JP2006315335A - 液体吐出ヘッドとそのキャップ手段及びこれらを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マトリクス構造の液体吐出ヘッドにおいて、液体消費量が多い場合でも液体のリフィルが間に合うようにする。
【解決手段】液体を送液する第1液流路と、前記第1液流路から所定方向に分岐して平行に並んだ複数の第2液流路と、前記各第2液流路と供給口を介して連通し、該第2液流路に沿って配置され、2次元マトリクス状に配列された、それぞれが1つの吐出口を有する複数の第1圧力発生ユニットと、前記マトリクス状に配列された前記第1圧力発生ユニットと前記第1液流路を挟んで反対側の前記第1液流路の近傍に配置された、前記第1液流路から分岐する連通路を介して前記第1液流路と連通する、複数の吐出口を有する第2圧力発生ユニットとを備えたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】図8
【解決手段】液体を送液する第1液流路と、前記第1液流路から所定方向に分岐して平行に並んだ複数の第2液流路と、前記各第2液流路と供給口を介して連通し、該第2液流路に沿って配置され、2次元マトリクス状に配列された、それぞれが1つの吐出口を有する複数の第1圧力発生ユニットと、前記マトリクス状に配列された前記第1圧力発生ユニットと前記第1液流路を挟んで反対側の前記第1液流路の近傍に配置された、前記第1液流路から分岐する連通路を介して前記第1液流路と連通する、複数の吐出口を有する第2圧力発生ユニットとを備えたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】図8
Description
本発明は、液体吐出ヘッドとそのキャップ手段及びこれらを備えた画像形成装置に係り、特に、液体を吐出するための1つの圧力発生ユニットに複数の液体吐出口が形成され、一度に液体を多量に吐出することのできる圧力発生ユニットを有する液体吐出ヘッドとそのキャップ手段及びこれらを備えた画像形成装置に関する。
従来より、画像形成装置として、多数のノズル(液体吐出口)を配列させたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)を有し 、このインクジェットヘッドと被記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルから被記録媒体に向けてインク(液体)を吐出することにより、被記録媒体上に画像を記録するインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が知られている。
このようなインクジェットプリンタのインクジェットヘッドは、インクタンクからインク供給路を介してインクが供給される圧力室と、画像データに応じた電気信号によって駆動される圧電素子と、圧電素子の駆動によって変形する圧力室の一部を構成する振動板と、振動板の変形によって圧力室の容積が減少することにより圧力室内のインクが液滴として吐出される圧力室に連通するノズルを含む圧力発生ユニットを有している。そして、インクジェットプリンタにおいては、圧力発生ユニットのノズルから吐出されたインクによって形成されるドットを組み合わせることによって被記録媒体上に1つの画像が形成される。
また近年、インクジェットプリンタにおいても写真プリント並みの高画質な画像を形成することが望まれている。このような高画質化を達成するために、ノズル径を小さくしてノズルから吐出されるインク液滴を小さくするとともに、ノズルを高密度に配列して1画像あたりの画素数を多くすることによって高画質を実現することが考えられている。このようなノズル配列を高密度化する方法として、従来、ノズルを2次元マトリクス状に配置することが提案されている。
例えば、図20に、従来のノズルが2次元マトリクス状に配置されたインクジェットヘッドの一部を拡大して示す。
図20に示すように、インクジェットヘッド950は、例えば、インクを供給する2本のインク供給流路の本流955、955の間を掛け渡すように形成された各支流956に沿ってノズル951を有する圧力室952が配列されている。
図20に示す例は、2400dpi(ドット・パー・インチ)、すなわちインクジェットヘッド950の長手方向(図の横方向)について、1インチあたり2400個のノズル951が並ぶようにノズル951を配列するものである。
このような高密度化を達成するために、図に示すようにノズル951を2次元マトリクス状に配置し、例えば、各支流956毎に48個のノズル951−1、〜、951−48が配列される。ここで、各ノズル951間の間隔dは、d=10.6μmで、隣の支流956に形成されるノズル951−1’との間隔D(すなわち支流間ピッチ)は、約500μmとなっている。また、紙送り方向のノズルピッチδは、約500μmとなっている。また、各ノズル951−1、〜、951−48が形成される圧力室952−1、〜、952−48には、それぞれインク供給口953−1、〜、953−48を介して支流956からインクが供給されるようになっている。
しかし、このようなマトリクス構造においては、インクを本流から支流に分け、さらに支流に並ぶ各圧力室に供給するため、インクが流れる距離がマトリクス構造でない従来の場合よりも長くなり、インク流路全体の流路抵抗が大きくなる。さらに、マトリクス構造では、ノズル密度を上げようとすると支流の幅を狭くするしかなく、支流の流路抵抗はさらに増大してしまう。
これに対して、従来例えばノズルを2次元マトリクス状に配列したインクジェットヘッドにおいて、高粘度インク(例えば10cP程度)を用いた場合でもリフィルが間に合うように、支流高さを上げて流路抵抗を800Pa以内に収まるように流路抵抗を設計するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、例えば、ノズルが2次元的に配列されたインクジェット記録ヘッドにおいて、圧力発生室と共通流路が重なり合うように配置され、かつ共通流路は幅が広い部分と幅が狭い部分を有するくびれ形状とすることにより流路抵抗を減少させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2002−283585号公報
特開2003−127363号公報
しかしながら、マトリクス構造のインクジェットヘッドにおいて画像作成中にインクを大量に消費している場合、インク流路での圧力損失が増大し、各圧力室へのインク供給(リフィル)が追いつかないという問題が発生する。例えば、上記特許文献1によると、インク流路での圧力損失が800Pa以上になると、リフィルが追いつかなくなり吐出が不安定になる。ここで、圧力損失はインク消費量に比例する。すなわち、ベタ打ちのようにインク消費量が最大となる全吐出の場合に、圧力損失が最大となりリフィルが困難になるという問題がある。
また、上記特許文献1に記載のものでは、支流高さを上げて流路抵抗を下げるようにしているが、10cPよりも高粘度のインク(例えば20cP)を用いる場合や、ノズル数の増加によりインク消費量が増大するような場合には対応できないという問題がある。
また、上記特許文献2に記載のものでは、流路抵抗を減少させるために支流をくびれ形状にしているが、これにより確かに流路抵抗は減少するが、大幅に減少するわけではなく、より高粘度のインクを使用する場合には根本的な解決にはならないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液体吐出口を2次元的に配置したマトリクス構造の液体吐出ヘッドにおいて、全ての液体吐出ユニットから液体を吐出する場合のように液体消費量が多い場合でも液体のリフィルが間に合うようにした液体吐出ヘッドとそのキャップ手段及びこれらを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を送液する第1液流路と、前記第1液流路から所定方向に分岐して平行に並んだ複数の第2液流路と、前記各第2液流路と供給口を介して連通し、該第2液流路に沿って配置され、2次元マトリクス状に配列された、それぞれが1つの吐出口を有する複数の第1圧力発生ユニットと、前記マトリクス状に配列された前記第1圧力発生ユニットと前記第1液流路を挟んで反対側の前記第1液流路の近傍に配置された、前記第1液流路から分岐する連通路を介して前記第1液流路と連通する、複数の吐出口を有する第2圧力発生ユニットと、を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
これにより、液体吐出量が多い場合であってもリフィル性能を確保することが可能となる。
また、請求項2に示すように、前記第2圧力発生ユニットが配置される前記第1液流路の近傍は、前記第1液流路からの距離が、前記第1液流路1本あたりの前記第2液流路の長さの半分以下の範囲であることを特徴とする。
これにより、液体吐出量が多い場合でも液体のリフィルを間に合わせることが可能となる。
また、請求項3に示すように、前記第2液流路の前記第1液流路からの分岐位置と、前記連通路の前記第1液流路からの分岐位置とが、前記第1液流路の液体流れ方向にずれていることを特徴とする。
これにより、第2圧力発生ユニットからの圧力波が、第1液流路の反対側の第1圧力発生ユニット側に伝わり難くなり、クロストークを防止することが可能となる。
また、請求項4に示すように、前記第2圧力発生ユニットが供給口を複数有することを特徴とする。
これにより、片方の供給口が詰まった場合のリカバリーが可能となるとともに、第2圧力発生ユニットのさらなるリフィル性能を向上させることができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備え、該液体吐出ヘッドと被記録媒体を相対的に移動させながら前記液体吐出ヘッドから前記被記録媒体に向けて液体を吐出して画像を形成することを特徴とする画像形成装置を提供する。
これにより、高粘度の液体を使用した場合でも、液体リフィルを確保し、高画質の画像を形成することが可能となる。
また、請求項6に示すように、前記被記録媒体の相対的移動方向の上流または下流の少なくとも一方に、複数の前記第2圧力発生ユニットを配置したことを特徴とする。
これにより、着弾ずれを防止することができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドのキャップ手段であって、前記2次元マトリクス状に配列された第1圧力発生ユニットの前記吐出口と、前記第2圧力発生ユニットの前記吐出口とに対し、前記液体吐出ヘッドの前記各吐出口が形成される面に対して平行に移動させることで、前記第2圧力発生ユニットの前記吐出口を封止する状態と封止しない状態を切り替えるようにしたことを特徴とする液体吐出ヘッドのキャップ手段を提供する。
これにより、1つのキャップ手段により、第2圧力発生ユニットの吐出口から液体を選択的に吸引することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、液体吐出量が多い場合であってもリフィル性能を確保することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る液体吐出ヘッドとそのキャップ手段及びこれらを備えた画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る液体吐出ヘッド(印字ヘッド)を備えた画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。
図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド(液体吐出ヘッド)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
図2に示すように、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
次に、印字ヘッド(液体吐出ヘッド)のノズル(液体吐出口)の配置について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを表すものとし、図3に印字ヘッド50の平面透視図を示す。
図3に示すように、本実施形態の印字ヘッド50は、2種類の圧力発生ユニットを有し、第1の圧力発生ユニットは、インクを液滴として吐出するノズル51、インクを吐出する際インクに圧力を付与する圧力室52、図3では図示を省略した共通流路から圧力室52にインクを供給するインク供給口53を含んで構成される圧力室ユニット54である。印字ヘッド50の幅方向(短手方向)中央部には、この圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクス状に配列され、ノズル51の高密度化が図られている。
また、本実施形態の印字ヘッド50の第2の圧力発生ユニットは、1つの圧力室152に複数のノズル51が形成された多孔ノズルユニット(多孔圧力室ユニット)151であり、印字ヘッド50の短手方向の両側に配置されている。
図3においては、わかり易くするために各圧力発生ユニット(圧力室ユニット54、多孔ノズルユニット151)は実際の個数よりも少ない数のみが表示されている。実際には、高密度化を達成するためにもっとたくさんの圧力発生ユニットが配置されている。またこのような印字ヘッド50上のノズル配置のサイズは特に限定されるものではないが、例えば、圧力室ユニット54のノズル51を横(短手方向)48行を0.5mm間隔、縦(長手方向)600列を0.5mm間隔に配列することにより2400npiが達成される。
図3に示す例においては、各圧力室52を上方から見た場合に、その平面形状は平行四辺形状をしているが、圧力室52の平面形状はこのような平行四辺形に限定されるものではない。圧力室52には、図3に示すように、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端に接続してインク供給口53が設けられている。
また、多孔ノズルユニット151は、1つの圧力室152に多数のノズル51が形成されたものであり、特に多孔ノズルユニット151の各ノズル51は、印字ヘッド50中央部に配置された対応する各通常(第1の圧力発生ユニット)のノズル51と、長手方向に並ぶように投影した際の位置が一致するように形成されている。
なお、図示は省略するが、図3と同様の圧力室ユニットが2次元マトリクス状に配列された複数の短尺ヘッドを、2次元の千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、これらの複数の短尺ヘッド全体で印字媒体の全幅に対応する長さとなるようにして1つの長尺のフルラインヘッドを構成するようにしてもよい。
また、図3中の4−4線に沿った圧力室ユニット54の断面図を図4に示す。
図4に示すように、圧力室ユニット(第1圧力発生ユニット)54は、インクを吐出するノズル51と連通する圧力室52を有し、圧力室52には、供給口53を介して支流155からインクが供給される。なお、インク供給流路等の構成については後述する。
また、圧力室52の一面(図では天面)は振動板56で構成され、その上部には、振動板56に圧力を付与して振動板56を変形させる圧電体58が接合され、圧電体58の上面には個別電極57が形成されている。また、振動板56は共通電極を兼ねている。
圧電体58は、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれて圧電素子を構成し、これら2つの電極56、57に駆動電圧を印加することによって変形する。圧電体58(圧電素子)の変形によって振動板56が押され、圧力室52の容積が縮小されてノズル51からインクが吐出されるようになっている。2つの電極56、57間への電圧印加が解除されると圧電体58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、支流155から供給口53を通って新しいインクが圧力室52に供給(リフィル)されるようになっている。
なお、圧電体58が撓み振動モード(d31モード)で駆動する場合には、圧電体58の上部周辺に圧電体58が自由に駆動できるように空隙59を設けることが好ましい。
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インクタンク60と印字ヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、図示を省略した移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
なお、本実施形態のキャップ(キャップ手段)64は、圧力室ユニット54のノズル51と、多孔ノズルユニット151のノズル51を別々に吸引できるような構成となっており、これについては後述する。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)に摺動可能である。ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面50Aに摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄するようになっている。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
すなわち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用の圧力発生手段(図示省略、後述)が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧力発生手段の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって圧力発生手段を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面50Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、上述したような吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、圧力発生手段を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに、キャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図5で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成としてもよい。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50の圧力発生手段を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサー(図示省略)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供するものである。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行うようになっている。
以下、本発明の特徴である多孔ノズルユニット151を有する印字ヘッド(液体吐出ヘッド)50について詳細に説明する。
図7に、本実施形態の多孔ノズルユニット151を拡大した斜視図で示す。
図7(a)に示すように、多孔ノズルユニット(第2圧力発生ユニット)151は、1つの圧力室152に複数のノズル51(図に示す例では8個のノズル)が形成されている。圧力室152にはインク供給口153を介して、図示を省略した支流からインクが供給される。また、圧力室152上面には、通常の圧力室ユニット(第1圧力発生ユニット)54と同様に、共通電極を兼ねる振動板156、圧電体158、個別電極157が形成されている。そして、共通電極(振動板156)と個別電極157の間に駆動電圧を印加することにより圧電体158が駆動され、振動板156が変形し、圧力室152の体積が減少して、各ノズル51から一斉にインク滴51aが吐出されるようになっている。
なお、図7に示す多孔ノズルユニット151の吐出方式は、圧電方式であるが、吐出方式はこれに限定されるものではなく、例えばサーマル方式であってもよい。また、特に図示はしていないが、個別電極157へ駆動信号を供給するための配線は、圧電体158が形成される平面に平行な方向に引き出す方式でもよいし、あるいは圧電体158が形成される平面に垂直な方向に柱状に引き出すような方式であってもよい。
また、図に示す例では、8個のノズル51が一列に並んでいるが、ノズル51の配置は、このように一列に並べるものに限定されるものではなく、例えば千鳥状に配置してもよいし、n×mの2次元マトリクス状に配置してもよい(n、mは正の整数)。
また、多孔ノズルユニット151は、1つの圧力室152に複数のノズル51を有し、一度に多量のインクを吐出するものであるから、それに見合うだけの十分なインクを常に供給する必要がある。そこで、図7(b)に示すように、圧力室152に2つのインク供給口153、153を設けて、2方向からインクを供給するようにしてもよい。
図8に、本発明の第1実施形態に係る印字ヘッド50における多孔ノズルの配置を示す。本実施形態は、多孔ノズルユニット内のそれぞれのノズルから2pl(ピコリットル)ずつ吐出できる場合である。
図8に示すように、印字ヘッド50には、長手方向に平行に2本のインク流路の本流55、55(第1液流路)が配置され、本流55,55間を掛け渡すように支流155(第2液流路)が形成されている。そして、本流55、55間の支流155に沿って48個のノズル51−1、〜、51−48が2次元マトリクス状に配列されている。また、2次元マトリクス状に配列されたノズル51−1、〜、51−48に対し、本流55を挟んで反対側に、すなわち本流55、55より外側の部分に、支流155の本流に近い部分を連通路として、これを介して本流55と連通するように多孔ノズルユニット(第2圧力発生ユニット)151A、151C及び151B、151Dがそれぞれ配置される。各多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dにはインク供給口153を介して本流55より外側の支流155(連通路)からインクが供給されるようになっている。
各多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dは、それぞれ12個のノズル51を有しており、本流55,55間の支流155に沿って配列された48個の各ノズル51−1、〜、51−48が多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dのいずれかのノズルと対応するように12個ずつに振り分けられている。
図9に、本流55,55間の支流155に沿って配列された48個のノズルの各多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dへの振り分けを支流155に沿って配列されたノズルのノズル番号を用いて示す。ここで、ノズル番号とは、各ノズルに付された符号51−1、51−2等の枝番1,2等をいうものとする。
図9に示すように、例えば、多孔ノズルユニット151Aに形成される12個のノズルは、それぞれ支流155に沿って配列されるノズル番号1、5、9、13、17、21、25,29、33、37、41、45のノズルに対応する。他の多孔ノズルユニット151B、151C、151Dについても同様である。例えば、多孔ノズルユニット151Bのノズルは、支流155に沿って配列されるノズル番号2から4毎の6、10、14、・・・、46番のノズルに対応する。
具体的には、図8に示すように、多孔ノズルユニット151Aのノズル51−1’は、支流155に沿って配列されるノズル51−1に対応し、ノズル51−5’は、ノズル51−5に対応する。また、多孔ノズルユニット151Bのノズル51−2’は、支流155に沿って配列されるノズル51−2に対応し、ノズル51−6’は、ノズル51−6と対応する。他についても同様である。
このように、2次元マトリクス構造の印字ヘッド50において、多孔ノズルユニット151A、〜、151Dを本流55に近接するように配置する。図8に示す例では、4つの多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dが配置されているが、配置する多孔ノズルユニットは1つでも複数個でもよい。また、多孔ノズルユニット内に形成されるノズルの数も1つでもよいし複数でもよい。
上のように配置された多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dを駆動することにより、インク消費量が一番多いベタ打ちを行うことができる。このような、多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dが存在しない場合には、ベタ打ちをするには支流155に沿って配列された全ての圧力室52を駆動しなければならないが、この場合には本流155近くのノズル(多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151D)のみを用いてベタ打ちを行うことができる。
この場合、本流近くから大量のインクを吐出することができるので、支流155における圧力損失が大幅に低減し、印字ヘッド50全体で見た場合にも圧力損失を大きく減少させることができる。
このように、多孔ノズルユニット151A、〜、151Dをベタ打ち用ノズルとして用いることにより、本流55から近い位置に多くのノズルをまとめて配置することができる。多孔ノズルユニットのような、いわば冗長ノズルを印字ヘッド50に付け加えたにもかかわらず、紙送り方向(印字ヘッド50の短手方向)のヘッド幅増大は数mm程度であり、ノズル配置効率が高い。
支流圧力損失を減らすためには、本流の本数を増やす方法も考えられるが、本実施形態によれば、本流の本数を増やすことなく、圧力損失を減らすことができるので、紙送り方向に増やさなかった本流の幅の分だけヘッド幅を短くすることができる。
このように、各支流155毎に部分的に配置された、ベタ打ちに用いることのできる多孔ノズルユニット(151A、〜、151D)は、印刷媒体全体についてベタ打ちしない場合でも、部分的にベタ打ちをする必要性は高く、使用頻度が高い。
また、画像処理技術を用いて、なるべく多孔ノズルユニットを駆動するようにすることで、さらに効率の良い印字が可能となる。
図10(a)に、図8の多孔ノズルユニット151Aを簡単な斜視図で示す。図10(a)に示すように、多孔ノズルユニット151Aには、12個のノズル51−1’、51−5’、51−9’、51−13’、51−17’、51−21’、51−25’、51−29’、51−33’、51−37’、51−41’、51−45’が形成されており、それぞれのノズルから2plのインク51aが吐出される。
また、図10(b)に多孔ノズルユニット151Aの一部分の底面図を示す。本実施形態は、ノズル密度が2400dpiの場合における支流155に沿った1列分の48個のノズルを4つの多孔ノズルユニットに分けたものであり、各ノズル51は等間隔に一列に並んでおり、各ノズル51の直径d1は20μmで、ノズル間隔D1は22.4μmである。
また、図8に示す、支流155の幅は300μmで、高さは500μmである。また、インク粘度は20cPであるとする。1本の本流55についての支流155の長さを考えると、1本の支流155には48個のノズルが配置されているが、今、図8に示すように本流55は2本あるので、1本の本流55についてノズル数は半分の24個と考えられる。すなわち、1本の本流55あたりの支流155の長さは、副走査方向のノズルピッチ500μmを用いて、500μm×24として計算すると12mmとなる。
またこのとき、支流155の長さ12mmを流れるインクの体積速度を考える条件として、ノズル数N=24個、吐出周波数f=40kHz、吐出液滴体積V=2plとする。
ところで、支流155の流路抵抗Rは次の式(1)で計算される。
R=2kμl(S2/A3) ・・・(1)
ここで、k=1.5/(1+ε)2[1−(192/π5)ε{tanh(π/2ε)+(1/35)tanh(π/2ε)+・・・}]であり、ここでεはアスペクト比(ε<1)、kはアスペクト比から決まる定数、μは粘性、lは流路長さ、Sは管路全周、Aは管路断面積である。
ここで、k=1.5/(1+ε)2[1−(192/π5)ε{tanh(π/2ε)+(1/35)tanh(π/2ε)+・・・}]であり、ここでεはアスペクト比(ε<1)、kはアスペクト比から決まる定数、μは粘性、lは流路長さ、Sは管路全周、Aは管路断面積である。
本実施形態と比較するために、図20に示した従来の場合に流路抵抗R(従来)を計算すると、R(従来)=6.8×1011Ns/m5であり、また体積速度はU=N×f×V=24×40×103×2×10−15=1.9×10−9m3/sとなる。
また、(支流圧力損失)=(流路抵抗)×(体積速度)のように、支流圧力損失は流路抵抗と体積速度との積で計算される。これにより、従来の支流圧力損失P(従来)を計算すると、P(従来)=R(従来)×U÷2=646Paとなる。ここで最後に2で割っているのは、上で述べたように支流長さを12mmとして計算していたが、支流の先まで全てのインクが流れてはいかないので、平均すると支流半分の距離6mmだけインクが流れていると考えられるからであり、そのため実際の圧力損失は半分になる。
なお、前述した特許文献1によれば、インク流路系全体の圧力損失が800Pa以上になると、リフィルが追いつかなくなり吐出が不安定となる。
本発明者が想定しているインク流路系において、各部分の圧力損失を計算した結果、支流領域における圧力損失が全体の圧力損失の約50%を占めていることがわかった。すなわち、本発明が対象としているインク流路系において、支流圧力損失を400Pa以内に抑える必要がある。しかし、上で計算したように、従来の支流圧力損失P(従来)は646Paであり、400Paを越えてしまっているため、このままでは吐出が安定しない。
これに対して、本実施形態では、図8に示す多孔ノズルユニット151Aに支流155からインクを供給するインク供給口153までの本流55からの長さL’を、2本の本流55、55間の距離2Lの半分であるLの1/10以下、すなわち、L’≦L/10と設計することができる。
これにより、本流155から多孔ノズルユニット151Aのインク供給口153までの支流155の長さ(L’に対応する)を、本流55から支流155の中央までの支流155の長さ(Lに対応する)の1/10とすることができる。このため、多孔ノズルユニット151Aに向かう支流155での圧力損失も1/10とすることができる。従って、支流155における圧力損失は、従来の支流圧力損失P(従来)=646Paの1/10となり、約65Paとなる。
以上説明したのはベタ打ちの場合である。ベタ打ちでない場合のリフィルについては、多孔ノズルユニット151A〜151D以外の48個の通常のノズル51−1、〜、51−48と多孔ノズルユニット151A〜151Dとを組み合わせ、人の目で同じような画像と見えるように画像を形成するように画像処理を施すことで、支流155での圧力損失を400Pa以内に抑えることが可能である。
多孔ノズルユニット151A〜151Dの使用例として、図11(a)に全吐出の場合、また図11(b)に半吐出の場合に形成されるドットの様子を示す。
全吐出の場合は、4つの多孔ノズルユニット151A〜151Dを全て用い、これらの多孔ノズルユニット151A、151B、151C、151Dを順番に駆動することにより、図11(a)に示すような、ベタ画像が形成される。
また、半吐出の場合には、例えば、多孔ノズルユニット151Aと151Cの組と、多孔ノズルユニット151Bと151Dの組を交互に吐出することにより、図11(b)に示すような、全吐出の場合に比べてちょうど半分だけ吐出した画像が形成される。
さらに、これらの多孔ノズルユニット151A〜151Dの吐出を組み合わせることにより、階調をつけることも可能である。加えて、印字ヘッド50全体でみて圧力損失に余裕が出てくるため、リフィルに対しても余裕ができる。
上に述べた例では、本流1本あたりに対応する支流長さM、多孔ノズルユニット(冗長ノズル)側の支流長さM’に対し、10M’≦Mとしているが、これに限定されるものではなく、多孔ノズルユニットを本流の近くに配置することにより、リフィル遅れなく、高粘度インクの吐出を続けることが可能となる。
なお、以上説明した実施形態では本流の数は2本として説明したが、本流の数は2本に限定されるものではない。本流は1本でもよい。例えば、本流は1本で中央に配置され両側に分岐する支流を持ち、本流近傍に多孔ノズルユニットが配置されるような構成としてもよい。
また、多孔ノズルユニットは、ベタ打ちにのみ用いられるばかりではなく、例えば、文字の縦線のようなラインを描く場合にも、好適に利用可能である。
次に本発明の第2実施形態に係る印字ヘッド(液体吐出ヘッド)について説明する。
本実施形態は、多孔ノズルユニットの各ノズルから吐出されるインク滴が16pl(ピコリットル)の場合である。
この場合、吐出量が16plであり、前述した第1実施形態の2plに対して、体積にして8倍、面積にして4倍、そして着弾したインクの直径は2plの場合の2倍である。
従って、ベタ打ちに必要なノズルは本流間の各支流に沿って形成された48個のノズルの半分の24個である。そこでこのベタ打ちに必要な24個のノズルを2つの多孔ノズルユニットに12個ずつ分配する。
従って、ベタ打ちに必要なノズルは本流間の各支流に沿って形成された48個のノズルの半分の24個である。そこでこのベタ打ちに必要な24個のノズルを2つの多孔ノズルユニットに12個ずつ分配する。
図12に、本実施形態の印字ヘッドにおけるノズル及び流路配置を示す。
図12に示すように、本実施形態においても、2本の平行な本流55、55の間に掛け渡された支流155に沿って、それぞれ2plのインクを吐出する48個のノズル51−1、〜、51−48が形成されている点は前述した第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、これに対して、16plのインクを吐出するノズルが12個ずつ形成された多孔ノズルユニット151E及び151Fが、それぞれ本流55、55の外側の支流155の本流55の近くに配置される。
多孔ノズルユニット151Eには、ノズルn1、n3、n5、・・・、n23が形成され、多孔ノズルユニット151Fには、ノズルn2、n4、n6、・・・、n24が形成されている。これらの各ノズルは、支流155に沿って配列された48個のノズル51−1、〜、51−48の隣り合った2つずつに対応している。
図13にこのノズルの対応を示す。図13に示すように、支流155に沿って形成されたノズル51−1及び51−2から吐出されたインクの着弾位置に対し、その中間の位置に多孔ノズルユニット151Eのノズルn1から吐出されたインクが着弾するように多孔ノズルユニット151Eのノズルn1が配置される。他のノズルについても同様である。
ノズルn1から吐出されるインク滴の直径は、ノズル51−1及び51−2からそれぞれ吐出されるインク滴の直径の2倍となっているため、このように配置することで、図13に示すように、ノズルn1から吐出されるインク滴でノズル51−1及び51−2から吐出された2つのインク滴をぴったりカバーすることができる。
本実施形態においては、支流の圧力損失で有利になる割合は、前述した多孔ノズルユニットの各ノズルから2plずつ吐出する第1実施形態の場合と同じである。なぜなら、本実施形態では、本流の外側にそれぞれ多孔ノズルユニットを1つずつしか配置しないため、多孔ノズルユニットに連通する支流長さが前述した第1実施形態の場合よりも半分になるため、支流の流路抵抗は半分になる。しかし被記録媒体上で同じ印字幅を埋めるためのインク吐出量は2倍になる。結局、圧力損失は第1実施形態の場合と同じになる。
なお、本実施形態の変形例として、図14に示すように、多孔ノズルユニット151E及び151Fを本流55の片側に集めるようにしてもよい。このようにすることによって、多孔ノズルユニット151E、151Fが近くにあるため、紙送りずれに対する着弾位置ずれを防止することができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本第3実施形態は、図14に示す前述した第2実施形態の変形例のように、それぞれ16pl吐出するノズルが12個形成された2つの多孔ノズルユニットが本流の片側に配置されている場合に、本流間の通常のノズルが配列される支流と、本流の外側の多孔ノズルユニットが配置される支流とが、本流を挟んで一直線状に向かい合わないように、特に好ましくは、各支流が本流に接続する位置を各支流間の間隔の1/2ピッチずらすようにするものである。
図15に、本実施形態に係る印字ヘッドを示す。
図15に示すように、本実施形態においては、通常のノズル1、2等が配列される、本流55よりも内側の支流155aと、多孔ノズルユニット151E、151Fが配置される、本流55よりも外側の支流155bが、本流55に対して一直線状に向かい合わないように、各支流155aと155bが本流55に接続する位置をずらして配置するようにする。
このとき、好ましくは、各支流の隣の支流との間隔の1/2ピッチずらすようにして配置する。
このように、通常のノズル1等が配列される支流155aと多孔ノズルユニット151E、151Fが配置される支流155bの本流55への接続位置を相互にずらして配置するようにすることで、多孔ノズルユニット151、151Fのインク供給口153から出てくる圧力波が本流55の反対側に伝わりにくくなるため、クロストーク防止効果がある。
また、本実施形態の変形例として、図16に示すように、通常のノズル1等が配列される支流155aと多孔ノズルユニット151E、151Fが配置される支流155bの本流55への接続位置を相互にずらして配置するとともに、各多孔ノズルユニット151E、151Fにインクを供給するインク供給口153を2つずつ設けるようにしてもよい。
このとき、図16に示すように、各多孔ノズルユニット151E、151Fに形成されたインク供給口153、153は、それぞれ別々の支流155bに接続されていることが好ましい。このようにすることによって、片方のインク供給口153が、ゴミや気泡等によって詰まってインクを供給することができなくなったとしても、他方のインク供給口153から多孔ノズルユニット151E、151Fにインクを供給することができる。
なお、図16においても、本流55を挟んだ各支流155a及び155bが各支流間隔の1/2ピッチずらすように表示されているが、支流155a、155bのずらし方は1/2ピッチに限定されるものではない。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本第4実施形態は、多孔ノズルユニットを本流に直結させる構造とするものである。前述した各実施形態においては、多孔ノズルユニットを本流近くの支流に接続させていたため、本流から多孔ノズルユニットの支流接続部までの支流の長さがあり、その部分で支流の圧力損失が存在したが、本実施形態では、多孔ノズルユニットを直接本流に接続させるようにするため、支流の長さが0になるので、多孔ノズルユニットに対する支流の圧力損失を0にすることができる。
図17に、本実施形態における多孔ノズルユニットの本流への接続構造を斜視図で示す。
図17に示すように、多孔ノズルユニット151Gのインク供給口153を本流55に直結する。なお、本実施形態においても、多孔ノズルユニット151Gの各ノズルn1等は前述した第2実施形態と同様に16plのインク滴を吐出し、多孔ノズルユニット151Gには12個のノズルn1、・・・、n23が設けられている。また、多孔ノズルユニット151Gの圧力室152の上部には圧力発生手段としての圧電体158が形成されている。
また、本流55から通常のノズル(図示省略)にインクを供給するための支流155が、本流55に対して、多孔ノズルユニット151Gのインク供給口153とは反対側に接続されている。
このように、多孔ノズルユニット151Gのインク供給口153を直接に本流55に接続するようにしたため、多孔ノズルユニット151Gに対する支流155の長さが0となり、多孔ノズルユニット151Gに対する支流155の圧力損失を0にすることができる。
次に、本発明のもう一つの特徴であるキャップの構造について説明する。
図18(a)にキャップの平面図を、また図18(b)にキャップの斜視図を示す。
図18(a)に示すように、キャップ64は、印字ヘッド50全体を覆うだけの大きさを有する平面形状が長方形の枠64aの中に長手方向の辺に近い側に1本の梁64bが形成され、枠64aの中に2つの開口部64c及び64dが形成されている。
図18(b)に示すように、これらの枠64a及び梁64bは、印字ヘッド50の印字面にぴったり密着することができるように、例えばゴム等の弾性部材で形成され、その下部64eは例えば樹脂等で形成されている。また、このとき開口部64cの幅H1は、本流よりも外側に配置された多孔ノズルユニットを含むことのできる大きさを有している。また、梁64bの幅H2は、多孔ノズルユニットを覆い塞ぐことのできる大きさを有している。また、開口部64dの幅H3は、支流に沿って配列される通常のノズルを全て含むことのできる大きさを有している。また、枠64aの下側の辺も多孔ノズルユニットを覆い塞ぐことができるように梁64bと同じ幅H2を有している。
そして、開口部64dの底面には図示を省略したポンプに連通しているホース65が接続されている。また図示を省略したが開口部64cの底面にも同様に、同じポンプに連通するホースが接続されている。
図19にインク吸引時の様子を平面図で示す。
図19(a)は、多孔ノズルユニットをキャップして通常のノズルからインクを吸引する場合を示し、図19(b)は、多孔ノズルユニットをキャップせずに、多孔ノズルユニットからも吸引できるようにした場合を示している。
図19(a)に示すように、多孔ノズルユニットをキャップする場合には、梁64b及び枠64aの下側の辺がそれぞれ多孔ノズルユニット151をキャップするようにキャップ64を印字ヘッド50に当てるようにする。そして、図示を省略したポンプを駆動して、開口部64d内に存在する各ノズル51からインクを吸引する。
また、多孔ノズルユニットをキャップしない場合には、図19(b)に示すように、キャップ64を図の下方に少しずらして、梁64bが一方の本流55を覆うようにして、開口部64c内に一方の多孔ノズルユニット151が含まれるようにするとともに、開口部64d内に他方の多孔ノズルユニット151が含まれるようにする。このようにしてポンプを駆動して吸引することにより、多孔ノズルユニット151内のインクを吸引することができる。
このようにキャップ64を構成することで、今述べたようにキャップ64を少しずらすだけで、多孔ノズルユニット151をキャップする場合と、多孔ノズルユニット151をキャップしない場合を簡単に切り替えることが可能となる。また、一つのキャップ64により、多孔ノズルユニット151をキャップする場合としない場合の両方に対応できるので部材点数を減らすことができ、コスト低下という効果もある。
なお、多孔ノズルユニットから吐出しなかった場合には、通常のノズルを駆動させて画像を作るようにすることができる。これは多孔ノズルユニットが通常のノズルと重複したいわゆる冗長ノズルとなっていることによる効果である。
なお、ここで不吐出を検出する手段は前述したイメージセンサによるものの他に、多孔ノズルユニットは複数のノズルを有しており、これら複数のノズルから同時に吐出が行われるるため、そのうちの幾つかのノズルが不吐出になった場合に、どのノズルが不吐出かを特定するためには、飛翔中のインク液滴を検出する形態でもよい。
以上、本発明の液体吐出ヘッドとそのキャップ手段及びこれらを備えた画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…インクジェット記録装置、12…印字部、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラー、33…ベルト、34…吸着チャンバー、35…ファン、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラー、48…カッター、50…印字ヘッド、50A…ノズル面、51…ノズル、52…圧力室、53…インク供給口、54…圧力室ユニット、55…本流、56…振動板(共通電極)、57…個別電極、58…圧電体、59…空隙、60…インクタンク、62…フィルタ、64…キャップ、66…ブレード、67…吸引ポンプ、68…回収タンク、70…通信インターフェース、72…システムコントローラ、74…画像メモリ、76…モータドライバ、78…ヒータドライバ、80…プリント制御部、82…画像バッファメモリ、84…ヘッドドライバ、86…ホストコンピュータ、88…モータ、89…ヒータ、151…多孔ノズルユニット、153…(多孔ノズルユニットの)インク供給口、155…支流
Claims (7)
- 液体を送液する第1液流路と、
前記第1液流路から所定方向に分岐して平行に並んだ複数の第2液流路と、
前記各第2液流路と供給口を介して連通し、該第2液流路に沿って配置され、2次元マトリクス状に配列された、それぞれが1つの吐出口を有する複数の第1圧力発生ユニットと、
前記マトリクス状に配列された前記第1圧力発生ユニットと前記第1液流路を挟んで反対側の前記第1液流路の近傍に配置された、前記第1液流路から分岐する連通路を介して前記第1液流路と連通する、複数の吐出口を有する第2圧力発生ユニットと、
を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記第2圧力発生ユニットが配置される前記第1液流路の近傍は、前記第1液流路からの距離が、前記第1液流路1本あたりの前記第2液流路の長さの半分以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2液流路の前記第1液流路からの分岐位置と、前記連通路の前記第1液流路からの分岐位置とが、前記第1液流路の液体流れ方向にずれていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2圧力発生ユニットが供給口を複数有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備え、該液体吐出ヘッドと被記録媒体を相対的に移動させながら前記液体吐出ヘッドから前記被記録媒体に向けて液体を吐出して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
- 前記被記録媒体の相対的移動方向の上流または下流の少なくとも一方に、複数の前記第2圧力発生ユニットを配置したことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドのキャップ手段であって、
前記2次元マトリクス状に配列された第1圧力発生ユニットの前記吐出口と、
前記第2圧力発生ユニットの前記吐出口とに対し、
前記液体吐出ヘッドの前記各吐出口が形成される面に対して平行に移動させることで、前記第2圧力発生ユニットの前記吐出口を封止する状態と封止しない状態を切り替えるようにしたことを特徴とする液体吐出ヘッドのキャップ手段。
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JP2005141305A JP2006315335A (ja) | 2005-05-13 | 2005-05-13 | 液体吐出ヘッドとそのキャップ手段及びこれらを備えた画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013506573A (ja) * | 2009-10-02 | 2013-02-28 | アグフア・グラフイクス・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ | 高−密度印刷ヘッドのためのuv硬化性インキジェット組成物 |
-
2005
- 2005-05-13 JP JP2005141305A patent/JP2006315335A/ja active Pending
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