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JP2006324486A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を提供する。
【解決手段】発光素子1は、当該発光素子1に駆動電流を供給するリード電極21に接続されるマウントMT上に搭載され、その発光部がマウントMTの搭載面とは反対側を向くように搭載されている。リード電極21および22は発光素子1からの光の放出方向とは逆の方向に延在するように延在し、発光素子1、マウントMT、ワイヤWRは透明な封止樹脂部材3で完全に覆われ、リード電極21および22の一部が封止樹脂部材3から外部に突出した構成となっている。そして発光素子1からの光の主たる取り出し領域R1の表面を覆うように耐透気性透明薄膜6が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体発光装置に関し、特に樹脂封止材または樹脂レンズの表面に耐透気性透明薄膜を設けて、寿命特性を向上した半導体発光装置に関するものである。
一般的な半導体発光装置の形態としては、半導体発光素子(以下、発光素子と呼称)と、当該発光素子に電力を供給するリード電極とを備え、発光素子およびリード電極を樹脂封止材で被覆した構成や、当該樹脂封止材上にさらに樹脂レンズを配した構成を採るものが挙げられる。
ここで、樹脂レンズの材質としては、一般的にエポキシ樹脂、メタクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などが用いられており、これら以外として特許文献1では環状オレフィン樹脂を用いることが開示されており、さらに光学特性や耐擦傷性を向上させるために、樹脂レンズ表面に反射防止コート層やハードコート層を設けることが開示されている。
また、樹脂封止材として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを用いることが一般的であるが、特許文献2には、封止樹脂の呈色を抑えて半導体発光装置を長寿命化するための封止樹脂として、フッ素系樹脂などが用いることが開示されている。
特開2004−294842号公報(第13頁〜第18頁) 特開2003−8073号公報(第4頁〜第5頁)
従来の半導体発光装置にあっては、樹脂レンズは、半導体発光装置を駆動する際に発生する熱による樹脂変質、または半導体発光装置を配した装置系の発する熱による樹脂変質、および従来公知の樹脂素材劣化機構である自動酸化反応によって劣化し、可視光の光透過率、配光制御などの性能が著しく低下してしまうという問題があった。
このような劣化については、レンズ樹脂表面に反射防止コート層や対擦傷性コート層を設けたレンズでも例外ではなく、性能の低下を免れることはできなかった。
上記のような問題を解決するために無機材料、例えば光学ガラスで構成したレンズを用いた場合には、上記のような劣化は生じなくなるが、レンズ自体が高価になるという問題や、半導体発光装置からの取り出し光を所望の配向特性とするために必要な光学曲面加工を施すことが困難であるなどの問題があった。
また、発光素子の封止に用いる封止樹脂としてエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などを用いた場合にも、自動酸化機構によって劣化が促進され、可視光の光透過率などの性能が著しく低下するなどの問題があった。
さらに、上記のような封止樹脂の劣化を抑えるために、耐候性に優れるフッ素系樹脂などを用いた場合には、一般的にフッ素系樹脂では屈折率が低いことから、発光素子からの光の取り出し効率が低下し、所望の発光特性を得ることが困難であるなどという問題があった。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1記載の半導体発光装置は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子からの光の放出方向とは逆の方向に延在するように設けられ、前記半導体発光素子に駆動電流を供給するリード電極と、前記リード電極に接続され、前記半導体発光素子を搭載するマウントと、前記半導体発光素子、前記マウントおよび前記リード電極の一部を封止する封止樹脂部材と、前記封止樹脂部材の表面のうち、少なくとも前記半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように配設された耐透気性透明薄膜とを備えている。
本発明に係る請求項3記載の半導体発光装置は、半導体発光素子と、平板状に構成され、その主面上に前記半導体発光素子を搭載し、前記半導体発光素子に駆動電流を供給するリード電極と、前記半導体発光素子およびその周囲の前記リード電極の主面表面が露出する窪み部を有した箱状のパッケージと、前記窪み部を埋めるように充填された封止樹脂部材と、前記封止樹脂部材の表面のうち、少なくとも前記半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように配設された耐透気性透明薄膜とを備えている。
本発明に係る請求項6記載の半導体発光装置は、半導体発光素子と、平板状に構成され、その主面上に前記半導体発光素子を搭載し、前記半導体発光素子に駆動電流を供給するリード電極と、前記半導体発光素子およびその周囲の前記リード電極の主面表面が露出する窪み部を有した箱状のパッケージと、前記窪み部を埋めるように充填された封止樹脂部材と、前記パッケージの前記封止樹脂部材が充填された上面を覆うように配設された樹脂レンズと、前記樹脂レンズの表面のうち、少なくとも前記半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように配設された耐透気性透明薄膜とを備えている。
本発明に係る請求項1記載の半導体発光装置によれば、封止樹脂部材の表面のうち、少なくとも半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように耐透気性透明薄膜が配設されているので、光の主たる取り出し領域の樹脂表面への酸素の到達が抑制され、自動酸化反応が生じにくくなるので、光の主たる取り出し領域の樹脂着色を抑制、遅延させることができる。また、樹脂着色の抑制、遅延により、樹脂表面にクラックが発生することが防止されるので、クラックが発生して生じる取り出し光の散乱および光量低下も防止されるため、長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる。
本発明に係る請求項3記載の半導体発光装置によれば、パッケージの窪み部を埋めるように充填された封止樹脂部材の表面のうち、少なくとも半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように耐透気性透明薄膜が配設されているので、光の主たる取り出し領域の樹脂表面への酸素の到達が抑制され、自動酸化反応が生じにくくなるので、光の主たる取り出し領域の樹脂着色を抑制、遅延させることができる。また、樹脂着色の抑制、遅延により、樹脂表面にクラックが発生することが防止されるので、クラックが発生して生じる取り出し光の散乱および光量低下も防止されるため、長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる。
本発明に係る請求項6記載の半導体発光装置によれば、パッケージの封止樹脂部材が充填された上面を覆うように配設された樹脂レンズの表面のうち、少なくとも半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように耐透気性透明薄膜が配設されているので、光の主たる取り出し領域の樹脂表面への酸素の到達が抑制され、自動酸化反応が生じにくくなるので、光の主たる取り出し領域の樹脂着色を抑制、遅延させることができる。また、樹脂着色の抑制、遅延により、樹脂表面にクラックが発生することが防止されるので、クラックが発生して生じる取り出し光の散乱および光量低下も防止されるため、長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる。
<序文>
従来の半導体発光装置においては、封止樹脂や樹脂レンズが長期間の使用に耐えられない旨を説明したが、この理由を解明することによって本発明に到達したので、まず封止樹脂や樹脂レンズの劣化の仕組みについて説明する。
半導体発光装置に用いられる樹脂材料としては、半導体発光素子(以下、発光素子と呼称)が発する光を吸収せず、外部から加えられる熱などのエネルギーに対して安定であるなどの要件を満たすものが選ばれる。
しかし、樹脂材料の製造および成形の過程、保存時に生成および混入される異種分子構造、不純物および各種外的因子などが劣化要因となって、意図した通りの性能を得ることは非常に難しい。
ここで、異種分子構造としては、カルボニル基や不飽和基などの官能基が、不純物としては、残存触媒などの微量金属およびその化合物が、また外的要因としては、大気中から吸収される活性酸素などが例として挙げられる。
封止樹脂および樹脂レンズの具体的な劣化原因および劣化過程は、以下のように考えられる。
まず、酸素雰囲気に曝された樹脂では、主に上述した劣化要因に起因した開始反応を起点として自動酸化反応が生じる。この酸化反応は熱エネルギー、つまり半導体発光装置を駆動した際に発する熱や、半導体発光装置が設置された装置系が発する熱を受け、上記の劣化要因が発色団となって発光素子からの発光および/または外光を吸収することによって促進され、時間の経過に伴って発光素子の発光光を吸収するレベルの発色団を次々に生成し、樹脂が着色を生じる(呈色する)。
発光素子からの発光を吸収し得る発色団が生成されることによって、樹脂は発光素子からの発光、つまり自らの発するエネルギーによってダメージを受けることとなり、劣化は急速に進む。この過程に至ると、樹脂はより濃く着色を生じ、また、高分子主鎖の切断などによって、表面の脆化が進み、かつ側鎖の架橋による硬化収縮や成形加工時の残留応力などによって、樹脂表面にクラックを生じる。クラックが発生すると、樹脂表面において光の散乱を生じて半導体発光装置からの取り出し光を損失する要因となるとともに、樹脂の内部深くまで酸素が到達することになるので、酸化反応がさらに促進される。
以上のような劣化過程により、半導体発光装置は、発光デバイスとして深刻な性能の低下を生じる。
ここで、上述した劣化過程は自動酸化反応を起点としており、劣化の開始点となる劣化要因を排除することが直接的な改善につながるが、製造上の問題などから実現性に乏しく、根本原因からの対策は非常に困難である。
そこで、発明者らは、自動酸化反応を促進する因子である酸素を遮断、または減じることで実質的な劣化過程である自動酸化反応を抑制し、性能の低下を抑止あるいは抑制することが可能と考え、樹脂に酸素が侵入することを抑制する耐透気性透明薄膜を樹脂表面に形成するという技術思想に到達した。
また、耐透気性透明薄膜の要件として、酸素透過度が、1気圧の乾燥雰囲気中で100ミリリットル/平方メートル・24時間以下、好ましくは酸素透過度が10ミリリットル/平方メートル・24時間以下、さらに好ましくは、2.0ミリリットル/平方メートル・24時間以下であるものとし、このような要件を満たすような耐透気性透明薄膜の形成方法を見出した。
また、透明度については、発光素子から放射される光のうち、可視波長領域(350〜730ナノメートル)の光に対して70%以上の透過率を示すものとし、より好ましくは90%以上の透過率を示すものとした。
以下、上述した技術思想に基づいてなされた本発明について、実施の形態1〜4として説明する。
<A.実施の形態1>
図1に本発明に係る実施の形態1の半導体発光装置100の断面図を示す。
図1に示すように、半導体発光装置100においては、発光素子1は、当該発光素子1に駆動電流を供給するリード電極21に接続されるマウントMT上に搭載される。発光素子1は、その発光部がマウントMTの搭載面とは反対側を向くように搭載されている。なお、発光素子1の発光部が設けられた面には電極部(図示せず)が設けられ、ワイヤWRを介してリード電極22等と接続されている。
リード電極21および22は発光素子1からの光の放出方向とは逆の方向に延在するように設けられている。そして、発光素子1、マウントMT、ワイヤWRは透明な封止樹脂部材3で完全に覆われ、リード電極21および22の一部が封止樹脂部材3から外部に突出した構成となっている。
封止樹脂部材3は発光素子1からの光の主たる取り出し部となる光取り出し領域R1が半球状となるように構成されており、当該光取り出し領域R1の表面を覆うように耐透気性透明薄膜6が設けられている。
耐透気性透明薄膜6の材料としてはポリビニルアルコールを用い、ディッピング法によって封止樹脂部材3上に塗布した後、乾燥炉にて蒸発乾固させて薄膜とした。
ディッピング法による薄膜形成の際には、ポリビニルアルコール水溶液の濃度あるいは粘度を調整し、予め充分に脱泡しておくことが重要であり、また膜厚を制御するために、引き上げ速度およびポリビニルアルコール水溶液の表面張力を制御することが重要である。表面張力を制御するためには、界面活性剤を加えたり、ポリビニルアルコールの鹸化度および重合度を調整することが有効である。
なお、上述した成膜工程を繰り返すことで、ポリビニルアルコール膜を多層膜とすることで所望の膜厚(5〜50μm)を得るようにしても良い。
ここで、ポリビニルアルコール水溶液の濃度については、例えば、鹸化度と関連して設定し、鹸化度が80〜85%であれば、濃度は1.0〜10.0重量%、好ましくは7.0〜10.0重量%に設定する。
また、鹸化度が85〜90%であれば、濃度は1.0〜8.5重量%、好ましくは5.0〜8.5重量%に設定し、鹸化度が90〜100%であれば、濃度は0.5〜5.0重量%、好ましくは2.0〜4.0重量%に設定する。
なお、ポリビニルアルコール水溶液の鹸化度の範囲は85〜100%とし、より好ましくは95〜100%の準完全鹸化型ないし完全鹸化型とする。
表面張力を制御するために加える界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤の水溶液をポリビニルアルコール水溶液に対し、1/10000〜5/1000重量%添加する。
また、重合度は粘度、鹸化度、濃度、乾燥速度および膜強度によって異なる値となるが、一例を挙げるなら800〜3500の範囲、好ましくは1700〜2500の範囲に設定する。
本来、ポリビニルアルコールは樹脂や光学レンズとの密着性が良くない材質であるが、上記のような条件を採用することで、タックを向上させ、膜強度を増加させることができ、耐透気性透明薄膜6を形成することができた。
また、ディッピング法によって封止樹脂部材3に塗布したポリビニルアルコール水溶液を蒸発乾固させる際には、ポリビニルアルコール薄膜の熱分解および着色が開始しない温度領域となるように乾燥温度および乾燥時間を設定する。
ポリビニルアルコールの特性としては、150℃以上の温度で急速に着色し、100℃以上の温度で徐々に着色することが知られているので、着色を避けるためにはできるだけ低い温度で、できるだけ短時間の加熱を行うことが望ましい。
例えば、40℃に設定した乾燥炉にて約4時間、または60℃に設定した乾燥炉にて約2時間の乾燥を行うことが考えられる。
ただし、これらの条件は一例に過ぎず、外見上乾燥するまで室温にて乾燥させた後、40℃に設定した乾燥炉にて約0.5時間の乾燥を行うことも考えられる。
以上説明した方法により形成した耐透気性透明薄膜6で封止樹脂部材3の光取り出し領域R1の表面を覆うことで、光取り出し領域R1の樹脂表面への酸素の到達が抑制され、自動酸化反応が生じにくくなるので、光取り出し領域R1の樹脂着色を抑制、遅延させることができる。
また、樹脂着色の抑制、遅延により、樹脂表面にクラックが発生することが防止されるので、クラックが発生して生じる取り出し光の散乱および光量低下も防止されるため、長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる。
なお、図1に示した半導体発光装置100では、半球状の光取り出し領域R1の表面だけを覆うように耐透気性透明薄膜6が設けられた構成を示したが、この構成では耐透気性透明薄膜6が設けられていない領域から封止樹脂部材3内に酸素が透気する可能性がある。もっとも、光取り出し領域R1以外の領域が多少着色しても、光の取り出しには影響が少ないので、半導体発光装置100は光学特性の維持という点では充分に有効である。
しかし、封止樹脂部材3内への酸素の透気をできるだけ防止するという観点に立てば、図2に示す半導体発光装置100Aの構成を採ることが有効である。
半導体発光装置100Aは、図2に示すように耐透気性透明薄膜6を設ける領域が拡大され、封止樹脂部材3の全表面が耐透気性透明薄膜6で被覆されている。なお、導電性が要求されるリード電極21および22の表面は耐透気性透明薄膜6で覆われないように構成されている。
このように、封止樹脂部材3の全表面を耐透気性透明薄膜6で被覆することで、封止樹脂部材3内への酸素の透気をさらに減少することができ、封止樹脂部材3の劣化を抑制する効果を高めることができる。
<B.実施の形態2>
図3に本発明に係るの実施の形態2の半導体発光装置200の断面図を示す。
図3に示すように、半導体発光装置200はリードフレームを用いてモールド成形により形成される半導体発光装置であり、発光素子1に駆動電流を供給する平板状のリード電極23の主面上に発光素子1が搭載されている。発光素子1は、その発光部がリード電極23の搭載面とは反対側を向くように搭載され、発光部が設けられた面に設けられた電極部(図示せず)は、ワイヤWRを介してリード電極24に接続されている。
パッケージ4は、発光素子1およびその周囲のリード電極23および24の一部の主面表面が露出する窪み部RPを有して箱状をなし、パッケージ4の側面からリード電極23および24が突出する構成となっている。
そして、窪み部RPを埋めるように透明な封止樹脂部材31が充填され、発光素子1が配設された領域およびその周辺の領域は封止樹脂部材31で被覆されている。
このような構成を得るには、例えば、リードフレーム上の発光素子1を配設する領域およびその周辺の領域が窪み部RPとなるように、パッケージ4をトランスファモールド成形し、その後、発光素子1を搭載し、ワイヤボンディングによりワイヤWRの接続を行うという手法を採れば良い。
そして、半導体発光装置200においては、封止樹脂部材31の発光素子1からの光の主たる取り出し部となる光取り出し領域R2に耐透気性透明薄膜層6が設けられている。
耐透気性透明薄膜6の材料としてはポリビニルアルコールを用い、ポッティング法によって封止樹脂部材3上に塗布した後、乾燥炉にて蒸発乾固させて薄膜とした。
ポッティング法を用いる場合でも、実施の形態1と同様に、ポリビニルアルコール水溶液の濃度あるいは粘度を調整し、予め充分に脱泡しておくことが重要であり、また膜厚を制御するためにポリビニルアルコール水溶液の滴下量を制御すること、表面張力と粘度が適正となるように鹸化度および重合度を選択することが重要である。なお、蒸発乾固の条件も実施の形態1で説明した条件と同じである。
半導体発光装置200においては、耐透気性透明薄膜6で封止樹脂部材31の光取り出し領域R2の表面を覆うことで、光取り出し領域R2の樹脂表面への酸素の到達が抑制され、自動酸化反応が生じにくくなるので、光取り出し領域R2の樹脂着色を抑制、遅延させることができる。
また、樹脂着色の抑制、遅延により、樹脂表面にクラックが発生することが防止されるので、クラックが発生して生じる取り出し光の散乱および光量低下も防止されるため、長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる。
なお、図3に示した半導体発光装置200では、光取り出し領域R2の表面だけを覆うように耐透気性透明薄膜6が設けられた構成を示したが、この構成では耐透気性透明薄膜6で覆われていない封止樹脂部材31の領域から封止樹脂部材31内に酸素が透気する可能性がある。最も、光取り出し領域R2以外の領域が多少着色しても、光の取り出しには影響が少ないので、半導体発光装置200は光学特性の維持という点では充分に有効である。
しかし、封止樹脂部材31内への酸素の透気をできるだけ防止するという観点に立てば、図4に示す半導体発光装置200Aの構成を採ることが有効である。
半導体発光装置200Aは、図4に示すように耐透気性透明薄膜6を設ける領域が、封止樹脂部材31とパッケージ4との境界を含む領域にまで拡大され、封止樹脂部材31のほぼ全表面が耐透気性透明薄膜6で被覆されている。
このように、封止樹脂部材31の全表面を耐透気性透明薄膜6で被覆することで、封止樹脂部材31内への酸素の透気をさらに減少することができ、封止樹脂部材31の劣化を抑制する効果を高めることができる。
また、図5に示す半導体発光装置200Bのように、封止樹脂部材31の全表面だけでなく、パッケージ4の全表面も耐透気性透明薄膜6で被覆することで、封止樹脂部材31内への酸素の透気をさらに一層減少することができ、封止樹脂部材31の劣化を抑制する効果を高めることができる。なお、導電性が要求されるリード電極23および24の表面は耐透気性透明薄膜6で覆われないように構成されている。
また、以上説明した半導体発光装置200〜200Bは、箱状のパッケージ4内に発光素子1が収容されるため、パッケージ4の光取り出し領域側に透明な樹脂あるいはガラスで構成された光学レンズを配置することが容易である。
図6には、半導体発光装置200C上に光学レンズ5を搭載した構成を示す。
光学レンズ5は、発光素子1からの光が放射される方向に突出した凸レンズであり、半導体発光装置200Cの上面、すなわちパッケージ4の封止樹脂部材31が充填された上面上に搭載され、半導体発光装置200Cの上面に対向する部分が平面となっている。
ここで、図6に示す半導体発光装置200Cは、封止樹脂部材31の全表面だけでなく、リード電極23および24の突出部より上側(すなわち光学レンズ5側)となるパッケージ4の表面も耐透気性透明薄膜6で被覆した構成となっている。
このため、封止樹脂部材31内への酸素の透気を減少することができ、封止樹脂部材31の劣化を抑制する効果を高めることができ、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる。
また、半導体発光装置200Cの上面は耐透気性透明薄膜6で覆われるので、その上に光学レンズ5を搭載すると、耐透気性透明薄膜層6が接着剤の役目を果たし、光学密着を得ることも可能となる。
なお、半導体発光装置200C上に光学レンズ5を搭載することで、取り出し光の配向特性の制御を可能にすることができる。
すなわち、光学レンズ5のレンズ形状を変更することで、取り出し光に対して所望の配向特性を与えることができる。なお、耐透気性透明薄膜層6を設けることにより、光学レンズ5による配向特性の制御が影響を受けることはない。
<C.実施の形態3>
図7に本発明に係るの実施の形態3の半導体発光装置300の断面図を示す。
図7に示すように、半導体発光装置300はリードフレームを用いて形成される本体装置90の上に透明な樹脂で構成された樹脂レンズ15を搭載した構成となっている。ここで、本体装置90は基本的には図3に示した半導体発光装置200と同様の構成を有し、半導体発光装置200と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
樹脂レンズ15は、発光素子1からの光が放射される方向に突出した凸レンズであり、本体装置90の上面、すなわちパッケージ4の封止樹脂部材31が充填された面上に搭載され、本体装置90の上面に対向する部分が平面となって、本体装置90の上面を樹脂レンズ15で覆う構成となっている。なお、本体装置90の上面と樹脂レンズ15との間には光学密着を得る必要があり、このため図7の半導体発光装置300では透明な接着層9を設けている。接着層9を形成する材料には、封止樹脂部材31および/または透明な接着剤を用いることができる。
そして、半導体発光装置300においては、樹脂レンズ15の発光素子1からの光の主たる取り出し部となる光取り出し領域R3に耐透気性透明薄膜層6が設けられている。
耐透気性透明薄膜6の材料としてはポリビニルアルコールを用い、ディッピング法によって封止樹脂部材3上に塗布した後、乾燥炉にて蒸発乾固させて薄膜とした。
ディッピング法による薄膜形成の際には、実施の形態1と同様に、ポリビニルアルコール水溶液の濃度あるいは粘度を調整し、予め充分に脱泡しておくことが重要であり、また膜厚を制御するために、引き上げ速度およびポリビニルアルコール水溶液の表面張力を制御することが重要である。表面張力を制御するためには、界面活性剤を加えたり、ポリビニルアルコールの鹸化度および重合度を調整することが有効である。なお、蒸発乾固の条件も実施の形態1で説明した条件と同じである。
半導体発光装置300においては、耐透気性透明薄膜6で樹脂レンズ15の光取り出し領域R3の表面を覆うことで、光取り出し領域R3の樹脂表面への酸素の到達が抑制され、自動酸化反応が生じにくくなるので、光取り出し領域R3の樹脂着色を抑制、遅延させることができる。
また、樹脂着色の抑制、遅延により、樹脂表面にクラックが発生することが防止されるので、クラックが発生して生じる取り出し光の散乱および光量低下も防止されるため、長時間の使用によっても光学特性の維持が可能な、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる。
なお、図7に示した半導体発光装置300では、光取り出し領域R3の表面だけを覆うように耐透気性透明薄膜6が設けられた構成を示したが、この構成では樹脂レンズ15の耐透気性透明薄膜6で覆われていない領域から樹脂レンズ15内に酸素が透気する可能性がある。もっとも、光取り出し領域R3以外の領域が多少着色しても、光の取り出しには影響が少ないので、半導体発光装置300は光学特性の維持という点では充分に有効である。
しかし、樹脂レンズ15内への酸素の透気をできるだけ防止するという観点に立てば、図8に示す半導体発光装置300Aの構成を採ることが有効である。
半導体発光装置300Aは、図8に示すように耐透気性透明薄膜6を設ける領域が、樹脂レンズ15の光学曲面が形成された領域R4の表面全体となるように拡大されている。
このように、樹脂レンズ15の光学曲面の全表面を耐透気性透明薄膜6で被覆することで、樹脂レンズ15への酸素の透気をさらに減少することができ、樹脂レンズ15の劣化を抑制する効果を高めることができる。
樹脂レンズ15の光学曲面は、劣化が顕在化した場合に硬化収縮や残留応力の影響を受け易く、クラックなどの現象が集中して生じ易いが、劣化が抑制されることで、長時間使用した場合でも。取り出し光の光量低下や取り出し光の散乱を抑えることができる。なお、樹脂レンズ15を搭載することで、取り出し光の配向特性の制御が可能となることは言うまでもない。
また、図9に示す半導体発光装置300Bのように、樹脂レンズ15の光学曲面の表面だけでなく、本体装置90の上面に対向する部分を除く全表面および樹脂レンズ15と本体装置90との境界部を含むパッケージ側面を併せて覆うように耐透気性透明薄膜6を形成することで、樹脂レンズ15とパッケージ4との境界部からの酸素の侵入を防ぐことができ、樹脂レンズ15内および封止樹脂部材31内の劣化を抑制する効果がさらに高くなり、長時間の使用によっても劣化を抑制する効果がさらに高くなる。
また、図10に示す半導体発光装置300Cのように、樹脂レンズ15の本体装置90の上面に対向する部分を除く全表面およびパッケージ4の全表面も耐透気性透明薄膜6で被覆することで、樹脂レンズ15内および封止樹脂部材31内への酸素の透気をさらに一層減少することができ、樹脂レンズ15および封止樹脂部材31の劣化を抑制する効果をさらに高めることができる。なお、導電性が要求されるリード電極23および24の表面は耐透気性透明薄膜6で覆われないように構成されている。
以上説明したように、本発明に係る実施の形態1〜3においては、少なくとも封止樹脂部材の光取り出し領域あるいは樹脂レンズの光取り出し領域に耐透気性透明薄膜を設けることで、寿命特性に優れた半導体発光装置を得ることができる旨を説明したが、この効果をデータに基づいて明示する。
図11は、耐透気性透明薄膜層6を設けた半導体発光装置300と、半導体発光装置300に耐透気性透明薄膜層6を設けない場合の構成について、点灯時間と輝度維持率の関係を示す図である。
図11においては横軸に点灯時間(Hrs)を、縦軸に輝度維持率(%)を示し、耐透気性透明薄膜層を設けない場合のデータを塗りつぶし四角マークで、耐透気性透明薄膜層を設けた場合のデータを三角マークでプロットしている。
ここで、輝度維持率は、点灯直後の輝度と所定時間経過後の輝度との比を表す値であり、点灯直後を100%として示す。
図11に示すように、耐透気性透明薄膜を設けない半導体発光装置では、ある点灯時間、ここでは5000時間程度を経過した後に急激に輝度維持率が低下する現象が見られるが、耐透気性透明薄膜を設けた半導体発光装置では、輝度維持率の低下が抑制されていることが判る。このように、耐透気性透明薄膜を設けることで、半導体発光装置の寿命が改善されることが確認された。
<D.耐透気性透明薄膜の材質の他の例>
以上説明した実施の形態1〜3においては、耐透気性透明薄膜6としてポリビニルアルコール膜を使用することを前提としたが、これに限定されるものではなく、ガスバリア性に優れ、可視光の透過率の高い材料であれば良い。
例えば、アクリロニトリル成分、ビニルアルコール成分、ビニルブチラール成分、セルロース系成分、アラミド成分、ハロゲン化ビニリデン成分が挙げられ、これらの材料群のうち、少なくとも1成分を含有する重合体またはこれらの混合物で構成されることが好ましい。
アクリロニトリル成分重合体としては、ポリアクリロニトリルやポリアクリロニトリル−ブタジエンコポリマー等が挙げられる。
ビニルアルコール成分重合体としては、ポリビニルアルコールが挙げられる。
ビニルブチラール成分重合体としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラールとエポキシ樹脂の混合物等が挙げられる。
セルロース系成分重合体としては、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。
アラミド成分重合体としては、パラ系アラミドが挙げられる。
ハロゲン化ビニリデン成分共重合体としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
これらの材料用いることでガスバリア性に優れ、可視光の透過率の高い耐透気性透明薄膜を形成することができる。
上記の耐透気性透明薄膜材料のうちでは、分子間力が強く、官能基濃度が高いポリビニルアルコール系樹脂を用いることがより好ましい。一般に、有機物層のみで構成される耐透気性薄膜は高湿度下では耐透気性が急激に低下するが、ポリビニルアルコールは、例えばカルボキシメチルセルロース等と比較すると、吸湿性および高湿度環境下での性質変化の度合いが小さく、加えて鹸化度を適正に選定することで、さらに耐湿性を向上することも可能である。
また、ポリビニルアルコールの屈折率は約1.55であり、従来的に使用されているフッ素系樹脂(屈折率:1.35〜1.40)などに比べると屈折率が高く、かつ封止樹脂部材として用いられるシリコーン樹脂(一般的に光学的に用いられる高屈折率シリコーン樹脂の屈折率:約1.53)、樹脂レンズ材料として用いられる環状オレフィン樹脂(屈折率:約1.53)、メタクリル樹脂(屈折率:約1.49)、ポリカーボネート樹脂(屈折率:約1.59)などとも近い値であり、半導体発光装置の光学設計上、特に屈折率差を考慮する必要がないというメリットがある。
また、一般に工業的に使用されるポリビニルアルコールの鹸化度は、低鹸化度の部分鹸化型で70〜85%程度であり、工業的に最も良使用される部分鹸化型で85〜90%程度、高鹸化度の準完全鹸化型および完全鹸化型で90〜100%程度であるが、低鹸化度の部分鹸化型では、親水性が低く水に溶解し難くなるために重合度の低いポリビニルアルコールを使わざるを得なくなり、つまり低粘度となり、刷毛塗り、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、吹きつけ、ポッティングなどの何れの方法によっても膜厚制御が困難であることから、本発明に使用する耐透気性透明薄膜材料としては好ましくない。
ここで、ポリビニルアルコールで耐透気性透明薄膜(ガスバリア)を形成した場合の乾燥後のポリビニルアルコール膜厚と半導体発光装置の寿命(ここでは輝度維持率70%となる点灯時間を寿命と定義する)の関係を図12に示す。
図12においては、横軸に耐透気性透明薄膜(ガスバリア)の膜厚(μm)を、縦軸に輝度維持寿命(Hrs)を示す。
図12に示すように、約1.0μm以上の膜厚(図中Cで示す実線よりも右の領域)から効果が現れ、5〜50μmの膜厚の範囲(図中A,Bで示す破線の間の領域)で最大の効果が得られることが見出された。
なお、50μm以上の膜厚のポリビニルアルコール膜については形成が非常に困難であることから現実的な膜厚とは言えないが、図12より明らかなように、50μm以上の膜厚とした場合でも寿命を改善する効果は得られる。
次に、鹸化度85〜90%の部分鹸化型のポリビニルアルコールと、鹸化度90〜100%の準完全鹸化型および完全鹸化型のポリビニルアルコールとの耐透気特性を比較すると、乾燥環境下の酸素透過度には大きな差異は見られないが、相対湿度(大気中の水蒸気の密度と同温度における飽和水蒸気の密度との比)が上昇すると、高鹸化度のポリビニルアルコールの方が優れた耐透気性、つまり酸素に対するガスバリア性を示す。
鹸化度88%の部分鹸化型のポリビニルアルコールと、鹸化度99%の完全鹸化型のポリビニルアルコールの双方について、ポッティング法により形成した、厚さ約20μmの薄膜について、相対湿度と酸素透過度の関係を測定し評価した。
この評価においては、完全鹸化型ポリビニルアルコールの酸素透過度を基準値とし、部分鹸化型ポリビニルアルコールの酸素透過度を評価した。
なお、完全鹸化型ポリビニルアルコールの酸素透過度は、厚さ20μmのフィルム状サンプルにおいて、1気圧の乾燥雰囲気中で、約1.5ミリリットル/平方メートル・24時間であった。
上述した評価によると、相対湿度40%の環境において部分鹸化型は完全鹸化型の約4倍、相対湿度50%の環境において部分鹸化型は完全鹸化型の約10倍、相対湿度60%の環境において部分鹸化型は完全鹸化型の約18倍の酸素透過度を示した。
このことから、完全鹸化型ポリビニルアルコールを使用することによって、高湿度環境下において、より高性能な耐透気性透明薄膜が得られることが判る。つまり、あらゆる使用環境においても寿命特性に優れた半導体発光装置を得るためには、高鹸化度のポリビニルアルコールを用いることがより好ましいと言える。
ただし、ポリビニルアルコールは、高鹸化度では官能基であるOH基の濃度が高くなるために相互に影響を及ぼし合い、OH基同士が水素結合を生じてゲル化し易くなるので、製造工程における扱い易さと耐透気性透明薄膜として必要なガスバリア性能の双方を考慮して鹸化度を設定することになる。
また、これまでの説明においては耐透気性透明薄膜として、有機材料を用いることを前提としたが、無機材料によっても同様の耐透気性透明薄膜を得ることは可能である。
このような無機材料の例として、窒化アルミニウム、透明金属酸化物および透明金属酸化物中にフッ素を混入した材料などが挙げられ、このような材料を用いた耐透気性透明薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE法)、化学気層成長法(CVD法)、プラズマCVD法(PECVD法)、熱CVD法、有機金属CVD法(MOCVD法)などの方法が挙げられる。
ここで、透明金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化インジウム-スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブおよび酸化セレンなどが挙げられる。
なお、透明金属酸化物を使用する場合は、下地となる樹脂の線膨張係数との整合性や、下地となる樹脂との密着性を考慮して材料を決定する。
また、透明金属酸化物中にフッ素を混入した材料としては、上述した透明金属酸化物の一部分をフッ化処理したもの、あるいは全体をフッ化物としたものが挙げられる。
なお、無機材料によって耐透気性透明薄膜を形成する場合は、有機材料を用いる場合に比べて薄くすることが可能で、無機材料の耐透気性透明薄膜の厚さは、1〜5000nm、好ましくは10〜100nmとすることができる。
また、上述したような無機材料によって形成された薄膜と、有機材料によって形成された薄膜とを用いて多層の耐透気性透明薄膜層を形成することも可能であり、このような構成を採ることで、下地の樹脂に対するさらに高い劣化抑制効果が得られる。
加えて、耐透気性透明薄膜に反射防止膜としての機能を持たせることも有効である。
すなわち、耐透気性透明薄膜を通して発光素子からの光を空気中に取り出す場合、封止樹脂あるいは樹脂レンズと空気との界面における反射による損失を抑制することで、発光素子からの光を効率良く取り出すことができる。
そのためには、発光素子から放出される光の波長に基づいて、耐透気性透明薄膜の厚さおよび屈折率を調整することになるが、この場合、耐透気性透明薄膜のガスバリアとしての機能を損なわない範囲(例えば有機材料であれば5〜50μm、無機材料であれば1〜5000nm)で膜厚を調整することは言うまでもない。
本発明に係る実施の形態1の半導体発光装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態1の半導体発光装置の他の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態2の半導体発光装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態2の半導体発光装置の他の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態2の半導体発光装置の他の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態2の半導体発光装置の他の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態3の半導体発光装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態3の半導体発光装置の他の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態3の半導体発光装置の他の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態3の半導体発光装置の他の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態3による耐透気性透明薄膜が設けられた半導体発光装置に関する点灯時間と輝度維持率の関係を示す図である。 ガスバリア膜厚(耐透気性透明薄膜層の厚さ)と寿命の関係を示す図である。
符号の説明
1 半導体発光素子、21〜24 リード電極、3,31 封止樹脂、4 パッケージ、5 光学レンズ、6 耐透気性透明薄膜、15 樹脂レンズ、MT マウント。

Claims (12)

  1. 半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子からの光の放出方向とは逆の方向に延在するように設けられ、前記半導体発光素子に駆動電流を供給するリード電極と、
    前記リード電極に接続され、前記半導体発光素子を搭載するマウントと、
    前記半導体発光素子、前記マウントおよび前記リード電極の一部を封止する封止樹脂部材と、
    前記封止樹脂部材の表面のうち、少なくとも前記半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように配設された耐透気性透明薄膜とを備えた、半導体発光装置。
  2. 前記封止樹脂部材は、
    前記半導体発光素子、前記マウントおよび前記リード電極の一部を完全に取り囲むように形成され、
    前記耐透気性透明薄膜は、
    前記封止樹脂部材の全表面を覆うように配設される、請求項1記載の半導体発光装置。
  3. 半導体発光素子と、
    平板状に構成され、その主面上に前記半導体発光素子を搭載し、前記半導体発光素子に駆動電流を供給するリード電極と、
    前記半導体発光素子およびその周囲の前記リード電極の主面表面が露出する窪み部を有した箱状のパッケージと、
    前記窪み部を埋めるように充填された封止樹脂部材と、
    前記封止樹脂部材の表面のうち、少なくとも前記半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように配設された耐透気性透明薄膜とを備えた、半導体発光装置。
  4. 前記耐透気性透明薄膜は、
    前記封止樹脂部材の全表面および前記パッケージと前記封止樹脂部材との境界を含む領域を覆うように配設される、請求項3記載の半導体発光装置。
  5. 前記耐透気性透明薄膜は、
    前記パッケージの前記封止樹脂部材が充填された上面を覆うように配設され、
    前記耐透気性透明薄膜の上に配設された光学レンズをさらに備える、請求項3記載の半導体発光装置。
  6. 半導体発光素子と、
    平板状に構成され、その主面上に前記半導体発光素子を搭載し、前記半導体発光素子に駆動電流を供給するリード電極と、
    前記半導体発光素子およびその周囲の前記リード電極の主面表面が露出する窪み部を有した箱状のパッケージと、
    前記窪み部を埋めるように充填された封止樹脂部材と、
    前記パッケージの前記封止樹脂部材が充填された上面を覆うように配設された樹脂レンズと、
    前記樹脂レンズの表面のうち、少なくとも前記半導体発光素子から放出される光の主たる取り出し領域の表面を覆うように配設された耐透気性透明薄膜とを備えた、半導体発光装置。
  7. 前記耐透気性透明薄膜は、
    前記樹脂レンズの表面のうち、光学曲面が形成された領域の全表面覆うように配設される、請求項6記載の半導体発光装置。
  8. 前記耐透気性透明薄膜は、
    前記樹脂レンズの表面のうち、前記前記パッケージの前記上面に対向する部分を除く全表面および前記樹脂レンズと前記パッケージとの境界部を含むパッケージ側面を併せて覆うように配設される、請求項6記載の半導体発光装置。
  9. 前記耐透気性透明薄膜は、
    アクリロニトリル成分、ビニルアルコール成分、ビニルブチラール成分、セルロース系成分、アラミド成分、ハロゲン化ビニリデン成分よりなる材料群のうち、少なくとも1成分を含有する重合体またはこれらの混合物で構成される、請求項1、3および6の何れかに記載の半導体発光装置。
  10. 前記耐透気性透明薄膜は、ポリビニルアルコールを含有する、請求項9記載の半導体発光装置。
  11. 前記ポリビニルアルコールの鹸化度が85〜100%の準完全鹸化型ないし完全鹸化型ポリビニルアルコールである、請求項10記載の半導体発光装置。
  12. 前記ポリビニルアルコールの鹸化度が85〜90%である場合、濃度は1.0〜8.5重量%に設定し、
    前記ポリビニルアルコールの鹸化度が90〜100%である場合、濃度は0.5〜5.0重量%に設定する、請求項11記載の半導体発光装置。
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