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JP2006337925A - 顕微鏡の照明装置 - Google Patents

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JP2006337925A JP2005165514A JP2005165514A JP2006337925A JP 2006337925 A JP2006337925 A JP 2006337925A JP 2005165514 A JP2005165514 A JP 2005165514A JP 2005165514 A JP2005165514 A JP 2005165514A JP 2006337925 A JP2006337925 A JP 2006337925A
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Abstract

【課題】光源から射出された射出光を瞳位置に設けられたレンズ形状の大きさを変化させることで射出される照明光を効率的に標本に照射し、またレンズに切り換え機構を構成することで光源像の大きさを変更でき、安価で小型な顕微鏡の照明装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、LED素子21と、LED素子21から射出された光を集光する集光レンズ22と、集光レンズ22にて集光された光を対物レンズ4へ照射する複数のロッドレンズ11と、ロッドレンズ11をスライド式に切り換える切り換えスライダ29を備えることで、光路長が短い小型で安価な構成にでき、切り換え可能なロッドレンズ11により照明光を効率的に標本に照射できる顕微鏡の照明装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、LED素子を搭載し標本を照射する顕微鏡の照明装置に関する。
一般に顕微鏡には、視野絞りと開口絞りといった絞りが設けられている。このような顕微鏡には、独自に照明調整する照明系であるケーラー照明方式の照明装置が設けられ、例えば半導体基板や液晶基板などの多配線構造を有する標本に対して観察に必要な照明光を照射している。そこでまず一般的な落射型ケーラー照明方式を用いた顕微鏡について図14を参照して説明する。
かかる落射型ケーラー照明顕微鏡101は、標本102を載せるステージ103を設けている。この落射型ケーラー照明顕微鏡101の上部には、落射投光管109が設けられ、この落射投光管109の一端部に光源104が設けられている。この光源104は、例えばハロゲンランプのフィラメント等が用いられる。
落射型ケーラー照明顕微鏡101における光源104側には、集光レンズ105が設けられ、かつ落射投光管109には、集光レンズ105を透過した光を絞る開口絞り107と、集光レンズ106と、透過光を下方に反射するハーフミラー108とが設けられている。また落射型ケーラー照明顕微鏡101において、ハーフミラー108の下方に、レボルバ110が設けられ、このレボルバ110に複数の対物レンズ112が取り付けられている。
落射型ケーラー照明顕微鏡101におけるケーラー照明は、光源104から射出された光を対物レンズ112の後ろ側焦点位置(以下、対物瞳111とする)に投影する。これにより、標本102は、光源104の輝度分布に影響されず均一に照射される。よって観察者は、光量にムラの少ない観察をすることができる。
このような落射型ケーラー照明顕微鏡101では、フレアやゴーストといった標本102のコントラストを低下させる不要な光を観察光路に侵入させないために照明光路上に開口絞り107を設けている。これにより光源104から射出した光は、光源の像を開口絞り107面上に一度中間結像される。その際、落射型ケーラー照明顕微鏡101では、開口絞り107により対物瞳111に入射させる光源像の大きさを調整し、観察に使用しない不必要な光を対物レンズ112に入射させないようカットしている。
一般に対物瞳111の大きさは、使用する対物レンズの倍率により異なるため、観察者は、対物レンズ112の倍率を切り換えるごとに開口絞り107の径を調整することが必要である。
しかし、このような調整方法は、光源像を中間結像させるため照明光路を長くしてしまう。照明光路が長くなると、かかる照明光路を有する投光管109の長さが長くなり、これに伴って顕微鏡101の構成自体が大型化してしまう問題が生じる。
また、開口絞り107にて光を絞るために光源104から射出される照明光を効率良く使用できず、より高い輝度を発する光源を使用する必要がある。このような光源を使用すると、装置価格が、高価になってしまう。
このような問題に対して特許文献1に開口絞り位置に直接LEDアレイを配置してケーラー照明系を構成する顕微鏡が開示されている。かかる顕微鏡は、対物瞳に投影する光源像の大きさを変化させるためにLEDアレイの部分的点灯を利用している。
特開2001−154103号公報
しかしかながら、特許文献1に開示されている顕微鏡は、部分点灯させるために必要な専用のLED点灯回路を設けなければならず、構成自体が複雑になり装置も高価になってしまう。また、部分点灯により点灯させないLEDもあるためLEDアレイから射出される照明光を効率的に使用できないといった問題がある。
本発明は、光を射出する少なくとも1つの発光素子と、発光素子から射出された光を集光する集光レンズと、集光レンズで集光された光が入射端面から入射され、射出端面において入射した光を略均一な強度の線状光として射出する少なくとも1つの光伝達部材と、光伝達部材の射出端面から射出した光を対物レンズの瞳位置に投影する投影光学系と、を具備し、光伝達部材は、対物レンズの種類に応じて交換又は切り換え可能に配置されることを特徴とする顕微鏡の照明装置である。
本発明によれば、光源から射出された射出光を瞳位置に設けられたレンズ形状の大きさを変化させることで射出される照明光を効率的に標本に照射し、またレンズの切り換え機構を構成することで光源像の大きさを変更でき、安価で小型な顕微鏡の照明装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1及び図2を参照して本発明に係る第1の実施形態について詳細に説明する。図1は、明視野に用いる本実施形態における装置全体の概略構成を示す図である。図2は、光源部周辺の拡大断面図である。
顕微鏡本体1には、XYZテーブル3が設けられている。このXYZテーブル3には、標本2が載置され、且つこの標本2を観察及び測定対象領域に移動させ、かつフォーカシング動作を行う。
顕微鏡本体1の上部には、落射投光管7が設けられている。この落射投光管7には、標本2を照射するため光を射出する光源部8と、光源部8から射出した射出光を透過させる投影レンズ9と、投影レンズ9を透過した透過光を反射して標本2に投影し、標本2からの反射光を透過させるハーフミラー10とが設けられている。このうちハーフミラー10は、観察光軸5上に設けられている。
顕微鏡本体1における観察光軸5上かつハーフミラー10の下方には、レボルバ6が回転可能に設けられている。このレボルバ6には、複数の対物レンズ4が取り付けられている。このレボルバ6は、回転することにより複数の対物レンズ4のうち所望の対物レンズ4を観察光軸5上に配置する。
又、顕微鏡本体1における観察光軸5上かつハーフミラー上方には、鏡筒11が設けられている。この鏡筒11は、標本2の拡大像を観察するために設けられている。
光源部8には、光源の点灯および調光するための調光コントローラ12が接続されている。この光源部8は、図2に示すように光を射出する発光素子であるLED素子21と、このLED素子21から射出された光を集光する集光レンズ22と、この集光レンズ22により集光された光を入射し、内部で複数回反射させて投影レンズ9に向けて出射する複数、例えば3つのロッドレンズ23a,23b,23cとを備える。なお、本実施形態ではLED素子の数を1個としたが、LEDアレイのように複数配置しても良い。また本実施形態では、ロッドレンズを3個配置したが3個に限定しない。
またロッドレンズ23a,23b,23cの射出端面は、対物レンズ4の後ろ側焦点位置(対物瞳面13)と共役な位置又は、その近傍になるように配置される。
ロッドレンズ23aの形状は、例えば均一な径を有する円柱形状に形成されている。このロッドレンズ23aの射出端面には、光を拡散して射出する拡散面24aが設けられている。この拡散面24aは、例えば砂目面と呼ばれる面である。
一方、各ロッドレンズ23b,23cの入射端面の大きさは、ロッドレンズ23aと等しいが、射出端面に向けて断面積が変化するテーパ形状になっている。このうちロッドレンズ23bは、入射端面から射出端面に向けて断面形状が小さくなるテーパ状に形成されている。ロッドレンズ23cは、入射端面から射出端面に向けて断面形状が大きくなるテーパ状に形成されている。これらロッドレンズ23b,23cの各射出端面には、それぞれ上記拡散面24a同様の各拡散面24b,24cが設けられている。
これらロッドレンズ23a,23b,23cは、切り換えスライダ29によって保持されている。この切り換えスライダ29には、各ロッドレンズ23a,23b,23cの配置位置に応じた各位置に各V溝25が設けられている。
切り換えスライダ29は、落射投光管7に設けられた図示しない案内機構により矢印28方向にスライド可能に設けられている。
落射投光管7の内部には、ベアリング26及びイタバネ27が設けられている。これらベアリング26及びイタバネ27は、クリック機構を構成する。このクリック機構は、イタバネ27の付勢力によってベアリング26を切り換えスライダ29に押し付ける。従って、切り換えスライダ29が矢印28方向にスライドし、ベアリング26が各V溝25のうち1つのV溝25内に係合すると、当該V溝25に対応するロッドレンズ23a,23b又は23cが照明光軸L上に位置決めされる。なお、図2は照明光軸L上にロッドレンズ23aが固定配置された状態を示している。
次に図2を参照して上記の如く構成された顕微鏡の照明装置の動作に関して説明する。
LED素子21から射出した射出光は、集光レンズ22により集光されてロッドレンズ23aの入射端面に入射する。入射端面に入射した入射光は、ロッドレンズ23a内部で反射を繰り返しながら射出端面である拡散面24aから様々な方向に拡散される。このとき、ロッドレンズ23に入射した入射光は、拡散面24aの前面で均一な光となって出射される。
拡散面24aから拡散される拡散光は、投影レンズ9により集光され、ハーフミラー10により観察光軸5上の対物レンズ側に反射された後、対物レンズ4の後ろ側焦点位置(以下、対物瞳面13とする)に拡散面24aの像を形成する。即ち拡散面24aを2次光源とした投影光学系であるケーラー照明が行われる。
投影レンズ9は、対物瞳面13に形成される拡散2次光源像の大きさが対物レンズ4の瞳径とほぼ等しくなるような位置に配置されている。
標本2の表面から反射した反射光は、再び対物レンズ4に集光され、対物瞳面13、ハーフミラー10を介して鏡筒11へ入射する。これにより、観察者は、鏡筒11の図示しない接眼レンズにより標本2の拡大像を観察する。このとき観察者は、調光コントローラ12にて光源部8の明るさを調整することで、観察像に対する光量を増減させることができる。
次に対物レンズ4を切り換える際の動作方法について説明する。
例えば観察者が、レボルバ6を回転させて高倍の対物レンズに切り換える場合、ロッドレンズ23bを照明光路L上に配置するために切り換えスライダ29が矢印28の示す下方向に1段引き出される。すなわち、切り換えスライダ29が矢印28方向にスライドされ、ベアリング26が各V溝25のうち1つのV溝25内に係合すると、当該V溝25に対応するロッドレンズ23bが照明光軸L上に位置決めされる。これにより、引き出されたロッドレンズ23bに入射した入射光は、ロッドレンズ23b内部で順次反射を繰り返し拡散面24bから拡散射出される。
拡散面24bから拡散した拡散光は、投影レンズ9により集光され、ハーフミラー10により反射され対物瞳面13に拡散面24bの像を形成する。拡散面24bの面積は、拡散面24aよりも小さいため、対物瞳面13に投影される拡散2次光源像は小さく、且つ輝度は高くなる。
一般的に、対物レンズの倍率が高倍になると対物瞳径は小さくなる傾向にある。しかし、拡散面24bの投影像も小さくしているため、LED素子21から射出したほぼ全ての光が、対物レンズ4に集光される。即ち切り換えスライダ29によりロッドレンズを切り換えることは、開口絞りの調整と同等の機能を有することになる。
対物瞳面13を通過した照明光は、対物レンズ4に集光され標本2をケーラー照明する。標本面で反射、散乱した光は、再び対物レンズ4に集光され、対物瞳面13、ハーフミラー10を透過して鏡筒11へ入射し、上記同様に標本2の拡大像が観察される。
また、観察者が低倍の対物レンズに切り換えた場合も前述した同様の手順により観察を行う。観察者は、切り換えスライダ29にてロッドレンズ23cを照明光路に入るように矢印28に示すように引き上げる。すなわち、切り換えスライダ29が矢印28方向にスライドされ、ベアリング26が各V溝25のうちいずれかのV溝25内に係合すると、当該V溝25に対応するロッドレンズ23cが照明光軸L上に位置決めされる。これにより、ロッドレンズ23cの拡散面24cの面積は、拡散面24a,24bよりも大きく、その大きさは、使用する低倍の対物レンズ4の瞳の大きさに相当する投影像の得られる大きさである。この場合もLED素子21から射出された射出光は、効率よく標本2に照射され、なおかつ対物瞳13の大きさを全て満たした照明ができる。
このように第1の実施形態によれば、切り換えスライダ29をスライド移動するだけで、それぞれ射出端面形状の大きさが異なるロッドレンズ23a,23b,23cのいずれかに切り換えることができ、これによって、対物瞳面13に投影する光源像の大きさを変更できる。この結果、観察者は、フレアやゴーストの原因となる有害な光を遮断したコントラストの良い観察像を得ることができる。
また、光源像を一旦開口絞り位置に投影する必要もないために、照明光路が短くなる。また第1の実施形態によれば、切り換えスライダ29により各ロッドレンズ23a,23b,23cを切り換えることで絞り機構と同等の機能を果たすために、新たに絞り機構を設ける必要がなく、LEDを部分点灯させるための特別な点灯回路も不要である。よって装置は、安価且つ小型な構成になる。
更に第1の実施形態によれば、ロッドレンズの出射端面形状を対物レンズ4の瞳径に応じて変化させるため、LED素子21から射出光を無駄に損失することなく効率良く標本2に照射できる。よって観察者は、低価格且つ輝度の低い光源や対物レンズの瞳径が小さな高倍率対物レンズを使用した場合でも明るい観察像を得ることができる。
次に図3を参照して本発明に係る第2の実施形態について詳細に説明する。
なお、前述した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
例えば3つのスライダ29a,29b,29cが用意される。このうちスライダ29aにはロッドレンズ23aが設けられ、スライダ29bにはロッドレンズ23bが設けられ、スライダ29cにはロッドレンズ23cが設けられている。これらスライダ23a,23b,23cは、使用する対物レンズ4に応じて交換される。
これにより予め使用する対物レンズ4が決まっている場合は、観察者は、当該対物レンズ4に対応する必要なロッドレンズ23a、23b又は23cを設けたスライダ29a、29b又は29cのみを用意すれば良い。これにより使用するロッドレンズのみを用意すればよいために本装置は、安価な構成になり、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に図4を参照して本発明に係る第3の実施形態について詳細に説明する。
なお、前述した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
前述した第1の実施形態は、ロッドレンズのみを交換する構成であるが、本実施形態は、LED素子21、集光レンズ22及びロッドレンズを一体的に構成する各LEDユニット31a,31b,31cのうちいずれか1つに交換する構成である。なお、各LEDユニット31a,31b,31cには、それぞれ形状の異なる各ロッドレンズ23a,23b,23cが設けられている。
これにより前述した第2の実施形態と同様により本実施形態は、安価な構成にすることができ、また前述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に図5を参照して本発明に係る第4の実施形態について詳細に説明する。
なお、前述した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態は、透過照明方式を用いた顕微鏡である。顕微鏡本体1の下部には、光源部8と、ミラー32と、投影レンズ33とが設けられている。なお、光源部8は、顕微鏡本体1の下部に設けられているものの、上記第1の実施形態と同様に、例えば各ロッドレンズ23a,23b,23cを保持する切り換えスライダ29を有し、かつベアリング26及びイタバネ27からなるクリック機構によりロッドレンズ23a,23b又は23cを照明光軸L上に位置決めする。
各ロッドレンズ23a,23b,23cの各射出端面は、それぞれ透過照明の開口絞りに相当する位置に配置されているため、射出端の像は、対物レンズ4の対物瞳面13に投影される。よってケーラー照明系が構成される。
このように本実施形態によれば、透過照明方式を用いた顕微鏡にも適用可能であり、観察する標本の透過照明像を観察でき、それ以外の動作及び効果は前述した第1の実施形態と同様である。
また、透過照明及び落射照明両方を有する顕微鏡であっても良い。
次に図6を参照して本発明に係る第5の実施形態について詳細に説明する。
なお、前述した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態は、投影レンズ9と光源部8との間の照明光軸L上にリレーレンズ35を設けた。これにより、ロッドレンズ23の射出端の拡散面の光学像は、リレーレンズ35を介して落射投光管内の中間結像面36に結像され、対物瞳面13に投影される。この場合、中間結像面36が顕微鏡の開口絞り位置に相当するが、ロッドレンズの形状や大きさで照明のNA(開口数)を調節するので絞り機構は、不要である。
このように構成することで、開口絞りで光を損失することが無く、照明光を効率よく標本2に照射するため明るい観察像が得られる。
次に図7及び図8を参照して本発明に係る第6の実施形態について詳細に説明する。
図7は、暗視野照明に用いる本実施形態に係る顕微鏡の構成図である。図8は、光源部8周辺の拡大断面図である。
なお、前述した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
顕微鏡本体1には、観察標本2を観察測定対象領域に移動させ、且つフォーカシング動作を行うXYZテーブル3と、暗視野照明光路を有し、観察に使用する複数の対物レンズ4が取り付けられ、回転することにより所望の対物レンズ4を観察光軸5上に配置するレボルバ6と、レボルバ6上方に配置された落射投光管7とが設けられている。
落射投光管7には、標本2を照明する光源部8と、光源部8から射出した照明光を対物レンズ4に導くための投影レンズ9と、投影レンズ9を透過した照明光を観察光軸5上の対物レンズ4側に反射し標本2を照射し、標本2からの反射光を透過させるハーフミラー10とが設けられている。このうち光源部8は、光源の点灯および調光するための調光コントローラ12に接続されている。また、ハーフミラー10上方且つ観察光軸5の延長上には、標本2の拡大像を観察する鏡筒11が設けられている。
図8は光源部8の構成図を示す。光源部8には、LED素子21と、このLED素子21から射出された光を集光する集光レンズ22と、この集光レンズ22の後方に配置され、内部に円錐中空部37を設けたロッドレンズ23dとが設けられている。なお、ロッドレンズ23dは、第1の実施形態と同様の機構で射出端の形状が異なるものに交換又は切り換え可能となっている。
また、ロッドレンズ23dの射出端面は、対物瞳13と共益な位置又はその近傍になるように配置される。
ロッドレンズ23dは、入射端面側を円柱形状に形成すると共に、射出端面側を円筒形状に形成し、円形の入射端面に入射した光を射出端面から環状の光として出射する。すなわち、ロッドレンズ23dの射出端側は、円錐中空部の端面が設けられている。この光の射出端面には、拡散面18d(砂目面)が設けられている。円錐中空部37が形成されることにより拡散面18dの形状は、環状すなわちドーナツ状になっている。
次に本実施形態における動作方法について詳細に説明する。
LED素子21から射出した射出光は、集光レンズ22にて集光された後、ロッドレンズ23dの入射端に入射する。入射した入射光は、ロッドレンズ23d内部で反射を繰り返す。この反射光は、円錐中空部37によりロッドレンズ23dの周縁側に導かれ、ドーナツ状の拡散面24dから拡散される。このようにロッドレンズ23dには、集光レンズ22から様々な角度と位置に光が入射し、入射した光は、拡散面24dからドーナツ状に一様な光量を有する光として射出される。拡散面24dから拡散した光は、観察光軸5上には通らない。拡散した光は、投影レンズ9により集光され、ハーフミラー10により反射されて対物レンズ4の対物瞳面13に拡散面24dの像を形成する。
投影レンズ9は、対物瞳面13に形成される拡散2次光源像の形状が、使用する対物レンズ4における暗視野照明光路の開口形状にほぼ等しくなるような光学配置になっている。これにより、対物瞳面13を通過した光は、対物レンズ4に設けられた暗視野光路を介して標本2を斜めから照明する。標本面で散乱した光の内、対物レンズ4のNAの範囲内に入射する光は、対物レンズ4に集光され、対物瞳面13を通過し、ハーフミラー10を透過して鏡筒11へ入射する。これにより観察者は、標本2の暗視野拡大像を観察することができる。このとき観察者は、調光コントローラ12にて光源部8の明るさを調整することで、観察像に対する光量を増減させる。
なお観察者は、観察方法を明視野観察に切り換える場合、前述した第1の実施形態と同様に、切り換えスライダにて第1の実施形態で示したような各ロッドレンズ23a,23b,23cに切り換えるだけでよい。
本実施形態において観察者は、切り換えスライダを移動するだけで対物瞳に投影する光源像の形状を変更でき、またロッドレンズの射出端周縁部から光が拡散されるために暗視野観察のような円形形状以外の光源像を必要とするような標本の観察も可能である。また観察者は、LED素子からの照射光を無駄なく効率良く暗視野照明光として利用できるので明るい観察像を得ることができる。
次に図9を参照して本発明に係る第7の実施形態について詳細に説明する。なお、前述した第1及び第2の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
同図に示すように本実施形態は、前述した第6の実施形態とは異なり対物レンズのNAの範囲内での斜照明(以下、輪帯照明とする)を行う顕微鏡にも適用できる。本実施形態中の顕微鏡に用いられる対物レンズ4は、明視野用の対物レンズであるが、本実施形態は、標本2に対して光を斜めから照射する。
ロッドレンズ23eは、前述した第6の実施形態と同様に射出端をドーナツ形状に形成している。ロッドレンズ及び対物レンズ以外の構成は、前述した第6の実施形態と同様であるために詳しい説明は、省略する。
対物瞳面13での、ロッドレンズ23eの射出端面像の大きさは、対物レンズの瞳径とほぼ同じである。但しロッドレンズ23eの射出端は、ドーナツ形状なので、観察光軸5上では照明光は導光されない。即ち、対物レンズ4のNAの外周部から標本を照明する。
標本表面で反射、散乱した光は、再び対物レンズ4に集光され、対物瞳面13を通過し、ハーフミラー10を透過して鏡筒11へ入射し、標本2の拡大像が観察される。
本実施形態は、明視野観察において標本2に対して光軸上からではなく、標本に対して斜めから照明光を射出する。よって観察者は、標本2のエッジ部や段差等を有する細かな形状変化のある部分のコントラストが強調された観察像を得ることができる。
また本実施形態は、様々な形状のロッドレンズを選択使用することにより、明視野観察及び暗視野観察だけでなく輪帯照明といった照明のNAを自在に変更できる観察も可能である。本実施形態は、全て同一の投光管で実現できるため観察方法に応じた専用の投光管を準備する必要がなく、小型で安価な構成となる。また、落射照明に限定されるものではなく、透過照明においても暗視野、輪帯照明の観察で利用しても良い。
次に図10及び図11を参照して本発明に係る第8の実施形態について詳細に説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態は、ロッドレンズ23の代りに図10及び図11に示すように複数の光ファイバーを束ねた光ファイバー束39,40を用いる構成である。
図10に示す光ファイバー束39は、入射面39aから射出面39bに向かうに従って、各光ファイバーの配置密度が例えば大きく変化される。本実施形態は、光ファイバー束39を用いて、射出面39bを2次光源とするケーラー照明系を構成しても良い。
また図11に示す光ファイバー束40は、入射面40aから射出面40bに向かうに従って、光ファイバー束40の配列位置がドーナツ状に変化され、外周部に密集させた状態になっている。本実施形態は、このような光ファイバー束40を用いて、射出面40bを2次光源とする暗視野照明又は輪帯照明系を構成しても良い。
次に図12及び図13を参照して本発明に係る第9の実施形態を詳細に説明する。図12は、本実施形態に係る顕微鏡の構成図である。なお、前述した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
顕微鏡本体1には観察標本2を観察対象領域に移動させ、かつフォーカシング動作を行うXYZテーブル3が設けられている。XYZテーブル3に対向配置した観察に使用する複数の対物レンズ4は、電動レボルバ45の回転により所望の対物レンズ4を観察光軸5上に配置する電動レボルバ45上方には、標本2を照明する落射投光管7が配置されている。
落射投光管7には、光を照明するLED素子21と、LED素子21からの照明光を集光する集光レンズ22と、ターレット47に保持されているテーパ形状の複数のロッドレンズ46と、から構成される光源部8と、光源部8からの照明光を集光・透過する投影レンズ9と、投影レンズ9を透過した照明光を反射し、標本2からの反射光を透過させるハーフミラー10と、を備える。また、ハーフミラー10上方且つ観察光軸5の延長上に標本2の拡大像を観察するための鏡筒11が配置されている。
図13に示すようにそれぞれ射出面の形状や大きさの異なるロッドレンズ46a,46b,46c,46dは、ターレット47により配置されている。このターレット47は、その中心が回転軸48に固定されている。回転軸48は、顕微鏡本体1に固定されたモータ49により回転する。
なおモータ49、LED素子21及び電動レボルバ45は、モータ49の制御、LED素子21の光量の調光、電動レボルバ45の制御を行うコントローラ50と接続している。このコントローラ50は、LED素子21の調光および対物レンズ4の切り換え指示をする指示部51と接続している。
ターレット47に配置されている大きさや形状の異なるロッドレンズの機能等は、前述した第1及び第2の実施形態と同様である。本実施形態は、モータ49によりターレット47を回転することにより使用するロッドレンズの切り換えを行う。
観察者は、指示部51に所望する対物レンズ4に切り換わるように指示を与える。その指示を受けたコントローラ50は、電動レボルバ45を指定された対物レンズ4に切り換わるように駆動させると共に、対物レンズ4の瞳径に応じたロッドレンズに切り換わるようにモータ49を駆動させる。即ち、対物レンズ4の切り換えとロッドレンズの切り換えが連動する。
その他の動作は前述した第1、第2の実施形態と同様である。
本実施形態において、観察者は、所望の対物レンズを選択するだけで最適な照明状態を得ることができ操作の手間を省くことができる。なお、本実施形態ではターレット47に4つのロッドレンズを配置したが、この数に限定されるものではない。例えばレボルバに6種類の対物レンズが取り付けるのであればそれに応じた形状の6つのロッドレンズを備えても良い。
本発明に係る第1の実施形態における装置全体の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る光源部周辺の拡大断面図である。 本発明に係る第2の実施形態を示す図である。 本発明に係る第3の実施形態を示す図である。 本発明に係る第4の実施形態を示す図である。 本発明に係る第5の実施形態を示す図である。 本発明に係る第6の実施形態における装置全体の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る光源部周辺の拡大断面図である。 本発明に係る第7の実施形態を示す図である。 本発明に係る第8の実施形態を示す図である。 本実発明に係る第8の実施形態を示す図である。 本発明に係る第9の実施形態における装置全体の概略構成を示す図である。 本実施形態に係るロッドレンズの配置構成図である。 従来の顕微鏡の構成を示す図である。
符号の説明
1:顕微鏡、2:標本、3:ステージ、4:対物レンズ、5:観察光軸、6:レボルバ、7:落斜投光管、8:光源部、9:投影レンズ、10:ハーフミラー、11:鏡筒、12:コントローラ、13:対物瞳面、21:LED素子、22:集光レンズ、23:ロッドレンズ、24a,24b,24c,24d:拡散面、25:V溝、26:ベアリング、27:イタバネ、28:矢印、29:切り換えスライダ、31a,31b,31c:LEDユニット、35:リレーレンズ、36:中間結像面、37:中空部、39,40:光ファイバー束、45:電動レボルバ、47:ターレット、48:回転軸、49:モータ、50:コントローラ、51:指示部。

Claims (13)

  1. 光を射出する少なくとも1つの発光素子と、
    前記発光素子から射出された前記光を集光する集光レンズと、
    前記集光レンズで集光された前記光が入射端面から入射され、射出端面において前記入射した光を略均一な強度の線状光として射出する少なくとも1つの光伝達部材と、
    前記光伝達部材の前記射出端面から射出した前記光を対物レンズの瞳位置に投影する投影光学系と、
    を具備し、
    前記光伝達部材は、前記対物レンズの種類に応じて交換又は切り換え可能に配置されることを特徴とする顕微鏡の照明装置。
  2. 光を射出する少なくとも1つの発光素子と、
    前記発光素子から射出された前記光を集光する集光レンズと、
    前記集光レンズで集光された前記光が入射端面から入射され、射出端面において前記入射した光を略均一な強度の線状光として射出する少なくとも1つの光伝達部材と、
    前記光伝達部材の前記射出端面から射出された前記光を対物レンズの瞳位置に投影する投影光学系と、
    を具備し、
    前記発光素子と、前記集光レンズと、前記光伝達部材とが一体的に交換可能であることを特徴とする顕微鏡の照明装置。
  3. 前記光伝達部材は、ロッドレンズであり、かつ前記射出端面は拡散面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡の照明装置。
  4. 前記射出端面は、前記対物レンズの瞳位置と共役な位置又はその近傍に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡の照明装置。
  5. 前記光伝達部材は、テーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
  6. 前記光伝達部材は、スライダ形式により交換、又は切り換わることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
  7. 前記光伝達部材の前記射出端面は、ケーラー照明光学系の開口絞り位置に配置されることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
  8. 前記光伝達部材は、前記入射端面側を円柱形状に形成すると共に、前記射出端面側を円筒形状に形成し、円形の前記入射端面に入射した前記光を前記射出端面から環状の光として出射することを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
  9. 前記光伝達部材は、輪帯形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
  10. 前記光伝達部材は、光ファイバ束により形成されることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
  11. 前記光ファイバー束は、前記入射端面の全域に一様に配置され、前記入射端面から前記射出端面に向けて環状に配置され、前記射出端面には中空部が形成されることを特徴とする請求項10に記載の顕微鏡の照明装置。
  12. 前記光伝達部材は、ターレット形式により切り換わることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
  13. 前記光伝達部材は、前記対物レンズの切り換えに連動して切り換わることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかの1つに記載の顕微鏡の照明装置。
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