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JP2006310144A - 誘導加熱装置および高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法 - Google Patents

誘導加熱装置および高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法 Download PDF

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JP2006310144A
JP2006310144A JP2005132555A JP2005132555A JP2006310144A JP 2006310144 A JP2006310144 A JP 2006310144A JP 2005132555 A JP2005132555 A JP 2005132555A JP 2005132555 A JP2005132555 A JP 2005132555A JP 2006310144 A JP2006310144 A JP 2006310144A
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Hajime Tomita
始 冨田
Masafumi Takemori
雅史 竹森
Manabu Kabata
学 椛田
Yusuke Abe
祐介 阿部
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Abstract

【課題】被加熱物を誘導加熱する際に、当該被加熱物の温度分布の均一化を図るようにした誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】誘導コイルに高周波電流を供給することにより被加熱物に渦電流を誘導して、上記被加熱物を加熱する誘導加熱装置であって、上記誘導コイルまたは上記誘導コイルに高周波電流を供給する給電部位を少なくとも1回以上交差させ、電流の方向を反転させるようにしたものであり、上記誘導コイルは所定の間隙を開けて対向して配置することができ、その際には、上記所定の間隙を開けて対向して配置された誘導コイルの交差部位が対向して配置されるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、誘導加熱装置および高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法に関し、さらに詳細には、板状の形状を備えた被加熱物(本明細書においては、「板状の形状を備えた被加熱物」を単に「板状被加熱物」と適宜に称する。)などを加熱する際に用いて好適な誘導加熱装置および高周波電流の漏れ磁束により周辺構造物が加熱されることを抑止するようにした高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法に関する。
従来、各種の形状を備えた被加熱物、例えば、板状被加熱物などを加熱する際に、一般に、被加熱物がアルミニウムやステンレス鋼のような非磁性材料またはキューリー点温度を超えた磁性材料である場合には、被加熱物の上下に誘導コイルを配置した構造(トランスバース型構造)を備えた誘導加熱装置(トランスバース型構造を備えた誘導加熱装置においては、被加熱物の上下に配置された誘導コイルが作る磁束が被加熱物を貫通することにより、被加熱物が加熱されることになる。)を用いており、また、被加熱物が磁性材料である場合には、被加熱物の一方の側のみに誘導コイルを配置した構造(パンケーキ型構造)や被加熱物をトロイダル状の内部を通過させる構造(トンネル構造)を備えた誘導加熱装置が用いられている。

ここで、図1(a)には上記したトランスバース型構造を備えた従来の誘導加熱装置の概念構成説明図が示されており、また、図1(b)には図1(a)のA矢視概念構成説明図が示されている。
即ち、トランスバース型構造を備えた誘導加熱装置10は、高周波発振器(図示せず。)により発生された高周波電流を導通する線路たるフィーダー12を介して当該高周波発振器から高周波電流を供給される第1誘導コイル14と、高周波発振器により発生された高周波電流を導通する線路たるフィーダー16を介して当該高周波発振器から高周波電流を供給される第2誘導コイル18とを有して構成されている。
これら第1誘導コイル14と第2誘導コイル18とは、所定の間隙gを形成するように離隔し、かつ、互いに対向して配置されており、間隙gに板状被加熱物20を挿通して移動可能となされている。
以上の構成において、この誘導加熱装置10の第1誘導コイル14および第2誘導コイル18に高周波発振器からフィーダー12、16を介して高周波電流が供給されると、第1誘導コイル14および第2誘導コイル18が作る磁束が間隙gに位置する板状被加熱物20を貫通して当該板状被加熱物20に渦電流が誘導され、これにより当該被加熱物20が加熱されることになる。
ところで、こうした誘導加熱装置10により板状被加熱物20を加熱するに際して、板状被加熱物20の幅Wが第1誘導コイル14および第2誘導コイル18の幅Wよりも狭い場合、即ち、第1誘導コイル14および第2誘導コイル18の幅Wが板状被加熱物20の幅Wよりも大きい場合には、板状被加熱物20の表面全面に流れる渦電流が板状被加熱物20の幅方向における両方の端部たるエッジ20a、20bへ流れることになり、板状被加熱物20のエッジ20a、20bが特有な温度上昇を示し、板状被加熱物20内においてエッジ20a、20bの温度のみが他の領域と比べて異常に高くなってしまっていた。
このように、板状被加熱物20内において異常に温度が高い領域が生じることにより、図2に示すように、板状被加熱物20の温度分布が悪化するという問題点があった。なお、本願発明者の経験によれば、板状被加熱物20のエッジ20a、20bの温度は、図2に示すように他の領域と比べて100℃以上も高温となることがあった。
また、上記したトランスバース型構造を備えた誘導加熱装置の問題点、即ち、板状被加熱物の幅方向における両方の端部たるエッジに異常に温度が高い領域が発生して、被加熱物の温度分布が図2示すようなものに悪化することになるという問題点は、パンケーキ型構造を備えた誘導加熱装置においても同様に指摘されていた。
なお、上記したような問題点が生じる原因は、第1誘導コイル14や第2誘導コイル18などのような誘導コイルに高周波電流が流れることにより板状被加熱物20の表面に生起される渦電流I(図1において、渦電流Iは一点鎖線で示している。)が大きなループを描くようになって、板状被加熱物20の表面に大きなループ電流が生成されるためである(図1(b)参照)。

一方、高周波発振器から誘導コイルなどに高周波電流を給電するため使用されるフィーダーなどのように高周波電流が流れる線路においては、当該線路が各種の装置内部に組み込まれた場合に、当該線路からの漏れ磁束によって当該線路の周辺に位置する構造物に電流が流れるようになり、そのため当該線路の周辺に位置する構造物が発熱するという問題点があった。
このため、従来においては、このような高周波電流が流れる線路には同軸構造を採用することにより、内部に磁束を閉じ込めるようにして線路からの漏れ磁束を低減したり、あるいは、銅パイプを線路として使用するとともに構造物に銅板を巻き、当該銅板に銅パイプとは逆方向の電流を流すことにより磁束をキャンセルしたりして、構造物の発熱を抑止するようにしていた。
しかしながら、上記した従来の技術による構造物の発熱を抑止する手法においては、線路に複雑な同軸構造を採用したり、あるいは、構造物に銅板を巻いて電流を流したりする必要があるため、構造が複雑化するとともにコスト高を招来するという新たな問題点が指摘されていた。

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被加熱物を誘導加熱する際に、当該被加熱物の温度分布の均一化を図るようにした誘導加熱装置を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、簡単な構成によりコスト高を招来することなく、高周波電流が流れる線路からの漏れ磁束による当該線路の周辺に位置する構造物の発熱を抑止するようにした高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明による誘導加熱装置は、一連の誘導コイルを配置する際に、被加熱物に発生する渦電流の向きを変える交差部分を誘導コイルまたは当該誘導コイルに高周波電流を供給する給電部位に形成することにより、当該被加熱物の温度分布を悪化させる渦電流の描くループを小さくし、これにより当該被加熱物の温度分布の均一化を図るようにしたものである。
また、上記目的を達成するために、本発明による高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法は、装置内部に高周波電流が流れる線路を配置する際に、当該線路の延長方向において電流方向が逆向きとなるように当該線路が交差部分を形成することにより、当該線路からの漏れ磁束に伴い当該線路の周辺に位置する構造物へ流れる電流を相殺して当該構造物に電流を流れに難くさせ、これにより当該構造物の発熱を抑止するようにしたものである。

即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、誘導コイルに高周波電流を供給することにより被加熱物に渦電流を誘導して、上記被加熱物を加熱する誘導加熱装置において、誘導コイルまたは上記誘導コイルに高周波電流を供給する給電部位を少なくとも1回以上交差させ、電流の方向を反転させるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項1に記載の発明は、本発明のうち請求項2に記載の発明において、上記誘導コイルは所定の間隙を開けて対向して配置され、上記所定の間隙を開けて対向して配置された誘導コイルの交差部位が対向して配置されるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1または2のいずれか1項に記載の発明において、上記誘導コイルは磁性部材に配置され、上記磁性部材の所定の位置に上記誘導コイルの交差部が配置されるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項1、2または3のいずれか1項に記載の発明において、上記誘導コイルは、チューブ状絶縁部材内に配置され、上記チューブ状絶縁部材内に供給された冷却水により冷却されるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、構造物の内部に配置された線路を流れる高周波電流の漏れ磁束により、上記線路に隣接する上記構造物の表面が加熱されることを抑止する高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法において、構造物内に高周波電流が流れる線路を配置する際に、上記線路の延長方向において電流方向が逆向きとなるように、上記構造物内において上記線路が交差する部分を形成し、上記線路からの漏れ磁束に伴い上記線路の周辺に位置する上記構造物へ流れる電流を相殺して上記構造物に電流を流れに難くさせ、上記構造物の発熱を抑止するようにしたものである。
本発明による誘導加熱装置は、以上説明したように構成されているので、被加熱物を誘導加熱する際に、被加熱物の温度分布の均一化を図ることができるようになるという優れた効果を奏する。
また、本発明による高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法は、以上説明したように構成されているので、簡単な構成によりコスト高を招来することなく、高周波電流が流れる配線からの漏れ磁束による当該配線の周辺に位置する構造物の発熱を抑止することができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面に基づいて、本発明による誘導加熱装置および高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
なお、以下の説明においては、各実施の形態において同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を付して示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は適宜に省略する。

まず、図3(a)(b)には、本発明による誘導加熱装置の第1の実施の形態の構成説明図が示されている。ここで、図3(a)は、図3(b)のB−B線による概略構成断面図を示すものであり、図1(a)に相当する図の断面図を示すものである。また、図3(b)は、図3(a)のC−C線による概略構成断面図を示すものであり、図1(b)に相当する図の断面図を示すものである。
この第1の実施の形態の誘導加熱装置100は、パンケーキ型構造を備えるものであって、高周波電流を発生する高周波発振器(図示せず。)の一方の端子(図示せず。)に一方の端部102aを接続された高周波電流を導通する線路たるフィーダー102および高周波発振器の他方の端子(図示せず。)に一方の端部104aを接続された高周波電流を導通する線路たるフィーダー104と、フィーダー102の他方の端部102bに一方の端部106aを接続されるとともにフィーダー104の他方の端部104bに他方の端部106bを接続された一連の誘導コイル106と、誘導コイル106が配置される磁性部材たるU字型フェライトコア108とを有して構成されている。
ここで、誘導コイル106は、板状被加熱物110の表面に生起される渦電流の向きを反転させるために、少なくとも1回以上交差するように配置されている。具体的には、誘導加熱装置100における誘導コイル106は、図3(a)(b)に示すように、3回交差していて、3箇所の交差部106cが形成されている。
より詳細には、U字型フェライトコア108に板状被加熱物110を誘導加熱する一連の誘導コイル106を配置する際には、U字型フェライトコア108の互いに隣接する端部108aと端部108aとの間で誘導コイル106が交差して交差部106c形成するように配置する。
以上の構成において、この誘導加熱装置100においては、一連の誘導コイル106を配置する際に3箇所の交差部106cが設けられているので、図4に示すように、誘導コイル106を流れる高周波電流Iが小さなループを描くようになり、これに伴って板状被加熱物110の表面に流れる渦電流I(図4において、渦電流Iは一点鎖線で示している。)も小さなループを描くことになって、渦電流Iによる大きなループ電流の生成が防止される。そして、この小さなループの渦電流Iは、互いに隣り合う渦電流Iに関してその向きが互いに反対向きとなる。
このため、板状被加熱物110内の幅方向における両方の端部たるエッジ110a、110bの温度が、他の領域に比べて異常に高くならないので、板状被加熱物110の温度分布を悪化させることがなくなり、板状被加熱物110の温度分布を良好な状態に維持することができるようになる。

次に、図5には、本発明による誘導加熱装置の第2の実施の形態の構成説明図が示されている。なお、図5に示す構成説明図は、図3(b)に示す構成説明図と対応するものである。
この第2の実施の形態の誘導加熱装置200は、U字型フェライトコア108を備えていない点においてのみ、第1の実施の形態の誘導加熱装置100とは異なる。
この誘導加熱装置200における誘導コイル106は、板状被加熱物110の表面に生起される渦電流の向きを反転させるために1回交差するように配置されており、1箇所の交差部106cが形成されている。
この誘導加熱装置200においても、上記した第1の実施の形態の誘導加熱装置100と同様に、誘導コイル106を流れる高周波電流が小さなループを描くようになり、これに伴って板状被加熱物110の表面に流れる渦電流I(図5において、渦電流Iは一点鎖線で示している。)も小さなループを描くことになって、渦電流Iによる大きなループ電流の生成が防止される。そして、この小さなループの2つの渦電流Iは、その向きが互いに反対向きとなる。
このため、板状被加熱物110内の幅方向における両方の端部たるエッジ110a、110bの温度も高くならないので板状被加熱物110の温度分布を悪化させることがなくなり、板状被加熱物110の温度分布を良好な状態に維持することができるようになる。

次に、図6には、本発明による誘導加熱装置の第3の実施の形態の構成説明図が示されている。なお、図6に示す構成説明図は、図3(a)に示す構成説明図と対応するものである。
この第3の実施の形態の誘導加熱装置300は、トランスバース型構造を備えるものであって、一対の上記した第1の実施の形態の誘導加熱装置100が、所定の間隙Gを開けてU字型フェライトコア108の端部108aを対向させるようにして配置されている。
この誘導装置300においては、一対の誘導コイル106は、D矢視において、交差部106cを含めて全てが重なるように配置されている。
また、一対の誘導コイル106に供給する高周波電流の向きは、対向して配置された一対のU字型フェライトコア108に形成される磁気回路Mが、同一方向に形成されるように設定されている。
この誘導加熱装置300においても、上記した第1の実施の形態の誘導加熱装置100と同様に、誘導コイル106を流れる高周波電流が小さなループを描くようになり、これに伴って板状被加熱物110の表面に流れる渦電流も小さなループを描くことになって、渦電流による大きなループ電流の生成が防止される。このため、板状被加熱物110内の幅方向における両方の端部たるエッジ110a、110bの温度も高くならないので板状被加熱物110の温度分布を悪化させることがなくなり、板状被加熱物110の温度分布を良好な状態に維持することができるようになる。

次に、図7には、本発明による誘導加熱装置の第4の実施の形態の構成説明図が示されている。ここで、図7は、図3(b)に示す構成説明図と対応するものである。
この第4の実施の形態の誘導加熱装置400は、磁性部材として複数の磁性体402aを組み合わせたコア402を形成し、これを複数配置するようになされている。そして、誘導コイル106は、各コア402の間で交差して交差部106cを形成するようにして配置される。
この誘導加熱装置400においても、上記した誘導加熱装置100、200、300と同様な作用効果が達成されるものであるが、誘導加熱装置400においては、板状被加熱物110の幅方向に延長するように複数の磁性体402aを組み合わせてコア402が形成されいるため、幅Wが広い板状被加熱物110を均一に加熱する際に用いると好適である。

ここで、誘導コイル106を交差させる交差部の位置は、誘導加熱装置100、200、300、400において示したような位置に限られるものではなく、例えば、図8(a)(b)に示すような位置でもよい。
即ち、図8(a)には本発明による誘導加熱装置の第5の実施の形態の構成説明図が示されており、図8(b)には本発明による誘導加熱装置の第6の実施の形態の構成説明図が示されている。ここで、図8(a)(b)は、図5に示す構成説明図と対応するものである。
図8(a)に示す第5の実施の形態の誘導加熱装置500は、誘導コイル106が紙面上における上下方向に並んでそれぞれ独立したループ部106d、106eを形成するように、交差部106cが形成されている。この誘導加熱装置500において、ループ部106dとループ部106eとが生起する渦電流I(図8(a)において、渦電流Iは一点鎖線で示している。)の向きは、互いに反対向きとなるようになされている。
また、図8(b)に示す第6の実施の形態の誘導加熱装置600は、誘導コイル106が紙面上における左右方向に並んでそれぞれ独立したループ部106f、106gを形成するように、交差部106cが形成されている。この誘導加熱装置600において、ループ部106fとループ106部gとが生起する渦電流I(図8(b)において、渦電流Iは一点鎖線で示している。)の向きは、互いに反対向きとなるようになされている。

また、上記した誘導加熱装置100、200、300、400、500、600において、誘導コイル106を冷却するように構成したい場合には、例えば、図9に示すように構成すればよい。
即ち、チューブ状絶縁部材700の内径側に誘導コイル106を配置し、チューブ状絶縁部材700内に冷却水を供給することにより、誘導コイル106を冷却するように構成すればよい。

次に、本発明による高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法について説明するが、比較のため、まず、従来の高周波電流を通電する線路の配置について説明する。
図10には、従来の高周波電流を通電する線路の配置が示されているが、機器などの構造物800内に線路802、804が平行に配置されている。
ここで、線路802、804に高周波電流を通電すると、線路802、804がそれぞれ隣接する構造物800の表面に電流が流れ、構造物800が発熱する。具体的には、線路802が隣接する構造物800の表面には、線路802に流れる高周波電流の向きとは反対の破線矢印E方向の電流が流れ、また、線路804が隣接する構造物800の表面には、線路804に流れる高周波電流の向きとは反対の破線矢印F方向の電流が流れることにより、構造物800が発熱する。
一方、図11には、本発明による高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法を実施するための高周波電流を通電する線路の配置が示されており、構造物800内において線路802と線路804とが交差するように配置する。より具体的には、線路802、804の延長方向において電流方向が逆向きとなるように、前記構造物内において線路802と線路804とを交差させるものである。
ここで、線路802、804に高周波電流を通電すると、線路802が隣接する構造物800の表面には、線路802に流れる高周波電流の向きとは反対の破線矢印E方向の電流が流れ、また、線路804が隣接する構造物800の表面には、線路804に流れる高周波電流の向きとは反対の破線矢印F方向の電流が流れる。
このとき、線路802と線路804とが構造物800内において交差しているため、構造物800の領域800aにおける表面では、線路802と線路804とのいずれもが隣接することになり、領域800aの表面には互いに反対向きの電流たる破線矢印E方向と破線矢印F方向との電流が流れることになる。即ち、線路802、804が対向する構造物800の領域800aの表面には互いに逆向きの電流が流れるので、領域800aの表面に流れる電流が相殺されて領域800aに電流が流れに難くなる。このため、領域800aの発熱を抑止することができる。
同様に、線路802と線路804とが構造物800内において交差しているため、構造物800の領域800bにおける表面では、線路802と線路804とのいずれもが隣接することになり、領域800bの表面には互いに反対向きの電流たる破線矢印E方向と破線矢印F方向との電流が流れることになる。即ち、線路802、804が対向する構造物800の領域800bの表面には互いに逆向きの電流が流れるので、領域800bの表面に流れる電流が相殺されて領域800bに電流が流れに難くなる。このため、領域800aの発熱を抑止することができる。

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)〜(5)に示すように変形することができるものである。
(1)本発明においては、誘導コイルや線路を交差させる回数については特に限定するものではなく、誘導コイルや線路の形状や材質あるいはそれぞれを配置する領域の大きさなどに応じて適宜に選択すればよい。
(2)上記した実施の形態においては、フェライトコアなどの磁性部材を備えた誘導加熱装置とフェライトコアなどの磁性部材を備えていない誘導加熱装置とをそれぞれ示したが、本発明による誘導加熱装置はフェライトコアなどの磁性部材を備えていてもよいし、また、フェライトコアなどの磁性部材を備えていなくてもよい。
(3)上記した実施の形態においては、U字形状のフェライトコアを備えた誘導加熱装置について説明したが、フェライトコアの形状はU字形状に限られるものではないことは勿論であり、例えば、E字形状あるいはI字形状などの各種の形状のフェライトコアを用いるようにしてもよい。
(4)上記した第5の実施の形態ならびに第6の実施の形態においては、誘導コイルを交差するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、誘導コイルへ高周波電流を供給するためのフィーダーなどの線路のような給電部位を交差させるようにしてもよく、このようにした場合においても同様な作用効果が奏される。即ち、第5の実施の形態ならびに第6の実施の形態において、誘導コイル106はループ部106d、106e、106e、106fおよびその近傍の領域のみとし、その他の導電部位はフィーダーなどの線路のような給電部位により構成し、こうした給電部位を交差させればよい。
(5)上記した実施の形態ならびに上記した(1)〜(4)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、板状被加熱物などの各種の被加熱物を加熱するトランスバース型構造やパンケーキ型構造を備えた誘導加熱装置を設計する際や、高周波電源から誘導加熱装置の誘導コイルへ高周波電流を供給するすための線路たるフィーダーなどを配線する際に利用することができる。
図1(a)は、トランスバース型構造を備えた従来の誘導加熱装置の概念構成説明図であり、また、図1(b)は、図1(a)のA矢視概念構成説明図である。 図2は、従来のトランスバース型誘導加熱装置により板状被加熱物を加熱する際の当該板状被加熱物の温度分布の特性曲線を示すグラフである。 図3(a)(b)は、本発明による誘導加熱装置の第1の実施の形態の構成説明図であり、図3(a)は、図3(b)のB−B線による概略構成断面図を示すものであって、図1(a)に相当する図の断面図を示すものであり、また、図3(b)は、図3(a)のC−C線による概略構成断面図を示すものであって、図1(b)に相当する図の断面図を示すものである。 本発明による誘導加熱装置の第1の実施の形態における誘導コイルを流れる高周波電流Iと渦電流Iとを示す説明図である。 図5は、本発明による誘導加熱装置の第2の実施の形態の構成説明図であり、図3(b)に示す構成説明図と対応するものである。 図6は、本発明による誘導加熱装置の第3の実施の形態の構成説明図であり、図3(a)に示す構成説明図と対応するものである。 図7は、本発明による誘導加熱装置の第4の実施の形態の構成説明図であり、図3(b)に示す構成説明図と対応するものである。 図8(a)は、本発明による誘導加熱装置の第5の実施の形態の構成説明図であり、また、図8(b)は、本発明による誘導加熱装置の第6の実施の形態の構成説明図であって、図8(a)(b)は、図5に示す構成説明図と対応するものである。 図9は、誘導コイルを冷却するための構成をの一例を示す断面説明図である。 図10は、従来の高周波電流を通電する線路の配置を示す断面説明図である。 図11は、本発明による高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法を実施するための高周波電流を通電する線路の配置を示す断面説明図である。
符号の説明
10 誘導加熱装置
12 フィーダー
14 第1誘導コイル
16 フィーダー
18 第2誘導コイル
20 板状被加熱物
20a、20b エッジ
100 誘導加熱装置
102 フィーダー
102a、102b 端部
104 フィーダー
104a、104b 端部
106 誘導コイル
106a、106b 端部
106c 交差部
106d、106e、106f、106g ループ部
108 U字型フェライトコア
108a 端部
110 板状被加熱物
110a、110b エッジ
200 誘導加熱装置
300 誘導加熱装置
400 誘導加熱装置
402 コア
402a 磁性体
500 誘導加熱装置
600 誘導加熱装置
700 チューブ状絶縁部材
800 構造物
800a、800b 領域
802,804 線路

Claims (5)

  1. 誘導コイルに高周波電流を供給することにより被加熱物に渦電流を誘導して、前記被加熱物を加熱する誘導加熱装置において、
    誘導コイルまたは前記誘導コイルに高周波電流を供給する給電部位を少なくとも1回以上交差させ、電流の方向を反転させる
    ことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 請求項1に記載の誘導加熱装置において、
    前記誘導コイルは所定の間隙を開けて対向して配置され、
    前記所定の間隙を開けて対向して配置された誘導コイルの交差部位が対向して配置された
    ことを特徴とする誘導加熱装置。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の誘導加熱装置において、
    前記誘導コイルは磁性部材に配置され、
    前記磁性部材の所定の位置に前記誘導コイルの交差部が配置された
    ことを特徴とする誘導加熱装置。
  4. 請求項1、2または3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置において、
    前記誘導コイルは、チューブ状絶縁部材内に配置され、前記チューブ状絶縁部材内に供給された冷却水により冷却される
    ことを特徴とする誘導加熱装置。
  5. 構造物の内部に配置された線路を流れる高周波電流の漏れ磁束により、前記線路に隣接する前記構造物の表面が加熱されることを抑止する高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法において、
    構造物内に高周波電流が流れる線路を配置する際に、前記線路の延長方向において電流方向が逆向きとなるように、前記構造物内において前記線路が交差する部分を形成し、前記線路からの漏れ磁束に伴い前記線路の周辺に位置する前記構造物へ流れる電流を相殺して前記構造物に電流を流れに難くさせ、前記構造物の発熱を抑止するようにした
    ことを特徴とする高周波電流の漏れ磁束による加熱抑止方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008257927A (ja) * 2007-04-02 2008-10-23 Sumio Matsumori トランスバース方式誘導加熱コイル
JP2011238300A (ja) * 2010-05-06 2011-11-24 Kuroda Techno Co Ltd 磁気ディスク装置の製造方法及び装置並びに磁気ディスク装置用半田付け装置
WO2024024117A1 (ja) * 2022-07-29 2024-02-01 日本製鉄株式会社 金属板の誘導加熱装置、金属板の加工設備および金属板の誘導加熱方法

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