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JP2006238515A - 負荷駆動装置 - Google Patents

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裕二 志賀
Masanori Imazeki
正典 今関
Susumu Shimoda
進 下田
Kei Akune
圭 阿久根
Takaaki Nishikawa
貴章 西川
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Abstract

【課題】 コンデンサから負荷の駆動に要する大電力を確実に得、また負荷から得られる回生電力をコンデンサに確実に回収し得る簡易な構成の負荷駆動装置を提供する。
【解決手段】 外部電源から与えられる交流電力を直流電力に変換する交流・直流コンバータと、この交流・直流コンバータから出力された直流電力を、電圧および周波数が制御された交流電力に変換して負荷を駆動するインバータと、前記交流・直流コンバータから出力された直流電力および前記インバータを介して前記負荷から回収された回生電力を蓄積するコンデンサとを具備し、特に前記交流・直流コンバータの前段に、前記外部電源から与えられる交流電力の電圧を昇圧して前記交流・直流コンバータに供給する昇圧器を設けて、コンデンサに加える直流電圧範囲を広くし、その入出力エネルギ量を増大させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クレーン等の運搬機械を駆動するに好適な負荷駆動装置に関する。
クレーン等の運搬機械を駆動する負荷駆動装置は、一般に交流電源を直流電力に変換する直流・交流コンバータと、この直流・交流コンバータから出力される直流電力を、電圧および周波数が制御された交流に変換して電動機を駆動するインバータとを備えて構成される。また上記直流・交流コンバータから出力される直流電力をコンデンサ(蓄電器)に蓄え、このコンデンサに蓄積された電力を用いて前記インバータを力行駆動すると共に、前記電動機を介して得られる回生電力を上記コンデンサに蓄積して前記インバータの駆動に再利用することも提唱されている(例えば特許文献1を参照)。
特開平10−267076号公報
ところで最近、小型で大容量の電気二重層コンデンサが注目されており、上述した負荷駆動装置における電力蓄積用のコンデンサとして電気二重層コンデンサを用いることが考えられる。しかし電気二重層コンデンサを用いるといえども、上述したクレーン等の運搬機械における電動機の駆動には多大な電力を要するので、その電力(電力エネルギ)を如何にして効率的に電気二重層コンデンサに入出力するかが問題となる。換言すればクレーン等における電動機の駆動には大きな力行エネルギを必要とし、また電動機から得られる回生エネルギも大きい。これ故、これらの大きなエネルギ(力行電力/回生電力)を電気二重層コンデンサに確実に入出力(充放電)することが必要となる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、電力蓄積用の電気二重層コンデンサから電動機の駆動に要する大電力を確実に得、また電動機から得られる回生電力を上記電気二重層コンデンサに確実に回収し得るようにした簡易な構成の負荷駆動装置を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係る負荷駆動装置は、外部電源から与えられる交流電力を直流電力に変換する交流・直流コンバータと、この交流・直流コンバータから出力された直流電力を、電圧および周波数が制御された交流電力に変換して負荷、例えば電動機を駆動するインバータと、前記交流・直流コンバータから出力された直流電力および前記インバータを介して前記負荷から回収された回生電力を蓄積するコンデンサ(例えば電気二重層コンデンサ)とを具備したものであって、
特に前記交流・直流コンバータの前段に、前記外部電源から与えられる交流電力の電圧を昇圧して前記交流・直流コンバータに供給する昇圧器(リアクトル)を設けたことを特徴としている。
好ましくは請求項2に記載するように前記交流・直流コンバータおよびインバータは、前記外部電源の電圧仕様よりも高電圧仕様の高電圧系回路として実現し、前記昇圧器においては前記外部電源の電圧を上記高電圧系の電圧に変換して前記交流・直流コンバータに供給するように構成すれば良い。
上述した構成の負荷駆動装置によれば、昇圧器を介して外部電源から与えられる交流電力の電圧を昇圧して交流・直流コンバータに供給するので、該交流・直流コンバータにて取り扱う電力の電圧を高く設定することが可能となる。そしてこれに伴って電気二重層コンデンサに加える電圧を高くし、ひいては使用可能な直流電圧電圧範囲を拡大することができるので、該電気二重層コンデンサに入出力(充放電)する電力量、つまり蓄積可能な電力量を増大させることができる。この結果、限られた容量の電気二重層コンデンサが有する性能を十分に活用して大電力エネルギを蓄積することが可能となるので、電気二重層コンデンサに蓄積された電気エネルギを用いてインバータを介して負荷を大電力駆動したり、逆に負荷から得られる大きな回生電力を電気二重層コンデンサに確実に回収することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置について説明する。
この負荷駆動装置は、例えば物品(荷物)を吊り上げて昇降させるクレーンや、物品を載置する可動ステージを上下動させるリフタ等における駆動用の誘導電動機(モータ)を負荷とし、外部電源から与えられる交流電力(例えば200Vの動力系三相交流電力)を用いて上記電動機を駆動するものである。特に負荷駆動装置は、基本的には交流・直流コンバータを用いて交流電力から直流電力を生成し、更にこの直流電力からインバータを用いて電圧および周波数が制御された交流電力を生成して電動機(負荷)を駆動するように構成される。
即ち、本発明に係る負荷駆動装置は、図1にその概略的なブロック構成を示すように外部電源1から与えられる交流電力を直流電力に変換する交流・直流コンバータ2と、この交流・直流コンバータ2から出力される直流電力を蓄積するコンデンサ3を備える。このコンデンサ3は、例えば小型で充電容量の大きい電気二重層コンデンサからなる。更に負荷駆動装置は、上記コンデンサ3に蓄積された直流電力および/または前記交流・直流コンバータ1から出力される直流電力から電圧および周波数を制御した交流電力を生成して負荷(電動機)4を駆動するインバータ5を備える。またこのインバータ5は、前記負荷(電動機)4から回生電力が得られるとき、その回生電力を直流電力に変換して回収して前記コンデンサ3に蓄積する機能を備えたものである。
尚、前記交流・直流コンバータ2およびインバータ5は、負荷4の駆動状態に応じて制御器6によりその動作がそれぞれ制御されるようになっている。特に制御器6は、負荷4の運転状態に応じてインバータ5の作動を制御するもので、負荷4の駆動に要する電力が正(+)である場合には、コンデンサ3に蓄積された電力および/または交流・直流コンバータ2から得られる電力を用いて負荷4を力行駆動し、また負荷4の駆動に要する電力が負(−)であり、負荷4を介して電力が回生される場合には、その回生電力を回収して前記コンデンサ3を充電するものとなっている。
特にこの発明が特徴とするところは、外部電源1と交流・直流コンバータ2との間に昇圧器(リアクトル)7を設け、外部電源1から供給される交流電力の電圧を昇圧して交流・直流コンバータ2に供給するように構成している点にある。具体的には前記外部電源1が200Vの動力系三相交流電源である場合、通常、負荷4としての電動機は上記記電源系に合わせて200V仕様のものが用いられる。このような200V系の交流電力に対して前記昇圧器7は、その電圧を昇圧して、例えば400V系の交流電力に変換して交流・直流コンバータ2に供給するように構成されている。そしてこの400V系に昇圧された交流電力に合わせて前記交流・直流コンバータ2および前記インバータ5は、それぞれ400V系の電子回路として実現されている。
具体的には前記交流・直流コンバータ2は400Vの交流電力を入力して、例えば320V〜720Vの直流電力を出力するように構成される。そしてこの交流・直流コンバータ2が出力する320V〜720Vの直流電圧により前記コンデンサ3への充放電が制御され、コンバータ2の出力電圧がコンデンサ3の充電電圧よりも高い場合には、前記交流・直流コンバータ2から出力される直流電力がコンデンサ3に蓄えられるようになっている。また前記インバータ5は、交流・直流コンバータ2から出力された、および/またはコンデンサ3に蓄えられた320V〜720Vの直流電力を入力し、これをスイッチングすることで負荷(電動機)4の駆動に必要な200V系の周波数制御された交流電力を生成するように構成される。またこのインバータ5は、前記負荷(電動機)4に機械的運動エネルギが加えられて該負荷(電動機)4から回生電力が得られるとき、この回生電力を320V〜720Vの直流電力に変換して回収するように構成される。
このように昇圧器7を備えて構成される負荷駆動装置によれば、図2にコンデンサ3の充電電圧Vとその充電エネルギ量(充電量)Uとの関係を示すように、交流・直流コンバータ2の出力電圧範囲を高くした分、コンデンサ3に貯蔵し得る電力量を増大させることができ、コンデンサ3を介して利用し得るエネルギ量(電力量)を増大させることができる。
即ち、コンデンサ3に貯蔵し得る電力量Uはコンデンサ3の静電容量をCとしたとき、[U=(1/2)CV2]として示されるようにその電圧Vの2乗に比例して変化する。従ってコンデンサ3に印加する直流電圧Vを可変することによって、該コンデンサ3への充電と放電とを制御することができるので、その電圧変化幅(制御幅)が広い程、より多くの電力量を入出力(充放電)させてインバータ5の駆動に、またインバータ5を介して回収される回生電力の蓄積に利用することが可能となる。
ちなみに200V系の外部電源1に合わせて交流・直流コンバータ2を構築した場合、通常、その直流出力電圧を320〜360Vの範囲でしか変化させることができない。但し、上記直流電圧の下限値[320V]は、200V系における交流最大電圧220Vを21/2倍(√2倍)した値であり、その上限値[360V]は200V系の直流最大電圧である400Vの1割減を見込んだ電圧値である。従ってこの場合には、コンデンサ3に加え得る直流電圧の可変幅が約40Vなので、直流電力の入出力量(充放電量)に限界がある。
また400V系の外部電源1に合わせて交流・直流コンバータ2を構築した場合、一般的にその直流出力電圧の可変制御範囲は625〜720Vである。但し、上記直流電圧の下限値[625V]は、400V系における交流最大電圧440Vを21/2倍(√2倍)した値であり、その上限値[720V]は400V系の直流最大電圧である800Vの1割減を見込んだ電圧値である。従ってこの場合には、コンデンサ3に加える直流電圧の範囲が約95Vとなるだけであり、直流電力の入出力量(充放電量)を前述した200V系の約4倍に増大させ得るに過ぎない。
この点、昇圧器(リアクトル)7を用いて200V系の交流電力を昇圧して交流・直流コンバータ2に供給するように構成すれば、交流・直流コンバータ2での出力電圧を、例えば320〜720Vの範囲で制御することが可能となり、コンデンサ3に加える直流電圧の範囲を約400Vと拡大することができる。この結果、コンデンサ3に蓄積可能な電力量を大きく変化させて直流電力の入出力量(充放電量)を大幅に増大させることが可能となる。つまりコンデンサ3を介して入出力可能な電力量(利用可能なエネルギ量)を大幅に増大させ、コンデンサ3が有する機能を十分に活用することが可能となる。
特に外部電源1から供給される交流電力を昇圧器(リアクトル)7を用いて昇圧して交流・直流コンバータ2に供給し、これによってコンデンサ3に供給する直流電圧の変化幅を拡げると言う簡単な構成だけで、コンデンサ3を介して入出力(充放電)される電力量を増大させることが可能となる。従って負荷4の駆動に要する電力が大きく、また負荷4から回収される回生電力が大きい場合であっても、コンデンサ3を用いてその電力の供給と回収とを効率的に制御することが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
図3は本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な構成例を示すもので、図1に示す構成と同一部分には同一符号を付して示している。
尚、この例では物品(荷物)を3次元的(昇降・走行・横行)に移動させる為の3つの負荷(電動機)4a,4b,4cが設けられている。そしてこれらの各負荷(電動機)4a,4b,4cのそれぞれに対応させて、その駆動機である3つのインバータ5a,5b,5cが並列に設けられている。また交流・直流コンバータ2の前段には電流抑制器(抵抗器)11が直列に介挿されており、更にこの電流抑制器11には第1のスイッチ素子12が並列に設けられている。
上記電流抑制器11は前記コンデンサ3の充電電圧(端子電圧)が交流・直流コンバータ2の最小出力電圧よりも低いとき、コンデンサ3に対する充電を上記交流・直流コンバータ2によって制御することができないことから、その初期充電時に前記コンデンサ3に対する初期充電電流を抑制する役割を担っている。この電流抑制器11によってコンデンサ3の初期充電電流が抑制され、過大電流に起因するコンデンサ3の発熱、ひいては発熱に伴うコンデンサ3の熱破壊が防止されている。そして前記第1のスイッチ素子12は、コンデンサ3の初期充電が完了したとき、この状態をコンデンサ3の端子電圧から検出する等して導通されて前記電流抑制器11をバイパスする役割を担う。この第1のスイッチ素子12による電流抑制器11のバイパスにより、その後は前記交流・直流コンバータ2によりコンデンサ3の充放電が制御される。
また前記コンデンサ3は、第2のスイッチ素子13を直列に介して前記交流・直流コンバータ2の直流回路側に接続されており、例えばコンデンサ3の異常が検出された場合等に第2のスイッチ素子13を遮断することで上記コンデンサ3が上述した直流回路側から切り離されるようになっている。更にコンデンサ3には第3のスイッチ素子14を介して放電器(抵抗器)15が並列に接続されている。この放電器15は第3のスイッチ素子14の導通によりコンデンサ3に接続されて該コンデンサ3に蓄積された電力エネルギを放電させ、熱エネルギとして消費する役割を担っている。即ち、第3のスイッチ素子14は、コンデンサ3の保守・点検時等に前述した第2のスイッチ素子13によるコンデンサ3の直流回路からの切り離しに関連して導通駆動される。そしてコンデンサ3の充電エネルギを放電器15を介して放電させることで、その保守・点検時におけるコンデンサ3の取り扱いの安全性を確保する役割を担っている。
即ち、負荷駆動装置を実現するに際しては、前述したコンバータ2やインバータ5等の基本的な構成要素に加えて、上述した電流抑制器11やスイッチ素子12,13,14および放電器15を装備してコンデンサ3を組み込むことで、過大電流に起因するコンデンサ3の熱破壊を防止し、またその保守時の取り扱い等の安全性を考慮した構成とすることが望ましい。その上で前述した昇圧器7を設けてコンデンサ3の充放電を制御する直流電圧の変化幅を広くし、これによってコンデンサ3を介して入出力(充放電)される電力エネルギ量を増大させた構成とすれば、これによってコンデンサ3の持つ機能を十分に活用した負荷駆動装置を実現することができる。従ってその実用的利点が多大である。
そしてこのように構成された負荷駆動装置によれば、例えば図4に負荷4に対する入出力エネルギ(電力)とコンデンサ3の電圧(充電量)との関係を示すように、負荷4から回生電力が得られるときには、その回生電力によるコンデンサ3の充電によってその充電量が高められ、これに伴ってコンデンサ3の電圧が高くなる。その後、負荷4を力行駆動する場合には、コンデンサ3に蓄積された電力がインバータ5を介して供給される、この電力供給に伴ってコンデンサ3の電圧が低下する。そして低下したコンデンサ3の充電量は、その後の交流・直流コンバータ3を介する電力補充により補われることになる。従ってコンデンサ3を介して負荷4に対する駆動と、負荷4からの回生電力の回収とが前述した幅の広い直流電圧可変範囲の下で効率的に行われることになる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ここではクレーンやリフタ等の昇降機の駆動を例に説明したが、負荷4から回生電力が得られるものであれば同様に適用することができる。具体的には負荷4を加減速し、加速時に力行エネルギを消費し、減速時に回生エネルギを回収し得るような負荷の駆動に同様に用いることができる。また上述した例においては200V系の外部電源1を用いた負荷駆動装置について説明したが、一般的には低電圧系の電力を昇圧器7を介して高電圧系に変換して用いるようにすれば十分である。
また昇降機の具体例としては、港湾設備におけるコンテナ移送(搬送)用のクレーン、ビル建設に用いられるジブクライミングクレーン、工場設備等における天井クレーン、自動倉庫におけるスタッカクレーン、更には機械式立体駐車場におけるリフタ等に適用可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明に係る負荷駆動装置の概略構成を示す図。 コンデンサの電圧とその充電量との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置の概略的な構成例を示す図。 図3に示す負荷駆動装置における負荷に対する入出力エネルギ(電力)とコンデンサの電圧(充電量)との関係を示す図。
符号の説明
1 外部電源(交流電力;200V系)
2 交流・直流コンバータ(400V系)
3 コンデンサ(電気二重層コンデンサ)
4 負荷(電動機;200V系)
5 インバータ(400V系)
6 制御器
7 昇圧器(リアクトル)
11 電流抑制器
12 第1のスイッチ素子(バイパス回路)
13 第2のスイッチ素子(切り離し回路)
14 第3のスイッチ素子(放電回路)
15 放電器

Claims (3)

  1. 外部電源から与えられる交流電力を直流電力に変換する交流・直流コンバータと、
    この交流・直流コンバータから出力された直流電力を、電圧および周波数が制御された交流電力に変換して負荷を駆動するインバータと、
    前記交流・直流コンバータから出力された直流電力および前記インバータを介して前記負荷から回収された回生電力を蓄積するコンデンサと
    を具備し、
    前記交流・直流コンバータの前段に、前記外部電源から与えられる交流電力の電圧を昇圧して前記交流・直流コンバータに供給する昇圧器を設けたことを特徴とする負荷駆動装置。
  2. 前記交流・直流コンバータおよびインバータは、前記外部電源の電圧仕様よりも高電圧仕様の高電圧系回路からなり、
    前記昇圧器は、前記外部電源の電圧を上記高電圧系の電圧に変換して前記交流・直流コンバータに供給するものである請求項1に記載の負荷駆動装置。
  3. 前記コンデンサは電気二重層コンデンサであって、前記負荷は昇降機を駆動する電動機である請求項1または2に記載の負荷駆動装置。
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