JP2007063328A - 高減衰ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、ゴム成分と、水酸基を有する石油樹脂とを含む高減衰ゴム組成物であって、該水酸基を有する石油樹脂が、ナフサのC5留分及びC9留分から得られる石油樹脂から選択される1種以上の変性物であること、或いは、石油樹脂にフェノール系水酸基、アルコール性水酸基、或いは、カルボキシ基を導入したものであることが好ましい態様である。
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
<1> ゴム成分と、水酸基を有する石油樹脂とを含有することを特徴とする高減衰ゴム組成物。
<2> 前記水酸基を有する石油樹脂が、ナフサのC5留分及びC9留分から得られる石油樹脂から選択される1種以上の変性物であることを特徴とする<1>に記載の高減衰ゴム組成物。
<3> 水酸基を有する石油樹脂が、石油樹脂にフェノール系水酸基、アルコール性水酸基、或いは、カルボキシ基を導入したものであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の高減衰ゴム組成物。
<4> 水酸基を有する石油樹脂の水酸基価が、2〜400mg(KOH/g)であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の高減衰ゴム組成物。
<5> 水酸基を有する石油系樹脂の重量平均分子量が、300〜4000であることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
<6> 水酸基を有する石油系樹脂が、前記ゴム成分100質量部当たり、2〜60質量部含有されていることを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
以下、本発明のゴム組成物の成分について順次説明する。
(水酸基を有する石油樹脂)
本発明に用いうる特定石油樹脂は、公知の石油樹脂に水酸基を導入したものであり、石油樹脂の側鎖に水酸基を有する官能基を導入する方法、水酸基を有する構造単位を共重合させる方法などにより導入することができる。
また、導入される水酸基としては、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシ基などが挙げられる。
導入される水酸基の量としては、水酸基価(mgKOH/g)として、2〜400であることが好ましく、水酸基価として10〜300であることがより好ましい。石油樹脂中に存在する水酸基の量は、公知の方法により測定することができる。
石油樹脂の含有量、重量平均分子量の測定、および水酸基の検出は、公知の方法により行うことができる。
ゴム成分としては、1種類のゴム成分とすることも可能であるが、複数のゴム成分を組み合わせて用いてもよい。具体的には、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR,EPDM)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。なかでも、加硫ゴムの力学特性の観点から、天然ゴムもしくは、天然ゴムと他のゴムとのブレンドであって天然ゴム(NR)を30質量%以上含むものが好ましい。このようなゴム成分を使用することで、力学特性とヒステリシスロスとを高い次元で両立することができる。
本発明の高減衰ゴム組成物には、上記成分と共に、通常のゴム組成物に配合され使用される配合剤を含有させることができる。例えば、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤としての硫黄、加硫促進剤、加硫促進助剤、各種プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、各種軟化剤や樹脂類、ワックス、老化防止剤、石油炭化水素、ロジン、クレーや炭酸カルシウムなどの各種充填剤等の一般的に配合される各種配合剤を挙げることができる。
使用量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10.0質量部であることが好ましく、1.0〜6.0質量部がより好ましい。
使用量は、ゴム成分100質量部に対して、20〜70質量部であることが好ましく、25〜65質量部であることがより好ましい。カーボンブラックの他に、更にセバシン酸ジオクチル等の可塑剤を加えても良い。
下記表1及び表2に示される成分をバンバリーミキサーにより混練し、高減衰ゴム組成物を製造した。得られた高減衰ゴム組成物をゴム圧延用ロールを用いて2mm厚に圧延し、ゴムシートを製造した。
「ゴム成分」〔天然ゴム:RSS#4〕
「無機充填剤」〔カーボンブラック:旭#80−N(旭カーボン(株)製)〕
「硬化脂肪酸」〔LUNACRA(花王(株)製)〕
「加硫促進剤」〔亜鉛華II:3号亜鉛華(白水化学工業(株)製)〕
「石油炭化水素」〔プロトワックス1(新日本石油(株)製)〕
「老化防止剤」〔老化防止剤6Cと記載。ANTIGENE 6C(住友化学工業(株)製)〕
「ヘビーアロマオイル」〔ダイアナプロセスオイルAH−58(出光興産(株)製)〕
「架橋剤」〔亜鉛華混合硫黄:Z硫黄(鶴見化学(株)製)〕
「促進剤」〔促進剤CZと記載。ノクセラーCZ(大内新興化学工業(株)製)〕
「特定石油樹脂2」〔日石ネオポリマーE−130(新日本石油化学(株)製):軟化点130℃〕
「比較石油樹脂1」〔脂環式炭化水素樹脂 アルコンP90(荒川化学工業(株)製):軟化点90℃〕
「比較石油樹脂2」〔脂肪族炭化水素/芳香族炭化水素共重合体(荒川化学工業(株)製):軟化点130℃〕
「比較石油樹脂3」〔日石ネオポリマーL90(新日本石油化学(株)製):軟化点95℃〕
「比較石油樹脂4」〔日石ネオポリマーL140(新日本石油化学(株)製):軟化点145℃〕
実施例および比較例のゴムシートについて、下記のようにして、硬さ(Hd)、破断伸び(Eb)、引張強度(Tb)、剪断弾性係数(G)および等価減衰係数(Heq)を測定した。なお、剪断弾性係数(G)および等価減衰係数(Heq)は、横ばね測定を行って求めた。結果を下記表2に示す。
[剪断弾性係数の測定サンプルの作製]
ゴムシートを25mm×25mmの方形状に打ち抜いた1枚の方形状ゴムシート20を作製し、これを25mm×60mm×厚み2.3mmの2枚の鉄板22で挟んだ。すなわち、図1(A)に示すように.接着剤を塗布した2枚の鉄板22の間に、ゴムシート20を、断面クランク状となるように挟んだ。このように、鉄板22とこれに接するゴムシート3の面とを接着した状態で加硫を行い、鉄板22とゴムシート面との接着を行った。これにより図1(B)に示す形状のサンプルを得た。
サンプルを、バネ剛性、損失エネルギー測定装置(鷺宮製作所製、型式:EFH−26−8−10)に配置した。上述の2校の鉄板(図2(B))をゴムシートに対して外側および内側に、周波数0.2Hzで下記の一回目、二回目の順で剪断率を変えて剪断力を付与した。同剪断率では各3回剪断力を付与した。
2回目:50%一100%→200%→300%
そして、各剪断率において、1回目の勢断力を加えた時の測定値(3回目)と2回目の勢断力を加えた時の測定値(3回目)を平均し、G及びHEQを算出した。
22・・・鉄板
Claims (6)
- ゴム成分と、水酸基を有する石油樹脂とを含有することを特徴とする高減衰ゴム組成物。
- 前記水酸基を有する石油樹脂が、ナフサのC5留分及びC9留分から得られる石油樹脂から選択される1種以上の変性物であることを特徴とする請求項1に記載の高減衰ゴム組成物。
- 前記水酸基を有する石油樹脂が、石油樹脂にフェノール系水酸基、アルコール性水酸基、或いは、カルボキシ基を導入したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高減衰ゴム組成物。
- 前記水酸基を有する石油樹脂の水酸基価が、2〜400(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高減衰ゴム組成物。
- 前記水酸基を有する石油系樹脂の重量平均分子量が、300〜4000であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
- 前記水酸基を有する石油系樹脂が、前記ゴム成分100質量部当たり、2〜60質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
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