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JP2006304427A - 回転電機のアーマチュア - Google Patents

回転電機のアーマチュア Download PDF

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JP2006304427A JP2005119820A JP2005119820A JP2006304427A JP 2006304427 A JP2006304427 A JP 2006304427A JP 2005119820 A JP2005119820 A JP 2005119820A JP 2005119820 A JP2005119820 A JP 2005119820A JP 2006304427 A JP2006304427 A JP 2006304427A
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Abstract

【課題】 リング状板体で構成されるコア材の複数枚を、回転軸に外嵌させてなる回転電機において、放熱性の良い回転電機を構成する。
【解決手段】 コア材5を、モータ軸1aを貫通する貫通孔5aが形成される内径側リング部5bと、複数のティース5cが放射状に形成される外径側リング部5dとのあいだが、放射状に配される複数のブリッジ片部5gにより連結される構成とし、該コア材5を適宜回転させてモータ軸1aに外嵌積層することにより、軸方向に隣接するブリッジ片部5gのあいだに空隙部S1が形成され、しかも、ブリッジ片部5gの周回り方向両側部に、モータ軸1a方向に直線状の空隙部S2が形成されるように構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両等に搭載されるアクチュエータを構成する電動モータ等の回転電機のアーマチュアの技術分野に属するものである。
一般に、この種回転電機のなかには、これが例えば電動モータである場合、複数のティースが放射状に形成された複数枚のコア材を回転軸に積層状に外嵌することによりアーマチュアを構成したものがある。このものにおいて、アーマチュアにはコイルが巻装されており、これらコイルに通電がなされるとコイルが発熱し、該熱がアーマチュアの内部を構成するコア材に蓄積してしまうという問題があり、これに対応するため、アーマチュアにファンを設けたり、複数種類のコア材を積層して内径部側の露出表面積が大きくなるようにする等の手段が提唱されているが、大型化やコストアップ等の別の問題が生じてしまう。
この改善策として、コア材を、回転軸が貫通する貫通孔が形成される内径側リング部と、ティースが形成される外径側リング部と、これらのあいだに放射状に配されてこれらを一体的に連結する複数のブリッジ片部とで構成された一種類のものとし、これらコア材を、所定の回転角度で回転させながら回転軸に積層することにより、隣接して積層されるコア材のブリッジ片部同士が重なる部位を残す状態で順次位置ズレした状態で積層され、これによって、周回り方向に隣接するブリッジ片部間を空気の流路となるようにしたものが提唱されている。
特開2003−9442号公報
ところが前記従来のものは、ブリッジ片部を、軸方向に隣接するもの同士の一部が当接するよう、周回り方向に位置ズレさせて積層する構成であり、空気の流路として形成される隙間は、軸方向に長い筒状に形成されていて、軸方向には貫通しているものの、周回り方向についてはブリッジ片部により塞がれた状態になっている。このため、電動モータを高速で回転させたような場合では、前記ブリッジ片部間の流路による放熱が充分になされないという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、複数のティースが放射状に形成されるコア材の複数枚を、回転軸に積層状に外嵌してなる回転電機のアーマチュアにおいて、前記コア材を、回転軸を貫通する貫通孔が形成される内径側リング部とティースが形成される外径側リング部とのあいだを放射状の複数のブリッジ片部で連結する構成とし、前記コア材を適宜回転させて回転軸に積層し、軸方向に隣接するコア材のブリッジ片同士が周回り方向に位置ズレして、これらブリッジ片同士のあいだに空隙部を形成するとともに、ブリッジ片部の周回り方向両側部に回転軸方向に直線状の空隙部を形成する構成としたものである。
請求項2の発明は、請求項1において、アーマチュアは、予め設定される周回り位置に外嵌する第一コア材と、該第一コア材とは周回り方向に位置ズレして外嵌する第二コア材とにより構成され、該第一コア材の周回り方向に隣接するブリッジ片部のあいだには第二のコア材のブリッジ片部が位置するように構成されているものである。
請求項3の発明は、請求項2において、第一コア材と第二コア材とは、一枚づつ交互に回転軸に外嵌されているものである。
請求項4の発明は、請求項1、2または3の何れか一項において、コア材は、ティースがN個(Nは偶数)、ブリッジ片部が(N/2)個、または、(N/4)個形成されるものとし、隣接するコア材間の回転角度は、(360/N)度、(3×360/N)度、または、(5×360/N)度に設定されているものである。
請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の何れか一項において、各コア材のティースは、爪部外周縁部に周回り方向一端側から所定ピッチを存して所定幅に切欠いた切欠き部が形成された第一ティースと、爪部外周縁部に周回り方向他端側から所定ピッチを存して所定幅に切欠いた切欠き部が形成された第二ティースとが周回り方向に適宜順序で形成されるものとし、コア材を積層した状態で、これら第一、第二ティースとが回転軸方向に交互に並ぶように構成されているものである。
請求項6の発明は、請求項5において、コア材は、第一、第二ティースが周回り方向交互に形成されているものである。
請求項1の発明とすることにより、コア材の内径側部位において軸方向に長い空隙部が形成されるとともに、軸方向に隣接するブリッジ片部間に隙間が形成されるため、露出面積を拡大するばかりでなく、周回り方向への空気流路が形成されることになって、放熱性の高いアーマチュアとすることができる。
請求項2、3の発明とすることにより、コア材内径側部位において外部に露出する表面積の一層の拡大が図れ、放熱性の高いアーマチュアとすることができる。
請求項4の発明とすることにより、アーマチュアの組み込み作業の簡略化を図ることができる。
請求項5の発明とすることにより、回転電機の軽量化を促進できるとともに、有効磁束の低減が抑制されて、回転電機の性能を一層高いものにすることができる。
請求項6の発明とすることにより、回転電機の軽量化か、性能アップが図れるものでありながら、バランスのよい回転電機とすることができる。
つぎに、本発明の実施の形態について、図1〜図4の図面に基づいて説明する。
図面において、1はファンモータとして機能する電動モータ(回転電機)であって、該電動モータ1のモータ軸1aは、一端が有底筒状のヨーク2の底部2aに軸受2bを介して軸承され、ヨーク底部2aから外方に突出する突出先端部にファンが設けられるように設定されている。そして、モータ軸1aの他端は、ヨーク2の開口端を覆蓋するエンドブラケット3に軸受け3aを介して軸承されている。前記モータ軸1aは、エンドブラケット3側に位置してコンミテータ4が一体的に外嵌され、該コンミテータ4よりヨーク底部2a側部位には、後述するコア材5の複数枚が外嵌されており、これらコア材5の外周に複数のコイルLを巻装することによりアーマチュア6が構成されている。そして、これら各コイルLは、コンミテータ4に電気的に接続されており、後述するブラシ7を介してコンミテータ4に外部電源を供給することによりコイルLへの通電がなされ、これによって、アーマチュア6は、ヨーク2の内周面に固着された永久磁石2cにより形成される磁界に対して回転するように設定されている。
尚、本実施の形態の電動モータ1は、図1に示すように、モータ軸1が上下方向を向き、エンドブラケット3が下方に位置する状態で取り付けられるように構成されている。
一方、ヨーク2の開口端には外径側にフランジ部2dが形成されており、該フランジ部2dと、エンドブラケット3の外径縁部に形成されたフランジ部3bとのあいだに、樹脂材を用いて平板リング状に一体型成形されたブラシホルダステー8の外径縁部8aが挟持状に固定されている。前記ブラシホルダステー8は、中心部にモータ軸1aが貫通する貫通孔8bが開設されているとともに、ヨーク2の筒内側を向く一方の円板面には、前記貫通孔8bの孔中心を基準として放射状となる位置関係で周回り方向四箇所にブラシホルダ8cがそれぞれ設けられている。そして、これらブラシホルダ8cに前記ブラシ7がそれぞれ収容され、各ブラシ7から引き出されたピグテール(図示せず)が、ブラシホルダステー8に組み込まれた四枚の端子プレート(図示せず)にそれぞれ電気的に接続され、これら各端子プレートに外部引き出し用カプラ9が接続されている。尚、前記外部引き出し用カプラ9に外部カプラ(図示せず)を接続することにより、ブラシ7への外部電源の供給がなされるように設定されている。
前記ブラシホルダ8cの内径側に位置して収容されるブラシ7の外径側部位にはコイル弾機10が収容されており、これによって、各ブラシ7は、内径側の先端部がコンミテータ4の外周面に弾圧状に摺接するように設定されており、外部引き出し用カプラ9から端子プレートを介してブラシ7に供給される電源は、コンミテータ4を経由して各コイルLに供給されるように設定されている。
さて、アーマチュア6を構成するコア材5は、平板円形状の金属材により一体に形成された一種類のものが用いられており、該コア材5は、内径側部位に、円中心にモータ軸1aが貫通する貫通孔5aが開設された内径側リング部5bが設けられている。また、コア材5の外径側部位には、外周縁部から前記貫通孔5aと同芯状となる関係で放射状に突出するティース5cが複数形成された外径側リング部5dが設けられている。ここで、各ティース5cは、外径側リング部5dの外周縁部から放射状に突出する基部5eと、該基部5eの外径側先端部から周回り方向両側に長く延出する爪部5fとを備えて構成されている。尚、本実施の形態のコア材5は、このようなティース5cが周回り方向等間隔であって、36度の角度を存して十個形成されている。
そして、コア材5は、前記内径側リング部5bと外径側リング部5dとのあいだを連結する状態で複数のブリッジ片部5gが設けられているが、該ブリッジ片部5gは、ティース5cと同様に貫通孔5aと同芯状となる放射状に配され、かつ、一個おきのティース5c形成部位の放射基準線に沿う状態で五個のものが形成されており、これによって、ブリッジ片部5gは、周回り方向72度の角度を存する等間隔に形成されている。
さらに、コア材5の外径側リング部5dには、ティース5c間における回転角度と同様の回転角度を存し、即ち、ティース5c形成部位の放射基準線に沿う部位に位置して、一方の板面から他方の板面に打ち出すことにより形成された一方の板面の位置決め凹部5hと、他方の板面の位置決め凸部5iとが形成されている。
そして、このように構成されたコア材5の複数枚をモータ軸1aに外嵌させる場合に、本実施の形態では、ブリッジ片部5gがモータ軸1aに対して予め設定される周回り位置となるよう外嵌される第一コア材(5−1)と、該第一コア材(5−1)に対し、ティース5cの形成間隔に相当する回転角度(36度)回転して外嵌される第二コア材(5−2)とが交互になる状態で組み込まれている。これによって、第一コア材(5−1)の周回り方向に隣接するブリッジ片部5gとのあいだに、該第一コア材(5−1)に隣接して積層される第二コア材(5−2)のブリッジ片部5gが位置するように設定され、アーマチュア6を軸方向一端側から臨んだときに、各ブリッジ片部5gは、全て(十個)のティース5cの形成部位の放射基準線に沿って位置しており、かつ、それぞれの軸方向に積層されるブリッジ片部5gは、コア材5の一枚分の空隙部S1を存した状態となり、かつ、ブリッジ片部5gの周回り方向両側部には、モータ軸1aの軸芯線に沿う(軸方向を向く)貫通状の空隙部S2が形成されるように設定されている。これによって、アーマチュア6の内径部位に相当するブリッジ片部5g部位において外部に露出する表面積が大きくなるばかりでなく、筒状の空隙部S2に周回り方向を向く空隙部S1が形成されて、これら空隙部S1、S2を空気流路とすることで内径部位における放熱性能を高められるように構成されている。
ここで、このような位置関係となるよう第一コア材(5−1)に第二コア材(5−2)を積層する場合に、第二コア材(5−2)は、第一コア材(5−1)の姿勢に対してティース5cの形成間隔に相当する回転角度(36度)を回転させればよいが、このものは、前述したように、ブリッジ片5gが五個であり、各ティース5cに対応して位置決め凹部5hと位置決め凸部5iが形成され、これらを係合させることで位置決めができるとともに、これらコア材5同士の一体化がなされるように設定されている。このため、第一コア材(5−1)に対して第一コア材(5−2)は、周回り方向に五箇所において対応する積層姿勢をとることができ、該積層姿勢を迅速、かつ、容易に用意することができて、作業性よく積層作業を行うことができる。
そして、このようにモータ軸1aに複数のコア材5が外嵌した状態において、コア材5の外周には、周回り方向に隣接するティース5cの爪部5f間に形成される状態で十個のスロット6aが形成されており、これらスロット6aにコイルLを巻装することによりアーマチュア6が構成されている。そして、このものにおいて、コイルLを構成する巻線11は、巻き始め、巻き終りの両端部が、外周面に複数の整流子片4aが固着されたコンミテータ4の適宜対応箇所にそれぞれフュージング等の手段により電気的接続をされるように設定されている。このため、コンミテータ4外周面と、スロット6aに巻装されたコイルLとのあいだには、電気的接続(フュージング)用のスペースが必要となるが、本実施の形態の電動モータ1は、モータ軸1aの軸方向寸法をコンパクト化されたものとなっていて、フュージング用スペースが確保しにくくなっている。このため、一方の巻線11の端部は、コイルLの外周を経由して整流子片4aに接続され、他方の巻線11の端部は、コア材ブリッジ片部5g間に形成された空隙部S2に挿通されるようにしてモータ軸1aの一端側(ヨーク底部2a側)から引き回されて整流子片4aに接続されるように構成されており、これによって、電動モータ1のコンパクト化が促進されるように配慮されている。
叙述の如く構成された本形態において、電動モータ1は、電源供給がなされることに伴い、モータ軸1aに、複数枚のコア材5を外嵌することで構成されたアーマチュア6が回転することになるが、コア材5は一種類のものを回転した状態でモータ軸1aに外嵌することにより、アーマチュア6の内径部位を構成するべく積層されたブリッジ片部5gは、周回り方向に隣接するブリッジ片部5gのあいだに軸方向を向く貫通状の空隙部S2が長く形成されている。
しかもこのものでは、隣接して積層されるコア材5のブリッジ片部5g同士が直接当接する状態で重ねられることはなく、軸方向に並ぶブリッジ片部5g同士のあいだにはコア材5一枚分の空隙部S1が形成されている。この結果、アーマチュア6の内径部位における外部に露出する表面積を拡大できるとともに、軸方向を向く空隙部S2に周回り方向の空隙部S2が形成されることになり、これら空隙部S1、S2を空気の流路とすることにより、電動モータ1が高速回転したような場合であっても、高い放熱効果を得ることができる。従って、アーマチュア6の回転に伴い発熱するコイルLの熱を効率良く外部に放出して温度上昇が抑制され、安定した性能を維持することができる信頼性の高い電動モータ1を提供できる。
そのうえ、アーマチュア6は、一種類のコア材5を用意し、モータ軸1aに対して予め設定される周回り位置となるよう外嵌される第一コア材(5−1)と、該第一コア材(5−1)とに対してティース5cの形成間隔に相当する回転角度(36度)の回転がなされた状態で外嵌される第二コア材(5−2)とを、一枚おきに交互に積層する状態で組み込むことで構成されているので、軸方向に隣接する全てのブリッジ片部5gのあいだに空隙部S1が形成されることになって、露出する表面積が一層増えて、放熱性をさらに高めることができる。しかも、前述したような組込みをすることで、迅速、かつ、円滑な組み込みとすることが可能となる。
しかも、このものでは、コア材5同士は、一体化手段として形成される位置決め凹部5hと位置決め凸部5iとを係合させることで位置決め状に一体化されるが、これら位置決め凹部5hと位置決め凸部5iとはそれぞれ打ち出し形成される構成であり、ティース5c形成部位の放射基準線に沿う部位に位置して形成されている。このため、構造の簡略化が果せるうえ、第一コア材(5−1)に対して積層する第二コア材(5−2)の姿勢は、従来のもののように一つに限ることがなく、第一コア材(5−1)に対して36度回転させた状態、(36+72)度回転させた状態、(36+144(=72×2))度回転させた状態、(36+216(=72×3))度回転させた状態、(36+288(72×4))度回転させた状態、というように都合五つの姿勢の何れかの姿勢とすればよく、コア材5の積層作業を迅速、かつ、円滑に行うことができて、作業性のよい組み込み作業とすることができる。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、図5、6に示す第二の実施の形態のように構成することもできる。
前記第二の実施の形態のアーマチュア12を構成するコア材13は、前記第一の実施の形態と同様に形成されたコア材と基本的に同形状となっており、ブリッジ片部13gの軸方向に隣接するもの同士のあいだにはコア材13の板厚一枚分の空隙部S1が形成されているとともに、周回り方向に隣接するブリッジ片部13gのあいだに軸方向を向く直線状の空隙部S2が形成されていて、周回り方向、軸方向の両方向への空気流路が確保された放熱性の優れたアーマチュア12となっている。
さらに、このものにおいて、コア材13の外径側リング部13bに形成される各ティース13cの爪部13fは、重量軽減を図ることを目的としてつぎのような形状に形成されている。
つまり、このものにおいて、各爪部13fの外周縁部には、周回り方向一端側から所定の角度ピッチ(θ1、θ2、θ3、θ4であって、θ2=θ3=θ4)に基づいて欠損部(切り欠き部)13jが形成された第一ティース(13c−1)と、爪部13fの外周縁部の周回り方向他端側から所定の角度ピッチ(θ1、θ2、θ3、θ4、であってθ2=θ3=θ4)に基づいて欠損部(切り欠き部)13jが形成された第二ティース(13c−2)とが周回り方向に交互に形成される構成となっている。
そして、このように構成されたコア材13は、モータ軸1の予め設定された周回り位置に外嵌する第一コア材(13−1)と、該第一コア材(13−1)に対して所定角度の回転角度を存する第二コア材(13−2)とを、36度の回転角度を存して交互に積層することにより、前述したように、ブリッジ片部13gによる放熱性が優れた状態になるように積層されるが、さらにこのものでは、各ティース13cは、第一、第二ティース(13c−1)、(13c−2)とが周回り方向に交互に並んでいることから、前記第一、第二コア材(13−1)、(13−2)を軸方向交互に積層したときに、軸方向に隣接する爪部13f(積層された爪部13f同士)が互いに切り欠き部13jを覆い合うようにして積層されるように設定されている。これによって、爪部13fに切り欠き部13jを形成して重量軽減がなされたものでありながら、爪部13fに対向するヨーク2内周面の磁界による磁束は、コア材13を一枚おきに通過することで、有効磁束の低減を抑制できるという効果を得ることができる。
さらに、図7に示す第三の実施の形態のように構成することができる。
このものにおけるアーマチュア14は、モータ軸1aに、前記第一の実施の形態と同様に構成されたコア材5の複数枚とともに、該コア材5の両側部に位置して複数枚の副コア材15が外嵌する構成となっている。前記副コア材15は、コア材5の外径側リング部5dと同形状に形成されていて、該外径側リング部5dの内径側には何もない形状(ブリッジ片部及び内径側リング部がない形状)に形成されている。そして、これら副コア材15の適宜複数枚づつがコア材5の両側部に積層される構成であり、このように構成したものでは、モータ軸1aの外周と副コア材15の内径側部位とのあいだに隙間Hが形成され、該隙間Hにコンミテータ4の基端部を入り込ませることができ、もって、放熱性の優れた電動モータ1とすることができ、しかも、電動モータ1の軸方向におけるコンパクト化を図ることができるものとなっている。尚、このものでは、コア材5と副コア材15の一体化手段としては、前記第一、第二の実施の形態と同様に、ティース5c、15a形成部位の放射基準線に沿う部位に位置して位置決め凹部5h、15bと位置決め凸部5i、15cとを打ち出し形成し、これらを係合してカシメ付けることでなされている。
また、コア材としては、前記実施の形態のものに限ることはなく、ブリッジ片部は、所定角度間隔を存して形成される構成であれば、ティース形成部位の放射基準線に沿って形成されることなく、ティース形成部位に対し、任意の回転角度を存する状態で形成されていてもよい。さらに、ティースの爪部に切り欠き部が形成されないものにおいても、同様に実施することにより、前記各実施例のように、放熱性が良いものとすることができる。
さらには、コア材としては、ティースの個数をN個としたとき、ブリッジ片部を(N/2)個、または、(N/4)個としたものとすることができる。そして、この場合、隣接して積層されるコア材間の回転角度は、(360/N)度、(3×360/N)度、または、(5×360/N)度に設定することができ、このようなものにおいて、基準となるコア材の周回り方向に隣接するブリッジ片部のあいだに、積層される別のコア材のブリッジ片部が間隙を存して複数配設されるように構成することも可能である。
また、第一、二、三の実施の形態では、第一コア材と第二コア材との一枚づつを交互に積層しているが、適宜枚数の第一コア材と適宜枚数の第二コア材とを交互に積層する構成としてもよい。
電動モータの一部断面正面図である。 電動モータの平面図である。 図3(A)、(B)、(C)はそれぞれコア材の正面図、一部断面図、ブリッジ片部に形成される空気流路を説明するパターン化された断面図である。 図4(A)、(B)はそれぞれアーマチュア側面図、正面図である。 図5(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態におけるコア材の正面図、一部拡大正面図である。 図6(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態におけるアーマチュア側面図、正面図である。 図7(A)、(B)はそれぞれ第三の実施の形態におけるアーマチュア側面図、正面図である。
符号の説明
1 電動モータ
2 ヨーク
4 コンミテータ
5 コア材
5c ティース
5f 爪部
5g ブリッジ片部
5h 位置決め凹部
5j 切り欠き部
7 ブラシ
8 ブラシホルダステー
9 ブラシホルダ
10 コイル弾機
11巻線

Claims (6)

  1. 複数のティースが放射状に形成されるコア材の複数枚を、回転軸に積層状に外嵌してなる回転電機のアーマチュアにおいて、前記コア材を、回転軸を貫通する貫通孔が形成される内径側リング部とティースが形成される外径側リング部とのあいだを放射状の複数のブリッジ片部で連結する構成とし、前記コア材を適宜回転させて回転軸に積層し、軸方向に隣接するコア材のブリッジ片同士が周回り方向に位置ズレして、これらブリッジ片同士のあいだに空隙部を形成するとともに、ブリッジ片部の周回り方向両側部に回転軸方向に直線状の空隙部を形成する構成とした回転電機のアーマチュア。
  2. 請求項1において、アーマチュアは、予め設定される周回り位置に外嵌する第一コア材と、該第一コア材とは周回り方向に位置ズレして外嵌する第二コア材とにより構成され、該第一コア材の周回り方向に隣接するブリッジ片部のあいだには第二のコア材のブリッジ片部が位置するように構成されている回転電機のアーマチュア。
  3. 請求項2において、第一コア材と第二コア材とは、一枚づつ交互に回転軸に外嵌されている回転電機のアーマチュア。
  4. 請求項1、2または3の何れか一項において、コア材は、ティースがN個(Nは偶数)、ブリッジ片部が(N/2)個、または、(N/4)個形成されるものとし、隣接するコア材間の回転角度は、(360/N)度、(3×360/N)度、または、(5×360/N)度に設定されている回転電機のアーマチュア。
  5. 請求項1、2、3または4の何れか一項において、各コア材のティースは、爪部外周縁部に周回り方向一端側から所定ピッチを存して所定幅に切欠いた切欠き部が形成された第一ティースと、爪部外周縁部に周回り方向他端側から所定ピッチを存して所定幅に切欠いた切欠き部が形成された第二ティースとが周回り方向に適宜順序で形成されるものとし、コア材を積層した状態で、これら第一、第二ティースとが回転軸方向に交互に並ぶように構成されている回転電機のアーマチュア。
  6. 請求項5において、コア材は、第一、第二ティースが周回り方向交互に形成されている回転電機のアーマチュア。
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