタに一旦捕集するとともに、その捕集した燃料蒸気を負圧状態にある吸気通路へパージして、噴射燃料と共々、エンジンの燃焼室で燃焼するようにしている。ただし、エンジンと電気モータとを併用する近年のHV車(ハイブリット車)等では、スロットルバルブを大きく開いた燃費重視の運転が行われるなど、吸気通路の負圧を燃料蒸気のパージ目的に利用できないことが多い。このため、こうしたHV車等では、燃料蒸気のパージにあたって種々の方法が採用されており、例えばブレーキ用の真空倍力装置を構成する減圧用の吸引ポンプの排気を利用する方法などが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、こうしたHV車等では、エンジン走行とモータ走行とを切り替える運転(間欠運転)が行われるため、標準エンジン(圧縮燃焼型エンジン)を搭載する車両に比べてパージ機会が少なく、その比率は標準エンジン搭載の車両と比較して「1/6」程度である。このため、こうしたHV車等では、キャニスタに吸着されたもののエンジンの吸気通路にパージされない燃料蒸気が外部に放出されることを防止すべく、燃料タンク内で発生する燃料蒸気をある一定量にコントロールする密閉タンクシステムと称されるシステムが併せて採用されるようになってきている。この密閉タンクシステムとは、燃料タンクとキャニスタとを繋ぐ通路に燃料タンクを密閉する上記封鎖弁を設けたシステムであり、図12に、こうした密閉タンクシステムの概略構成を示す。
この図12に示すように、この密閉タンクシステムは、大きくは、給油口21から給油される燃料を溜めておく燃料タンク20、該燃料タンク20とエンジン10の吸気通路との間に配設されて上記燃料蒸気を捕集するキャニスタCA等を有して構成されている。また、エンジン10の吸気通路およびキャニスタCA、並びに燃料タンク20は、それぞれ配管P1およびP2によって連結されている。このうち、配管P1にはパージ弁V1が設けられており、該パージ弁V1の開弁によってキャニスタCAとエンジン10の吸気通路、正確には負圧の生じるスロットル弁11の下流とが連通される。また、上記配管P2には封鎖弁V2が設けられており、該封鎖弁V2の閉弁によって上記燃料タンク20が密閉されるとともに、同封鎖弁V2の開弁によって上記燃料タンク20とキャニスタCAとが連通される。また、上記燃料タンク20には、フューエルリッドオープナモータ23によりオープン(開)/クローズ(閉)駆動されるリッド22が設けられており、このリッド22のオープン/クローズにより給油口21からの給油が許容/禁止される。なお、上記燃料タンク20には、その内部の圧力を検出する圧力センサ31、燃料残量を検出する燃料センサ32、及び上記リッド22の開状態を検知するリッドカーテシスイッチ24等が設けられている。また、上記キャニスタCAには、一端が大気中に開放される配管P3が設けられている。
そして、パージ弁V1を通じたパージ制御をはじめ、このような密閉タンクシステムの動作は電子制御装置100によって統括制御される。この電子制御装置100は、車室内に設けられて給油時に上記リッド22をオープンすべく運転者により操作されるフューエルリッドオープナスイッチ40、上記リッドカーテシスイッチ24及び上記圧力センサ31や燃料センサ32等の各種センサからの信号に基づき、給油時には上記封鎖弁V2やリッド22等を次のように制御する。すなわちこのシステムにおいて、上記封鎖弁V2は、通常時は閉弁状態にあり、この封鎖弁V2によって上記燃料タンク20は密閉されている。そして給油時に、上記フューエルリッドオープナスイッチ40が運転者によってオン操作されると、上記電子制御装置100が上記封鎖弁V2を開弁制御する。これにより、上記燃料タンク20内の燃料蒸気が上記キャニスタCAに捕集されて燃料タンク20内の圧力が低下する。次に、上記電子制御装置100は、この封鎖弁V2の開弁により上記圧力センサ31を通じて検出されるタンク内圧が給油可能な圧力まで低下した後、上記フューエルリッドオープナモータ23を通じて上記リッド22をオープン(開)側に制御して給油可能な状態とする。また、給油中に燃料タンク20内に生じる燃料蒸気も、開弁状態にある上記封鎖弁V2を介してキャニスタCAに捕集(吸着)される。
特開平7−253058号公報
ところで、上記密閉タンクシステムを採用するエンジンシステムでは、上記燃料タンク20を封鎖弁V2により密閉して燃料蒸気をある一定量に抑えるものの、上述したようにそのパージ機会は少ない。また、こうした密閉タンクシステムでは、上記燃料タンク20を密閉して燃料タンク内で発生する燃料蒸気をある一定量に抑える構造上、上記キャニスタCAには小型のものが採用されることが多い。このため、こうした密閉タンクシステムでは、上記キャニスタCAの燃料蒸気が十分にパージされないまま給油が繰り返し行われることともなり、特に給油直後においては上記燃料タンク内の燃料蒸気が上記キャニスタCAに吸着されるため、この吸着された燃料蒸気がパージされずに外部に自然放出されてしまうおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その目的は、燃料タンクとキャニスタとの間に封鎖弁を備えながらも給油等に起因してキャニスタに余剰に吸着される傾向にある燃料蒸気の外部への放出を好適に抑制することのできる密閉タンクシステムを提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料タンクで発生する燃料蒸気を吸着すべく燃料蒸気のパージ経路に設けられたキャニスタと燃料タンクとを繋ぐ配管に開閉可能な封鎖弁を備え、圧力センサを通じて検出される燃料タンク内の圧力に基づきこの封鎖弁の開閉を制御することにより、同燃料タンク内の圧力を所定の圧力範囲に維持する密閉タンクシステムとして、前記封鎖弁の開弁制御に用いられる前記燃料タンク内の圧力に対する圧力閾値を一時的に上方へシフト設定する閾値設定手段を備えることとした。
上記構成によれば、上記圧力閾値のシフト設定による封鎖弁の開弁時期のコントロールを通じて、燃料タンクからキャニスタに吸着される燃料蒸気の量をコントロールすることが可能となり、ひいては上記キャニスタ内に吸着されている燃料蒸気の吸気通路へのパージを優先することも可能となる。また、こうしてキャニスタ内に吸着されている燃料蒸気の吸気通路へのパージが優先されることにより、パージされないままキャニスタに貯留する燃料蒸気の外部への放出も自ずと抑制されるようになる。
また、請求項1に記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項2に記載の発明では、前記封鎖弁が、前記燃料タンク内の圧力の、「開弁制御用の圧力閾値>閉弁制御用の圧力閾値」なる異なる圧力閾値への到達に基づきその開閉が制御されるものであるときに、前記閾値設定手段では、前記封鎖弁の開弁制御に用いられる前記圧力閾値の上方へのシフト設定に際し、前記封鎖弁の閉弁制御に用いられる圧力閾値を併せて上方へシフト設定することとした。
上記構成によれば、燃料タンク内の圧力の上記開弁制御用の圧力閾値への到達に基づき封鎖弁が開弁された後、同封鎖弁の閉弁時期が必要以上に遅れることが是正されるようになるため、燃料タンクから上記キャニスタへの燃料蒸気の過剰な流入も防止され、燃料タンク内の圧力に応じた封鎖弁の開弁期間をより適切な期間に設定することができるようになる。
また、請求項1または2に記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項3に記載の発明では、前記閾値設定手段は、前記燃料タンクへの給油の直後であることを条件に前記圧力閾値の上方へのシフト設定を実行することとした。
このような構成によれば、キャニスタへの燃料蒸気の吸着量が特に多くなる前述した給油直後に、上記封鎖弁の開弁時期が遅延されて上記キャニスタに吸着されている燃料蒸気が優先してパージされるようになるため、同燃料蒸気の外部への放出も好適に抑制されるようになる。
また、請求項1または2に記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項4に記載の発明では、前記閾値設定手段は、前記燃料タンクへの給油以降、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ履歴が必要とされる履歴を満たしていないことを条件に前記圧力閾値の上方へのシフト設定を実行することとした。
上記キャニスタの燃料蒸気の吸着状態は、パージ履歴に基づいて推定することが可能である。このため、このパージ履歴が必要とされる履歴を満たしていないことを条件に上記シフト設定を実行する上記構成によれば、給油時に吸着される燃料蒸気も含め、同キャニスタに貯留されている燃料蒸気が外部に自然放出される可能性を判断して、必要なときにだけ上記圧力閾値のシフト設定が実行されるようになる。
なお、請求項4に記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項5に記載の発明によるように、前記パージ履歴としては、パージ実行回数を採用することができ、その場合の前記必要とされる履歴としては、前記キャニスタへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とする所定回数のパージが実行されたことを採用することができる。これにより、比較的簡易に上記圧力閾値のシフト設定実行条件を管理することができるようになる。
また、同じく請求項4に記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項6に記載の発明によるように、前記パージ履歴としては、パージ率に基づき算出される累積パージ燃料蒸気量を採用することもでき、そしてその場合の前記必要とされる履歴としては、該算出された累積パージ燃料蒸気量が前記キャニスタへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とする量に達したことを採用することができる。これにより、より緻密に上記圧力閾値のシフト設定実行条件を管理することができるようになる。
一方、請求項3〜6のいずれかに記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項7に記載の発明では、前記閾値設定手段は、前記圧力閾値の上方へのシフト設定の実行後、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ実行時間に応じて、このパージ実行時間が短いほど長くなる傾向にて前記シフト設定した圧力閾値を保持することとした。
このような構成によれば、上記パージ実行時間に応じて、この時間が短いほど、上述したパージ優先度合いも高く維持されることとなり、キャニスタに吸着された燃料蒸気の外部への放出抑制効果も更に高められるようになる。
また、請求項7に記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項8に記載の発明では、前記燃料蒸気のパージ実行期間内に前記封鎖弁が開弁制御されるとき、前記閾値設定手段は、この封鎖弁の開弁時間を除外した時間として前記パージ実行時間を算定することとした。
パージ実行期間内に上記封鎖弁が開弁されるときには、上記キャニスタに吸着されている燃料蒸気がパージされる一方で、上記燃料タンクからの燃料蒸気が同キャニスタに新たに吸着されるようになることから、キャニスタにおける燃料蒸気の貯留量はほとんど変わらない。このため、こうした封鎖弁の開弁時間を除外した時間として上記パージ実行時間を算定する上記構成によれば、純粋に上記キャニスタから燃料蒸気がパージされる時間として上記パージ実行時間が算定されることとなり、これに基づき行われる上記圧力閾値の保持時間の管理もより好適に行われるようになる。
また、請求項3〜6のいずれかに記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項9に記載の発明では、前記閾値設定手段では、前記圧力閾値の上方へのシフト設定の実行後、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ率に基づき算出される累積パージ燃料蒸気量が前記キャニスタの燃料蒸気吸着機能が回復したと判断される所定の量に達するまで前記シフト設定した圧力閾値を保持することとした。
このような構成によれば、上記算出される累積パージ燃料蒸気量に応じてより緻密に上記シフト設定した圧力閾値の保持期間が管理されることとなり、この場合も、キャニスタに吸着された燃料蒸気の外部への放出抑制効果が更に高められるようになる。
また、請求項3〜9のいずれかに記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項10に記載の発明では、前記閾値設定手段は、前記上方へシフト設定する前記燃料タンク内の圧力に対する圧力閾値のシフト量を前記燃料タンクへの給油前の燃料残量に応じて可変とすることとした。
給油前の燃料残量の多少により、新たに給油される燃料の量も推定可能である。このため、こうした燃料残量に応じて上記圧力閾値のシフト量を可変設定することにより、シフト設定が行われないときの標準の圧力閾値とのギャップを最小限に抑えることができるようになる。
また、請求項10に記載の密閉タンクシステムにおいて、上記圧力閾値のシフト量を可変設定するにあたっては、請求項11に記載の発明によるように、前記燃料タンクへの給油前の燃料残量が少ないほど前記燃料タンク内の圧力に対する前記圧力閾値のシフト量を大きく設定し、同給油前の燃料残量が多いほど前記燃料タンク内の圧力に対する前記圧力閾値のシフト量を小さく設定することが有効である。
給油前の燃料残量が少ないときには通常、給油される燃料の量が多くなる傾向にあるため、その給油時に上記キャニスタに吸着される燃料蒸気の量も自ずと多くなる。他方、給油前の燃料残量が多いときには、給油される燃料の量は少なく、その給油時に上記キャニスタに吸着される燃料蒸気の量も少ない。このため、こうした給油前の燃料残量に応じて上記圧力閾値のシフト量を可変設定する上記構成によれば、上記キャニスタへの予想される燃料蒸気の吸着量に応じたより適切な圧力閾値が設定されるようになる。
また、請求項1〜11のいずれかに記載の密閉タンクシステムにおいて、請求項12に記載の発明では、前記燃料タンク内の圧力が前記開弁制御に用いられる圧力閾値に達すること、及び前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ制御が実行中であること、の論理積条件に基づいて前記封鎖弁を開弁する構成とした。
このような論理積条件に基づいて封鎖弁を開弁することで、吸着された燃料蒸気がパージされつつあるキャニスタに対して上記燃料タンクからの燃料蒸気を送り込むことができるようになるため、上記キャニスタに貯留される燃料蒸気の量を適正に維持するかたちで上記封鎖弁の開閉を制御することができるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる密閉タンクシステムの第1の実施の形態について図1〜図7を参照して説明する。なお、この密閉タンクシステムは先に述べた従来の密閉タンクシステムと基本的に同じ構成であるため、同じ要素については同じ符号を付すとともに、その詳細な説明は割愛することとする。
図1は、本実施の形態にかかる密閉タンクシステムを搭載したエンジンシステムを示すものである。この図1に示すように、本実施の形態の密閉タンクシステムは、大きくは、給油口21から給油される燃料を溜めておく燃料タンク20、該燃料タンク20とエンジン10の吸気通路との間に配設されて上記燃料蒸気を捕集するキャニスタCA等を有して構成されている。また、エンジン10の吸気通路およびキャニスタCA、並びに燃料タンク20は、それぞれ配管P1およびP2によって連結されている。このうち、配管P1にはパージ弁V1が設けられており、該パージ弁V1の開弁によってキャニスタCAとエンジン10の吸気通路とが連通される。また、上記配管P2には封鎖弁V2が設けられており、該封鎖弁V2の閉弁によって上記燃料タンク20が密閉されるとともに、同封鎖弁V2の開弁によって上記燃料タンク20とキャニスタCAとが連通される。また、上記燃料タンク20には、フューエルリッドオープナモータ23によりオープン(開)/クローズ(閉)駆動されるリッド22が設けられており、このリッド22のオープン/クローズにより給油口21からの給油が許容/禁止される。なお、上記燃料タンク20には、その内部の圧力を検出する圧力センサ31、燃料残量を検出する燃料センサ32、及び上記リッド22の開状態を検知するリッドカーテシスイッチ24等が設けられている。また、上記キャニスタCAには、一端が大気中に開放される配管P3が設けられている。
そして、本実施の形態の密閉タンクシステムでは、電子制御装置110によりその動作が統括制御される。また、この電子制御装置110は、給油実行判定部111、パージ制御部112、及び封鎖弁開閉閾値設定部(閾値設定手段)113を備えている。このうち、上記給油実行判定部111は、給油実行判定処理を実行する部分であり、この処理を通じて給油が行われたか否かが判断される。また、上記パージ制御部112は、パージ制御の実行に伴う処理を実行する部分であり、この処理を通じてパージ実行回数がカウントされる。
また、この密閉タンクシステムでは、上記封鎖弁V2の開閉制御が給油時だけでなく運転時にも行われ、この運転時において、上記封鎖弁V2を開弁制御するための圧力閾値(開閾値)、および上記封鎖弁V2を閉弁制御するための圧力閾値(閉閾値)を設定する処理が上記封鎖弁開閉閾値設定部113により行われる。そして、上記電子制御装置110では、上記燃料タンク20内の圧力が上記開閾値に達すること、及び上記キャニスタCAに吸着された燃料蒸気のパージ制御が実行中であること、の論理積条件に基づいて上記封鎖弁V2を開弁する。他方、上記電子制御装置110は、上記封鎖弁V2を開弁制御した後に、上記圧力センサ31を通じて検出される上記燃料タンク20内の圧力が上記閉閾値を下回ったとき、上記封鎖弁V2を閉弁する。なお、これら開閾値および閉閾値は「開閾値>閉閾値」なる関係を有するものである。
次に、上記電子制御装置110において実行される各種処理について説明する。
図2は、給油制御にかかる処理のフローチャートである。この給油制御にかかる処理は、上記フューエルリッドオープナスイッチ40が運転者によりオン操作されたときに実行されるものであり、この処理を通じて上記燃料タンク20の圧力が給油可能な圧力まで低下される。
この図2に示すように、まず、ステップS101では、車速が所定の速度(例えば時速4km)以下であることなど、上記封鎖弁V2を開弁制御する条件(封鎖弁開条件)が成立しているか判断される。なお、このステップS101において、上記封鎖弁開条件が成立しないときには本処理は終了する。一方、こうした封鎖弁開条件が成立したときには、ステップS102において、上記封鎖弁V2の開弁制御が実行されて封鎖弁V2がオープンされる。これにより、上記燃料タンク20と上記キャニスタCAと繋ぐ上記配管P2が連通されて上記燃料タンク20内の燃料蒸気が上記キャニスタCAに吸着される。続いて、ステップS103において、上記封鎖弁V2の開弁により上記燃料タンク20の圧力が所定の圧力値(例えば1.76kPa)以下であるか判断される。なお、このステップS103における判断は、上記燃料タンク20の圧力が所定の圧力以下となるまで繰り返し行われる。そして、上記燃料タンク20の圧力が所定の圧力以下となったとき、ステップS104において、上記リッド22がオープンされて、燃料タンク20への給油が可能な状態となる。
続いて、ステップS105では、給油が終了したか判断される。この給油終了の判断は、例えばリッド22がクローズ(閉)されてから5秒以上経過していること、などに基づいて行われる。なお、このステップS105の判断は給油が終了するまで繰り返し行われる。そして、給油が終了したと判断されたときには、ステップS106において、上記封鎖弁V2がクローズ(閉)される。そして、ステップS107において、上記電子制御装置110に搭載されるバックアップRAMに、給油が行われた旨を示す給油実行フラグがセットされて本処理が終了する。
図3は、上記給油実行判定部111により実行される給油実行判定処理のフローチャートである。なお、この給油実行判定処理は、エンジン始動スイッチであるイグニションスイッチがオンされて電子制御装置110が起動したときに実行される。この図3に示すように、ステップS201では、上記給油実行フラグがオンであるか判断される。ここで、給油が実行されていないときには、上記給油実行フラグはオフであるため、本処理は終了する。一方、先のステップS107(図2)において、給油実行フラグがオンにセットされているときには、ステップS202において、パージ実行回数を示す累計パージ実行カウンタが「0」にリセットされる。そして、ステップS203において給油実行フラグがリセットされて、本処理が終了する。
図4は、上記パージ制御部112により実行されるパージ制御の実行に伴う処理のフローチャートである。この図4に示すように、ステップS301では、パージ実行条件が成立しているか判断される。なお、このパージ実行条件は周知の通り、
(イ)エンジン始動後で所定時間の経過後であること
(ロ)冷却水温が所定水温以上であること
(ハ)車速が設定値以上であること
(ニ)スロットルバルブが開かれていること
の4つの条件からなるものであり、これら条件を満たすときに上記パージ弁V1が開弁されてパージ制御が実行される。このため、ステップS301において、上記パージ実行条件が成立してパージ制御が実行されたと判断されるときには、ステップS302において、累計パージ実行カウンタがインクリメントされて本処理が終了する。一方、上記ステップS301において、上記パージ実行条件を満たさないときには、本処理は終了する。
図5は、上記封鎖弁開閉閾値設定部113により実行される封鎖弁開閉閾値設定処理のフローチャートである。この図5に示すように、ステップS401では、累計パージ実行カウンタが所定値未満であるか判断される。なお、このステップS401における所定値は、上記パージ実行回数がキャニスタCAへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とするだけの回数行われているか、すなわち、給油時に吸着された燃料蒸気を含め、同キャニスタCAに貯留されている燃料蒸気が外部に放出されない状態にあるかを判断する指標として予め設定されているものである。そして、このステップS401において、上記累計パージ実行カウンタが所定値未満でないとき、すなわち、その所定値以上の回数のパージ制御を通じて上記キャニスタCAに貯留される燃料蒸気が十分にパージされたと判断されるとき、ステップS402において、上記開閾値および閉閾値が標準値(デフォルト)にセットされる。一方、上記ステップS401において、上記累計パージ実行カウンタが所定値未満であるときには、給油時に吸着された燃料蒸気を含め、上記キャニスタCAに貯留されている燃料蒸気が外部に放出されるおそれがある。このため、ステップS403において、標準値から所定量だけ上方へシフト設定された開閾値および閉閾値がセットされる。
そして、このシフト設定された開閾値および閉閾値は、ステップS404において、パージ実行時間が所定時間経過するまで保持される。なお、このステップS404における所定時間は、上記キャニスタCAの燃料蒸気吸着機能が、貯留される燃料蒸気を外部に放出しない程度に回復したと判断される量として予め設定されているものである。また、このステップS404では、パージ実行期間内に上記封鎖弁V2が開弁制御されるとき、この封鎖弁V2の開弁時間を除外した時間として上記パージ実行時間を算定することとしている。そして、このようにして算定されるパージ実行時間が所定時間経過したときには、ステップS405において、上記開閾値および閉閾値のシフト設定が終了されて、上記開閾値および閉閾値として標準値がセットされて本処理が終了する。
次に、本実施の形態の密閉タンクシステムにおける上記封鎖弁V2の制御態様について従来の密閉タンクシステムと比較して説明する。なお、図6に従来の密閉タンクシステムにおける封鎖弁の制御態様を、図7に本実施の形態の密閉タンクシステムにおける封鎖弁の制御態様をそれぞれ示す。
まず、図6(a)に示すように、従来の密閉タンクシステムでは、上記封鎖弁V2を開閉制御するための開閾値及び閉閾値が予め固定値として記憶されている。そして、このような開閾値および閉閾値がセットされた従来の密閉タンクシステムにおいて、給油以降、図6(a)に示すような推移で燃料タンク20内の圧力が上昇して、例えばタイミングT1において上記燃料タンク20内の圧力が開閾値に達したとする。また、図6(b)に示すように、このタイミングT1のときに上記パージ実行条件が成立してパージ弁が開弁状態にあるとき、図6(c)に示すように、上記封鎖弁V2が開弁される。そして、パージ実行中である間は、上記燃料タンク20内の圧力が上記閉閾値に達するまで上記封鎖V2の開弁が維持されて、上記燃料タンク20内の圧力が上記閉閾値に達するタイミングT2において、図6(c)に示すように上記封鎖弁V2が閉弁される。そして、これ以降も同様に、上記開閾値および閉閾値に基づいて上記封鎖弁V2の開閉が繰り返し行われる。
一方、本実施の形態の密閉タンクシステムでは、給油終了後、図7(a)に示すように、上記封鎖弁開閉閾値設定処理を通じて上記封鎖弁V2の開閾値および閉閾値が、標準値から所定量だけ上方へシフト設定された値にセットされる(上記ステップS403)。そして、このような開閾値および閉閾値がセットされた本実施の形態の密閉タンクシステムにおいて、給油以降、図7(a)に示すような推移で燃料タンク20内の圧力が上昇したとする。この場合、従来の密閉タンクシステムであれば、タイミングT3において燃料タンク20の圧力値が開閾値に達するため、パージ実行中であることを条件に、上記封鎖弁V2が開弁される。これに対し、本実施の形態の密閉タンクシステムでは、開閾値および閉閾値が上方へシフト設定されているため、タイミングT3よりも遅いタイミングT4において上記燃料タンク20の圧力値が開閾値に達することとなる。そして、図7(b)に示されるようにパージ実行中であることを条件に、図7(c)に示すようにして封鎖弁V2が開弁される。このことは、上記燃料タンク20内の圧力の上記開閾値に達するまでの時間が、従来の密閉タンクシステムに比べて遅延することを意味しており、これにより、上記キャニスタCAに吸着された燃料蒸気が優先的に放出されるようになる。そして、パージ実行中である間は、上記燃料タンク20内の圧力が上記閉閾値に達するまで上記封鎖弁V2の開弁が維持されて、上記燃料タンク20内の圧力が上記閉閾値に達するタイミングT5において、図7(c)に示すように上記封鎖弁V2が閉弁される。そして、このようにシフト設定された開閾値および閉閾値の保持は、上記パージ実行時間が所定時間経過するまで行われ(上記ステップS404)、その後、上記開閾値および閉閾値として標準値がセットされる(上記ステップS405)。なお上述したように、図7(b)に示すパージ実行時間の算出は、図7(c)に示す封鎖弁V2の開弁時間を除外した時間として算定される。
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下に列記する効果が得られるようになる。
(1)上記封鎖弁V2の開弁制御に用いられる開閾値を、給油後に一時的に上方へシフト設定することとした。このため、上記キャニスタCAへの燃料蒸気の吸着量が特に多くなる給油直後に、上記封鎖弁V2の開弁時期が遅延されて上記キャニスタCAに吸着されている燃料蒸気が優先してパージされるようになり、パージされないまま上記キャニスタCAに貯留する燃料蒸気の外部への放出も好適に抑制されるようになる。
(2)上記封鎖弁V2の開弁制御に用いられる開閾値の上方へのシフト設定に際し、同封鎖弁V2の閉弁制御に用いられる閉閾値を併せて上方へシフト設定することとした。このため、上記燃料タンク20内の圧力の開閾値への到達に基づき封鎖弁V2が開弁された後、同封鎖弁V2の閉弁時期が必要以上に遅れることが是正されるようになる。そしてこれにより、燃料タンク20から上記キャニスタCAへの燃料蒸気の過剰な流入も防止され、燃料タンク20内の圧力に応じた封鎖弁V2の開弁期間をより適切な期間に設定することができるようになる。
(3)上記燃料タンク20内の圧力が上記封鎖弁V2の開弁制御に用いられる開閾値に達すること、及び上記キャニスタCAに吸着された燃料蒸気のパージ制御が実行中であること、の論理積条件に基づいて上記封鎖弁V2を開弁することとした。これにより、吸着された燃料蒸気がパージされつつあるキャニスタCAに対して上記燃料タンク20からの燃料蒸気を送り込むことができるようになるため、上記キャニスタCAに貯留される燃料蒸気の量を適正に維持するかたちで上記封鎖弁V2の開閉を制御することができるようになる。
(4)上記燃料タンク20への給油以降、上記パージ実行回数がキャニスタCAへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とするだけの回数行われているかを判断し(上記ステップS401)、このパージ実行回数が所定回数に満たないときに上記開閾値および閉閾値のシフト設定を行うこととした。これにより、給油時に吸着される燃料蒸気も含め、同キャニスタCAに貯留されている燃料蒸気が外部に放出される可能性を判断して、必要なときにだけ上記開閾値および閉閾値のシフト設定が実行されるようになる。また、パージ実行回数に基づき判断することとしたため、比較的簡易に上記開閾値および閉閾値のシフト設定実行条件を管理することができるようになる。
(5)上記開閾値および閉閾値の上方へのシフト設定の実行後、上記キャニスタCAに吸着された燃料蒸気のパージ実行時間が所定時間に達するまで、上記開閾値および閉閾値のシフト設定を保持することとした(上記ステップS404、S405)。これにより、上記パージ実行時間が短いほど上記開閾値および閉閾値が長く保持されて上述したパージ優先度合いも高く維持されるようになるため、上記キャニスタCAに吸着された燃料蒸気の外部への放出抑制効果も高められるようになる。
(6)また、パージ実行期間内に上記封鎖弁V2が開弁制御されるとき、この封鎖弁V2の開弁時間を除外した時間として上記パージ実行時間を算定することとした。このため、純粋に上記キャニスタCAから燃料蒸気がパージされる時間として上記パージ実行時間が算定されることとなり、これに基づき行われる上記開閾値および閉閾値の保持時間の管理もより好適に行われるようになる。
なお、上記第1の実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、パージ実行期間内に上記封鎖弁V2が開弁制御されるとき、この封鎖弁V2の開弁時間を除外した時間として上記パージ実行時間を算定することとしたが、必ずしも上記封鎖弁V2の開弁時間を除外する必要はない。この場合、上記第1の実施の形態よりもその精度において劣るものの、上記キャニスタCAの燃料蒸気の吸着状態を推定することは十分に可能である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる密閉タンクシステムの第2の実施の形態について図8〜図10を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態の密閉タンクシステムは、上記第1の実施の形態と基本的に同じ構成であるため、同じ要素については同じ符号を付すとともに、その詳細な説明は割愛することとする。
また、この第2の実施の形態では、パージ実行回数に基づいて開閾値および閉閾値のシフト設定を行うかを判断する上記第1の実施の形態と異なり、パージ率に基づき算出される累積パージ燃料蒸気量に基づいて開閾値および閉閾値のシフト設定を行うかを判断することとしている。また、この第2の実施の形態では、パージ実行時間が所定時間経過するまでシフト設定された開閾値および閉閾値が保持される上記第1の実施の形態と異なり、上記累積パージ燃料蒸気量が所定量に達するまでシフト設定された開閾値および閉閾値を保持することとしている。以下、上記第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
図8は、上記給油実行判定部111により実行される給油実行判定処理のフローチャートである。なお、この給油実行判定処理は、イグニションスイッチがオンされて電子制御装置110が起動したときに実行される。この図8に示すように、ステップS501では、上記給油実行フラグがオンであるか判断される。ここで、給油が実行されていないときには、上記給油実行フラグはオフであるため、本処理は終了する。一方、上記給油制御にかかる処理のステップS107(図2)において、給油実行フラグがオンにセットされているときには、ステップS502において、累積パージ燃料蒸気量が「0」にリセットされる。そして、ステップS503において、給油実行フラグがリセットされて、本処理が終了する。なお、上記累積パージ燃料蒸気量とは、上記キャニスタCAからパージされた燃料蒸気の総量を示すものであり、次のようにして算出される。すなわち、パージ制御が実行されて上記キャニスタCAの燃料蒸気が吸気通路にパージされると、吸気通路内のベーパ濃度(燃料蒸気濃度)が高まって空燃比(A/F比)が一時的に落ち込む。この落ち込み量は、(パージされた燃料蒸気の量)/(吸入空気量)を示すものであり、いわゆるパージ率として算出される。そして、この算出されるパージ率と吸気量センサから得られる吸入空気量とに基づいて燃料蒸気のパージ量を算出することができ、このパージ量が加算された総量として累積パージ燃料蒸気量が算出される。なお、上記空燃比は排気通路に配設される酸素濃度センサにより検出される酸素濃度に基づいて算出される。
図9は、パージ制御の実行に伴う処理を示すものである。この図9に示すように、ステップS601では、パージ実行条件が成立しているか判断される。なお、このパージ実行条件は上記第1の実施の形態と同じであるためその詳細な説明は割愛する。そして、上記ステップS601において、上記パージ実行条件が成立してパージ制御が実行されたと判断されるときには、ステップS602において、上記パージ率に基づいてパージ燃料蒸気量が算出されて、この算出されたパージ燃料蒸気量が累計パージ燃料蒸気量として加算される。一方、上記ステップS601において、上記パージ実行条件を満たさないときには、本処理は終了する。
図10は、上記封鎖弁開閉閾値設定部113により実行される封鎖弁開閉閾値設定処理のフローチャートである。この図10に示すように、ステップS701では、累計パージ燃料蒸気量が所定量未満であるか判断される。なお、このステップS701における所定量は、上記累積パージ燃料蒸気量がキャニスタCAへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とするだけの量であるか、すなわち、給油時に吸着された燃料蒸気を含め、同キャニスタCAに貯留されている燃料蒸気が外部に放出されない状態にあるかを判断する指標として予め設定されているものである。そして、このステップS701において、上記累計パージ燃料蒸気量が所定量未満でないとき、すなわち、その所定量以上の累計パージ燃料蒸気量を通じて上記キャニスタCAに貯留される燃料蒸気が十分にパージされたと判断されるとき、ステップS702において、上記開閾値および閉閾値が標準値(デフォルト)にセットされる。一方、上記ステップS701において、上記累計パージ燃料蒸気量が所定量未満であるときには、給油時に吸着された燃料蒸気を含め、上記キャニスタCAに貯留されている燃料蒸気が外部に放出されるおそれがある。このため、ステップS703において、標準値から所定量だけ上方へシフト設定された開閾値および閉閾値がセットされる。
そして、このシフト設定された開閾値および閉閾値は、ステップS704において、累積パージ燃料蒸気量が所定量に達するまで保持される。なお、このステップS704における所定量は、上記キャニスタCAの燃料蒸気吸着機能が、貯留される燃料蒸気を外部に放出しない程度に回復したと判断される量として予め設定されているものである。そして、上記累計パージ燃料蒸気量が所定量に達したときには、ステップS705において、上記開閾値および閉閾値のシフト設定が終了されて、上記開閾値および閉閾値として標準値がセットされて本処理が終了する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態の効果(1)〜(3)の効果に加えて以下に列記する効果が得られるようになる。
(7)上記燃料タンク20への給油以降、上記累積パージ燃料蒸気量が上記キャニスタCAへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とする量に達していないことを条件に、上記開閾値および閉閾値のシフト設定を行うこととした(上記ステップS701、S703)。これにより、給油時に吸着される燃料蒸気も含め、同キャニスタCAに貯留されている燃料蒸気が外部に放出される可能性を判断して、必要なときにだけ上記開閾値および閉閾値のシフト設定が実行されるようになる。また、累積パージ燃料蒸気量に基づき判断するようにしたため、パージ実行回数を採用する上記第1の実施の形態に比べて、より緻密に上記開閾値および閉閾値のシフト設定実行条件を管理することができるようになる。
(8)上記開閾値および閉閾値の上方へのシフト設定の実行後、パージ率に基づき算出される累積パージ燃料蒸気量が上記キャニスタCAの燃料蒸気吸着機能が回復したと判断される所定の量に達するまで上記シフト設定した開閾値および閉閾値を保持することとした(上記ステップS704、S705)。これにより、上記算出される累積パージ燃料蒸気量に応じて、より緻密に上記シフト設定した開閾値および閉閾値の保持期間が管理されることとなり、上記キャニスタCAに吸着された燃料蒸気の外部への放出抑制効果が高められるようになる。
その他、上記各実施の形態に共通して変更可能な要素としては、以下のようなものがある。
・上記各実施の形態では、上記開閾値および閉閾値をシフト設定するにあたって、標準値からのシフト量を固定量としたが、このシフト量を給油前の燃料残量に応じて可変としてもよい。通常、給油前の燃料残量が少ないときには、給油される燃料の量が多くなる傾向にあるため、その給油時に上記キャニスタに吸着される燃料蒸気の量も自ずと多くなる。他方、給油前の燃料残量が多いときには、給油される燃料の量は少なく、その給油時に上記キャニスタに吸着される燃料蒸気の量も少ない。このため、こうした給油前の燃料残量に応じて上記圧力閾値のシフト量を可変設定することにより、シフト設定が行われないときの標準値とのギャップを最小限に抑えるかたちで、上記キャニスタCAへの予想される燃料蒸気の吸着量に応じた適切な開閾値および閉閾値を設定することができるようになる。なお、こうしたシフト量設定処理として、燃料残量に応じて2つのシフト量から選択、設定する場合の一例を図11に示す。この図11に示すように、ステップS801において、まず、上記燃料センサ32から得られる情報に基づき、燃料タンク20内の燃料残量を算出する。続いて、ステップS802において、算出された燃料残量が、予め2つのシフト量のいずれを選択するかの指標として設定された所定量以上であるかを判断する。そして、上記燃料残量が所定量以上であるときには、ステップS803においてシフト量Aが、上記燃料残量が所定量未満であるときには、ステップS804においてシフト量Bが設定される。なお、上記シフト量Aおよびシフト量Bは、シフト量A<シフト量Bの関係を有するものである。
・上記各実施の形態では、パージ履歴としてパージ実行回数や累積パージ燃料蒸気量を採用して、上記開閾値および閉閾値のシフト設定を行うか否かを判断することとしたが、上記パージ実行回数や累積パージ燃料蒸気量に代えて、パージ実行時間を採用してもよい。要は、上記キャニスタCAの燃料蒸気の吸着状態を推定することができるのであれば、パージ履歴としては他のものを採用することができる。
・上記各実施の形態では、開閾値に併せて閉閾値も引き上げることとしたが、開閾値のみ引き上げるようにしてもよい。この場合、上記封鎖弁V2が開弁された後、同封鎖弁V2の閉弁時期が上記各実施の形態に比べて遅延するものの、上記キャニスタCAに吸着された燃料蒸気を優先的にパージして上記キャニスタCAに貯留される燃料蒸気の外部への放出を好適に抑えるという効果は十分得られる。
・上記各実施の形態では、給油後に上記開閾値および閉閾値を上方へシフト設定することとしたが、例えば燃料タンク20が高温環境にさらされるなど、上記燃料タンク20内の燃料蒸気が上記キャニスタに多量に吸着されてその燃料蒸気が外部に放出されるおそれがあるときには、給油後に限らず、他の時期において上記開閾値および閉閾値をシフト設定するようにしてもよい。
本発明にかかる密閉タンクシステムの第1の実施の形態についてその全体構成を示す図。 給油制御にかかる処理のフローチャート。 給油実行判定処理のフローチャート。 パージ制御の実行に伴う処理のフローチャート。 封鎖弁開閉閾値設定処理のフローチャート。 (a)は従来の密閉タンクシステムにおける燃料タンク内の圧力の推移を示す図。(b)は従来の密閉タンクシステムにおけるパージ弁の作動状態を示す図。(c)は従来の密閉タンクシステムにおける封鎖弁の作動状態を示す図。 (a)は燃料タンク内の圧力の推移を示す図。(b)はパージ弁の作動状態を示す図。(c)は封鎖弁の作動状態を示す図。 本発明にかかる密閉タンクシステムの第2の実施の形態において実行される給油実行判定処理のフローチャート。 パージ制御の実行に伴う処理のフローチャート。 封鎖弁開閉閾値設定処理のフローチャート。 上記各実施の形態とは別の実施の形態におけるシフト量設定処理のフローチャート。 従来の密閉タンクシステムを搭載するエンジンシステムの図。
符号の説明
10…エンジン、11…スロットル弁、20…燃料タンク、21…給油口、22…リッド、23…リッドオープナモータ、24…リッドカーテシスイッチ、31…圧力センサ、32…燃料センサ、40…フューエルリッドオープナスイッチ、100…電子制御装置、110…電子制御装置、111…給油実行判定部、112…パージ制御部、113…封鎖弁開閉閾値設定部、CA…キャニスタ、P1、P2、P3…配管、V1…パージ弁、V2…封鎖弁。

Claims (12)

  1. 燃料タンクで発生する燃料蒸気を吸着すべく燃料蒸気のパージ経路に設けられたキャニスタと燃料タンクとを繋ぐ配管に開閉可能な封鎖弁を備え、圧力センサを通じて検出される燃料タンク内の圧力に基づきこの封鎖弁の開閉を制御することにより、同燃料タンク内の圧力を所定の圧力範囲に維持する密閉タンクシステムにおいて、
    前記封鎖弁の開弁制御に用いられる前記燃料タンク内の圧力に対する圧力閾値を一時的に上方へシフト設定する閾値設定手段を備える
    ことを特徴とする密閉タンクシステム。
  2. 前記封鎖弁は、前記燃料タンク内の圧力の、「開弁制御用の圧力閾値>閉弁制御用の圧力閾値」なる異なる圧力閾値への到達に基づきその開閉が制御されるものであり、前記閾値設定手段は、前記封鎖弁の開弁制御に用いられる前記圧力閾値の上方へのシフト設定に際し、前記封鎖弁の閉弁制御に用いられる圧力閾値を併せて上方へシフト設定する
    請求項1に記載の密閉タンクシステム。
  3. 前記閾値設定手段は、前記燃料タンクへの給油の直後であることを条件に前記圧力閾値の上方へのシフト設定を実行する
    請求項1または2に記載の密閉タンクシステム。
  4. 前記閾値設定手段は、前記燃料タンクへの給油以降、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ履歴が必要とされる履歴を満たしていないことを条件に前記圧力閾値の上方へのシフト設定を実行する
    請求項1または2に記載の密閉タンクシステム。
  5. 前記パージ履歴がパージ実行回数であり、その必要とされる履歴が前記キャニスタへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とする所定回数のパージが実行されたことである
    請求項4に記載の密閉タンクシステム。
  6. 前記パージ履歴がパージ率に基づき算出される累積パージ燃料蒸気量であり、その必要とされる履歴が、該算出された累積パージ燃料蒸気量が前記キャニスタへの新たな燃料蒸気の吸着を可能とする量に達したことである
    請求項4に記載の密閉タンクシステム。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の密閉タンクシステムにおいて、
    前記閾値設定手段は、前記圧力閾値の上方へのシフト設定の実行後、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ実行時間に応じて、このパージ実行時間が短いほど長くなる傾向にて前記シフト設定した圧力閾値を保持する
    ことを特徴とする密閉タンクシステム。
  8. 前記燃料蒸気のパージ実行期間内に前記封鎖弁が開弁制御されるとき、前記閾値設定手段は、この封鎖弁の開弁時間を除外した時間として前記パージ実行時間を算定する
    請求項7に記載の密閉タンクシステム。
  9. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の密閉タンクシステムにおいて、
    前記閾値設定手段は、前記圧力閾値の上方へのシフト設定の実行後、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ率に基づき算出される累積パージ燃料蒸気量が前記キャニスタの燃料蒸気吸着機能が回復したと判断される所定の量に達するまで前記シフト設定した圧力閾値を保持する
    ことを特徴とする密閉タンクシステム。
  10. 前記閾値設定手段は、前記上方へシフト設定する前記燃料タンク内の圧力に対する圧力閾値のシフト量を前記燃料タンクへの給油前の燃料残量に応じて可変とする
    請求項3〜9のいずれか一項に記載の密閉タンクシステム。
  11. 前記閾値設定手段は、前記燃料タンクへの給油前の燃料残量が少ないほど前記燃料タンク内の圧力に対する前記圧力閾値のシフト量を大きく設定し、同給油前の燃料残量が多いほど前記燃料タンク内の圧力に対する前記圧力閾値のシフト量を小さく設定する
    請求項10に記載の密閉タンクシステム。
  12. 前記封鎖弁は、前記燃料タンク内の圧力が前記開弁制御に用いられる圧力閾値に達すること、及び前記キャニスタに吸着された燃料蒸気のパージ制御が実行中であること、の論理積条件に基づいて開弁される
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の密閉タンクシステム。
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