JP2006327914A - 炭酸カルシウムの製造方法及びそれを用いた塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 炭酸カルシウムの粉砕処理を行う製造方法において、粒度分布がシャープ、かつ、低比表面積である微粒炭酸カルシウムの製造方法を提供すること。
【解決手段】 乾式分級することにより炭酸カルシウムのレーザー回折散乱法による平均粒子径を5.0μm以下、BET比表面積を5m2/g以下とした後、分散剤を添加して固形分濃度が50〜80%の炭酸カルシウムスラリーを調成し、φ0.1〜1.0mmのビーズを充填したビーズミルにて湿式粉砕して得られる炭酸カルシウムのレーザー回折散乱法による平均粒子径が1.0μm以下、BET比表面積が13m2/g以下である光沢発現性および不透明度に優れる塗工用炭酸カルシウムを製造する。
【選択図】 なし
Description
本発明の乾式分級としては、複数の分級羽根が設けられた回転体即ち分級ロータの回転による遠心力と、空気流の流体抵抗による求心力のバランスにより、粉末原料を粗粉と微粉とに分級する基本原理によるエアセパレータが広く使用されている。特に、最近開発が進められている分級機内蔵メディア撹拌型連続乾式微粉砕機は1μm以下の乾式微粉砕が可能であるのみならず、通常の乾式粉砕と分級の二段処理で得られる粒子に比べて、粉砕で得られる微粉が過剰に粉砕されること無く、すぐに分級作用を受けるため、粒度分布もシャープにできる利点がある。また、乾式分級する前の炭酸カルシウムの粒子径は特に限定はされないが、好ましくは平均粒子径が10 mm以下、より好ましくは10〜100μmのものを用いる。次に、乾式分級で得られた炭酸カルシウムに、水と分散剤を添加して得られる炭酸カルシウムスラリーを、ボールやビーズを充填したアトライター、ボールミル、サンドミル等を使用して湿式粉砕する。
)が、1.0〜5.0が好ましい。
湿式粉砕に使用する分散剤の種類は特に限定されるものではなく、アクリル酸やメタクリル酸、およびその誘導体や塩を構成成分とする水性高分子が使用される。また、分散剤の添加量は、炭酸カルシウムの種類、粒子径、粒度分布、スラリー濃度や粘度などに応じて適宜調節される。湿式粉砕における炭酸カルシウムスラリー固形分濃度は50〜80重量%が好ましい。スラリー固形分濃度が50%未満の場合、粉砕時間が長くなり、塗料の高固形分化や本発明で得られる炭酸カルシウムの高配合化に適していない。また、本発明の処理により得られる、エンジニアード化したスラリーは増粘し易いため、スラリー固形分濃度が80%より高くなると、スラリー粘度が増大し、流動性に劣る傾向にある。
<固形分濃度>
105±5℃での絶乾重量を求め、固形分濃度を算出した。
<粒子径および粒度分布>
マルバーン社製のマスターサイザー2000型で測定した。得られた粒度分布測定曲線の50重量%の粒子径を平均粒子径とした。また、粒度分布測定曲線の50重量%の粒子径と粒度分布測定曲線の10重量%の粒子径の比をD50/D10 として求めた。なお、粒度分布がシャープであるほど、この比率は1に近づく。
<BET比表面積>
窒素吸着法(島津社製マイクロメリティックス・ジェミニ2360)で測定した。
<白紙光沢度>
JIS P−8142に従い、角度75度で測定した。
<不透明度>
JIS P−8138に従い、角度75度で測定した。
[実施例1]
乾式粉砕で得られた平均粒子径14.5μmの重質炭酸カルシウム(三共精粉PC35)をエアセパレータ式乾式分級機(コトブキ技研工業UFS75型)により、平均粒子径1.7μm 、BET比表面積が4.0m2/g の重質炭酸カルシウムを得た。乾式分級した重質炭酸カルシウム100部に、分散剤(花王ポイズ535M)を重質炭酸カルシウムに対して1.5部添加して、水を加えて重質炭酸カルシウムの固形分濃度が70%になるように調整した。この重質炭酸カルシウムスラリーを、0.3mmのジルコニアビーズを充填したマルチパス型ボールミルにて流量1.5L/minで30分粉砕を行った。この時の重質炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.66μm、BET比表面積は10.1m2/gであった。
[実施例2]
実施例1において、重質炭酸カルシウムを乾式分級により、平均粒子径が4.5μm、BET比表面積が2.1m2/gに調製した以外は実施例1と全く同一の方法で粉砕し、印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、0.3mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドグラインダーにて流量150ml/min、回転数2500rpmにて2段粉砕を行う以外は実施例1と全く同一の方法で粉砕し、印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、重質炭酸カルシウムを乾式分級により、平均粒子径が6.0μm 、BET比表面積が1.8m2/gに調製した以外は実施例1と全く同一の方法で粉砕し、印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
1.5mmのジルコニアビーズを用いてマルチパス型ボールミルにて粉砕すること以外は実施例1と全く同一の方法で粉砕し、印刷用塗工紙を得た。
Claims (4)
- 炭酸カルシウムの粉砕処理を行う製造方法において、炭酸カルシウムを乾式分級することにより、炭酸カルシウムのレーザー回折散乱法による平均粒子径を5.0μm以下、BET比表面積を5 m2/g以下に調製し、更に湿式粉砕することにより、炭酸カルシウムのレーザー回折散乱法による平均粒子径を1.0μm以下、BET比表面積を13m2/g以下に調製することを特徴とする炭酸カルシウムの製造方法。
- 前記湿式粉砕でメディアを使用し、そのメディアビーズ径がφ0.1〜1.0mmであることを特徴とする請求項1記載の炭酸カルシウムの製造方法。
- 炭酸カルシウムの粉砕処理を行う製造方法において、炭酸カルシウムを乾式分級することにより、炭酸カルシウムのレーザー回折散乱法による平均粒子径を5.0μm以下、BET比表面積を5 m2/g以下に調製し、前記炭酸カルシウムに分散剤を添加して固形分濃度が50〜80%の炭酸カルシウムスラリーを調製し、更に湿式粉砕することにより、炭酸カルシウムのレーザー回折散乱法による平均粒子径を1.0μm以下、BET比表面積を13m2/g以下に調製することを特徴とする炭酸カルシウムスラリーの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかの製造方法で製造された炭酸カルシウムを含有する塗工液を塗工した塗工紙。
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