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JP2007045711A - スティック化粧料 - Google Patents

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Tatsuhiko Mirin
達彦 美淋
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Naris Cosmetics Co Ltd
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Naris Cosmetics Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明が解決する課題は、従来の問題点である固形ワックスを配合するスティック化粧料の使用時において肌や唇への使用感触をなめらかにし、塗布時ののびやなじみ等の使用性に優れ、さらにまたは、成形性に優れたスティック化粧料を提供することである。
【解決手段】(A)融点が30〜50℃の低融点パラフィン及び(B)融点が60〜120℃のワックス成分を含有し、(A)の配合量が0.1〜20.0重量%で(B)の配合量が3.0〜50.0重量%であり、かつ成分(A)と成分(B)の合計がスティック化粧料全成分の3.1〜50.0重量%を配合することにより、上記問題を解決するスティック化粧料を得ることを可能とした。

Description

本発明は、スティック化粧料に関し、更に詳しくは、肌や唇へのあたりの硬さをなめらかかつ良好にし、使用性やスティック成形性に優れたスティック化粧料に関する。
従来、スティック化粧料においては、スティック形状を保持するための基材として、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス等の固形ワックスが含有されている。しかしながらこのような固形ワックスを配合したスティック化粧料は、使用時において、当該スティック化粧料が肌や唇に接触するときにスティック化粧料の硬さを感じたり、塗布時ののびや滑らかさ等の使用感触が損なわれるという問題があった。
そこで、上記の使用感触を改善するために、固形ワックスの含有量の調整や、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、その他の固形ワックスを含有することや特定のシリコーンでコーティングした粉体を配合すること等が検討されてきたが、使用感触において十分に満足するものには至っていない。また、成形性においても使用感触と同様に十分に満足するものは、市場に存在しない。
特許第2805218号公報 特許第3588686号公報 特開2002−179524号公報
本発明が解決する課題は、従来の問題点である固形ワックスを配合するスティック化粧料の使用時において肌や唇への使用感触をなめらかにし、塗布時ののびやなじみ等の使用性に優れ、さらに、成形性に優れたスティック化粧料を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、融点が30〜50℃の低融点パラフィンと融点が60〜120℃のワックス成分を一定量含有させることにより、使用時における肌や唇への使用感触が飛躍的に優れ、かつ使用性にも優れ、さらに、成形性に優れたスティック化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)融点が30〜50℃の低融点パラフィン及び(B)融点が60〜120℃のワックス成分を含有し、(A)の配合量が0.1〜20.0重量%で(B)の配合量が3.0〜50.0重量%であり、かつ成分(A)と成分(B)の合計が3.1〜50.0重量%であることを特徴とするスティック化粧料を提供するものである。
なお、本発明において固形とは常温(15〜25℃)、常圧で、流動性のない状態を指す。
本発明は、塗布時の使用感触及び使用時の使用性に優れ、さらにはスティック成形性にも優れているため、優れたスティック化粧料の提供が可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いることができる(A)成分である融点が30〜50℃の低融点パラフィンは、主としてC16〜C40のノルマルパラフィンの混合物、または当該混合物とイソパラフィンおよびナフテンの混合物からなり、ノルマルパラフィンとイソパラフィンからなる低融点パラフィンが好ましく、特にノルマルパラフィンとイソパラフィンの重量比が20:80〜70:30からなる低融点パラフィンが好ましい。
本発明のスティック化粧料に用いることができる(A)成分である融点が30〜50℃の低融点パラフィンの配合量は、スティック化粧料全組成物中の0.1〜20.0重量%が好ましく、特に0.5〜5.0重量%の範囲で配合することが好ましい。配合量が0.1重量%未満では、塗布時の使用感触を満足させる効果が不十分であり、成形性についても効果が不十分である。そして、20.0重量%以上配合すると、塗布時ののびや塗布後のツヤなどの基本的な使用性が損なわれる。かかる融点が30〜50℃の低融点パラフィンとしては、PRAFFIN
WAX 115、EMW−0003(何れも日本精鑞社製)等が挙げられる。
本発明のスティック化粧料に用いることができる(B)成分である融点が60〜120℃の固形ワックスは、上記条件に該当する固形ワックスであれば特に限定されることはなく、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、ホホバワックス及びカルナバワックス等が例示される。
(B)成分である融点が60〜120℃の固形ワックスの配合量は、スティック化粧料全組成物中の3.0〜50.0重量%が好ましく、特に5.0〜25.0重量%の範囲で配合することが好ましい。また、市販の当該固形ワックスを具体的に例示すれば、セレシンワックスとしては、セレシン810(日興リカ株式会社製)やセレシンワックス(ニポニックス株式会社製)、ポリエチレンワックスとしてはポリワックス500または655(BARECO社製)やユニワックス(日本石油株式会社製)、パラフィンワックスとしては、パラフィンワックス155または150(日本精鑞株式会社製)、キャンデリラワックスとしては、精製キャンデリラワックス(株式会社セラリカNODA社製)や精製キャンデリラワックスSR−2(ミツバ貿易株式会社製)、ホホバワックスとしてはFLORAESTERS−60または70(FLORATECH社製)、カルナバワックスとしては精製カルナバワックスNo.1(セラリカNODA社製)等を挙げることができる。
そして、本発明のスティック化粧料において、(A)成分である融点が30〜50℃の低融点パラフィンと(B)成分である融点が60〜120℃の固形ワックスの配合量は、その合計量がスティック化粧料全組成物中の3.1〜50.0重量%が好ましく、特に5.5〜30.0重量%の範囲で配合させることが好ましい。
なお、本発明のスティック化粧料には、上記必須成分の他、必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記以外の固形ワックス、油性原料、界面活性剤、粉体、紫外線吸収剤、保湿剤、多価アルコール、植物抽出物、酸化防止剤、薬効成分、防腐剤などを配合することができ、その配合量に関しても、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に制限はない。
本発明の油性原料としては、使用性を向上させる目的で、本発明の効果を損なわない範囲で、固体油/半固体油や液体油を含有することかできる。例えば固体油/半固体油では、ワセリン、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等が挙げられる。また、液体油では、流動パラフィン、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルイソオクタネート、低重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ポリシロキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル、酢酸ラノリン、ラノリンアルコール等が挙げられる。
界面活性剤は、粉体の分散性向上や乳化安定性の目的で用いられ、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明のスティック化粧料に配合される粉体成分は、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。更に、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えば各種アミノ酸、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。
また、硬度調整の目的で、例えばデキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸イヌリン等の油性ゲル化剤等を配合することができる。
多価アルコールは、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられ、植物抽出物としては、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、薬効成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明のスティック化粧料の代表的な形態としては、スティック状に成型した化粧料を容器に充填し、容器より繰り出して使用する形態が挙げられる。また、本発明の効果が発揮されやすい化粧品の例としては、リップスティックやスティックファンデーション、スティックアイカラー、リンクルスティック、ホワイトニングスティック、スティックコンシーラー等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、配合量は特に指定がない限り、重量%で示す。
リップスティックについて、実施例1〜3及び比較例1〜5の処方及び評価結果を表1示す。
Figure 2007045711
(製法)
A:成分1〜12までを加熱溶解釜に投入し、90〜100℃にて加熱溶解する。B:Aに成分13,14を加え、ローラーミルにて分散処理を十分に行う。C:Bを再度加熱し、85〜90℃に調整後、15を加える。D:Cを脱泡した後、冷却し、スティック状に成型する。
リップスティックについて、実施例4〜6及び比較例6〜10の処方及び評価結果を表2に示す。
Figure 2007045711
(製法)
A:成分1〜12までを加熱溶解釜に投入し、90〜100℃にて加熱溶解する。B:Aに成分13〜16を加え、ローラーミルにて分散処理を十分に行う。C:Bを再度加熱し、85〜90℃に調整後、脱泡した後、冷却し、スティック状に成型する。
スティックファンデーションについて、実施例7及び比較例11〜12の処方及び評価結果を表3に示す。
Figure 2007045711
(製法)
A:成分1〜10までを加熱溶解釜に投入し、90〜100℃にて加熱溶解する。B:Aに成分12,13、16,17を加え、ローラーミルにて分散処理を十分に行う。C:Bに11,14,15を加えて再度加熱し、85〜90℃に調整後、脱泡した後、冷却し、スティック状に成型する。
スティックアイカラーについて、実施例8及び比較例13〜14の処方及び評価結果を表4に示す。
Figure 2007045711
(製法)
A:成分1〜9までを加熱溶解釜に投入し、90〜100℃にて加熱溶解する。B:Aに成分11〜14を加え、ローラーミルにて分散処理を十分に行う。C:Bに10,15,16を加えて再度加熱し、85〜90℃に調整後、脱泡した後、冷却し、スティック状に成型する。
ホワイトスティックについて、実施例9〜10及び比較例15の処方及び評価結果を表5に示す。
Figure 2007045711
A:成分1〜9までを加熱溶解釜に投入し、90〜100℃にて加熱溶解する。B:Aに成分10〜15を加え、85〜90℃に調整後、脱泡して、スティック成型機によりスティック状に成型する。
実施例および比較例の評価については、専門パネラー10名を用いて官能評価による判定を行い、「塗布時のあたりのなめらかさ」、「塗布時ののび」、「べたつき」の3項目について使用感触を評価した。
官能評価の基準としては、各評価項目ともに以下の評価で数値化し、最も該当するところをチェックさせる5段階評価を用い、それぞれの結果の平均点をとって下記の記号で表に表示した。
非常に悪い:1,悪い:2,普通:3,良い:4,非常に良い:5
◎:4.5以上,○:3.5以上、4.5未満,△2.5以上、3.5未満,×:1.5以上、2.5未満,××:1.5未満
成形性の評価については、スティック成形機(株式会社南陽社製)を用いて成形性を評価した。スティック成型機で成型後、20℃の恒温室で24時間保管したものを評価測定用サンプルとする。
成形性の評価基準としては、スティック成型品をレオメーター(不動工業株式会社製)により折れ強度を測定し、それぞれの測定値より変動率を数式1より算出し、下記の記号で表に表示した。
Figure 2007045711
◎:5%未満,○:5%以上、10%未満,△:10%以上、20%未満,×:20%以上、30%未満,××:30%以上
表1〜表5の結果より明らかなように、本発明のスティック化粧料では、「塗布時のあたりのなめらかさ」に優れるだけでなく、「塗布時ののび」や「べたつき」といった塗布瞬間の使用感触や使用時の使用感触、さらにはスティック成形性にも優れる効果を有していることが明らかである。この結果は、本発明のスティック化粧料の優れた効果を証明している。

本発明のスティック化粧料は、塗布瞬間及び使用時の使用感触に優れており、さらには成形性にも優れているため、広く化粧料に応用が期待できる。

Claims (2)

  1. (A)融点が30〜50℃の低融点パラフィンを0.1〜20.0重量%及び(B)融点が60〜120℃のワックス成分を3.0〜50.0重量%含有し、かつ成分(A)と成分(B)の合計が3.1〜50.0重量%であることを特徴とするスティック化粧料。
  2. 成分(B)が、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、ホホバワックス及びカルナバワックスから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載のスティック化粧料。
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