JP2006316135A - ポリイミド樹脂組成物及び樹脂塗料並びに絶縁電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機械的特性や加水分解性の優れた熱硬化型の芳香族ポリイミド樹脂組成物及び樹脂塗料並びに絶縁電線を提供する。
【解決手段】 極性溶媒などに可溶なポリイミド樹脂組成物において、芳香族テトラカルボン酸二無水物を主体とする酸無水物成分と芳香族ジイソシアネートを主体とするイソシアネート成分とからなり、脱炭酸イミド化反応させて得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】 極性溶媒などに可溶なポリイミド樹脂組成物において、芳香族テトラカルボン酸二無水物を主体とする酸無水物成分と芳香族ジイソシアネートを主体とするイソシアネート成分とからなり、脱炭酸イミド化反応させて得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明はポリイミド樹脂に関し、ポリイミド樹脂を溶媒に可溶化した芳香族ポリイミド樹脂組成物及び樹脂塗料並びに絶縁電線に関するものである。
ポリイミド樹脂は高分子材料中で最も高い耐熱性を有するものの一つであり、非常に優れた物性を有することから広い分野で用いられているが、一般に加工成形性に劣るため、溶剤への溶解性を有する芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との合成から得られるポリアミック酸の段階で用いられていることが殆んどである。このポリアミック酸溶液をキャスト成形した後、脱水閉環イミド化することでポリイミドを得る。
ポリアミック酸ポリイミドとしては、酸成分としてベンゼン環1個からなるピロメリツト酸二無水物(PMDA)や2個のベンゼン環を連結基で結んだ3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、ビフェニル型で結んだ3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(S−BPDA)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物類又はこれらの異性体が用いられ、連結部分はその要求性能により多種多様である。また場合によって耐熱性等の物性面で許容できる範囲でブタンテトラカルボン酸二無水物や5−(2,5‐ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物類が用いられることもある。またアミン成分としてはベンゼン環1個からなるパラフェニレンジアミン(PPD)、2,4’−トリレンジアミン(TDA)や2個のベンゼン環を連結基で結んだ4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DAM)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DAS)、ビフェニル型で結んだビトリレンジアミン(TODA)等の芳香族ジアミン類又はこれらの異性体が用いられ、これも連結基は性能に応じ多種多様である。同様に脂環式ジアミン類が用いられることもある。更にこれらの酸無水物及びジアミン類においては各ベンゼン環の水素がアルキル基、フェニル基、場合によってはフッ素置換されることもある。
ポリアミック酸の溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等が用いられ、芳香族アルキルベンゼンなどで希釈して用いられる場合もある。
ジイソシアネートは前記したジアミン類があれば、ホスゲン化することでアミノ基をイソシアネート基に換えることが可能である。現在ではウレタン原料となるイソシアネート、特にDAMをベースに得られる4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やTDAをベースに得られる2,4’−トリレンジイソシアネート(TDI)等の方がDAMやTDAよりも安価に入手可能である。
前記のように芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との反応ではポリイミドの前駆体であり、溶剤に可溶なポリアミック酸の溶液が得られるが、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジイソシアネートとを反応させた場合、脱炭酸反応により直接イミド化するため、一般的には溶剤への溶解性は著しく劣ることになる。但し、PPDとPMDAなど結晶性や配向性が強い傾向にあるジアミン類と酸無水物類との反応で得られる溶液はポリアミック酸とはいえども溶解性は著しく悪化し、合成反応段階で析出し溶液として得られない。
イミド化が完結した溶剤可溶性ポリイミド樹脂も市販されているが、ポリアミック酸ポリイミドほどの耐熱性や耐溶剤性を有していない。
ポリアミック酸ポリイミドはポリイミド樹脂を得るために脱水閉環反応が必要であり、これには高温の熱処理が必要である。従ってポリアミック酸溶液をキャストあるいは焼付塗装によってポリイミドフィルムを得たり、ポリイミド絶縁電線を得たりするなど何らかの成形を加える場合などに作業性の足枷となっていた。
またポリアミック酸ポリイミドは良好な性能を持つ反面、加水分解性は劣るものが殆どであった。この原因としては合成時の脱水イミド化反応の可逆性に起因するものか、樹脂中に僅かに残留する未反応カルボン酸等に起因するものと推測しているが定かではない。
イミド結合は剛直な分子構造を持っているにも拘らず、ポリアミック酸ポリイミドは耐摩耗性などの機械的な特性が期待したほど高くない場合があった。この原因として理想的にはリニアな樹脂構造を作ることができるが、実際には近隣に存在するモノマーと結合し架橋構造を持ってしまうためと推測しているが定かではない。
ポリアミック酸溶液は常温でも僅かながら重合が進み、増粘するため溶液の貯蔵安定性は劣り一般的には低温保存を必要とする。
イミド完結型の溶剤可溶性ポリイミドは熱硬化反応を伴わないため、熱可塑的であり軟化温度が低く、また耐溶剤性に劣る欠点を持つ。
上記課題を解決するために、本発明の目的は、前記ポリイミド樹脂は原料をジアミンの換わりにジイソシアネートを用い、ポリイミドのイミド化を脱水反応から脱炭酸反応に変え、そしてまた原料であるジイソシアネートまたは酸二無水物にスルホン基を導入することで樹脂溶解性の低下を補うことにより、安定的なポリイミド樹脂塗料を得、且つ機械的特性や加水分解性の優れた熱硬化型の芳香族ポリイミド樹脂組成物及び樹脂塗料並びに絶縁電線を提供する。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、極性溶媒などに可溶なポリイミド樹脂組成物において、芳香族テトラカルボン酸二無水物を主体とする酸無水物成分と芳香族ジイソシアネートを主体とするイソシアネート成分とからなり、脱炭酸イミド化反応させて得られることを特徴とする芳香族ポリイミド樹脂組成物である。
請求項2の発明は、酸無水物成分として、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物20〜100モル%と数種類のテトラカルボン酸二無水物類0〜80モル%とを共重合させた請求項1に記載のポリイミド樹脂組成物である。
請求項3の発明は、イソシアネート成分としてジフェニルスルホンジイソシアネート20〜100モル%と数種類のイソシアネート類0〜80モル%とを共重合させた請求項1または2に記載のポリイミド樹脂組成物である。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれかに記載のポリイミド樹脂組成物を、溶媒に可溶化させたことを特徴とするポリイミド樹脂塗料である。
請求項5の発明は、請求項4に記載のポリイミド樹脂塗料により導体上に皮膜を形成したことを特徴とする絶縁電線である。
本発明によるポリイミド樹脂塗料によれば、イソシアネート成分と酸二無水物成分との脱炭酸反応でイミド化するため、非常に良好な機械的特性及び耐加水分解性を示す。溶剤溶解性についてはスルホン基の含有と共重合効果によりNMPなどの溶媒に可溶でかつ常温安定性に優れたものとなる。従ってこのような特性を活かし、超耐熱分野など従来のポリアミック酸ポリイミドが用いられていた以外の耐加水分解性や耐傷性などを必要とする用途に使用可能で有り、トップコートにも使用することができる。
以下に本発明におけるポリイミド樹脂組成物及び樹脂塗料並びに絶縁電線の実施の形態を説明する。
先ず、本発明におけるポリイミド樹脂塗料を用いた絶縁電線10は、図1に示すように、導体11上にポリイミド樹脂塗料を塗布、焼付けすることにより導体11の周囲に絶縁体の皮膜12を形成して得られる。
このポリイミド樹脂塗料は、ポリイミド樹脂組成物を溶剤に可溶化させて形成される。
本発明のポリイミド樹脂組成物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物を主体とする酸無水物成分と芳香族ジイソシアネートを主体とするイソシアネート成分とを脱炭酸イミド化反応させて得られる。
ポリイミド樹脂組成物低分子量芳香族ポリイミド樹脂塗料を塗工作業等の後、加熱硬化により高分子量化された芳香族ポリイミド樹脂を得ることが可能となる。
ジイソシアネートと酸二無水物は、脱炭酸によって直接イミド化されるため塗料化の段階で溶剤への溶解性が著しく低下するが、原料特に2つベンゼン環を結ぶ連結基にスルホン基を用い、且つ数種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジイソシアネートを用いることにより、結晶性、配向性、秩序性を崩すことで、耐熱性等の諸特性を低下させること無く溶剤への溶解性を向上し、芳香族ポリイミド樹脂塗料を得ることが可能となる。
具体的には酸二無水物として3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)が好適であり、その異性体についても使用可能である。配合量については20〜100モル%の範囲がよく、50〜100モル%の範囲がなお良い。また単独でも使用可能である。ジイソシアネートや併用する酸二無水物との組み合わせにもよるが、溶解性が比較的良好な原料用いる場合、DSDAは減量することが可能となる。
DSDAと併用する酸二無水物としては特に限定は無いが、耐熱性などの観点からBTDA(N,N−ジメチルアセトアミド)、ODPA(4,4’−オキシジフタル酸二無水物)などの芳香族テトラカルボン酸二無水物が望ましい。PMDA(ピロメリツト酸二無水物)、S−BPDA(3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)なども使用可能であるが、溶解性が劣るため併用量は少なめに抑えられてしまう。また耐熱性等の物性面で許容できる範囲でブタンテトラカルボン酸二無水物や5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物なども併用可能である。
ジイソシアネートとしては4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート(SDI)が好適であり、その異性体についても使用可能である。配合量については20〜100モル%の範囲がよく、50〜95モル%の範囲がなお良い。また単独でも使用可能である。酸二無水物や併用するジイソシアネートとの組み合わせにもよるが、溶解性が比較的良好な原料用いる場合、SDIは減量することが可能となる。SDIと併用するジイソシアネートとしては特に限定は無いが芳香族ジイソシアネートが望ましい。汎用性や耐熱性など観点からMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びその異性体を含む)やTDI(2,4’−トリレンジイソシアネート、及びその異性体を含む)、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどがなお望ましい。ビトリレンジイソシアネート(TODI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)なども使用可能であるが、溶解性が劣るため併用量は少なめに抑えられてしまう。またキシシレンジイソシアネート(XDI)、ポリメリツクMDIや多量体も好適である。その他、耐熱性等の物性面で許容できる範囲でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H−MDI)など脂肪族、脂環族ジイソシアネートなども併用可能である。
溶剤としてはイミド化反応の阻害を起こさないものであれば特に限定は無いが、溶解性の高いNMP(N−メチル−2−ピロリドン)やDMAC(N,N−ジメチルアセトアミド)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMI(ジメチルイミダゾリジノン)等が望ましい。γ−ブチロラクトン、バレロラクトンなどの併用、あるいはまた希釈用途として芳香族アルキルベンゼン類などを用いても良い。
ポリイミド樹脂塗料は適度な分子量で合成溶液中に残存しているイソシアネート成分をブロックすることで合成反応を止め、塗料として安定化させる。分子量についても特に限定はないが、20000以上が最終の加熱硬化時に優れた特性を得やすい。イソシアネートのブロック剤についてもフェノール類、アルコール類、オキシム類などがありこれらに特に限定はないが、塗料の安定化に寄与し、且つ加熱硬化時にブロックが解離し高分子量化が進むものが望ましく、用途や加熱硬化条件、塗料の保管条件などで選定が必要となる。
各実施例において、次のように行った。
ポリイミド樹脂塗料を撹拌機、還流冷却管、窒素流入管、温度計を備えたフラスコに下記実施例1〜3、比較例1〜5に示す原料をそれぞれ投入し、窒素雰囲気中で攪拌しながら約50℃で30分攪拌し、原料を完全に溶解させた後、約20分で100℃まで加熱、平均分子量約35000のポリイミド樹脂溶液が得られるように、この温度で1時間反応させた後、不揮発分20%となるように溶剤希釈して作製した。
比較例2及び3についてはジアミンを完全溶解した後、酸二無水物を少量ずつ添加し、常温6時間反応させ、不揮発分20%となるポリアミック酸溶液を作製した。
前記ポリイミド塗料をキャスト後300℃−5分加熱により30μm厚のフィルムを得、また0.8mmの銅導体上に塗布、焼付けし、皮膜厚30μmのエナメル線を得た。
図1は本発明に係るポリイミド塗料を塗布した電線を示す図である。
導体1上にポリイミド塗料を塗布、焼付けすることにより導体1の周囲に絶縁体の皮膜2が得られる。
導体1上にポリイミド塗料を塗布、焼付けすることにより導体1の周囲に絶縁体の皮膜2が得られる。
実施例及び比較例における性状、得られたフィルム及びエナメル線の特性等については表1に示す。
試験はJISに準じて実施した。加水分解性については内容積300mlのガラス管に対撚りエナメル線と0.4Vol%の水を投入し、密封した後、120℃で1000h熱処理した後の絶縁破壊電圧の低下率を測定した。ガラス転移温度TgについてはDSCにて測定した。
(実施例1)
イソシアネート成分として255.0g(1.02モル)のMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、酸成分として214.8g(0.6モル)のDSDA(3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物)と128.8g(0.4モル)のBTDA(3,3'4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物)及び溶剤としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)1600gを投入し、合成を行った後、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)で希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
イソシアネート成分として255.0g(1.02モル)のMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、酸成分として214.8g(0.6モル)のDSDA(3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物)と128.8g(0.4モル)のBTDA(3,3'4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物)及び溶剤としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)1600gを投入し、合成を行った後、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)で希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
(実施例2)
イソシアネート成分として205.0g(0.82モル)の液状モノメリツクMDI(2,4’、4,4’異性体混合物)と34.8g(0.2モル)のTDI(2,4’−トリレンジイソシアネート)、酸成分として71.6g(0.2モル)のDSDA(3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物)と257.6g(0.8モル)のBTDA(3,3'4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物)及び溶剤としてNMP1600gを投入し、合成を行った後、DMFで希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
イソシアネート成分として205.0g(0.82モル)の液状モノメリツクMDI(2,4’、4,4’異性体混合物)と34.8g(0.2モル)のTDI(2,4’−トリレンジイソシアネート)、酸成分として71.6g(0.2モル)のDSDA(3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物)と257.6g(0.8モル)のBTDA(3,3'4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物)及び溶剤としてNMP1600gを投入し、合成を行った後、DMFで希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
(実施例3)
イソシアネート成分として55.0g(0.22モル)のMDIと240.0g(0.8モル)のSDI(4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート)、酸成分として62.0g(0.2モル)のODPA(4,4'−オキシジフタル酸二無水物)と257.6g(0.8モル)のBTDA及び溶剤としてDMAC(N,N−ジメチルアセトアミド)1600gを投入し、合成を行った後、DMAC(N,N−ジメチルアセトアミド)で希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
イソシアネート成分として55.0g(0.22モル)のMDIと240.0g(0.8モル)のSDI(4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート)、酸成分として62.0g(0.2モル)のODPA(4,4'−オキシジフタル酸二無水物)と257.6g(0.8モル)のBTDA及び溶剤としてDMAC(N,N−ジメチルアセトアミド)1600gを投入し、合成を行った後、DMAC(N,N−ジメチルアセトアミド)で希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
(比較例1)
イソシアネート成分として255.0g(1.02モル)のMDI、酸成分として322.0g(1.0モル)のBTDA及び溶剤としてNMP1600gを投入し合成を行った後、DMACで希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
イソシアネート成分として255.0g(1.02モル)のMDI、酸成分として322.0g(1.0モル)のBTDA及び溶剤としてNMP1600gを投入し合成を行った後、DMACで希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
(比較例2)
アミン成分として200.0g(1.0モル)のODA、溶剤としてNMP2000gを投入、完全溶解した後、酸成分として322.0g(1.0モル)のBTDAを少量ずつ攪拌しながら投入し、常温6時間合成を行い、ポリイミド樹脂分濃度20重量%のポリアミック酸溶液を得た。
アミン成分として200.0g(1.0モル)のODA、溶剤としてNMP2000gを投入、完全溶解した後、酸成分として322.0g(1.0モル)のBTDAを少量ずつ攪拌しながら投入し、常温6時間合成を行い、ポリイミド樹脂分濃度20重量%のポリアミック酸溶液を得た。
(比較例3)
アミン成分として198.0g(1.0モル)のDAM、溶剤としてNMP2000gを投入、完全溶解した後、酸成分として322.0g(1.0モル)のBTDAを少量ずつ攪拌しながら投入し、常温6時間合成を行い、ポリイミド樹脂分濃度20重量%のポリアミック酸溶液を得た。
アミン成分として198.0g(1.0モル)のDAM、溶剤としてNMP2000gを投入、完全溶解した後、酸成分として322.0g(1.0モル)のBTDAを少量ずつ攪拌しながら投入し、常温6時間合成を行い、ポリイミド樹脂分濃度20重量%のポリアミック酸溶液を得た。
(比較例4)
溶剤可溶性ポリイミド樹脂をNMP1600gに投入完全溶解し、ポリイミド樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
溶剤可溶性ポリイミド樹脂をNMP1600gに投入完全溶解し、ポリイミド樹脂分濃度20重量%のポリイミド樹脂塗料を得た。
(比較例5)
イソシアネート成分として255.0g(1.02モル)のMDI、酸成分として192.0g(1.0モル)のTMA及び溶剤として1600gのNMPを投入し、合成を行った後、DMFで希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリアミドイミド樹脂塗料を得た。
イソシアネート成分として255.0g(1.02モル)のMDI、酸成分として192.0g(1.0モル)のTMA及び溶剤として1600gのNMPを投入し、合成を行った後、DMFで希釈し、樹脂分濃度20重量%のポリアミドイミド樹脂塗料を得た。
表1に示されたように、実施例1から3で得られたポリイミド樹脂塗料は良好な常温安定性を示す。比較例1については溶解性に乏しく、ポリイミド樹脂塗料として得ることはできなかった。比較例2および3はポリアミック酸溶液であるため、常温で分子量の増加が見られ、常温安定性に乏しい。実施例1から3で得られたポリイミドエナメル線は比較例2および3に示す従来のポリアミック酸から得られるポリイミドエナメル線に比し、耐摩耗、耐加水分解性に非常に優れた特性を示し、従来のエナメル線の中で最も耐摩耗、耐加水分解性に優れた比較例5のポリアミドイミドエナメル線より、耐摩耗では良好、耐加水分解性ではほぼ同等の特性を示す。Tgは実施例1から3及び比較例1から4はいずれも300℃前後を示すが、比較例4は熱可塑性を示すため、エナメル線としての耐軟化温度が低い。
10 絶縁電線
11 導体
12 皮膜
11 導体
12 皮膜
Claims (5)
- 極性溶媒などに可溶なポリイミド樹脂組成物において、芳香族テトラカルボン酸二無水物を主体とする酸無水物成分と芳香族ジイソシアネートを主体とするイソシアネート成分とからなり、脱炭酸イミド化反応させて得られることを特徴とする芳香族ポリイミド樹脂組成物。
- 酸無水物成分として、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物20〜100モル%と数種類のテトラカルボン酸二無水物類0〜80モル%とを共重合させた請求項1に記載のポリイミド樹脂組成物。
- イソシアネート成分としてジフェニルスルホンジイソシアネート20〜100モル%と数種類のイソシアネート類0〜80モル%とを共重合させた請求項1または2に記載のポリイミド樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載のポリイミド樹脂組成物を、溶媒に可溶化させたことを特徴とするポリイミド樹脂塗料。
- 請求項4に記載のポリイミド樹脂塗料により導体上に皮膜を形成したことを特徴とする絶縁電線。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015012080A1 (ja) * | 2013-07-26 | 2015-01-29 | 国立大学法人 東京大学 | イミノ基を有する可溶性ポリイミド系重合体、及びその製造方法 |
CN116478401A (zh) * | 2023-03-31 | 2023-07-25 | 江苏环峰电工材料有限公司 | 一种高水溶性胺基聚氨酯改性树脂及其制备方法 |
-
2005
- 2005-05-11 JP JP2005138449A patent/JP2006316135A/ja active Pending
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