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JP2007056702A - 内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置 - Google Patents

内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置 Download PDF

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JP2007056702A JP2005240213A JP2005240213A JP2007056702A JP 2007056702 A JP2007056702 A JP 2007056702A JP 2005240213 A JP2005240213 A JP 2005240213A JP 2005240213 A JP2005240213 A JP 2005240213A JP 2007056702 A JP2007056702 A JP 2007056702A
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Abstract

【課題】 燃料噴射手段に異常を発生させることなく、内燃機関の運転中に、デリバリパイプから燃料タンクへ燃料を戻すリリーフバルブの異常を的確に判定する。
【解決手段】 エンジンECUは、エンジン冷却水温THWを検知するステップ(S100)と、THWがしきい値T(0)より低く(S110にてYES)かつアイドル運転状態であると(S120にてYES)、筒内噴射用インジェクタの噴孔温度TINJを検知するステップ(S130)と、TINJがしきい値T(1)より低いと(S140にてYES)、筒内噴射用インジェクタからの燃料噴射を停止し(S150)、高圧燃料ポンプの作動を停止させ(S160)、電磁リリーフバルブに開指令信号を出力して(S170)予め定められた時間が経過すると(S180にてYES)、高圧デリバリパイプの燃圧Prを検知して(S190)、Prがしきい値Pr(0)以上であると(S200にてNO)、電磁リリーフバルブが異常であると判定するステップ(S220)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、筒内に向けて高圧で燃料を噴射する燃料噴射手段(筒内噴射用インジェクタ)を備えた内燃機関またはこの燃料噴射手段に加えて吸気通路または吸気ポート内に向けて燃料を噴射する燃料噴射手段(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備えた内燃機関の高圧燃料供給装置に関し、特に、内燃機関の高圧燃料供給装置に設けられた電磁リリーフバルブの異常判定装置に関する。
一般に、自動車用エンジンにおいては、燃料タンクから燃料ポンプおよび燃料配管を介してエンジン(内燃機関)に燃料を供給し、インジェクタを介してエンジンに燃料を噴射している。
ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射弁(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備え、エンジンの回転数や内燃機関の負荷に応じて、筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとで燃料を噴き分けるエンジンが公知である。また、ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)のみを備える直墳エンジンも公知である。筒内噴射用インジェクタを含む高圧燃料系統においては、高圧燃料ポンプで圧力が高められた燃料が高圧デリバリパイプを介して筒内噴射用インジェクタに供給され、筒内噴射用インジェクタは、内燃機関の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射する。
このようなエンジンにおいて、エンジン始動時に高温再始動性を向上させるために、燃料配管内の燃料にベーパが発生するのを防止する必要がある。したがって、従来のエンジンの燃料噴射制御装置においては、燃料ポンプの吐出口側に逆止弁を設け、エンジン停止中も高圧デリバリパイプ内の燃料残圧を低下させずに、高い燃料圧力を保持するように構成されている。
しかしながら、エンジン停止中において、高圧デリバリパイプ内の燃料圧力を高圧に保持し続けると、インジェクタから燃料が吸気管内へ漏れ出るおそれがある。エンジン停止中においても高圧で保持された燃圧は、約60分で大気圧相当値(=0.1[MPa])まで低下するが、その間のガソリン漏れ量は、燃料配管1本当たりで約20mccにも達する。
このような燃料漏れは、次回のエンジン始動時において排出ガス中の未燃HCを増加させる原因となる。始動時におけるHC排出量は、1秒程度の時間内で非常に多くなることがある。また、インジェクタからの燃料漏れ量は、管理不能なので、エンジン始動時における排ガス成分がばらつく要因となる。
さらに、吸気管に漏れ出た燃料は、自動車からの燃料蒸散ガスを増加させることにもなる。このような状態は、近年ますます厳しくなりつつある排ガス規制に対して、許容できないレベルとなってきている。
このような状況のもとでは、エンジン停止時には、高圧デリバリパイプ内の燃料を、燃料タンクに戻して、高圧デリバリパイプ内の燃料残圧を速やかに低下させて、高い燃料圧力を保持しないように構成される。このために、高圧デリバリパイプに燃料バイパスバルブ(リリーフバルブ)が設けられている。なお、以下に示す特許文献を含め、吸気通路噴射用インジェクタのみを有するエンジンにも排気エミッションの悪化を防止するために、デリバリパイプに燃料バイパスバルブ(リリーフバルブ)が設けられる。
特開平5−280404号公報(特許文献1)は、ダイレクト噴射とマニホールド噴射とを実行するエンジンの燃料噴射装置を開示する。このエンジンの燃料噴射装置において、分岐燃料供給通路には、タイミングベルトを介してエンジンの出力軸によって駆動される燃料ポンプが配設されている。この燃料ポンプの下流側には、燃料を分岐燃料供給通路へリリーフさせるリリーフ通路と、制御回路からの制御信号に応じて燃料ポンプから吐き出された燃料をリリーフ通路へ送るリリーフバルブとが配設されている。なお、ダイレクト噴射弁には、作動室内へ噴射されない燃料を燃料タンクへ戻す燃料戻り通路が接続されている。
特開平5−280404号公報
しかしながら、上述した特許文献1においては、リリーフバルブの異常判定について言及されていない。リリーフバルブは、高圧燃料系(特許文献1のダイレクト噴射系)が作動しているとき(燃料を噴射しているとき)には閉じられていなければならない。このため、高圧燃料系が作動しているときにリリーフバルブが異常判定はできない。一方、高圧燃料系の動作を適当に停止させて、リリーフバルブに開信号を送信して、リリーフ通路へ高圧燃料が送られることを確認することによりリリーフバルブが異常判定すると、筒内噴射用インジェクタ(特許文献1の第1の燃料噴射弁)からの燃料噴射が停止して、筒内噴射用インジェクタの先端部が高温になり、噴孔にデポジットが堆積するという問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、燃料噴射手段に異常を発生させることなく、内燃機関の運転中に、デリバリパイプから燃料タンクへ燃料を戻すリリーフバルブの異常を的確に判定することができる、内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置を提供することである。
第1の発明に係る異常判定装置は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段とを備えた内燃機関の高圧燃料供給装置の異常を判定する。この内燃機関においては、内燃機関に要求される条件に基づいて、第1の燃料噴射手段と第2の燃料噴射手段とで分担して燃料を噴射するように制御される。高圧燃料供給装置は、燃料タンクから供給された燃料を第1の燃料噴射手段に供給するデリバリパイプと、デリバリパイプと燃料タンクとを連通状態/非連通状態に切換えるリリーフバルブとを含む。異常判定装置は、リリーフバルブを制御するための制御手段と、リリーフバルブの異常を判定するための判定手段とを含む。判定手段は、内燃機関について予め定められた条件が満足されると第1の燃料噴射手段を非作動状態として、連通状態になるようにリリーフバルブを制御した後に、デリバリパイプの燃料の圧力を検知するための手段と、検知された燃料の圧力に基づいて、リリーフバルブの異常を判定するための手段とを含む。
第1の発明によると、たとえば第1の燃料噴射手段の噴孔にデポジットが堆積しないという条件が満足され、第2の燃料噴射手段のみでも良好な燃焼状態を維持できるという条件が満足されると、第1の燃料噴射手段からの燃料噴射を停止させて第2の燃料噴射手段のみで燃料を噴射して、リリーフバルブを開く。このときに、デリバリパイプ内の燃料の圧力が低下しなければ、電磁リリーフバルブが異常であると判定することができる。その結果、燃料噴射手段に異常を発生させることなく、内燃機関の運転中に、デリバリパイプから燃料タンクへ燃料を戻すリリーフバルブの異常を的確に判定することができる、内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置を提供することができる。
第2の発明に係る異常判定装置においては、第1の発明の構成に加えて、内燃機関について予め定められた条件は、第1の燃料噴射手段の温度が予め定められた温度以下であるという条件である。
第2の発明によると、第1の燃料噴射手段の温度が予め定められた温度以下であると、噴孔にデポジットが堆積しない。このため、第1の燃料噴射手段を故障させることなく、内燃機関の運転中に、デリバリパイプから燃料タンクへ燃料を戻すリリーフバルブの異常を的確に判定することができる。
第3の発明に係る異常判定装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、内燃機関について予め定められた条件は、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態であるという条件である。
第3の発明によると、アイドル運転状態(軽負荷)であると内燃機関の温度が低く第1の燃料噴射手段の温度が予め定められた温度以下であって、噴孔にデポジットが堆積しない。また、アイドル運転状態(軽負荷)であると、第2の燃料噴射手段のみから燃料を噴射しても良好な燃焼状態を維持できる。さらに、第2の燃料噴射手段のみから燃料を噴射しても必要な駆動力(軽負荷に対する駆動力)を出力できる。このため、内燃機関の運転状態を維持して、第1の燃料噴射手段を故障させることなく、内燃機関の運転中に、デリバリパイプから燃料タンクへ燃料を戻すリリーフバルブの異常を的確に判定することができる。
第4の発明に係る異常判定装置においては、第1〜3の発明の構成に加えて、判定手段は、検知された燃料の圧力が予め定められた圧力以上であると、リリーフバルブが異常であると判定するための手段を含む。
第4の発明によると、第1の燃料噴射手段による燃料の噴射を停止させて、リリーフバルブを開いても、デリバリパイプ内の燃料の圧力が予め定められた圧力以上であると、リリーフバルブが開かない異常であると判定できる。
第5の発明に係る異常判定装置においては、第1〜4の発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の運転時においては非連通状態にするように、内燃機関の停止時においては連通状態にするように、リリーフバルブを制御するための手段を含む。
第5の発明によると、内燃機関の停止時においては、デリバリパイプと燃料タンクとを連通状態としてデリバリパイプ内の燃料の圧力を十分に低下させる。このため、第1の燃料噴射手段からの燃料漏れおよびその燃料漏れに起因する諸問題を回避できる。
第6の発明に係る異常判定装置においては、第1〜5の発明の構成に加えて、第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである。
第6の発明によると、第1の燃料噴射手段である筒内噴射用インジェクタと第2の燃料噴射手段である吸気通路噴射用インジェクタとを別個に設けて噴射燃料を分担する内燃機関において、筒内噴射用インジェクタに異常を発生させることなく、デリバリパイプから燃料タンクへ燃料を戻すリリーフバルブの異常を的確に判定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本発明の実施の形態に係るエンジンの燃料供給システム10を示す。このエンジンは、V型8気筒のガソリンエンジンであって、各気筒の筒内に燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタ110と、各気筒の吸気通路に燃料を噴射する吸気通路噴射用インジェクタ120とを有する。なお、本発明はこのようなエンジンに限定されて適用されるものではなく、V型6気筒、直列4気筒、直列6気筒などの形式のエンジンであってもよい。さらに、高圧燃料ポンプは2台に限定されない。
図1に示すように、この燃料供給システム10は、燃料タンクに設けられ、低圧(プレッシャーレギュレータ圧力である400kPa程度)の吐出圧で燃料を供給するフィードポンプ100と、第1のカム210により駆動される第1の高圧燃料ポンプ200と、第1のカム210とは吐出の位相が異なる第2のカム310により駆動される第2の高圧燃料ポンプ300と、筒内噴射用インジェクタ110に高圧燃料を供給するための左右のバンク毎に設けられた高圧デリバリパイプ112と、高圧デリバリパイプ112に設けられた左右のバンク各4個ずつの筒内噴射用インジェクタ110と、吸気通路噴射用インジェクタ120に燃料を供給するための左右のバンク毎に設けられた低圧デリバリパイプ122と、低圧デリバリパイプ122に設けられた左右のバンク各4個ずつの吸気通路噴射用インジェクタ120とを含む。
燃料タンクのフィードポンプ100の吐出口は、低圧供給パイプ400に接続され、低圧供給パイプ400は、第1の低圧デリバリ連通パイプ410とポンプ供給パイプ420とに分岐する。第1の低圧デリバリ連通パイプ410は、V型バンクの片方のバンクの低圧デリバリパイプ122との分岐点より下流側で、第2の低圧デリバリ連通パイプ430となり、もう片方のバンクの低圧デリバリパイプ122に接続されている。
ポンプ供給パイプ420は、第1の高圧燃料ポンプ200および第2の高圧燃料ポンプ300の入り口にそれぞれ接続される。第1の高圧燃料ポンプ200の入り口の手前には、第1のパルセーションダンパー220が、第2の高圧燃料ポンプ300の入り口の手前には、第2のパルセーションダンパー320が、それぞれ設けられ、燃料脈動の低減を図っている。
第1の高圧燃料ポンプ200の吐出口は、第1の高圧デリバリ連通パイプ500に接続され、第1の高圧デリバリ連通パイプ500は、V型バンクの片方のバンクの高圧デリバリパイプ112に接続される。第2の高圧燃料ポンプ300の吐出口は、第2の高圧デリバリ連通パイプ510に接続され、第2の高圧デリバリ連通パイプ510は、V型バンクのもう片方のバンクの高圧デリバリパイプ112に接続される。V型バンクの片方のバンクの高圧デリバリパイプ112ともう片方のバンクの高圧デリバリパイプ112とは、高圧連通パイプ520により接続される。
高圧デリバリパイプ112に設けられた電磁リリーフバルブ114は、高圧デリバリリターンパイプ610を介して高圧燃料ポンプリターンパイプ600に接続される。高圧燃料ポンプ200および高圧燃料ポンプ300のリターン口は、高圧燃料ポンプリターンパイプ600に接続される。高圧燃料ポンプリターンパイプ600は、リターンパイプ620およびリターンパイプ630に接続され、燃料タンクに接続される。
図2に、図1の第1の高圧燃料ポンプ200付近の拡大図を示す。第2の高圧燃料ポンプ300も同様であるがカムの位相が異なり吐出タイミングの位相をずらして脈動の発生を抑制している。また、第1の高圧燃料ポンプ200と第2の高圧燃料ポンプ300の特性は、同じでも異なってもよい。
高圧燃料ポンプ200は、カム210で駆動され上下に摺動するポンププランジャー206と、電磁スピル弁202とリーク機能付きチェックバルブ204とを主な構成部品としている。
カム210によりポンププランジャー206が下方向に移動しているときであって電磁スピル弁202が開いているときに燃料が導入され(吸い込まれ)、カム210によりポンププランジャー206が上方向に移動しているときに電磁スピル弁202を閉じるタイミングを変更して、高圧燃料ポンプ200から吐出される燃料量を制御する。ポンププランジャー206が上方向に移動している加圧行程中における電磁スピル弁202を閉じる時期が早いほど多くの燃料が吐出され、遅いほど少ない燃料が吐出される。この最も多く吐出される場合の電磁スピル弁202の駆動デューティを100%とし、この最も少なく吐出される場合の電磁スピル弁202の駆動デューティを0%としている。電磁スピル弁202の駆動デューティが0%の場合には、電磁スピル弁202は閉じることなく開いたままの状態になり、第1のカム210が回転している限り(エンジンが回転している限り)ポンププランジャー206は上下方向に摺動するが、電磁スピル弁202が閉じないので、燃料は加圧されない。
加圧された燃料は、リーク機能付きチェックバルブ204(設定圧60kPa程度)を押し開けて第1の高圧デリバリ連通パイプ500を介して高圧デリバリパイプ112へ圧送される。このとき、高圧デリバリパイプ112に設けられた燃圧センサにより燃圧がフィードバック制御される。また、前述の通り、V型の一方のバンクの高圧デリバリパイプ112と他方のバンクの高圧デリバリパイプ112とは、高圧連通パイプ520により連通している。
本実施の形態に係る高圧燃料供給装置においては、エンジンの停止時には、高圧デリバリパイプ112に設けられた電磁リリーフバルブ114をエンジンECU(Electronic Control Unit)により開状態にして高圧デリバリパイプ112と燃料タンクとを連通状態にして燃圧を下げて筒内噴射用インジェクタ110からの燃料漏れを回避する。エンジンECUが、電磁リリーフバルブ114に開指令信号を与えても、電磁リリーフバルブ114の弁体が固着したり、電磁リリーフバルブ114とエンジンECUとの間の信号線が断線したり短絡したりしていると、電磁リリーフバルブ114が開かない。このような異常を検知しないまま運転を継続すると、エンジンの停止時において高圧デリバリパイプ112内に高圧の燃料が滞留したままとなり、筒内噴射用インジェクタから燃料が吸気管内へ漏れ出るおそれがある。このような燃料漏れは、次回のエンジン始動時において排出ガス中の未燃HCを増加させる原因となる。始動時におけるHC排出量は、1秒程度の時間内で非常に多くなることがある。また、インジェクタからの燃料漏れ量は、管理不能なので、エンジン始動時における排ガス成分がばらつく要因となる。そのため、本実施の形態に係る高圧燃料供給装置においては、エンジンECUにより実行されるプログラムにより実現される異常判定装置を備える。
図3を参照して、本実施の形態に係る高圧燃料供給装置を制御するエンジンECUにより実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、電磁リリーフバルブ114の異常判定処理のみを表わしている。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、エンジンECUは、エンジン冷却水温THWを検知する。S110にて、エンジンECUは、検知したエンジン冷却水温THWがしきい値T(0)よりも低いか否かを判断する。エンジン冷却水温THWがしきい値T(0)よりも低いと(S110にてYES)、処理はS250へ移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS120へ移される。
S120にて、エンジンECUは、エンジンの運転状態がアイドル運転状態であるか否かを判断する。エンジンの運転状態がアイドル運転状態であると(S120にてYES)、処理はS130へ移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS250へ移される。
S130にて、エンジンECUは、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔温度TINJを検知する。なお、このとき、噴孔温度TINJはセンサで直接検知されるのではなく、各種状態量から推定されることもある。S140にて、エンジンECUは、検知した筒内噴射用インジェクタの噴孔温度TINJがしきい値T(1)よりも低いか否かを判断する。筒内噴射用インジェクタの噴孔温度TINJがしきい値T(1)よりも低いと(S140にてYES)、処理はS150へ移される。もしそうでないと(S150にてNO)、処理はS230へ移される。
S150にて、エンジンECUは、筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率であるDI比率rに0を代入して、吸気通路噴射用インジェクタ120のみから燃料を噴射して、筒内噴射用インジェクタ110の作動を停止(燃料の噴射を停止)する。S160にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプ200および高圧燃料ポンプ300へ停止指令信号を出力する。このとき、上述したデューティが0とした信号が出力される。
S170にて、エンジンECUは、電磁リリーフバルブ114に開指令信号を出力する。S180にて、エンジンECUは、電磁リリーフバルブ114に開指令信号を出力してから予め定められた時間が経過したか否かを判断する。高圧デリバリパイプ内の112内の燃料が抜けるのに、ある程度の時間がかかるため、電磁リリーフバルブ114に開指令信号を出力してから予め定められた時間の経過後に高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力を検知するようにするためである。電磁リリーフバルブ114に開指令信号を出力してから予め定められた時間が経過すると(S180にてYES)、処理はS190へ移される。もしそうでないと(S180にてNO)、処理はS180へ戻され、電磁リリーフバルブ114に開指令信号を出力してから予め定められた時間が経過するまで待つ。
S190にて、エンジンECUは、高圧デリバリパイプ112内の燃料の圧力である燃圧Prを検知する。このとき、高圧デリバリパイプ112に設けられた燃圧センサからエンジンECUに入力された信号に基づいて燃圧Prが検知される。S200にて、エンジンECUは、検知された燃圧Prが燃圧Prに対して予め定められたしきい値であるPr(0)よりも低いか否かを判断する。燃圧Prがしきい値Pr(0)よりも低いと(S20にてYES)、処理はS210へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS220へ移される。
S210にて、エンジンECUは、電磁リリーフバルブ114が正常であると判定する。S220にて、エンジンECUは、電磁リリーフバルブ114が異常であると判定する。このとき、異常処理が実行される。この異常処理は、たとえば電磁リリーフバルブ114が異常であることを示すダイアグをメモリに記憶する。このS210およびS220の処理の後、この処理は終了する。
S230にて、エンジンECUは、筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率であるDI比率rに1を代入して、筒内噴射用インジェクタ110のみから燃料を噴射する。S240にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプ200および高圧燃料ポンプ300へ作動指令信号を出力する。このとき、上述したデューティが0ではない信号が出力される。その後、この処理は終了する。
S250にて、エンジンECUは、筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率であるDI比率rに、後述する図4〜図7に示すマップを用いて算出された値を代入して、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120から燃料を噴射する。S260にて、エンジンECUは、高圧燃料ポンプ200および高圧燃料ポンプ300へ作動指令信号を出力する。このとき、上述したデューティが0ではない信号が出力される。その後、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る高圧燃料供給装置の動作について説明する。
筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120を有するエンジンを搭載した車両が走行しているときには電磁リリーフバルブ114が閉状態で高圧燃料ポンプ200および高圧燃料ポンプ300から高圧デリバリパイプ112に高圧の燃料が供給され筒内噴射用インジェクタ110から燃焼室に直接燃料が噴射される。また、エンジンの回転数や負荷によっては、筒内噴射用インジェクタ110からのみ燃料が噴射されたり、吸気通路噴射用インジェクタ120からのみ燃料が噴射されたり、これら双方のインジェクタから燃料が噴射されたりする(後述する図4〜図7参照)。
車両が停止してイグニッションスイッチがオフにされると、電磁リリーフバルブ114を開くような開信号が送信される。これにより電磁リリーフバルブ114が閉状態から開状態に変更される。電磁リリーフバルブ114は高圧デリバリパイプ112と燃料タンクとを連通させるため、高圧デリバリパイプ112内の燃圧が大きく低下する。これにより、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料漏れを回避でき、燃料漏れに起因する諸問題を解決できる。そのため、この高圧燃料供給装置においては、特定の条件が満足されるエンジンの運転時において、電磁リリーフバルブ114の異常判定を実行する。
エンジン冷却水温THWがしきい値T(0)よりも低く(S110にてNO)、エンジンの運転状態がアイドル運転状態であると(S120にてYES)、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔温度TINJが検知される(S130)。
筒内噴射用インジェクタ110の噴孔温度TINJがしきい値T(1)よりも低いと(S140にてYES)、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射が停止され(S150)、高圧燃料ポンプ200,300も停止される(S160)。電磁リリーフバルブ114が開くように指令信号が出力され(S170)、この指令信号の出力後予め定められた時間が経過すると(S180にてYES)、高圧デリバリパイプ112内の燃料の圧力である燃圧Prが検知される(S190)。
検知された燃圧Prが燃圧しきい値Pr(0)よりも低くなるほどに低下していると(S200にてYES)、電磁リリーフバルブ114が正常であると判定される(S210)。ところが、検知された燃圧Prが燃圧しきい値Pr(0)以上に維持されていると(S200にてNO)、電磁リリーフバルブ114が異常であると判定される(S220)。
すなわち、電磁リリーフバルブ114に開指令信号を出力しても、電磁リリーフバルブ114が実際には開かないで、高圧デリバリパイプ112に高圧の燃料が滞留している状態になっている。このために、燃圧Prがしきい値Pr(0)よりも低くならない。
一方、このような筒内噴射用インジェクタ110に燃料を供給する高圧デリバリパイプ112に設けられた電磁リリーフバルブ114の異常判定を実行するときには、エンジンの冷却水温が低く(S110にてYES)、エンジンの運転状態がアイドル運転状態であって(S120にてYES)かつ筒内噴射用インジェクタ110の先端温度が低い(S140にてYES)。すなわち、アイドル運転状態であってエンジンが軽負荷であって、筒内噴射用インジェクタ110を使わなくても吸気通路噴射用インジェクタ120のみでも良好な燃焼状態を維持でき(エンジンの出力はその軽負荷よりも大きく)、車両の運転上問題を発生させない。さらに、エンジン冷却水温THWが低く(エンジン温度が低く)、負荷が低く、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔温度TINJが低いので、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射を停止させても、噴孔にデポジットが堆積しにくく、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔を塞ぐこともない。
以上のようにして、本実施の形態に係る高圧燃料供給装置によると、高圧デリバリパイプにエンジン停止時に開状態となり燃料タンクと高圧デリバリパイプとを連通状態にする電磁リリーフバルブを設けた。そして、筒内噴射用インジェクタの噴孔にデポジットが堆積しないときであって、吸気通路噴射用インジェクタのみでも良好な燃焼状態を維持できる軽負荷となるときに、筒内噴射用インジェクタからの燃料噴射を停止させて吸気通路噴射用インジェクタのみで燃料を噴射して、電磁リリーフバルブを開くようにした。このときに、高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力が低下しなければ、電磁リリーフバルブが異常であると判定することができる。その結果、エンジンの運転中であっても、電磁リリーフバルブの異常を判定することができる。
なお、電磁リリーフバルブ114は、リニアにその開度をエンジンECUにより制御するようにしてもよい。
<この制御装置が適用されるに適したエンジン(その1)>
以下、本実施の形態に係る制御装置が適用されるに適したエンジン(その1)について説明する。
図4および図5を参照して、エンジン10の運転状態に対応させた情報である、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け比率(以下、DI比率(r)とも記載する。)を表わすマップについて説明する。これらのマップは、エンジンECU300のROM320に記憶される。図4は、エンジン10の温間用マップであって、図5は、エンジン10の冷間用マップである。
図4および図5に示すように、これらのマップは、エンジン10の回転数を横軸にして、負荷率を縦軸にして、筒内噴射用インジェクタ110の分担比率がDI比率rとして百分率で示されている。
図4および図5に示すように、エンジン10の回転数と負荷率とに定まる運転領域ごとに、DI比率rが設定されている。「DI比率r=100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味し、「DI比率r=0%」とは、吸気通路噴射用インジェクタ120からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味する。「DI比率r≠0%」、「DI比率r≠100%」および「0%<DI比率r<100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120とで燃料噴射が分担して行なわれる領域であることを意味する。なお、概略的には、筒内噴射用インジェクタ110は、出力性能の上昇に寄与し、吸気通路噴射用インジェクタ120は、混合気の均一性に寄与する。このような特性の異なる2種類のインジェクタを、エンジン10の回転数と負荷率とで使い分けることにより、エンジン10が通常運転状態(たとえば、アイドル時の触媒暖気時が、通常運転状態以外の非通常運転状態の一例であるといえる)である場合には、均質燃焼のみが行なわれるようにしている。
さらに、これらの図4および図5に示すように、温間時のマップと冷間時のマップとに分けて、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120のDI分担率rを規定した。エンジン10の温度が異なると、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が異なるように設定されたマップを用いて、エンジン10の温度を検知して、エンジン10の温度が予め定められた温度しきい値以上であると図4の温間時のマップを選択して、そうではないと図5に示す冷間時のマップを選択する。それぞれ選択されたマップに基づいて、エンジン10の回転数と負荷率とに基づいて、筒内噴射用インジェクタ110および/または吸気通路噴射用インジェクタ120を制御する。
図4および図5に設定されるエンジン10の回転数と負荷率について説明する。図4のNE(1)は2500〜2700rpmに設定され、KL(1)は30〜50%、KL(2)は60〜90%に設定されている。また、図5のNE(3)は2900〜3100rpmに設定されている。すなわち、NE(1)<NE(3)である。その他、図4のNE(2)や、図5のKL(3)、KL(4)も適宜設定されている。
図4および図5を比較すると、図4に示す温間用マップのNE(1)よりも図5に示す冷間用マップのNE(3)の方が高い。これは、エンジン10の温度が低いほど、吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が高いエンジン回転数の領域まで拡大されるということを示す。すなわち、エンジン10が冷えている状態であるので、(たとえ、筒内噴射用インジェクタ110から燃料を噴射しなくても)筒内噴射用インジェクタ110の噴口にデポジットが堆積しにくい。このため、吸気通路噴射用インジェクタ120を使って燃料を噴射する領域を拡大するように設定され、均質性を向上させることができる。
図4および図5を比較すると、エンジン10の回転数が、温間用マップにおいてはNE(1)以上の領域において、冷間用マップにおいてはNE(3)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。また、負荷率が、温間用マップにおいてはKL(2)以上の領域において、冷間用マップにおいてはKL(4)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。これは、予め定められた高エンジン回転数領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されること、予め定められた高エンジン負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されるということを示す。すなわち、高回転領域や高負荷領域においては、筒内噴射用インジェクタ110のみで燃料を噴射しても、エンジン10の回転数や負荷が高く吸気量が多いので筒内噴射用インジェクタ110のみでも混合気を均質化しやすいためである。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料は燃焼室内で気化潜熱を伴い(燃焼室から熱を奪い)気化される。これにより、圧縮端での混合気の温度が下がる。これにより対ノッキング性能が向上する。また、燃焼室の温度が下がるので、吸入効率が向上し高出力が見込める。
図4に示す温間用マップでは、負荷率KL(1)以下では、筒内噴射用インジェクタ110のみが用いられる。これは、エンジン10の温度が高いときであって、予め定められた低負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されるということを示す。これは、温間時においてはエンジン10が暖まった状態であるので、筒内噴射用インジェクタ110の噴口にデポジットが堆積しやすい。しかしながら、筒内噴射用インジェクタ110を使って燃料を噴射することにより噴口温度を低下させることができるので、デポジットの堆積を回避することも考えられ、また、筒内噴射用インジェクタの最小燃料噴射量を確保して、筒内噴射用インジェクタ110を閉塞させないことも考えられ、このために、筒内噴射用インジェクタ110を用いた領域としている。
図4および図5を比較すると、図5の冷間用マップにのみ「DI比率r=0%」の領域が存在する。これは、エンジン10の温度が低いときであって、予め定められた低負荷領域(KL(3)以下)では吸気通路噴射用インジェクタ120のみが使用されるということを示す。これはエンジン10が冷えていてエンジン10の負荷が低く吸気量も低いため燃料が霧化しにくい。このような領域においては筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射では良好な燃焼が困難であるため、また、特に低負荷および低回転数の領域では筒内噴射用インジェクタ110を用いた高出力を必要としないため、筒内噴射用インジェクタ110を用いないで、吸気通路噴射用インジェクタ120のみを用いる。
また、通常運転時以外の場合、エンジン10がアイドル時の触媒暖気時の場合(非通常運転状態であるとき)、成層燃焼を行なうように筒内噴射用インジェクタ110が制御される。このような触媒暖気運転中にのみ成層燃焼させることで、触媒暖気を促進させ、排気エミッションの向上を図る。
<この制御装置が適用されるに適したエンジン(その2)>
以下、本実施の形態に係る制御装置が適用されるに適したエンジン(その2)について説明する。なお、以下のエンジン(その2)の説明において、エンジン(その1)と同じ説明については、ここでは繰り返さない。
図6および図7を参照して、エンジン10の運転状態に対応させた情報である、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け比率を表わすマップについて説明する。これらのマップは、エンジンECU300のROM320に記憶される。図6は、エンジン10の温間用マップであって、図7は、エンジン10の冷間用マップである。
図6および図7を比較すると、以下の点で図4および図5と異なる。エンジン10の回転数が、温間用マップにおいてはNE(1)以上の領域において、冷間用マップにおいてはNE(3)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。また、負荷率が、温間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(2)以上の領域において、冷間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(4)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。これは、予め定められた高エンジン回転数領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されること、予め定められた高エンジン負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用される領域が多いことを示す。しかしながら、低回転数領域の高負荷領域においては、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料により形成される混合気のミキシングが良好ではなく、燃焼室内の混合気が不均質で燃焼が不安定になる傾向を有する。このため、このような問題が発生しない高回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタの噴射比率を増大させるようにしている。また、このような問題が発生する高負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させるようにしている。これらのDI比率rの変化を図6および図7に十字の矢印で示す。このようにすると、燃焼が不安定であることに起因するエンジンの出力トルクの変動を抑制することができる。なお、これらのことは、予め定められた低回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させることや、予め定められた低負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を増大させることと、略等価であることを確認的に記載する。また、このような領域(図6および図7で十字の矢印が記載された領域)以外の領域であって筒内噴射用インジェクタ110のみで燃料を噴射している領域(高回転側、低負荷側)においては、筒内噴射用インジェクタ110のみでも混合気を均質化しやすい。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料は燃焼室内で気化潜熱を伴い(燃焼室から熱を奪い)気化される。これにより、圧縮端での混合気の温度が下がる。これにより対ノッキング性能が向上する。また、燃焼室の温度が下がるので、吸入効率が向上し高出力が見込める。
なお、図4〜図7を用いて説明したこのエンジン10においては、均質燃焼は筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを吸気行程とすることにより、成層燃焼は筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程とすることにより実現できる。すなわち、筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程とすることで、点火プラグ周りにリッチ混合気が偏在させることにより燃焼室全体としてはリーンな混合気に着火する成層燃焼を実現することができる。また、筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを吸気行程としても点火プラグ周りにリッチ混合気を偏在させることができれば、吸気行程噴射であっても成層燃焼を実現できる。
また、ここでいう成層燃焼には、成層燃焼と以下に示す弱成層燃焼の双方を含むものである。弱成層燃焼とは、吸気通路噴射用インジェクタ120を吸気行程で燃料噴射して燃焼室全体にリーンで均質な混合気を生成して、さらに筒内噴射用インジェクタ110を圧縮行程で燃料噴射して点火プラグ周りにリッチな混合気を生成して、燃焼状態の向上を図るものである。このような弱成層燃焼は触媒暖気時に好ましい。これは、以下の理由による。すなわち、触媒暖気時には高温の燃焼ガスを触媒に到達させるために点火時期を大幅に遅角させ、かつ良好な燃焼状態(アイドル状態)を維持する必要がある。また、ある程度の燃料量を供給する必要がある。これを成層燃焼で行なおうとしても燃料量が少ないという問題があり、これを均質燃焼で行なおうとしても良好な燃焼を維持するために遅角量が成層燃焼に比べて小さいという問題がある。このような観点から、上述した弱成層燃焼を触媒暖気時に用いることが好ましいが、成層燃焼および弱成層燃焼のいずれであっても構わない。
また、図4〜図7を用いて説明したエンジンにおいては、筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射のタイミングは、以下のような理由により、圧縮行程で行なうことが好ましい。ただし、上述したエンジン10は、基本的な大部分の領域には(触媒暖気時にのみに行なわれる、吸気通路噴射用インジェクタ120を吸気行程噴射させ、筒内噴射用インジェクタ110を圧縮行程噴射させる弱成層燃焼領域以外を基本的な領域という)、筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射のタイミングは、吸気行程である。しかしながら、以下に示す理由があるので、燃焼安定化を目的として一時的に筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程噴射とするようにしてもよい。
筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射時期を圧縮行程中とすることで、筒内温度がより高い時期において、燃料噴射により混合気が冷却される。冷却効果が高まるので、対ノック性を改善することができる。さらに、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射時期を圧縮行程中とすると、燃料噴射から点火時期までの時間が短いことから噴霧による気流の強化を実現でき、燃焼速度を上昇させることができる。これらの対ノック性の向上と燃焼速度の上昇とから、燃焼変動を回避して、燃焼安定性を向上させることができる。
さらに、エンジン10の温度によらず(すなわち、温間時および冷間時のいずれの場合であっても)、オフアイドル時(アイドルスイッチがオフの場合、アクセルペダルが踏まれている場合)には、図4または図6に示す温間用マップを用いるようにしてもよい(冷間温間を問わず、低負荷領域において筒内噴射用インジェクタ110を用いる)。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置により制御されるガソリンエンジンの燃料供給システムの全体概要図である。 図1の部分拡大図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置において実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの温間時のDI比率マップを表わす図(その1)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの冷間時のDI比率マップを表わす図(その1)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの温間時のDI比率マップを表わす図(その2)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの冷間時のDI比率マップを表わす図(その2)である。
符号の説明
10 燃料供給システム、100 フィードポンプ、110 筒内噴射用インジェクタ、112 高圧デリバリパイプ、114 電磁リリーフバルブ、120 吸気通路噴射用インジェクタ、122 低圧デリバリパイプ、200 第1の高圧燃料ポンプ、202 電磁スピル弁、204 リーク機能付きチェックバルブ、206 ポンププランジャー、210 第1のカム、220 第1のパルセーションダンパー、300 第2の高圧燃料ポンプ、310 第2のカム、320 第2のパルセーションダンパー、400 低圧供給パイプ、410 第1の低圧デリバリ連通パイプ、420 ポンプ供給パイプ、430 第2の低圧デリバリ連通パイプ、500 第1の高圧デリバリ連通パイプ、510 第2の高圧デリバリ連通パイプ、520 高圧連通パイプ、600 高圧燃料ポンプリターンパイプ、610 高圧デリバリリターンパイプ、620,630 リターンパイプ。

Claims (6)

  1. 筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段とを備えた内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置であって、前記内燃機関に要求される条件に基づいて、前記第1の燃料噴射手段と前記第2の燃料噴射手段とで分担して燃料を噴射するように制御され、前記高圧燃料供給装置は、前記燃料タンクから供給された燃料を前記第1の燃料噴射手段に供給するデリバリパイプと、前記デリバリパイプと前記燃料タンクとを連通状態/非連通状態に切換えるリリーフバルブとを含み、前記異常判定装置は、
    前記リリーフバルブを制御するための制御手段と、
    前記リリーフバルブの異常を判定するための判定手段とを含み、
    前記判定手段は、
    前記内燃機関について予め定められた条件が満足されると前記第1の燃料噴射手段を非作動状態として、前記連通状態になるように前記リリーフバルブを制御した後に、前記デリバリパイプの燃料の圧力を検知するための手段と、
    前記検知された燃料の圧力に基づいて、前記リリーフバルブの異常を判定するための手段とを含む、内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置。
  2. 前記内燃機関について予め定められた条件は、前記第1の燃料噴射手段の温度が予め定められた温度以下であるという条件である、請求項1に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置。
  3. 前記内燃機関について予め定められた条件は、前記内燃機関の運転状態がアイドル運転状態であるという条件である、請求項1または2に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置。
  4. 前記判定手段は、前記検知された燃料の圧力が予め定められた圧力以上であると、前記リリーフバルブが異常であると判定するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置。
  5. 前記制御手段は、前記内燃機関の運転時においては前記非連通状態にするように、前記内燃機関の停止時においては前記連通状態にするように、前記リリーフバルブを制御するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置。
  6. 前記第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、
    前記第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の高圧燃料供給装置の異常判定装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132358A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料供給装置
JP2014118859A (ja) * 2012-12-14 2014-06-30 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射装置
JP2017048733A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 トヨタ自動車株式会社 エンジン装置
JP2018123791A (ja) * 2017-02-02 2018-08-09 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射装置

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