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JP2006508156A - 触媒として白金を用いたテルビナフィンの製造方法 - Google Patents

触媒として白金を用いたテルビナフィンの製造方法 Download PDF

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JP2006508156A
JP2006508156A JP2004556166A JP2004556166A JP2006508156A JP 2006508156 A JP2006508156 A JP 2006508156A JP 2004556166 A JP2004556166 A JP 2004556166A JP 2004556166 A JP2004556166 A JP 2004556166A JP 2006508156 A JP2006508156 A JP 2006508156A
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Abstract

本発明は、式(II):
【化1】
Figure 2006508156

(式中、Xは脱離基である)の化合物またはその塩の、白金触媒の存在下、tert−ブチルアセチレンとの反応からなる、テルビナフィンの製造方法に関する。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、医薬化学の分野に属し、テルビナフィンおよびその医薬的に許容される塩の新規な製造方法に関する。
(背景技術)
テルビナフィン、もしくは(E)−N−(6,6−ジメチル−ヘプタ−2−エン−4−イン−1−イル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミンは、局所用途での抗真菌活性を有する公知の薬物であり、最初にEP 024587に開示された。該化合物の(E)立体異性体が生物活性である。この生成物の関心の観点から、EP 024587に開示される方法より有利なその製造方法の様々な別法が開発されており、特にEP 421302、WO 02/02503およびEP 1236709に開示されている。
EP 421302およびWO 02/02503では、最終合成工程がN−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミンの、有機アミン化合物および触媒量のパラジウム塩およびヨウ化銅(I)の存在下、tert−ブチルアセチレンとの反応からなる方法を開示する。「パラジウム触媒クロスカップリング反応」として知られるカップリング反応に通常用いられるパラジウム化合物は、パラジウム触媒として用いられる。EP 421302およびWO 02/02503に報告されるパラジウム化合物の例は、パラジウム−三級ホスフィン錯体、パラジウム塩と三級ホスフィンとの組合せおよびパラジウム錯体と三級ホスフィンとの組合せを含む。該文書に記載される方法で、好収率でテルビナフィンが得られるが、いくつかの顕著な欠点を有する、例えば、最終生成物にパラジウムおよびパラジウム−ホスホン酸錯体の分解生成物が混入し、これらは煩わしい、高価な精製工程、例えば液体カラムクロマトグラフィで除去しなければならない。
EP 1236709に開示される方法は、銅(I)塩だけの存在下、アルカリの系中N−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミンをtert−ブチルアセチレンで反応して、パラジウム触媒の使用に関係する欠点を克服した。この方法で、触媒の混入がないテルビナフィンが好収率で得られるが、これは長い反応時間が要求され、大スケールでの工業的な製造の要件を適切に満たさない。
結果的に、公知の方法での欠点を克服する、工業スケールでのテルビナフィンの製造の別法の必要性がある。
本発明の発明者は、意外にもテルビナフィンの製造の新規な方法を見出し、この方法は比較的短い反応時間で実施でき、触媒の混入および他の反応副生成物がなく、さらには十分に定量的な収率で改善された立体異性体比(E/Z)で生成物を提供する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(II):
Figure 2006508156
[式中、Xは脱離基である]
の化合物またはその塩を、白金触媒の存在下、tert−ブチルアセチレンと反応させることからなる、テルビナフィンまたはその医薬的に許容される塩の製造方法に関する。脱離基Xは通常の脱離基で、例えばハロゲン原子、特に塩素、臭素もしくはヨウ素、パーフルオロアルキルスルホン酸基、特にパーフルオロオクチルスルホン酸基もしくはパーフルオロブチルスルホン酸基、またはエステル化したヒドロキシ基、例えば−O−メシル基もしくは−O−トシル基である。
式(II)の化合物の塩は、有機酸または無機酸との塩であり、本発明のさらなる目的でもある。式(II)の化合物の塩の例は、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩または安息香酸塩もしくはその誘導体(ここで該フェニル環は、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、ニトロ、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシから独立して選択される1または2個の基で適宜置換される)である。好ましい塩は、N−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミンシュウ酸塩である。
式(II)の化合物もしくはその塩、およびtert−ブチルアセチレンとの間の反応は、有機溶媒中、白金触媒および塩基性試薬の存在下実施される。同じ反応は追加量の銅化合物の存在下実施できる。
上記の白金触媒は、金属白金またはその誘導体であり、例えば、アセチルアセトナト白金、ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金、酸化白金、白金ハライド(例えば、塩化白金、臭化白金およびヨウ化白金)、または酢酸白金で、特に塩化白金または金属白金であり、後者の場合好ましくは不活性な支持体(例えば、炭素、シリカまたはアルミナで、好ましくは炭素)上である。触媒の特に好ましい例は、炭素支持体(例えば、木炭)上の金属白金であり、白金含量は約1%から約10%、好ましくは約5%から約10%である。
銅化合物は、例えば塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅または酸化銅(I)であり、好ましくはヨウ化銅(I)である。
上記の有機溶媒は、プロトン性有機溶媒、例えばメタノールもしくはエタノール;ハロゲン化炭化水素、例えばクロロホルムもしくはジクロロメタン;芳香族炭化水素、例えばベンゼンもしくはトルエン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフランもしくはジオキサン;または非プロトン性有機溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドもしくはアセトニトリルであり得る。
塩基性試薬は有機塩基または無機塩基であり得る。有機塩基の例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ブチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドおよび4−ジメチルアミノピリジンであり、好ましくはピペリジンまたはブチルアミンである。無機塩基の例は、ナトリウムもしくはカリウムの水酸化物塩、炭酸水素塩および炭酸塩である。
上記の有機塩基で、例えばピペリジン、ピリジンまたはトリエチルアミンはそれ自身、大過剰(典型的には、式(II)の化合物またはその塩に対して約3から20当量)に用いられる場合有機溶媒として機能し得る。
tert−ブチルアセチレンおよび式(II)の化合物もしくはその塩との間のカップリング反応は、2つの試薬の化学量論量を用いて、またはtert−ブチルアセチレン過剰で、例えば式(II)の化合物またはその塩に対して約1〜2当量、好ましくは約1.3〜1.6当量のtert−ブチルアセチレンを用いて実施し得る。
白金触媒の量は、式(II)の化合物またはその塩に関して約10%モルまたはそれより低く、典型的には約3%〜10%モル以下である。
銅化合物の量は、好ましくは触媒量であり、そのモル量は白金触媒のモル量の通常2倍である。
上記の反応は、典型的には式(II)の化合物もしくはその塩、白金触媒および塩基性試薬の有機溶媒の分散液中に、適宜上記の銅化合物も加えて、tert−ブチルアセチレンを加えて実施される。上記反応は攪拌しながら、好ましくは不活性な雰囲気下、例えば窒素雰囲気下実施される。有機塩基自身、例えばピペリジンを有機溶媒として用いる場合、tert−ブチルアセチレンを式(II)の化合物もしくはその塩、白金触媒および適宜銅化合物を加えたピペリジンの分散液に加える。反応温度は約0℃から約80℃、好ましくは約20℃から約90℃、より好ましくは約30℃から約80℃の範囲であり得る。反応時間はおよそ約3から10時間、好ましくは4から7時間の範囲である。
反応完了後、テルビナフィンは以下からなる一連のステップを通じて反応混合物から回収される:
a)テルビナフィンが溶解している水および有機溶媒(例えばトルエン)の混合液で、反応混合物を処理し;
b)不活性な支持体上の金属白金触媒を用いた場合は白金触媒を分離し;
c)適当な酸(例えば塩酸)で処理して該混合物を中和し;および
d)テルビナフィンを含んだ有機相を分離し、有機溶媒を蒸発し、非常に好収率でテルビナフィンの粗生成物を得る。
テルビナフィンの医薬的に許容される塩は、例えば塩酸、硫酸、硝酸またはリンゴ酸のような鉱酸または有機酸との付加塩である。テルビナフィンは、公知の方法、例えばEP 1236709で報告されているような方法で、その医薬的に許容される塩に変換され得る。
本発明の方法は意外にも、出発化合物の式(II)の化合物の比よりも高い立体異性体のE/Z比を有したテルビナフィンを提供し、これ故に、E/Z比が95%以下の式(II)の化合物から出発しても、結果的に純粋な(E)体としてテルビナフィンが製造できる。さらに、かかるテルビナフィンの純粋な(E)体は高純度であり、特に触媒残渣および他の副生成物がない。特に、カップリング反応が塩の形体である式(II)の化合物を用いて実施する場合、高純度のテルビナフィンの(E)体は、このステップですでに得られる。とにかく、この場合は、純粋なテルビナフィンの純粋な(E)体の後の単離は、公知の方法、例えばEP 1236709に報告されているような方法に従って実施され得る。
本発明の更なる目的は、純粋なテルビナフィン、すなわち(E)−N−(6,6−ジメチル−ヘプタ−2−エン−4−イン−1−イル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミンまたはその医薬的に許容される塩であり、特に本発明の方法で得られるような塩酸塩で、純粋な(E)体として、触媒残渣がない塩である。
「純粋」とは、99.5%以上の純度を有することを意味する。
「純粋な(E)体」とは、99.5%以上の立体異性体(E)体の純度を有することを意味する。
「触媒残渣がない」とは、1 ppm未満の白金触媒および/または銅化合物の残量であることを意味する。
上述の内容および実験の部で報告された結果から、テルビナフィン製造の新規な方法が、すでにテルビナフィンの粗生成物を産生するステップで、触媒および副生成物の混入がなく、十分に定量的な収率でもあり、非常に良好な立体異性体比(E/Z)であり、特に純粋な(E)体としてのこの生成物を提供することは認められている。
本発明の方法は、反応時間が比較的短く、白金触媒が定量的に容易に除去でき、これにより製造コストが顕著に減らせるので、テルビナフィンの工業的製造に特に適している。さらに、時間を消費し、複雑で、工業的製造にはほとんど適さないことで知られるクロマトグラフィによる精製が、本方法には要求されない。
tert−ブチルアセチレンおよび式(II)の化合物は公知の化合物であり、公知の方法、例えばEP 421303に報告されているように製造できる。式(II)の化合物の塩は、公知の方法、例えば本明細書で報告されているような方法に従い、有機酸または無機酸で、式(II)の化合物を塩形成して得ることができる。
以下の実施例でさらに本発明を説明する。
実施例1 テルビナフィンの製造
冷却器、温度計およびマグネティックスターラーを備えた50mLの3頚丸底フラスコに、窒素雰囲気下室温でN−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミン(10 g、40.69ミリモル)(E/Z=80/20)、50%湿度の10% Pt/C(15.8 g、4.07ミリモル)、CuI(1.54 g、8.14ミリモル)、ピペリジン(55.4 g、651.1ミリモル)を入れる。該混合物を攪拌下30分間内温約80℃に加熱し、次いで約40℃に冷却し、t−ブチルアセチレン(4.68 g、56.96ミリモル)をその中に滴下する。
反応混合物をこの温度で4時間保ち、次いで室温に冷やし、トルエン(80 mL)および水(60 mL)で希釈する。約15分間攪拌を続け、次いで該混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾過母液を37% HCl(61.9 g、610.37ミリモル)で攪拌しながら酸性にする。
分液処理して、トルエン相を50℃で減圧下蒸発させ、テルビナフィン(11.5 g、95% HPLC純度)を含む油状の残渣(12.11 g、97%のモル収率に相当)を得る。生じた生成物は融点193〜194℃(E/Z=85/15)で、構造はH NMRおよびMSスペクトルで一致する。
1HNMR (CDCl3) δ (ppm): 1.23 (s, 9H); 2.60 (d, 3H); 3.72 (m, 2H); 4.65 (m, 2H); 5.85 (d, 1H); 6.34 (m, 1H); 7.52-8.11 (m, 7H).
MS (EI 70 eV) m/e: 291, 276, 234, 196, 150, 141, 115.
実施例2 テルビナフィンの製造
冷却器、温度計およびマグネティックスターラーを備えた50mLの3頚丸底フラスコに、窒素雰囲気下室温でN−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミンシュウ酸塩(2.05 g、6.1ミリモル)(E/Z=80/20)、50%湿度の10% Pt/C(2.38 g、0.7ミリモル)、CuI(0.26 g、1.4ミリモル)、ピペリジン(7.8 g、91.5ミリモル) を入れる。該混合物を攪拌下30分間内温約80℃に加熱し、次いで約40℃に冷却し、t−ブチルアセチレン(1.02 g、12.5ミリモル)をその中に滴下する。
反応混合物をこの温度で4時間保ち、次いで室温に冷やし、トルエン(50 mL)および水(25 mL)で希釈する。約15分間攪拌を続け、次いで該混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾過母液を37% HCl(11.5 g、116.7ミリモル)で攪拌しながら酸性にする。
分液処理して、トルエン相を50℃で減圧下蒸発させ、テルビナフィン(1.70 g、5.86ミリモル、96.5% HPLC純度)を含む油状の残渣(1.76 g、95.6%のモル収率に相当)を得る。生じた生成物は融点193〜195℃(E/Z=88/12)で、構造はH NMRおよびMSスペクトルで一致する。
1HNMR (CDCl3) δ (ppm): 1.22 (s, 9H); 2.61 (d, 3H); 3.72 (m, 2H); 4.65 (m, 2H); 5.87 (d, 1H); 6.34 (m, 1H); 7.52-8.10 (m, 7H).
MS (EI 70 eV) m /e: 291, 276, 234, 196, 150, 141, 115.
実施例3 テルビナフィンの製造
冷却器、温度計およびマグネティックスターラーを備えた100 mLの3頚丸底フラスコに、窒素雰囲気下室温でN−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミン(10 g、40.69ミリモル)(E/Z=80/20)、50%湿度の10% Pt/C(15.8 g、4.07ミリモル)、CuI(1.54 g、8.14ミリモル)、ピリジン(3.24 g、41.0ミリモル)およびトルエン(40 mL)を入れる。該混合物を攪拌下30分間内温約80℃に加熱し、次いで約40℃に冷却し、t−ブチルアセチレン(4.68 g、56.96ミリモル)をその中に滴下する。
反応混合物をこの温度で6時間保ち、次いで室温に冷やし、水(40 mL)で希釈する。約15分間攪拌を続け、次いで該混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾過母液を37% HCl(4.5 g、0.31ミリモル)で攪拌しながら酸性にする。
分液処理して、トルエン相を50℃で減圧下蒸発させ、テルビナフィン(11.3 g、94.9% HPLC純度)を含む油状の残渣(11.9 g、95%のモル収率に相当)を得る。生じた生成物は融点193〜194℃(E/Z=83/17)で、構造はH NMRおよびMSスペクトルで一致する。
1HNMR (CDCl3) δ (ppm): 1.23 (s, 9H); 2.62 (d, 3H); 3.72 (m, 2H); 4.65 (m, 2H); 5.85 (d, 1H); 6.33 (m, 1H); 7.52-8.11 (m, 7H).
MS (EI 70 eV) m/e: 291, 276, 234, 196, 150, 141, 115.
実施例4 テルビナフィンの製造
冷却器、温度計およびマグネティックスターラーを備えた50mLの3頚丸底フラスコに、窒素雰囲気下室温でN−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミン(10 g、40.69ミリモル)(E/Z=80/20)、PtCl(1 g、3.76ミリモル)、CuI(1.54 g、8.14ミリモル)、ピペリジン(55.4 g、650.6ミリモル)を入れる。該混合物を攪拌下30分間内温約80℃に加熱し、次いで約40℃に冷却し、t−ブチルアセチレン(4.68 g、56.96ミリモル)をその中に滴下する。
反応混合物をこの温度で4時間保ち、次いで室温に冷やし、トルエン(40 mL)および水(80 mL)で希釈する。約15分間攪拌を続け、次いで該混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾過母液を37% HCl(56 g、570ミリモル)で攪拌しながら酸性にする。
分液処理して、トルエン相を50℃で減圧下蒸発させ、テルビナフィン(11.5 g、88% HPLC純度)を含む油状の残渣(13.0 g、39.4ミリモル、96.9%のモル収率に相当)を得る。生じた生成物は融点193〜194℃(E/Z=85/15)で、構造はH NMRおよびMSスペクトルで一致する。
1HNMR (CDCl3) δ (ppm): 1.23 (s, 9H); 2.60 (d, 3H); 3.72 (m, 2H); 4.65 (m, 2H); 5.85 (d, 1H); 6.34 (m, 1H); 7.52-8.11 (m, 7H).
MS (EI 70 eV) m/e: 291, 276, 234, 196, 150, 141, 115.
実施例5 N−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミンシュウ酸塩の製造
温度計およびマグネティックスターラーを備えた500 mLの4頚丸底フラスコに、窒素雰囲気下室温でN−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミン(80 g、325ミリモル)(E/Z=80/20)およびメタノール(317 g)を入れる。生じた溶液にシュウ酸(29.3 g、325ミリモル)を加えて、15分間攪拌を続け、次いで沈澱を濾過し、フィルター上で生成物をメタノールで洗浄する。N−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレン−メタンアミンシュウ酸塩(94.0 g、279.9ミリモル)が86%モル収率(E/Z=80/20)で得られる。
1HNMR (DMSO-d6) δ(ppm): 2.33 (s, 3H); 3.44 (d, 2H); 4.23 (s, 2H); 6.18 (m, 1H); 6.57 (d, 1H); 7.45-8.25 (m, 7H).
13CNMR (DMSO-d6) δ(ppm): 163.55; 134.15; 132.56; 131.31; 129.73; 129.22; 128.08; 127.06; 126.68; 126.0; 124.93; 124.11, 57.53; 56.24.
実施例6 テルビナフィンの製造
冷却器、温度計およびマグネティックスターラーを備えた50mLの3頚丸底フラスコに、窒素雰囲気下室温でN−(3−クロロ−2−プロペニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタンアミン(3 g、12.0ミリモル)(E/Z=98/2)、10%Pt/C(約50%湿度)(0.27 g、0.069ミリモル)、CuI(0.027 g、0.14ミリモル)、ピペリジン(3.11 g、36ミリモル)を入れる。該混合物を攪拌下30分間内温約80℃に加熱し、次いで約40℃に冷却し、t−ブチルアセチレン(1.29 g、16ミリモル)をその中に滴下する。
反応混合物を80℃に加熱し、この条件で3時間保ち、次いで室温に冷やし、トルエン(40 mL)および水(80 mL)で希釈する。約15分間攪拌を続け、次いで該混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾過母液を37% HCl(3.1 g、31.6ミリモル)で攪拌しながら酸性にする。
分液処理して、トルエン相を50℃で減圧下蒸発させ、テルビナフィン(3.42 g、99.5% HPLC純度)を含む油状の残渣(3.60 g、11.76ミリモル、98%のモル収率に相当)を得る。生じた生成物は融点193〜194℃(E/Z=99.5:0.5)で、触媒残渣の含量が1ppm未満で、構造はH NMRおよびMSスペクトルで一致する。
1HNMR (CDCl3) δ (ppm): 1.23 (s, 9H); 2.60 (d, 3H); 3.72 (m, 2H); 4.65 (m, 2H); 5.85 (d, 1H); 6.34 (m, 1H); 7.52-8.11 (m, 7H).
MS (EI 70 eV) m/e: 291, 276, 234, 196, 150, 141, 115.
実施例7 テルビナフィン塩酸塩
上記の実施例の1つに従って得られるテルビナフィンは、アセトン中化学量論モル量の37%塩酸で反応される。結晶は純粋なテルビナフィン塩酸塩を種晶として用い、−10℃に冷却して得る。1時間後、該混合物を濾過し、得られた固形物をアセトンで洗浄し、次いで乾燥して、99.9% HPLC純度(E/Z=100:0)であり、触媒残渣の濃度が1ppm未満である、白色の固形物として純粋なテルビナフィン塩酸塩を得る。

Claims (12)

  1. 式(II):
    Figure 2006508156
    [式中、Xは脱離基である]
    の化合物またはその塩を、白金触媒の存在下、tert−ブチルアセチレンと反応させることからなる、テルビナフィンまたはその医薬的に許容される塩の製造方法。
  2. 該白金触媒が、金属白金、アセチルアセトナト白金、ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金、酸化白金、白金ハライドおよび酢酸白金からなる群から選択される、請求項1の方法。
  3. 該反応が、有機溶媒中、塩基性試薬および触媒量の銅化合物の存在下実施される、請求項1または2の方法。
  4. 該銅化合物が、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅または酸化銅(I)である、請求項3の方法。
  5. 該有機溶媒が該塩基性試薬自身である、請求項3の方法。
  6. 該塩基性試薬が有機塩基または無機塩基である、請求項5の方法。
  7. 該反応が、不活性な支持体上の塩化白金または金属白金の存在下;塩基性試薬の存在下、触媒量のヨウ化銅(I)の存在下実施される請求項1の方法。
  8. 該ヨウ化銅(I)のモル量が、該白金触媒のモル量の2倍である請求項7の方法。
  9. 99.5%以上の純度を有する、テルビナフィンまたはその医薬的に許容される塩。
  10. 純粋な(E)体としての、テルビナフィンまたはその医薬的に許容される塩。
  11. 触媒残分がない、テルビナフィンまたはその医薬的に許容される塩。
  12. 有機または無機酸付加塩の形体である、請求項1の式(II)の化合物。

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