以下、この発明の実施の一形態について、下記の順序に従い説明する。
1.この発明に適用可能な記録再生装置およびシステムについて
1−1.データについて
1−2.ディスクフォーマットについて
1−3.ディスクへのアクセスについて
1−4.データの管理構造について
1−5.記録再生装置の構成について
2.フロントパネルの構成について
2−1.フロントパネルのレイアウトについて
2−2.フロントパネルに関する回路構成について
3.サーチバーについて
3−1.サーチバーの構成について
3−2.サーチバーによる再生制御について
3−3.サーチバーの表示について
3−4.サーチバーの動作モードの切り換えについて
4.表示部の表示について
4−1.表示画面について
4−2.表示画面の切替操作について
4−3.映像処理回路の構成について
4―4.表示モードの切替動作について
5.サムネイル表示について
5−1.サムネイル表示の例および表示方法
5−2.サーチバーを用いたサムネイル画像の選択について
5−3.サムネイルサーチ画面の詳細化について
6.サーチバーによる他の方法での再生制御について
6−1.他の方法の再生制御の概略について
6−2.他の方法による再生制御のより具体的な処理の例について
7.その他
1.この発明に適用可能な記録再生装置およびシステムについて
1−1.データについて
先ず、理解を容易とするために、この発明に適用可能な記録再生装置およびシステムについて説明する。このシステムでは、実際の放送や編集の対象とされるビデオデータおよびオーディオデータがディスク状記録媒体に記録されると共に、当該ビデオデータおよびオーディオデータに対応した補助的なビデオデータおよびオーディオデータと、メタデータとが同一のディスク上に記録される。
なお、以下では、実際の放送や編集の対象とされるビデオデータおよびオーディオデータを本線系のAV(Audio/Video)データと呼ぶ。また、補助的なビデオデータおよびオーディオデータを補助AVデータと称し、補助AVデータのうちビデオデータを補助ビデオデータ、オーディオデータを補助オーディオデータとそれぞれ呼ぶ。
本線系のAVデータは、例えば、ビデオデータは、ベースバンドのビデオデータがMPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)方式で圧縮符号化された、ビットレートが50Mbps(Mega bit per second)のビデオデータおよび/またはビットレートが25Mbpsのデータである。また、オーディオデータは、サンプリング周波数が48kHzで量子化ビット数が24ビットのデータおよび/または量子化ビット数が16ビットのデータである。この発明の実施の一形態では、本線系のAVデータのビデオデータおよびオーディオデータのそれぞれについて、これら方式の異なるデータを同一のディスク上に混在させて記録可能なようになっている。
また、補助AVデータは、本線系のAVデータに基づくより低ビットレートとしたオーディオ/ビデオデータであって、本線系AVデータのディスクへの記録時に、本線系のAVデータから作成される。補助ビデオデータは、例えばMPEG4方式で以て圧縮符号化される。また、補助オーディオデータは、例えばA−Lawおよびサンプル間引きを用いて圧縮符号化される。これにより、補助AVデータは、本線系のAVデータに対して、ビットレートが例えば数Mbpsまで落とされる。
なお、周知のようにMPEG方式では、DCT(Discrete Cosine Transform)を用いたフレーム内圧縮符号化と、時系列方向の予測符号化を用いたフレーム間圧縮符号化とを用いてビデオデータを圧縮符号化する。ここで、時系列方向に予測符号化を行ったB(Bidirectionally)ピクチャおよびP(Predictive)ピクチャと、1画面(1フレーム)で完結するI(Intra)ピクチャとが定義され、GOP(Group Of Picture)は、最低1枚のIピクチャを含むそれ自身で完結したグループで、MPEGのストリームにおいて独立してアクセス可能な最小の単位とされる。
メタデータは、あるデータに関する上位データであり、各種データの内容を表すためのインデックスとして機能する。メタデータには、上述の本線系のAVデータの時系列に沿って発生される時系列メタデータと、本線系のAVデータにおけるシーン毎など、所定の区間に対して発生される非時系列メタデータの2種類がある。
1−2.ディスクフォーマットについて
次に、この発明の実施の一形態に適用可能なディスク状記録媒体(以下、ディスク)へのデータ配置について説明する。この発明の実施の一形態では、ディスク上に年輪を形成するようにしてデータを記録する。年輪データは、データの再生時間によって示されるデータ量を単位としてディスクに記録されるデータである。例えば本線系のオーディオデータおよびビデオデータに限定して説明すると、再生時間帯が対応するオーディオデータおよびビデオデータを、トラックの1周分以上のデータサイズを有する所定の再生時間単位毎に交互に配置して記録する。このように記録を行うことで、再生時間帯が対応するオーディオデータおよびビデオデータの組が時系列的に重層されて、年輪が形成される。
この実施の一形態では、実際には、再生時間帯が対応するオーディオデータおよびビデオデータに加え、これらのデータに再生時間帯が対応する補助AVデータおよび時系列メタデータを一組として記録することで年輪を形成し、光ディスク5に対するデータの記録を行う。
なお、年輪を形成するデータを年輪データと称する。年輪データは、ディスクにおける最小の記録単位であるセクタの整数倍のデータ量とされる。また、年輪は、その境界がディスクのセクタの境界と一致するように記録される。
図1は、光ディスク5に対して年輪データが形成された一例の様子を示す。この図1の例では、光ディスク5の内周側から順に、オーディオ年輪データ#1、ビデオ年輪データ#1、オーディオ年輪データ#2、ビデオ年輪データ#2、補助AV年輪データ#1および時系列メタ年輪データ#1が記録されており、この周期で年輪データが扱われる。時系列メタ年輪データ#1の外周側には、さらに、次の周期の年輪データの一部がオーディオ年輪データ#3およびビデオ年輪データ#3として示されている。
この図1の例は、時系列メタ年輪データの1年輪データ分の再生時間帯と補助AV年輪データの1年輪データ分の再生時間帯とが対応し、時系列メタ年輪データの1年輪データ分の再生時間帯とオーディオ年輪データの2周期分の再生時間帯が対応することを示している。同様に、時系列メタ年輪データの1年輪データ分の再生時間帯とビデオ年輪データの2周期分の再生時間帯が対応することを示している。このような、各年輪データの再生時間帯および周期の対応付けは、例えばそれぞれのデータレートなどに基づき設定される。なお、ビデオ年輪データやオーディオ年輪データの1年輪データ分の再生時間は、経験値的には1.5秒〜2秒程度が好ましい。
図2は、上述の図1のように年輪が形成された光ディスク5に対するデータの読み書きが行われる一例の様子を示す。光ディスク5に十分な大きさの連続した空き領域が存在し、その空き領域に欠陥が無い場合、オーディオデータ、ビデオデータ、補助AVデータ時系列メタデータの各データ系列から、再生時間帯に基づきそれぞれ生成されたオーディオ年輪データ、ビデオ年輪データ、補助AV年輪データおよび時系列メタ年輪データは、図2Aに一例が示されるように、光ディスク5の空き領域に対して、恰も一筆書きをするように書き込まれる。このとき、何れのデータの境界も、光ディスク5のセクタの境界と一致するように書き込まれる。光ディスク5からのデータの読み出しも、書き込み時と同様にして行われる。
一方、光ディスク5からある特定のデータ系列を読み出す場合には、読み出しデータ系列の記録位置にシークしてそのデータを読み出すという動作が繰り返される。図2Bは、このようにして補助AVデータの系列を選択的に読み出す様子を示す。例えば図1も参照し、補助AV年輪データ#1が読み出されたら、続いて記録されている時系列メタ年輪データ#1、オーディオ年輪データ#3およびビデオ年輪データ#3、ならびに、オーディオ年輪データ#4およびビデオ年輪データ#4(図示しない)をシークにより飛び越し、次の周期の補助AV年輪データ#2が読み出される。
このように、データの光ディスク5への記録を、再生時間を単位とし、再生時間帯に応じた年輪データとして周期的に行うことで、同じような再生時間帯のオーディオ年輪データとビデオ年輪データとが光ディスク5上の近い位置に配置されるので、光ディスク5から、再生時刻が対応するオーディオデータとビデオデータとを迅速に読み出して再生することが可能となる。また、年輪の境界とセクタの境界とが一致するように記録されるので、光ディスク5からオーディオデータまたはビデオデータだけを読み出すことが可能となり、オーディオデータまたはビデオデータだけの編集を迅速に行うことが可能となる。
また、上述したように、オーディオ年輪データ、ビデオ年輪データ、補助AV年輪データおよび時系列メタ年輪データは、光ディスク5のセクタの整数倍のデータ量を有し、さらに、年輪データの境界とセクタの境界とが一致するように記録されている。そのため、オーディオ年輪データ、ビデオ年輪データ、補助AV年輪データおよび時系列メタ年輪データのうち何れか1系列のデータだけが必要な場合に、他のデータの読み出しを行うことなく、必要なデータだけを読み出すことができる。
1−3.ディスクへのアクセスについて
上述したような、年輪によるデータ配置の利便性を活かすためには、光ディスク5に対するデータの記録を、年輪の連続性が保証されるように行う必要がある。このことについて、図3を用いて説明する。例えば補助AV年輪データ(図3では「LR」と表示)だけ読み出すことを考える。
例えば記録時に連続した十分に大きな空き領域が確保されていれば、複数周期の年輪を連続的に記録することができる。この場合、図3Aに示されるように、時間的に連続する補助AV年輪データを、最小のトラックジャンプで読み出すことができる。すなわち、補助AV年輪データを読み出したら、次の周期の年輪における補助AV年輪データを読み出すという動作を繰り返すことが可能となり、ピックアップがジャンプする距離が最短となる。
これに対して、例えば記録時に連続した空き領域が確保できず、時間的に連続する補助AVデータを光ディスク5上の飛び飛びの領域に記録した場合、図3Bに一例が示されるように、最初の補助AV年輪データを読み出したら、例えば年輪の複数周期分に相当する距離をピックアップがジャンプして、次の補助AV年輪データを読み出さなければならない。この動作が繰り返されるため、図3Aに示される場合に比べて、補助AV年輪データの読み出し速度が低下してしまう。また、本線系のAVデータにおいては、図3Cに一例が示されるように、未編集AVデータ(AVクリップ)の再生が滞る可能性がある。
そこで、この発明の実施の一形態では、年輪の連続性を保証するために、年輪の複数周期分の長さを持つアロケーションユニットを定義し、年輪でデータを記録する際に、このアロケーションユニットで定義されたアロケーションユニット長を越える長さの、連続した空き領域を確保する。
図4を用いてより具体的に説明する。アロケーションユニット長は、予め設定される。アロケーションユニット長を、年輪で1周期に記録される各データの合計再生時間の複数倍に設定する。例えば、年輪の1周期に対応する再生時間が2秒であるとした場合、アロケーションユニット長を10秒に設定する。このアロケーションユニット長は、光ディスク5の空き領域の長さを計測する物差しとして用いられる(図4右上参照)。初期状態を、図4Aに一例が示されるように、使用済み領域が光ディスク5に対して飛び飛びに3箇所、配置されているものとし、使用済み領域に挟まれた部分を空き領域とする。
この光ディスク5に対してある程度の長さを有するAVデータと、当該AVデータに対応する補助AVデータとを記録する場合、先ず、アロケーションユニット長と空き領域の長さとを比較して、アロケーションユニット長以上の長さを有する空き領域を予約領域として確保する(図4B)。この図4の例では、2つの空き領域のうち、右側の空き領域がアロケーションユニット長より長いとされ、予約領域として確保される。次に、この予約領域に対して、予約領域の先頭から年輪データを順次連続的に記録する(図4C)。このように年輪データを記録していき、予約領域の空き領域の長さが次に記録する年輪データの1周期分の長さに満たないときは(図4D)、予約領域を開放し、図4Aのように、光ディスク5上のさらに他の空き領域に対してアロケーションユニット長を適用させながら、予約領域にできる空き領域を探す。
このように、複数周期分の年輪が記録できるだけの空き領域を探して、当該空き領域に年輪を記録することで、ある程度の年輪の連続性が保証され、年輪データの再生をスムースに行うことが可能とされる。なお、アロケーションユニット長は、上述では10秒に設定したが、これはこの例に限定されず、さらに長い再生時間に対応する長さをアロケーションユニット長として設定することができる。実際的には、10秒〜30秒の間でアロケーションユニット長を設定すると好ましい。
1−4.データの管理構造について
次に、この発明の実施の一形態におけるデータの管理構造について、図5、図6および図7を用いて説明する。この発明の実施の一形態では、データは、ディレクトリ構造で管理される。ファイルシステムとしては例えばUDF(Universal Disk Format)が用いられ、図5に一例が示されるように、ルートディレクトリ(root)の直下にディレクトリPAVが設けられる。この実施の一形態では、このディレクトリPAV以下を定義する。
すなわち、上述した、複数信号種のオーディオデータおよびビデオデータの1枚のディスク上への混在記録は、このディレクトリPAVの配下において定義される。この発明の実施の一形態におけるデータ管理が及ばないディレクトリPAVに対するデータの記録は、任意である。
ディレクトリPAVの直下には、4つのファイル(INDEX.XML、INDEX.RSV、DISCINFO.XMLおよびDISCINFO.RSV)が置かれると共に、2つのディレクトリ(CLPRおよびEDTR)が設けられる。
ディレクトリCLPRは、クリップデータを管理する。ここでいうクリップは、例えば撮影が開始されてから停止されるまでの、ひとまとまりのデータである。例えば、ビデオカメラの操作において、操作開始ボタンが押されてから操作停止ボタンが押される(操作開始ボタンが解放される)までが1つのクリップとされる。
このひとまとまりのデータとは、上述した本線系のオーディオデータおよびビデオデータと、当該オーディオデータおよびビデオデータから生成された補助AVデータと、当該オーディオデータおよびビデオデータに対応した時系列メタデータと非時系列メタデータとからなる。ディレクトリCLPRの直下に設けられたディレクトリ「C0001」、「C0002」、・・・には、クリップ毎に、クリップを構成するひとまとまりのデータが格納される。
図6は、ディレクトリCLPRの直下に設けられた、一つのクリップ「C0001」に対応するディレクトリ「C0001」の一例の構造を示す。以下、ディレクトリCLPRの直下の一つのクリップに対応するディレクトリを、適宜、クリップディレクトリと称する。クリップディレクトリ「C0001」に対して、上述のひとまとまりのデータのそれぞれがファイル名により区別されて格納される。この図6の例では、ファイル名は、12桁で構成され、デリミタ「.」より前の8桁のうち、前側5桁がクリップを識別するために用いられ、デリミタ直前の3桁は、オーディオデータ、ビデオデータ、補助AVデータといった、データのタイプを示すために用いられている。また、デリミタ後の3桁は拡張子であって、データの形式を示している。
より具体的には、この図6の例では、クリップ「C0001」を構成するひとまとまりのファイルとして、クリップ情報を示すファイル「C0001C01.SMI」、本線系ビデオデータファイル「C0001V01.MXF」、本線系の8ch分のオーディオデータファイル「C0001A01.MXF」〜「C0001A08.MXF」、補助AVデータファイル「C0001S01.MXF」、非時系列メタデータファイル「C0001M01.XML」、時系列メタデータファイル「C0001R01.BIM」およびポインタ情報ファイル「C0001I01.PPF」が、クリップディレクトリ「C0001」に格納される。
この発明の実施の一形態では、ディレクトリCLPR内におけるクリップディレクトリ間での上述のデータ信号種の混在は、許可される。例えば、本線系のビデオデータの信号種について、クリップディレクトリ「C0001」にシングルGOP、ビットレート50Mbpsのビデオデータを格納し、クリップディレクトリ「C0002」にロングGOP、ビットレート25Mbpsのビデオデータを格納することは可能である。一方、クリップディレクトリ内における各データ内でのデータ信号種の混在は、許可されない。例えば、ビデオデータにおいて、先頭からある時点まではビットレートモード50Mbpsで記録されており、その時点以降から末尾まではビットレートモード25Mbpsで記録されたようなビデオデータファイルは、格納できないものとされる。
なお、シングルGOPは、全てのフレームがIピクチャで構成され、1GOP=1フレームの構造となっているものであり、フレーム単位の編集に対して高画質を維持できる。ロングGOPは、フレームがIピクチャ、PピクチャおよびBピクチャにより構成され、Iピクチャで完結する複数フレームにより1GOPが形成される構造である。ロングGOPでは、IピクチャおよびPピクチャのみを用い、Bピクチャを用いない構成とすることもできる。
説明は図5に戻り、ディレクトリEDTRは、編集情報が管理される。この発明の実施の一形態では、編集結果は、エディットリストやプレイリストとして記録される。ディレクトリEDTRの直下に設けられたディレクトリ「E0001」、「E0002」、・・・には、編集結果毎に、編集結果を構成するひとまとまりのデータが格納される。
エディットリストは、クリップに対する編集点(IN点、OUT点など)や再生順序などが記述されるリストであって、クリップに対する非破壊の編集結果と、後述するプレイリストとからなる。エディットリストの非破壊の編集結果を再生すると、リストの記述に従いクリップディレクトリに格納されたファイルを参照し、恰も編集された1本のストリームを再生するかのように、複数のクリップからの連続した再生映像が得られる。しかしながら、非破壊編集の結果では、ファイルの光ディスク5上での位置とは無関係にリスト中のファイルが参照されるため、再生時の連続性が保証されない。
プレイリストは、編集結果に基づき、リストにより参照されるファイルやファイルの部分が連続的に再生するのが困難であると判断された場合に、当該ファイルやファイルの一部を光ディスク5上の所定の領域に再配置することで、エディットリストの再生時の連続性を保証するようにしたものである。
編集作業により上述のエディットリストを作成した結果に基づき、編集に用いられるファイルの管理情報(例えば後述するインデックスファイル「INDEX.XML」)を参照し、編集作業に基づき非破壊で、すなわち、編集結果に基づき参照されるファイルが各クリップディレクトリに置かれたままの状態で、連続的な再生が可能か否かを、見積もる。その結果、連続的な再生が困難であると判断されると、該当するファイルを光ディスク5の所定領域にコピーする。この所定領域に再配置されたファイルを、ブリッジエッセンスファイルと称する。また、編集結果にブリッジエッセンスファイルを反映させたリストを、プレイリストと称する。
例えば、編集結果が複雑なクリップの参照を行うようにされている場合、編集結果に基づく再生の際に、クリップからクリップへの移行の際にピックアップのシークが間に合わない事態が発生する可能性がある。このような場合に、プレイリストが作成され、ブリッジエッセンスファイルが光ディスク5の所定領域に記録される。
図7は、ディレクトリEDTRの直下に設けられた、一つの編集結果「E0002」に対応するディレクトリ「E0002」の一例の構造を示す。以下、ディレクトリEDTRの直下の一つの編集結果に対応するディレクトリを、適宜、エディットディレクトリと称する。エディットディレクトリ「E0002」に対して、上述の編集結果により生成されたデータがそれぞれファイル名により区別されて格納される。ファイル名は、12桁で構成され、デリミタ「.」より前の8桁のうち、前側5桁がエディット作業を識別するために用いられ、デリミタ直前の3桁は、データのタイプを示すために用いられる。また、デリミタ後の3桁は拡張子であって、データの形式を示している。
より具体的には、この図7の例では、編集結果「E0002」を構成するファイルとして、エディットリストファイル「E0002E01.SMI」時系列および非時系列メタデータの情報が記述されるファイル「E0002M01.XML」、プレイリストファイル「E0002P01.SMI」、本線系データによるブリッジエッセンスファイル「E0002V01.BMX」および「E0002A01.BMX」〜「E0002A04.BMX」、補助AVデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002S01.BMX」および時系列、非時系列メタデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002R01.BMX」が、エディットディレクトリ「E0002」に格納される。
エディットディレクトリ「E0002」に格納されるこれらのファイルのうち影を付して示したファイル、すなわち本線系データによるブリッジエッセンスファイル「E0002V01.BMX」および「E0002A01.BMX」〜「E0002A04.BMX」、補助AVデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002S01.BMX」および時系列、非時系列メタデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002R01.BMX」は、プレイリストに属するファイルである。
なお、上述したように、エディットリストによりクリップディレクトリに格納された例えばビデオデータが参照される。クリップディレクトリ間では、異なるデータ信号種の混在が可能なので、結果的に、エディットリスト上では、異なるデータ信号種の混在が可能とされる。
説明は図5に戻り、ファイル「INDEX.XML」は、ディレクトリPAV以下に格納された素材情報を管理するインデックスファイルである。この例では、ファイル「INDEX.XML」は、XML(Extensible Markup Language)形式で記述される。このファイル「INDEX.XML」により、上述した各クリップおよびエディットリストが管理される。例えば、ファイル名とUMIDの変換テーブル、長さ情報(Duration)、当該光ディスク5全体を再生する際の各素材の再生順などが管理される。また、各クリップに属するビデオデータ、オーディオデータ、補助AVデータなどが管理されると共に、クリップディレクトリ内にファイルで管理されるクリップ情報が管理される。
ファイル「DISCINFO.XML」は、このディスクに関する情報が管理される。再生位置情報なども、このファイル「DISCINFO.XML」に保存される。
1−5.記録再生装置の構成について
図8は、この発明に適用可能な記録再生装置1の一例の構成を概略的に示す。外部から供給されたビデオデータおよびオーディオデータ(図示しない)が信号処理部3に供給される。例えば、ビデオデータおよびオーディオデータは、図示されないビデオカメラから出力され、記録再生装置1に設けられた入力端を介して信号処理部3に供給される。
信号処理部3は、供給されたビデオデータおよびオーディオデータを、例えばMPEG2方式で圧縮符号化して上述した本線系のAVデータを生成すると共に、より解像度が低く低ビットレートの補助AVデータを生成する。これら本線系AVデータおよび補助AVデータは、ドライブ部4に供給される。ドライブ部4は、供給された本線系AVデータおよび補助AVデータに対してエラー訂正符号化処理、記録符号化処理などを施し、記録データを生成する。この記録データは、所定に変調処理されて記録信号とされ、光ディスク5に記録される。
記録再生装置1に適用可能な光ディスク5としては、例えば、波長405nmのレーザ光を発する青紫色レーザを光源とし、片面1層構造で23GB(ギガバイト)の記録容量を実現した光ディスクを用いることができる。
再生時には、光ディスク5から再生された再生信号がドライブ部4に供給され、復調されて再生データとされる。再生データは、記録符号の復号化処理やエラー訂正符号の復号化処理などを施され、信号処理部3に供給される。信号処理部3では、供給された信号の圧縮符号を復号化して、本線系AVデータや補助AVデータを得る。本線系AVデータは、例えば信号処理部3から外部に出力される。
信号処理部3は、さらに、例えばマイクロプロセッサおよびROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなるシステムコントローラを有し、ROMに予め記憶されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして用いてこの記録再生装置1の全体を制御する。
フロントパネル2は、この記録再生装置1のユーザインターフェイスを構成し、記録再生装置1を操作するための各種操作子や、この記録再生装置1に入力されたビデオデータおよび光ディスク5から再生されたビデオデータを映出するための表示装置などが設けられる。操作子は、例えば非接触式で手指の触れた位置あるいは手指が触れたか否かを検出するようにしたタッチパネルや、機械式のメカニカルスイッチなどが用いられる。操作子に対する操作に応じた制御信号が例えば信号処理部3のシステムコントローラに供給される。システムコントローラは、この制御信号に基づき記録再生装置1の動作を制御する。
また、表示装置としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)が表示デバイスとして用いられ、外部から入力されたビデオデータや、光ディスク5から再生されたビデオデータを映出すると共に、この記録再生装置1の各種ステータス情報や映出されるビデオデータに関する情報などを表示する。
図9は、この記録再生装置1のドライブ部4の一例の構成を示す。記録時には、信号処理部3から供給された記録データが、ECC(Error Correction Coding)部19およびメモリコントローラ117を介してメモリ118に溜め込まれる。メモリコントローラ117は、制御部111の制御に基づきメモリ118に対するアクセスを制御する。なお、制御部111は、マイクロコンピュータからなり、信号処理部3からの制御信号に基づきこのドライブ部4を制御する。
メモリ118に溜め込まれた記録データに対して、ECC部119によりエラー訂正単位毎にエラー訂正符号が生成される。ビデオデータおよびオーディオデータに対するエラー訂正符号としては、積符号を使用することができる。積符号は、ビデオデータまたはオーディオデータの2次元配列の縦方向に外符号の符号化を行い、その横方向に内符号の符号化を行い、データシンボルを2重に符号化するものである。外符号および内符号としては、リードソロモンコード(Reed-Solomon code) を使用できる。積符号で完結するデータ単位をECCブロックと称する。ECCブロックは、例えば64kバイト(65536バイト)のサイズを有する。メモリコントローラ117は、メモリ118からECCブロックを読み出し、変調/復調部116に記録データとして供給する。変調/復調部116は、この記録データを変調して記録信号を生成し、ピックアップ部113に供給する。
ピックアップ部113は、変調/復調部116から供給される記録信号に基づきレーザ光の出力を制御して、スピンドルモータ112により回転駆動される光ディスク5に記録信号を記録する。
なお、ピックアップ部113は、光ディスク5からの反射光を光電変換して電流信号を生成し、RF(Radio Frequency)アンプ114に供給する。RFアンプ114は、ピックアップ部113からの電流信号に基づいて、フォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号、ならびに、再生信号を生成し、トラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号をサーボ制御部115に供給する。また、RFアンプ114は、再生時に再生信号を変調/復調部16に供給する。
レーザ光の照射位置は、サーボ制御部115からピックアップ部113に供給されるサーボ信号により所定の位置に制御される。すなわち、サーボ制御部115は、フォーカスサーボ動作やトラッキングサーボ動作の制御を行う。具体的には、サーボ制御部115は、RFアンプ114からのフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号に基づいてフォーカスサーボ信号とトラッキングサーボ信号をそれぞれ生成し、ピックアップ部113のアクチュエータ(図示しない)に供給する。またサーボ制御部115は、スピンドルモータ112を駆動するスピンドルモータ駆動信号を生成して、光ディスク5を所定の回転速度で回転させるスピンドルサーボ動作の制御を行う。
さらにサーボ制御部115は、ピックアップ部113を光ディスク5の径方向に移動させてレーザ光の照射位置を変えるスレッド制御を行う。なお、光ディスク5の信号読み出し位置の設定は、信号処理部3から供給される制御信号に基づき、制御部111によって行われ、設定された読み出し位置から信号を読み出すことができるように、ピックアップ部113の位置が制御される。
スピンドルモータ112は、サーボ制御部115からのスピンドルモータ駆動信号に基づいて、光ディスク5を線速度一定のCLV(Constant Linear Velocity)、または、角速度一定のCAV(Constant Angler Velocity)で回転駆動する。スピンドルモータ112の駆動方式は、信号処理部3からの制御信号に基づき、CLVおよびCAVとで切り替え可能とされている。
なお、この実施の一形態では、スピンドルモータ112の駆動モードとして、CLV×1、CLV×2、CLV×2.4およびCAV×1の4モードが切り替え可能とされている。モードCLV×1は、ドライブ部4の起動時のモードであって、それ以外では基本的に使用されない。モードCLV×2は、モードCLV×1に対してデータレートが2倍となっており、光ディスク5に対するデータの書き込みは、このモードで行われる。モードCLV×2.4は、通常再生やシャトル再生時など、再生系の動作において用いられる。モードCAV×1は、サムネイル表示の際に用いられるモードである。
再生時には、ピックアップ部113が光ディスク5にレーザ光を集光して照射し、光ディスク5からの反射光を光電変換した電流信号をRFアンプ114に供給する。変調/復調部116は、RFアンプ114から供給された再生信号を復調して再生データを生成し、メモリコントローラ117に供給する。メモリコントローラ117は、供給された再生データをメモリ118に書き込む。メモリ118からECCブロック単位で再生データが読み出され、ECC部119に供給される。
ECC部119は、供給されたECCブロック単位の再生データのエラー訂正符号を復号化してエラー訂正を行う。エラー訂正符号の持つエラー訂正能力を超えてエラーが検出されたときは、エラー訂正を行わずに、エラー訂正単位に対してエラーフラグを立てる。ECC部119から出力された再生データは、信号処理部3に供給される。
図10は、この実施の一形態に適用可能な記録再生装置1の全体の構成例を示す。信号処理部3に対して、図示されないドライブ部4、インターフェイス部6およびユーザインターフェイス部7が接続される。ユーザインターフェイス部7は、例えばフロントパネル2に組み込まれて用いられる。
信号処理部3において、FPGA(Field Programmable Gate Array)64にドライブ部4が接続される。ドライブ部4と信号処理部3との間での記録データおよび再生データのやり取り、ならびに、ドライブ部4内の制御部111との間での制御信号のやり取りは、FPGA64を介して行われる。
FPGA64に対して、RAM65、エンコーダ66、デコーダ67、DVコーデック68、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69が接続される。補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69は、補助ビデオデータのエンコードを行う。また、FPGA64に対して、バス70が接続される。バス70には、入力データ用のオーディオDSP(Digital Signal Processor)71、出力データ用のオーディオDSP72および補助AVデータ用オーディオDSP73が接続される。さらに、FPGA64は、バス60とFPGA74とが接続される。FPGA64は、RAM65に対するメモリコントローラとして機能すると共に、接続された各部間でのデータフローを制御するようになっている。
FPGA74に対して、RAM75が接続される。また、FPGA74に対してグラフィックドライバ93、出力端子81および入力端子82が接続される。FPGA74に対して、さらに、ユーザインターフェイス部7のマイクロコンピュータであるKYマイコン44が接続される。グラフィックドライバ93は、FPGA74から供給されたビデオデータに基づき、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部10を駆動する表示駆動信号を生成する。FPGA74は、上述のFPGA64と同様に、RAM75に対するメモリコントローラとして機能すると共に、接続された各部間でのデータフローを制御するようになっている。
バス60は、例えばPCI(Peripheral Component Bus)バスである。バス60に対してCPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62およびRAM(Random Access Memory)63が接続される。RAM63は、CPU61のワークメモリとして用いられる。ROM62は、実際には2個の書き換え可能なフラッシュメモリからなり、そのうち一方はシステム起動用、他方はシステムが起動された後に用いられるプログラムやデータなどが予め格納される。また、RAM63および他方のROMは、図示されないCPUバスを介してCPU61に接続される。
CPU61は、他方のROMに格納されるプログラムに基づき、信号処理部3を制御すると共に、ドライブ部4における光ディスク5に対するアクセス制御や、メモリ118に対するアクセス制御を行う。また、CPU61は、図5〜図7を用いて説明した、光ディスク5上のディレクトリ構造を管理する。
インターフェイス部6において、バス50は、例えばPCIバスである。バス50がPCIブリッジ57を介してバス60に接続される。また、バス50に対して通信インターフェイス51、CPU(Central Processing Unit)52、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54およびOSD(On Screen Displey)部55が接続される。なお、CPU52、ROM53およびRAM54は、実際には、メモリコントローラやバスコントローラなどを介してバス50に接続される。RAM54は、CPU52のワークメモリとして用いられる。ROM53は、実際には2個の書き換え可能なフラッシュメモリからなり、一方はシステム起動用、他方はシステムが起動された後に用いられるプログラムやデータなどが予め格納される。
通信インターフェイス51は、CPU52の命令に基づき、外部のネットワークとの間の通信を制御する。例えば、通信インターフェイス51は、インターネットに対してFTP(File Transfer Protocol)によるデータ通信を行うことができる。OSD部55は、RAM56が接続され、CPU52から供給される表示制御命令に基づき、ユーザインターフェイスのための画像信号を生成する。
ユーザインターフェイス部7は、記録再生装置1の動作を制御するための操作子部としてタッチパネル部42とメカニカルスイッチ部92とを有し、操作子の状態や操作結果などを表示するためのLED部91が設けられる。タッチパネル部42は、詳細は後述するが、例えば静電容量結合型のタッチパネルが用いられ、非接触でユーザの手指が所定位置に触れたれたか否か、あるいは、ユーザの手指の触れた位置を検出することができるようにされている。メカニカルスイッチ部92は、機械式のスイッチや可変抵抗器などが設けられる。
タッチパネル部42およびメカニカルスイッチ部92の出力は、KYマイコン44に供給される。KYマイコン44は、タッチパネル部42およびメカニカルスイッチ部92の出力に応じて制御信号を生成する。制御信号は、FPGA74を介し、制御の種類に応じてCPU61やCPU52に供給される。また、KYマイコン44は、タッチパネル部42およびメカニカルスイッチ部92の出力に応じてLED部91に設けられたLED(Light Emitting Diode)の発光を制御する。
なお、ビデオのフレーム周期に対応したフレーム同期信号が、図示されないインターフェイスを介して外部から供給される。フレーム同期信号を、この記録再生装置内部で発生させてもよい。この記録再生装置各部の信号処理は、必要に応じてフレーム同期信号に対して同期的に行われる。例えば、本線系AVデータや補助AVデータに対するCPU61による処理命令は、フレーム同期信号に対して同期的に発行される。
このような構成において、記録時には、外部から供給されたビデオデータおよびオーディオデータが入力端子82に入力される。例えば、ビデオデータおよびオーディオデータは、図示されないビデオカメラから出力され、入力端子82に入力される。ビデオデータおよびオーディオデータは、RAM75に一旦バッファリングされてFPGA64に供給され、RAM65に溜め込まれる。
RAM65に溜め込まれたビデオデータおよびオーディオデータは、FPGA64により補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69および補助AVデータ用オーディオDSP73にそれぞれ供給され、補助AVデータが生成される。
補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69は、供給されたビデオデータをMPEG4方式で以て圧縮符号化し、補助ビデオデータとして出力する。補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69から圧縮符号化されて出力された補助ビデオデータは、RAM65に書き込まれる。補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69は、例えば1フレームのIピクチャと9フレームのPピクチャの計10フレームで1GOPを形成する。
なお、補助ビデオデータの解像度は、例えば、NTSCシステムの場合352画素×240ライン、PALシステムの場合352画素×288ラインとされる。また、補助ビデオデータの色空間は、輝度および色差により色を表現するYCbCr空間とされる。
オーディオデータは、補助AVデータ用オーディオDSP73において、必要に応じてレベル調整などの所定の信号処理を施され、さらに圧縮符号化され、補助オーディオデータとされる。詳細は後述するが、オーディオデータは、例えば間引きとA−Law符号化を用い、サンプリング周波数が48kHzから8kHzとされ、また、量子化ビット数が16ビットから8ビットのデータとされる。圧縮符号化された補助オーディオデータは、RAM65に書き込まれる。量子化ビット数が24ビットのオーディオデータは、例えばサンプル毎の下位8ビットを削除し、1サンプルが16ビットのデータとしてから圧縮符号化するようにできる。
ビデオデータおよびオーディオデータの、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69および補助AVデータ用オーディオDSP73によるエンコード処理と並列的に、本線系AVデータのエンコード処理も行われる。上述したように、この実施の一形態による記録再生装置は、本線系のビデオデータの処理モードとして、例えばデータレートが50Mbpsおよび25Mbpsの2種類のモードを有する。
データレートが50Mbpsのモードの場合、RAM65から読み出されたビデオデータは、エンコーダ66に供給される。エンコーダ66は、ビデオデータに対してMPEG2による圧縮符号化を施す。このとき、エンコーダ/デコーダ69は、フレーム単位での編集を考慮し、フレーム間圧縮を行わず、全てIピクチャとしてエンコードを行う。また、エンコードは、エンコードされたデータのデータレートが50Mbpsになるように、フレーム毎や、フレームをさらに分割したマクロブロック毎に量子化係数などを適切に選択して行われる。エンコーダ66でエンコードされたビデオデータは、RAM65に一旦溜め込まれる。
データレートが25Mbpsのモードの場合、RAM65から読み出されたビデオデータは、DVコーデック部68に供給される。DVコーデック部68は、供給されたビデオデータに対して、例えばDVフォーマットに則った圧縮符号化処理を施す。DVコーデック部68でエンコードされたビデオデータは、RAM65に一旦溜め込まれる。
本線系のAVデータのうち本線オーディオデータは、FPGA64により、RAM65から読み出され、オーディオDSP71に供給される。オーディオDSP71でエンコードされた本線オーディオデータは、RAM65に溜め込まれる。
CPU61の命令に従い、RAM65に溜め込まれた本線系のオーディオデータおよびビデオデータの、年輪を形成するための所定の再生時間分が、記録フォーマットにマッピングされ、ドライブ部4に供給される。同様に、RAM65に溜め込まれた補助オーディオデータおよび補助ビデオデータは、補助AVデータのフォーマットにマッピングされ、年輪を形成するための所定の再生時間分がドライブ部4に供給される。
なお、メタデータは、例えばCPU62で所定に生成され、RAM54に溜め込まれる。RAM65に溜め込まれたメタデータは、本線系のAVデータおよび補助AVデータと同様にして、年輪を形成するための所定の再生時間分がドライブ部4に供給される。
CPU61により、ドライブ部4に対して、本線系のAVデータ、補助AVデータおよびメタデータを年輪を形成しながら光ディスク5に書き込むように命令が出される。この命令は、制御部111に供給される。CPU61からの命令に基づく制御部111の制御により、本線系のAVデータ、補助AVデータおよびメタデータは、ドライブ部4のECC部119でエラー訂正符号を付加され、信号処理部116で記録信号に変調される。そして、制御部111に書き込みアドレスを制御されて、光ディスク5に対して書き込まれる。
再生時には、ドライブ部4において、CPU61の命令に基づき制御部111により読み出しアドレスを制御され、光ディスク5から年輪単位でデータが読み出される。読み出されたデータは、既に説明したような処理を経てECC部119でエラー訂正符号を復号化されて、ドライブ部4から出力される。ドライブ部4から出力された本線系のAVデータ、補助AVデータおよびメタデータは、FPGA64に供給され、RAM65に溜め込まれる。
RAM65に溜め込まれた本線系のAVデータにおいて、本線ビデオデータがデータレート50Mbpsのモードのデータであれば、当該本線ビデオデータは、デコーダ67に供給される。一方、本線ビデオデータがデータレート25Mbpsのモードのデータであれば、当該本線ビデオデータは、DVコーデック部68に供給される。デコーダ67またはDVコーデック部68でデコードされた本線ビデオデータは、RAM65に溜め込まれる。
本線系のAVデータのうち本線オーディオデータは、FPGA64によりRAM65から読み出され、オーディオDSP72に供給される。オーディオDSP72でデコードされた本線オーディオデータは、RAM65に溜め込まれる。
本線系AVデータのデコード処理と並列的に、補助AVデータのデコード処理も行われる。RAM65に溜め込まれた補助AVデータのうち、補助ビデオデータは、FPGA64によりRAM65から読み出され、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69に供給される。補助ビデオデータは、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69でデコードされ、RAM65に溜め込まれる。同様に、補助オーディオデータは、FPGA64によりRAM65から読み出され、補助AVオーディオ用DSP73に供給される。補助オーディオデータは、補助AVオーディオ用DSP73でデコードされ、量子化ビット数を8ビットから16ビット(または24ビット)に戻されると共に、サンプルが補間され、サンプリング周波数が48kHzとされる。デコードされた補助オーディオデータは、RAM65に溜め込まれる。
RAM65にデコードされ溜め込まれた本線ビデオデータおよび本線オーディオデータ、ならびに、補助ビデオデータおよび補助オーディオデータは、図示されないフレーム同期信号に基づきCPU61にタイミング制御され、RAM65から同期的に読み出される。例えば、本線オーディオデータおよび補助オーディオデータは、CPU61の命令に基づきFPGA64にRAM65におけるアドレスポインタが制御され、ビデオデータと同期を取られながら、さらに本線および補助オーディオデータ間で同期を取られて、RAM65から読み出される。RAM65から読み出された本線および補助ビデオデータ、ならびに、本線および補助オーディオデータは、FPGA74に供給される。
FPGA74では、例えば本線ビデオデータを出力端子81に導出すると共に、補助ビデオデータを表示部80に供給する。それと共に、本線および補助オーディオデータを所定に選択して出力端子81に導出する。本線および補助オーディオデータは、CPU61の命令に基づき所定のタイミングで切り替えて出力することができる。このとき、切り替えタイミングにおいて、本線および補助オーディオデータにクロスフェード処理を施すと、切り替えノイズが軽減されて好ましい。
一方、上述したように、インターフェイス部6は、通信インターフェイス51を有し、例えばインターネットを介してFTP転送されたビデオデータやオーディオデータを受信し、ドライブ部4に送るようにできる。すなわち、FTP転送されたデータを通信インターフェイス51で受信し、バス50、PCIブリッジ57およびバス60を介してFPGA64に供給し、RAM65に溜め込むようにする。FTP転送により、非同期的に転送された例えばオーディオデータは、RAM65を用いて時間的に連続になるようにマッピングされる。
インターフェイス部6において、OSD部55は、CPU52から供給される表示制御命令に基づき、RAM56を用いて、GUI(Graphical User Interface)画面などを表示するための画像データを作成する。作成された画像データは、RAM56から読み出され、FPGA74に転送される。この画像データは、FPGA74によりグラフィックドライバ93に供給され、表示部10に対して例えばGUI画面が表示される。このとき、グラフィックドライバ93は、FPGA74から供給されたビデオデータと、GUI画面を構成するための画像データとを、フレームメモリを用いてマッピングして同一画面上に表示させることができる。
2.フロントパネルの構成について
2−1.フロントパネルのレイアウトについて
図11は、記録再生装置1の一例のフロントパネル2の構成を示す。フロントパネル2上に配置される各操作子は、一部を除きタッチパネルを用いて構成される。タッチパネルは、例えば、基板上に設けられた電極の静電容量の変化に基づき手指の接触を検出する、静電容量結合方式のものを用いることができる。例えば、フロントパネル2の表示部10を除く略全面に対応する基板に対して、操作部分に対応する位置に所定に電極を形成する。基板は、例えばPET(Polyethylene Terephthalate)などによるフィルムが用いられる。この基板に対して、ガラス板やアクリル板などの誘電体の板を接着し、パネル面を形成する。
基板に接着する誘電体の板は、例えばアクリル板が用いられ、さらに透明アクリル板を用いることで、デザインに高級感を持たせることができ好ましい。以下では、基板に接着する誘電体の板として透明アクリル板を用いるものとし、当該板をパネル板と呼ぶ。
より具体的には、タッチパネルは、図12に一例が概略的に示されるように、PETシート41BにITO(Iridium Tin Oxide)膜41Aで信号パターンとGND(Ground)パターンとを形成した透明電極シート41を、透明アクリル板からなるパネル板40に接着してなる。
パネル板40は、例えば裏面から塗装され、電極構造が外部から隠蔽されると共に、各キーの機能などを示す文字や記号が印刷される。このとき、塗装に透過部を設け、その裏面にLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を配することができる。タッチパネルの操作に応じて対応する位置の発光素子を所定に点灯させることで、操作結果などを明示的に示すことができる。
フロントパネル2における各部のレイアウトについて、概略的に説明する。フロントパネル2の左側部分に、例えばLCDを用いた表示部10が設けられる。表示部10には、この記録再生装置1に入力された映像またはこの記録再生装置1で記録媒体から再生された映像を映出可能であると共に、この記録再生装置1の各種ステータスや後述するファンクションキー20、20、・・・の機能などが表示される。
フロントパネル2の右側上部は、上端から横長の矩形状に切り欠いた切り欠き部11が設けられ、切り欠き部11により、記録再生装置1の本体側に設けられるディスク挿入口12が露出されるようになっている。すなわち、このフロントパネル2は、記録再生装置1に対して可動構造とされており、下端部が前方に迫り出すように作動し、フロントパネル2が傾斜可能となっている。フロントパネル2は、下端部が前方に迫り出すと共に上端部が所定に下がるように動作し、フロントパネル2を傾斜させた際に、ディスク挿入口12に対するディスクの挿入を妨げないようにされる。
フロントパネル2の左側の下端部には、例えば音声入力信号のレベル調整を行うための回転つまみ13A、13B、13Cおよび13Dが設けられる。回転つまみ13A、13B、13Cおよび13Dは、それぞれフロントパネル2の下端に弧の一部が露出され、弧の他の部分は上述したパネル板40に覆われるように配置される。露出される部分は、ユーザが指を掛け回転つまみ13A、13B、13Cおよび13Dを回転させるのに必要十分である程度とされる。回転つまみ13A、13B、13Cおよび13Dの目盛りなどは、例えば回転つまみ13A、13B、13Cおよび13Dの表面に記され、パネル板40を介して視認可能なようにされる。回転つまみ13A、13B、13Cおよび13Dの右側には、回転つまみ13A、13B、13Cおよび13Dの調整モード設定するスイッチ14が設けられる。
フロントパネル2の左端側に、上から、電源スイッチ15、リモート選択スイッチ16、ヘッドフォンレベルボリューム17およびヘッドフォンジャック18が設けられる。また、ディスク挿入口12の右側には、ディスク挿入口12から挿入され記録再生装置1に装填されたディスクを排出するためのイジェクトボタン19が設けられる。さらに、フロントパネル2の中央付近に、シフトキー24が設けられる。
フロントパネル2のタッチパネルで構成された操作子について説明する。以下に説明するキーやサーチバーなどの実体は、パネル板40を介して設けられる透明電極シート41上に形成された電極によるセンサであって、静電容量の変化に基づき手指の接触を検出して所定の制御信号を出力する。このフロントパネル2においては、手指の接触が検出されたか否かを示す信号を出力するディジタル方式のセンサと、手指の位置を直線状且つ連続的に検出することができるアナログ方式のセンサとが用いられている。この図11の例では、各種キーにディジタル方式のセンサが用いられ、サーチバー30にアナログ方式のセンサが採用されている。
なお、以下では、ディジタル方式のセンサによる各種キーに触れ、当該キーに触れたことを検出させることを、便宜上、当該キーを押すと表現する。
表示部10の右側に隣接するように、ファンクションキー20、20、・・・が配される。ファンクションキー20、20、・・・は、複数(図11の例では、ファンクションF1〜F5の5個)のキー20、20、・・・からキー組が構成され、キー組毎に、キー20、20、・・・それぞれの機能を所定に切り替えることができるようにされている。ファンクションキー20、20、・・・それぞれに割り当てられる機能は、表示部10に表示される表示画面の表示モードがファンクションメニューモードであるときに、表示部10の右端の、ファンクションキー20、20、・・・それぞれに対応する位置に表示される。
ファンクションキー20、20、・・・の下部に、ページキー21およびディスプレイキー22が配される。ページキー21は、表示部10の表示モードをファンクションキーが表示されるファンクションモードに切り換えると共に、ファンクションキー20、20、・・・のキー組を切り換える。ディスプレイキー22は、表示部10に表示されている画面のモードを切り替える。
ディスク挿入口12の下部に、編集操作やシステム設定などに用いられる各種キー23A〜23Eが配される。これら各種キー23A〜23Eは、ユーザがパネル面を見なくても操作が可能なように、表面に所定に突起部が設けられる。なお、この図11の例では、キー23A〜23Cには、それぞれ2つの機能が割り当てられ、それぞれの機能の内容がキーの上下に記されている。シフトキー24を押しながらキー23A〜23Cを押すことで、例えばキーの下側に記されている機能が選択される。
図11の例では、キー23Aは、簡易的に編集を行う際に用いるキーであって、クリップの切り出しや接続を指示する。キー23Bは、サムネイルサーチ画面の表示を指示する。シフトキー24と共にキー23Bを操作することで、エッセンスマークサーチが指示される。エッセンスマークは、例えばカメラのフィルタ交換など、映像記録時の所定の条件の変化に応じて自動的に記録されるマークである。キー23C〜23Eは、この記録再生装置1のシステム設定を行う際に用いられるキーである。なお、キー23Cは、編集作業の際にも用いられる。
各種キー23A〜23Eの下部に、各種の記録再生動作を制御するためのキー25A〜25Eが配される。すなわち、キー25Aは、例えば1度押すことで現在再生または選択されているクリップの先頭に戻り、連続的に2度押すことで、ディスクに記録されている先頭のクリップに移動する。キー25Bは、順方向への1倍速の再生を指示するプレイバックキーである。キー26Cは、例えば1度押すことで現在再生または選択されているクリップの次のクリップの先頭に移動し、連続的に2度押すことで、ディスクに記録されている最後のクリップに移動する。キー25Dは、再生を停止する指示を出す停止キー、キー25Eは、記録を指示する記録キーである。記録キー25Eの両側には、誤操作を防ぐためのガードとして、縦長の棒状に凸部が設けられる。なお、プレイバックキー25Bとプレビューキー25Aとを同時に操作することで、逆方向への高速再生が指示される。また、プレイバックキー25Bとネクストキー25Dとを同時に操作することで、順方向への高速再生が指示される。
キー25A〜25Eの右側に、4方向キー27が配される。この4方向キー27は、上下左右の4方向にそれぞれ対応した4個のキーからなり、例えば表示部10の表示に基づき方向指示を行うことが必要な際に用いられる。また、4方向キー27は、例えば編集作業を行う場合に、上述したキー23Cと共に押すことで、IN点およびOUT点の指定や、再生位置に対するマーキングの指定がなされる。なお、フロントパネル2の4方向キー27のそれぞれに対応する位置は、凸型形状とされ、ユーザがパネル面を見なくても操作可能とされている。
キー25A〜25Eの下部に、アナログ方式のセンサからなるサーチバー30が配される。サーチバー30は、手指が触れた位置を直線状に検出することができる。例えば、サーチバー30の両端に配置された2つの電極それぞれの静電容量の変化に基づき手指が触れた位置の、2つの電極それぞれからの距離を求め、これらの距離に基づき手指が触れた位置を1点に特定する。両端の2点の値を用いて位置を検出するので、ユーザの指の太さなどにかかわらず、検出される位置を1点に特定することができる。サーチバー30は、パネル板40が円弧状に抉られ、横長の凹型形状をなしている。また、サーチバー30は、凹型形状内における横方向中央部のやや上側に突起32が設けられ、ユーザが中央部を識別容易とされている。
また、サーチバー30の円弧状に抉られた底部は、サーチバー30における横方向に直線状の位置検出可能範囲に対応してスリット状に透過部31が形成され、パネル板40の裏面側のこの透過部に対応する位置にLEDといった発光素子を設けた場合に、発光素子の発光がパネル面側から確認できるようにする。詳細は後述するが、発光素子は、スリット状の透過部31の全体にわたって複数個が設けられ、例えばサーチバー30に手指が触れた位置に対応して発光するようにされている。
また、サーチバー30の右側に、サーチバー30の操作に対する動作モードなどの指定および表示を行う、サーチモードキー28A〜28Cが配される。サーチモードキー28A〜28Cに対応してパネル板40に透過部が所定に形成され、パネル板40の裏面側のこの透過部に対応する位置にLEDといった発光素子が設けられる。
2−2.フロントパネルに関する回路構成について
図13は、フロントパネル2に関する回路構成を概略的に示す。タッチパネル部42は、図12を用いて説明したパネル板40および透明電極シート41と、透明電極シート41からの出力信号を後続するKYマイコン44に対応した制御信号に変換する制御モジュールとを含む。タッチパネル部42がLED基板モジュール43を介してKYマイコン44に接続される。KYマイコン44は、記録再生装置1の本体側のシステムコントローラ(シスコン)45に接続される。なお、システムコントローラ45は、上述した図10の構成では、例えばCPU52に対応する。
なお、例えばシフトキー24などの、非タッチパネル方式によるキーの一部または全部は、出力信号が例えばKYマイコン44に直接的に供給される。
LED基板モジュール43は、タッチパネル部42のフロントパネル2正面から見て奥に取り付けられ、基板上の所定位置にLEDが配置されると共に、LEDの発光制御回路が設けられる。上述したように、LEDの位置に対応したパネル板40に透過部が設けられ、LEDによる発光がフロントパネル2の表面側から確認できるようになっている。図11の例では、上述もしたが、サーチモードキー28A〜28Cに対応する位置にそれぞれLEDが配置されると共に、サーチバー30におけるスリット状の透過部31の全長に対応して、複数個のLEDが配置される。
KYマイコン44は、例えばマイクロプロセッサからなり、タッチパネル部42から供給された制御信号に応じた命令を、本体側のシステムコントローラ45に対して出力する。また、KYマイコン44は、タッチパネルに対する操作やシステムコントローラ45からの命令に基づきLED基板モジュール43の発光制御回路を制御し、LEDを所定に点灯させる。
図14は、タッチパネル部42の一例の構成をより詳細に示す。タッチパネル部42は、上述した透明電極シート41と、透明電極シート41からの出力信号をKYマイコン44が処理可能な制御信号に変換する出力部45とを有する。透明電極シート41は、図11を参照し、フロントパネル2に配置される24個のディジタル方式のセンサからなるキー部42Aと、アナログ方式のセンサであるサーチバー30を構成するサーチバー部42Bとからなる。
先ず、キー部42Aについて説明する。キー部42Aにおいて、24個のディジタル方式のセンサを用いたキーそれぞれからの24本の出力信号がパラレルで出力部45に供給される。この図14の例では、出力部45において、24本の出力信号は、それぞれ8ビットの信号処理が可能なディジタルモジュール46A、46Bおよび46Cに8本ずつ供給される。ディジタルモジュール46A、46Bおよび46Cのそれぞれは、供給された8本の信号をそれぞれ1ビットのディジタルデータに変換し、制御モジュール47に供給する。
制御モジュール47は、ディジタルモジュール46A、46Bおよび46Cから供給された、各キーそれぞれに対応した1ビットずつのデータを、キーそれぞれに対応したコードに変換し、図示されないLED基板モジュール43を介してKYマイコン44に対して出力する。KYマイコン44は、供給されたコードを、記録再生装置1の本体側のシステムコントローラ45が解釈可能な形式のデータに変換した後、システムコントローラ45に対して出力する。
図15は、24個のキーの出力が制御モジュール47で変換された一例のコードを示す。各キーにおいて、手指の接触が検出された場合(ON)と、接触された手指がキーから物理的に離間し離れた場合(OFF)とに対して、互いに異なるコードが割り当てられる。この図15の例では、24個のキーにそれぞれ異なるアルファベットが対応付けられ、ONに対して大文字のアルファベットのアスキーコードが、OFFに対して対応する小文字のアルファベットのアスキーコードがそれぞれ割り当てられる。キーON時およびOFF時で異なるコードを出力することで、キーの長押しや、複数のキーが同時に押されているか否かなどが検出可能となる。
例えばファクションキーF1(図11のキー20、20、・・・のうち最も上のキー20)は、ON時に大文字の「A」を表すアスキーコード「0x41」を出力し、OFF時に小文字の「a」を表すアスキーコード「0x61」を出力する。以下同様にして、ファンクションキーF2〜F5は、ON時に大文字の「B」、「C」、「D」および「E」がそれぞれ割り当てられる。ページキー21およびディスプレイキー22は、ON時に大文字の「F」および「G」がそれぞれ割り当てられる。キー23Eは、ON時に大文字の「H」が割り当てられ、キー23A〜23Dは、ON時に大文字の「I」、「J」、「K」および「L」がそれぞれ割り当てられる。記録再生を制御するキー25A〜25Eは、ON時に大文字の「M」、「N」、「O」、「P」および「Q」がそれぞれ割り当てられる。また、サーチモードキー28A〜28Cには、ON時に大文字の「T」、「R」および「S」がそれぞれ割り当てられ、4方向キー27については、ON時に、上方向キーに大文字の「U」、左方向キーに大文字の「V」、右方向キーに大文字の「W」および下方向キーに大文字の「X」がそれぞれ割り当てられる。各キーについて、OFF時は、それぞれ対応する小文字が割り当てられる。
このように変換されたコードは、制御モジュール47からKYマイコン44に対して、シリアル通信により供給される。KYマイコン44は、制御モジュール47から供給されたコードに基づき、各キーの操作状態、すなわち、押されたキーおよび押された状態が解除されたキーを判断する。このとき、KYマイコン44は、制御モジュール47から異なる大文字のアスキーコードが連続的に供給された場合は、供給されたアスキーコードに対応する複数のキーが組み合わせて押されたと判断する。
例えば、最初にあるキーが押されたことを示す大文字のアスキーコードが供給され、当該キーの押された状態が解除されたことを示す小文字のアスキーコードが供給される前に、異なるキーを示す大文字のアスキーコードが供給された場合、これら2つのキーが組み合わされて押されたものと判断できる。
3.サーチバーについて
3−1.サーチバーの構成について
次に、サーチバー部42Bについて説明する。既に説明したように、サーチバー30は、両端に設けられた2個の電極それぞれの検出結果に基づき、2個の電極間の1点の位置を特定する。サーチバー部42Bは、サーチバー30の出力を、例えば、手指が触れたことが検出された位置に対応する電位のアナログ信号として出力する。一例として、2個の電極それぞれの出力の差分に基づくアナログ信号を出力することが考えられる。サーチバー部42Bから出力されたアナログ信号は、出力部45のアナログモジュール46Dに供給され、A/D変換されてディジタルデータとされ、制御モジュール47に供給される。
制御モジュール47は、供給されたディジタルデータを、例えば、サーチバー30上の位置に対応した値の8ビットのディジタルデータに変換して出力し、シリアル通信により図示されないLED基板モジュール43を介してKYマイコン44に供給する。KYマイコン44は、このサーチバー30上の位置に対応した値のディジタルデータを、サーチバー30の位置情報と対応付ける。
そして、KYマイコン44は、映像データを記録媒体から再生する際の再生速度および方向を制御する再生制御命令を、サーチバー30の位置情報に応じて生成する。この再生制御命令は、KYマイコン44からシステムコントローラ45に送信される。
また、サーチバー30に接触された手指が離されたことを検出するようにできる。例えば、アナログモジュール46Dは、サーチバー部42Bから出力されたアナログ信号に基づきサーチバー30触れていた手指が離れたこと、すなわち、サーチバー30から手指が物理的に離間したことを検出したら、その旨を示す信号を生成し、例えば上述のサーチバー30上の位置に対応した8ビットのデータとは別途に、KYマイコン44に供給する。このような信号の一例として、サーチバー30に手指が触れているときに’1’、手指が触れていないときに’0’となるようなイネーブル信号を用いることができる。
図16は、位置情報と、サーチバー30上の位置に対応した値のディジタルデータとの一例の関係を模式的に示す。なお、サーチバー30は、図16中の点線で囲まれた部分において、位置検出が可能であるものとする。サーチバー30が横方向に例えば21区間に分割される。21区間のうち中央部の1区間は、他の区間よりも広い範囲とされ、位置情報「STILL」が割り当てられる。位置情報「STILL」で示される区間の右側の10区間に対して、位置情報「STILL」で示される区間に近い方から、位置情報「+1」、「+2」、・・・、「+10」がそれぞれ割り当てられる。同様に、位置情報「STILL」で示される区間の左側の10区間に対して、位置情報「STILL」で示される区間に近い方から、位置情報「−1」、「−2」、・・・、「−10」がそれぞれ割り当てられる。
また、制御モジュール47から供給された、サーチバー30上の位置に対応したディジタルデータ値については、データ値「128」がサーチバー30の略中央に対応し、データ値「0」および「255」がそれぞれサーチバー30の左端および右端に対応するものとする。
サーチバー30の位置情報で示される各区間に対して、制御モジュール47から供給される、サーチバー30上の位置に対応したディジタルデータ値の範囲がそれぞれ割り当てられる。図17は、位置情報と、サーチバー30上の位置に対応したデータ値との一例の関連付けを示す。位置情報「−10」〜「−2」および位置情報「+2」〜「+10」は、それぞれ11ビットのデータ値範囲が割り当てられ、対応する区間が11ビット毎に順次、切り替わる。
これに対し、位置情報「STILL」で示される区間と、当該区間の両側の位置情報「−1」および「+1」で示される区間は、位置情報「−10」〜「−2」および位置情報「+2」〜「+10」で示される区間に対して、広いデータ値範囲が割り当てられる。特に、位置情報「STILL」で示される区間は、最も広いデータ値範囲が割り当てられる。図17の例では、位置情報「STILL」で示される区間には、略中央を示すデータ値「128」を含むデータ値「115」〜「140」の26ビットがデータ値範囲として割り当てられる。また、位置情報「−1」および「+1」で示される区間は、それぞれ16ビットのデータ値範囲が割り当てられる。
なお、この位置情報に対するデータ値範囲の割り当ては、一例であって、この例に限定されるものではない。例えば、位置情報「STILL」に対応する区間に対する距離に応じて、データ値範囲を徐々に狭くしていくこことができる。また、上述では、サーチバー30の検出可能範囲を21区間に分割しているが、これはこの例に限定されず、さらに細かく分割してもよいし、より粗く分割することもできる。
また、この位置情報に対するデータ値範囲の割り当ては、例えばKYマイコン44においてソフトウェア的に設定される。したがって、サーチバー30の用途に応じて、サーチバー30上の区間の分割位置を適宜、変更することができる。
KYマイコン44は、サーチバー30上の位置情報と、映像データを記録媒体から再生する際の再生速度および再生方向とを関連付ける。例えば、サーチバー30の中央部に対応する位置情報「STILL」に対して1フレームを固定的に再生するスチル再生を関連付け、位置情報「STILL」から右側が正方向への再生、左側が逆方向への再生にそれぞれ関連付ける。また、位置情報「STILL」に対応する区間からの距離に応じて、より離れた区間に対応する位置情報に対してより高速の再生速度を関連付ける。
3−2.サーチバーによる再生制御について
ここで、サーチバー30を用いてなされる再生制御のモードについて、概略的に説明する。この発明の実施の一形態においては、サーチバー30を用いてなされる再生制御として、ジョグモード、シャトルモードおよびスローモードの3種類の動作モードが用意されている。
ジョグモードは、サーチバー30に手指が触れた位置に応じた速度および方向で再生がなされ、サーチバー30から手指が離れサーチバー30を操作していない状態では、スチル再生とされ、サーチバー30から手指が離れる直前のフレームが固定的に再生される。この実施の一形態においては、ジョグモードは、正逆両方向の再生が可能とされ、再生速度は、スチル再生から±1倍速まで段階的に可変、すなわち、正逆方向の再生共に、0倍速(スチル再生)から1倍速までの再生速度が段階的に可変とされる。
シャトルモードは、サーチバー30に手指が触れた位置に応じた速度および方向で再生がなされ、サーチバー30から手指が離れサーチバー30を操作していない状態では、サーチバー30から手指が離れる直前の再生速度および方向で再生が継続される。この実施の一形態においては、シャトルモードは、正逆方向の再生が可能とされ、再生速度は、正逆方向共、1倍速以上の高速再生が可能とされている。例えば、再生速度は、スチル再生から±20倍速まで段階的に可変、すなわち、正逆方向の再生共に、0倍速から20倍速までの再生速度が段階的に可変とされる。
なお、ジョグモードおよびシャトルモードにおいては、高解像度の本線系の映像データの記録時に生成され当該映像データと共に記録媒体に記録される、低解像度の映像データが再生映像データとして用いられる。
スローモードは、サーチバー30に手指が触れた位置に応じた速度および方向で再生がなされ、サーチバー30から手指が離れサーチバー30を操作していない状態では、サーチバー30から手指が離れる直前の再生速度での再生が継続される。この実施の一形態においては、ジョグモードは、正方向の再生が可能とされ、再生速度は、スチル再生から1倍速まで段階的に可変とされる。
なお、スローモードにおいては、本線系の高解像度の映像データが再生映像データとして用いられる。スローモードで逆方向の再生を行うようにしてもよい。
図18は、ジョグモード、シャトルモードおよびスローモードの各モードにおける、サーチバー30上の位置と再生速度との一例の対応関係を示す。なお、図18において、再生速度の「+」は、正方向の再生を示し、「−」は、逆方向の再生を示す。また、再生速度の「STILL」は、再生速度が0とされ1フレームが固定的に再生されるスチル再生を示す。
図18Aに一例が示されるジョグモードの場合、位置情報「STILL」に対応する区間でスチル再生とされ、例えば正方向の再生については、位置情報「+1」に対応する区間で再生速度が「+0.03」倍速とされ、以降、位置情報「STILL」に対応する区間から離れるにつれ、段階的に再生速度が速くなり、位置情報「+9」および「+10」に対応する区間で再生速度が1倍速とされる。逆方向の再生についても、正方向の場合と同様にして位置情報に対応して再生速度が変化される。
図18Bに一例が示されるシャトルモードの場合、位置情報「STILL」に対応する区間でスチル再生とされ、例えば正方向の再生については、位置情報「+1」に対応する区間で再生速度が+0.03倍速とされ、以降、位置情報「STILL」に対応する区間から離れるにつれ、段階的に再生速度が速くなり、位置情報「+6」に対応する区間の1倍速再生を介して、位置情報「+10」に対応する区間で再生速度が+20倍速とされる。逆方向の再生についても、正方向の場合と同様にして位置情報に対応して再生速度が変化される。
図18Cに一例が示されるスローモードにおいても、位置情報「STILL」に対応する区間でスチル再生とされ、正方向の再生については、上述したジョグモードと同様にして再生速度が変化される。一方、この実施の一形態においては、スローモード時の逆方向の再生が不可とされているため、逆方向の再生を示す全ての位置情報に対してスチル再生が対応付けられている。したがって、正方向に再生中にサーチバー30上の逆方向の再生を指示する位置を触れた場合、再生がスチル再生に移行される。また、スローモードで且つスチル再生を行っている際に、サーチバー30上の逆方向の再生を指示する位置を触れた場合、再生はスチル再生のままとする。このとき、例えばビープ音を鳴らし、対応できない操作を行ったことをユーザに対して通知すると、好ましい。
なお、図17で示した位置情報と制御モジュール47から出力されるディジタルデータのデータ値との対応関係や、図18で示した位置情報と再生速度および方向との対応関係は、例えばKYマイコン44が有する図示されないROM(Read Only Memory)に予め記憶される。複数の異なる対応関係を予め記憶しておき、セットアップメニュー画面などで適宜選択して用いるようにできる。
このようにサーチバー30上の位置を示す位置情報と、再生速度および再生方向とが対応付けられることによって、例えば次のような操作が可能である。サーチバー30のある位置に触れることで、位置に対応した速度および方向で再生させることができる。シャトルモードであれば、サーチバー30のある位置に触れた後、別の位置に触れることで、再生速度および再生方向を即座に変更することができる。また、サーチバー30に触れた手指をサーチバー30に沿って横方向に滑らせることで、再生速度を徐々に速くしたり、徐々に遅くしたりする操作を容易に行える。
さらに、図17を用いて説明したように、この発明の実施の一形態では、サーチバー30の中央および中央付近において位置情報に対応する区間が広く設定され、位置に対する検出感度を下げられている。そのため、再生制御における停止操作やコマ送り操作などを容易に行うことができる。
3−3.サーチバーの表示について
上述したように、この発明の実施の一形態では、LED基板モジュール43において、サーチバー30の全長にわたってLEDなどの発光素子が複数個、設けられており、この発光素子を用いて、サーチバー30に対する操作に応じた表示を行うことができる。例えば、LED基板モジュール43は、KYマイコン44で、サーチバー30の位置検出結果に基づき生成された位置情報に応じて、LEDの発光制御を行う。
図19を用いて説明する。図19Aに一例が示されるように、サーチバー30の位置検出可能範囲が点線で囲まれた範囲であるとき、当該範囲内に21個のLED34、34、・・・、34、LED35、ならびに、LED36、36、・・・、36が配される。例えば、10個のLED34、34、・・・、34は、逆方向の位置情報「−10」〜「−1」にそれぞれ対応し、同様に、10個のLED36、36、・・・、36が正方向の位置情報「+1」〜「+10」にそれぞれ対応する。中央のLED35は、位置情報「STILL」に対応する。
また、サーチバー30の位置検出可能範囲外の両端に、バックライト用LED33および37がそれぞれ配される。バックライト用LED33および37は、逆方向の再生および正方向の再生にそれぞれ対応し、サーチバー30による再生制御が可能な方向を示す。
サーチバー30の機能がOFFとされている場合、図19Aの例のように、サーチバー30に対して配されたLED34、34、・・・、34、LED35、LED36、36、・・・、36、ならびに、LED33および37が全て消灯される。
図19Bは、サーチバー30が使用可能で、且つ、スチル再生時のLEDの一例の点灯状態を示す。スチル再生時には、中央のLED35が点灯され、スチル再生状態であることが示される。また、バックライト用LED33および37が共に点灯され、現在の状態から正方向への再生操作および逆方向への再生操作が共に可能であることが示される。
図19Cは、サーチバー30がジョグモードおよびシャトルモードで操作され、ユーザの手指がサーチバー30に触れている場合の、LEDの一例の点灯状態を示す。ジョグモードおよびシャトルモードにおいては、中央のLED35から、サーチバー30に手指が触れたことが検出された位置に対応する位置のLEDまでの、複数個のLEDが同時的に点灯される。図19Cの例では、手指がサーチバー30の位置情報「−6」に対応する位置に触れたことが検出されていることが分かる。
LED34、34、・・・、34またはLED36、36、・・・、36のうち何れ側が点灯されているかで、再生方向を知ることができる。また、LED34、34、・・・、34またはLED36、36、・・・、36が中央のLED35からどの部分まで点灯しているかにより、再生速度が表現される。したがって、ユーザは、LEDの表示により再生速度および再生方向を直感的に知ることができる。
また、ジョグモードおよびシャトルモードにおいては、サーチバー30上の任意の位置を手指で触れることで、触れた位置に対応する再生速度および再生方向での再生に即座に切り替わるように、再生制御が行われる。例えば、図19Cの状態から例えば位置情報「+10」に対応する位置を触れることで、シャトルモードであれば、逆方向の1倍速再生から正方向の20倍速再生に即座に切り替わるように再生制御がなされる。すなわち、ジョグモードおよびシャトルモードでは、正方向および逆方向の再生が可能であるため、バックライト用LED33および37が共に点灯される。
サーチバー30から手指を離した際の表示は、ジョグモードおよびシャトルモードで異なる。すなわち、ジョグモードでは、サーチバー30から手指を離した際に、スチル再生となる。したがって、LEDによる表示も、図19Bに示すスチル再生時の表示となり、中央のLED35と、バックライト用LED33および37とが点灯される。
一方、シャトルモードでは、サーチバー30から手指を離した際に、手指を離す直前の再生速度および再生方向での再生が維持される。したがって、LEDによる表示も、サーチバー30から手指が離れる直前の状態が維持される。例えば、シャトルモード時に図19Cの状態でサーチバー30から手指を離した場合、次にサーチバー30に手指が触れるまで、図19Cの表示状態が維持され、再生速度および再生方向が継続して表示される。
図19Dは、サーチバー30がスローモードで操作された場合の、LEDによる一例の表示を示す。この実施の一形態では、スローモードにおいては、正方向にのみ再生が行われる。したがって、バックライト用LED33および37について、正方向の再生を示すバックライト用LED37のみが点灯し、LED33が消灯され、正方向の再生のみが可能であることが示される。LED35およびLED36、36、・・・、36は、上述のジョグモードおよびシャトルモードと同様に、LED35から、再生速度に対応した位置のLED36までが点灯される。
3−4.サーチバーの動作モードの切り換えについて
サーチバー30の3つの動作モードは、図11に示すサーチモードキー28A、28Bおよび28Cによって選択することができる。すなわち、サーチモードキー28Aは、サーチバー30の動作モードをシャトルモードに設定する。サーチモードキー28Bは、サーチバー30の動作モードをジョグモードに設定する。また、サーチモードキー28Cは、サーチバー30の動作モードをスローモードに設定する。
なお、サーチモードキー28A、28Bおよび28Cを用いてサーチバー30の動作モードを選択した際に、選択前の動作モードによる動作が継続されている場合、サーチバー30の動作モードを切り換えないようにすると好ましい。このとき、例えば、サーチバー30から一旦手指を離し、再び手指をサーチバー30に触れたときに、サーチバー30の動作モードを選択された新たな動作モードに切り換えることが考えられる。
例えば、サーチバー30の動作モードがシャトルモードであって、ユーザが手指をサーチバー30から離し、手指が離れる直前の再生速度および再生方向で再生が継続されているときに、サーチモードキー28Bを操作しても、サーチバー30の動作モードをジョグモードに切り換えないようにする。サーチモードキー28Bの操作後、手指が再びサーチバー30に触れたときに、サーチバー30の動作モードをジョグモードに切り換える。
サーチモードキー28A、28Bおよび28Cには、例えばLEDからなる発光素子がそれぞれ2個ずつ設けられる。このサーチモードキー28A、28Bおよび28CそれぞれのLEDの点灯状態の組み合わせで、現在のサーチバー30の動作モードと、サーチモードキー28A、28Bおよび28Cにより選択されたサーチバー30の動作モードとが表現される。
図20を用いて説明する。なお、サーチモードキー28A、28Bおよび28Cは、同一形状であるので、図20では、サーチモードキー28として総称して示す。図20Aに一例が示されるように、サーチモードキー28には、キーの外側を発光させるLED29Aと、キーの中央部分を発光させるLED29Bとが設けられる。
サーチバー30の動作モードが選択されていない場合、この図20Bに示すように、LED29Aおよび29Bが共に消灯される。当該サーチモードキーの動作モードが選択されているが、現在のサーチバー30の動作モードが当該モードキーの動作モードではないときには、図20Cに示すように、キーの外側のLED29Aが発光され、キーの中央部分のLED29Bは、発光されない。現在のサーチバー30の動作モードが当該サーチモードキーで選択された動作モードである場合には、図20Dに示すように、LED29Aおよび29Bが共に点灯される。
なお、タッチパネルからなる各キーやサーチバー30に手指が触れたことが検出された際に、所定の音を出力するようにすると、好ましい。例えば、図13の構成において、KYマイコン44に対して音声出力部(図示しない)を接続する。KYマイコン44は、タッチパネル部42から、キーやサーチバー30に手指が触れたことが検出されたら、音声出力を制御して、所定の音を出力させる。一例として、例えばタッチパネルによるキーが一度押されたらビープ音を1回鳴らし、2以上のキーが組み合わせて押されたらビープ音を2回、鳴らす。サーチバー30についても同様に、手指がサーチバー30に触れたことが検出されたら、ビープ音を1回、鳴らす。鳴らす音は、ビープ音に限らず他の音でもよい。また、音量や音色を設定できるようにすると、より好ましい。例えば、音量に関して、「HIGH」レベル、「LOW」レベルおよびOFF(鳴らさない)を選択することができるようにする。キーによって音量、音色などを異ならせることも考えられる。
4.表示部の表示について
4−1.表示画面について
次に、上述したフロントパネル2の表示部10に表示される表示画面について説明する。光ディスクから再生されるビデオデータまたは外部から入力されるビデオデータに基づく映像をモニタするための画面として、3種類の画面が用意されている。以下では、光ディスクから再生されるビデオデータと、外部から入力されるビデオデータとを共に、ビデオデータと表記する。
この3種類の画面としては、例えば、第1の画面であるステータス画面、第2の画面であるファンクション画面および第3の画面であるモニタ画面が備えられている。モニタ画面は、ビデオデータに基づく映像のみを表示する画面である。ステータス画面は、主に、ビデオデータに基づく映像と、このビデオデータに関する情報と、オーディオデータに関する情報とを表示する画面である。ファンクション画面は、主に、ビデオデータに基づく映像と、このビデオデータに関する情報と、オーディオデータに関する情報と、ファンクションキー20、20、・・・のそれぞれの機能および状態とを表示する画面である。
以下、図21〜図23を参照しながら、モニタ画面、ステータス画面およびファンクション画面の一例について説明する。
図21Aは、モニタ画面の画枠設定の一例を示す。図21Bは、モニタ画面の一例を示す。モニタ画面220には、その画面全体にビデオデータに基づく映像を表示するモニタ画面エリア221が設定されている。
図22Aは、ステータス画面の画枠設定の一例を示す。図22Bは、ステータス画面の一例を示す。ステータス画面200は、モニタ画面エリア201、オーディオメータエリア202、オーディオエリア203、フォーマット表示エリア204、カウンタモード表示エリア205、タイムコード表示エリア206およびリモートモード表示エリア207を備える。
モニタ画面エリア201は、ビデオデータに基づく映像を表示するエリアである。このモニタ画面エリア201には、上述のモニタ画面220に表示される映像より小さいサイズの映像が表示される。オーディオメータエリア202は、オーディオレベルに関する情報を表示するエリアであり、現在選択されているチャンネルのオーディオ信号のレベルを4ch分まで表示可能である。
オーディオエリア203は、オーディオ信号に関する情報を表示するエリアである。このオーディオエリア203には、オーディオ信号のチャンネル数、量子化ビット数、オーディオ入力チャンネルのうちLチャンネルおよびRチャンネルとして選択されているチャンネルなどが表示される。
フォーマット表示エリア204は、ビデオ信号に関する情報を表示するエリアである。このフォーマット表示エリアには、MPEGのモード、ビデオデータ圧縮符号化の際の可変ビットレートに関する情報、ビデオデータの表示方式に関する情報などが表示される。
カウンタモード表示エリア205は、カウンタモードに関する情報を表示するエリアである。このカウンタモード表示エリア205には、タイムコードの種類、クリップ名などの情報が表示される。タイムコード表示エリア206は、タイムコードを表示するエリアである。リモートモード表示エリア207は、リモートモードに関する情報を表示するエリアであり、リモートモードに関する種々の情報が表示される。
図23Aは、ファンクション画面の画枠設定の一例を示す。図23Bは、ファンクション画面の一例を示す。ファンクション画面210は、モニタ画面エリア211、オーディオメータエリア202、オーディオエリア203、フォーマット表示エリア204、カウンタモード表示エリア205、タイムコード表示エリア206、およびファンクションエリア212を備える。モニタ画面表示エリア211およびファンクションエリア212以外のエリアは、上述のステータス・モニタ画面210と同様であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
ファンクション画面210の右端には、ファンクションエリア212が備えられている。ファンクションエリア212には、このファンクションエリア212の右方に設けられたファンクションキー20、20、・・・に対応して、ファンクションキー20、20、・・・の機能とファンクションキーにより設定された状態とが表示される。この例では、ファンクションキー20、20、・・・の機能として、ビデオおよび4チャンネルのオーディオそれぞれの入力ソースを選択する機能「V IN」、「A1 IN」、「A2 IN」、「A3 IN」および「A4 IN」が表示され、ファンクションキー20、20、・・・により設定された状態として、入力ソースを示す「HDSDI」が表示される場合を示している。この例では、ファンクションキー20、20、・・・を押すことで、押されたファンクションキー20に対応した入力ソースが切り換えられ、それに伴い、対応する設定状態表示が変更される。
ページキー21を押すと、ファンクションキー20、20、・・・の組が他の機能を持ったファンクションキー20、20、・・・の組に切り換えられると共に、ファンクションエリア212の表示が対応した表示に切り替わる。
ファンクション画面210のモニタ画面表示エリア211は、ファンクションエリア212があるため、上述のステータス画面200のモニタ画面表示エリア201より狭められている。このモニタ画面表示エリア211には、ステータス画面200に表示される映像より小さいサイズの映像が表示される。
なお、上述のステータス画面200のモニタ画面エリア201およびファンクション画面210のモニタ画面エリア211以外のエリアの画像は、所定のグラフィックデータおよびキャラクタデータからなる。これらのグラフィックデータおよびキャラクタデータは、例えばROM53に記憶され、ステータス画面200およびファンクション画面210の表示に応じて読み出される。また、グラフィックデータおよびキャラクタデータが、通信I/F51などを介して外部から供給されるようにしてもよい。
4−2.表示画面の切替操作について
次に、図24を参照しながら、上述のステータス画面200、ファンクション画面210およびモニタ画面220を切替る画面の切替操作の一例について説明する。図24は、表示画面の切替操作の一例を説明するためのものである。なお、少なくともステータス画面200、ファンクション画面210およびモニタ画面220のうちのデフォルト画面は、ステータス200画面である。
ファンクションキー20、20、・・・のうち任意のキー、またはページキー21を押すと、ファンクション画面210が表示される。したがって、任意のファンクションキー20、20、・・・を押すことで、ファンクション画面210を表示することができる。
また、ステータス画面200以外の画面が表示されている状態でディスプレイキー22押すと、ステータス画面200に戻る。また、ディスプレイキー22を押すことで、ステータス画面200とモニタ画面220とを交互に切り替えて表示することができる。
以下により具体的に表示画面の切替操作の一例について示す。ステータス画面200が表示されている状態において、ファンクションキー20、20、・・・のうち任意のキー、またはページキー21を押すと、ファンクション画面210が表示される(SEQ101)。ファンクション画面210が表示されている状態において、ディスプレイキー22を押すと、ステータス画面200が表示される(SEQ102)。
また、ステータス画面200が表示されている状態において、ディスプレイキー22を押すと、モニタ画面220が表示され(SEQ103)、ディスプレイキー22を再度押すと、ステータス画面200に戻る(SEQ104)。モニタ画面220が表示されている状態において、ファンクションキー20、20、・・・のうち任意のキー、またはページキー21を押すと、ファンクション画面210が表示される(SEQ105)。
なお、この実施の一形態では、ファンクション画面210からモニタ画面220に画面切替する場合には、常にステータス画面200が介在するように画面切替が行われる場合を説明したが、ファンクション画面210からモニタ画面220に直接的に切替るようにしてもよい。
また、上述のステータス画面、ファンクション画面およびモニタ画面を表示している状態で、システムメニューを表示可能である。図25は、モニタ画面220が表示されている状態において、システムメニューを表示させた例を示す。図26は、ステータス画面200が表示されている状態において、システムメニューを表示させた例を示す。ここでは、図示を省略するが、ファンクション画面が表示されている状態において、システムメニュー画面を表示することも可能である。
システムメニュー画面240は、例えば元の画像に対して上書き表示される。このシステムメニュー画面240には、記録再生装置1のシステムメニュー項目がメニューとして一覧表示される。システムメニューのメニュー項目としては、例えば、「SETUP MENU」、「AUTO FUNCTION」、「HOURS METER」などの項目が一覧表示される。
例えば4方向キー27などを操作して、システムメニューから所望のメニュー項目を選択できる。例えば4方向キー27などを操作して「SETUP MENU」を選択した場合には、セットアップメニュー画面(図示せず)に切り替わる。このセットアップメニュー画面では、例えば記録再生装置1に対して設定可能な項目が一覧表示される。それぞれの項目に対して、例えば4方向キー27などを用いて数値などの設定をすることができる。一例として、4方向キー27のうち上方向および下方向を示すキーを用いて項目を選択し、右方向および左方向を示すキーを用いて値の増減を行う。
システムメニュー画面240やセットアップメニュー画面における項目の選択操作や、セットアップメニュー画面における例えば数値の設定操作を、サーチバー30を用いて行うようにできる。一例として、サーチバー30の位置情報に対して、システムメニュー画面240やセットアップメニュー画面の項目を対応付ける。サーチバー30の所定の位置を触れることで、当該位置に対応する項目を選択できる。また、数値設定においては、一例として、サーチバー30の中央部(例えば位置情報「STILL」に対応する位置)から右側に触れた場合に数値アップ、左側に触れた場合に数値ダウンとし、中央部に触れた場合には、数値が変化しない。また、数値アップおよびダウンの場合において、例えば位置情報「±1」〜「±5」でアップおよびダウンのステップが細かな「FINE」設定が可能とし、位置情報「±6」〜「±10」でアップおよびダウンのステップが粗い「COARSE」設定を行うようにすることができる。
4−3.映像処理回路の構成について
図27は、この発明の実施の一形態による映像処理回路の一構成例を示すブロック図である。この映像処理回路は、信号処理回路101、グラフィック処理回路102および表示部10を備える。なお、グラフィック処理回路102は、例えば図10のグラフィックドライバ93に対応する。表示部10は、例えば、LCD104と対応するLCDドライバ103とを有する。LCD104の有効表示サイズは、例えば373画素×224ラインである。マイコン106は、映像処理回路に設けられた各部を制御する。このマイコン106は、例えば、上述した図10におけるCPU52である。
信号処理回路101は、例えば、プログラム可能な論理回路IC(Integrated Circuit)であるPLD(Programmable Logic Device)であり、このPLDとしては、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)が用いられる。信号処理回路101は、例えば図10のFPGA74の一部に対応する。
例えば、外部から供給された基準同期信号により生成された水平同期信号(XHSYNC)、垂直同期信号(XVSYNC)およびフィールド信号が、信号処理回路101に供給される。信号処理回路101から出力された水平同期信号(XHSYNC)および垂直同期信号(XVSYNC)が、グラフィック処理回路102およびLCDドライバ103に供給される。信号処理回路101から出力されたフィールド信号がグラフィック処理回路102に供給される。略27MHzのクロック周波数を有するクロック(VQCLK)が、信号処理回路101に供給されると共に、バッファ105を介してグラフィック処理回路102に供給される。
例えば、HDフォーマットのビデオデータがダウンコンバートされて1440画素×480ラインの横長に引き伸ばされたビデオデータが、信号処理回路101を介してグラフィック処理回路102に供給される。信号処理回路101は、マイコン106からの縮小処理を行う命令を受けた場合には、供給されるビデオデータに縮小処理を施して、グラフィック処理回路102に供給する。より具体的には、信号処理回路101は、縮小回路111およびセレクタ112を備え、セレクタ112は、縮小回路111の制御に基づき、ビデオデータに対して縮小処理を施し、グラフィック処理回路102に供給する。例えば、縮小回路111は、マイコン106からの命令に応じてセレクタ112を制御し、セレクタ112は、縮小回路111の命令に基づき、ビデオデータのラインを間引く処理を行い、グラフィック処理回路102に供給する。
信号処理回路102から表示クロックが出力され、グラフィック処理回路102に供給される。この表示クロックは、例えば、クロック(VQCLK)に基づき信号処理回路102において生成される。信号処理回路101は、例えば、PLL(Phase Locked Loop)を備え、マイコン106からの命令に応じて、グラフィック処理回路102に供給する表示クロックをPLLにより逓倍することができる。
グラフィック処理回路102は、フレームメモリを備える。マイコン106から供給されるキャプチャイネーブル信号に基づき、信号処理回路101から供給されるビデオデータをフレームメモリに書き込み、表示クロックに基づきフレームメモリからビデオデータを読み出して、D/A変換してアナログRGB信号としてドライバ103に供給する。グラフィック処理回路102におけるビデオデータの入力および出力は、マイコン106から供給されるキャプチャイネーブル信号および表示イネーブル信号によりそれぞれ制御できる。
また、グラフィック処理回路102は、信号処理回路101から供給されるビデオデータを所定の縮小率に縮小する機能、例えば、信号処理回路101から供給されるビデオデータの縦方向のサイズを1/4に、横方向のサイズを1/4または1/6に縮小する機能を有する。例えば、フレームメモリからビデオデータを読み出す際に、所定に間引き処理をすることで、縮小機能を実現できる。さらに、グラフィック処理回路102は、マイコン106から供給されるキャラクタデータおよびグラフィックデータと、信号処理回路101から供給される縮小されたビデオデータとをフレームメモリに対して所定にマッピングして書き込み、1枚の画像とすることができる。そして、グラフィック処理回路102は、マイコン106から供給される表示イネーブル信号に基づき、表示クロックに基づきフレームメモリからデータを読み出して、D/A変換してアナログRGB信号としてドライバ103に供給する。なお、キャラクタデータおよびグラフィックデータは、上述のステータス画面およびファンクション画面のうち、モニタ表示エリア以外のエリアを表示するためのものである。
表示部10は、グラフィック処理回路102から供給されるRGBアナログ信号に基づき画面を表示する。表示部10は、例えばLCDドライバ103およびLCD104を備える。LCDドライバ103は、マイコン106の制御に基づき、LCD104を駆動するためのものである。LCDドライバ103は、グラフィック処理回路102から供給されるアナログRGB信号を表示部10のサイズに合わせて、例えば間引きして表示部10に供給する。表示部10は、LCDドライバ103から供給されるアナログRGB信号に基づき画像を表示する。
4−4.表示モードの切替動作
図28および図29は、表示モードの切替動作の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図28および図29において、符号「A」、「B」および「C」は、符号が対応する処理に移行することを示す。
まず、ステップS1において、マイコン106が、表示モードの切替が要求されたことを検出する。例えば、KYマイコンからキーに応じて供給される制御信号と、そのときの表示モードとに基づき、表示モードの切替が検出される。すなわち、マイコン106は、ディスプレイキー22が押された場合において、モニタ画面220またはファンクション画面210が表示されているときには、ステータス画面200に画面を切り替える要求がされたことを検出する。また、マイコン106は、ファンクションキー20,20、・・・またはページキー21が押された場合において、ステータス画面200またはモニタ画面220が表示されているときには、ファンクション画面210に画面を切り替える要求がされたことを検出する。また、マイコン106は、ディスプレイキー22が押された場合において、モニタ画面220が表示されているときには、モニタ画面220に画面を切り替える要求がされたことを検出する。
次に、ステップS2において、マイコン106が、グラフィック処理回路102に供給される表示イネーブル信号をオフに設定し、ビデオデータの出力を禁止する。次に、ステップS3において、マイコン106が、グラフィック処理回路102に供給されるキャプチャイネーブル信号をオフに設定し、ビデオデータの取り込みを禁止する。
次に、ステップS4において、マイコン106が、信号処理回路101に対して表示モード切替を通知する。ステップS20において、信号処理回路101が、マイコン106から表示モード切替の通知を受け、表示モード切替の処理を行う。
次に、ステップS5において、処理が、ステップS1にて切替要求された表示モードに応じて移行する。すなわち、ステップS1にてステータス画面200に画面を切り替える切替要求を検出した場合には、処理はステップS6に移行する。また、ステップS1にてファンクション画面210に画面を切り替える切替要求を検出した場合には、処理はステップS12に移行する。また、ステップS1にてモニタ画面220に画面を切り替える切替要求を検出した場合には、処理はステップS17に移行する。
(A)第1の表示モード
まず、ステップS6において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の表示方式をノンインターレスに変更する。次に、ステップS7において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の画枠設定を、図22Aに示すようなステータス画面200の画枠設定に変更する。次に、ステップS8において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の縮小設定率を変更する。例えば、キャプチャ映像の縦および横のサイズがともに1/4に縮小されるように縮小率の設定を変更する。
次に、ステップS9において、マイコン106が、表示するステータス画面200に応じたグラフィックデータおよびキャラクタデータをグラフィック処理回路102に転送する。次に、ステップS10において、マイコン106が、グラフィック処理回路102に供給される映像取り込みイネーブル信号をオンに設定し、ビデオデータの取り込みを許可する。次に、ステップS11において、マイコン106が、グラフィック処理回路102に供給される表示イネーブル信号をオンに設定し、ビデオデータの出力を許可する。そして、表示モード切替の処理が終了になる。
(B)第2の表示モード
まず、ステップS12において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の表示方式をノンインターレスに変更する。次に、ステップS13において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の画枠設定を、図23Aに示すようなファンクション画面210の画枠設定に変更する。次に、ステップS14において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の縮小設定率を変更する。例えば、キャプチャ映像の縦、横のサイズがそれぞれ、1/4、1/6に縮小されるように縮小率の設定を変更する。
次に、ステップS15において、マイコン106が、表示するファンクション画面210に応じたグラフィックデータおよびキャラクタデータ画像をグラフィック処理回路102に転送する。次に、上述の第1の表示モードの場合と同様にして、ステップS10およびS11の処理を行い、表示モード切替の処理が終了となる。
(C)第3の表示モード
まず、ステップS16において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の表示方式をインターレスおよびビデオに変更する。次に、ステップS17において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の画枠設定を、図21Aに示すようなモニタ画面200の画枠設定に変更する。次に、ステップS18において、マイコン106が、グラフィック処理回路102の縮小設定率を変更する。例えば、キャプチャ映像の縦および横のサイズがともに1/1に縮小されるように縮小率の設定を変更する。
次に、上述の第1の表示モードと同様にして、ステップS10およびS11の処理を行い、表示モード切替の処理が終了となる。
図30は、上述のステップS20における表示モード切替動作の一例を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS21において、処理が、マイコン106からの表示モード切替の通知に応じて移行する。すなわち、表示モードを第1の表示モードに切替る通知をマイコン106から受けた場合には、処理はステップS22に移行し、表示モードを第2の表示モードに切替る通知をマイコン106から受けた場合には、処理はステップS23に移行し、表示モードを第3の表示モードに切替る通知をマイコン106から受けた場合には、処理はステップS24に移行する。
(a)第1の表示モード
ステップS22において、信号処理回路101は、表示クロックを選択し、グラフィック処理回路102に供給する。例えば、信号処理部101は、表示部10の表示クロックをPLLで2倍して、表示クロックとしてグラフィック処理回路102に出力する。
(b)第2の表示モード
ステップS23において、信号処理回路101が、キャプチャ映像の縮小設定を変更する。例えば、信号処理回路101は、マイコン106からの命令に基づきセレクタ112を制御し、キャプチャ映像の縦、横のサイズがそれぞれ、2/3、1/1に縮小されるように縮小率の設定を変更する。次に、信号処理回路101が、上述のステップS22の処理を行う。
(c)第3の表示モード
ステップS24において、信号処理回路101が、表示クロックを選択し、グラフィック処理回路102に供給する。例えば、信号処理回路101は、キャプチャ映像のサンプリングクロックを1/2倍して、表示クロックとしてグラフィック処理回路102に供給する。
5.サムネイル表示について
5−1.サムネイル表示の例および表示方法
表示部10に対する表示は、上述したステータス画面200、ファンクションメニュー画面210およびモニタ画面220に限られない。例えば、図31Aに一例が示されるように、光ディスク5に記録されたクリップの代表画像をサムネイル画像として一覧表示し、クリップを容易に選択可能とするサムネイルサーチ画面230を表示部10に表示することができる。
サムネイル画像は、主にインデックスとして用いられ、高品質を要求されないので、補助AVデータから作成することができる。補助AVデータは、予め解像度などを落としデータレートを低く抑えているので、本線系のAVデータを用いてサムネイル画像を作成する場合に比べ、処理に負担がかからない。
例えば、ユーザのユーザインターフェイス部7に対する操作に応じてインデックスファイル「INDEX.XML」を読み込み、光ディスク5に記録されている全クリップの情報を得る。そして、各クリップディレクトリを参照し、補助AVデータに基づきサムネイル画像を自動的に作成する。サムネイル画像は、例えば補助AVデータの所定位置のフレームを読み込んで、画像サイズの変換処理および色空間変換処理が施されて作成される。
図31Aは、サムネイルサーチ画面230の表示例を示す。なお、サムネイルサーチ画面230は、表示部10に表示されるのに限らず、サムネイルサーチ画面230の表示信号を出力端子81に対して導出させ、外部のモニタにサムネイルサーチ画面230を表示させるようにもできる。サムネイルサーチ画面230は、所定枚数のサムネイル画像231、231、・・・が一覧表示される。サムネイルサーチ画面230の右端には、スクロールバー236が設けられる。選択サムネイル画像232の光ディスク5に記録されている全クリップ中の位置が、スクロールバー236中のスクロールボックス237により概略的に示される。
例えば、フロントパネル2に配されたキー23Bを押すことで、サムネイルサーチ画面230の表示が指示される。サムネイルサーチ画面230の表示が指示されると、ドライブ部4においてスピンドルモータ112の駆動方式がCLV駆動からCAV駆動に切り替えられ、光ディスク5がCAV駆動でアクセスされて補助AVデータが所定に読み出される。読み出された補助AVデータから、サムネイルサーチ画面230の1画面に表示するためのサムネイル画像231、231、・・・が生成される。これらサムネイル画像231、231、・・・は、サムネイルサーチ画面230に対して一覧表示される。図31Aの例では、縦3行×横4列の計12枚のサムネイル画像231が1画面に表示されている。サムネイル画像231、231、・・・は、例えば対応するクリップの記録順に配置されて表示される。
一例として、補助AVデータは、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69でデコードされ、サムネイル画像231として用いるフレーム(例えばクリップの先頭フレーム)が取り出される。取り出されたフレームは、例えばサムネイル画像231のサイズに間引きされてRAM65に一旦書き込まれる。RAM65に、サムネイルサーチ画面230に表示するためのフレームすなわちサムネイル画像231が全て書き込まれると、RAM65からこれらサムネイル画像231、231、・・・が読み出され、FPGA64を介してFPGA74に供給される。一方、OSD55において、サムネイルサーチ画面230に表示する文字データや選択サムネイル画像232を構成するための枠表示データが生成され、FPGA74に供給される。FPGA74は、これらのデータを所定に合成して、上述した信号処理回路101にビデオデータとして供給する。
現在選択されている選択サムネイル画像232は、選択されていることを示すように、例えば枠表示が非選択状態のサムネイル画像231、231、・・・とは異ならされる。
また、サムネイルサーチ画面230の左上の表示233は、光ディスク5に記録されているクリップの総数と、選択サムネイル画像123によりその中の何番目のクリップが現在選択されているかを示す。この図31Aの例では、光ディスク5に300クリップが記録されており、その中の234番目のクリップが選択されていることが示されている。
さらに、選択サムネイル画像232の上下には、当該選択サムネイル画像232に対応するクリップの情報が示される。例えば、選択サムネイル画像232に対応するクリップの撮影時刻が表示234に、当該クリップの長さが表示235にそれぞれ表示される。
選択サムネイル画像232により対応するクリップが選択された状態で、フロントパネル2の例えばプレイバックキー25Bを押すことで、当該クリップの再生が指示される。クリップの再生が指示されると、ドライブ部4においてスピンドルモータ112の駆動方式がCAV駆動からCLV駆動に切り替えられ、図31Bに一例が示されるように表示部10の表示がモニタ画面220とされて、当該クリップの再生が開始される。また、モニタ画面220のの表示中にキー23Bを押してサムネイル表示を指示すると、表示部10の表示がサムネイルサーチ画面230に切り替わる。
現在選択されている選択サムネイル画像232は、例えばフロントパネル2に設けられた4方向キー27を所定に操作することで変更することができる。すなわち、4方向キー27のうち何れかの方向を示すキーを押すと、選択サムネイル画像232が押されたキーが示す方向に隣接するサムネイル画像231に変更される。
さらに、フロントパネル2に配置された操作子を所定に操作することで、サムネイルサーチ画面230のページを切り替えることができる。例えば、選択サムネイル画像232がサムネイルサーチ画面230の左下隅のサムネイル画像231であるときに、4方向キー27の下方向または右方向に対応したキーを押すことで、ページの切り換えが指示される。
例えば、サムネイルサーチ画面230の表示中にページ切り替えが指定されると、CAV駆動のまま光ディスク5がアクセスされ、サムネイルサーチ画面230に現在表示されているサムネイル画像231、231、・・・が対応するクリップの次のクリップから次ページの1画面分のサムネイル画像231、231、・・・が読み出され、サムネイルサーチ画面230に表示される。
5−2.サーチバーを用いたサムネイル画像の選択について
この発明の実施の一形態では、サムネイルサーチ画面230に表示されているサムネイル画像231の選択を、サーチバー30を用いて行うことができるようにしている。すなわち、サーチバー30上の位置と、サムネイル画像231を選択する操作とを対応付け、サーチバー30に手指が触れたことが検出された位置に応じた動作を実行する。例えば、現在選択されている選択サムネイル画像232から、サーチバー30に手指が触れたことが検出された位置に応じた枚数分ジャンプした位置のサムネイル画像231を、新たな選択サムネイル画像232とする。
図32は、図16および図17を用いて説明したサーチバー30の位置情報と、新たな選択サムネイル画像232の現在選択されている選択サムネイル画像232からのジャンプ数との、一例の対応関係を示す。位置情報「STILL」に対して、ジャンプ数「0」、すなわち現在選択されている選択サムネイル画像232が対応付けられる。
例えば、手指が触れたことが検出された位置が位置情報「STILL」に対応する区間にあれば、表示部10の表示がモニタ画面220に切り換えられ、現在選択されている選択サムネイル画像232に対応したクリップの再生が開始される。再生されるビデオデータとしては、補助ビデオデータおよび本線系ビデオデータの何れを用いてもよい。再生は、当該選択サムネイル画像232に対応したフレームのスチル再生でもよい。このとき、再びサーチバー30の中央部に触れると、サムネイルサーチ画面230に戻るようにできる。
位置情報「+1」〜「+3」に対して、ジャンプ数「+1」が対応付けられる。すなわち、手指が触れたことが検出された位置が位置情報「+1」〜「+3」に対応する区間にあれば、新たな選択サムネイル画像232として、現在選択されている選択サムネイル画像232の次のサムネイル画像231が選択される。同様に、位置情報「−1」〜「−3」に対して、ジャンプ数「−1」が対応付けられる。この場合、新たな選択サムネイル画像232として、現在選択されている選択サムネイル画像232の1つ前サムネイル画像231が選択される。
位置情報「+4」〜「+6」に対して、ジャンプ数「+12」が対応付けられる。上述の図31に示される例では、サムネイルサーチ画面230に12枚のサムネイル画像231が表示される。したがって、手指が触れたことが検出された位置が位置情報「+4」〜「+6」に対応する区間にあれば、選択サムネイル画像232のサムネイルサーチ画面230上での位置は変わらずに、サムネイルサーチ画面230のページが次のページに切り換えられ、新たな選択サムネイル画像232として、現在選択されている選択サムネイル画像232の12枚先のサムネイル画像231が選択される。
同様に、位置情報「−4」〜「−6」に対してジャンプ数「−12」が対応付けられる。この場合、選択サムネイル画像232のサムネイルサーチ画面230上での位置は変わらずに、サムネイルサーチ画面230のページが1つ前のページに切り換えられ、新たな選択サムネイル画像232として、現在選択されている選択サムネイル画像232の12枚前のサムネイル画像231が選択される。
位置情報「+7」〜「+9」に対して、ジャンプ数「+24」が対応付けられる。この場合には、サムネイルサーチ画面230が2ページ先に切り換えられ、現在選択されている選択サムネイル画像232の24枚先のサムネイル画像231が選択される。同様に、位置情報「−7」〜「−9」に対してジャンプ数「−24」が対応付けられる。この場合には、サムネイルサーチ画面230が2ページ前に切り換えられ、現在選択されている選択サムネイル画像232の24枚前のサムネイル画像231が選択される。
また、サーチバー30の両端、すなわち位置情報「+10」および「−10」に対して、光ディスク5に記録されたクリップのうち先頭および末尾のクリップに対応するサムネイル画像231がそれぞれ対応付けられる。すなわち、手指がサーチバー30の右端の、位置情報「+10」に対応する区間に触れたことが検出されると、現在装填されている光ディスク5に最も新しく記録されたクリップに対応するサムネイル画像231が選択サムネイル画像232とされ、当該選択サムネイル画像232を左上隅に配してサムネイルサーチ画面230の1画面が表示される。
また、手指がサーチバー30の左端の、位置情報「−10」に対応する区間に触れたことが検出されると、現在装填されている光ディスク5に最も古く記録されたクリップに対応するサムネイル画像231が選択サムネイル画像232とされ、当該選択サムネイル画像232を、現在装填されている光ディスク5に記録されている全てのクリップ数を12で除した剰余に対応する、サムネイルサーチ画面230上の位置に配してサムネイルサーチ画面230の1画面が表示される。当該選択サムネイル画像232を、右下隅に配してサムネイルサーチ画面230を表示させてもよい。
なお、上述の、サーチバー30の位置情報と新たな選択サムネイル画像232の現在選択されている選択サムネイル画像232からのジャンプ数との対応関係は、あくまで一例であって、この例に限定されるものではない。
上述では、位置情報「−1」〜位置情報「−9」および位置情報「+1」〜「+9」を、それぞれ位置情報について等分して、等分されたそれぞれの位置情報の組において同一のジャンプ数を対応付けているが、例えば、位置情報「STILL」から遠ざかるにつれ、位置情報の組を小さくすることが考えられる。一例として、図32を参照し、右方向について、位置情報「+1」〜「+3」に対してジャンプ数「+1」を対応付け、位置情報「+4」〜「+6」に対してジャンプ数「+12」を対応付け、位置情報「+7」および「+8」に対してジャンプ数「+24」を対応付け、位置情報「+9」に対してジャンプ数「+36」を対応付ける。
また、図33に一例が示されるように、位置情報をジャンプ数に応じて大まかに設定し、それぞれに異なるデータ値範囲を割り当てることも可能である。図33の例では、位置情報「STILL」で示される、サーチバー30の中央部に対応する区間から離れるにつれ、徐々に狭いデータ値範囲を1区間に対して割り当てるようにしている。この例では、中央部およびその両側の区間それぞれに40ビットに対応する範囲が割り当てられているのに対し、ジャンプ数「+36」および「−36」に対応する区間には、それぞれ10ビットに対応する範囲が割り当てられている。
このような対応関係は、例えばKYマイコン44が有する図示されないROM(Read Only Memory)に予め記憶される。複数の異なる対応関係を予め記憶しておき、セットアップメニュー画面などで適宜選択して用いるようにできる。
5−3.サムネイルサーチ画面の詳細化について
この発明の実施の一形態においては、サムネイルサーチ画面230において選択された選択サムネイル画像232に基づきさらに詳細なサムネイル画像を生成し、詳細サムネイル画像からなる詳細サムネイルサーチ画面を表示させることができる。
図34および図35を用いて、詳細サムネール画像および詳細サムネイルサーチ画面について、概略的に説明する。図34は、詳細サムネイルサーチ画面の一例の表示を示す。また、図35は、詳細サムネイル画像とクリップとの一例の関係を示す。
図34Aは、図31Aを用いて説明した、通常のサムネイルサーチ画面230である。既に説明したように、サムネイルサーチ画面230に対して、サムネイル画像231、231、・・・が、1画面当たり縦3行×横4列の計12枚、表示されている。実際のデータとの関係を示すと、図35Aに一例が示されるように、光ディスク5に記録されたクリップのうちサムネイルサーチ画面230に表示可能な12個のクリップの例えば先頭フレームが、光ディスク5に記録された順番に、サムネイル画像231、231、・・・として表示される。現在、左上隅のサムネイル画像231から数えて3枚目のサムネイル画像231が選択されて選択サムネイル画像232とされている。
図34Aの状態で、フロントパネル2上の所定キー(ズームキーとする)を押すことで、画面表示が図34Bに一例が示される、詳細サムネイルサーチ画面230Bに切り替わる。この詳細サムネイルサーチ画面230Aは、図34Aで示されるサムネイルサーチ画面230における選択サムネイル画像232に対応するクリップ#3を、時間軸上で等分し、等分したそれぞれの区間における代表画像を詳細サムネイル画像231A、231A、・・・として表示する。以下では、クリップを分割した区間を第1サブクリップと呼ぶ。
なお、フロントパネル2上に配置された各キーのうち、サムネイルサーチ画面表示の際に用いられないキーにズームキーの機能を割り当てることができる。例えば、ページキー21やディスプレイキー22に対して、ズームキーの機能を割り当てることができる。勿論、ズームキーとして専用のキーを設けてもよい。
この図34の例では、1画面に12枚のサムネイル画像が表示可能とされているため、図35Bに一例が示されるように、クリップ#3を時間軸上で12等分して12個の第1サブクリップを生成し、それぞれの第1サブクリップの先頭フレームを詳細サムネイル画像231A、231A、・・・として用いている。この図34Bの詳細サムネイルサーチ画面230Aは、元のサムネイルサーチ画面230に対して12倍の精度を持つということができる。
なお、この詳細サムネイルサーチ画面230Aの元になるサムネイル画像231、すなわち、図34Aにおける選択サムネイル画像232は、詳細サムネイルサーチ画面230Aの左上隅の詳細サムネイル画像231Aとして表示される。また、詳細サムネイルサーチ画面230Aに切り替わった直後は、当該クリップの現在の位置に対応するフレームが含まれる第1サブクリップによる詳細サムネイル画像231Aが、選択詳細サムネイル画像232Aとされる。図34Bの例では、左上隅から数えて6枚目の詳細サムネイル画像が選択詳細サムネイル画像232Aとされている。
また、詳細サムネイルサーチ画面230Aの所定位置に、選択サムネイル画像232Aに対応する区間の、クリップ内での相対位置を表示することができる。相対位置は、例えば分数の形式で示され、図34Bおよび図35Bの例では、第1サブクリップ#6が選択されているため、「6/12」などと表示される。
詳細サムネイルサーチ画面230Aの表示は、例えば次のようにしてなされる。サムネイルサーチ画面230において選択サムネイル画像232が選択されている状態でズームキーを押すと、選択サムネイル画像232に対応したクリップがインデックスファイル「INDEX.XML」に基づき光ディスク5から読み出され、クリップのデータのうち補助ビデオデータが補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69でデコードされ、RAM65に溜め込まれる。
デコードされRAM65に溜め込まれた補助ビデオデータについて、図35Bに例示されるように時間軸上で12等分して12個の第1サブクリップを生成し、それぞれのサブクリップの先頭のフレームがRAM65から読み出され、詳細サムネイル画像231A、231A、・・・として詳細サムネイルサーチ画面230Aの表示に用いられる。
詳細サムネイルサーチ画面230Aにおいて、フロントパネル2上の例えばプレイバックキー25Bを押すことで、当該クリップを、選択詳細サムネイル画像232Aとして表示されているフレームから、再生することができる。例えば、RAM65に溜め込まれた補助ビデオデータが選択サムネイル画像232Aとして表示されているフレームから順に、読み出される。同様に、セットキー23Cを押すことで、詳細選択サムネイル画像232Aとして表示されているフレームがスチル再生される。なお、サムネイル画像に基づく再生を、本線系ビデオデータを用いて行ってもよい。
また、詳細サムネイルサーチ画面230Aが表示されている状態でリセットキー23Dを押すことで、表示が通常のサムネイルサーチ画面230に戻る。この場合、現在位置のフレームが含まれるクリップに対応するサムネイル画像231がサムネイルサーチ画面230における選択サムネイル画像232Aとされる。
詳細サムネイルサーチ画面230Aにおいて、詳細サムネイル画像231A、231A、・・・から所定に選択された選択詳細サムネイル画像232Aについて、図34Cに一例が示されるように、さらに詳細サムネイルサーチ画面230Bを表示させることができる。
図34Bの詳細サムネイルサーチ画面230Aが表示されている状態で、フロントパネル2上のズームキーをさらに押すことで、画面表示が図34Cの詳細サムネイルサーチ画面230Bに切り替わる。この詳細サムネイルサーチ画面230Cは、図35Cに一例が示されるように、図34Bにおける選択詳細サムネイル画像232Aが含まれる第1サブクリップ#6を12等分し、それぞれの区間の先頭フレームを詳細サムネイル画像231B、231B、・・・として、詳細サムネイルサーチ画面230Bに対して表示する。以下では、第1サブクリップを分割した区間を、第2サブクリップと呼ぶ。第2サブクリップは、換言すれば、元のクリップを2段階、分割することで生成される。
この図34Cの詳細サムネイルサーチ画面230Bは、図34Bの詳細サムネイルサーチ画面230Aに対して12倍の精度を持つ。したがって、詳細サムネイルサーチ画面230Bは、図34Aのサムネイルサーチ画面230に対して144倍の精度を持つ。
詳細サムネイルサーチ画面230Aの場合と同様に、この詳細サムネイルサーチ画面230Bの元になるサムネイル画像231A、すなわち、図34Bにおける選択サムネイル画像232Aは、詳細サムネイルサーチ画面230Bの左上隅の詳細サムネイル画像231Bとして表示される。また、詳細サムネイルサーチ画面230Bに切り替わった直後は、当該クリップの現在の位置に対応するフレームが含まれる第2サブクリップによる詳細サムネイル画像231Bが、選択詳細サムネイル画像232Bとされる。
この詳細サムネイルサーチ画面230Bの場合も、上述の詳細サムネイルサーチ画面230Aの場合と同様に、所定位置に、選択サムネイル画像232Bに対応する区間の、クリップ内での相対位置を表示することができる。図34Cおよび図35Cの例では、第1サブクリップ#6に対し、さらに第2サブクリップ#7が選択されており、第2サブクリップ#7のクリップ内の相対位置は、6×12+7=79から「79/144」などと表示される。
この144倍の精度を持つ詳細サムネイル画像231Bの表示は、例えば次のようにしてなされる。詳細サムネイルサーチ画面230Aにおいて選択詳細サムネイル画像232Aが選択されている状態でズームキーを押すと、詳細サムネイルサーチ画面230Aを表示するために既にRAM65上に溜め込まれている補助ビデオデータが時間軸上で12等分されたそれぞれの第1サブクリップを、図35Cに例示されるようにさらに12等分し、12個の第2サブクリップを生成する。そして、選択詳細サムネイル画像232Aが含まれる第2サブクリップそれぞれの先頭のフレームが、詳細サムネイル画像231B、231B、・・・として詳細サムネイルサーチ画面230Bの表示に用いられる。
詳細サムネイルサーチ画面230Bにおいて、フロントパネル2上の例えばプレイバックキー25Bを押すことで、当該クリップを、選択詳細サムネイル画像232Bとして表示されているフレームから、再生することができる。例えば、RAM65に溜め込まれた補助ビデオデータが選択詳細サムネイル画像232Bとして表示されているフレームから順に、読み出される。同様に、セットキー23Cを押すことで、選択詳細サムネイル画像232Bとして表示されているフレームがスチル再生される。
なお、サムネイルサーチ画面または詳細サムネイルサーチ画面が表示されている状態でサムネイルキー23Bを押すと、表示が全画面表示すなわちモニタ画面220の表示に切り替わる。モニタ画面では、サムネイルサーチ画面または詳細サムネイルサーチ画面で選択状態にあったサムネイル画像がスチル再生される。クリップをさらに分割した各区間の代表画像に基づきクリップ内を検索することができるので、クリップの代表画像のみに基づいた場合に比べて、クリップの内容を容易に把握することができるると共に、長尺クリップでの頭出しなども、極めて容易に行うことができる。
また、詳細サムネイルサーチ画面230Bが表示されている状態でリセットキー23Dを押すことで、表示が通常のサムネイルサーチ画面230に戻る。この場合、現在位置、すなわち、詳細サムネイルサーチ画面230Bの元となるフレームが含まれるクリップに対応するサムネイル画像231がサムネイルサーチ画面230における選択サムネイル画像232とされる。
なお、この144倍の精度を持つ詳細サムネイルサーチ画面230Bを表示する場合において、選択詳細サムネイル画像232Aが含まれる第1サブクリップのみについて、フレーム数を12等分するようにしてもよい。
詳細サムネイルサーチ画面230Aおよび詳細サムネイルサーチ画面230Bにおいて、所定の操作、例えばシフトキー24とズームキーとを共に押すことで、1段階精度の粗い画面に戻ることができる。例えば、詳細サムネイルサーチ画面230Bが表示されている状態でシフトキー24とズームキーとを共に押すことで、表示が詳細サムネイルサーチ画面230Aに切り替わる。同様に、詳細サムネイルサーチ画面230Aが表示されている状態でシフトキー24とズームキーとを共に押すことで、表示がサムネイルサーチ画面230に切り替わる。
この、1段階制度の粗い画面に戻った際には、現在位置に対応するフレームを含むサブクリップの先頭フレームを選択サムネイル画像とする。また、この場合、選択サムネイル画像ができるだけ画面の中央に配置されるように表示される。
詳細サムネイルサーチ画面230Aおよび230Bにおいて、選択サムネイル画像232Aおよび232Bの変更は、上述のサムネイルサーチ画面230の場合と同様に、4方向キー27やサーチバー30を用いて行うことができる。
また、詳細サムネイルサーチ画面230Cのように、元のクリップを2段階以上分割した場合に、例えばサーチバー30を用いてサムネイル画像のジャンプ数を「12」、「24」、・・・などとした場合には、画面表示が、時間的に前または後の上位のサブクリップによるものに切り替わる。例えば、図35の例では、図35Bの第1サブクリップ#6に基づく第2サブクリップによる詳細サムネイルサーチ画面230Bにおいてジャンプ数「12」が指定された場合、第1サブクリップ#7に基づく第2サブクリップによる詳細サムネイルサーチ画面230Bが表示される。
なお、上述では、元のクリップの分割を2段階、行い、元のクリップに対して12倍の精度を持つ詳細サムネイルサーチ画面230Aと、144倍の精度を持つ詳細サムネイルサーチ画面230Bとを順次、切り替えて表示するようにしているが、これはこの例に限定されず、元クリップの分割をさらに多段階で行い、それぞれ詳細サムネイルサーチ画面を表示できるようにしてもよい。すなわち、詳細サムネイルサーチ画面は、再帰的に作成することができる。例えば、144倍の精度を持つ詳細サムネイルサーチ画面230Bから、さらに12等分の分割を行い、1728倍の精度を持つ詳細サムネイルサーチ画面を表示するようにできる。
6.サーチバーによる他の方法での再生制御について
6−1.他の方法の再生制御の概略について
上述では、サーチバー30をビデオデータの再生制御に用いる際に、サーチバー30に手指が触れたことが検出された位置に応じた再生速度情報を出力するようにしているが、サーチバー30の位置検出出力に基づく再生速度情報の出力方法は、この例に限定されない。例えば、サーチバー30を触れた手指を、サーチバー30を触れた状態を保ちながら横方向に移動させた際の、手指の移動速度に応じて再生速度情報を出力する。なお、以下では、「(手指を)触れた状態を保ちながら移動させる」動作を、適宜、「なぞる」と表現する。
以下、サーチバー30をなぞる際の手指の移動速度に応じて再生速度情報を出力する方法について説明する。サーチバー30をなぞる際の手指の移動速度は、サーチバー30に手指が触れたことが検出された位置および時刻と、当該時刻から所定時間を経過した後に手指が触れている位置とを検出することで、求めることができる。
さらに、求められた移動速度に応じて、サーチバー30から手指が離された際の再生停止処理の動作モードとを決定する。例えば、サーチバー30から手指が離される直前の移動速度に対して、第1の閾値を設定する。
サーチバー30から手指が離される直前の移動速度が第1の閾値以下であれば、手指がサーチバー30から離れたら、手指が離れる直前に再生されたフレームをスチル再生する、スチル停止モードとする。
サーチバー30から手指が離される直前の移動速度が第1の閾値を越えていれば、サーチバー30から手指が離れた際に徐々に再生速度を減速させ所定時間後にスチル再生とする、フライホイール停止モードとする。すなわち、フライホイール停止モードでは、手指が離れた後の所定時間の間、負の加速度で以て再生がなされる。より具体的には、フライホイール停止モードでは、手指が離れた直後は、手指が離れる直前の再生速度に略等しい再生速度で再生がなされ、時間の経過と共に再生速度が減速され、所定時間が経過すると、再生速度0、すなわちスチル再生とされる。減速は、例えば、[−1倍速]/sec程度とする。すなわち、5倍速の再生速度で再生していた場合は、5秒かけて減速されて停止され、スチル再生とされる。
さらに、手指がサーチバー30をなぞっている間の移動速度に対して第2の閾値を設定することができる。手指がサーチバー30をなぞっている間の移動速度が第2の閾値を越えた場合は、1倍速以上の所定の固定速度(例えば5倍速)での再生を行う。
なお、第2の閾値として設定される速度は、第1の閾値として設定される速度より、高速とされる。一例として、第1の閾値が0.5cm/1sec程度、第2の閾値が5cm/0.2sec程度とされる。
勿論、再生方向も、サーチバー30をなぞる方向に対応させられる。例えば、サーチバー30を右方向に向けてなぞると正方向の再生とされ、左方向に向けてなぞると逆方向の再生とされる。
一例として、図36に例示されるように、サーチバー30のデータ値「80」に対応する位置(位置「80」とする)からデータ値「200」に対応する位置(位置「200」とする)までなぞる場合について考える。位置「80」から位置「200」までなぞる間、再生速度は、1フレームずつ再生を行うコマ送り再生の速度から、例えば5倍速といった高速再生までの範囲で、なぞる速度に応じて段階的または連続的に変化される。
位置「200」までなぞり、手指がサーチバー30から離された際に、手指がサーチバー30から離される直前の手指の移動速度が第1の閾値より小さければ、再生の停止処理がスチル停止モードで行われ、手指が位置「200」にあった際に再生されたフレームがスチル再生される。
一方、位置「200」までなぞり、手指がサーチバー30から離された際に、手指がサーチバー30から離される直前の手指の移動速度が第1の閾値より大きければ、再生の停止処理がフライホイール停止モードで行われ、手指が位置「200」にあった時点おける再生速度から、所定時間をかけて再生速度が減速され、手指が位置「200」にあった時点から当該所定時間後には、再生が停止され、停止の時点でのスチル再生とされる。
このように、サーチバー30から手指が離される直前の、サーチバー30上の手指の移動速度に応じて、スチル停止モードおよびフライホイール停止モードを切り換えるようにしているため、恰もフィルムを手で送って映出させているような感覚で、所望のフレームをサーチすることができる。
すなわち、正方向の再生を行っているこの図36の例では、位置「200」において、サーチバー30から手指を離す際に、例えば手指を右側にすっと抜くように離すことで、停止モードがフライホイール停止モードとされ、再生速度が減速されながら再生が継続され、手指が離されてから所定時間後に、再生速度が0とされスチル再生とされる。また、サーチバー30から手指を離す際に、位置「200」において手指を一瞬止めるようにすることで、停止モードがスチル停止モードとされる。
6−2.他の方法による再生制御のより具体的な処理の例について
図37は、このような、サーチバー30をなぞる速度に応じて再生制御を行う際の一例の処理を示すフローチャートである。このフローチャートによる処理は、例えばKYマイコン44により実行される。なお、この図37に示すフローチャートは、このサーチバー30をなぞる速度に応じて再生制御を行う処理を実現可能とする一方法であって、このフローチャートによる処理に限定されるものではない。
ステップS30でサーチバー30に手指が触れたことが検出されると、ステップS31で、手指が触れた位置P1が検出される。位置P1は、例えばサーチバー30から出力されるディジタルデータ値として検出される。
手指が触れた位置が検出されると、ステップS32で、サーチバー30に対して未だに手指が触れているか否かが判断される。若し、手指が触れている状態が維持されていると判断されれば、処理はステップS33に移行され、ステップS31あるいは後述するステップS34による位置検出から単位時間ΔTが経過したか否かが判断される。経過していないと判断されれば、処理はステップS32に戻される。なお、単位時間ΔTは、例えば数ミリ秒乃至数十ミリ秒程度とする。
若し、ステップS33で、前回位置検出が行われた時点から単位時間ΔTが経過していると判断されれば、処理はステップS34に移行され、サーチバー30に手指が触れている位置P2が検出される。そして、次のステップS35で、次式(1)により、サーチバー30上を手指がなぞる速度S1が算出される。
S1=(P2−P1)/ΔT ・・・(1)
ステップS35で速度S1が算出されると、ステップS36で、算出された速度S1に基づき、再生速度が設定される。速度Sの絶対値が第2の閾値以下であれば、速度S1に応じた再生速度が設定され、速度S1の絶対値が第2の閾値を越えていれば、例えば5倍速といった固定的な再生速度に設定される。次のステップS37で、設定された再生速度に基づき再生制御信号が生成され、システムコントローラ45に供給される。なお、速度S1が正の値であれば、正方向の再生を示し、負の値であれば逆方向の再生を示す。再生制御信号が生成されると、処理はステップS32に戻される。
一方、上述したステップS32で、サーチバー30から手指が離れたと判断されれば、処理はステップS38に移行する。ステップS38では、サーチバー30から手指が離された位置P3が検出される。そして、ステップS39で、次式(2)により、サーチバー30から手指が離された直前の、サーチバー30上を手指がなぞる速度S2が算出される。
S2=(P3−P2)/ΔT ・・・(2)
この速度S2に基づき、ステップS40で、再生停止処理の動作モードが決定される。速度S2が第1の閾値と比較され、速度S2が第1の閾値より小さいと判断されれば、スチル停止モードで停止処理がなされる。一方、速度S2が第1の閾値よりも大きいと判断されれば、フライホイール停止モードで停止処理がなされる。
なお、上述では、サーチバー30から手指が離れた際に、サーチバー30を手指がなぞる際の移動速度に応じた停止処理を行っていたが、これはこの例に限定されない。例えば、サーチバー30に手指が触れられなぞり動作が行われ、サーチバー30から手指が離されるまでの距離をさらに用い、当該移動距離と移動速度とに応じて、サーチバー30から手指が離れた際の停止処理を制御することができる。サーチバー30に手指が触れられなぞり動作が行われ、サーチバー30から手指が離されるまでの距離は、換言すれば、サーチバー30上で手指の移動速度が検出された距離である。
一例として、移動距離に対して第3の閾値を設け、サーチバー30から手指が離れた際の移動距離が第3の閾値を越え、且つ、サーチバー30から手指が離される際の速度S2が上述の第1の閾値を越えていれば、フライホイール停止モードで停止処理がなされる。一方、移動距離が第3の閾値を越えていないか、あるいは、速度S2が上述の第1の閾値を越えていなければ、スチル停止モードで停止処理がなされる。
より具体的には、例えば、上述したフローチャートにおける例えばステップS38で検出された位置P3と、ステップS31で検出された位置P1とを用いて、手指の移動距離Dを求める。そして、この移動距離Dが第3の閾値を越えているか否かと、ステップS39で算出された速度S2が第1の閾値を越えているか否かとが、それぞれ判断される。そして、判断結果に基づき、上述のようにして再生停止処理の動作モードを決定する。
なお、この、サーチバー30をなぞる速度に応じて再生制御を行う例においても、LEDによる表示を伴わせることができる。この場合には、サーチバー30に手指が触れている位置およびその近傍のLEDを点灯させることが考えられる。
7.その他
なお、上述では、この発明に適用可能な記録再生装置1は、光ディスク5を記録媒体として用いるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、図38に一例が示されるように、磁気テープ500を記録媒体として用いた記録再生装置1’に対して、この発明を適用することができる。なお、図38において、上述した図8と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
信号処理部3から出力された本線系AVデータおよび補助AVデータは、ドライブ部400に供給される。ドライブ部400は、供給された本線系AVデータおよび補助AVデータに対して、例えば、所定の複数トラックに1フレーム分の本線系AVデータおよび補助AVデータが詰め込まれるようにデータのマッピングを行い、さらにエラー訂正符号化処理など所定の処理を施して記録データを生成する。記録データは、所定に変調されて記録信号とされ、図示されない回転ヘッドにより磁気テープ500に対してヘリカルトラックを形成することにより、記録される。再生時には、磁気テープ500から再生された再生信号が復調され再生データとされ、再生データに対してエラー訂正符号の復号化など所定の処理を施し、本線系AVデータおよび補助AVデータを再生する。再生された補助AVデータに基づき、サムネイルサーチ画面230、詳細サムネイルサーチ画面230Aおよび230Bに表示するためのサムネイル画像を生成する。
さらにまた、この発明は、図39に一例が示されるように、半導体メモリ501を記録媒体に用いた記録再生装置1”に対して適用することもできる。なお、図39において、上述した図8と共通する部分については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。半導体メモリ501としては、例えば、データの書き換えが可能で、記憶内容が不揮発性の、フラッシュメモリを用いることができる。
信号処理部3から出力された本線系AVデータおよび補助AVデータは、メモリI/F部401に供給される。本線系AVデータおよび補助AVデータは、メモリI/F部401で例えばエラー訂正符号化処理といった所定の処理が施され、メモリ501に書き込まれる。メモリ501に対する書き込み単位を、上述した年輪単位とすることができる。再生時には、メモリI/F部401がメモリ501に書き込まれたデータを読み出し、エラー訂正符号を復号化して本線系AVデータおよび補助AVデータを再生する。再生された補助AVデータに基づき、サムネイルサーチ画面230、詳細サムネイルサーチ画面230Aおよび230Bに表示するためのサムネイル画像を生成する。