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JP2006211180A - ミキサーおよびそれを用いた高周波送受信器ならびにレーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶 - Google Patents

ミキサーおよびそれを用いた高周波送受信器ならびにレーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶 Download PDF

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JP2006211180A
JP2006211180A JP2005019227A JP2005019227A JP2006211180A JP 2006211180 A JP2006211180 A JP 2006211180A JP 2005019227 A JP2005019227 A JP 2005019227A JP 2005019227 A JP2005019227 A JP 2005019227A JP 2006211180 A JP2006211180 A JP 2006211180A
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Nobuki Hiramatsu
信樹 平松
Yuji Kishida
裕司 岸田
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Abstract

【課題】 出力を向上させることができるミキサーを提供すること。
【解決手段】 2つの高周波用伝送線路1,2の中途P11,P21を電磁結合させ、高周波用伝送線路1,2の端部に高周波検波用素子を設けた基板3,4を配置したバランス型ミキサーにおいて、高周波用伝送線路1,2の一方の高周波検波用素子P12から中途P11までの線路長と、他方の高周波検波用素子P22から中途P21までの線路長との線路長差Dを、一方の高周波検波用素子P12に入射する高周波信号と他方の高周波検波用素子P22に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定したミキサーである。中途P11,P21で位相が変化しても双方の高周波検波用素子P12,P22に高周波信号が丁度同位相で入射するため、バランス型ミキサーにおいて入射する2つの高周波信号間の高調波成分を最小として、その不要なノイズとしての高調波成分を抑制することができるので、受信感度を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、集積回路,レーダモジュール等に組み込まれ、高周波信号をミキシングするミキサーおよびそれを用いた高周波送受信器に関するものである。
また、本発明は、その高周波送受信器を具備するレーダ装置ならびにそのレーダ装置を備えたレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶に関するものである。
従来から、非放射性誘電体線路(NonRadiative Dielectric Waveguide、以下、NRDガイドともいう。)を用いたミキサーに関する技術が提案されている。その主なものとして、例えば非特許文献1に開示された技術が知られている。
非特許文献1に開示されているミキサーについて、図9乃至図11を用いて説明する。図9は非放射性誘電体線路の基本的構成を示す部分破断斜視図、図10は非放射性誘電体線路を用いた従来のミキサーの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はミキサーの構成要素である高周波検波部を示す(a)のB部の斜視図、図11はミキサーを構成する配線基板の基本的構成を示す平面図である。なお、図10において平板導体は省略されている。
ミキサーを構成するNRDガイドの基本的構成は、図9に示すように、所定の間隔aをもって平行に配置された平板導体51,52間に、断面が矩形状の誘電体線路53を、間隔aを高周波信号の波長λに対してa≦λ/2として配置したものである。これにより、外部から誘電体線路53へのノイズの侵入をなくし、かつ外部への高周波信号の放射をなくして、誘電体線路53中により高周波信号をほとんど損失なく伝搬させることができる。なお、波長λは使用周波数における空気中(自由空間)での高周波信号の波長である。
図10に示す従来のミキサーの一例において、60は高周波信号(電磁波)を伝搬させる四フッ化エチレン,ポリスチレン等から成る誘電体線路で、この誘電体線路60の一端面には、所定の空隙をあけて、四フッ化エチレン,ポリスチレン等から成る他の誘電体線路61が配置され、さらに誘電体線路60,61とは誘電率の異なるアルミナセラミックス等から成る誘電体シート62が配置されている。そして、誘電体シート62の後方には、図4に示すように、Cu箔等から成るチョーク型バイアス供給線路63が印刷法等によって形成され、チョーク型バイアス供給線路63の途中の途切れた部分に高周波検波用素子であるショットキーバリアダイオード(Schottky Barrier Diodeで、以下、SBDともいう。)64が実装された高周波検波部を成す配線基板65が配置される。また、配線基板65の後方には、四フッ化エチレン,ポリスチレン等から成るさらに他の誘電体線路66が配置されて、1つの高周波検波部が構成される。同様にもう1つの高周波検波部が、誘電体線路70,71、誘電体シート72、SBD74、配線基板75および誘電体線路76で構成され、配線基板75にはチョーク型バイアス供給線路65と同様のパターンが形成されている。そして、高周波検波部を備えた2つの誘電体線路60と誘電体線路70とのそれぞれの中途が電磁結合するように近接配置されてこの部分で3dB結合するように方向性結合部67を構成して、ミキサーが構成されている。
このミキサーによれば、配線基板65および配線基板75のそれぞれに接続されたSBD64およびSBD74にバイアス電圧が印加され、誘電体線路60に入射した高周波信号60aと誘電体線路70に入射した高周波信号70aとが、方向性結合部67で高周波信号60bと60cとに、または高周波信号70bと70cとに3dB結合され、信号60bと信号70cとがSBD64で検波され、信号60cと信号70bとがSBD74で検波されるとともに、それらの検波出力が誘電体線路60および誘電体線路70の中途の電磁結合した部分、この例では方向性結合部67で混合(ミキシング)されて、出力端子からミキサー出力として取り出される。
このような非放射性誘電体線路型のミキサーにおいては、方向性結合部67で誘電体線路60,70の中途の一部分のみが近接するように誘電体線路60,70に曲げ(ベンド)を設けるとともに、その誘電体線路60,70間の最近接部の間隔、ベンドの曲率、および高周波検波部から最近接部までの長さを適切に設計することが重要である。例えば、非特許文献1では、高さが4.0mmで幅が3.5mmの、比誘電率が2.04である四フッ化エチレン製の誘電体線路を用い、ベンドの曲率半径が30mmで誘電体線路間の最近接部の間隔が2.6mmである方向性結合器およびそれを用いたミキサーの例が開示されている。
また、非特許文献2には、方向性結合部においていずれかの誘電体線路のベンドをなくし、これによって3dB結合部での高周波信号の損失を低減するという例が開示されている。
なお、これら従来のミキサーの例はいずれもバランス(平衡)型といわれるものであり、この他にも、特許文献1または特許文献2にバランス型ミキサーの例が開示されている。
また、従来の高周波送受信器の例は、例えば、特許文献3および特許文献4に開示されている。
また、従来のレーダ装置およびそれを搭載したレーダ装置搭載車両の例は、例えば、特許文献5に開示されている。
米山務,「非放射性誘電体線路を用いたミリ波集積回路」,電子通信学会論文誌C−I,社団法人電子情報通信学会,1990年3月,Vol.J73−C−I,No.3,p.87−94 黒木太司(Futoshi Kuroki)他,「NRDガイド・デジタル・トランシーバーズ・フォー・ミリメーター・ウエーブ・LANシステム(NRD Guide Digital Transceivers for Millimeter Wave LAN System)」,アイイーアイシーイー・トランザクションズ・オン・コミュニケーションズ(IEICE TRANS. COMMUN.),VOL.E79-B,No.12,1996年12月,p.1759−1764 特開平10−075125号公報 特開2003−101313号公報 特開平7−077576号公報 特開2000−258525号公報 特開2003−035768号公報
しかしながら、上記のような従来のミキサーでは、高周波検波用素子であるSBD64,74における高周波信号の位相をπ/2とする必要があり、そのようにするためには、方向性結合部67において2つの誘電体線路60,70の一方が他方に対して位相が約π/2だけ変化することから、誘電体線路60および誘電体線路70のそれぞれの方向性結合部67からの線路長を等しくすればミキサー出力をおおよそ最大にすることができるが、2つの誘電体線路60,70の中途の方向性結合部67において高周波信号の位相の進み方が変化を受けることがあるために、誘電体線路60,70の中途から誘電体線路60,70の端部に設けられたSBD64,74までのそれぞれの線路長が等しくても、2つのSBD64,74において高周波信号の位相がπ/2とならないことがあり、十分な強度のミキサー出力が得られないことがあるという問題点があった。
また、誘電体線路60および誘電体線路70の最近接部からそれぞれの配線基板65,75までの線路長を同じとしていたため、その場合に配線基板65と配線基板75とが互いに緩衝することを避けるためには、構成部材の配置においてそのためのスペースを必要とすることからミキサー全体の寸法の小型化が難しいという問題点があり、SBD64,74や誘電体線路60,70等の配置上の制約が大きいという問題点があった。
また、その場合に、誘電体線路60,70の一方または両方に設けたベンドの曲率を小さくすることによって小型化を図ろうとしたときには、ベンド部での高周波信号の伝送損失が増大してしまうこととなるという問題点があった。
これに対し、ミキサーに対しては、これを用いた装置、例えば車載用ミリ波レーダモジュールに対しても、装置の取り付けスペースが制限される中で良好な送受信を行なうことができるように小型化の要求が強まっていることから、より一層の小型化を図ることが望まれている。
本発明は以上のような従来の技術における事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、ミキサー出力を向上させることができるとともに小型化を図ることができ、構成要素のレイアウトの自由度を大きくすることができる高性能なミキサーを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、ミキサー出力の向上により受信性能を向上させることができる高性能な高周波送受信器を提供することにある。
また、本発明のさらに別の目的は、その高性能な高周波送受信器を具備するレーダ装置ならびにそのレーダ装置を備えたレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶を提供することにある。
本発明のミキサーは、2つの高周波用伝送線路の各々の中途を電磁結合するように近接させるかまたは接合させ、前記2つの高周波用伝送線路を伝搬してきた各々の高周波信号を混合して中間周波信号を発生するミキサーであって、前記2つの高周波用伝送線路の各々は、その高周波用伝送線路の途中かまたは一端に接続された、前記高周波信号に対して検波作用のある高周波検波用素子を備えており、前記2つの高周波用伝送線路の一方の前記高周波検波素子から前記中途までの線路長と、他方の前記高周波検波素子から前記中途までの線路長との線路長差を、前記一方の高周波検波用素子に入射する高周波信号と前記他方の高周波検波用素子に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定していることを特徴とするものである。
また、本発明のミキサーは、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置した平板導体間に配置された2つの誘電体線路の各々の中途を電磁結合するように近接させるかまたは接合させ、前記2つの誘電体線路を伝搬してきた各々の高周波信号を混合して中間周波信号を発生するミキサーであって、前記2つの誘電体線路の各々は、その誘電体線路の途中に挿入されるかまたは一端に設置された、基板上に幅の広い線路と幅の狭い線路とを交互に形成して成るチョーク型バイアス供給線路の途中に前記高周波信号に対して検波作用のある高周波検波用素子を接続用導体を介して接続した高周波検波部を備えており、前記2つの誘電体線路の一方の前記高周波検波部から前記中途までの線路長と、他方の前記高周波検波部から前記中途までの線路長との線路長差を、前記一方の高周波検波用素子に入射する高周波信号と前記他方の高周波検波用素子に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定していることを特徴とするものである。
本発明の第1の高周波送受信器は、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、前記分岐器の前記一方の出力端に前記第1の端子が接続されたサーキュレータと、このサーキュレータの前記第2の端子に接続された送受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に接続された、前記他方の出力端に出力された前記ローカル信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記ミキサーは上記各構成の本発明のいずれかのミキサーであることを特徴とするものである。
本発明の第2の高周波送受信器は、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、この分岐器の前記一方の出力端に入力端が接続された、出力端側に前記送信用高周波信号を出力するアイソレータと、このアイソレータの前記出力端に接続された、前記送信用高周波信号を送信する送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に接続された受信アンテナと、この受信アンテナと前記分岐器の前記他方の出力端との間に接続された、前記他方の出力端に出力されたローカル信号と前記受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記ミキサーは上記各構成の本発明のいずれかのミキサーであることを特徴とするものである。
また、本発明のレーダ装置は、上記本発明の第1および第2のいずれかの高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することを特徴とするものである。
また、本発明のレーダ装置搭載車両は、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするものである。
また、本発明のレーダ装置搭載小型船舶は、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするものである。
本発明のミキサーによれば、2つの高周波用伝送線路の各々の中途を電磁結合するように近接させるかまたは接合させ、前記2つの高周波用伝送線路を伝搬してきた各々の高周波信号を混合して中間周波信号を発生するミキサーであって、前記2つの高周波用伝送線路の各々は、その高周波用伝送線路の途中かまたは一端に接続された、前記高周波信号に対して検波作用のある高周波検波用素子を備えており、前記2つの高周波用伝送線路の一方の前記高周波検波素子から前記中途までの線路長と、他方の前記高周波検波素子から前記中途までの線路長との線路長差を、前記一方の高周波検波用素子に入射する高周波信号と前記他方の高周波検波用素子に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定していることから、2つの高周波検波用素子に入射するそれぞれの高周波信号が、位相差が丁度π/2で入射してミキシングされるため、バランス型ミキサーにおいて入射する2つの高周波信号間の高調波成分を最小として、その不要なノイズとしての高調波成分を抑制することができるので、受信感度を向上させることができるミキサーとなる。
また、本発明のミキサーによれば、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置した平板導体間に配置された2つの誘電体線路の各々の中途を電磁結合するように近接させるかまたは接合させ、前記2つの誘電体線路を伝搬してきた各々の高周波信号を混合して中間周波信号を発生するミキサーであって、前記2つの誘電体線路の各々は、その誘電体線路の途中に挿入されるかまたは一端に設置された、基板上に幅の広い線路と幅の狭い線路とを交互に形成して成るチョーク型バイアス供給線路の途中に前記高周波信号に対して検波作用のある高周波検波用素子を接続用導体を介して接続した高周波検波部を備えており、前記2つの誘電体線路の一方の前記高周波検波部から前記中途までの線路長と、他方の前記高周波検波部から前記中途までの線路長との線路長差を、前記一方の高周波検波用素子に入射する高周波信号と前記他方の高周波検波用素子に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定していることから、2つの高周波検波用素子に入射するそれぞれの高周波信号が、位相差が丁度π/2で入射してミキシングされるため、バランス型ミキサーにおいて入射する2つの高周波信号間の高調波成分を最小として、その不要なノイズとしての高調波成分を抑制することができるので、受信感度を向上させることができるミキサーとなる。
本発明の第1の高周波送受信器によれば、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、前記分岐器の前記一方の出力端に前記第1の端子が接続されたサーキュレータと、このサーキュレータの前記第2の端子に接続された送受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に接続された、前記他方の出力端に出力された前記ローカル信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記ミキサーは上記各構成の本発明のいずれかのミキサーであることから、ミキサーの受信性能を向上させることができるため、受信性能を向上させることができる高周波送受信器となる。
本発明の第2の高周波送受信器によれば、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、この分岐器の前記一方の出力端に入力端が接続された、出力端側に前記送信用高周波信号を出力するアイソレータと、このアイソレータの前記出力端に接続された、前記送信用高周波信号を送信する送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に接続された受信アンテナと、この受信アンテナと前記分岐器の前記他方の出力端との間に接続された、前記他方の出力端に出力されたローカル信号と前記受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記ミキサーは上記各構成の本発明のいずれかのミキサーであることから、送受別体のアンテナを用いた高周波送受信器においても、ミキサーの受信性能を向上させることができるため、受信性能を向上させることができる高周波送受信器となる。
本発明のレーダ装置によれば、上記本発明の第1および第2のいずれかの高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することから、高周波送受信器の受信性能が高いため、速く確実に探知対象物を探知することができるとともに至近距離や遠方の探知対象物をも確実に探知することができるレーダ装置となる。
本発明のレーダ装置搭載車両によれば、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることから、レーダ装置が速く確実に探知対象物である他の車両や障害物等を探知することができるため、例えばそれらを回避するための急激な挙動を車両に起こさせることなく、車両の適切な制御や運転者への適切な警告をすることができるレーダ装置搭載車両となる。
本発明のレーダ装置搭載小型船舶によれば、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることから、レーダ装置が速く確実に探知対象物である他の小型船舶障害物等を探知することができるため、例えばそれらを回避するための急激な挙動を小型船舶に起こさせることなく、小型船舶の適切な制御や操縦者への適切な警告をすることができるレーダ装置搭載小型船舶となる。
以下に、本発明のミキサーおよびそれを用いた高周波送受信器ならびにレーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶について詳細に説明する。
まず、本発明のミキサーにつき、その実施の形態の一例である非放射性誘電体線路を用いたミキサーについて、図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
図1は本発明のミキサーの実施の形態の第1および第2の例を模式的に示したものであり、(a)は第1の例の平面図、(b)は第2の例の平面図である。また、図12は従来のミキサーの例を模式的に示したものであり、(a)は図1(a)と比較するための例の平面図、(b)は図1(b)と比較するための例の平面図である。なお、これらの例の構成要素において、非放射性誘電体線路の構成は図9に示したものと同様であり、高周波検波部の基板の構成は図11に示したものと同様である。また、図1および図12において平板導体は省略されている。また、図2および図3は、それぞれ本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図および平面図である。また、図4および図5は、それぞれ本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図および平面図である。また、図6および図7は、それぞれ本発明の第1および第2の高周波送受信器の実施の形態の他の例を模式的に示すブロック回路図である。また、図8は本発明のレーダ装置の実施の形態の一例を模式的に示すブロック回路図である。
図1(a)および(b)のそれぞれに示す本発明のミキサーの実施の形態の第1および第2の例はいずれも、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置した平板導体間に配置された誘電体線路1,1’および誘電体線路2,2’の各々の中途を電磁結合するように近接させるかまたは接合させ、誘電体線路1,1’または誘電体線路2,2’を伝搬してきた各々の高周波信号をミキシングして中間周波信号を発生させるようにし、誘電体線路1,1’および誘電体線路2,2’は、誘電体線路1,1’および誘電体線路2,2’のそれぞれの一端に設置された基板3,3’上に幅の広い線路63bと幅の狭い線路63aとを交互に形成して成るチョーク型バイアス供給線路63の途中の途切れた部位に高周波信号に対して検波作用のある高周波検波用素子であるSBD64を接続用導体を介して接続した高周波検波部を備えている。そして、本発明のミキサーにおいては、誘電体線路1,1’の電磁結合しているところ(P11,P11’)から誘電体線路1,1’の一端に設けられている高周波検波用素子であるSBD64(P12,P12’)までの線路長と、その誘電体線路1,1’と電磁結合している誘電体線路2,2’のその電磁結合しているところ(P21,P21’)から誘電体線路2,2’の一端に設けられているSBD64(P22,P22’)までの線路長との線路長差Dを、SBD64(P12,P12’)に入射する高周波信号とSBD64(P22,P22’)に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定しているものである。
そして、図1(a)に示す第1の例においては、2つの誘電体線路1,2の両方にベンドを設けてそのベンド部で電磁結合させた通常の構成において、2つの誘電体線路1,2の高周波検波部の基板3,4から中途の電磁結合しているところP11,P22までの線路長を、誘電体線路2について同図中に破線で示した従来のミキサーにおいてそれら線路長の線路長差Dを、SBD64(P12,P12’)に入射する高周波信号とSBD64(P22,P22’)に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定していたものから基板4側の誘電体線路2を短くして、その線路長差Dを誘電体線路1に対して伝搬する高周波信号の位相が2πだけ早くなるように設定した例を示している。なお、この場合に、位相差δはδ=π/2±2nπ(ただし、nは自然数である。)でも構わない。
また、図1(b)に示す第2の例においては、誘電体線路1’について高周波検波部の基板3’から中途の電磁結合しているところP11’までの線路長を短くして、誘電体線路2’の高周波検波部の基板4’から中途の電磁結合しているところP21’までの線路長との線路長差Dを、SBD64(P12,P12’)に入射する高周波信号とSBD64(P22,P22’)に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定するところから、誘電体線路2’に対して誘電体線路1’を伝搬する高周波信号の位相が2πだけ早くなるように設定するとともに、誘電体線路2’の電磁結合している中途の部分を直線状とした例を示している。なお、この場合に、位相差δはδ=π/2±2nπ(ただし、nは自然数である。)でも構わない。
上記各構成において、誘電体線路1,1’,2,2’は、四フッ化エチレン,ポリスチレン,コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)セラミックス,ガラスセラミックス等から成る。高周波検波部の基板3,3’,4,4’は図11に示す基本的構成と同じであり、四フッ化エチレン,ポリスチレン,ガラスセラミックス,ガラスエポキシ樹脂,エポキシ樹脂等から成り、その一主面に、アルミニウム(Al),金(Au),銅(Cu)等のストリップ導体から成るチョーク型バイアス供給線路63が形成されて成る。
SBD64(P12,P12’,P22,P22’)は、それぞれ基板3,3’,4,4’上のチョーク型バイアス供給線路63の一端に導体バンプが接続される電極パッド等の接続用導体を介して接続され、高周波信号のLSMモードの電磁波の電界方向とほぼ同じ方向にバイアス電流が流れるように配置される。
そして、これら本発明のミキサーにおいては、誘電体線路1,1’,2,2’に入射した高周波信号が誘電体線路1,1’,2,2’の一端に設けられているそれぞれのSBD64(P12,P12’,P22,P22’)で検波されるとともに、それら検波出力が混合(ミキシング)されて、出力端子から中間周波信号であるミキサー出力PMIXとして取り出される。
図1(a)および(b)に示す本発明のミキサーによれば、上記構成とすることから、誘電体線路1,2(誘電体線路1’,2’)の端部に設けられたSBD64(P12,P12’,P22,P22’)に入射するそれぞれの高周波信号が、中途の電磁結合しているところP21,P21’でそれぞれ位相が変化しても位相が丁度π/2で入射してミキシングされるため、バランス型ミキサーにおいて入射する2つの高周波信号間の高調波成分を最小として、その不要なノイズとしての高調波成分を抑制することができるので、受信感度を向上させることができる。
また、本発明のミキサーによれば、位相差δがδ=π/2±2nπ(ただし、nは自然数である。)であるときには、同様にバランス型ミキサーにおいて入射する2つの高周波信号間の高調波成分を最小として、その不要なノイズとしての高調波成分を抑制することができるので、ミキシング特性をほとんど変えることなく、高周波信号の伝搬方向についても隣り合うSBD64の相対的な配置を変えることができ、構成部材の配置の自由度が高くなる。これにより、2つのSBD64またはそのバイアス回路等が緩衝しないように隣り合う2組のSBDやバイアス回路等の構成要素の一方を他方から離して配置する際に、図における左右方向のみでなく上下方向についてもずらせて配置することができるので、2つのSBD64またはそのバイアス回路等を緩衝しないように配置する場合に無駄なスペースが空かないように配置を工夫することができて全体として必要な面積を減らすことができ、より一層の小型化を図ることができるとともにこのミキサーを用いた装置の小型化にも有利なものとなる。なお、図1に示す例は、n=1の場合に相当する。この場合には、図おける上下方向にもサイズが大きくなり過ぎず最も効率的に配置することができて、小型化に最も有利なものとなる。
また、本発明のミキサーによれば、誘電体線路1,2(誘電体線路1’,2’)の少なくとも一方が、中途の部分が直線状であるときには、誘電体線路1,2(誘電体線路1’,2’)の一方のみにベンドを設けたものであっても、2つの誘電体線路1,2(誘電体線路1’,2’)のSBD64のバイアス回路等が緩衝しないように隣り合う2組のSBDやバイアス回路等の構成要素の一方を他方よりも遠くに退避させて配置する際に、図における左右方向のみでなく上下方向についてもずらせて配置することができることから、2つのSBD64またはそのバイアス回路等を緩衝しないように配置する場合に左右方向に無駄なスペースが空かないように構成部材の配置に必要な面積を減らすことができ、より一層の小型化を図ることができ、このミキサーを用いた装置の小型化と方向性結合部の低損失化とを同時に行なうことができるものとなる。
なお、図1(a)および(b)のそれぞれに示す本発明のミキサーの実施の形態の第1および第2の例においては、誘電体線路1,1’,2,2’に非放射性誘電体線路を用いた例について示したが、誘電体線路1,1’,2,2’としては、ストリップ線路,マイクロストリップ線路,コプレーナ線路,グラウンディッドコプレーナ線路,スロット線路,同軸線路,導波管および誘電体導波管等の他の高周波用伝送線路にも適用することができる。
次に、本発明の第1および第2の高周波送受信器について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図2および図3にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例は、高周波信号を発生する高周波発振器11と、この高周波発振器11に接続された、その高周波信号を分岐して一方の出力端12bに送信用高周波信号RFとして出力し、他方の出力端12cにローカル信号LOとして出力する分岐器12と、磁性体としてのフェライト板27の周囲に第1の端子27a,第2の端子27bおよび第3の端子27cを有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、分岐器12の一方の出力端12bに第1の端子14aが接続されたサーキュレータ14と、このサーキュレータ14の第2の端子14bに接続された送受信アンテナ15と、分岐器12の他方の出力端12cとサーキュレータ14の第3の端子14cとの間に接続された、他方の出力端12cに出力されたローカル信号LOと送受信アンテナ15で受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサー16とを具備しており、ミキサー16を図1(a)に示す例の本発明のミキサーとした構成である。
この構成により、FMCW方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器とすることができる。なお、図2に示す第1の端子14a,第2の端子14bおよび第3の端子14cは、図3において、それぞれ第1の端子27a,第2の端子27bおよび第3の端子27cに対応している。また、図3において、分岐器12は、第1の誘電体線路22と第3の誘電体線路24とを電磁結合するように近接させたところで構成されている。また、第3の誘電体線路24の高周波発振器11側の端部には無反射終端器24aが接続されている。また、図3において、21は下側の平板導体である。
また、上記構成に対して、図6に図2と同様のブロック回路図で示すように、分岐器12の一方の出力端12bとサーキュレータ14の第1の端子14aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号RFとしてサーキュレータ14の第1の端子14aに出力する変調器13を備えるものとして、FMパルス方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器としてもよい。
図2および図3にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例によれば、上記構成とすることから、本発明のミキサーを用いていることによってミキサーの受信性能を向上させることができるため、受信性能を向上させることができる高性能な高周波送受信器となる。
なお、図6に示す本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の他の例においても、図2に示す例と同様の作用効果を有するものとなる。図6に示す例では、分岐器12の一方の出力端12bとサーキュレータ14の第1の端子14aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号としてサーキュレータ14の第1の端子14aに出力する変調器13を備えるものとしている。この場合には、周波数変調(FM変調)された送信用高周波信号RFを変調器13でさらにパルス変調することにより、高周波送受信器をレーダ装置として用いるときに、FM変調のみの場合と比べて探知対象部までの距離と探知対象物の速度とを一意的に精度良く求められるようになるため例えば複数の探知対象物があってもそれぞれを探知しやすくすることができる等の利点がある。
次に、図4および図5にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例は、高周波信号を発生する高周波発振器11と、この高周波発振器11に接続された、高周波信号を分岐して一方の出力端12bに送信用高周波信号RFとして出力し、他方の出力端12cにローカル信号LOとして出力する分岐器12と、この分岐器12の一方の出力端12bに入力端18aが接続された、出力端18b側に送信用高周波信号RFを出力するアイソレータ18と、このアイソレータ18の出力端18bに接続された、送信用高周波信号RFを送信する送信アンテナ19と、分岐器12の他方の出力端12c側に接続された受信アンテナ20と、受信アンテナ20と分岐器12の他方の出力端12cとの間に接続された、他方の出力端12cに出力されたローカル信号LOと受信アンテナ20で受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサー16とを具備しており、ミキサー16を図1(b)に示す例の本発明のミキサーとした構成である。
この構成により、FMCW方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器とすることができる。なお、図5において、分岐器12は、第1の誘電体線路32と第4の誘電体線路35とを電磁結合するように近接させたところで構成されている。また、アイソレータ18は、磁性体としてのフェライト板37の周囲に第1の端子37a,第2の端子37bおよび第3の端子37cを有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力するサーキュレータの第3の端子37cに、一端に無反射終端器36aが接続された第5の誘電体線路36の他端を接続して構成されている。なお、第1の端子37aおよび第2の端子37bはそれぞれアイソレータ18の入力端18aおよび出力端18bに対応している。また、第4の誘電体線路35の高周波発振器11側の端部には無反射終端器35aが接続されている。また、図5において、31は下側の平板導体である。
また、上記構成に対して、図7に図4と同様のブロック回路図で示すように、分岐器12の一方の出力端12bとアイソレータ18の入力端18aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号RFとしてアイソレータ18の入力端18aに出力する変調器13を備えるものとして、FMパルス方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器としてもよい。
図4および図5にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例によれば、上記構成とすることから、送受別体のアンテナを用いた高周波送受信器においても、本発明のミキサーを用いていることによってミキサーの受信性能を向上させることができるため、受信性能を向上させることができる高性能な高周波送受信器となる。
なお、図7に示す本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の他の例においても、図4に示す例と同様の作用効果を有するものとなる。図7に示す例では、分岐器12の一方の出力端12bとアイソレータ18の入力端18aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号RFとしてアイソレータ18の入力端18aに出力する変調器13を備えるものとしている。この場合には、周波数変調(FM変調)された送信用高周波信号RFを変調器13でさらにパルス変調することにより、高周波送受信器をレーダ装置として用いるときに、FM変調のみの場合と比べて探知対象部までの距離と探知対象物の速度とを一意的に精度良く求められるようになるため例えば複数の探知対象物があってもそれぞれを探知しやすくすることができる等の利点がある。
本発明の第1および第2の高周波送受信器においては、図2および図4に示すように、ミキサー16の出力端に、中間周波信号を適当なタイミングで遮断するCMOS等の半導体集積回路素子等から成るスイッチ17を接続してもよい。この場合には、ノイズが含まれていて受信する必要のないミキサー出力を遮断し、受信性能を高めることができる高周波送受信器となる。
次に、本発明のレーダ装置ならびにそれを搭載したレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶について説明する。
図8にブロック回路図で示す本発明のレーダ装置は、上記本発明の第1および第2のいずれか(この例では第1)の高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器100とを備えている構成である。本発明のレーダ装置は、このような構成とすることから、本発明のミキサー16を用いている高周波送受信器の受信性能が高いため、早く確実に探知対象物を探知することができるとともに遠方の探知対象物をも探知することができるレーダ装置となる。
そして、このような本発明のレーダ装置は、車両や小型船舶に搭載して、探知対象物として他の車両や小型船舶あるいは障害物等を探知し、それらとの衝突を回避する等の目的で使用することができる。このような目的に本発明のレーダ装置を使用すれば、レーダ装置が誤探知を起こしにくくて、速く確実に他の車両や小型船舶あるいは障害物等を探知することができるので、車両や小型船舶に急激な挙動を起こさせることなく安全にそれらとの衝突を回避することができる。また、探知に用いる高周波信号の送信出力が安定しているため、所定の最大出力を超えない範囲で送信出力を大きくすることができるので、安定に探知をしつつ、そのレーダ装置で使用する周波数に近接する周波数を使用する周囲の他の通信に対して通信障害等を与えにくくすることができる。
なお、本発明のレーダ装置を搭載して使用することができる車両としては、汽車,電車,自動車等旅客や貨物を輸送するための車,自転車,原動機付き自転車,遊園地の乗り物,ゴルフ場のカート等がある。また、本発明のレーダ装置を搭載して使用することができる小型船舶としては、小型船舶の免許もしくは免許なしで操縦することができる船舶であって、総トン数20トン未満の船舶である手漕ぎボート,ディンギー,水上オートバイ,船外機搭載の小型バスボート,船外機搭載のインフレータブルボート(ゴムボート),漁船,遊漁船,作業船,屋形船,トーイングボート,スポーツボート,フィッシングボート,ヨット,外洋ヨット,クルーザーまたは総トン数20トン以上のプレジャーボート等がある。
かくして、本発明のミキサーによれば、ミキサー出力を向上させることができるとともに小型化を図ることができ、構成要素のレイアウトの自由度を大きくすることができる高性能なミキサーを提供することができる。
また、そのような本発明のミキサーを用いた本発明の高周波送受信器によれば、ミキサー出力の向上により受信性能を向上させることができる高性能な高周波送受信器を提供することができる。
さらには、その高性能な高周波送受信器を具備するレーダ装置ならびにそのレーダ装置を備えたレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶を提供することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何等差し支えない。
例えば、基板3,3’,4,4’は弾性材料から成るものとしてもよい。その場合には、基板3,3’,4,4’を誘電体線路1,1’または誘電体線路2,2’の一端に適度な押圧がかかるように固定することができ、ミキシング特性を安定なものにすることができるものとなる。
また、そのとき、基板3,3’,4,4’にその側面が接する平行平板導体の主面への差し込み用のピンを設けて、基板3,3’,4,4’を実装する構成にしてもよい。この場合には、平板導体の主面の対応する位置に形成された穴にピンを差し込むだけの簡単な方法で、基板3,3’,4,4’を平行平板導体に容易かつ確実に固定することができ、基板3,3’,4,4’の実装性が向上するものとなる。
本発明のミキサーの実施の形態の第1および第2の例を模式的に示したものであり、(a)は第1の例の平面図、(b)は第2の例の平面図である。 本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図である。 図2に示す高周波送受信器の模式的な平面図である。 本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図である。 図4に示す高周波送受信器の模式的な平面図である。 本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の他の例を示す模式的なブロック回路図である。 本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の他の例を示す模式的なブロック回路図である。 本発明のレーダ装置の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図である。 非放射性誘電体線路の基本的構成を示す部分破断斜視図である。 NRDガイドを用いた従来のミキサーの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はミキサーの構成要素である高周波検波部を示す(a)のB部の斜視図である。 ミキサーを構成する配線基板の基本的構成を示す平面図である。 従来のミキサーの例を模式的に示したものであり、(a)は図1(a)と比較するための例の平面図、(b)は図1(b)と比較するための例の平面図である。
符号の説明
1,1’,2,2’:誘電体線路
3,3’,4,4’:基板
11:高周波発振器
12:分岐器
12a:入力端
12b:一方の出力端
12c:他方の出力端
13:変調器
14:サーキュレータ
14a:第1の端子
14b:第2の端子
14c:第3の端子
15:送受信アンテナ
16:ミキサー
17:スイッチ
18:アイソレータ
18a:入力端
18b:出力端
19:送信アンテナ
20:受信アンテナ
21,31:平板導体(下側)
22,32:第1の誘電体線路
23,33:第2の誘電体線路
24,34:第3の誘電体線路
24a:無反射終端器
25,35:第4の誘電体線路
35a:無反射終端器
36:第5の誘電体線路
36a:無反射終端器
27,37:フェライト板
63:チョーク型バイアス供給線路
63a:幅の狭い線路
63b:幅の広い線路
64(P12,P12’,P22,P22’):ショットキーバリアダイオード(SBD)
11,P11’,P21,P21’:中途の電磁結合しているところ

Claims (7)

  1. 2つの高周波用伝送線路の各々の中途を電磁結合するように近接させるかまたは接合させ、前記2つの高周波用伝送線路を伝搬してきた各々の高周波信号を混合して中間周波信号を発生するミキサーであって、前記2つの高周波用伝送線路の各々は、その高周波用伝送線路の途中かまたは一端に接続された、前記高周波信号に対して検波作用のある高周波検波用素子を備えており、前記2つの高周波用伝送線路の一方の前記高周波検波素子から前記中途までの線路長と、他方の前記高周波検波素子から前記中途までの線路長との線路長差を、前記一方の高周波検波用素子に入射する高周波信号と前記他方の高周波検波用素子に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定していることを特徴とするミキサー。
  2. 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置した平板導体間に配置された2つの誘電体線路の各々の中途を電磁結合するように近接させるかまたは接合させ、前記2つの誘電体線路を伝搬してきた各々の高周波信号を混合して中間周波信号を発生するミキサーであって、前記2つの誘電体線路の各々は、その誘電体線路の途中に挿入されるかまたは一端に設置された、基板上に幅の広い線路と幅の狭い線路とを交互に形成して成るチョーク型バイアス供給線路の途中に前記高周波信号に対して検波作用のある高周波検波用素子を接続用導体を介して接続した高周波検波部を備えており、前記2つの誘電体線路の一方の前記高周波検波部から前記中途までの線路長と、他方の前記高周波検波部から前記中途までの線路長との線路長差を、前記一方の高周波検波用素子に入射する高周波信号と前記他方の高周波検波用素子に入射する高周波信号との位相差をδとしたときに、位相差δがδ=π/2となるように設定していることを特徴とするミキサー。
  3. 高周波信号を発生する高周波発振器と、該高周波発振器に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、前記分岐器の前記一方の出力端に前記第1の端子が接続されたサーキュレータと、該サーキュレータの前記第2の端子に接続された送受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に接続された、前記他方の出力端に出力された前記ローカル信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記ミキサーは請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のミキサーであることを特徴とする高周波送受信器。
  4. 高周波信号を発生する高周波発振器と、該高周波発振器に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、該分岐器の前記一方の出力端に入力端が接続された、出力端側に前記送信用高周波信号を出力するアイソレータと、該アイソレータの前記出力端に接続された、前記送信用高周波信号を送信する送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に接続された受信アンテナと、該受信アンテナと前記分岐器の前記他方の出力端との間に接続された、前記他方の出力端に出力されたローカル信号と前記受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記ミキサーは請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のミキサーであることを特徴とする高周波送受信器。
  5. 請求項3または請求項4記載の高周波送受信器と、該高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することを特徴とするレーダ装置。
  6. 請求項5記載のレーダ装置を備え、該レーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするレーダ装置搭載車両。
  7. 請求項5記載のレーダ装置を備え、該レーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするレーダ装置搭載小型船舶。
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