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JP2007046233A - 建設機械 - Google Patents

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JP2007046233A
JP2007046233A JP2005228495A JP2005228495A JP2007046233A JP 2007046233 A JP2007046233 A JP 2007046233A JP 2005228495 A JP2005228495 A JP 2005228495A JP 2005228495 A JP2005228495 A JP 2005228495A JP 2007046233 A JP2007046233 A JP 2007046233A
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JP2005228495A
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Shuhei Noguchi
修平 野口
Shogo Kimura
庄吾 木村
Hajime Ishii
元 石井
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】 キャノピの支柱を一本の連続支柱として形成し、キャノピルーフを連続支柱の補強材として利用することにより、強度を確保しつつ、構造を簡略化する。
【解決手段】 キャノピ11の前支柱13と後支柱15には、それぞれ湾曲部14,16を介して天井支柱17を連結し、これら全体を一本の連続支柱12として形成する。また、キャノピルーフ24と側壁26とを保護壁板23として一体形成し、キャノピルーフ24を天井支柱17から湾曲部14,16にかけて設ける。これにより、キャノピ11の強度を確保しつつ、支柱の本数を削減することができる。また、支柱が減ることによってキャノピルーフ24と側壁26も容易に一体形成することができ、全体の部品点数を削減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等として好適に用いられる建設機械に関し、特に運転席を覆うキャノピを搭載したキャノピ仕様の建設機械に関する。
一般に、キャノピ仕様の建設機械としては、例えば小型の油圧ショベル等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−42901号公報
この種の従来技術によるキャノピ仕様の油圧ショベルは、自走可能な下部走行体に上部旋回体が旋回可能に搭載され、この上部旋回体には、オペレータが着座する運転席と、該運転席に着座したオペレータの頭上を覆うキャノピ等とが設けられている。また、上部旋回体には、土砂等の掘削作業を行う作業装置が俯仰動可能に設けられている。
また、キャノピは、運転席の前側に立設された前支柱と、運転席の後側に立設された後支柱と、例えば樹脂材料等によって形成され、これらの支柱に支持されて運転席を上側から覆うキャノピルーフと、前支柱と後支柱との間に設けられ、運転席を側方から覆う側壁とによって構成されている。
ところで、上述した従来技術では、キャノピを、前支柱、後支柱、キャノピルーフ、側壁等によって構成している。しかし、キャノピの強度を高めたい場合には、単に前支柱と後支柱とを立設した構造では強度が不足するため、前支柱、後支柱との間には、例えば運転席の左,右両側で前支柱と後支柱とを連結する水平な支柱を設ける必要がある。
この結果、キャノピの強度を高めようとすると、複数本の水平な支柱が必要となる上に、例えばキャノピルーフ、側壁等を前支柱と後支柱との間に取付けるときには、これらの部品が水平な支柱に対して干渉しないように、各部品の形状を工夫しなければならないことがある。
このため、従来技術では、キャノピルーフ、側壁等の部品形状が複雑化し、部品点数が増加し易いという問題がある。そして、キャノピの組立時には、個々の部品の加工、形成に手間がかかるばかりでなく、これらの部品と水平な支柱の取付作業も必要となるため、作業効率が低下し易い。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、キャノピの構造を簡略化しつつ、その強度を十分に確保することができ、部品点数を削減して組立時の作業効率を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とを備え、前記上部旋回体には、オペレータが着座する運転席と、該運転席に着座したオペレータの頭上を覆うキャノピとを設けてなる建設機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記キャノピは、前記運転席の前,後の側方に立設された前支柱,後支柱にそれぞれ円弧状に湾曲した湾曲部を介して天井支柱を連結することにより連続して形成された1本の連続支柱と、該連続支柱に固着されて前記運転席を上側から覆うキャノピルーフとによって構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記キャノピルーフには、前記運転席の上方位置から前記連続支柱の湾曲部にかけて側方視界を確保する開口部を設ける構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記キャノピルーフは前記連続支柱の湾曲部に対応して斜め下向きに傾斜させる構成としている。
また、請求項4の発明によると、前記連続支柱の天井支柱とキャノピルーフとは、前記天井支柱の方がキャノピルーフよりも上側に突出した状態で固着する構成とし、この突出部位によって前記キャノピルーフを取囲む堰を形成する構成としている。
さらに、請求項5の発明によると、前記連続支柱の前支柱と後支柱との間には前記運転席を側方から覆う側壁を設け、前記キャノピルーフと前記側壁とは湾曲した板材によって一体に形成する構成としている。
請求項1の発明によれば、キャノピの前支柱、後支柱及び天井支柱を連続支柱として一体に形成することができ、別部品として扱われる支柱の本数を減らすことができる。そして、この連続支柱には、天井支柱から前支柱及び後支柱の湾曲部にかけてキャノピルーフを固着することができ、これらの連続支柱とキャノピルーフとによってキャノピ全体を高い強度に形成することができる。
これにより、キャノピルーフを連続支柱の補強材として利用することができ、例えば前支柱と後支柱との間等に補強用の支柱を設ける必要がないので、少ない本数の支柱で高い強度のキャノピを実現することができ、支柱の構造を簡略化して部品点数を削減することができる。また、キャノピルーフも、例えば湾曲した鋼板等によって簡単な形状に形成でき、これに関連した部品点数を減らすことができる。従って、キャノピの組立時には、連続支柱、キャノピルーフ等を含めて各部品の加工、形成を容易に行うことができ、これらの部品をキャノピとして効率よく組立てることができる。
また、請求項2の発明によれば、キャノピルーフには、運転席に着座したオペレータからみて側方視界を確保するための開口部を設けることができる。この場合、連続支柱を用いることにより、例えば補強用の余分な支柱等を設けなくてもよいので、このような支柱の位置でキャノピルーフを分割する必要がなくなり、キャノピルーフを天井支柱から前支柱及び後支柱の近傍に至る広い面積にわたって連続させることができる。このため、キャノピルーフには、運転席の上方位置から連続支柱の湾曲部にかけて大きな開口部を設けることができ、オペレータの側方視界を十分に広くすることができる。
また、請求項3の発明によれば、キャノピルーフを、天井支柱から前支柱及び後支柱側に向けて、湾曲部に対応した形状で斜め下向きに傾斜させることができる。これにより、キャノピルーフ上に降った雨水等をルーフの傾斜に沿って湾曲部側に導くことができ、この雨水をオペレータの視界に影響ない位置へと速やかに排出することができる。従って、キャノピルーフ上に水が溜まったり、オペレータの周囲に水滴が落下するのを防止することができ、雨天等でも作業環境を良好に保持することができる。
また、請求項4の発明によれば、天井支柱を利用してキャノピルーフを取囲む堰を形成することができる。これにより、キャノピルーフ上に降った雨水等が堰を乗り越えてオペレータの周囲に落下するのを防止でき、雨天等でも良好な作業環境を実現することができる。この場合、連続支柱の一部によって堰を容易に形成できるから、例えばキャノピルーフ上に堰となる専用の部品等を設けたり、キャノピルーフの外縁部位を堰となるように加工、形成する必要がなく、雨水対策用の構造を簡略化することができる。
さらに、請求項5の発明によれば、連続支柱を用いることにより、補強用の余分な支柱等を設けなくてもよいので、このような支柱の位置でキャノピの壁面を分割する必要がなくなり、キャノピルーフと側壁とを鋼板等によって一体に形成することができる。このように、キャノピルーフと側壁とを一つの部品として成形でき、これらの間に設けるシール部材等も必要ないので、キャノピの壁面を構成する部品点数を削減することができ、組立時の作業性を向上させることができる。
しかも、例えばキャノピルーフと側壁とが一体形成された鋼板等を連続支柱の内側に固着することにより、これら全体の強度(剛性)を相乗的に高めることができる。従って、例えば前,後方向や捩れ方向の外力等に対しても、キャノピ全体の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態による建設機械として、キャノピ仕様の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
図中、1はキャノピ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられ、土砂等の掘削作業を行う後述の作業装置9とによって構成されている。
ここで、上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム4と、該旋回フレーム4に設けられた後述の運転席10、キャノピ11と、旋回フレーム4に搭載されたエンジン、油圧ポンプ等の機器(図示せず)を覆う外装カバー5と、例えば旋回フレーム4の後端部に設けられ、作業装置9との重量バランスをとるカウンタウエイト6とによって大略構成されている。
また、旋回フレーム4上には、運転席10が搭載される床板7と、該床板7の後端側からカウンタウェイト6の上面側まで延びた支持部材8とが設けられ、これらの床板7と支持部材8にはキャノピ11が取付けられている。
9は上部旋回体3の前部側に設けられたオフセット式の作業装置で、該作業装置9は、旋回フレーム4に俯仰動可能に取付けられたロアブーム9Aと、該ロアブーム9Aの先端側に左,右方向に揺動可能に取付けられたアッパブーム9Bと、該アッパブーム9Bの先端側に左,右方向に揺動可能に取付けられたアーム支持部材9Cと、該アーム支持部材9Cの先端側に回動可能に取付けられたアーム9Dと、該アーム9Dの先端側に回動可能に取付けられたバケット9Eと、ロアブーム9Aとアーム支持部材9Cとの間を連結するリンク9Fと、これらの部位を作動させる各シリンダとによって構成されている。
そして、作業装置9は、ロアブーム9Aの先端側でアッパブーム9B、アーム支持部材9C、アーム9D及びバケット9Eを左,右方向に平行移動(オフセット)させることができ、このオフセット状態でロアブーム9Aを俯仰動させつつ、アーム9D、バケット9Eを回動させることにより、側溝等の掘削作業を行なうものである。
10はオペレータが着座する運転席で、該運転席10の前側には、図2に示す如く、車両を走行させる走行レバー10Aが立設され、運転席10の左,右両側には、作業装置9を操作したり、上部旋回体3を旋回させる左,右の作業レバー10Bが設けられている。
11は上部旋回体3に設けられたキャノピを示し、該キャノピ11は、図1ないし図4に示す如く、運転席10を上方及び右側方から覆うことにより、オペレータを保護するものである。そして、キャノピ11は、後述の前支柱13、後支柱15及び天井支柱17が一体化した連続支柱12と、後述のキャノピルーフ24及び側壁26が一体化した保護壁板23とによって大略構成されている。
12はキャノピ11の支柱全体を構成する連続支柱を示し、該連続支柱12は、図5ないし図8に示す如く、例えば円筒状の金属パイプ(鋼管)等を湾曲させることによって一体に形成されている。この場合、連続支柱12は、後述の前支柱13、後支柱15及び天井支柱17によって構成され、これらの部位が直列に連続した1本のパイプ材として形成されているものである。
そして、連続支柱12は、側方からみて運転席10を取囲むように略U字状に湾曲し、前方からみると、運転席10を上方及び右側方から取囲むように略L字状に湾曲している。また、本実施の形態では、連続支柱12を形成するときの利便性を考慮して、例えば前側パイプ12Aと後側パイプ12Bとを接合部12Cの位置で接合することによって連続支柱12を形成している。
13は連続支柱12の前部側によって構成された前支柱で、該前支柱13は、図7に示す如く、運転席10の前部右側に位置して床板7上に立設されている。この場合、前支柱13は、下端側(基端側)が後述の前側ブラケット18を用いて床板7に固定され、この位置から上方に向けてほぼ垂直に延びている。また、前支柱13の上部側(先端側)は、後述の湾曲部14を介して天井支柱17の前部側に連結されている。
14は前支柱13の上部側として形成された湾曲部で、この湾曲部14は、前支柱13の垂直部分から天井支柱17に向けて、略円弧状をなして緩やかに湾曲し、天井支柱17の前部側に連結されている。
ここで、油圧ショベル1は、例えば作業装置9のロアブーム9Aを大きく仰動させつつ、アーム9D、バケット9E等を車体側に折畳むことにより、いわゆる小旋回姿勢をとることがあり、この小旋回姿勢では、ロアブーム9Aがキャノピ11の上部右側に近接した状態となる。このため、湾曲部14は、車両が小旋回姿勢をとったときに、ロアブーム9Aがキャノピ11と干渉するのを避けるものである。
15は連続支柱12の後部側によって構成された後支柱で、該後支柱15は、図3に示す如く、運転席10の後部右側に配置され、カウンタウェイト6の上面側で支持部材8に立設されている。この場合、後支柱15は、下端側が後述の後側ブラケット21を用いて支持部材8に固定され、この位置から上方に向けてほぼ垂直に延びている。また、後支柱15の上部側は、前支柱13とほぼ同様に、後述の湾曲部16を介して天井支柱17の後部側に連結されている。
16は後支柱15の上部側として形成された湾曲部で、この湾曲部16は、天井支柱17に向けて略円弧状に湾曲し、天井支柱17の後部側に連結されている。この場合、湾曲部16は、前側の湾曲部14とほぼ同様に、車両が小旋回姿勢をとったときに、ロアブーム9Aがキャノピ11と干渉するのを避けるものである。
17は連続支柱12の中間部位によって構成された天井支柱で、該天井支柱17は、図1ないし図3に示す如く、例えば略U字状に湾曲した円筒パイプ等によって形成され、上方からみて運転席10を取囲むように水平方向に延びている。そして、天井支柱17の前部側は、図6に示す如く、前支柱13の湾曲部14に連結され、天井支柱17の後部側は後支柱15の湾曲部16に連結されている。
また、天井支柱17は、図8に示す如く、後述のキャノピルーフ24よりも上側に突出した状態でキャノピルーフ24の外縁に沿って固着されている。そして、天井支柱17の上部側は、キャノピルーフ24の上面よりも高さh分だけ上側に突出した枠状の堰17Aとして形成され、この堰17Aは、図5に示す如く、キャノピルーフ24を前側、後側及び左側から取囲んでいる。
このため、キャノピルーフ24上に降った雨水等は、堰17Aを乗越えてキャノピ11の前側、後側及び左側にこぼれ落ちることがなく、キャノピルーフ24の傾斜に沿って右側(後述の側壁26側)に流下する構成となっている。
次に、18は前支柱13の下端側に固着された前側ブラケットで、該前側ブラケット18は、図5、図7に示す如く、例えば鋼板、鋼材等によって形成され、水平方向に延びている。そして、前側ブラケット18は、例えばボルト(図示せず)等によって上部旋回体3の床板7に締着され、これによって前支柱13を床板7に固定している。
19は前支柱13に設けられたガード部材で、このガード部材19は、図2に示す如く、例えばU字状に湾曲した金属パイプ等を用いて形成され、運転席10等を前方から覆って保護するものである。この場合、ガード部材19は右端側が前支柱13に接合され、下部側が連結パイプ19A等を用いて前側ブラケット18に接合されている。また、ガード部材19の上部側には、例えば照明機器20を取付ける取付座19Bが設けられている。
21は後支柱15の下端側に固着された後側ブラケットで、該後側ブラケット21は、図1、図5に示す如く、例えば水平な金属板等によって形成され、ボルト(図示せず)等によってカウンタウエイト6の上面側で支持部材8に締着されると共に、これによって後支柱15を支持部材8に固定している。
22は天井支柱17と後側ブラケット21との間に立設された補助支柱で、該補助支柱22は、図5に示す如く、例えば上,下方向に延びる円筒状の金属パイプ等によって形成され、補助支柱22と後支柱15との間には水平な補強パイプ22Aが設けられている。
一方、23はキャノピ11の壁面を構成する保護壁板を示し、この保護壁板23は、図5、図6に示す如く、キャノピルーフ24と側壁26とを一体形成したものであり、例えば上部側が緩やかに湾曲した鋼板等によって形成されている。そして、保護壁板23は、後述の溶接部29によって連続支柱12の内側にほぼ全長にわたって溶接、固着されている。
24は保護壁板23の上部側によって構成されたキャノピルーフで、該キャノピルーフ24は、運転席10に着座したオペレータの頭上を覆うものである。ここで、キャノピルーフ24は、図5に示す如く、連続支柱12の天井支柱17から各支柱13,15の湾曲部14,16にかけて固着され、これらの湾曲部14,16に沿って湾曲している。
このように、前支柱13、後支柱15及び天井支柱17の内側には、例えば高い強度の鋼板等からなるキャノピルーフ24が固着され、このキャノピルーフ24は、前支柱13、後支柱15及び天井支柱17の間を連結することによって連続支柱12の全体を補強する補強材として機能している。
このため、連続支柱12とキャノピルーフ24とを組立てた状態では、これら全体の強度を相乗的に高めることができ、例えば図5中に示す仮想線L1,L2の位置で前支柱13と後支柱15との間を連結する補強用の支柱等を設けなくても、キャノピ11の強度を十分に確保することができる。
しかも、このような補強用の支柱等を廃止することにより、後述のキャノピルーフ24と側壁26とを保護壁板23として一体成形することができる。これにより、大きな保護壁板23を連続支柱12の内側全体に固着することができ、キャノピ11の強度をさらに高めることができる。
一方、キャノピルーフ24は、図7に示す如く、天井支柱17から支柱13,15側に向けて、湾曲部14,16に対応した形状をもって斜め下向きに傾斜し、その傾斜角θは、例えば水平方向に対して1〜5°程度の角度に設定されている。これにより、キャノピルーフ24上に降った雨水等を側壁26側に向けて円滑に導くことができる。
25はキャノピルーフ24に設けられた略四角形状の開口部としての天井開口部を示し、該天井開口部25は、運転席10に着座したオペレータの側方視界を確保するための窓であり、後述の窓ガラス30によって覆われている。そして、天井開口部25は、図3、図7に示す如く、運転席10の上方位置から連続支柱12の湾曲部14,16にかけて大きく開口している。
ここで、油圧ショベル1が小旋回姿勢をとっているときに、オペレータは、バケット9E等の位置を天井開口部25を通じて確認しつつ、作業装置9を作動させることが多いので、天井開口部25の開口面積は可能な限り大きくするのが好ましい。
この場合、本実施の形態では、連続支柱12を用いることにより、例えば仮想線L1の位置に補強用の支柱等を配置しなくてよいから、この位置でキャノピルーフ24を分割する必要がない。このため、キャノピルーフ24を天井支柱17から湾曲部14,16の位置まで広い面積にわたって連続させることができ、これに伴って天井開口部25の開口面積も大きくすることができる。
26は保護壁板23の下部側によって構成された側壁で、該側壁26は、例えば平坦な金属板等によって形成され、溶接部29によって前支柱13と後支柱15との間に溶接されている。そして、側壁26は、図4に示す如く、運転席10を側方から覆うことにより、オペレータ等を保護するものである。また、側壁26には、オペレータの側方視界を確保するための側面開口部27,28が設けられている。
29は連続支柱12と保護壁板23との間に設けられた略U字状の溶接部で、この溶接部29は、図5、図8に示す如く、前支柱13、後支柱15及び天井支柱17の内側部位と、保護壁板23の外縁部位との間を連続支柱12のほぼ全長にわたって溶接している。
また、図5において、30はキャノピルーフ24の天井開口部25に設けられた窓ガラスを示し、この窓ガラス30は、例えば板ガラス、透明な樹脂板等によって形成され、シール部材等を介して天井開口部25に取付けられている。また、側壁26の側面開口部27,28にも同様に、窓ガラス31,32が設けられている。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、オペレータは、運転席10に着座した状態で走行レバー10A、作業レバー10B等を操作することにより、車両を走行させたり、上部旋回体3を旋回させることができ、また作業装置9のロアブーム9A、アーム9D、バケット9Eを作動させて土砂等の掘削作業を行うことができる。
このとき、例えば掘削中の土砂等が飛び散ったとしても、これらの異物はキャノピ11によって運転席10側から遮断されるので、オペレータを保護することができる。そして、オペレータは、キャノピ11に覆われた状態でも、その天井開口部25と側面開口部27,28とによって広い側方視界を確保することができる。このため、例えば油圧ショベル1が小旋回姿勢等をとることによって作業装置9のバケット9Eがキャノピ11に近接する場合でも、天井開口部25等によってバケット9Eの位置を確認しつつ、作業をスムーズに進めることができる。
また、例えば障害物との接触等によりキャノピ11に大きな外力が加わったとしても、キャノピ11は連続支柱12と保護壁板23とによって高い強度に形成されているので、キャノピ11が損傷したり、大きく変形するのを防止することができ、オペレータを確実に保護することができる。
さらに、雨天時に作業を行うときには、キャノピ11上に雨水が降ると、この雨水は堰17Aに囲まれた位置でキャノピルーフ24の傾斜に沿って側壁26側に流れ落ちるようになる。このため、運転席10に着座したオペレータの前側、後側、左側等に雨水が落下することがないので、オペレータは良好な環境で作業を行うことができる。
かくして、本実施の形態によれば、キャノピ11の前支柱13、後支柱15及び天井支柱17を連続支柱12として一体に形成し、キャノピルーフ24を天井支柱17から各支柱13,15の湾曲部14,16にかけて設ける構成としている。
これにより、各支柱13,15,17を1本の金属パイプ等によって形成できるので、別部品として扱われる支柱の本数を減らすことができる。また、キャノピルーフ24を連続支柱12の補強材として利用することができ、連続支柱12とキャノピルーフ24とによってキャノピ11全体を高い強度に形成することができる。この結果、例えば前支柱13と後支柱15との間等に補強用の支柱を設ける必要がないので、少ない本数の支柱で高い強度のキャノピ11を実現することができ、支柱の構造を簡略化して部品点数を削減することができる。
また、キャノピルーフ24、側壁26等を連続支柱12に取付けるときには、例えば補強用の支柱との干渉等を考慮しなくてよいから、これらの部品を保護壁板23として一体形成することができる。このため、キャノピルーフ24と側壁26との間に設けるシール部材等も必要ないので、さらに部品点数を削減して構造を簡略化することができる。
従って、キャノピ11の組立時には、連続支柱12、キャノピルーフ24、側壁26等を含めて各部品の加工、形成を容易に行うことができ、これらの部品をキャノピ11として効率よく組立てることができる。
また、一体形成された鋼板等からなる保護壁板23を連続支柱12の内側に固着することにより、これら全体の強度(剛性)を相乗的に高めることができ、例えば前,後方向や捩れ方向の外力等に対しても、キャノピ11全体の耐久性を向上させることができる。
一方、連続支柱12を用いることにより、キャノピルーフ24を分割しなくてもよいので、これを天井支柱17から前支柱13及び後支柱15の近傍に至る広い面積にわたって連続させることができる。そして、キャノピルーフ24には、運転席10の上方位置から連続支柱12の湾曲部14,16にかけて大きく開口する天井開口部25を設けることができる。これにより、オペレータは、天井開口部25によって広い側方視界を確保することができ、油圧ショベル1を用いた作業を円滑に行うことができる。
また、キャノピルーフ24を、連続支柱12の湾曲部14,16に対応した形状で斜め下向きに傾斜させるようにしたので、キャノピルーフ24上に降った雨水等を当該ルーフの傾斜に沿って湾曲部14,16側に導くことができる。これにより、雨水をオペレータの視界に影響ない側壁26側の位置へと速やかに排出できるので、キャノピルーフ24上に水が溜まったり、オペレータの周囲に水滴が落下するのを防止でき、雨天等でも作業環境を良好に保持することができる。
しかも、キャノピ11には、天井支柱17を利用してキャノピルーフ24を取囲む堰17Aを形成したので、キャノピルーフ24上の雨水等が堰17Aを乗り越えてオペレータの周囲に落下するのを確実に防止することができる。この場合、連続支柱12の一部によって堰17Aを容易に形成できるから、例えばキャノピルーフ24上に堰となる専用の部品等を設けたり、キャノピルーフ24の外縁部位を堰となるように加工、形成する必要がなく、雨水対策用の構造を簡略化することができる。
なお、前記実施の形態では、連続支柱12を前側パイプ12Aと後側パイプ12Bとによって構成する場合を例に挙げて述べた。しかし、本発明はこれに限らず、連続支柱としては、予め一体形成した単一のパイプ材を用いてもよく、また3本以上のパイプ材を接合して用いる構成としてもよい。
また、実施の形態では、キャノピ11を油圧ショベル1に適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、油圧ショベル以外でも、キャノピを備えた他の建設機械に広く適用することができる。
本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。 油圧ショベルを前方からみた状態で示す図1の左側面図である。 油圧ショベルを上方からみた状態で示す図1の平面図である。 油圧ショベルを右側方からみた状態で示す図1の背面図である。 キャノピを拡大して示す斜視図である。 連続支柱と保護壁板とを組立てる前の状態で示す分解斜視図である。 図2中のキャノピを拡大して示す左側面図である。 図5中の矢示VIII−VIII方向からみたキャノピの拡大断面図である。
符号の説明
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
6 カウンタウエイト
7 床板
8 支持部材
9 作業装置
10 運転席
11 キャノピ
12 連続支柱
13 前支柱
14,16 湾曲部
15 後支柱
17 天井支柱
17A 堰
18,21 ブラケット
19 ガード部材
22 補助支柱
23 保護壁板
24 キャノピルーフ
25 天井開口部(開口部)
26 側壁
27,28 側面開口部
29 溶接部
h 高さ
θ 傾斜角

Claims (5)

  1. 自走可能な下部走行体と、該下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とを備え、前記上部旋回体には、オペレータが着座する運転席と、該運転席に着座したオペレータの頭上を覆うキャノピとを設けてなる建設機械において、
    前記キャノピは、前記運転席の前,後の側方に立設された前支柱,後支柱にそれぞれ円弧状に湾曲した湾曲部を介して天井支柱を連結することにより連続して形成された1本の連続支柱と、該連続支柱に固着されて前記運転席を上側から覆うキャノピルーフとによって構成し、
    前記キャノピルーフは前記連続支柱の天井支柱から前記湾曲部にかけて設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
  2. 前記キャノピルーフには、前記運転席の上方位置から前記連続支柱の湾曲部にかけて側方視界を確保する開口部を設けてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記キャノピルーフは前記連続支柱の湾曲部に対応して斜め下向きに傾斜させる構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
  4. 前記連続支柱の天井支柱とキャノピルーフとは、前記天井支柱の方がキャノピルーフよりも上側に突出した状態で固着する構成とし、この突出部位によって前記キャノピルーフを取囲む堰を形成してなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
  5. 前記連続支柱の前支柱と後支柱との間には前記運転席を側方から覆う側壁を設け、前記キャノピルーフと前記側壁とは湾曲した板材によって一体に形成してなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
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