本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置、並びに様々な技法、方法、又は工程の手順及び配列の形態をとることができる。参考とする図面は、実施形態を例示することだけが目的であって、必ずしも実寸には従っておらず、本発明を限定するものとして解釈してはならない。
本発明は、以下の説明に以下の添付図面を参照することで、より良く理解されると考える。
本発明は、静止毛及び駆動される可動毛の組み合わせを利用する歯ブラシが著しい洗浄効果につながるという発見に基づいている。可動毛は、好ましくは、駆動される時に往復運動し、最も好ましくは、歯ブラシの長手方向軸線に概ね平行な方向に往復運動する。可動毛は、長手方向軸線に概ね直角な方向に往復運動してもよいことも考慮の内である。往復運動が可動毛キャリアについての好ましいタイプの動作であるが、本発明は、可動毛キャリアについての他のタイプの動作も包含する。本明細書に記述する好ましい実施形態の全てにおいて、様々な可動毛は全て、単一の可動構成要素により駆動又は担持される。これについては、本明細書において更に詳細に説明する。本発明はまた、特に可動及び駆動される毛の組と併せて使用される時の、静止毛についての特定のパターン又は構成の発見に基づいている。更に、往復運動して少なくとも部分的に静止毛の列に包囲される可動毛キャリアを特徴とする本発明の歯ブラシは、大規模製造に特に好適である。すなわち、本明細書で説明する様々な好ましい実施形態の歯ブラシは、その注目すべき単純性及び新規な構造の結果として、製造が比較的低コストである。これら及び他の態様は本明細書にて説明する。
本発明はまた、一体化された首部及びブラシヘッド組み立て体を組み込んだ、電動歯ブラシ用の単一本体又はハウジングについての独特の設計に基づく。一体の本体又はハウジングによって、歯ブラシの組み立てが非常に簡単になり、ブラシに関連する製造コストが低減される。本発明はまた、ユーザーがブラシヘッド用の毛及び/又は要素を選定するのを可能にする、ブラシヘッドについての新規モジュール設計を提供する。この新規モジュール設計は、1つ以上の静止キャリア及び1つ以上の可動キャリアを、歯ブラシの首部の遠位端部から延びる受け入れ部材と係合させることにより達成可能である。キャリアとは、受け入れ部材と係合し、並びに口腔組織及び/又は歯と相互作用する構造又は組成物を含むことができる、板のような要素である。複数の静止及び/若しくは可動キャリアは、毛キャリア、ブラシヘッド先端部キャリア、エラストマー要素キャリア、口腔ケア組成物キャリア、並びに歯科工具キャリア、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。複数の静止及び/又は可動キャリアは、キャリアが歯ブラシの受け入れ部材と係合することができる限り、多数の形状及び大きさとすることができる。一実施形態では、静止キャリアは静止毛キャリアとすることができ、及び/又は可動キャリアは可動毛キャリアとすることができる。複数のキャリアは、ブラシヘッド先端部とすることができる。ブラシヘッド先端部キャリアは、歯ブラシヘッドの最遠位部分上に位置することができる。これらのブラシヘッド先端部は、ブラシヘッドの比較的大きな部分を構成することができる。本発明のある実施形態は、ブラシヘッド上に配置されたこれらの前述のエラストマー要素又は可撓性の外向きに延びる部材を含む。歯ブラシヘッドの静止キャリア及び移動キャリアはまた、毛と共にエラストマー要素を含むことができる。静止部分及び移動部分それぞれは、歯磨き中にユーザーの歯肉を穏やかにマッサージするために使用される毛とエラストマー要素とを含むことができる。エラストマー要素は、ブラシヘッドの静止及び移動部分の周辺部に又は静止及び移動部分上の毛に混さって位置することができ、並びに、またゴムを含むもこれには限定されないいかなるエラストマー材からも形成することができる。エラストマー要素として、これらに限定されることはないが、米国特許第5,987,688号、及び第5,735,011号にて説明されるものが挙げられ、これらを参考として本明細書に組み込む。キャリアによって支持され及び/又は搬送される歯科工具には、歯肉マッサージ具、削り工具、洗浄工具、フロシング工具、磨きカップ、ゴム楊枝、及びアプリケータ類が含まれるが、これらに限定されない。例えば、白色化剤を歯に適用するように特に設計された要素及び/又は工具を使用することができる。磨きカップの例には、これに限定されないが、米国特許第5,930,860号にて説明されるものが挙げられ、これを参考として本明細書に組み込む。更に、米国特許第5,926,897号にて説明されているような歯肉及び歯間を刺激する毛配置を使用することができ、参考として本明細書に組み込む。口腔ケア組成物には、歯又は口腔組織のケア若しくは治療のためのキャリアの上/中に配置される又はキャリアによって運ばれる組成物、並びに/又は歯及び口腔組織の治療及び/若しくはケアを促進するキャリアの上/中に配置される他の組成物が挙げられるが、これらに限定されない。口腔ケア組成物の例として、歯石制御組成物、歯白色化組成物、研磨材、フッ化物、及び香味料などの口腔刺激組成物が挙げられるが、これらに限定されない。口腔ケア組成物キャリアの例には、これらに限定されないが、米国特許第5,851,551号、PCT国際公開特許WO09413870A1、WO9804167A1にて開示される組成物が挙げられ、参考として本明細書に組み込む。
本発明の歯ブラシの様々な実施例を説明する前に、可動毛が受け得る様々なタイプの運動を定義することが参考になる。本明細書で使用する用語「角運動」は、任意の角度変位を指す。「直線運動」は、直線又は実質的に直線の線又は方向に沿う動作を指す。「主に直線運動」は、以下で説明する。「曲線運動」は、完全に直線状でも完全に角度を成すでもなく、その2つの組み合わせ(例えば、曲線状)の動作である。これらの運動は、一定にも又は周期的にもすることができる。一定運動は、方向又は経路を変化させない(すなわち、単一方向の)運動を指す。周期運動は、方向又は経路を逆転させる運動を指す。実質的に円の形体である一定の角運動(すなわち、360度以上を通じて延びる運動)は、回転運動と呼ばれる。周期角運動は、360度未満を通じて延びる運動であり、揺動運動と呼ばれる。曲線運動もまた、一定(すなわち単一方向)又は周期(すなわち方向逆転)のいずれかにすることができる。周期直線運動は、「往復運動」と呼ばれる。上述した運動は、毛キャリアの1つ以上の軸線に沿っても起こり得る。
更に、「静止」毛及び「可動」毛という用語を定義することも有用である。静止毛という用語は、ブラシヘッド又は歯ブラシ本体又はその他の構成要素に固定又は静止され、その結果、毛、特に毛の根元が使用中に歯ブラシに関して移動しない毛を指す。言い換えると、静止毛は、その根元又は取り付け点が歯ブラシに関して移動しないように歯ブラシに固定された毛を指し、及び作動可能に駆動シャフトに連結されていない。静止毛は、静止キャリアに固着することができる。これらの静止毛キャリアの1つ以上は、次に、歯ブラシの受け入れ部材と係合して、歯ブラシヘッドを形成することができる。これらのキャリア及びその上に配置された毛は静止しているにもかかわらず、毛の端部又は毛若しくは毛の群の根元から遠位にある領域は、毛の撓みの結果として移動できるが、静止毛の根元は歯ブラシに関して移動しないことがわかる。更に、その上に毛を配置することができる静止キャリアは、歯ブラシから滑らせて解放することができる。したがって、ユーザーは、必要に応じて静止キャリアを取替える及び/又は交換することができる。毛のいかなる動作も、駆動シャフトへの作動可能な連結の結果として動く可動毛とは反対に、駆動シャフト及び/又はモータへの作動可能な連結の結果によるものではない。
可動毛という用語は、毛の根元が歯ブラシに関して、好ましくはブラシの長手方向軸線に関して移動する毛を指す。一般に、この構成は、ブラシに関して移動可能なキャリアなどの取り付け構成要素に、毛の根元を固着又は支持することによって達成される。1つ以上の可動毛キャリアは、次に、歯ブラシの受け入れ部材と係合して、歯ブラシヘッドの形成を完成させることができる。言い換えれば、可動毛は、移動可能な、好ましくは、駆動シャフトとの作動可能な連結の結果として、ブラシの長手方向軸線に関して摺動して移動する毛である。
本発明の歯ブラシの新規モジュール設計は、ブラシヘッドの独特の構造により達成することができる。本明細書で使用する「歯ブラシヘッド」という句は、1つ以上の静止キャリアと、1つ以上の可動キャリアと、受け入れ部材とを含む。1つ以上の静止キャリア及び1つ以上の可動キャリアは、受け入れ部材を介して歯ブラシと係合する。受け入れ部材は、歯ブラシの首部の遠位端部に位置し、キャリアを保持する。受け入れ部材は、毛を備えることも、備えないこともできる。
いずれの場合においても、歯ブラシヘッドは、1つ以上の静止キャリア及び1つ以上の可動キャリアの、受け入れ部材に対する摺動係合により、形成することができる。一実施形態では、静止キャリアは、受け入れ部材と係合し、可動キャリアを実質的に包囲することができる。別の実施形態では、複数の静止キャリアが、受け入れ部材と係合して、その結果、複数が係合する時に、静止キャリアが可動キャリアを実質的に包囲できる。本発明のモジュール設計の実施形態は、1つ以上の静止キャリア及び1つ以上の可動キャリアが毛を含む歯ブラシを含む。1つ以上の静止毛キャリア及び1つ以上の可動毛キャリアは、独立に、歯ブラシの首部の遠位端部に位置する受け入れ部材と摺動的に係合する。この受け入れ部材は、1つ以上の静止毛キャリア及び1つ以上の可動毛キャリアに対して支持を提供することができる。更に、他のキャリアが、歯ブラシの受け入れ部材と係合可能であり、それらには、歯科工具キャリア、エラストマー要素キャリア、口腔ケア組成物キャリア、及び/又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
図1を参照すると、本発明による好ましい実施形態の歯ブラシ10が示される。歯ブラシ10は、本体30、ヘッド20、及び本体30とヘッド20との間を延びる首部40を含む。ヘッド20は、最遠位端部22を画定する。ヘッド20及び首部40は通常、図1で軸線Lとして示す長手方向軸線に沿って延びる。ヘッド20に沿って配置されているのは、複数の静止毛60と、本明細書で説明するように可能な、内側に配置された毛50の集合である。可動毛50は、可動毛キャリアの上に支持されて、これにより保持される。可動毛キャリアは、上記のように種々多様な運動を受けることができる。
図2〜5及び13は、本発明による静止毛及び可動毛の配置の様々な構成を示す。図2は、図1に示した歯ブラシ10及びそのヘッド20の詳細図である。図2で見られるように、静止毛60は通常、可動毛50の集合の回り全体に広がる。可動毛50は、可動毛キャリア52の上に配置され、位置付けられる。毛キャリア52は、好ましくは、図2において位置A及び位置Bとして示される2つの位置の間を移動可能である。好ましくは、毛キャリア52は、毛キャリア52がブラシヘッド20の最遠位端部22付近の位置Aと、図2で破線により示される位置Bとの間を、前後に移動することができる。最も好ましくは、位置AとBとの間を往復運動する時の毛キャリア52の移動方向は、図1において軸線Lとして記す、ヘッド20及び首部(図2には示さず)の長手方向軸線に実質的に平行である。
図3は、本発明による歯ブラシ100のブラシヘッド120に沿う、毛の別の配置を示す。この実施形態では、複数の静止毛160が、可動毛150の集合の周辺又は周囲のほぼ回りに広がる。可動毛150は、可動毛キャリア152に沿って支持及び保持される。可動毛キャリア152は、図3に示す2つの位置AとBとの間を移動可能である。この好ましい構成では、ブラシヘッド120に沿う領域125は、静止毛又は可動毛のいずれの毛も含まない。図2に関して先に説明したように、毛キャリア152、したがって可動毛150は、好ましくは、位置AとBとの間を往復運動することができる。図3からわかるように、位置Aは、ブラシヘッド120の最遠位端部122に近い。
図4は、本発明による歯ブラシ200の歯ブラシヘッド220の別の実施形態を示す。この実施形態では、静止毛260の集合が、可動毛250の集合の回りでブラシヘッド220の対向する領域に位置する。可動毛250は、可動毛キャリア252に沿って支持及び保持される。可動毛キャリア252は、図4に示す位置Aと位置Bとの間を移動可能である。毛を含まない2つの領域が、静止毛260の集合の間に画定されていることがわかる。これらの領域は、図4において領域227、229として表わされる。図2に関して先に記したように、毛キャリア252、したがって可動毛250は、好ましくは、位置AとBとの間を往復運動することができる。位置Aは、ブラシヘッド220の最遠位端部222に近い。
図5は、更に別の好ましい実施形態である、本発明による歯ブラシ300の歯ブラシヘッド320を示す。この実施形態では、静止毛360の集合が、可動毛キャリア352上に支持及び保持される可動毛350の集合の回りを部分的にだけ広がる。可動毛キャリア352は、図5において位置A及びBとして示される2つの位置の間を移動可能である。領域329、327、325が、可動毛350の集合の周辺回りに画定されていることがわかる。これらの領域は、いずれの毛も、特に静止毛360を含まない。図2に関して先に記したように、毛キャリア352、したがって可動毛350は、好ましくは、位置AとBとの間を往復運動することができる。位置Aは、ブラシヘッド320の最遠位端部322に近い。
図13は、本発明による歯ブラシ900の歯ブラシヘッド920の別の実施形態を示す。この実施形態では、静止毛960の集合が、可動毛950の集合の回りでブラシヘッド220の対向する領域に位置する。具体的には、静止毛960は、ブラシヘッド920の側辺に沿って位置する。領域925及び927が、静止毛の群の間に、好ましくは図13に示されるように、画定される。可動毛950は、可動毛キャリア952に沿って支持及び保持される。可動毛キャリア952は、図13に示す位置Aと位置Bとの間を移動可能である。図2に関して先に記したように、毛キャリア952、したがって可動毛950は、好ましくは、位置AとBとの間を往復運動することができる。位置Aは、ブラシヘッド920の最遠位端部922に近い。
毛の好ましい構成が、ブラシヘッドの概ね中間領域又は内側に位置する可動毛に基づくこと、及び静止毛が、中間に配置された可動毛を少なくとも部分的に包囲することがわかる。このことについては、本明細書で更に詳細に説明する。
特定の用途の場合、静止毛は、可動毛の集合の周囲又は周辺の100%を包囲することが好ましい。別の用途においては、静止毛は、可動毛の周囲の約75%〜約100%を包囲、又はそれに沿って広がることが好ましい。更に別の用途では、静止毛は、可動毛の周囲の約50%〜約75%に沿って広がることが好ましい。更に別の用途では、静止毛は、可動毛の周囲の約25%〜約50%に沿って広がることが好ましい。また、他の用途では、静止毛は、可動毛の周囲の25%未満に広がるのが好ましいことがある。記述したように、静止毛は、可動毛の集合の外側周辺の少なくとも一部に沿って広がることが好ましい。特定の実施形態の場合は、静止毛が、可動毛の組の周辺周りを連続的に広がる必要はない。すなわち、本発明は、静止毛が可動毛の集合の外側周辺に沿って又はその周りを断続的に広がる毛構成を包含する。
「完全に取り囲んでいる(又は取り囲む)」、「実質的に取り囲んでいる(又は取り囲む)」、「部分的に取り囲んでいる(又は取り囲む)」、及び「部分的に包囲している(又は取り囲む)」という用語は、本明細書において、静止毛の特定の構成及び可動毛に関する相対位置を指すために使用される。「完全に取り囲んでいる」という用語は、静止毛が可動毛の周囲を完全に取り囲む、又は回り全体に位置する構成を指す。静止毛が可動毛の周囲又はその一部に沿って取り囲む又は広がると記述される時には、微小又は比較的小さい空間が個々の毛又は毛の群の間に存在してもよいことが理解されるであろう。これらの空間は、典型的な毛の1〜10の直径分程度だけである。「実質的に取り囲んでいる」という用語は、静止毛が可動毛の周囲の少なくとも80%に沿って広がる構成を指す。具体的には、実質的に取り囲むというのには、静止毛が可動毛の周囲の80%以上、90%以上、又は95%以上に沿って広がる構成が含まれる。「部分的に取り囲んでいる」という用語は、静止毛が可動毛の周囲の一部に沿って広がる、好ましくは周囲に沿う距離の80%未満の部分に沿って広がる構成を指す。「部分的に包囲している」という用語は、静止毛が可動毛を部分的に包囲し、完全に又は全体的に包囲していない構成を指す。
記述したように、可動毛キャリアは、種々多様な運動を受けることができる。例えば、可動毛キャリアは、角運動、直線運動、又は曲線運動を受けることができる。毛キャリアの動作は、一定でも、周期的でもよい。一般に、可動毛キャリアの好ましい運動は周期的直線運動、すなわち往復運動である。
可動毛キャリアは、様々な形体及び形状にすることができる。可動毛キャリアの好ましい形状は、図2〜5などの参考図に概ね示すような楕円形である。可動毛キャリアは、形状が細長い、より好ましくは楕円形、及び最も好ましくは幅に対する長さの寸法の特定の範囲の比による比率を有するのが、一般的に好ましい。最も好ましくは、可動毛キャリアは、楕円形の形状であって、長さ(楕円形の長軸に沿って測定)対幅(楕円形の短軸に沿って測定)が約4:1〜約1.2:1である。可動毛キャリアの幅(これも、その楕円形の短軸に沿って測定する)は、ブラシヘッドに沿ったその場所の、ブラシヘッドの幅に近づく。毛キャリアが楕円形であって、毛キャリアが往復運動様式で動く本発明の実施形態の場合、キャリアは、楕円形の長軸に概ね平行に動作が起きるように向けられる。好ましくは、可動毛キャリアの幅は、ブラシヘッドの幅の約50%〜約90%、最も好ましくは約60%〜約80%である。
図6を参照して、歯ブラシ400用のヘッド420の別の好ましい実施形態をここで説明する。ヘッド420は、ヘッド420に沿って画定された溝の中に摺動的に取り付けられた内側毛キャリア452を含む。内側毛キャリア452は、複数の可動毛450を支持及び保持する。内側毛キャリア452は、ヘッド420の長手方向軸線と同一の一般長手方向に往復運動するように駆動される。内側毛キャリア452及び毛450は、好ましくは、図6に破線で示される静止毛の列によって少なくとも部分的に包囲される。歯ブラシ400は、電動モータ(図示せず)及び駆動機構を含み、その駆動シャフトは、図6でシャフト460として示される。シャフト460と係合するカム470が、シャフト460を内側毛キャリア452と作動可能に相互連結させる。任意に、シャフト460は、シャフト支持体465により支持されることができる。シャフト支持体465は、シャフト460を受け入れるC形又はU形部分(図示せず)を含むことができる。シャフト460を支持体に保持する他の手段は、当技術分野で既知である。カム470は、シャフト460の上に置かれ又は成型されてこれに確実に固定されている、適切な偏心形状を有する形作られた要素又はビードを含むことができる。一実施形態では、カム470は、同一方向に同一の傾き角度で傾いているがカム470の対向する端部に配置された、一対の鋭角を成す表面472、473を有する円筒形状である。言い換えれば、角度を成す表面472、473は、カム470の円筒を通して斜めに切り進まれた結果生じた表面である。傾きの方向及び傾きの角度は、内側毛キャリア452の振動数及びストロークを変化させる要求に応じて、変えることができる。毛キャリア452の下側453に固定された又はこれから延びる、第一及び第二のカム従動子454、456が設けられる。カム従動子454、456は、オフセットする又は互いから間隔をおき、カム470がカム従動子454、456の間に配置されて、これらがカム470を跨ぐ及び/又は捕捉するようになっている。カム470の角度を成す表面472、473は、カム従動子454、456の自由端部と摺動的に係合する。シャフト460が回転すると、カム470の第一の鋭角を成す表面472が、第一のカム従動子454の表面と接触して、カム従動子、したがって内側毛キャリア452を端部422から離して、ヘッド420の長手方向軸線とほぼ同一方向へ駆動させる。内側毛キャリア452は、長手方向に延びる溝により案内される。シャフト460が引き続いて回転すると、カム470は、第一のカム従動子454から係合解除する。カム470の第二の鋭角を成す第二の表面473が、次に、第二のカム従動子456の表面と接触し、第二のカム従動子456、したがって内側毛キャリア452を駆動して、ヘッド420の端部422に向かって戻す。
図7及び8を参照して、電動歯ブラシ500と共に使用するのに好適な歯ブラシヘッド520の別の実施形態をここで説明する。ヘッド520は、ヘッド520内に画定された溝(図示せず)の中に摺動的に取り付けられた内側毛キャリア552を含む。内側毛キャリア552は、複数の毛550を支持及び保持する。内側毛キャリア552は、ヘッド520の長手方向軸線と同一の一般長手方向に往復運動するように駆動される。歯ブラシ500は、モータ(図示せず)と、回転する駆動シャフト560を含む駆動機構とを含む。ヘッド520は、首部540から延びて、最遠位端部522を有する。シャフト560上に含まれるカム570が、シャフト560を内側毛キャリア552と作動可能に相互連結させる。任意に、シャフト560は、シャフト支持体565により支持されることができる。シャフト支持体565は、シャフト560を受け入れるC形又はU形部分(図示せず)を含むことができる。シャフト560を支持体に保持する他の手段は、当技術分野で既知である。カム570は、シャフト560内の複数の曲り部572、573の形態で設けられる。曲り部は、それぞれが1つ以上の隣接する弧状部分を有するという点で、本質的に正弦状又は曲線状である。それぞれの曲り部は頂点を有し、頂点はシャフト560の対向する側上に配置される。半球状のカム従動子554は、内側毛キャリア552の底表面553に属し、カム570の頂点の間に配置される。シャフト560が回転すると、カム570の表面576が、カム従動子554の第一の表面555と接触して、カム従動子554、したがって内側毛キャリア552を、端部522から離して、ヘッド520の長手方向軸線とほぼ同一の長手方向へ駆動させる。シャフト560が引き続いて回転すると、カム表面576は、第一のカム従動子表面555から係合解除する。図8に示すように、カム表面576は、次に、カム従動子554の第二の表面556と接触し、カム従動子554、したがって内側毛キャリア552を駆動させて、端部522に向かって戻す。毛キャリア552の運動は、頂点572、573の間の間隔、及び/又は頂点572、573の振幅、形状、若しくは高さ、カム表面576の長さ及び傾き、並びにカム従動子554の表面555、556の傾きを変えることにより、変化させることができる。
図9を参照して、電動歯ブラシ600用の歯ブラシヘッド620の別の実施形態をここで説明する。ヘッド620は、ヘッド620内に画定された溝(図示せず)の中に摺動的に取り付けられた内側毛キャリア652を含む。ヘッド620は、遠位端部622を含む。内側毛キャリア652は、複数の毛650を支持及び保持する。内側毛キャリア652は、ヘッド620の長手方向軸線と同一の一般長手方向で往復運動するように駆動される。歯ブラシ600は、モータ(図示せず)と、回転する駆動シャフト660を含む駆動機構とを含む。シャフト660上に含まれるカム670が、シャフト660を内側毛キャリア652と作動可能に相互連結させる。任意に、シャフト660は、シャフト支持体665により支持されることができる。シャフト支持体665は、シャフト660を受け入れるC形又はU形部分(図示せず)を含むことができる。シャフト660を支持体に保持する他の手段は、当技術分野で既知である。カム670は、シャフト660の上に置かれ又は成型されてこれに確実に固定された、円筒形状構成要素674の形態で設けられる。
図10に示すように、カム670は、円筒形状構成要素674の外側表面に沿って画定された、渦巻き又は螺旋状の溝672を含む。渦巻き又は螺旋状の溝672は、好ましくは構成要素674の円周回りを延びて、例えばシャフト660の長手方向軸線と一致していてもよい、構成要素674の長手方向軸線の周りで渦を巻く。カム670により(図9及び10に示される)カム従動子654に付与される運動のストローク及び振動数は、溝672の形状及び寸法を変えて変化させることができる。例えば、構成要素674内に画定された溝672が、シャフト660の1回転に対して内側毛キャリア652の完全な1ストローク(すなわち、ヘッド622の端部から離れてこれに向かって戻る1周期)を提供する。
図11は、数字の8の形態で提供される螺旋溝772を有する代替カム770を示す。これにより、シャフト760の1回転に対して1/2ストローク(すなわち、ブラシヘッド端部に向かう又はこれから遠ざかるいずれかの並進)だけが提供される。カム従動子754が、溝772内に配置されて、可動毛キャリアに対して係合する。
図9及び10に戻ると、カム従動子654は、内側毛キャリア652の底表面653に属する。カム従動子654は、溝672内で摺動するように受け入れられる。シャフト660が回転すると、渦巻き溝672のその側壁などの第一の表面675は、カム従動子654の第一の表面と接触し、カム従動子654、したがって内側毛キャリア652を、ブラシヘッド620の端部622から離して、ヘッド620の長手方向軸線と概ね同一の長手方向へ駆動させる。シャフト660が引き続いて回転すると、カム従動子654が渦巻き溝672の頂点に到達し、渦巻き溝672の第一の表面675は、カム従動子654との係合を解く。次に、溝672の対向する側壁などの溝672の第二の表面676が、カム従動子654と接触し、カム従動子674、したがって内側毛キャリア652を駆動させて、ブラシヘッド620の端部622へ向かって戻す。
本明細書で説明する様々な往復運動をする毛キャリアは、回転するシャフトを提供する駆動機構も利用することができる。更に、他のモータ及び往復運動又は回転するシャフト配置で置き換えられ得ることがわかる。例えば、米国特許第5,226,206号、第5,524,312号、第5,383,242号、第5,465,444号、第5,504,959号、第5,836,030号、第4,845,795号、第5,404,608号、第5,359,747号、及び第5,617,601号は、好適であり得る他のモータ及び往復運動シャフト配置を開示しており、それらの要旨を参考として本明細書に組み込む。更に、図9の電動歯ブラシは、取替え可能なヘッドを提供することができる。本発明に適合可能である好適な配置が、米国特許出願09/850,662(2001年5月7日出願)に開示されており、その要旨を参考として本明細書に組み込む。同様に、米国特許出願10/114,780(2002年4月3日出願)及び10/128,018(2002年4月22日出願)に開示される駆動機構を、本発明と組み合わせて使用することも考えられており、両方とも参考として本明細書に組み込む。
往復運動する駆動シャフトを使用する、別の好ましい実施形態の歯ブラシを図12に示す。図12は、歯ブラシヘッド820と本体又はハンドル830とそれらの間を延びる細長い首部840とを含む、電動歯ブラシ800を示す。モータから内側毛キャリア852へ運動を伝達する様々なシャフト及び歯車を含む動力伝達は、米国特許第6,178,579号に記載されるものと類似しており、その要旨を参考として本明細書に組み込む。ハンドル830は中空であり、モータ802とモータへ給電する電池(図示せず)とを含む。本発明の一実施形態では、歯ブラシは、1つの電池の電源を含む。本発明の別の実施形態では、歯ブラシは、2つの電池の電源を含む。再充電可能な電源が、電池に代わることができる。電池は、導線、金属細長片、直接接触、及び/又はこれらの任意の組み合わせを介して、モータに接続させることができる。ヘッド820は、それを通って延びる長手方向軸線を有する。その長手方向軸線は、シャフト860の長手方向軸線と同一の一般長手方向に延びる。内側毛キャリア852は、ヘッド820に沿って配置されており、端部822がヘッド820の最遠位点に位置する。内側毛キャリア852は、楕円の形状が好ましいが、他の形状も使用可能である。更に、内側毛キャリア852は、ヘッド820の端部822に近接して配置されているが、キャリア852が端部822から離れて配置できること、及び静止毛などの他の機構が内側毛キャリア852の周囲の少なくとも一部の回りに配置できることが認識される。この実施形態においては、内側毛キャリア852は、往復運動だけであって揺動することはなく、又は他のいかなる回転若しくは揺動運動も行わない。
第一の歯車804が、モータ802に作動可能に連結されて、これにより駆動される。第二の歯車806が、第一の歯車804に作動可能に連結される。第二の歯車806の回転軸線は、第一の歯車804の歯が第二の歯車806の歯と噛み合うように、第一の歯車804の回転軸線にほぼ垂直であり、したがって、第一の歯車804が回転する時に、第二の歯車806を回転させる。
第一のアーム808は、ピン810又は他の締結具を介して、第二の歯車806に偏心して旋回可能に連結される。偏心連結のために、第二の歯車806の回転運動は、第一のアーム808の往復運動に変換される。第二のアーム812は、ピン814又は他の締結具を介して、第一のアーム808に旋回可能に連結される。シャフト860が、圧入などにより、第二のアーム812に固定される。シャフト860は、少なくとも部分的に首部840に内蔵される。シャフト860はまた、第三のアーム816と係合する。第三のアーム816は、その終末端部で、ピン818又は他の締結具を介して、内側毛キャリア852に連結される。第三のアーム816の終末端部は、内側毛キャリア852の外側周辺部に隣接してピン留めされるように、シャフト860の長手方向軸線からオフセットしている。このオフセット配置によって、第三のアーム816の往復運動が内側毛キャリア852の往復運動に変換され、内側毛キャリア852は、シャフト860の長手方向軸線にほぼ平行な軸線に関して往復運動する。
本発明の様々なブラシヘッド実施形態は、簡単化のために、毛の房又は群が延び出すヘッドの長手方向軸線に実質的に垂直の方向に延びる毛の房又は群と共に例示したが、毛は、異なる配置にして、静止毛又は可動毛の運動を補完する又は更に強化してもよいと考えられている。毛の一部又は全部は、毛キャリアの頂部表面と鋭角を形成する方向に延びてもよく、また前方向又は後ろ方向に延びてもよい。別の実施形態では、毛の一部は、ヘッドから離れて外向きに、やはり毛キャリアの頂部表面に関して鋭角を形成する別の方向に延びてもよい。米国特許意匠第330,286号及び意匠第434,563号に記載されているような、エラストマー要素若しくはマッサージ用毛、又は様々な高さの毛を使用してもよく、その要旨を参考として本明細書に組み込む。使用するのに好適な他の好ましい毛配置には、米国特許第6,006,394号、第4,081,876号、第5,046,213号、第5,335,389号、第5,392,483号、第5,446,940号、第4,894,880号、及びPCT国際公開特許WO99/23910に全部又は一部として記載される配置が挙げられ、その要旨を参考として本明細書に組み込む。
本発明の電動歯ブラシは、毛又はエラストマー先端部のタイプ、寸法、組み合わせ、角度、及び配置のいかなる組み合わせでも提供されることができる。毛の房は、高さが交互であってもよい。「房」とは、本明細書において、共通点においてブラシに締結された1つ以上の毛の組を意味する。一実施形態では、複数の高い房と複数のより低い房が、ブラシヘッドに沿って配置される。高い房とより低い房との長さの差は、一実施形態では約0.5mm〜約2.5mm、別の実施形態では約1mm〜約2mmである。毛の高い房と低い房は、異なる特性を備えることができる。例えば、高い毛の房は、ユーザーの歯肉を優しく洗浄及びマッサージするために比較的柔軟にし、一方、より短い毛の房は、歯間の洗浄のためにややより固くすることができる(又はその逆)。この配置によって、より短い(且つ通常はより固い)毛が、ユーザーの歯及び歯肉に接触する前に、より長い(且つ通常はより柔軟な)毛が、ユーザーの歯肉に対して押し付けられ、曲がって、撓むことが可能になる。したがって、例えば、柔軟な毛が、より大きな力で当てられ、一方、より固い(且つおそらくは快適さがより少ない)毛が、より小さな力で当てられることが可能になる。
特に好ましい実施形態において、本発明が提供する毛構成では、可動毛すなわち可動毛キャリアにより支持されこれに固定された毛は、可動毛キャリア及びこれに固定された可動毛を少なくとも部分的に取り囲む又はそれに沿って広がる、静止毛の長さよりも短い全長を有する。この好ましい毛構成の更なる変形形態は、可動毛の遠位端部が、ヘッドの外側表面から延びている、より長い静止毛とほぼ同じ高さになるように、ヘッドの外側表面より上に僅かに隆起された可動毛キャリアを特徴とする。一般に、比較的短い長さの可動毛を使用することによって、(往復運動を受ける時の)可動毛キャリアの距離又はストロークが、より長い毛を使用する場合より短くなる。より短いストロークは、一般に、必要動力の低減につながる。このことは、次に電池需要を減少させ、これが得られた歯ブラシの製造可能性及び販売可能性を更に促進することができるので、有益である。その上、比較的短い長さの毛を可動毛に、及びより長い毛を静止毛に使用すると、ブラッシング負荷のより大きな割合が、静止毛によって担われる。これが、一般に、歯ブラシのモータ及び駆動機構への動力需要を更に減少させる。
毛の剛性もまた、ブラッシング効果、本明細書で説明する好ましい歯ブラシの動力要求、及び歯ブラシの全体的性能に影響を及ぼすことがわかったパラメータである。このパラメータは、毛の長さ又は高さに関して考慮するのに特に重要である。例えば、ある用途の場合、ブラシヘッド構成要素の移動量を減少させるために、比較的固い及び短い毛を可動ブラシヘッド構成要素上で使用することが好ましい。
毛は、集合的に、次の式により数値的に特徴付けることができる毛剛性を有する。
式中;
D=毛の直径(インチ)
E=湿潤時の毛材料の弾性係数
例えば、ナイロンの場合、これは定数3,171,588kPa(460,000psi)である。
X=ブラシヘッドの端から端までの毛の平均長さ(インチ)
N=ブラシヘッド上の毛の総本数
本発明のブラシ用の毛の剛性は、上式で決定すると、約0.2〜約0.8の範囲であるのが好ましい。しかしながら、本発明の電動歯ブラシは、この好ましい範囲外の剛性値を有する毛を使用してもよい。
個々の毛についての最初の剛性計算
は、歯ブラシの剛性(The Stiffness of Toothbrushes)、D.W.マクファーレン(D.W.MacFarlane)、ブリティッシュデンタルジャーナル(Brit.Dent.Jour.)、1945年10月5日によれば、単一の毛を撓ませるのに必要な最小の力により作り出される圧力の度合いであり、これは参考として本明細書に組み込まれる。毛の剛性は、この単一の毛の剛性値にブラシヘッド上の毛の総数を乗算することにより得られる。前式の分母で使用された因数1×10
6は、比較を容易にするために全体的毛剛性値を合理的に小さな数に縮小する、任意に選定された定数である。毛剛性の詳細説明は、米国特許第5,511,275号に提示されており、これを参考として本明細書に組み込む。
毛の本数を増加することによって一般に剛性を増大し得ることは、先に記した式で見ることができる。この式を毛の個々の房に適用すると、毛の個々の房の剛性は、その房の中の毛の数、すなわち房密度を増加又は減少させることにより調整可能であることが示唆される。この技法を使用して、独特及び選択的に調整したブラッシング特性を有する、ブラシヘッドの毛構成を容易に提供することができる。
本明細書で説明する歯ブラシの好ましい実施形態の別の態様は、毛又は房の密度、並びに特に毛のサイズ及び材料と組み合わされた密度に関係する。本明細書で使用する毛は、当技術分野で周知のどの材料からでも作ることができる。本明細書で好適な毛の材料には、デュポン(Dupont)タイネックス(Tynex()612及びSTPからのスタイロン(Stylon()612などの、ポリエステル及びナイロンが挙げられる。好適なタイプのナイロンとして、ナイロン6/6、ナイロン10/10、ナイロン12/12などが挙げられるが、これらに限定されない。毛は、円形断面であるのが好ましいが、他の断面も使用することができ、それには方形断面、六角形断面、及び3室断面などが挙げられるが、これらに限定されない。更に、毛の直径及び長さは、当業者には既知の普通の寸法内で変化させることができる。好ましい実施形態では、毛は、円形断面であって、直径が0.1〜0.25mm、長さが7〜15mm、好ましくは9〜12mmであり、それぞれの房は約10〜約50本の毛を含む。本発明のブラシヘッド部分の毛の総本数は、好ましくは約1,200本〜約5,000本、より好ましくは約1,600本〜約3,500本である。そのような実施形態では、それぞれの房は、一般に、直径約1〜約2mmの円である。異なる直径又は径間を有する毛及び/又は毛房をブラシヘッド上で共に使用することも考慮の内である。
毛房のブラシヘッドへの締結は、融着、ステープル留め、及び射出成形などの、当技術分野で既知の方法のいずれかを使用して実施することができる。本明細書で好ましいプロセスは、ステープル留め及び融着である。それぞれの房は、根元及び自由端部を有し、房の自由端部が、歯を洗浄するのに使用される作業面を形成する。本明細書で使用する房の「根元」は、ブラシヘッド又は可動毛キャリアの面と接する房の部分である。房の一部は、房をヘッド又はキャリアへしっかりと固定するために、根元の下へ延びてブラシヘッド又はキャリアの中へ入ることが理解されよう。ヘッドは、房のその部分をこの方法で収容するための事前成型した房穴を含むのが好ましい。房穴は、正方形及び長方形を含むいかなる断面にすることもできるが、円形が好ましい。それらの深さ及び直径は、その中に挿入される房に適するように当業者により選定される。共通の房穴に挿入される毛は、共通点で締結されて、同一房の一部になっていると考えられる。
ブラシヘッドの長さは、歯ブラシの長手方向軸線に沿って、一般に、ブラシヘッドの遠位端部から、ハンドルに最も近い、房又は房列の根元の点で、ハンドルに最も近い房又は房列にちょうど接触するヘッド上の位置までで測定される。このブラシヘッドの長さは、一般に、約15mm〜約35mm、好ましくは約20mm〜30mmの範囲である。
歯ブラシ全体の長さは、歯ブラシの長手方向軸線に沿って、一般に、歯ブラシヘッドの遠位端部から歯ブラシハンドルの近位端部まで、エンドキャップを含んで測定される。この歯ブラシ長さは、一般に、約10cm、約12cm、約14cm、約16cm、約18cmより長く、及び/又は約20cm、約22cm、約24cm、約26cmより短い。
可動毛キャリア上の毛又は房の密度が、静止毛の群又は領域の毛密度より大きいことが最も好ましい。
本発明はまた、静止毛の幾つかの特に好ましい構成を提供する。好ましい構成は、ブラシヘッドの指定された領域において特定の列数を使用する。これらの好ましい構成によって、ブラシヘッドの内側に配置された毛、特に可動毛キャリア上でこれに支持された毛の負荷及び損耗が低減されることが判明した。図14は、歯ブラシ1000のブラシヘッド1020の上に配置された静止毛の群についての好ましい構成を示す。この特定の構成では、少なくとも単一の列の毛が、ブラシヘッドの内部領域、すなわち可動ブラシヘッドが配置される位置を取り囲む、又は実質的に取り囲む。具体的には、静止毛1060についての様々な好ましい構成は、ブラシヘッドの様々な領域を区分として指し示し、それぞれのそれら区分における静止毛の好ましい配置を記述して、便利に説明することができる。図14は、区分D、E、F、及びGにより包囲された、中央に位置する区分C(この中に可動毛キャリアが滞留)を有するブラシヘッド1020を示す。区分D及びEは、ブラシヘッドの横で対向する側辺に沿って画定される。具体的には、区分Dは、ブラシヘッドの第一の側辺1031と区分Cとの間に位置する。区分Eは、ブラシヘッドの第二の側辺1033と区分Cとの間に位置する。区分Fは、ブラシヘッド1020の第一の側辺1031と第二の側辺1033との間、且つブラシヘッド1020の最遠位先端すなわち端部1022と区分Cとの間に位置する。区分Gは、ブラシヘッド1020の第一の側辺1031と第二の側辺1033との間、且つ区分Cと首部1040との間に画定される。静止毛が位置してもよいそれぞれの区分は、以下のような特定の列数の静止毛を含むことができる。それぞれの区分が好ましくは含む列数を述べる前に、静止毛の「列」により何を意味するかを定義することが参考になる。毛の列は、本明細書において、線又はある方向に概ね沿って広がる毛の配列又は群として定義される。区分Dにおける列は、好ましくは、側辺1031にほぼ平行な方向に広がる。同様に、区分Eにおける列は、好ましくは、側辺1033にほぼ平行な方向に広がる。区分Fにおける列は、以下のような幾つかの方法で広がることができる。区分Fにおける列は、側辺がブラシヘッド1020の遠位端部1022に近づいた時の側辺1031及び1033の湾曲にほぼ従う、弧又は他の曲線に沿って広がってもよい。あるいは、区分Fにおける列は、ブラシヘッド1020及び首部1040の長手方向軸線にほぼ直角な方向に広がってもよい。この後者の好ましい列の構成が図14に示される。区分Gにおける列は、区分Cの外側周辺に従う線に沿って広がるなど、弧又は他の曲線に沿って広がってもよい。あるいは、区分Gにおける列は、ブラシヘッド1020及び首部1040の長手方向軸線にほぼ直角な方向に広がってもよい。区分Gにおける列のこの後者の好ましい列の配置が、図14に示されており、またそのような列は区分Fにおける列に平行であるのが好ましい。
区分D、E、F、及びGにおける静止毛の好ましい列数は、0〜4又はそれ以上の範囲にある。しかしながら、本発明に従えば、好ましい列の特定の組み合わせが特に好ましい。これらの特に好ましい組み合わせを表1に示す。
図13は、先に記したように、静止毛及び可動毛の好ましい構成を示す。この構成では、静止毛の列は、可動毛キャリアの向い合う側辺に沿って位置する。それぞれの列内には、毛の群又は房がある。好ましくは、毛キャリアのそれぞれの側辺に沿う毛の列数は、1〜6の範囲にある。最も好ましくは、可動毛キャリアそれぞれの側辺上の列数は、1又は2〜6いずれかである。
図15は、表1に記された好ましい静止毛構成の1つ(毛構成識別名a)を示す。具体的には、図15は、予め定められた列数及び組み合わせで配置された複数の静止毛1160を有する、歯ブラシ1100のブラシヘッド1120を示す。図15に示される列は、特に区分F及びGにおいて、ほぼ真っ直ぐ又は直線として示されるが、列は、側辺1131及び1133の一部に沿って広がるなど、ブラシヘッド1120の外側周辺の形状又は湾曲に従ってもよいことに気付くであろう。
房の各区分内では、隣接する房の根元間の距離は、1.3mm未満、好ましくは0.6〜1.2mm、より好ましくは0.8mm〜1.1mmである。本明細書でいう房の根元間の距離は、毛を支える面において房の中心間に引かれた直線に沿って、房の縁部から房の縁部までで測定される。本明細書でいう房の自由端部間の距離は、短い方の房の自由端部から、房を支える表面に平行に房の中心間で引かれた直線に沿って、房の縁部から房の縁部までで測定される。特に異なって定義しない限り、房間の距離は、隣接する房間の距離を指す。「隣接する房」とは、最も近い隣の房を意味する。
近隣の群の中に隣接する房の根元の間、すなわち群の間のすきまを横切って測定される距離は、約1.3mm〜約5mm、好ましくは約1.5mm〜約3.5mm、より好ましくは約1.7mm〜約3mmの範囲である。房の個々の対を横切ると幾分の変化はあり得るが、各対の要素が異なる群に属する場合、全ての対は、それらの根元で少なくとも1.3mm離れている。
隣接する群の房の間で比較的長い距離を有することにより、房の群は、互いに独立に動作可能になる。すなわち、1つの群の房は、隣接する群の房を実質的に妨害しない。これによって、特に群の縁の房が、隣接歯間のすきま及び他の割れ目に更に良く入り込むことが可能になる。それにもかかわらず、群内の房の間の比較的小さな距離により、ブラシヘッド上の比較的高い全体的な房密度が維持される。このことによって、特に、個々の歯の表面上を毛が良好に覆うことが可能になる。
追加の態様並びに毛及び房のパラメータが、米国特許第6,314,605号に記載されており、参考として本明細書に組み込む。
本発明の別の実施形態が図16及び17に示され、これは、1つ以上のエラストマー要素を使用する。本明細書で説明するような電動歯ブラシのヘッドが示されている。ハンドル、モータなどを含むブラシの残りの部分は、先に記述した実施形態のいずれかに対して説明したものと同じである。図16に示すように、ヘッド1216は、長手方向軸線Lと、円形部分又は移動部分又はブラシヘッド1220と、静止部分又は領域1222とを含む。ヘッド1216は、細長い本体部分の第一の端部1228に隣接して位置する。静止部分1222は、移動部分1220の対向する側辺に置かれる。移動部分1220は、ブラシヘッド1216の中心に位置する。円形部分1220は、ブラシヘッドの長手方向軸線Lに対してほぼ垂直の軸線周りで、回転、旋回、揺動、又は往復運動する。円形部分1220は、360度回転若しくは部分的に回転、又は揺動、又は前後に往復運動してもよい。
移動部分1220は、毛1224及びエラストマー要素1225を含む。静止部分1222は、毛1226及びエラストマー要素1227を含む。エラストマー要素1225、1227は、ユーザーが自分の歯を磨くと同時に、歯肉をマッサージする。エラストマー要素1225、1227は、ゴム、柔軟なプラスチック、又は同様の材料で作ることができる。エラストマー要素は、好ましくは、エラストマー材で形成される。エラストマー要素1225、1227は、長手方向軸線Lに沿って測定して、ヘッド1216から基本的に垂直に延びる。好ましい実施形態においては、エラストマー要素1225、1227は、円形部分1220及び静止部分1222の周囲回りに位置するが、移動部分1220及び静止部分1222の毛に混ざってどの場所にも位置できることを理解すべきである。エラストマー要素1225、1227の長さは、毛1224、1226とほぼ同じ長さである。エラストマー要素1225、1227は、毛1224、1226より僅か上に、僅か下に、又はこれらと同じ高さに延びてもよい。
図18及び19に示すようなエラストマー要素を有する電動歯ブラシの更に好ましい実施形態では、ヘッド1386が、長手方向軸線Lと、円形部分又は移動部分又はブラシヘッド1306と、ブラシヘッドの静止部分1302と、第一の端部1304と、第二の端部1300とを含む。第一の端部1304は、細長い本体の第一の端部1382に隣接して位置する。第二の端部1300は、第一の端部1304の反対側に位置する。移動部分1306は、好ましくは、ブラシヘッド1386の第二の端部1300に位置する。静止部分1302は、好ましくは、移動部分1306に隣接してブラシヘッド1386の第一の端部1304に位置する。しかしながら、移動部分1306及び静止部分1302は、異なる向きにも配置できることを認識すべきである。移動部分1306は、ブラシヘッド1386の長手方向軸線Lに対してほぼ垂直の軸線周りで、回転、旋回、揺動、又は往復運動することができる。
移動部分1306は、毛1310及びエラストマー要素1311を含む。静止部分1302は、毛1312及びエラストマー要素1313を含む。エラストマー要素1311、1313は、ユーザーが自分の歯を磨く間に、歯肉をマッサージする。エラストマー要素1311、1313は、ゴム、柔軟なプラスチック、又は同様の材料で作ることができる。エラストマー要素は、好ましくは、エラストマー材で形成される。エラストマー要素1311、1313は、長手方向軸線Lに沿って測定して、ヘッド1386から基本的に垂直に延びる。好ましい実施形態においては、エラストマー要素1311、1313は、移動部分1306及び静止部分1302の周囲回りに位置するが、移動部分1306及び静止部分1302の毛に混ざってどの場所にも位置できることを理解すべきである。エラストマー要素1311、1313の長さは、毛1310、1312とほぼ同じ長さである。エラストマー要素1311、1313は、毛1310、1312より僅か上に、僅か下に、又はこれらと同じ高さに延びてもよい。
本発明はまた、一体化された首部とヘッドとの組み立て体を組み込んだ、電動歯ブラシ用の一体の本体又はハウジングについての独特の設計に基づく。一体の本体又はハウジングによって、歯ブラシの組み立てが非常に簡単になり、またブラシに関連する製造コストが低減される。本発明はまた、多様な毛の組を歯ブラシと併せて使用することを可能にする、ブラシヘッドのための新規モジュール設計を提供する。
図20を参照すると、本発明の歯ブラシ1400の一実施形態が示される。歯ブラシ1400は、本体1480と、ヘッド1433と、本体1480及びヘッド1433の間を延びてこれらと一体に形成された中間部分又は首部1440とを含む。ヘッド1433の上には、本明細書で更に詳細に説明される可動毛キャリア上に支持された毛の集合1450が移動可能に保持されている。やはりヘッド1433の上に配置されているのは、静止毛の集合1460である。好ましくは、静止毛1460は、ヘッド1433の周辺の回りを広がる。静止毛1460は、歯ブラシのヘッド1433により支持及び保持され、これは、本明細書で更に詳細に説明及び図示される。
図21は、図20に示す歯ブラシ1400の実施形態の一部分解図である。図21は、歯ブラシ1400で使用される構成要素の組み立て及び構成を示し、そこでは、別個の静止毛及び可動毛のキャリアが独立に受け入れ部材と係合して、歯ブラシのヘッドを形成する。静止毛及び可動毛のキャリアは、独立に、同一チャネル内又は別個のチャネル内で受け入れ部材と係合することができる。図21に示す歯ブラシ1400は、本体1480の端部にパチンと嵌る又は他の方法で解放可能に固定されるエンドキャップ又は基部1482を更に含む。エンドキャップ又は基部1482は、様々な異なる形状及び構成で提供されてもよく、それには円形、楕円形、正方形、及び/又は長方形が挙げられるが、これらに限定されない。本体1480はまた、好ましくは歯ブラシ1400の本体1480の中に配置された、モータ、電池、及び駆動伝達系又は機構(図示せず)の作動を制御するための、スイッチ又は他の作動装置組み立て体1486を保持するように適合された領域を含む。このスイッチ領域は、図21において領域1484として示される。スイッチ又は作動装置1486は、領域1484に受け入れられて保持される。本体1480は、中空内部空洞又はチャンバを有し、この中にモータ及び駆動機構が配置される。作動すると、駆動機構は、好ましくは、歯ブラシ1400の長手方向軸線にほぼ平行な方向に往復運動する駆動シャフトを提供する。図21中の歯ブラシ1400の受け入れ部材1420を参照すると、受け入れ部材は、(図20に示されているような)毛1450、1460なしに示されていることに気付く。これは、歯ブラシ1400の組み立てをより明瞭に示すためである。受け入れ部材1420の1つの面が、ほぼ平らな表面1422を含むように構成され、この面が、静止毛1460用の複数の取り付け位置又は開口1424を画定しているのを見ることができる。好ましくは、この平らな領域1422及びその複数の開口1424は、図21に示すように、受け入れ部材1420の外側周辺の周りで広がる。最も好ましくは、この平らな領域22は、図21に示すようにU形に延びる。受け入れ部材1420の内部又は中間領域に沿って画定されているのは、2つの内向きに面する受け入れ表面又はチャネル1426及び1427の間を通常延びる、受け入れ表面又はチャネル1425である。これらのチャネルは、一般に対になっており、表面1425、1426、及び1427によって画定され、並びに、次のような構成要素1452及び1430を受け入れるような大きさに通常決められている。
歯ブラシ1400の実施形態に含まれる可動毛キャリア1452は、受け入れ部材と係合すると、受け入れ部材1420に沿って保持され、並びに好ましくは、受け入れ部材の表面1425、1426、及び1427により画定される1対のチャネル内に保持される。可動毛キャリア1452は、図21に示すように複数の開口1454を画定する。毛キャリア1452はまた、歯ブラシ1400の本体1480及び首部1440の中に配置された駆動機構(図示せず)と係合するためのピン又は他の部材を受け入れるように大きさが決められ適合された、開口1453を画定する。本発明は、可動毛キャリア1452と駆動シャフトとの間の他の係合も含み、スナップタイプの係合などが含まれるが、これに限定されない。歯ブラシ1400は、ブラシヘッド先端部1430などの静止キャリアを更に含み、これも、可動毛キャリア1452をヘッド1433の上に組み立てた後で、ヘッド1433に沿って受け入れられ固定されることができる。ブラシヘッド先端部1430もまた、図20に示すように、複数の静止毛1460を保持するように適合された複数の開口1434を画定する。
図22〜24は、受け入れ部材1420と共に可動毛キャリア1452及びブラシヘッド先端部1430を組み立てて、歯ブラシ1400の実施形態のヘッド1433を形成する順序を示す。図22は、具体的には、歯ブラシ1400の実施形態の受け入れ部材1420及び首部1440を示す。受け入れ部材1420は、可動毛キャリア1452を受け入れるように向けられている。具体的には、可動毛キャリア1452は、好ましくは、受け入れ部材1420内の表面1425、1426、及び1427により画定されるチャネルの中で、歯ブラシヘッドと摺動的に係合することができる。歯ブラシヘッド1433は、通路1428を含む。通路1428により、歯ブラシヘッド1433と本体1480及び首部1440の内部との間のアクセスが得られる。この通路1428は、駆動機構のシャフト又は他の構成要素を囲んで保持するように適合させることができる。駆動シャフト(図示せず)の遠位端部は、キャリア1452の開口1453への取り付けなどにより、可動毛キャリア1452に固定させることができる。それ故に、毛キャリア1452は、受け入れ部材1420の上に画定された対のチャネルの中で、開口1453が通路1428に近接するような向きになることができる。先に記したように、スナップ嵌め連結が、毛キャリア1452と駆動シャフトの遠位端部との間で使用可能である。
図23は、ブラシ1400の実施形態のヘッド1433の中に摺動的に係合された可動毛キャリア1452を示す。可動毛キャリア1452の受け入れ部材1420への係合の後で、ブラシヘッド先端部1430は、受け入れ部材1420の遠位端部に沿って固定することができる。ブラシヘッド先端部1430もまた、好ましくは、受け入れ部材1420内に、具体的には、表面1425、1426、及び1427により画定されるチャネルの中に、摺動的に係合される。1つ以上の保持溝又はチャネルが、好ましくは、先端部1430、又は表面1425、1426、及び1427により画定されるチャネルいずれかの外側表面に沿って画定され、その中に、対向する表面上で画定され外向きに延びる突出部が滞留し、先端部1430を受け入れ部材1420内に固定する。多様なチャネル構成を本発明に従って使用してもよい。可動毛キャリアのブラシヘッドへの保持を助けるためにチャネル及び対応するチャネル構成要素を使用しているが、他の保持組み立て体又は構成を使用することができると考えられる。先に記したように、本発明の歯ブラシは、可動毛キャリアについての特定の運動又は運動の方向に限定されない。
図24は、受け入れ部材1420の遠位端部に沿う先端部1430の最終組み立てを示す。これらの図に記される様々な構成要素は、毛1450、1460を含むことが理解される。歯ブラシ1400の主な構成要素の組み立て、具体的には受け入れ部材1420及び歯ブラシヘッド1433に沿う組み立てをより明瞭に示すために、毛はこれらの図から省略した。更に、ブラシヘッド先端部は様々な形状及び構成に形成できることが理解される。場合によっては、弧又はU形を有するブラシヘッド先端部を提供することが好ましいことがある。あるいは、先端部は、ブラシヘッドの比較的大きな部分を構成するように形成されてもよい。あるいは、弧又はU形が、可動毛キャリアを実質的に包囲してもよい。
図21aは、本発明に従って作られた歯ブラシの別の実施形態の一部分解図を示す。図21aは、歯ブラシ1401の実施形態で使用される構成要素の組み立て及び構成を示す。歯ブラシヘッドが、受け入れ部材及び毛キャリアを含むのが見える。複数の毛キャリアは、歯ブラシ1401の組み立てをより明瞭に示すために、毛無しで示されている。図22aは、毛が挿入される複数の取り付け位置又は開口1437を画定するほぼ平らな表面1435を含むように、毛キャリアの1つの表面が構成されることを示す。図21a〜24aに示す歯ブラシの受け入れ部材1431は、首部からの延長部であって、毛キャリアが係合することができる表面を提供する。
歯ブラシのこの実施形態では、ヘッドは、受け入れ部材1431、可動毛キャリア1405、及び静止毛キャリア1403を含む。受け入れ部材1431は、図21aに示されるほぼ平らな表面1439を含むように構成される。このほぼ平らな領域は、好ましくは、毛キャリアと係合して保持する、案内要素を含む。案内要素の例として、図21a及び27aに示すような対のチャネル1411及び1413、並びに図25a及び26aに示すようなレール1407及び1419が含まれるが、これらに限定されない。静止毛キャリア及び可動毛キャリアは、独立に、対のチャネル1411及び1413を、それぞれレール1407及び1409と摺動的に係合させることができる。静止毛キャリア及び可動毛キャリアは、別個のチャネルに独立に係合するように本明細書で示されるが、同一のチャネルに独立に係合できることが考えられている。チャネルは、受け入れ部材1421の表面によって画定され、図22a〜24aに示すように、レール1407及び1419を受け入れるような大きさに通常決められている。また、歯ブラシの別の実施形態では、ブラシヘッドは、可動毛キャリア1405及び静止毛キャリア1403をスナップ留め(図示せず)又は他の方法で取り外し可能に取り付ける領域を含む。
歯ブラシ1401の実施形態は、受け入れ部材1431と係合する、好ましくは受け入れ部材の表面により画定される一対のチャネル1411内で係合する、1つ以上の可動毛キャリア1405を含む。可動毛キャリアの表面は、受け入れ部材1411の表面により画定されるチャネルの中で可動毛キャリアを方向付けて係合させる案内体としての役割をすることができる。好ましくは、これらの案内体は、チャネル1411に嵌るような大きさにされたレール1407である。案内体は、受け入れ部材の表面により画定されるチャネルに嵌る大きさのいかなる形状にもすることができ、これにはI形、T形、C形、及び/又はU形が挙げられるが、これらに限定されない。図26aに示される案内体は、T形のレール1407である。好ましくは、可動毛は、静止毛キャリア1403上に配置された静止毛により実質的に取り囲まれる。この好ましい歯ブラシヘッドを形成するために、1つ以上の静止毛キャリア1405が、受け入れ部材と、好ましくは一対のチャネル1413内で係合する。静止毛キャリアの表面は、対のチャネル1413に嵌る大きさのレール1419などの案内体を含むことができる。レール1419は、対のチャネル1413の中で静止毛キャリアを方向付けてこれと係合し、歯ブラシのヘッドを形成する。更に、歯ブラシヘッドを形成するための静止毛キャリア及び/又は可動毛キャリアの受け入れ部材への係合は、解放可能なように取り外し可能にして、毛キャリアを新しい又は異なる毛キャリアと取替え又は交換可能なようにすることができる。
図21a〜27aに示す実施形態では、歯ブラシのヘッドは、歯ブラシ首部から延びる受け入れ部材1431の表面により画定される対1411及び対1413などの、対のチャネルの中で受け入れ部材と係合する毛キャリアにより形成することができる。受け入れ部材は、毛キャリアとの係合の前には、毛が全くない。好ましくは、静止毛キャリア1403及び可動毛キャリア1405は、独立に、入れ子配置のままで、受け入れ部材と別個のチャネル内で摺動的に係合する。この入れ子配置は、静止毛キャリア1451の開口の中へ可動毛キャリアを取り込むことにより形成することができる(図22a〜24a)。好ましくは、静止毛は、可動毛を実質的に取り囲む。毛キャリアは、入れ子配置1423ではあるが、相互に永久的な結合はないので、分離したままである。一実施形態では、入れ子配置1423は、1つ以上の可動毛キャリアを1つ以上の静止毛キャリアの開口1451の中へ摺動的に係合させ、次に入れ子にした毛キャリアを歯ブラシの首部から延びる受け入れ部材と摺動的に係合させることにより達成される(図22a〜24a)。毛キャリアは同時に受け入れ部材と係合するが、可動毛キャリアと静止毛キャリアは、互いに独立に受け入れ部材と係合する。歯ブラシのこの実施形態のヘッドは、入れ子配置の毛キャリアが受け入れ部材と係合すると、形成される(図23a)。この(図22a〜27aに示す)独立した係合は、静止毛キャリアが静止毛キャリア1403の表面により画定されるレール1419を介して受け入れ部材の表面により画定される対のチャネル1413内で受け入れ部材と係合すること、及び可動毛キャリアが可動毛キャリア1405の表面により画定されるレール1407を介して受け入れ部材の表面により画定される対のチャネル1411内で受け入れ部材と係合することにより達成される。入れ子の毛キャリア片は、永久的結合がされてないので、受け入れ部材に連結されるまで、分離可能のままである。これにより、可動毛キャリアが駆動シャフト3205に作動可能に連結される時、可動毛キャリアの往復運動が助長される。この入れ子配置によって、可動毛キャリアは、静止毛により実質的に取り囲まれるが、歯ブラシの操作時に可動のままであることができる。2つ以上の可動毛キャリアを、静止毛キャリアの中に入れ子にすることができる。更に、2つ以上の静止毛キャリアを使用して、可動毛キャリアを実質的に取り囲むことができる。それぞれの毛キャリアは、歯ブラシの受け入れ部材と別個のチャネル内で係合することができ、又は2つ以上の毛キャリアが、受け入れ部材と同一チャネル内で係合することができる。図24aは、歯ブラシ1401のこの実施形態の受け入れ部材と摺動的に係合した可動毛キャリア及び静止毛キャリアを示す。可動毛キャリア及び静止毛キャリアは、同一チャネル内で受け入れ部材と係合してもよい。別の実施形態では、可動毛キャリア及び静止毛キャリアは、受け入れ部材上にスナップ留めされる。可動毛キャリアは、駆動シャフトとの作動可能な係合により、受け入れ部材上で保持が可能である。好ましくは、静止毛キャリア及び可動毛キャリアの両方は、受け入れ部材と長手方向に係合することができる。しかしながら、それらのキャリアは、受け入れ部材の表面に垂直な方向にも受け入れ部材と係合することができる。
多様なチャネル構成を使用して、入れ子にした毛キャリア1423を歯ブラシ1401の受け入れ部材1431と摺動的に係合させることができる。これらのチャネルは、毛キャリアの上に位置するレール又は他の案内部材を方向付ける、及び/又は案内するために必要な大きさに決められるべきである。そのチャネルは、図示される以外の様々な形状及び大きさとすることができる。更に、そのチャネルは、毛キャリア上に位置するレール又は他の案内部材を受け入れ又は案内するようなサイズである限り、3側面、2側面、又は1側面にさえもすることができる。受け入れ部材は、係合する毛キャリアと同じ数のチャネルを含むことができる。チャネルは、受け入れ部材の中心に向かって位置する表面により画定される内側の組のチャネルと、受け入れ部材の外側縁部に向かって位置する表面により画定される外側の組のチャネルとに、可動毛キャリアが係合するように構成されることができる。それぞれの毛キャリアは、個々のチャネルを有することができ、又は毛キャリア(複数)は、受け入れ部材と同一チャネル内で係合することができる。別の方法では、受け入れ部材の表面は、毛キャリアを適切な場所に案内するレールに形成することができる。毛キャリアを受け入れ部材の上に案内するために使用されるチャネルとレールとの組み立て体に加えて、他の組み立て体を使用して、毛キャリアを受け入れ部材の上に保持してもよい。一実施形態では、毛キャリアは、静止毛キャリアの内側表面により画定される連結体と結合可能な受け入れ部材の外側表面により画定される連結体によって、歯ブラシの受け入れ部材の上に保持される。そのような連結体には、セレーションと歯、窪み部とタブ、並びに溝と突出部が含まれるが、これらに限定されない。歯ブラシの一実施形態では、連結体は、静止毛キャリアの内側表面に沿って画定された1つ以上の保持溝と、受け入れ部材1417の外側表面に沿って画定された突出部とであり、突出部が溝の中に滞留して、静止毛キャリアを受け入れ部材の上に固定する。別の実施形態(図示せず)では、突出部が静止毛キャリアの内側表面に沿って画定され、また溝が受け入れ部材の外側表面に沿って画定され、突出部が溝の中に滞留して、静止毛キャリアを固定する。毛キャリアは、スナップ型係合(図示せず)にて受け入れ部材と係合することもできる。別の実施形態では、1つ以上の静止キャリア及び/又は1つ以上の可動キャリアは、米国特許出願10/361,653にて開示されているような、ラッチフックを有する可撓性の舌と、対向する取り付け部分の中の対応する固定アンダーカット又は窪みとで、受け入れ部材と係合する。
1つ以上の可動毛キャリアが静止毛キャリア内に入れ子になっている時、可動毛キャリアのレールは静止毛キャリアの下側に延びることができ、その結果、可動毛キャリアのレールが歯ブラシの受け入れ部材と係合することができる。入れ子になった毛キャリアが受け入れ部材と係合する時には、可動毛キャリアは、歯ブラシヘッドの中間及び/又は中央に配置することができる。
本発明の別の実施形態では、入れ子配置は、全ての毛キャリアが受け入れ部材と係合した時だけに生じる(図示せず)。この実施形態では、受け入れ部材の一部は、受け入れ部材の表面の上に永久的に直接固着された静止毛を含む。毛を設けられた受け入れ部材が1つ以上の可動毛キャリア及び次に1つ以上の静止毛キャリアを受け入れる時に、静止毛は、可動毛キャリアを実質的に包囲することができる。
可動毛キャリアはまた、作動可能にモータと係合する。この作動可能な係合は、首部1440の一部の中及び受け入れ部材1431に画定された通路1428を貫通して延びる駆動シャフトに、毛キャリアを連結することにより達成することができる。駆動シャフトは、通路1428内で回転可能に又は摺動するように配置してもよい。毛キャリアと受け入れ部材との係合によりブラシヘッドが形成されると、通路1428が、ブラシヘッド1421、首部1440、及び本体1480の内部の間のアクセスを提供する。駆動シャフトの遠位端部は、好ましくは、可動毛キャリア1405上に位置するピン1409を、駆動シャフト(図示せず)の先端部に位置する開口に係合させることにより、可動毛キャリアに固定される。シャフトの先端は可撓性であることができ、撓んで可動毛キャリア上のピンを駆動シャフト先端部上の開口に受け入れるのを容易にする。本発明は、駆動シャフトを可動毛キャリアに固着させるピン、突出部、又は他の締結具を使用する係合組み立て体を含む。スナップ嵌め連結を可動毛キャリアと駆動シャフトの遠位端部との間に使用することができる。スナップ嵌め連結の例として、歯の上のセレーション、及び圧入係合が挙げられるが、これらに限定されない。本発明はまた、電動歯ブラシを作動させるのに好適な全てのタイプのモータ及び歯車配列を含み、これには本明細書で説明する本発明の高効率モータが含まれるが、これに限定されない。これらのモータが駆動シャフトを動かすことができる。駆動シャフトと可動キャリアとの作動可能な連結により、可動キャリアの動作が助長される。駆動シャフト、したがって可動キャリアは、前述したいかなる運動も受けることができる。しかしながら、一実施形態では、駆動シャフト及び可動キャリアは往復運動する。
本発明には、記された図に示される先端部1430に類似したブラシヘッド先端部などの解放可能なように取り外し可能な静止キャリア、及び/又は解放可能なように取り外し可能な可動キャリアを特徴とする組み立て体が含まれることが理解されるであろう。取り外し可能な静止キャリア及び/又は可動毛キャリアにより、ユーザーが望むようにブラシを選択的に調整しカスタマイズすることが可能になる。例えば、静止及び/又は可動キャリアの様々な組み合わせとして、毛キャリア、ブラシヘッド先端部キャリア、エラストマー要素キャリア、口腔ケア組成物キャリア、及び歯科工具キャリア、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、白色化剤を歯に適用するために特に設計された要素を含むキャリアを使用してもよい。エラストマー要素又は「クッション」要素を、本発明の歯ブラシと共に提供及び/又は使用してもよいことが考えられる。そのようなエラストマー要素は、全体的又は部分的に熱可塑性エラストマーで形成される。エラストマー要素は、エラストマーで形成された1つ以上の他の領域又は構成要素を利用する歯ブラシに組み込むのに特に好ましい。例えば、本発明は、エラストマー要素を有する本明細書に記述するような歯ブラシであって、且つ1つ以上のエラストマーをハンドルに沿う把持領域で、又はブラシヘッドに沿う「バンパー」若しくはクッション領域として使用する歯ブラシを含む。そのようなエラストマーは、ブラシを形成する時に共押出してもよく、又は上にコーティングしてもよい。
キャリアの解放可能な態様は、解放部材をブラシヘッドの下側に沿って組み込んで、これが押される又は他の方法で係合される時に、キャリアが取り外される、及び他のキャリアがその場所へ配置されるように、提供されてもよい。解放可能な態様は、受け入れ部材からキャリアを選択的に解放する工具又は他の構成要素の使用により達成できることも更に想定している。そのような工具は販売されているか、又は別の方法で歯ブラシと共に商品化することができる。代替方法又は追加として、そのような工具は販売されているか、又は別の方法で本発明の歯ブラシと共に使用するためのキットとして販売される1つ以上のキャリアと共に商品化することができる。更に具体的には、そのようなキットは、以下の構成要素の1つ以上を含んでもよく、したがって以下のどの構成要素の組み合わせを組み込んでもよい:(1)毛キャリア、ブラシヘッド先端部、エラストマー要素キャリア、口腔ケア組成物キャリア、及び歯科工具キャリア、(ii)1つ以上の歯ブラシ、(iii)全ての構成要素を格納するためのパッケージ又は他のハウジング、(iv)キャリアを取替える、置き換える、又は他の方法で変える時に有用であり得る1つ以上の工具、並びに(v)キャリア及び歯ブラシと共に使用するための1つ以上の歯磨剤又は他の組成物。そのようなキットは、歯ブラシと共に使用するための電池、使用しない時に歯ブラシを保持するためのベース又は他の「スタンド」、歯ブラシの外観を変化させるために使用される取替え可能なハンドル構成要素、並びに歯ブラシ、スタンド、及び/又はキットハウジングの上に置いてもよい装飾的なステッカー又は他のタイプのラベルを含んでもよいことが更に想定される。
図25a〜27aは、静止毛キャリア(図25a)、可動毛キャリア(図26a)、及び受け入れ部材(図27a)の実施形態を更に示す。図25aは、静止キャリア1403の表面により画定されるレール1419の端面図を示す。本発明のこの実施形態はまた、毛を受け入れる開口1435を有する。更に、この実施形態は、受け入れ部材1431が静止キャリアと係合する空洞1441を有する。図26aは、可動キャリア1405、並びに可動キャリアの表面により画定されるレール1407の端面図を示す。図27aは、本発明の歯ブラシ、及び特に受け入れ部材1431の端面図を示す。静止キャリア1403は、チャネル1413を介して受け入れ部材と係合する。可動キャリア1405は、チャネル1411を介して受け入れ部材と係合する。静止キャリアは、静止キャリア1403の内側表面上の溝の中に受け入れられる突出部1417によって、受け入れ部材上に保持可能である。
多様な毛構成が、本発明の歯ブラシと組み合わせて、及び特に取り外し可能な又は別個に形成されたブラシヘッド先端部を利用する実施形態と組み合わせて、使用可能である。例えば、可動毛と等しい高さ又は長さを有する静止毛を使用することができる。静止毛及び可動毛の、先に記した(参考図に示した、本明細書に記述した、又は表1に記した)どの構成も、使用することができる。具体的には、図25及び26は、ブラシ1400の一実施形態の歯ブラシヘッド1433及び首部1440を示し、これらは、歯ブラシヘッド1433の遠位端部において先端部1430上に配置された静止毛の集合1460と、(破線で示す)可動毛キャリア1452上に配置された可動毛の集合1450とを有する。好ましくは、図25において寸法Cとして示す、歯ブラシヘッド1433に沿う可動毛1450の高さは、約3mm〜約14mm、好ましくは約7mm〜約11mmの範囲である。一般に、毛の高さは、外方に向く表面、すなわち通常はその根元又は取り付け構成要素の表面から、毛の端部又は先端までで測定される、毛の距離である。上記した毛の取り付け構成要素の外方に向く表面は、本明細書で一般に、ブラシに面する表面と呼ぶ。図25には示さないが、歯ブラシヘッド1433上に直接支持及び保持される複数の静止毛が、好ましくは可動毛1450の回りに配置されることが理解されるであろう。そのような静止毛は、明瞭化のために、これらの図(図27〜30)には示されていないことがわかる。(可動毛1450の回り及び先端部1430の上に配置された)静止毛の好ましい高さも、約3mm〜約14mm、好ましくは約7mm〜約11mmの範囲である。
様々な高さを有する、及び特に傾いたブラッシング表面を提供するような方法で配置された静止毛を提供することも、顧慮の内である。これは図27〜33に示される。本明細書で使用する「ブラッシング表面」という用語は、歯磨き中にユーザーの歯又は歯肉に接触する毛又はエラストマー要素の遠位端部を指す。
具体的には、図27及び28は、本発明による歯ブラシ1500の別の実施形態の歯ブラシヘッド1520及び首部1540を示す。ブラシヘッド1520は、(破線で示す)可動毛キャリア1552を含み、これに支持及び保持された複数の可動毛1550を有する。ブラシヘッド1520は、先端部1530も含み、その上に支持又は保持された静止毛又は固定毛の集合1560を有する。複数の固定毛1560が、可動毛1550を包囲、又は少なくとも部分的に包囲するのが好ましいことを理解されよう。明瞭化のために、ブラシヘッド1520上に直接支持された毛の部分は、図27では示されない。先端部1530は、好ましくは、異なる長さを有して傾いたブラッシング表面を提供するように配置された固定毛1560を含む。図27に具体的に示すような傾いたブラッシング表面を提供する時、首部1540及びヘッド1520の長手方向軸線に対する傾き表面の角度である角Aは、約5度〜約85度、好ましくは約20度〜約70度の範囲とすることができる。最も好ましくは、長い方の毛がヘッド1520の遠位端部に隣接して配置される。図27において寸法Dとして示される可動毛1550の高さは、約3mm〜約14mm、好ましくは約7mm〜約11mmの範囲である。静止毛1560の高さは、約3mm〜約18mm、好ましくは約7mm〜約11mmの範囲である。静止毛1560の最大高さ、及び特にヘッド1520の遠位端部に配置される毛は、約18mmである。その寸法は、図27において寸法Eとして示される。
図29及び30は、毛構成の更に別の好ましい構成を示す。これらの図は歯ブラシ1600の実施形態を示し、これは、首部1640と、歯ブラシヘッド1620と、可動毛1650を有する(破線で示す)可動毛キャリア1652と、歯ブラシヘッド先端部1630と、歯ブラシヘッド1620の端部に配置された端部先端部1630上に位置する静止毛の集合1660とを有する。この実施形態では、先端部1630上の静止毛の集合1660は、傾いたブラッシング表面を提供するように配置されている。図29において寸法Fとして示される可動毛1650の高さは、約3mm〜約14mm、好ましくは約7mm〜約11mmの範囲である。静止毛1660の高さは、約3mm〜約18mm、好ましくは約7mm〜約11mmの範囲である。静止毛1660の最大高さ、及び特にヘッド1620の遠位端部に配置される毛は、約18mmである。その寸法は、図29において寸法Gとして示される。図29及び30に示す実施形態は、第一に、ブラシヘッド先端部1630上に配置された静止毛1660が、図27の毛150のように、先端部230の一端部から他端部まで高さが直線的に変化していないという点で、図27及び28に示す実施形態とは異なる。言い換えれば、図27の毛150の遠位端部により画定されて得られる表面はほぼ真っ直ぐであるが、図29の毛1660の遠位端部により画定されて得られる表面はほぼ弧状である。
図31〜33に示すように、ブラシヘッドの幅を横切って様々な傾き及び毛の高さを提供する様々な毛構成を、歯ブラシヘッド先端部において利用することも考慮されている。具体的には、図31は、ブラシヘッド1720及び複数の静止毛1760を有する歯ブラシ1700の実施形態を示す。毛1760は、ブラシヘッド1720及び首部(図31には示さず)の長手方向軸線と同じ方向の線に沿って見る時、角度を成す谷を形成する傾いたブラッシング表面を提供する。好ましくは、毛1760の遠位端部により形成される谷のそれぞれの側は左右対称であって、ブラシヘッド1720及び首部(図示せず)の長手方向軸線に垂直な縦の線に対して角Bを形成するように延びる。角Bは、約10度〜約80度、好ましくは約30度〜約60度の範囲にすることができる。
図32は、ブラシヘッド1820及びそこから延びる複数の静止毛1860を有する、歯ブラシ1800の別の実施形態を示す。毛1860の遠位端部により提供される輪郭を描く又は弧状のブラッシング表面は、凹領域又は図32に示すような表面の形態とすることができる。
図33は、ブラシヘッド1920及びそこから延びる複数の静止毛1960を有する、歯ブラシ1900の別の実施形態を示す。毛1960は、示すような不規則なブラッシング表面を提供してもよい。
図34は、歯ブラシ2000の別の実施形態の一部を示す。この歯ブラシは、ブラシヘッド2020と、首部又は中間部分2040と、(破線で示す)可動毛キャリア2052と、(破線で示す)ブラシヘッド先端部2030と、複数の毛2050及び複数のエラストマー要素2060とを含む。毛2050は、本明細書で説明するように、可動毛、静止毛、又は両方を含んでもよい。エラストマー要素2060は、ユーザーが自分の歯を磨くと同時に、歯肉をマッサージする。エラストマー要素は、ゴム、柔軟なプラスチック、又は同様の材料で作ることができる。エラストマー要素は、好ましくは、エラストマー材で形成される。エラストマー要素は、歯ブラシ600の長手方向軸線に沿って測定して、歯ブラシヘッド2020から基本的に垂直に延びる。歯ブラシ2000の実施形態の1つでは、エラストマー要素2060は、歯ブラシヘッド2020の遠位端部に近接して位置し、最も好ましくは、本明細書で説明するようにブラシヘッド先端部2030に沿って配置される。しかしながら、エラストマー要素は、移動毛及び静止毛に混ざってどこにでも位置することができることを理解すべきである。エラストマー要素2060の高さは、毛2050とほぼ同じ高さである。エラストマー要素2060は、毛2050より僅か上に、僅か下に、又は同じ高さに延びてもよい。
図35は、歯ブラシヘッド2120と、(破線で示す)可動毛キャリア2152と、首部又は中間部分2140とを含む、歯ブラシ2100の別の実施形態を示す。歯ブラシ700は、複数の毛2150と、(部分的に破線で示す)ブラシヘッド先端部2130上に配置された第二組の毛2160とを含む。この実施形態では、毛2150は房の群で配置され、それぞれの房は、様々な長さ又は高さの毛を含む。様々な高さの毛は、毛の遠位端部がブラシヘッド2120のほぼ平らな表面又はブラシに面する表面に対して傾いた表面を形成するように、それぞれの房の中で配置されている。好ましくは、この傾いた表面は、ブラシヘッド2120の平らな面に対して角Hを形成する。角Hは、約10度〜約90度、好ましくは約20度〜約45度の範囲である。
ブラシヘッド先端部2130上に配置された第二組の毛2160も、好ましくは、群又は房で配置される。毛2160の好ましい高さは、毛2150の最大の毛の高さにほぼ等しい。図35は、本発明の歯ブラシの特に好ましい特徴を示しており、ブラシヘッド先端部2130の構成に関係する。ブラシヘッド先端部2130は、比較的大きい厚さを有する領域2132をを備えており、その結果、その平らなブラシに面する表面は、一般に、キャリア2152のブラシに面する表面より上に延びる。毛2150の領域のブラシに面する表面と毛2160の領域のブラシに面する表面とのこの高さの差は、図35において寸法Pとして示される。好ましくは、Pは約1〜約5mmである。
図36は、ヘッド2220と、(破線で示す)可動毛キャリア2252と、首部2240とを有する、歯ブラシ2200の実施形態の別の図である。ブラシヘッド2220の上に配置されているのは、複数の上向きに延びる毛2250である。歯ブラシ2200はまた、(部分的に破線で示す)ブラシヘッド先端部2230を含んでおり、これは、ブラシの遠位端部に配置されて、ブラシヘッド2220及びキャリア2252の平らなブラシに面する表面より上に延びる領域2232を有する。複数の毛2250は、好ましくは、図36に示すような平面で見る時、その最も外側の端部が弧状のブラッシング表面を画定する、好ましくは図36においてIとして示すような共通半径を有するように構成されている。ブラシヘッド先端部2230は、隆起領域2232を含み、隆起領域は、好ましくはブラシヘッド2220及びキャリア2252の平らなブラシに面する表面に対して傾斜する表面を画定するように形成される。この傾斜角度は、図36において角Nとして示される。角Nは、約10度〜約80度の範囲としてもよいが、15度〜45度が好ましい。毛2260の高さは、毛2250のどの高さより高くても低くてもよい。図36に示す毛の構成は、代表例である。
図37は、本発明による歯ブラシ2300の別の実施形態を示す。歯ブラシ2300は、ブラシヘッド2320、(破線で示す)可動毛キャリア2352、及び首部2340を含む。歯ブラシ2300は、複数の毛2350と、(部分的に破線で示す)ブラシヘッド先端部2330上に配置された別の組の毛2360とを含む。ブラシヘッド先端部は、ブラシヘッド2320及びキャリア2352のブラシに面する表面より上へ延びる隆起領域2332を含む。ブラシヘッド先端部2330の隆起領域2332の最も外側の表面は、好ましくは、図37に示す角Kで傾斜する。角Kは、約10度〜約80度の範囲としてもよいが、15度〜45度が好ましい。毛2350もまた、それらの最も外側又は遠位端部が凹ブラッシング表面を画定するように、好ましくは図37に示す共通半径Jを有するように特に構成されている。毛2360の高さは、毛950のどの高さより高くても低くてもよい。しかしながら、幾つかの用途においては、毛2360の配置は、それらの遠位端部がブラシヘッド先端部2330の隆起領域2332の傾斜表面に平行な平面内を一般に延びるようにするのが好ましいことがある。この角Mは、好ましくは角Kに対応し、約10度〜約80度の範囲としてもよいが、15度〜45度が好ましい。
図38は、歯ブラシ2400の別の実施形態であって、これは、ブラシヘッド2420と、(破線で示す)可動毛キャリア2452と、(やはり破線で示す)ブラシヘッド先端部2430と、首部2440とを有する。歯ブラシ2400は、複数の毛2450と、ブラシヘッド先端部2430上に配置された第二組の毛2460と、複数のエラストマー要素2454を含む。毛2450、2460、及びエラストマー要素2454の配置、高さ、及び構成は、他の実施形態のいずれかに関して本明細書で説明するようにしてもよい。
図39は、ブラシヘッド2520と、(破線で示す)可動毛キャリア2552と、首部2540を有する、歯ブラシ2500の別の実施形態を示す。歯ブラシ2500は、好ましくは互いに反対の角度で配置された、複数の毛2550及び複数のエラストマー要素2554を含む。すなわち、エラストマー要素2454は、好ましくは図39に示すように角Oで延びる。毛2550の集合は、好ましくは、反対方向であるが同様の角度で延びる。歯ブラシ2500はまた、(部分的に破線で示す)ブラシヘッド先端部2530から延びる複数の毛2560を含む。ブラシヘッド先端部はまた、ブラシヘッド2520の平らなブラシに面する表面より上へ延びる領域2532を含むことができる。この隆起領域2532は、図39に示す半径Qなどの共通半径により画定できる、弧状の外側表面を更に提供してもよい。毛2550、2560、及びエラストマー要素2554の配置、高さ、及び構成は、他の実施形態のいずれかに関して本明細書で説明するようにしてもよい。
図40は、ブラシヘッド2620と、(破線で示す)可動毛キャリア2652と、首部2640とを有する、歯ブラシ2600の更に別の実施形態を示す。歯ブラシ2600は、(やはり破線で示す)ブラシヘッド先端部2630を含み、これから延びる複数の毛2660を有する。別の組の毛2650が、ブラシヘッド2620の上、具体的には可動毛キャリア2652の上に提供される。この実施形態では、毛2660の高さは、毛2650の高さより著しく高い。本明細書で既に説明したように、毛2650、2660は、群又は房で配置されることができるが、特定の房の中の毛は異なる長さであってもよい。
図41は、歯ブラシ2700の更に別の実施形態を示し、これは、ブラシヘッド2720と、首部2740と、(部分的に破線で示す)可動毛キャリア2752と、毛キャリア2752から延びる複数の毛2750と、(破線で示す)ブラシヘッド先端部2730から延びる別の組の毛2760とを有する。この実施形態では、毛キャリア2752は、比較的大きな厚さを有しており、その平らなブラシに面する表面が、一般にブラシヘッド先端部2730及びブラシヘッド2720の他の部分のブラシに面する表面より上に隆起している、又は歯磨き中にユーザーにより近づくように配置されている。ブラシヘッド2720及びブラシヘッド先端部2730の隣接領域を過ぎて延びる毛キャリア2752の隆起部分は、図41にて2745と表わされる。毛2750及び2760の遠位端部又はブラッシング表面が一般に共通平面に沿って延びる毛構成の場合、毛2750が結果的により短いので、それらの毛の剛性が増す。増大厚さ領域2745の隆起程度は、図41において寸法Rとして示される。Rは、約1mm〜約5mmの範囲としてよい。
図42は、ブラシヘッド2820及び首部2840を有する、歯ブラシ2800の別の実施形態を示す。複数の毛2850が、ブラシヘッドの上に提供されて、ヘッド2820に対して好ましくは移動可能である(部分的に破線で示す)毛キャリア2852から延びる。歯ブラシ2800はまた、(部分的に破線で示す)ブラシヘッド先端部2830から延びる別の複数の毛2860を含む。この実施形態では、毛キャリア2852のブラシに面する表面は、図42に示すように、好ましくは斜面、より好ましくは弧状、最も好ましくは凸面である。この表面が凸面の場合、図42に示すように、半径Sにより更に画定される。毛キャリア2852の上向きに向くブラシに面する表面もまた、好ましくは、図42に示す寸法Tだけ、ブラシヘッド2820の比較的平らなブラシに面する表面より上に隆起する。寸法Tは、約1mm〜約5mmの範囲とすることができる。ブラシヘッド2820の隣接領域を過ぎて延びる毛キャリア2852の隆起部分は、2845として表わされる。ブラシヘッド先端部2830のブラシに面する表面は、好ましくは弧状、より好ましくは凹面である。ブラシヘッド2820の隣接領域を過ぎて延びる毛キャリア2830の隆起部分は、2832として表わされる。毛2850及び2860の配置、高さ、及び構成は、他の実施形態のいずれかに関して本明細書で説明するようにしてもよい。
図43は、歯ブラシ2900の別の実施形態を示し、これは、ブラシヘッド2920と、(部分的に破線で示す)可動毛キャリア2952と、(破線で示す)ブラシヘッド先端部2930と、首部2940とを有する。毛の集合2950が毛キャリア2952から延びる。また、別の毛の集合2960がブラシヘッド先端部2930から延びる。毛2950は、好ましくは、可動毛キャリア2952の上に配置及び保持される。毛キャリア2952は、図43にて凹面として示される、上向きに向くブラシに面する表面を提供する。好ましくは、この凹表面は、共通半径Uにより画定される。ブラシヘッド2920の隣接領域を過ぎて延びる毛キャリア2952の隆起部分は、領域2945として示される。毛2950及び2960の配置、高さ、及び構成は、他の実施形態のいずれかに関して本明細書で説明するようにしてもよい。
図44は、本発明による歯ブラシ3000の更に別の実施形態を示す。歯ブラシ3000は、ブラシヘッド3020及び首部3040を含む。歯ブラシ3000は、ブラシヘッド3020上に移動可能に配置された、(部分的に破線で示す)毛キャリア3052から延びる複数の毛3050を含む。また、歯ブラシ3000は、(部分的に破線で示す)ブラシヘッド先端部3030から延びる別の組の毛3060を含む。毛キャリア3052の最も外側の表面は、図44に示す如く、隆起表面3045に沿って画定される1つ以上の傾斜表面を有するように提供されてもよい。これらの斜面は、毛3050の最遠位端部がこの同じ斜面又は別の若しくは異なる斜面を反映するように達成できる。同様に、毛3060の最も外側の端部も、ブラシヘッド端部3030の隆起領域3032の傾斜表面を反映してもよい。好ましくは、毛キャリア3052は、斜めのブラシに面する表面を有する少なくとも1つの領域を提供する。その斜面は、好ましくは、図44に示すような角Vに沿って延びる。角Vは、好ましくは約10度〜約60度、より好ましくは約20度〜約30度である。同様に、ブラシヘッド先端部3030は、好ましくは、角Wに沿って延びる斜めのブラシに面する表面を提供する。角Wは、好ましくは、約10度〜約45度の範囲である。
図45は、ブラシヘッド3120及び首部3140を有する、歯ブラシ3100の別の実施形態である。歯ブラシ3100は、(部分的に破線で示す)ブラシヘッド先端部3130から延びる複数のエラストマー要素3162を含む。歯ブラシ3100はまた、可動毛キャリア3152から延びる複数の毛3150を含む。毛キャリア3152は、ブラシヘッド3120の隣接領域に比較して隆起した領域3145を含む。同様に、ブラシヘッド先端部3130は、ブラシヘッド3120の隣接領域に比較して隆起した領域3132を含む。毛キャリア3152及びブラシヘッド先端部3130の外方に向くブラシに面する表面のいずれか又は両方は、平らでも、斜めでも、弧状でも、凸型でも、又は凹型でもよい。更に、毛3150及びエラストマー要素3162の配置、高さ、及び構成は、他の実施形態のいずれかに関して本明細書で説明するようにしてもよい。
別の好ましい毛構成は、図36及び45に示す構成と類似、すなわち隣接する毛より「上」に延びる又はそれより高い毛の内部群を有するが、段付き又は台地形状を特徴とする。この構成では、毛の高さの変化は、徐々に又は図36及び45に示すように変化するのではなく、その代わりに段が付いている。すなわち、中間に配置されたより高い毛の回りに配置されたより短い毛からの高さの変化は、かなり急激である。これら2つの毛の群の高さの差は、約0.5mm〜約3mm、より好ましくは約0.75mm〜約1.5mmである。
本明細書で図示し説明する様々な毛キャリアを参照すると、本明細書で一般にブラシに面する表面と呼ばれる、キャリアの外向きに面する表面の輪郭又は構成は、様々な形態及び形状が可能であることがわかる。1つの特に好ましい形状は、(歯ブラシの長手方向軸線と通常同じ方向に沿って延びる側面から毛キャリアを見る時)凹形状である。凹形状により、歯磨き中に使用することができる歯磨剤又は研磨剤の保持が強化される。同様に、凸表面により、ブラシヘッドに沿う毛の領域内での歯磨剤の放散が促進される。本発明による毛キャリアは、非平面のブラシに面する表面を利用するのが最も好ましい。
ブラシヘッドのデザインにおける関心の別の面は、毛キャリア、ブラシヘッド先端部、及びブラシヘッドに沿う毛の、選定、設置、及び構成である。一般に、毛又は毛房の剛性は、毛の長さが減少するにつれて増加する。したがって、毛の剛性の変更は、対象の毛の長さを変えることにより達成可能である。この特性は、非平面のブラシに面する表面を有する毛キャリアを提供する際に考えることが重要である。毛の剛性が毛キャリアに沿って異なる位置で変化するのは、それから延びる毛の長さ又は高さが変化するからであることがわかる。あるいは、等しい高さの毛の剛性は、通常同じである。本発明は、毛キャリアの形状、及び構成、並びに毛の長さ、材料、及び構成の多様な異なる組み合わせを含む。これらの好ましい構成の多くは、参考図の中で例示されている。更に、幾つかの実施形態では、可動毛キャリア上の毛の直径及び/又は毛房の直径には、ブラシヘッド先端部上に配置された毛又は毛房の対応する直径より太いものを使用することが好ましい。更に別の実施形態では、キャリア上の毛/房の直径には、先端部上の対応する毛/房より細いものを使用するのが望ましいことがある。
図46及び47は、本発明による歯ブラシ3200の実施形態の好ましいブラシヘッド3220を更に詳細に示す。歯ブラシ3200は、ブラシヘッド3220と、それと一体に形成されてそれから延びる首部3240とを含む。歯ブラシ3200は、可動毛キャリア3245を更に含み、これは、毛又は毛房(図示せず)を受け入れて保持するように適合された複数の穴又は開口3254を画定する。毛キャリア3245は、外方に向くブラシに面する表面3252を提供する。反対向きの面に沿って画定されているのは、下側表面3253である。受け入れ開口3254が、やはり下側表面3253に沿って画定され、また移動可能な駆動シャフト3205の遠位端部3206を受け入れて係合するように大きさを決められ適合されている。理解されるように、駆動シャフト3205は、首部3240の中で往復運動して、同様の往復型運動を毛キャリア3245に付与する。歯ブラシ3200はまた、ブラシヘッド先端部3230を含み、これは、外方に向くブラシに面する表面3232と、毛又は毛房(図示せず)を受け入れて保持するように適合された1つ以上の開口3234とを画定する。ブラシヘッド3220はまた、ヘッド3220の領域3222内に画定された開口3224などの、ヘッド3220のブラッシング面に沿って位置する1つ以上の開口を画定してもよい。
毛キャリア3245をシャフト3205に係合するためには、図47に示す組み立て、すなわち開口3254内に受け入れられるノッチ付きの遠位端部3206の使用が一般的に好ましいが、可動毛キャリアを駆動シャフトと係合するための他の組み立ても使用可能である。例えば、本発明は、ピン又は駆動シャフトをキャリアに固着させる他の締結具を使用する係合組み立てを含む。あるいは、スナップ嵌め連結、解放可能な係合組み立て、解放不可能な組み立てなどの他の組み立てを使用してもよい。係合組み立ての構成要素に使用する材料は、ポリマー、金属、又は好適な強度及び耐久特性を有する他のいかなる材料とすることもできる。
図48は、本発明による歯ブラシ3300の実施形態の部分分解図である。本発明の歯ブラシ3300のこの実施形態は、本体又はハウジング3312及びエンドキャップ3320を含む。本体3312は、本質的に一体の本体であって、首部3316及び端部3318と、首部3316から延びるブラシヘッド3314とを含む主部分を有する。好ましくは、ブラシヘッド3314と首部3316と本体3312は、一般に連続的であり互いに一体に形成される。本体3312と首部3316及びヘッド3314の一部は、中空内部領域を画定し、これが駆動機構を内蔵する。本体3312の主部分はまた、その外側表面に沿って窪み領域又は1つ以上の開口を画定し、これは、本明細書で更に詳細に説明する電動歯ブラシの駆動機構を操作するための電気スイッチ(図示せず)を受け入れる。保護カバー3313が、好ましくは、この窪み領域の中に嵌る。エンドキャップ3320は、閉鎖端部3322及び反対側の開放端部3324を含む。開放端部3324は、ハウジング3312の端部3318と係合して概ねシールする大きさに決められる。Oリング又は他のシール部材3319を、ハウジング構成要素の端部3318と3324の界面に使用してもよい。
歯ブラシの実施形態の1つは、駆動シャフト3352を有する駆動モータ3350を更に含む。モータ3350は、当業者に既知のモータに類似のDCモータであり、様々なスイッチング回路及び電池又は他の電源(図示せず)を含む。これらの構成要素は、本体3312の中、及び任意にエンドキャップ3320内に画定された、中空内部領域に内蔵され保持される。駆動歯車3354が、駆動シャフト3352と係合する。下部モータ取り付け台3330が提供される。上部モータ取り付け台3340も提供されて、下部モータ取り付け台3330と共に、一般に、モータ3350を載せ、保持して、ハウジング3312及びキャップ3320の内部に固定する。下部モータ取り付け台3330は、内側及び外側それぞれの駆動シャフト支持部3332及び3334を含む。下部モータ取り付け台3330はまた、本明細書で更に詳細に説明する駆動歯車用の取付部又は軸3358を受け入れるための基部又は開口3336を含む。上部モータ取り付け台3340は、内側駆動シャフト支持部3342及び駆動シャフトハウジング3344を含み、これらが、好ましくは、下部モータ取り付け台3330の内側取付部3342及び任意に外側取付部3334と係合する。上部モータ取り付け台3340は、追加として複数の係合脚部3346を含み、これが、好ましくは下部モータ取り付け台3330と係合して、2つの組み立て体の間に配置されたモータ3350を保持する。上部及び下部のモータ取り付け台を使用する代わりに、単一の一体取り付け台又は保持構造を使用できることがわかる。
駆動歯車3354は、冠歯車3356と係合する。冠歯車3356は、その中心3357で軸又は旋回部材3358により回転可能に支持される。冠歯車3356は、オフセット係合部材3355を含み、これに駆動シャフト3360のピニオン端部3362が取り付けられる。駆動シャフト3360は、上記ピニオン端部3362を含み、これは、オフセット部材3355と係合するための受け入れ開口又は他の係合部材を含む。駆動シャフト3360は、更に遠位端部3364を含み、これは、本明細書で更に詳細に説明する可動毛キャリアと係合し、したがってこれを駆動するために使用される。駆動シャフト3360は、ハウジング3312の内部中空空洞の中を、好ましくは首部3316の少なくとも一部を貫いて延びる。駆動シャフト3360の遠位端部3364は、以下で説明する毛キャリア3370と係合する。端部3364は、ブラシヘッド3314内の開口を通ってアクセスできる。
歯ブラシ3300のこの実施形態は、可動毛キャリア3370を更に含み、これは、歯ブラシ3300内で組み立てられると、ブラシヘッド3314に沿って往復運動する。好ましくは、可動毛キャリア3370は、ブラシヘッド3314に沿って画定されたチャネル3311の中を往復運動し、最も好ましくは、歯ブラシ3300の長手方向軸線に平行な方向へ往復運動する。毛キャリア3370の下側に沿って配置されているのは、隆起部材3372である。この隆起部材3372は、チャネル3311の中を移動するが、しかしチャネルにより保持されるように構成されている。毛キャリア3370は、複数の開口3374を画定し、複数の毛又は毛房(図示せず)がこの中に配置される。毛キャリア3370は第一の端部3375を含み、これは、ブラシヘッド3314と共に組み立てられると、好ましくは、本体又はハウジング3312の首部3316とブラシヘッド3314との間に画定された領域又は縁部3315に隣接して配置される。可動毛キャリア3370の反対側の端部は端部3376であって、図48に示すように、好ましくは曲線状である。
歯ブラシ3300のこの実施形態は、固定毛キャリア先端部3380を更に含み、これは、毛又は毛房(図示せず)を保持するための複数の開口3384を画定し、その第一の端部3385が可動毛キャリア3370の端部3376と係合又は隣接して配置され、及び隆起部材3382が先端部3380の下側に沿って配置される。「固定」により、キャリア先端部3380が、ブラシヘッド3314と共に組み立てられて係合すると、ブラシヘッド3314に概ね固定されて、毛キャリア3370と共に移動しないことを意味する。好ましくは、隆起部材3382は、毛キャリア3370の隆起部材3372と同様の方法及び構成で寸法が決められている。隆起部材3372及び3382両方は、好ましくは、ブラシヘッド3314内に画定されたチャネル3311の中に保持される。
1つ以上のネジ付き締結具3390及び3392を使用して、本体3312をエンドキャップ3320に固着してもよい。他の技法又は構成要素も、ハウジングを共に組み立てるために使用可能であることが理解されるであろう。
歯ブラシ3300のこの実施形態を操作すると、電気回路が、電池などの電源とモータ3350の間に完成する。モータの電源及び電気的動作特性についての詳細は、本明細書に提供されている。駆動歯車3354の回転が、冠歯車3356の回転を引き起す。好ましくは、冠歯車3356の回転軸は、駆動歯車3354の回転軸に垂直又は横断方向である。冠歯車3356の回転が、本体3312と首部3316と任意にヘッド3314内とに画定された中空内部領域の中を延びる、駆動シャフト3360に往復運動を付与する。駆動シャフトの遠位端部3364が、可動毛キャリア3370と係合し、対応する往復運動をキャリア3370に付与する。
図49は、本発明による歯ブラシ3400の別の実施形態を示す。歯ブラシ3400は、本体部分3412、首部分3416、及びエンドキャップ3420を含む。本体部分3412は、第一の端部3418と、好ましくはねじ部材又はねじ付き領域を含む反対側の端部3404とを画定する。エンドキャップ3420は、閉鎖端部3422及び反対側の開放端部3424を画定する。開放端部3424は、本体部分3412の端部3418と解放可能に係合するように大きさが決められ構成されている。好ましくは、Oリング又は他のシール部材3419が、端部3424と3418の間との界面に使用される。首部3416は、端部3417と、好ましくは端部3417に反対側の首部3416の端部に一体に形成された、ブラシヘッド3414とを含む。端部3417は、好ましくは、本体部材3412の端部3404に画定されたねじ部材と解放可能に係合するための対策を含む。ブラシヘッド3414は、好ましくは、第一のチャネル部材3411と、開口3403とを含み、開口3403は、ブラシヘッド3314及び首部領域3416の中を延びる中空領域へのアクセスを提供する。任意の第二のチャネル3402が、ブラシヘッド3414に沿って画定されてもよく、これは、本明細書でより詳細に説明する可動毛キャリア用の案内を更に提供する。案内壁3415が、好ましくはブラシヘッド3414に沿って画定され、ブラシヘッド表面の周辺の一部の回りを延びてもよい。
歯ブラシ3400のこの実施形態は、動力を備えた駆動シャフトを提供するモータ3450を更に含む。電気スイッチング回路及び電源は、図示されないが、好ましくは、本体3412及びエンドキャップ3420内に画定された中空領域の中に保持される。下部モータ取り付け台3430及び上部モータ取り付け台3440が、好ましくは、本体3412及びエンドキャップ3420内に画定された内部中空領域の中でモータ3450を載せて保持する。内部中空領域は、首部3416の中、及び任意にブラシヘッド3414の一部の中を延びる。下部モータ取り付け台3430は、本明細書で更に詳細に説明する駆動歯車用の旋回又は軸部材3458を受け入れるための基部又は開口3436を含む。下部モータ取り付け台3430は、図示するような、内側駆動支持部3432及び外側駆動支持部3434を含む。上部モータ取り付け台3440は、駆動支持部3442を含み、これは、好ましくは、下部モータ取り付け台3430の内側及び/又は外側駆動支持部3432及び3434と係合する。駆動ハウジング3444も備えられて、好ましくはモータ取り付け台3440と係合する。複数の係合脚部3446が、好ましくは上部モータ取り付け台3440から形成されて、下部取り付け台3430と係合する。図48に関して先に記したように、一体のモータ取付構成要素を使用してもよいことがわかる。
モータ3450の駆動シャフト3452に固定された駆動歯車3454は、好ましくは、冠歯車3456と係合する。冠歯車は、軸又は旋回部材3458により回転可能に支持され、これが今度は、下部モータ取り付け台3430の基部3436内に受け入れられる。冠歯車3456は、中央に位置する案内部材3457と、オフセット部材3455とを含む。オフセット部材3455は、駆動シャフト構成要素3461のピニオン端部3462と係合する。駆動シャフト構成要素3461は、ピニオン部材3462の反対側に画定された端部3463を含む。やはり提供されているのは、端部3465及び反対側端部3464を含む、別の駆動シャフト部材3466である。端部3465は、好ましくは、駆動シャフト構成要素3461の端部3463と係合する。駆動シャフト構成要素3466の反対側の端部3464は、好ましくは、本明細書で更に詳しく説明する可動毛キャリアと係合する。駆動シャフト構成要素3466及び3461は、好ましくは、本体3412及び首部3416の内部中空領域の中に滞留する。解放可能であり保護用のカバー3413は、好ましくは、本体3412内に画定された窪み領域又は1つ以上の開口に沿って取り付けられる。カバー3413は、スイッチ用の保護ハウジング又はカバーとしての役目をし、スイッチの位置は、カバー3413を通して変えてもよい。
歯ブラシ3400のこの実施形態はまた、可動毛キャリア3470と、固定毛キャリア先端部又は端部3480とを含む。可動毛キャリア3470は、複数の毛及び毛房(図示せず)を受け入れて保持するための複数の開口3474を画定する。毛キャリア3470は、第一の端部3475及び反対側の第二の端部3472を含む。端部3475は、好ましくは、ブラシヘッド3414に沿って画定され及び好ましくは案内壁3415と類似する構成を有する、チャネル3411の中に嵌るような形状及び大きさである。可動毛キャリア3470はまた、ブラシヘッド3414に沿って画定されたチャネル3411と係合する大きさにされた隆起部材3476を、キャリアの下側に沿って含む。駆動シャフト構成要素3466の遠位端部3464は、毛キャリア3470と係合する。好ましくは、端部3464は、ブラシヘッド3414内に画定された開口3403を通ってアクセスすることができる。
毛キャリア先端部3480は、毛又は毛房(図示せず)を受け入れて保持するように適合された複数の開口3484を含む。毛キャリア先端部3480はまた、可動毛キャリア3470の端部3472及びブラシヘッド3414の案内壁3415の一部に面するように適合された第一の端部3485を含む。毛キャリア先端部3480は、反対側の端部3482も含み、ブラシヘッド3414内に画定されたチャネル3411の中に係合して滞留するための隆起部材183を、先端部の下側に沿って更に含んでもよい。隆起部材3483は、好ましくは、毛キャリア3470の隆起部材3476と同様のやり方で構成される。毛キャリア先端部3480は、組み立てられると、ブラシヘッド3414の遠位端部に固定される。
歯ブラシ3400のこの実施形態は、先に説明した歯ブラシ3300の実施形態と同様のやり方で操作される。モータ3450と電源との間の電気回路が完成すなわち閉じられると、駆動シャフト3452及び駆動歯車3454が回転する。そのような回転は、冠歯車3456を回転させて、駆動シャフト部材又は構成要素3461及び3466に往復運動を付与する。駆動シャフト構成要素3466と毛キャリア3470との間の係合によって、並進又は往復運動が、キャリア3470に付与される。
本発明の歯ブラシ、特に歯ブラシ3300及び3400の実施形態は、著しく少量の電力の使用で稼動することが判明した。また驚くべきことに、これらの電動歯ブラシは、他の市販されている歯ブラシと同等のブラッシング効果及び性能を提供する。これらの劇的な利得は、次の要因の1つ以上の組み合わせに起因すると考えられる:(1)本発明の歯ブラシの稼動中、可動毛キャリア用に並進又は往復運動を使用すること、(2)毛キャリアの運動の程度又は範囲、すなわちその「ストローク」の選定、(3)歯ブラシで使用される特定の型のモータ、(4)モータが使用する運転速度、(5)本発明の歯ブラシの駆動機構で使用するモータ駆動歯車と冠歯車との間の歯車比、(6)駆動機構で使用する特定の組み立ての構成要素及び比較的少数の構成要素、(7)可動毛と組み合わせた静止毛の使用、並びに(8)ブラシヘッドに沿って使用する特定の毛構成。
複数の毛に運動を付与するのに並進プレートを使用するという本発明の方法は、現在既知の電動歯ブラシ組み立て体と比較して、エネルギー消費、並びに稼動電流及び電圧必要条件の低減において著しい改善を提供することが判明した。例えば、(i)揺動スピンヘッドを使用する、譲受人の比較的エネルギー効率が良く莫大な人気のクレストスピンブラシ(Crest(Spin Brush()と、(ii)本発明による並進又は往復運動する毛キャリアとの間の比較試験により、次のことが明らかになる:
表2に提示されるデータにより、本発明による歯ブラシの実施形態は、並進するプレート又は毛キャリアを利用するので、揺動又はスピンヘッド構成を利用する市場で好成績の先導的な歯ブラシよりも、顕著に少ない(約28%)電圧及び少ない(約37%)電流を必要とするだけであることが示される。
本発明による高効率駆動機構の別の態様は、毛キャリア3370及び3470などの可動毛キャリアのストローク長さに関係する。往復運動する毛キャリアの好ましい動作パラメータは、次の通りである。好ましくは、往復運動するキャリアのストローク長さは、少なくとも約0.5mm、より好ましくは少なくとも約1.0mm、より好ましくは少なくとも約1.25mm、及び最も好ましくは少なくとも約1.5mmであり、且つ約5mm未満、より好ましくは3.5mm未満、より好ましくは2.5mm未満、及び最も好ましくは1.7mm未満である。本発明の駆動機構は、これらの様々な好ましい値より長い又は短いストロークを使用してもよいことが認識される。特定のいずれか理論に縛られることは望まないが、ストローク長さが過度に大きい時には、電力、すなわち電池電力の過大な量が消費されると考えられている。また、ストローク長さが短過ぎる場合は、ブラッシング効果が大きく低下する。先に記したように、毛キャリアの運動方向は、歯ブラシの長手方向軸線に平行である。
本明細書で説明する歯ブラシの実施形態に使用するモータは、好ましくは、駆動機構に高効率動力源を提供するように特別に適合されている。標準的なモータは、巻き線を少なくし、電圧必要条件を約1.5Vに下げることにより、修正することができる。典型的な標準モータは、次のような一般電流引き込み特性を示す:無負荷時に、約1.06Aの引き込みを必要とし、負荷時には、少なくとも1.0Aの引き込みを必要とする。本明細書で説明する電動歯ブラシの実施形態で使用される好ましい実施形態のモータは、無負荷時には0.3A未満、負荷時には約0.4〜約0.6Aを引き込む。ここでいう「負荷」とは、本明細書で記述する歯ブラシの実施形態を日常的なブラッシング中に操作する時にモータにかかる通常の運転負荷である。
本明細書で説明する歯ブラシの実施形態で使用するモータの好ましい運転速度は、約1500rpm〜約3500rpmの範囲であり、最も好ましくは約2500rpmである。本明細書で説明する好ましい実施形態の駆動機構を使用する時、2500の毎分回転数により、往復運動する毛キャリアで測定して、1分間当り約1250ストロークの周期が得られる。これらの運転速度は、毛キャリアにかかるブラッシング負荷がない時に、駆動機構に係合しているモータに関して与えられるものである。モータに負荷がかかると、モータの運転速度が、約30%〜35%低下することがあるのが認識される。これらの値は推定値であって、運転速度低下の程度は多数の要因によって決まる。
モータ運転速度と毛キャリアストローク速度とのこの関係は、モータの駆動シャフトに係合する(図48中の駆動歯車3354又は図49中の駆動歯車3454などの)駆動歯車と、駆動シャフトがオフセット部材にて係合する(図48中の冠歯車3356又は図49中の冠歯車3456などの)冠歯車との間の、好ましい歯車比の表示である。好ましい比は、約1:1〜約3:1、最も好ましくは約2:1である。したがって、この最も好ましい比では、モータ駆動シャフトの2回転毎に、冠歯車が1回回転する。上記の好ましい歯車比2:1により、毛キャリアにおいて測定する時、運動の範囲と速度との望ましい組み合わせが提供されて、受容可能なレベルの動力消費と併せて優れたブラッシング特性が提供されることが判明した。
本明細書で説明する好ましい実施形態の駆動機構中に上記冠歯車を使用することは、そのタイプの駆動構成要素及び参考図に示すその向きが比較的少ない構成要素しか必要とせず、並びに得られる駆動機構の全体容積が小さいことから比較的小さなハウジングを使用することが可能になるので、特に望ましい。本明細書で説明する駆動機構中で使用される好ましい冠歯車は、約8又は10〜約40までの歯を使用する。最も好ましくは、冠歯車は、約20歯を有する。これは、冠歯車の所与の大きさ及び用途に対して比較的小さな歯数である。このことにより、冠歯車(brown gear)の歯については比較的高い輪郭になる。それ故に、本発明の好ましい冠歯車は、歯の高さより上に延びなければならないオフセット部材を使用する。これは、十分なすきまを冠歯車の歯に提供するために必要である。冠歯車は、オフセット部材と係合する駆動シャフトが毛キャリアと整列するような高さの軸によって、回転可能に支持される。構成要素のこの特定の配置及び組み合わせは、著しく少数の構成要素を使用する駆動機構を提供する。構成要素の数が少なければ少ない程、運動の伝達がより効率的になり、及び組み立て及び生産の容易さがより大きくなる。
図50を参照すると、好ましい実施形態の駆動機構の一部が示されている。モータ3550が、動力を備えた駆動シャフト3552及びシャフト3552に固定された駆動歯車3554を備えて、冠歯車3556と係合する。冠歯車3556は、その中心3557で軸3558により回転可能に支持される。外向きに延びるオフセット部材3555が、冠歯車3556の外側面3551に沿って提供される。部材3555は、冠歯車3556の中心3557から半径方向に外に配置される。駆動シャフト3560が、その端部3562においてオフセット部材3555と係合する。駆動シャフト3552及び歯車3554が回転すると、冠歯車3556が軸3558の周りで回転する。その動作が、今度は、駆動シャフト3560に往復運動を付与する。
図51は、図50に示した好ましい実施形態の駆動機構の一部の側立面図である。図51は、好ましい実施形態の駆動機構の機構、すなわち冠歯車に関して立ち上がった向きで往復運動する駆動シャフトの機構を示す。具体的には、冠歯車3556の歯が、高さGとして示される輪郭又は全高を有するのを見ることができる。オフセット部材3555は、シャフト3560と歯との間に距離Sを維持するように、駆動シャフト3560と係合する。最も好ましくは、距離Sはまた、オフセット部材3555とブラシヘッド上に配置された毛キャリアとの間の整列を維持するのに必要な距離である。最も好ましくは、駆動シャフト3560は、それらの構成要素の間を延びてそれらと係合する唯一の駆動構成要素である。
先に記したように、本発明による歯ブラシの実施形態、及び特に本明細書で説明する駆動機構の実施形態の別の態様は、比較的少数の駆動構成要素が使用される。これは、図48及び49の分解図から容易にわかる。この設計方針により、駆動構成要素間の相互連結及び係合の数が減少して、駆動構成要素のより多くの直接組み立てが達成される。この方法によって、組み立てが大幅に簡単になり、生産の全コストが低減し、及び商業的に成功する可能性がより高い消費者製品につながる。
その上、複数の可動毛と組み合わせた静止毛の使用が、往復運動する毛キャリアの全体負荷を低減させる助けとなる。図52〜54は、この特徴を更に詳細に示す。図52は、本発明による歯ブラシ3600の実施形態の一部を示し、これは、ブラシヘッド3614、首部3616、可動毛キャリア3670、及び端部構成要素3680を含む。可動毛キャリア3670は、ここで可動毛として指定される複数の毛3650を支持及び保持する。これらは、明瞭化のために破線で示されている。端部構成要素3680は、ここで固定毛として指定される複数の毛3662を支持及び保持する。更に、ブラシヘッド3614は、ここでやはり固定毛として指定される、複数の毛3660を支持及び保持しており、これらは、好ましくは、可動毛キャリア3670及びその上に配置された毛3650の周辺に沿って配置される。固定毛3662及び3660も、破線で示されている。
図52に示す毛構成は、固定された複数の毛、すなわち毛3660及び3662が可動毛キャリア3670上に保持された可動毛3650を本質的に包囲又は部分的に包囲するという点で、非常に重要である。この構成が、歯磨き中及び歯ブラシ3600の稼動中に、毛3650及び可動毛キャリア3670に別のやり方でかかる負荷を減少させることがわかった。この特性は、別のやり方で毛3650及びキャリア3670にかかる、ブラッシング負荷の一部を引き受ける固定毛3660及び3662に起因すると考えられている。固定毛3660及び3662と可動毛3650との間のブラッシング負荷の分配は:(i)固定毛及び可動毛の相対高さ、(ii)固定毛及び可動毛を形成する材料、(iii)固定毛及び可動毛の遠位端部により生じるブラッシング表面の輪郭、(iv)固定毛及び可動毛それぞれの密度(すなわち単位面積当りの毛)、並びに(v)固定毛及び可動毛の配置を含む多数の要因によって決まるが、これらに限定されない。これらの要因の1つ以上を調節することにより、例えば、固定毛の相対高さを増大させる又は可動毛の高さを減少させることにより、歯磨き中に可動毛キャリアにかかる負荷を減少させることができる。可動毛キャリアにかかる負荷は、可動キャリアの回りに配置される固定毛の密度の増大によっても減少させることができる。負荷はまた、可動毛に比べて高い程度の剛性を固定毛について示す、特定の材料の選定によっても減少させることができる。
図53は、本発明による歯ブラシ3700の別の実施形態を示し、これは、ブラシヘッド3714と、首部3716と、可動毛キャリア3770と、キャリア3770上に支持及び保持される複数の可動毛3750と、ブラシヘッド3714上に配置された第一の複数の固定毛3760と、ブラシヘッド3714の端部の上に配置された第二の複数の固定毛3762とを含む。この歯ブラシの実施形態3700は、3760及び3762などの多数の固定毛が可動毛3750の回り又は実質的に回りに配置される毛配置を利用する。固定毛3762の群が、主としてブラシヘッド3714の端部に沿って配置されていることに気付くであろう。また、固定毛3760の他の群が、可動毛キャリア3770の残りの周辺の回りに概ね広がっている。この配置によって、良好なブラッシング効果と、別の方法で毛3750、したがって毛キャリア3770にかかるブラッシング負荷の著しい低減とが得られることがわかった。
図54は、本発明による歯ブラシ3800の別の実施形態を示し、これは、ブラシヘッド3814と、首部3816と、可動毛キャリア3870と、その上に支持及び保持された複数の可動毛3850と、毛キャリア3870の周辺の回りに概ね広がった複数の固定毛3860とを含む。この実施形態では、固定毛3860は、毛キャリア3870の外側周辺の少なくとも大部分に広がっている。好ましくは、毛3860は、可動毛キャリア3870及びその上に配置された可動毛3850の回りを連続的に、又は実質的に連続的に広がっている。固定毛3860が、ブラシヘッド3814の遠位端部の反対側の可動毛キャリアに隣接する領域内に配置されることは必要としない。この領域は、図54において領域3864として示される。この特定の毛配置によって、良好なブラッシング性能と、別の方法で毛3850、したがって毛キャリア3870にかかるブラッシング負荷の著しい低減とが得られることがわかった。
図53及び54はまた、図48の先端部3380などの毛キャリア先端部の領域内のような、それらの遠位端部に沿って異なる毛密度を利用するブラシヘッドを示す。これらの領域は破線で示される。図53の破線領域は単位面積当り6つの毛房を含むが、図52は単位面積当り5つの毛房を含む。
本発明が提供する別の重要な態様は、電動歯ブラシモータにより駆動される歯車と、1つ以上の可動毛キャリアに動力を供給する駆動シャフトとを含む、独特の係合組み立て体である。この係合組み立て体が、歯車の回転運動を駆動シャフトの往復運動に効率的に変換する。その組み立て体は、上記変換を著しく静かで滑らかな方法で操作及び実行する。
この好ましい係合組み立て体が、図55〜60に示される。図55は、駆動シャフト4100及び歯車4200を含む、好ましい実施形態の組み立て体4000を示す。駆動シャフト4100は、シャフト部分4110と、部分的に囲まれた細長端部4120を有する遠位端部とを含み、遠位端部は、以下で説明するように、歯車4200のカム表面と係合するための独特の表面の組を提供する。より具体的には、図55は、部分的に囲まれた細長端部4120の中央領域内に画定された楕円形開口4125を示す。部分的に囲まれた端部4120は端部カバー4122を含み、これが開口4125を画定する。端部カバー4122の周辺に配置されているのは、端部壁4126である。カバー4122及び壁4126は共に、半密閉(図55には示さず)を提供し、これが駆動歯車4200の特定の構成要素を受け入れる。
図55はまた、組み立て体4000の好ましい歯車4200を示す。歯車4200は、図12に示される歯車806、図48に示される歯車3356、図49に示される歯車3456、並びに図50及び51に示される歯車3556に類似している。すなわち、歯車4200の取り付け及び機能は、それらの上記歯車の取り付け及び機能に類似している。しかしながら、歯車4200は、カム表面の独特な集合を利用する。具体的には、歯車4200は、その周辺部に配置された複数の歯4210を含む。電動モータに固着された駆動歯車が、好ましくは、歯車4200と、具体的には歯4210と係合又は他の方法で結合する。円形の中間台座4220が、歯車4200の外向き面に沿って、及び歯4210の対向する領域の間で延びる。台座4220の上に配置されてそこから外向きに延びているのは、第一のカム4230であって、これがカム4230の周辺の周りに広がる円形のカム表面4232を提供する。第一のカム4230から延びるのは、第二のカム4240である。第二のカム4240は、第二のカム4240の周辺の周りに広がる円形のカム表面4242を提供する。第二のカム4240の中心は、台座4220の中心及び歯車4200の中心と一致していることが理解されるであろう。したがって、図55に示す回転軸線Aの周りなどで歯車4200が回転すると、第二のカム4240及び台座4220は、同一軸線、すなわち軸線Aの周りで回転する。第一のカム4230の中心は、図55において軸線Bとして示され、好ましくは軸線Aに平行であるが、これから間隔が離れている。
図56は、歯車4200の上面図である。図56は、第一のカム4230及び第二のカム4240の相互に関する配置、並びに歯車4200の回転中心Aを示す。再び、図56において中心Bとして示される円形の第一のカムの中心は、中心(又は回転軸線)Aから間隔が離れていることに気付くであろう。
図57は、歯車4200の側立面図を示す。図57は、歯4210、台座4220、第一のカム4230及びそのカム表面4232、第二のカム4240及びそのカム表面4242の構成及び配置を更に示す。
図58は、部分的に断面にした組み立て体4000の側面図であって、歯車4200と係合している駆動シャフト4100の細長端部4120を示す。具体的には、第二のカム4240が、端部4120内に画定された開口4125の中に配置されているのを見ることができる。また、第一のカム4230が、端部4120により囲まれて、その中に受け入れられている。好ましくは、第二のカム4240のカム表面4242は、細長端部4120の表面の、開口4125を画定する部分に係合及び接触する。また好ましくは、第一のカム4230のカム表面4232は、細長端部4120の内部の一部に、具体的にはその内部に沿って画定された内壁4122の一部に係合及び接触する。
図59は、駆動シャフト4100の細長端部4120の下側、すなわち歯車4200の台座4220に面する側を示す。図59は、内壁4122を更に示し、これには、歯車4200と駆動シャフト4100が係合して組み立て体4000を形成する時に、第一のカム4230のカム表面4232が係合する。図59はまた、開口4125の向きを示す。図59は、次のような2つの寸法S及びTを更に示す。
寸法Sは、開口4125の最小スパン又は入口寸法である。第二のカム4240は開口4125の中に受け入れられるので、カム4240の直径は、寸法Sより僅かに小さくなければならない。あるいは、寸法Sは、カム4240の直径より僅かに大きくなければならない。
寸法Tは、楕円形の内壁4122の最小スパン又は入口寸法である。第一のカム4230は概ね内壁4122に境を接する領域内に受け入れられるので、カム4230の直径は寸法Tより僅かに小さくなければならない。あるいは、寸法Tは、カム4230の直径より僅かに大きくなければならない。
図59はまた、端部4120内の開口4125の好ましい向きを示す。見られるように、軸線Dとして示される楕円形開口4125の長軸は、軸線Cとして示される駆動シャフト4100のシャフト部分4110の長手方向軸線と好ましくは平行であり、最も好ましくは同一の広がりを持つ。
図59は、開口4125が好ましくは楕円形であり、また内壁4122により画定される楕円形内部領域に直角に向けられていることを更に示す。すなわち、楕円形開口4125の長軸は、好ましくは、壁4122により画定される楕円形内部領域の長軸に垂直である。
図60は、組み立て体4000の上面図であり、駆動シャフト4100及び歯車4200の配置、向き、構成を更に示す。歯車4200が軸線Aの周りを矢印Eの方向などに回転すると、第一のカム4230の中心は、軸線Aの周りを概ね円形経路Gに沿って回転する。円形経路Gは、歯車4200が回転するにつれて、第一のカム4230が軸線Aの周りで変位することにより生じる。円形経路Gの半径は、図55に示される中心点AとBの間のオフセット量又は間隔に対応することがわかる。
歯車4200が回転すると、したがって第一のカム4230が軸線Aの周りを円形経路Gに沿って変位すると、第一のカム4230のカム表面4232の一部が、内壁4122の様々な領域と係合する。これによって、端部4120が、歯車4200の中心点及び軸線Aに対して前後に直線的に並進運動させられることになる。言い換えれば、このことは、第二のカム4240を開口4125内で前後に直線的に並進運動させる効果を有する。しかしながら、歯車4200は本質的にその回転地点、すなわち軸線Aに定置されているので、前後に並進運動させられるのは端部4120、したがって駆動シャフト4100であることがわかる。図60に示す矢印E方向への歯車4200の回転により、駆動シャフト4100の矢印F方向への往復運動が引き起される。
好ましい実施形態の組み立て体4000は、歯車4200の回転運動を100%又は実質的に100%駆動シャフト4100の往復運動に効率的に変換する。すなわち、駆動シャフト4100の長手方向軸線Cに沿う以外の方向の運動は全く、又は非常に微少量しか存在しない。この特性は、高速度で操作しても、組み立て体の振動が最小限である、又は少なくとも受容可能なレベルに維持されるという点で有益である。
本明細書で説明する歯ブラシの実施形態は、その高い動作効率特性に加えて、比較的大きいブラッシング力も提供する。この表れは、重い負荷がかかった時でさえも、本明細書で説明する歯ブラシの実施形態が、駆動された比較的一定の往復ストローク運動をそのブラシヘッドで提供することである。例えば、本発明による歯ブラシは、ブラシヘッド及び往復運動する毛キャリアに30lb(14kg)もの大きな負荷がかかる下でも作動可能である。
本明細書で説明する好ましい実施形態の駆動機構の比較的高い効率及び低い動力消費の例は、電池の使用法に関係する。殆ど全ての同等の現在利用可能な電動歯ブラシは、その操作に2つのAA電池を必要とする。本明細書で説明する電動歯ブラシの実施形態は、好ましくは、1つのAA電池だけを必要とする。本発明の歯ブラシが、そのブラシヘッドすなわち毛端部で測定して、同等の市販ブラシと同一又は実質的に同一の力及び動力特性を提供し、尚かつ、それらの同じブラシが必要とする動力又は電池の約半分しか必要としないのは、注目すべきことであり驚くべきことである。本発明の歯ブラシは、単一のAA電池を使用するように決して制限されているのではないことが理解されるであろう。本発明の歯ブラシは、種々多様な電池、電池構成、及び電源を利用することができる。(AA)電池に言及したのは、理解の容易さ、並びに本発明の歯ブラシ及びその低エネルギー消費特性を更に説明するためである。一般に、本発明の歯ブラシは、好ましくは、約0.5V〜約2.5Vの電圧源で操作される。より好ましくは、本発明の歯ブラシは、1.5Vを供給する電源で操作される。最も好ましくは、そのような電源は、再充電可能である。もちろん、本発明の歯ブラシは、使い捨て電池を使用してもよい。この「低エネルギー消費」の特徴は、販売可能性の観点から特に魅力的な本発明の歯ブラシの一態様である。
本発明の歯ブラシのこの低エネルギー消費特徴の表れが、歯ブラシの総運転時間に示される。試験装置を組み立てて、固定台及び1lb(0.45kg)の重りをハウジング内に入れた。試験する歯ブラシを、毛を上に向けて、固定台に固定する。次に、1lb(0.45kg)の重りを、ブラシのブラッシング表面、すなわち上を向く毛の遠位端部の上に置く。重りの表面は、典型的な歯の表面に相当する。次に、歯ブラシを始動させて、歯ブラシが動作を停止するまでの総経過時間を測定する。一般に、本発明による歯ブラシは、好ましくは少なくとも約100分、より好ましくは少なくとも120分、より好ましくは少なくとも140分、より好ましくは少なくとも160分、及びより好ましくは少なくとも180分は作動する。本発明の歯ブラシは、記述条件下で、210〜220分及びそれ以上まで作動可能であると考えられる。前記試験条件では、単一の(AA)電池を使用する。一般に、これらの総運転時間は、少なくとも約0.9V〜約2.5Vの電圧源、並びに前記ストローク長さ及び速度を有し往復運動する毛キャリアを使用して測定する。
先に記したように、本明細書で説明する歯ブラシの実施形態の追加的な利益は、比較的簡単な組み立てである。これは、製造コストの低減につながる。更に、本明細書で説明する好ましい実施形態の駆動組み立て体が、その簡単ですっきりした設計のために、信頼性を増すと考えられる。その上、これらの駆動組み立て体に使用される構成要素数が比較的少ないので、それらの相互連結部における故障の可能性が更に減少する。
ピンによる係合組み立てを使用する場合、可動毛キャリアが、図47に示す開口3254と同様に、その下側からアクセス可能な開口を画定するのが最も好ましい。そのような開口は、(図47に示すように)毛キャリアの厚さを部分的にだけ通して延びてもよく、又はキャリアの他方の上面側までその厚さを完全に貫いて延びてもよい。駆動シャフト、及び具体的には図47に示す端部3206などの遠位端部は、その遠位端部からのピン若しくはピン様の延長部を有するか、又は別個のピン構成要素と係合するように適合されるかのいずれかに形成される。そのピン(別個の構成要素又はシャフトの一部として形成されたもののいずれか)が、毛キャリア内に画定された開口に嵌り込む。他の係合組み立てを、本発明と組み合わせて使用するように考えられており、複数ピンの係合組み立て、ラッチ機構、ねじ付き締結具、及び接着剤又は超音波溶接で共に固着される組み立てなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で説明する様々なキャリアは、容易に取替え可能、及び好ましくは他のキャリアと交換可能であると考えられる。したがって、ユーザーは、種々のタイプ及び構成の取り合わせの中から特定のキャリアを選定することができる。選定すると、ユーザーは、そのキャリアを所望の歯ブラシに容易に取り付けることができる。更に、様々なタイプのキャリアをそれぞれが含むいわゆる詰め合わせパック又はサンプルパックが、電動歯ブラシと別個に又は組み合わせて提供できることも想定している。例えば、本明細書で説明する可動毛キャリアが容易に解放可能な係合機構を駆動機構への連結のために使用する場合、可動キャリアの集合品又は取り合わせ品を、電動歯ブラシと別個に又は組み合わせて販売促進することができる。
本明細書で説明する歯ブラシのいかなる実施形態のどの機構及び態様も、本明細書で説明する他の実施形態の機構及び態様の1つ以上と組み合わせることができることが理解されるであろう。
本発明は、次の公開された特許出願又は発行された特許:PCT国際公開特許WO01/29128、米国特許第6,000,083号、米国意匠特許第432,312号、米国意匠特許第433,814号、米国特許第6,178,579号、米国特許第6,189,693号、米国特許第6,311,837号、米国公開特許出願2002/0032941、米国特許第6,360,395号、及び米国特許第6,371,294号の1つ以上からの機構、態様、構成要素、材料、及び特徴を利用することができ、これらの全てを参考として本明細書に組み込む。
本明細書で記す又は説明する特定の材料以外に、歯ブラシ及び任意の構成要素の様々な実施形態は、電動歯ブラシの生産に通常使用される従来型の材料で形成されてもよい。一般に、ハンドル、首部、ブラシヘッド、及び他の構造部品又は構成要素は、ポリプロピレンで形成される。これらの部品又は構成要素用のポリマーブレンドとして、例えば、ABSと、セルコン(Celcon:登録商標)、アセタール(Acetal:登録商標)、及び/又はデルリン(Delrin:登録商標)の1つ以上とのブレンドなどを使用してもよい。多様な自己潤滑材料が、動力伝達系構成要素を形成するのに特に好ましい。
本発明は、特定の実施形態に関して記述してきた。この明細書を読んで理解すれば、変更及び改造が他にも思いつくであろう。静止毛及び可動毛についてある特定の配置を示し説明したが、本発明は、様々な他の構成を含む。全てのそのような変更及び改造が、添付の特許請求又はそれに等しい範囲内にある限りにおいて含まれることを意図する。
本発明の詳細な説明にて引用した全ての文献は、その関連部分を参考として本明細書に組み込むが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関する先行技術として容認したと解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々なその他の変形及び変更が可能であることは、当業者に明らかである。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変形及び変更を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。