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JP2007057871A - 光学シートおよびディスプレイ用バックライト・ユニット - Google Patents

光学シートおよびディスプレイ用バックライト・ユニット Download PDF

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夏香 堺
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Abstract

【課題】バックライト光源の有効利用,出射面から出射される拡散光の均一化による輝度ムラの低減,光源の形状のシルエットが視覚されてしまう,などの問題を、固有な光学特性を奏する光拡散要素のみを用いることで解消する。
【解決手段】照明光路制御に使用される光学シートを構成する光拡散シートとして、全体として集光作用を伴う光拡散機能を奏するものであり、直下型バックライト光源からの光を、0°(拡散シート主面に垂直な方向)には、輝度が8.5%以上上昇するように透過拡散すると共に、0°(拡散シート主面に垂直な方向)と60°(拡散シート主面に垂直な方向から60°の方向)での輝度の差が、前者が後者よりも35%以上高いものを採用する。
【選択図】図7

Description

本発明は、ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用される光学シートに関し、特に直下型液晶ディスプレイ用バックライト・ユニットの照明光路制御に使用されるのに適した光学シートと拡散シートの組み合わせに関する。
液晶表示装置のように、自発光しない表示装置には照明装置が必要になる。また、表示装置には年々高輝度化、薄型化が求められてきている。そこで、このような自発光しないディスプレイのバックライト・ユニットには照明装置からの光を制御し、正面に光を集めるような光学シートが使われている。現在はこの照明光路制御に使用される光学シートとして、プリズムシートが主に使用されている。
米国3M社の登録商標である輝度強調フィルム(Brightness Enhancement Film:BEF)が、この問題を解決する光学シートとして広く使用されている。
BEFは、図1に示すように、部材70上に、断面三角形状の単位プリズム72が一方向に周期的に配列されたフィルムである。このプリズム72は光の波長に比較して大きい。BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
ディスプレイの使用時(観察時)に、BEFは、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向(図1中に示す方向F)側である。
プリズム72の反復的アレイ構造が1方向のみの並列では、その並列方向での方向転換またはリサイクルのみが可能であり、水平および垂直方向での表示光の輝度制御を行なうために、プリズム群の並列方向が互いに略直交するように、2枚のシートを重ねて組み合わせて用いられる。
BEFの採用により、ディスプレイ設計者が電力消費を低減しながら所望の軸上輝度を達成することができるようになった。BEFに代表されるプリズム72の反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイに採用する旨が開示されている特許文献は、例えば特許文献1乃至3のように多数ある。
特公平1-37801号公報 特開平6-102506号公報 特表平10-506500号公報 特開2000−284268号公報
上記のようなBEFを輝度制御部材として用いた光学シートでは、図2に示すように、屈折作用Xによって、光源20からの光Pが、最終的には、制御された角度φで出射されることによって、視聴者の視覚方向Fの光の強度を高めるように制御することができる。
しかしながら、同時に反射/屈折作用Yによる光成分が、視聴者の視覚方向Fに進むことなく横方向に無駄に出射されてしまう。
従って、図3に示すようなBEFを用いた光学シートから出射される光強度分布は、図2に示すように、視聴者の視覚方向F、すなわち視覚方向Fに対する角度が0°における光強度が最も高められるものの、図中横軸に示す±90°近辺の小さな光強度ピークとして示されるように、横方向から無駄に出射される光も増えてしまうという問題がある。
以上の事情に鑑み、本出願人は、BEFに代表されるプリズムシートの代替製品として、特許文献4に例示される光学シートを提案している。
上記公報による光学シートは、
照明光源からの光の入射面側が略平坦であり、非入射面側である出射面側に形成された単位レンズ群からなるレンズ部を有するレンズシートを用いたディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御のための光学シートにおいて、
前記レンズシートは、出射面側のレンズ部に対応した開口部を有する光反射層を備えている構成である。(図4参照)
図4では、レンズシート15の入射面側に形成された開口部を通ることができなかった光は、光反射層18で反射され、導光板79側に戻される。そして、導光板との界面あるいは導光板内での反射を繰り返した後、いずれは開口部を通ってレンズシート15に再度入射し、出射角度を所定角度内に制御された後に出射される。
図4は、レンズシート15を、導光板79を有するエッジライト式のバックライトユニットに対して光路制御部材として使用するタイプを説明する図面であるが、バックライトユニットには、別タイプとして、照明光源が画像表示素子である液晶パネル12に直接面して照明する、所謂「直下型バックライト」もある。(図5参照)
直下型のバックライトユニット30では、出射面から均一に拡散光を出射させるために、2枚の拡散板25,26が用いられている。
1枚の拡散板のみでは、出射面から出射される拡散光を十分に均一にすることができず、液晶画面からは明るさにムラのある画像が表示されてしまうからである。
従って、1枚の拡散板しか用いていない時は、場合によっては、光源の形状のシルエットが液晶画面に映ってしまうこともありえる。
例えば、光源として線状光源を用いている場合には、液晶画面上に、線状の明るい部分が見えてしまうこともありうる。
しかしながら、このような明るさのムラをなくすために複数の拡散板を用いると、部材数が多くなり、構成が複雑になるのみならず、厚みも増してしまい、コスト削減及び小型化の阻害となるという問題がある。
このため、図6に示すように、1枚のみの拡散板26を用いる一方、2枚目の拡散板の拡散作用を補償するために、2枚目の拡散板の代わりに拡散フィルム32とプリズムシート34とを用いた構成のバックライトユニットも考えられている。
図6に示す光拡散要素の構成(拡散板26と拡散フィルム32の組合わせ)は、光路制御部材が上述のBEFに代表されるプリズムシート(内部での全反射作用を用いる)の場合に有効であり、製品への採用例も多く見られている。
上記の光拡散要素の構成は、普及が著しいBEFに代表されるプリズムシートとの併用を前提として、それに好適となる様に光学設計を合わせた仕様のものが多い。
本発明では、光路制御部材として、BEFに代表されるプリズムシートとは異なる構成(および、原理)を利用している特許文献4に例示される光学シートを用いた場合の直下型のバックライトユニットにおいて、バックライト光源の有効利用,出射面から出射される拡散光の均一化による輝度ムラの低減,光源の形状のシルエットが視覚されてしまう,などの問題を、固有な光学特性を奏する光拡散要素のみを用いることで解消することを主目的とする。
本発明者らによる検討の結果、光拡散層には、特定範囲内に集光作用を伴いながら同時に拡散作用を奏する特性が、上記課題を解決する上で有効であることが、実験的に確認された。
すなわち、光拡散層を透過した光は、全体として凸レンズを通過した光のように、特定の焦点に集光する成分を中心として拡散するように機能することが好ましい。
LCDの表示光路を制御する本発明の用途では、表示画面の正面方向(すなわち、液晶パネルや光拡散層の主面に垂直な正面方向)に前記焦点が存在することが好適であることが確認された。
当然、バックライト光源からの光量は有限であるため、正面方向の輝度が高いと、それ以外の周辺方向での輝度は低下することになるが、汎用的なLCDの使用形態(観察状態)での視覚特性の評価を優先した場合、トレードオフの関係にある「正面輝度/周辺輝度」のバランスを決定する上では、後者をある程度犠牲にしても、上記課題の解決にあたっては支障が少ないとの結果が得られている。
本発明による光学シートは、
直下型バックライト光源からの光を入射面から取り込み、拡散させることによって、この取り込んだ光を拡散光として非入射面である出射面から出射させる拡散シートと、
片面に、半円柱状凸シリンドリカルレンズからなる単位レンズが並列されてなるレンズ部を有しており、反レンズ部側の平坦面には、バックライト光源側に面して光反射性が高く、単位レンズそれぞれに1:1で対応した開口部を有するストライプ状の光反射層を有するレンズシート、
とが積層してなる構成のディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用される光学シートにおいて、
前記拡散シートは、全体として集光作用を伴う光拡散機能を奏するものであり、
直下型バックライト光源からの光を、0°(拡散シート主面に垂直な方向)には、輝度が8.5%以上上昇するように透過拡散すると共に、
0°(拡散シート主面に垂直な方向)と60°(拡散シート主面に垂直な方向から60°の方向)での輝度の差が、前者が後者よりも35%以上高いものであることを特徴とする。
直下型バックライト・ユニットを備える液晶表示装置(LCD)に代表されるディスプレイとしては、表示画面の正面方向に高い輝度での表示光を、バックライト光源の有効利用,出射面から出射される拡散光の均一化による輝度ムラの低減,光源の形状のシルエットが視覚されてしまう,などの問題が解消して出射することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態に係る光学シートの要部を示す断面図である。
同図では、レンズシート5と拡散シート52は離間して図示されているが、両者を組み合わせてなる光学シートの形態では、両者は積層され接触している。
使用形態によっては、単に密着するだけでなく、粘着剤や接着剤を介して積層一体化される場合もあり、何れの場合も本実施形態を逸脱しない範囲内の改良である。
本実施形態に係るレンズシート5は、基材シート2上の照明光の入射側(同図で下側)に光反射層3,他面の出射側(同図で上側)にレンズ部1を配置してなる構成である。
基材シート2の素材としては、当該技術分野で良く知られているPET(ポリエチレンテレフタラート),アクリルシート等が用いられる。
レンズ部1を構成する素材としては、当該技術分野で良く知られているアクリル樹脂などが用いられる。
光反射層3を構成する素材としては、白色顔料,金属蒸着層を用い、高反射率で光吸収の少ないものを選択することが好ましい。
白色顔料としては、当該技術分野で良く知られている二酸化チタン,硫酸バリウム,酸化マグネシウム、金属蒸着層としては銀などが用いられる。
光反射層3の形成方法の一例として、UV(紫外線)硬化型粘着材を使用した転写法を採用しても良い。
上記方法は、予め、レンズ部と反対側の基材シート2表面にUV硬化型粘着材層を形成しておき、レンズ部側からUVを照射し、レンズ部の集光機能に応じてUVが当たった部分の前記粘着材層が変性(硬化して粘着性が消失)し、平坦面上で粘着性を有する部分と粘着性の無い部分とが領域分けされることを利用して、粘着性を有する部分(すなわち、レンズ部による非集光部分)に、光反射層を選択的に転写形成する手法である。
上記方法を含めて、レンズシートの集光機能を利用して、反レンズ部側に選択的に開口部/非開口部を形成する手法は、「セルフアライメント法」として周知である。
セルフアライメント法の採用により、容易に単位レンズと光反射層を1:1に対応させて配置することができる。
また、その実施に用いる材料としては、上記に限らず、UV硬化型粘着材に代えて湿式現像処理を要する感光材料を用いたり、転写に代えて光反射性インキを塗布形成するなど、多様な変更が可能である。
また、光反射層3の保護のため、PETやPC(ポリカーボネート)やアクリル樹脂、またはこれらの樹脂に拡散剤を添加したシートなどを光反射層の照明側に貼合した構成も、本発明の光学シートを構成するレンズシートの主旨を逸脱しない範囲に属する細部の改良にあたるものとする。
一方、光拡散シート52としては、当該技術分野で良く知られているPET(ポリエチレンテレフタラート)やPC(ポリカーボネート)基材に、当該技術分野で良く知られている光拡散機能を持つ粒子を分散混合してなるインキを塗布形成したり、または、基材中に前記粒子を練り込んだものが用いられる。
本発明では、光拡散シート12に要求される特性として、0°(拡散シート主面に垂直な方向)には、輝度が8.5%以上上昇するように透過拡散すると共に、0°(拡散シート主面に垂直な方向)と60°(拡散シート主面に垂直な方向から60°の方向)での輝度の差では、前者が後者よりも35%以上高くなる特性が必須である。
図8は、本実施形態に係る光学シートを、直下型光源と組み合わせ、液晶表示素子からなる画像表示素子の照明用バックライト・ユニットに適用したディスプレイの要部を概略的に示す断面図である。
光拡散シート52の光源側からの光というのは、他の光拡散シート53(厚さ数mmの板が用いられることが多い)を透過した光を指し、光拡散シート52の光源側からの光を視野角0°の輝度での上昇率が8.5%以上というのは、光源20から出て光反射シート54で反射され、光拡散シート53,52を抜けた光と、光源20から出て光反射シート54で反射され、光拡散シート53を抜けた光とを比較した場合、前者の光の方が後者よりも視野角0°における輝度が8.5%高いということを指す。
また、視野角0°の輝度と視野角60°の輝度の差が35%以上ということは、光源20から出て光反射シート54で反射され、光拡散シート53,52を抜けた光の視野角0°の輝度と視野角60°の輝度の差が35%以上ということを指す。
レンズシート5を、図8に示すようにバックライト・ユニットに組み込み、光拡散シート52の光学性能を様々に変えて、光源20から出て光反射シート54で反射され、光拡散シート53,52およびレンズシート5,偏光分離シート10を抜けた光の視野角0°における輝度を比較した結果を、図9の表に示す。
本発明の実施形態に相当する、光拡散シート52の光学性能がA,B,Cの場合には、レンズシート5と組み合わせた光学シートをバックライト・ユニットに搭載することにより、光拡散シート52がない場合に比べて、0°(正面)における輝度上昇が確認され、ディスプレイを正面(表示画面に垂直な方向)から視覚する際の表示が明るくなる。
一方、本発明の実施形態に相当しない、光拡散シート52の光学性能がD,Eの場合には、光拡散シート52がない場合に比べて、0°(正面)における輝度低下が確認され、ディスプレイを正面(表示画面に垂直な方向)から視覚する際の表示が暗くなる。
以上、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されるものではない。
特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
BEF(従来技術)の斜視図。 BEFの出射光の制御された角度φの説明図。 BEFの出射光の光強度分布の説明図。 BEFに代表されるプリズムシートの代替製品として提案されている従来技術に係る光学シートの一例を示す説明図。 直下型バックライトを示す説明図。 プリズムシートを用いた直下型バックライトユニットの一例(従来技術)を示す説明図。 本発明の実施形態に係る光学シートの要部を示す断面図。 図1の光学シートを、直下型光源と組み合わせ、液晶表示素子からなる画像表示素子の照明用バックライト・ユニットに適用したディスプレイの要部を概略的に示す断面図光学シートの作用を示す側面図。 各種サンプルの光拡散シートを用いた光反射シートについて、光学特性を比較して示す表。
符号の説明
1 レンズ部
2 基材シート
3 光反射層
4 開口部
5 レンズシート
6 照明装置からの入射光で、光学シートの開口部を通過した光
7 照明装置からの入射光で、光学シートの光反射層で反射した光
8 UV硬化型粘着材
9 保護層
10 偏光分離シート
12 液晶パネル
15 レンズシート
18 光反射層
20 光源
25,26 拡散板
30 直下型バックライトユニット
32 光拡散フィルム
34 プリズムシート
52,53 光拡散シート
54 光反射シート
70 部材
72 プリズム
79 導光板

Claims (4)

  1. 直下型バックライト光源からの光を入射面から取り込み、拡散させることによって、この取り込んだ光を拡散光として非入射面である出射面から出射させる拡散シートと、
    片面に、半円柱状凸シリンドリカルレンズからなる単位レンズが並列されてなるレンズ部を有しており、反レンズ部側の平坦面には、バックライト光源側に面して光反射性が高く、単位レンズそれぞれに1:1で対応した開口部を有するストライプ状の光反射層を有するレンズシート、
    とが積層してなる構成のディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用される光学シートにおいて、
    前記拡散シートは、全体として集光作用を伴う光拡散機能を奏するものであり、
    直下型バックライト光源からの光を、0°(拡散シート主面に垂直な方向)には、輝度が8.5%以上上昇するように透過拡散すると共に、
    0°(拡散シート主面に垂直な方向)と60°(拡散シート主面に垂直な方向から60°の方向)での輝度の差が、前者が後者よりも35%以上高いものであることを特徴とする光学シート。
  2. 前記拡散シートは、透光性基材フィルムもしくはシートの表面に、拡散剤を分散混合してなる透光性樹脂からなるインキを塗布してなることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
  3. 表示画像を規定する画像表示素子の背面に、
    直下型光源と、請求項1記載の光学シートを少なくとも備えることを特徴とするディスプレイ用バックライト・ユニット。
  4. 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、
    冷陰極線管あるいはLEDによる光源と、
    請求項3記載のバックライト・ユニットを備えることを特徴とするディスプレイ。
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