JP2006303020A - コンデンサ内蔵プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表面に信号線が設けられた第1の絶縁層と、この第1の絶縁層に接して設けられたコンデンサと、このコンデンサに接して設けられた第2の絶縁層とを備えたコンデンサ内蔵プリント配線板において、上記コンデンサのグラウンド層が上記第1の絶縁層と接し、上記コンデンサのコンデンサ電極が上記第2の絶縁層と接し、上記信号線が上記第1の絶縁層と上記グラウンド層と上記コンデンサ層とを貫通するビアで上記コンデンサ電極と電気的に接続されており、上記ビアが絶縁材で形成された間隙部により上記グラウンド層と電気的に絶縁されたものである。
【選択図】図1
Description
このため、高周波機器に用いるコンデンサ内蔵プリント配線板では、高周波信号を伝達する第1の信号線に接続された内蔵コンデンサの電極と、第1の信号線に隣接する第2の信号線との距離が近くなっている。例えば、第1の信号線が接続された内蔵コンデンサの電極の直上にある配線板面に第2の信号線が設けられるようになっている。
その結果、第1の信号線と第2の信号線との電磁結合量が大きくなり、第1の信号線と第2の信号線とが互いに干渉し、これら信号線に接続された機器が誤動作するという問題があった。
さらに、第2の信号線の直下にコンデンサ電極が存在するため、第2の信号線とグラウンドとからなる伝送線路の特性インピーダンスが変動し、信号伝送効率が悪くなるという問題があった。
図1は、本発明の実施の形態1のコンデンサ内蔵プリント配線板を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態のコンデンサ内蔵プリント配線板20は、このプリント配線板20における第1の絶縁層5の表面(E面)に、第1の信号線10と、第1の信号線に流れる信号と異なる信号が流れる第2の信号線12とが設けられている。図1に示すように、第2の信号線12は一本のみならず複数本であっても良い。この第1の信号線10は、第1の絶縁層5のE面と対向する面(F面)に設けられたグラウンド層2と対になり、第1の伝送線路を形成している。また、第2の信号線12も、第1の絶縁層5のF面に設けられたグラウンド層2と対になり、第2の伝送線路を形成している。
また、グラウンド層2のF面に接する面と対向する面にコンデンサ層1が接して設けられており、コンデンサ層1のグラウンド層2に接する面と対向する面には、コンデンサ電極4が設けられている。そして、コンデンサ電極4とコンデンサ層1とグラウンド層2とで、内蔵コンデンサ9を形成している。コンデンサ電極4が設けられたコンデンサ層1の面には、第2の絶縁層3が接して設けられいる。すなわち、第1および第2の信号線が設られた第1の絶縁層5と、グラウンド層2とコンデンサ層1とコンデンサ電極4とからなる内蔵コンデンサ9と、第2の絶縁層3とが積層されてコンデンサ内蔵プリント配線板20を形成している。
そして、本実施の形態のコンデンサ内蔵プリント配線板20では、第1の信号線10が、第1の絶縁層5とグラウンド層2とコンデンサ層1とを貫通し、且つグラウンド層2から絶縁されたビア6によって、コンデンサ電極4と電気的に接続されており、内蔵コンデンサ9は、例えば第1の信号線10に流れる信号の高周波ノイズの除去に用いられる。
図1と図2とに示すように、第1の信号線10とビア6とは、第1の信号線10に設けたランド15で接続されている。また、グラウンド層2には、ビア6より大きな孔が設けられ、ビア6とグラウンド層2との間隙部7には、絶縁材が存在し、ビア6とグラウンド層2とは電気絶縁されている。上記絶縁材は、第1の絶縁層5であっても良く、または、コンデンサ層1の誘電体であっても良い。
コンデンサ内蔵プリント配線板をこのような構造にすることにより、コンデンサ電極4の第1の絶縁層5のE面への投影領域が、第2の信号線12と重なっても、グラウンド層2が遮蔽体となり、第1の信号線10につながるコンデンサ電極4と第2の信号線12との電磁結合が抑制される。すなわち第1の信号線10と第2の信号線12との電磁結合が抑制され、第2の信号線につながる回路の誤動作が防止できる。また、第2の信号線12とグラウンド層2とで形成される伝送線路の特性インピーダンスの変動が防止され、伝送効率が向上する。
本実施の形態のコンデンサ内蔵プリント配線板20では、第2の絶縁層3のコンデンサ電極4が設けられた面(G面と記す)と対向する面(H面と記す)には何もないが、コンデンサ電極4と十分に離れた位置に第3の信号線や回路を設けても良く、さらに、コンデンサ電極4と十分に離れた位置に回路が設けられた基板層を設けても良い。
まず、コンデンサ電極4を写真製版法で形成した第2の絶縁層3となるコア基板を準備する。このコア基板のコンデンサ電極4が設けられた面に、接着性を有するコンデンサ層1とグラウンド層2となる銅箔とを、この順に積層する。この銅箔を写真製版法により加工しグラウンド層2とするとともに、グラウンド層2に間隙部7を形成する。
次に、グラウンド層2の面に、第1の絶縁層5となる基材と信号線となる銅箔とを、この順に積層する。写真製版法によりビア6を形成する位置の銅箔を除去し、この位置にコンデンサ電極4に到達する孔をあける。この時、上記孔は、間隙部7を貫通させる。
次に、上記孔に、例えばパネル銅めっきを行い、銅によるビア6を形成する。ビア6は銅めっき以外、導電性樹脂などの導電性材料で形成しても良い。
最後に、第1の絶縁層5のE面に積層された銅箔を、写真製版法により加工し、第1の信号線10とランド15と第2の信号線12とを形成する。
このようにして、本実施の形態のコンデンサ内蔵プリント配線板20が得られる。
また、コンデンサ層1には、一般的な絶縁性の接着フィルムを用いることができ、例えば、松下電工株式会社製R1661(厚さ0.1mm)などが使用できる。単位面積あたりの容量が大きいコンデンサを得るためには、厚さが0.1mm以下の接着フィルムを用いるのが好ましく、厚さが0.02mm以下の接着フィルムを用いるのがより好ましい。また、比誘電率の高い材料を用いてもかまわない。
第1の絶縁層5には、一般的な多層プリント配線板用の基材を用いることができ、たとえば、松下電工株式会社製R1661(厚さ0.2mm)などが使用できる。
銅箔にはプリント配線板用の一般的な材料を用いることができ、たとえば、古河電工株式会社製のF3‐WS(厚さ0.012mm)などが使用できる。
図3は、本発明の実施の形態2のコンデンサ内蔵プリント配線板を示す断面図である。図3に示すように、本実施の形態のコンデンサ内蔵プリント配線板30は、実施の形態1のコンデンサ内蔵プリント配線板20において、第2の絶縁層3におけるコンデンサ電極4が設けられた面(G面)と対向する面(H面)に、第2のグラウンド層32と第3の絶縁層35とをこの順に積層したものであり、第3の絶縁層35の第2のグラウンド層32が接する面(I面)と対向する面(J面)に、第3の信号線11が設けられたものである。本実施の形態では、実施の形態1におけるグラウンド層2を第1のグラウンド層2bとしている。
このような構成にすることにより、第3の絶縁層35におけるJ面へのコンデンサ電極4の投影領域内に、第3の信号線11が設けらていても、第1の信号線10につながるコンデンサ電極4と第3の信号線11との電磁結合が抑制される。すなわち第1の信号線10と第3の信号線11との電磁結合が抑制され、第3の信号線につながる回路の誤動作が防止できる。また、第3の信号線11とグラウンド層とで形成される伝送線路の特性インピーダンスの変動が防止され、伝送効率が向上する。
図4は、本発明の実施の形態3のコンデンサ内蔵プリント配線板を示す断面図である。図4に示すように、本実施の形態のコンデンサ内蔵プリント配線板40は、実施の形態1のコンデンサ内蔵プリント配線板20における第2の絶縁層43のH面に、第2のコンデンサ電極44が設けられている。さらに、この第2のコンデンサ電極44が設けられた第2の絶縁層43のH面に、第2のコンデンサ層41と第2のグラウンド層42とが、この順に積層され、第2のコンデンサ49が形成されている。さらに、第2のグラウンド層42における第2のコンデンサ層41に接する面と対向する面に、第3の絶縁層45が設けられている。
さらに、第2の絶縁層43には、第1のコンデンサ電極4bと第2のコンデンサ電極44とを電気的に接続する第2のビア46が設けられている。
まず、第2のグラウンド層42を写真製版法で形成した第3の絶縁層45となるコア基板を準備する。
次に、両面の銅箔を備えた基板の各々面を写真製版法で加工し、第1のコンデンサ電極4bと第2のコンデンサ電極44とを備えた第2の絶縁層43を準備する。このコア基板の電極部を孔あけ加工し、実施の形態1に記載の方法により第2のビア46を形成して、第1のコンデンサ電極4bと第2のコンデンサ電極44とを電気的に接続する。
次に、第3の絶縁層45に設けられた第2のグラウンド層42の面に、接着性を有する第2のコンデンサ層41、および、上記の電気的に接続された第1のコンデンサ電極4bと第2のコンデンサ電極44とを備えた第2の絶縁層43を、この順に積層する。
次に、第1のコンデンサ電極4bが設けられた第2の絶縁層43上に、実施の形態1と同様にして、第1のコンデンサ層1b、第1のグラウンド層2b、第1の絶縁層5、第1のビア6b、第1の信号線10および第2の信号線を12を設けて、本実施の形態のコンデンサ内蔵プリント配線板40を得る。
実施の形態1のコンデンサ内蔵プリント配線板20、すなわち、図1に示す構造のコンデンサ内蔵プリント配線板20を準備した。
具体的には、第1の絶縁層5は厚さ0.2mmのプリント配線板の基材とし、グラウンド層2は厚さ0.012mmのプリント配線板用銅箔とした。また、コンデンサ層1は厚さ0.1mmの接着フィルムとし、第2の絶縁層3はコア基板の厚さ0.2mmの基材層とし、コンデンサ電極4は厚さ0.012mmの銅箔とした。そして、コンデンサ電極4は、4mm角の正方形とした。
第1の信号線10と第2の信号線12とは、厚さ0.012mmの銅箔を写真製版法で加工した幅0.286mmの配線とした。
ビア6の直径は0.1mmとし、ビア6の中心から信号線12までの距離を1mmとし、間隙部7の外径を2.3mmとした。
間隙部7の外径D(mm)を表1に示すものにした以外、実施例1と同様なコンデンサ内蔵プリント配線板20を、準備した。
各コンデンサ内蔵プリント配線板20について、実施例1と同様にして、電磁結合量C1(db)を求め、表1に示した。
図5は、実施例1〜7のコンデンサ内蔵プリント配線板と対比する比較例1のコンデンサ内蔵プリント配線板である。
図5に示すように、比較例1のコンデンサ内蔵プリント配線板50は、第1の絶縁層5の面にコンデンサ電極4を設け、第2の絶縁層3の面にグラウンド層2を設け、第1の絶縁層5に設けられたコンデンサ電極4と第2の絶縁層3に設けられたグラウンド層2とで、コンデンサ層4を挟持して内蔵コンデンサ9を形成した以外、実施例1のコンデンサ内蔵プリント配線板と同様である。
そして、比較例1のコンデンサ内蔵プリント配線板50について、実施例1と同様にして、電磁結合量C1(db)を求め、表1に示した。
すなわち、実施例1〜実施例7のコンデンサ内蔵プリント配線板では、第1のグラウンド層2が、第2の信号線12への電磁結合の有効な遮蔽体として作用している。
特に、間隙部7の第1の絶縁層5のE面への投影領域が、第2の信号線12と重ならない範囲である実施例2〜7のコンデンサ内蔵プリント配線板は、電磁結合量C1がさらに小さくなる。
そして、間隙部7の外周から第2の信号線までの距離が第1の絶縁層5の厚さ(t5)の1/2乗以上となる実施例3〜7では、電磁結合量C1がより一層小さくなる。
実施の形態2のコンデンサ内蔵プリント配線板30、すなわち、図3に示す構造のコンデンサ内蔵プリント配線板を準備した。
本実施例、すなわち実施の形態2のコンデンサ内蔵プリント配線板30において、実施の形態1のコンデンサ内蔵プリント配線板20に相当する部分は、実施例6と同様にした。そして、第2のグラウンド層32には厚さ0.012mmのプリント配線板用銅箔とし、第3の絶縁層35は、厚さ0.2mmのプリント配線板の基材とし、第3の信号線11は、厚さ0.012mmの銅箔を写真製版法で加工した幅0.286mmの配線とした。
本実施例のコンデンサ内蔵プリント配線板30の第1の信号線10に、強度がS1である1GHzの高周波信号を入力し電磁結合により、第2の信号線12に発生する信号出力の強度S2と第3の信号線11に発生する信号出力の強度S3とを測定した。そして、S1とS2との比から電磁結合量C1(dB)を求め、S1とS3との比から電磁結合量C2(dB)を求めた。得られた電磁結合量C1とC2とを、間隙部7の外径D(mm)とともに、表2に示した。
実施の形態3のコンデンサ内蔵プリント配線板40、すなわち、図4に示す構造のコンデンサ内蔵プリント配線板を準備した。
本実施例、すなわち実施の形態3のコンデンサ内蔵プリント配線板30では、第2のコンデンサ電極44は厚さ0.012mmで4mm角の正方形の銅箔とし、第2のコンデンサ層41は厚さ0.1mmの接着フィルムとし、第2のビア46は第1のビア6bと同様とした。これ以外の部分の材料構成は、実施例8と同様とした。
本比較例のコンデンサ内蔵プリント配線板は、第2のグラウンド層32を設けなかった以外、実施例8のコンデンサ内蔵プリント配線板30と同様にした。
このコンデンサ内蔵プリント配線板について、実施例8と同様にして、電磁結合量C1とC2とを求め、間隙部7の外径D(mm)とともに、表2に示した。
すなわち、実施例8と実施例9とのコンデンサ内蔵プリント配線板では、第2のグラウンド層32または42が、第3の信号線11への電磁結合の有効な遮蔽体として作用している。
Claims (4)
- 表面に信号線が設けられた第1の絶縁層と、この第1の絶縁層に接して設けられ、且つグラウンド層とコンデンサ層とコンデンサ電極とを積層して形成されたコンデンサと、このコンデンサに接して設けられた第2の絶縁層とを備えたコンデンサ内蔵プリント配線板であって、上記グラウンド層が上記第1の絶縁層と接しており、上記コンデンサ電極が上記第2の絶縁層と接しており、上記信号線が上記第1の絶縁層と上記グラウンド層と上記コンデンサ層とを貫通するビアで上記コンデンサ電極と電気的に接続されており、上記ビアが絶縁材で形成された間隙部により上記グラウンド層と電気的に絶縁されたことを特徴とするコンデンサ内蔵プリント配線板。
- ビアの外周とこのビアが貫通するグラウンド層の孔の内周との間隙部の幅が、コンデンサ層の厚さの2倍以上であり、コンデンサ電極面の対角線の2/3以下であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵プリント配線板。
- 第2の絶縁層におけるコンデンサに接する面と対向する面に積層された第2のグラウンド層と、この第2のグラウンド層に積層された第3の絶縁層とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵プリント配線板。
- 第2の絶縁層におけるコンデンサに接する面と対向する面に、第2のコンデンサ電極と第2のコンデンサ層と第2のグラウンド層とがこの順に積層されて形成された第2のコンデンサと、上記第2のグラウンド層に接して形成された第3の絶縁層と、コンデンサ電極と上記第2のコンデンサ電極とを電気的に接続する第2のビアとを備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵プリント配線板。
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