JP2006211093A - 色補正装置、色補正方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう。
【解決手段】観察条件設定部301では、選択された画像出力装置の観察条件を複数設定する。第1色変換部302ではRGB信号をXYZに変換し、第2色変換部303ではXYZを観察条件下に応じたJCH(QMH)に変換する。第3色変換部304ではCMYKをXYZに変換し、第4色変換部305ではXYZを観察条件に応じたJCH(QMH)に変換する。色差演算部306ではJCH(QMH)の差を求め、出力信号制御部307では色差が最小となるCMYKの組合せを出力する。
【選択図】図4
【解決手段】観察条件設定部301では、選択された画像出力装置の観察条件を複数設定する。第1色変換部302ではRGB信号をXYZに変換し、第2色変換部303ではXYZを観察条件下に応じたJCH(QMH)に変換する。第3色変換部304ではCMYKをXYZに変換し、第4色変換部305ではXYZを観察条件に応じたJCH(QMH)に変換する。色差演算部306ではJCH(QMH)の差を求め、出力信号制御部307では色差が最小となるCMYKの組合せを出力する。
【選択図】図4
Description
本発明は、任意のカラー画像信号に対応して、色再現範囲に制限のあるカラー画像出力装置の色再現を制御する色補正装置、色補正方法、プログラムおよび記録媒体に関し、例えば、カラーファクシミリ、カラープリンタ、カラーハードコピー等の画像出力装置や、パソコン、ワークステーション上で稼動するカラープリンタ用ソフトウェアなどに好適な技術に関する。
従来から、ディスプレイ、スキャナ、プリンタ等の異なる特性を持つ画像入出力デバイによりプリンティングシステム等の画像データを扱うシステムを構成した場合、それぞれのデバイス間における色再現範囲の違い(図15参照)が、異なるデバイス間での色補正を行う際に問題となっている。
この問題を解決するために、例えば、モニタとプリンタの色再現範囲が異なる場合(図15〜17参照)、人間が知覚する明度、彩度、色相を軸とする3次元空間(CIELABなどの知覚色空間)上で出力デバイスが再現できない色を、再現可能な色に圧縮(マッピング)する(以下、ガマット圧縮という)技術がベースとなり、図15〜17に示した明度レンジを合わせた後、明度一定、彩度一定、色差最小などの方向に向って再現可能な色に彩度圧縮する方式をはじめ数多くの方式が提案されている。
例えば、特許文献1では、出力色の明度、彩度および色相の直線性を維持しながら、入力カラー画像信号中の特徴色を所定の色に一致させる技術、特許文献2では、色再現域の明度範囲に応じて、例えば、彩度成分を変化させずに中間明度部の補正量が小さくなるように圧縮する等、圧縮に関する補正を細かく制御する技術、特許文献3では、入力信号と色相が一致する基準色と色再現範囲内の対応色を求めて、対応色に基づいて出力色の色相を決定し、同色相上の色にガマットマッピングを行なう技術、特許文献4では、色相を所定の許容範囲で変化させながら色域圧縮を行ない、圧縮率を低減する技術がそれぞれ開示されている。
一方、ハードコピーやディスプレイを観察する環境に応じて色の見えが変わる為、特許文献5〜7等で、観察環境に依存しない知覚色空間において、カラー入出力デバイスの視距離や順応状態を含めた観察条件に合わせた様々な色信号変換技術が開示されており、特許文献8では、想定される複数の観察光源に対して注目色の色変動が最も小さくなるように各色材(4色以上)使用量を調整して色再現する技術、特許文献9では、選択された色空間圧縮モード(絶対的:QMH、相対的:JCH)に応じて、入出力カラーデバイスの機種や観察条件を設定し、観察条件を反映した知覚色空間において色再現範囲を圧縮する技術が記載されている。
上述したように、従来からディスプレイ、スキャナ、プリンタ等の異なる特性を持つ画像入出力デバイスによりプリンティングシステム等の画像データを扱うシステムを構成した場合、それぞれのデバイス間における色再現範囲の違いを吸収しながら色再現する画像処理方法が多数提案されているが、人間が知覚する明度、彩度、色相を軸とする3次元空間(CIELABなどの知覚色空間)上で出力デバイスが再現できない色を、再現可能な色に圧縮(マッピング)する従来の技術では、図18に示すような観察光源に応じたプリンタ1次色(CMY)の知覚量、すなわち色再現範囲の変化に対応したガマット処理ができない為、CRTモニタの色(標準RGB=sRGB)に対して、想定される観察環境下におけるプリンタ(ハードコピー)の色再現範囲(ガマット)を活用した色補正や色相の連続性に優れたガマット処理を実施することができない。
また、特許文献9に代表されるような入出力カラーデバイスの観察条件に応じた知覚色空間で色再現範囲を処理する方法を用いても、観察環境が変化する毎に観察条件を設定し、対応するパラメータを変更しなければならない為、特に様々な光源の下で観察されることが多いハードコピーの色再現については、対応することができない。
本発明は、前述した従来の問題点を解決するためになされたもので、複数の観察条件(照明光源や順応状態)に対して、最適な色補正やガマット処理(マッピング)を行ない、違和感なく、色の見えが合うようにカラー画像出力装置で色再現することを目指している。
即ち、請求項1の目的は、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項2の目的は、複数の観察条件下において、順応視野の輝度や視野角などの視環境に変化がある場合でも、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項3の目的は、複数の観察条件下において、照明光の明るさの違いも考慮して、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項4の目的は、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項5の目的は、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が大きく異なるカラー画像出力装置の色の見えが違和感なく合うように色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項6の目的は、想定される複数の観察条件下における色の見えが最も合うカラー画像出力装置の色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項7の目的は、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間のグラフィック画像の見えを、違和感なく、高い精度で色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項8の目的は、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間の色再現範囲を最大限に活用して色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項9の目的は、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間の自然画像に対して、色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項10の目的は、複数の観察条件に対して、色相のマッピングを含む最適なガマット処理を行ない、入力画像に対して色の見えが合うようなカラープリンタの色再現を高精度に行なう色補正装置を提供することである。
請求項11の目的は、複数の観察条件に対して、色相のマッピングを含む最適なガマット処理を行ない、入力画像に対して色の見えを合わせながらも、カラープリンタの1次色再現を実現し、好ましいグラフィック色再現を高精度に行なう色補正装置を提供することである。
請求項12の目的は、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が異なるカラー画像出力装置で画像出力する際、色相の連続性、均一性に優れた色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項13の目的は、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が異なるカラー画像出力装置で画像出力する際、入力色空間の外にある色も有効に活用し、色の連続性に優れ、階調つぶれが目立たない色再現を行なう色補正装置を提供することである。
請求項14の目的は、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なうことである。
請求項15の目的は、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なうことである。
請求項16の目的は、複数の観察条件下において、色再現範囲が大きく異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なうことである。
請求項17の目的は、想定される複数の観察条件下における色の見えが最も合うカラー画像出力装置の色再現を行なうことである。
本発明に関わる第1の発明は、入力色信号を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正装置において、想定される複数の観察条件を設定する手段と、入力色信号を、前記複数の観察条件に対応した色空間での知覚量を参照して画像出力装置で再現可能な対応色に補正する手段を有するものである。
本発明に関わる第2の発明は、請求項1の色補正装置における観察条件に、少なくとも出力画像に対する色順応の状態を含むようにしている。
本発明に関わる第3の発明は、請求項1の色補正装置における観察条件に、複数の観察条件に対応した色空間での知覚量として、少なくとも相対的な属性と絶対的な属性をもつ知覚量の設定を含むようにしている。
本発明に関わる第4の発明は、入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正装置において、想定される複数の観察環境を設定する手段と、入力信号の入力色空間における色の属性を求める手段と、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間において、前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求める手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正する手段を有するものである。
本発明に関わる第5の発明は、入力色空間を画像出力装置の色再現範囲に補正する色補正装置において、想定される複数の観察条件を設定する手段と、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間において設定する手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形する手段と、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲に補正する手段を有するものである。
本発明に関わる第6の発明は、請求項1、4、5の色補正装置における対応色を、前記複数の観察環境に対応した知覚色空間における色差に応じて設定するようにしている。
本発明に関わる第7の発明は、請求項4、5の色補正装置における補正を、入力色空間における色相および飽和度に応じて行なうようにしている。
本発明に関わる第8の発明は、請求項4、5の色補正装置における代表色を、入力色空間において同じ色相および飽和度を有する色の中で最高彩度の色にしている。
本発明に関わる第9の発明は、請求項4、5の色補正装置における代表色には、少なくとも人肌、空、草木などの記憶色の情報を含むようにしている。
本発明に関わる第10の発明は、請求項6の色補正装置における対応色を、画像出力装置における色材の量に相当する色信号で設定するようにしている。
本発明に関わる第11の発明は、請求項10の色補正装置において、オペレータによる前記対応色をマニュアル設定する手段を有するものである。
本発明に関わる第12の発明は、請求項4、5の色補正装置における補正で、入力色を、同じ色の属性を有する代表色と対応色の色相が一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むようにしている。
本発明に関わる第13の発明は、請求項4、5の色補正装置における補正で、入力色の色相を、同じ色の属性を有する代表色の対応色が有する色相と一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むようにしている。
本発明に関わる第14の発明は、入力色信号を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力色信号を、前記複数の観察条件に対応した色空間での知覚量を参照して画像出力装置で再現可能な色に補正するようにしている。
本発明に関わる第15の発明は、入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力信号の入力色空間における色の属性と、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間で前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正するようにしている。
本発明に関わる第16の発明は、入力色空間を画像出力装置の色再現範囲に補正する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間において求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形し、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲に補正するようにしている。
本発明に関わる第17の発明は、請求項14、15、16の色補正方法における対応色を、前記複数の観察環境に対応した各々の知覚色空間における色差の総和に応じて設定するようにしている。
本発明に関わる第1の発明は、入力色を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正装置において、出力側で想定される複数の観察環境を設定する手段と、入力色を、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間で色の見えを参照して画像出力装置の再現範囲の対応色に補正する手段を有するため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第2の発明は、入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正装置において、出力側で想定される複数の観察環境を設定する手段と、入力信号の入力色空間における色の属性を求める手段と、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間において、前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求める手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正する手段を有するようにしているため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第3の発明は、入力色空間を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正装置において、出力側で想定される複数の観察環境を設定する手段と、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間において設定する手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形する手段と、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲内の色に補正する手段を有するようにしているため、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が大きく異なるカラー画像出力装置の色の見えが違和感なく合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第4の発明は、請求項1〜3の色補正装置における対応色を、前記複数の観察環境に対応した知覚色空間における色差に応じて設定するようにしているため、想定される複数の観察条件下における色の見えが最も合うカラー画像出力装置の色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第5の発明は、請求項1〜3の色補正装置における補正を、入力色空間における色相および飽和度に応じて行なうようにしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間のグラフィック画像の見えを、違和感なく、高い精度で色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第6の発明は、請求項2〜3の色補正装置における代表色を、入力色空間において同じ色相および飽和度を有する色の中で最高彩度の色にしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間の色再現範囲を最大限に活用して色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第7の発明は、請求項2〜3の色補正装置における代表色には、少なくとも人肌、空、草木などの記憶色の情報を含むようにしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間の自然画像に対して、色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第8の発明は、請求項2〜4の色補正装置における対応色を、画像出力装置における色材の量に相当する色信号で設定するようにしているため、複数の観察環境(光源)に対して、最適なガマット圧縮(色相のマッピング)を行ない、入力画像に対して色の見えが合うようなカラープリンタの色再現を高精度に行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第9の発明は、請求項8の色補正装置において、オペレータによる前記対応色をマニュアル設定する手段を有するようにしているため、複数の観察環境(光源)に対して、最適なガマット圧縮(色相のマッピング)を行ない、入力画像に対して色の見えを合わせながらも、カラープリンタの1次色再現を実現し、好ましいグラフィック色再現を高精度に行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第10の発明は、請求項2〜3の色補正装置における画像出力装置の再現範囲の色への補正で、入力色を、同じ色の属性を有する代表色と対応色の色相が一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むようにしているため、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が異なるカラー画像出力装置で画像出力する際、色相の連続性、均一性に優れた色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第11の発明は、請求項2〜3の色補正装置における画像出力装置の再現範囲の色への補正で、入力色の色相を、同じ色の属性を有する代表色の対応色が有する色相と一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むようにしているため、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が異なるカラー画像出力装置で画像出力する際、入力色空間の外にある色も有効に活用し、色の連続性に優れ、階調つぶれが目立たない色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第12の発明は、入力色を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正方法において、出力側で想定される複数の観察環境を設定し、入力色を、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間で色の見えを参照して画像出力装置の再現範囲の色に補正するようにしているため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なうことができる。
本発明に関わる第13の発明は、入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正方法において、出力側で想定される複数の観察環境を設定し、入力信号の入力色空間における色の属性と、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間で前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正するようにしているため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なうことができる。
本発明に関わる第14の発明は、入力色空間を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正方法において、出力側で想定される複数の観察環境を設定し、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間において求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形し、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲内の色に補正するようにしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が大きく異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なうことができる。
本発明に関わる第15の発明は、請求項12〜14の色補正方法における対応色を、前記複数の観察環境に対応した各々の知覚色空間における色差の総和に応じて設定するようにしているため、想定される複数の観察条件下における色の見えが最も合うカラー画像出力装置の色再現を行なうことができる。
本発明に関わる第1の発明は、入力色信号を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正装置において、想定される複数の観察条件を設定する手段と、入力色信号を、前記複数の観察条件に対応した色空間での知覚量を参照して画像出力装置で再現可能な対応色に補正する手段を有するため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第2の発明は、請求項1の色補正装置における観察条件に、少なくとも出力画像に対する色順応の状態を含むようにしているため、複数の観察条件下において、順応視野の輝度や視野角などの視環境に変化がある場合でも、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第3の発明は、請求項1の色補正装置における観察条件に、複数の観察条件に対応した色空間での知覚量として、少なくとも相対的な属性と絶対的な属性をもつ知覚量の設定を含むようにしているため、複数の観察条件下において、照明光の明るさの違いも考慮して、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第4の発明は、入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正装置において、想定される複数の観察環境を設定する手段と、入力信号の入力色空間における色の属性を求める手段と、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間において、前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求める手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正する手段を有するため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第5の発明は、入力色空間を画像出力装置の色再現範囲に補正する色補正装置において、想定される複数の観察条件を設定する手段と、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察環境に応じた知覚色空間において設定する手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形する手段と、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲に補正する手段を有するため、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が大きく異なるカラー画像出力装置の色の見えが違和感なく合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第6の発明は、請求項1、4、5の色補正装置における対応色を、前記複数の観察環境に対応した知覚色空間における色差に応じて設定するようにしているため、想定される複数の観察条件下における色の見えが最も合うカラー画像出力装置の色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第7の発明は、請求項4、5の色補正装置における補正を、入力色空間における色相および飽和度に応じて行なうようにしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間のグラフィック画像の見えを、違和感なく、高い精度で色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第8の発明は、請求項4、5の色補正装置における代表色を、入力色空間において同じ色相および飽和度を有する色の中で最高彩度の色にしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間の色再現範囲を最大限に活用して色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第9の発明は、請求項4、5の色補正装置における代表色には、少なくとも人肌、空、草木などの記憶色の情報を含むようにしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が異なるカラー画像出力装置間の自然画像に対して、色の見えが合うように色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第10の発明は、請求項6の色補正装置における対応色を、画像出力装置における色材の量に相当する色信号で設定するようにしているため、複数の観察条件に対して、色相のマッピングを含む最適なガマット処理を行ない、入力画像に対して色の見えが合うようなカラープリンタの色再現を高精度に行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第11の発明は、請求項10の色補正装置において、オペレータによる前記対応色をマニュアル設定する手段を有するため、複数の観察条件に対して、色相のマッピングを含む最適なガマット処理を行ない、入力画像に対して色の見えを合わせながらも、カラープリンタの1次色再現を実現し、好ましいグラフィック色再現を高精度に行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第12の発明は、請求項4、5の色補正装置における補正で、入力色を、同じ色の属性を有する代表色と対応色の色相が一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むようにしているため、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が異なるカラー画像出力装置で画像出力する際、色相の連続性、均一性に優れた色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第13の発明は、請求項4、5の色補正装置における補正で、入力色の色相を、同じ色の属性を有する代表色の対応色が有する色相と一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むようにしているため、複数の観察条件下において、入力色空間と色再現範囲が異なるカラー画像出力装置で画像出力する際、入力色空間の外にある色も有効に活用し、色の連続性に優れ、階調つぶれが目立たない色再現を行なう色補正装置を提供することができる。
本発明に関わる第14、18、19の発明は、入力色信号を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力色信号を、前記複数の観察条件に対応した色空間での知覚量を参照して画像出力装置で再現可能な色に補正するようにしているため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うように色再現を行なうことができる。
本発明に関わる第15、18、19の発明は、入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力信号の入力色空間における色の属性と、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間で前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正するようにしているため、複数の観察条件下において、異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なうことができる。
本発明に関わる第16、18、19の発明は、入力色空間を画像出力装置の色再現範囲に補正する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間において求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形し、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲に補正するようにしているため、複数の観察条件下において、色再現範囲が大きく異なるカラー画像出力装置間の連続階調画像の見えが違和感なく合うように色再現を行なうことができる。
本発明に関わる第17、18、19の発明は、請求項14、15、16の色補正方法における対応色を、前記複数の観察環境に対応した各々の知覚色空間における色差の総和に応じて設定するようにしているため、想定される複数の観察条件下における色の見えが最も合うカラー画像出力装置の色再現を行なうことができる。
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
(画像処理システムの構成)
図1は、本発明に係る画像処理システムの一例を示すブロック図である。図1の例では、画像処理システムは、コンピュータ101と、コンピュータに接続された画像表示装置(ディスプレイ)100と、画像出力装置1021〜1023と、画像入力装置1024と、コンピュータから供給されるデバイス固有の色信号(RGB信号、CMY信号、CMYK信号など)を選択された画像入出力装置固有の色信号に変換する画像処理装置200で構成されている。
図1は、本発明に係る画像処理システムの一例を示すブロック図である。図1の例では、画像処理システムは、コンピュータ101と、コンピュータに接続された画像表示装置(ディスプレイ)100と、画像出力装置1021〜1023と、画像入力装置1024と、コンピュータから供給されるデバイス固有の色信号(RGB信号、CMY信号、CMYK信号など)を選択された画像入出力装置固有の色信号に変換する画像処理装置200で構成されている。
コンピュータ101には、各種のアプリケーションやプリンタ・ドライバ等のソフトウェアを実装可能となっている。また、ディスプレイ100は、画像データを表示するための出力装置であり、画像出力装置1021〜1023は、画像データをプリントアウトするための出力装置、画像入力装置1024は、画像データを取り込むための入力装置であり、画像出力装置1021〜1023としては、カラー・プリンタの他、プリンタ機能を有するカラー複写機やカラーディスプレイの表示装置など、画像入力装置1024としては、カラースキャナやディジタルカメラ等が対象となり、また、画像入出力装置は1021〜1024に限らず何台接続されていても構わない。
図2は、図1の画像処理システムにおけるコンピュータ101および画像処理装置200の処理機能を説明するための図である。図2を参照すると、コンピュータ101は、アプリケーションおよびプリンタ・ドライバ等のソフトウェアを通して、画像処理装置200へ描画コマンドを送出する機能を有している。
一方、画像処理装置200は、色補正装置201、レンダリング処理装置202、バンドバッファ203、階調処理装置204、ページメモリ205などで構成され、コンピュータ101から送られてきた描画コマンドを画像出力装置が処理可能なデータに変換する機能を有している。
(画像処理システムの動作)
コンピュータ101で描画コマンドを生成するまでの動作について説明する。まず、オペレータはコンピュータ内に実装されたアプリケーションなどを用いて、画像データをディスプレイ上に表示しながら編集する。そして、編集作業を終了すると、出力する画像出力装置1021を選択して印刷を指示する。
コンピュータ101で描画コマンドを生成するまでの動作について説明する。まず、オペレータはコンピュータ内に実装されたアプリケーションなどを用いて、画像データをディスプレイ上に表示しながら編集する。そして、編集作業を終了すると、出力する画像出力装置1021を選択して印刷を指示する。
ここで、印刷を指示する際、ディスプレイ100上に設定画面を表示して種々の印刷条件を設定することができる。
コンピュータ101は、アプリケーションから印刷を指示する命令を受け取ると、アプリケーション内部の文書データをプリンタ・ドライバへ送信する。プリンタ・ドライバは、文書データを画像処理装置200が受信可能な描画コマンドに変換した後、画像処理装置200へ送信する。
次に、本実施例における画像処理装置の動作について説明する。
画像処理装置200は、コンピュータ101と描画コマンドを送受信しながら、色補正装置201へ描画コマンドの色データを送信する。色補正装置201は、受信したRGB形式の色データに対して色補正を行い、画像出力装置1021〜1023に適した色データ(例えば、CMYK)に変換して、レンダリング処理装置202へ送信する。レンダリング処理装置202で、コマンド形式のデータをラスター形式の画像データに変換してバンドバッファへ203に格納する。そして、階調処理装置204は、バンドバッファ203からラスター形式の画像データを読み出してディザ処理などを適用し、画像形成装置が処理可能な階調データに変換し、画像出力装置1021〜1023へ生成した階調データを送信する。これにより、画像出力装置1021〜1023では、プリントアウトを行なうことができる。
ここでは、コンピュータ101内部の画像データを、ディスプレイ100に表示しながら、画像出力装置1021を用いてプリントアウトするために画像データを出力する機能を用いて実施例を説明する。この画像データは、通常ディスプレイ表示するためのR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分からなる色信号である。
コンピュータが送信したRGB信号は、例えば、順応視野の輝度、参照白色の三刺激値、背景の輝度率、順応の程度等の観察条件を含む色空間情報とともに色補正装置201へ送信され、観察環境に応じた色の見えにも対応した知覚色空間であるJCHやQMH色空間の色信号に変換される。ここで採用する色信号は、種々の観察光源や観察条件下での知覚量を予測できるもので、JCH信号のように明度、彩度、色相に相当する色成分を有する色信号や、QMH信号のように輝度に相関のあるブライトネス、カラフルネス、色相に相当する色成分を有する色信号で表現することが可能なCIEから提案されているCIECAM97s、CIECAM02などのカラー・アピアランス・モデル(図3を参照)を用いるのが望ましい。
RGB信号とその観察条件を含む色空間情報を用いて、CIECAM97sにおけるブライトネスQ、カラフルネスM、色相Hに対応する色信号Pi(Q,M,H)へ変換する(具体的な変換については後で記述する)。
前記Pi(Q,M,H)信号は、RGB色信号から生成された色信号であるため、そのままでは画像出力装置1021で再現できないような色信号が含まれることや、また入力画像によっては、彩度が低い色ばかりで画像出力装置が再現できる色域を十分に使わないことがある。
そこで、色補正装置201において、Pi(Q,M,H)を、画像出力装置1021から出力されるハードコピーが観察される条件に対応した色再現範囲にある色にマッピングし、さらにCMY信号やCMYK信号などの画像出力装置が処理可能な色信号に変換してコンピュータ100へ送信し、前記の処理によって変換された色信号を画像出力装置1021に送信することによりプリント出力が行われる。
尚、図1、図2の例では、レンダリング処理、色補正、階調処理などをコンピュータ101、画像出力装置1021〜1023とは独立した画像処理装置200で実施するようにしているが、その機能の一部がコンピュータ101内に実装されても良いし、あるいは画像出力装置1021〜1023内に実装されても良い。あるいは、画像出力装置1021〜1023とは独立に設けられたプリンタ制御装置内に実装されても良い。
また、本発明の画像処理装置200は、ソフトウェアで実現することも可能である。例えば、コンピュータ内のプログラムとして存在するプリンタ・ドライバで、画像処理装置200の機能を実現することもできる。
(実施例1における色補正装置201の構成)
次に、本発明の特徴である色補正装置201について図4を用いて説明する。
図4に示すように、色補正装置201は、選択された各画像出力装置の観察条件を複数設定する観察条件設定部301、ターゲットとなる入力(ここではRGB)信号を三刺激値XYZに変換する第1色変換部302、第1色変換部302で求めたターゲット色の三刺激値XYZを種々の観察光源や観察条件下における色の見えに関する知覚量JCH(QMH)に変換する第2色変換部303、出力色を制御する色信号(ここではCMYK)を三刺激値XYZに変換する第3色変換部304、第3色変換部304で求めた出力色の三刺激値XYZを種々の観察光源や観察条件下における色の見えに関する知覚量JCH(QMH)に変換する第4色変換部305、第2色変換部303と第4色変換部305で予測された複数の観察条件における知覚量JCH(QMH)の差を求める色差演算部306、色差演算部306で算出される複数の観察条件下における色差を評価して出力信号(ここではCMYK)を制御し、前記評価値が最も高くなるような出力信号(ここではCMYK)の組合せを出力色としてコンピュータ101に送信する出力信号制御部307で構成されている。
次に、本発明の特徴である色補正装置201について図4を用いて説明する。
図4に示すように、色補正装置201は、選択された各画像出力装置の観察条件を複数設定する観察条件設定部301、ターゲットとなる入力(ここではRGB)信号を三刺激値XYZに変換する第1色変換部302、第1色変換部302で求めたターゲット色の三刺激値XYZを種々の観察光源や観察条件下における色の見えに関する知覚量JCH(QMH)に変換する第2色変換部303、出力色を制御する色信号(ここではCMYK)を三刺激値XYZに変換する第3色変換部304、第3色変換部304で求めた出力色の三刺激値XYZを種々の観察光源や観察条件下における色の見えに関する知覚量JCH(QMH)に変換する第4色変換部305、第2色変換部303と第4色変換部305で予測された複数の観察条件における知覚量JCH(QMH)の差を求める色差演算部306、色差演算部306で算出される複数の観察条件下における色差を評価して出力信号(ここではCMYK)を制御し、前記評価値が最も高くなるような出力信号(ここではCMYK)の組合せを出力色としてコンピュータ101に送信する出力信号制御部307で構成されている。
(実施例1における色補正装置201の動作)
次に、色補正装置201の動作について図5を参照して説明する。まず、色補正を実施する前に、コンピュータ101で入力デバイス(ターゲットとなる画像出力装置)と出力デバイス(ターゲットの色に合わせる画像出力装置)を指定する(ステップ401)。
次に、色補正装置201の動作について図5を参照して説明する。まず、色補正を実施する前に、コンピュータ101で入力デバイス(ターゲットとなる画像出力装置)と出力デバイス(ターゲットの色に合わせる画像出力装置)を指定する(ステップ401)。
ここでは、コンピュータ101内部の画像(RGB)データを、ディスプレイ100に表示しながら、画像出力装置1021を用いてプリントアウトするために画像データを出力する機能を想定する為、入力デバイス(ターゲットとなる画像出力装置)がディスプレイ100、出力デバイス(ターゲットの色に合わせる画像出力装置)が画像出力装置1021(カラープリンタ)となる。
コンピュータ101は設定された入出力デバイスの特性、例えば、RGBやCMYK等のデバイス信号とデバイスに依存しない三刺激値(CIE XYZ)のような表色系との関係を示す情報(色変換パラメータ)を第1色変換部302と第3色変換部304に送る(ステップ402)。
第1色変換部302では、選択された入力デバイスのプロファイルを用いて、ターゲットとなる入力(ここではRGB)信号を三刺激値XYZに変換するが、CRTディスプレイ等における画像情報であるRGB信号は、ディスプレイの色温度、色度座標、光電変換特性に応じて、例えば、平均的な標準ディスプレイであるsRGB(8ビット:0〜255)を想定した場合、式(1)〜式(2)を用いた三刺激値XYZに変換を行ない、第2色変換部303へ送信する(ステップ403)。
r=(R/255)2.2
g=(G/255)2.2
b=(B/255)2.2 (1)
X=0.4124×r+0.3576×g+0.1805×b
Y=0.2126×r+0.7152×g+0.0722×b
Z=0.0193×r+0.1192×g+0.9505×b (2)
第3色変換部304では、カラープリンタのデバイス信号であるCMYK信号のような4次元データを三刺激値XYZなどの3次元データへの変換を実行する(ステップ404)。本実施例においては、この4次元データの色変換処理について、実際のCMYKの組み合わせに対する測定値(XYZ)をベースとした4次元メモリマップ補間演算を用いて行うようにしている。この4次元データのメモリマップ補間法について原理的な説明を行う。
r=(R/255)2.2
g=(G/255)2.2
b=(B/255)2.2 (1)
X=0.4124×r+0.3576×g+0.1805×b
Y=0.2126×r+0.7152×g+0.0722×b
Z=0.0193×r+0.1192×g+0.9505×b (2)
第3色変換部304では、カラープリンタのデバイス信号であるCMYK信号のような4次元データを三刺激値XYZなどの3次元データへの変換を実行する(ステップ404)。本実施例においては、この4次元データの色変換処理について、実際のCMYKの組み合わせに対する測定値(XYZ)をベースとした4次元メモリマップ補間演算を用いて行うようにしている。この4次元データのメモリマップ補間法について原理的な説明を行う。
4次元メモリマップ補間演算とは、C、M、Y、Kの4信号を軸とする4次元の色空間を複数の単位16頂点体に分割し、入力信号が属する単位16頂点体に割り当てられた補間パラメータを用いて補間演算を行うものである。
ここでC、M、Y、K信号が8bitデータで各軸を15分割した場合を例にとり説明する。8bit信号を15分割すると、1ステップは255/15=17となる。そこで、Tp=T/17,ΔT%17(Tは、C,M,Y,Kの各色信号値、Tp,ΔTは整数値)とすると、
入力信号Xは(C=17*Cp+ΔC,M=17*Mp+ΔM、Y=17*Yp+ΔY、K=17*Kp+ΔK)と表される。この入力Xを取り囲む16頂点体の頂点座標(=格子点)は、
[C,M,Y,K]=[17*Cp,17*Mp,17*Yp,17*Kp],[17*Cp,17*Mp,17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*Mp,17*Yp,17*Kp],[17*(Cp+1),17*Mp,17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*Cp,17*(Mp+1),17*Yp,17*Kp],[17*Cp,17*(Mp+1),17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*Cp,17*Mp,17*(Yp+1),17*Kp],[17*Cp,17*Mp,17*(Yp+1),17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*Yp,17*Kp],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*Mp,17*(Yp+1),17*Kp],
[17*(Cp+1),17*Mp,17*(Yp+1),17*(Kp+1)],
[17*Cp,17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*Kp],
[17*Cp,17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*Kp],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*(Kp+1)]となる。この単位16頂点体を図6に示す。図6において単位16頂点体は本来4次元の立体であるが、図示できないため簡易的に2つの3次元立方体に分割して描いている。即ち、左の立方体は、Kの値をKp×Δに固定した時のCMYの単位補間立体であり、右の立方体はKの格子点を(Kp+1)×Δとした時のCMY空間の単位補間立体である。(Δは単位補間立体の格子サイズであり、15分割の場合にはΔ=17である。)
入力信号Xは(C=17*Cp+ΔC,M=17*Mp+ΔM、Y=17*Yp+ΔY、K=17*Kp+ΔK)と表される。この入力Xを取り囲む16頂点体の頂点座標(=格子点)は、
[C,M,Y,K]=[17*Cp,17*Mp,17*Yp,17*Kp],[17*Cp,17*Mp,17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*Mp,17*Yp,17*Kp],[17*(Cp+1),17*Mp,17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*Cp,17*(Mp+1),17*Yp,17*Kp],[17*Cp,17*(Mp+1),17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*Cp,17*Mp,17*(Yp+1),17*Kp],[17*Cp,17*Mp,17*(Yp+1),17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*Yp,17*Kp],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*Yp,17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*Mp,17*(Yp+1),17*Kp],
[17*(Cp+1),17*Mp,17*(Yp+1),17*(Kp+1)],
[17*Cp,17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*Kp],
[17*Cp,17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*(Kp+1)],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*Kp],
[17*(Cp+1),17*(Mp+1),17*(Yp+1),17*(Kp+1)]となる。この単位16頂点体を図6に示す。図6において単位16頂点体は本来4次元の立体であるが、図示できないため簡易的に2つの3次元立方体に分割して描いている。即ち、左の立方体は、Kの値をKp×Δに固定した時のCMYの単位補間立体であり、右の立方体はKの格子点を(Kp+1)×Δとした時のCMY空間の単位補間立体である。(Δは単位補間立体の格子サイズであり、15分割の場合にはΔ=17である。)
この単位16面体の補間演算方式としては、単位16頂点体を24の5頂点体に分割して5点補間演算を行う方法が知られているが、5点の選び方が24パターンもあるため5頂点体の判定が複雑になる。そこで、本発明では16頂点体を図6の点線枠内に示すように6つの8頂点体に分割し、8点補間演算を用いることにした。
8点補間演算では、まずC、M、Yの下位データΔC,ΔM,ΔYを大小判定して、8頂点体の判定処理を行う。この大小判定の一覧を図7に示す。
次に、前述の判定処理で選択された8頂点体を用いて補間演算処理を行う。例として、(T1)が選択された場合について、図8を用いて補間演算方法を説明する。本発明による補間演算法では、まず8頂点体の対応する2頂点を線形補間し、1つの4面体を作成する。図8の例では、
Pa=P0+(P8−P0)×Δk
Pb=P1+(P9−P1)×Δk
Pc=P3+(P11−P3)×Δk
Pd=P7+(P15−P7)×Δk (3)
として、Pa,Pb,Pc,Pdを計算する。但し、Δk=ΔK/Δ(0≦Δk≦1.0)であり、Piは各頂点に割り当てられている出力値を意味している。このように、対応する2頂点をKの下位データを用いて線形補間することにより、4次元補間演算を3次元の四面体補間演算に置き換えることができる。四面体が作成されれば、あとは通常の3次元空間での四面体補間演算と同様に
P=αΔC/Δ+βΔM/Δ+γΔY/Δ+δ
=(Pb−Pa)ΔC/Δ+(Pc−Pb)ΔM/Δ+(Pd−Pc)ΔY/Δ+Pa
(4)
として、出力値Pを計算できる。
(T2)〜(T6)が選ばれた場合にも同様に計算する。各8頂点体と上式の係数α、β、γの対応関係は図9のとおりである。但し、P(i,j)は頂点Piと頂点Pjに割り当てられている出力値をΔkで線形補間した値とする。
Pa=P0+(P8−P0)×Δk
Pb=P1+(P9−P1)×Δk
Pc=P3+(P11−P3)×Δk
Pd=P7+(P15−P7)×Δk (3)
として、Pa,Pb,Pc,Pdを計算する。但し、Δk=ΔK/Δ(0≦Δk≦1.0)であり、Piは各頂点に割り当てられている出力値を意味している。このように、対応する2頂点をKの下位データを用いて線形補間することにより、4次元補間演算を3次元の四面体補間演算に置き換えることができる。四面体が作成されれば、あとは通常の3次元空間での四面体補間演算と同様に
P=αΔC/Δ+βΔM/Δ+γΔY/Δ+δ
=(Pb−Pa)ΔC/Δ+(Pc−Pb)ΔM/Δ+(Pd−Pc)ΔY/Δ+Pa
(4)
として、出力値Pを計算できる。
(T2)〜(T6)が選ばれた場合にも同様に計算する。各8頂点体と上式の係数α、β、γの対応関係は図9のとおりである。但し、P(i,j)は頂点Piと頂点Pjに割り当てられている出力値をΔkで線形補間した値とする。
本実施例では、上記の計算により4次元の補間演算を行うようにしている。なお、図6では、補間対象領域の16頂点体を立方体2つで図示したが、本発明は補間対象領域をそれに限定することはなく、辺の長さが異なる16頂点体や、極座標表示の入力信号等に対応した変形16頂点体の場合にも適用が可能である。
一方、観察条件設定部301では、選択したCRTディスプレイやカラープリンタで出力されたハードコピーに対して、想定される観察条件を複数設定することが可能で、ここでは、入力側としたCRTディスプレイをsRGB観察環境に固定し、出力側であるカラープリンタで出力されたハードコピーを、標準光源であるD50と実際に観察されることが想定される蛍光灯等のカスタム光源を設定した場合について述べる(ステップ405)。
第2色変換部303では入力側(CRTディスプレイ)の三刺激値(XtYtZt)、第4色変換部305では出力側(カラープリンタ)の三刺激値(XpYpZp)について、CIECAM97sで定義されている(5)〜(33)に示す演算を行い、XYZ→JCH(QMH)変換を実行する(ステップ406、407)。
参照白色の三刺激値:Xw、Yw、Zw
Rc=(D*(1.0/Rw)+1−D)*R
Gc=(D*(1.0/Gw)+1−D)*G
if(B<0)
Bc=(D*(1.0/pow(Bw,p))+1−D)*fabs(pow(B,p))*(−1.0)
else
Bc=(D*(1.0/pow(Bw,p))+1−D)*pow(B,p) (8)
Rcw=(D*(1.0/Rw)+1−D)*Rw;
Gcw=(D*(1.0/Gw)+1−D)*Gw;
Bcw=(D*(1.0/pow(Bw,p))+1−D)*pow(fabs(Bw),p); (9)
ただし、
p=pow((Bw/1.0),0.0834) (10)
D=F−F/(1+2*pow(La,1/4)+La*La/300) (11)
順応視野の輝度:La
順応の程度を表わす係数:F
Gda=(40*pow((Fl*Gd/100),0.73))/(pow((Fl*Gd/100),0.73)+2)+1
Bda=(40*pow((Fl*Bd/100),0.73))/(pow((Fl*Bd/100),0.73)+2)+1 (14)
Rdaw=(40*pow((Fl*Rdw/100),0.73))/(pow((Fl*Rdw/100),0.73)+2)+1
Gdaw=(40*pow((Fl*Gdw/100),0.73))/(pow((Fl*Gdw/100),0.73)+2)+1
Bdaw=(40*pow((Fl*Bdw/100),0.73))/(pow((Fl*Bdw/100),0.73)+2)+1 (15)
ここで、
Fl=0.2*pow(k,4)*(5*La)+0.1*(1−pow(k,4))*(1−pow(k,4))*pow(5*La,1/3) (18)
n=Yb/Yw (19)
Nbb=0.725*pow(1/n,0.2) (20)
Ncb=Nbb; (21)
z=1+Fll*pow(n,0.5) (22)
Yb:背景の輝度率
Fl:順応輝度に応じた係数
Fll:明度コントラスト係数
n:背景が刺激の見えに影響を及ぼす程度を表わす係数
Ca=Rda−12.0*Gda/11.0+Bda/11.0
Cb=(1/9)*(Rda+Gda−2*Bda)
h=(180/M_PI)*atan2(b,a)
if(h<0) h=360−fabs(h) (23)
e=e1+(e2−e1)*(h−h1)/(h2−h1) (24)
H=h1+100*(h−h1)/e1/((h−h1)/e1+(h2−h)/e2)
(25)
ただし、
if(h<=20.14) {
e1=0.8565
e2=0.8
h1=0.0
h2=20.14
}
else if(h<=90.0) {
e1=0.8
e2=0.7
h1=20.14
h2=90.0
}
else if(h<=164.25) {
e1=0.7
e2=1.0
h1=90.0
h2=164.25
}
else if(h<=237.53) {
e1=1.0
e2=1.2
h1=164.25
h2=237.53
}
else {
e1=1.2
e2=0.8565
h1=237.53
h2=360.0
} (26)
A=(2*Rda+Gda+(1/20)*Bda−2.05)*Nbb (27)
Aw=(2*Rdaw+Gdaw+(1/20)*Bdaw−2.05)*Nbb
(28)
J=100*pow(A/Aw,c*z) (29)
Q=(1.24/c)*pow((J/100),0.67)*pow((Aw+3),0.9) (30)
s=(50*pow((a*a+b*b),0.5)*100*e*(10/13)*Nc*Ncb)/(Rda+Gda+(21/20)*Bda) (31)
C=2.44 * pow(s,0.69)*pow((J/100),0.67*n)*(1.64−pow(0.29,n)) (32)
M=C*pow(Fl,0.15) (33)
ここで、
周囲の影響の大きさに関する係数:c
クロマチックインダクション係数:Nc
無彩色応答:A
白色に対する無彩色応答:Aw
J:明度
ブライトネス:Q
彩度:s
クロマ:C
カラフルネス:M
本実施例では、入力側の観察条件としてsRGBが設定されているので、第2色変換部303においては、第1色変換部からの試験色の三刺激値Xt、Yt、Ztの入力に対して、(5)〜(33)で以下のパラメータを用いて知覚量Jt、Ct、Htが演算され、色差演算部306に送られる(ステップ406)。
また、入力デバイスのRGB信号特性がsRGB信号以外の場合には、ICCプロファイル等で定義されたそれぞれの色特性に応じたXYZにしてからJCH(QMH)への色変換を行うことも可能である。
(XtYtZt→JtCtHt)
・参照白色の三刺激値:Xw=95.02、Yw=100、Zw=108.81(D65光源)
・順応視野の輝度:La=4(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
(XtYtZt→JtCtHt)
・参照白色の三刺激値:Xw=95.02、Yw=100、Zw=108.81(D65光源)
・順応視野の輝度:La=4(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
一方、第4色変換部305では、観察条件設定部301において、標準的な観察条件(D50光源ブース)と実際に観察されることが想定される蛍光灯下における観察条件がそれぞれ設定されており、第3色変換部304からの試験色の三刺激値Xp、Yp、Zpの入力に対して、(5)〜(33)で以下のパラメータを用いて、観察条件に応じた知覚量Jp1、Cp1、Hp1、および、Jp2、Cp2、Hp2が演算され、色差演算部306に送られる(ステップ407)。
(XpYpZp→Jp1Cp1Hp1)
・参照白色の三刺激値:Xw=96.43、Yw=100、Zw=82.51(D50光源)
・順応視野の輝度:La=64(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
(XpYpZp→Jp2Cp2Hp2)
・参照白色の三刺激値:Xw=91.02、Yw=90.0、Zw=58.8(蛍光灯下での紙白)
・順応視野の輝度:La=32(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
(XpYpZp→Jp1Cp1Hp1)
・参照白色の三刺激値:Xw=96.43、Yw=100、Zw=82.51(D50光源)
・順応視野の輝度:La=64(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
(XpYpZp→Jp2Cp2Hp2)
・参照白色の三刺激値:Xw=91.02、Yw=90.0、Zw=58.8(蛍光灯下での紙白)
・順応視野の輝度:La=32(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
色差演算部306では、第2色変換部303から送られる知覚量JtCtHtと、第4色変換部305から送られる複数の観察条件を反映した知覚量JpCpHp(本実施例ではJp1Cp1Hp1およびJp2Cp2Hp2)との平均色差ΔEaveを、例えば、本実施例の場合、式(34)〜(36)に従って算出し、出力信号制御部307に送る(ステップ408)。
ΔE1=(ΔJ2+ΔC2+ΔH2)0.5
={(Jt−Jp1)2+(Ct−Cp1)2+(Ht−Hp1)2}0.5
={(Jt−Jp1)2+(Cat−Cap1)2+(Cbt−Cbp1)2}0.5
(34)
ΔE2={(Jt−Jp2)2+(Cat−Cap2)2+(Cbt−Cbp2)2}0.5
(35)
ΔEave=(ΔE1+ΔE2)/2 (36)
ΔE1=(ΔJ2+ΔC2+ΔH2)0.5
={(Jt−Jp1)2+(Ct−Cp1)2+(Ht−Hp1)2}0.5
={(Jt−Jp1)2+(Cat−Cap1)2+(Cbt−Cbp1)2}0.5
(34)
ΔE2={(Jt−Jp2)2+(Cat−Cap2)2+(Cbt−Cbp2)2}0.5
(35)
ΔEave=(ΔE1+ΔE2)/2 (36)
出力信号制御部307では、色差演算部306で演算される平均色差ΔEaveが最小となるCMYKの組み合わせであるCoMoYoKoを求め、プリンタ信号としてコンピュータ101に送る(ステップ409)。
ここでは、最適なCMYKの組合せを、一般的によく使われているニュートン法などを用いて求めており、4色以上の色材の組合せについても同様に実施できるが、色材のバリエーションに対して設定する観察条件が少なく、解が複数存在する場合については、式(37)のような条件色(以下は、単純なBG、UCR/UCA)を設定することで、解を一意に求めることができる。
K’=α×(min(C,M,Y)−Th1)
C’=C−β×(min(C,M,Y)−Th2)
M’=M−β×(min(C,M,Y)−Th2)
Y’=Y−β×(min(C,M,Y)−Th2) (37)
K’=α×(min(C,M,Y)−Th1)
C’=C−β×(min(C,M,Y)−Th2)
M’=M−β×(min(C,M,Y)−Th2)
Y’=Y−β×(min(C,M,Y)−Th2) (37)
(実施例2における色補正装置201の動作)
図4の色補正装置201における観察条件設定部301では、図10に示すような観察条件の設定も可能で、例えば、CRTディスプレイを参照しながらハードコピーを観察する場合なども考慮し、順応状態(不完全順応や部分順応)を含めて設定することや、色差演算部306で使われる知覚量として、相対的な属性(JCH)と絶対的な属性(QMH)の選択も可能である。
図4の色補正装置201における観察条件設定部301では、図10に示すような観察条件の設定も可能で、例えば、CRTディスプレイを参照しながらハードコピーを観察する場合なども考慮し、順応状態(不完全順応や部分順応)を含めて設定することや、色差演算部306で使われる知覚量として、相対的な属性(JCH)と絶対的な属性(QMH)の選択も可能である。
図10の例では、第2色変換部303においては、第1色変換部302からの試験色の三刺激値Xt、Yt、Ztの入力に対して、(5)〜(33)で以下のパラメータを用いて知覚量Jt、Ct、Ht、Qt、Mtが演算され、色差演算部306に送られる。
(XtYtZt→JtCtHt、QtMtHt)
・参照白色の三刺激値:Xw=95.02、Yw=100、Zw=108.81(D65光源)
・順応視野の輝度:La=32(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
・順応係数:式(11)から算出されるD
(XtYtZt→JtCtHt、QtMtHt)
・参照白色の三刺激値:Xw=95.02、Yw=100、Zw=108.81(D65光源)
・順応視野の輝度:La=32(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
・順応係数:式(11)から算出されるD
一方、第4色変換部305では、図10から、第3色変換部304からの試験色の三刺激値Xp、Yp、Zpの入力に対して、(5)〜(33)で以下のパラメータを用いて、観察条件に応じた知覚量Jp1、Cp1、Hp1、および、Qp2、Mp2、Hp2が演算され、色差演算部306に送られる。
(XpYpZp→Jp1Cp1Hp1)
・参照白色の三刺激値:Xw=87.43、Yw=92.31、Zw=74.25(D50光源下での紙白)
・順応視野の輝度:La=64(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
(XpYpZp→Qp2Mp2Hp2)
・参照白色の三刺激値:Xw=91.02、Yw=90.0、Zw=58.8(蛍光灯下での紙白)
・順応視野の輝度:La=32(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=40
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
(XpYpZp→Jp1Cp1Hp1)
・参照白色の三刺激値:Xw=87.43、Yw=92.31、Zw=74.25(D50光源下での紙白)
・順応視野の輝度:La=64(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=20
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
(XpYpZp→Qp2Mp2Hp2)
・参照白色の三刺激値:Xw=91.02、Yw=90.0、Zw=58.8(蛍光灯下での紙白)
・順応視野の輝度:La=32(cd/m2)
・順応の程度を表わす係数:F=1.0(Average)
・背景の輝度率:Yb=40
・明度コントラスト係数:Fll=1.0(Average)
・周囲の影響の大きさに関する係数:c=0.69(Average)
・クロマチックインダクション係数:Nc=1.0(Average)
色差演算部306では、第2色変換部303から送られる知覚量JtCtHt、QtMtHtと、第4色変換部305から送られる複数の観察条件を反映した知覚量(本実施例ではJp1Cp1Hp1およびQp2Mp2Hp2)との平均色差ΔEaveを、例えば、本実施例の場合、式(38)〜(42)に従って算出し、出力信号制御部307に送る。
ΔE1=(ΔJ2+ΔC2+ΔH2)0.5
={(Jt−Jp1)2+(Ct−Cp1)2+(Ht−Hp1)2}0.5
={(Jt−Jp1)2+(Cat−Cap1)2+(Cbt−Cbp1)2}0.5
(38)
ΔE2=(ΔQ2+ΔM2+ΔH2)0.5
={(Qt−Qp1)2+(Mt−Mp2)2+(Ht−Hp2)2}0.5
={(Qt−Qp2)2+(Mat−Map2)2+(Mbt−Mbp2)2}0.5
(39)
ただし、
Ma=cos(π×H/180)×M (40)
Ma=sin(π×H/180)×M (41)
ΔEave=(ΔE1+ΔE2)/2 (42)
ΔE1=(ΔJ2+ΔC2+ΔH2)0.5
={(Jt−Jp1)2+(Ct−Cp1)2+(Ht−Hp1)2}0.5
={(Jt−Jp1)2+(Cat−Cap1)2+(Cbt−Cbp1)2}0.5
(38)
ΔE2=(ΔQ2+ΔM2+ΔH2)0.5
={(Qt−Qp1)2+(Mt−Mp2)2+(Ht−Hp2)2}0.5
={(Qt−Qp2)2+(Mat−Map2)2+(Mbt−Mbp2)2}0.5
(39)
ただし、
Ma=cos(π×H/180)×M (40)
Ma=sin(π×H/180)×M (41)
ΔEave=(ΔE1+ΔE2)/2 (42)
出力信号制御部307では、色差演算部306で演算される平均色差ΔEaveが最小となるCMYKの組み合わせであるCoMoYoKoを求め、プリンタ信号としてコンピュータ101に送られる。
このように複数の画像出力装置に対する実際の視環境や対象画像の特性を観察条件として反映できるので、順応視野の輝度や画像を観察する距離(視野角)などに変化がある場合でも、異なるカラー画像出力装置間の色の見えが合うような色再現が可能となる。
(実施例3における色補正装置の構成)
図11は、実施例3に関わる色補正装置の一例を示すブロック図である。図11における色補正装置301は、ガマット変換処理部200で採用するデバイス・インディペンデントな色信号に変換するための色空間変換部103と、ガマット変換処理部200の出力結果を画像出力装置固有の色信号(CMY信号やCMYK信号など)に変換するための色空間変換部104と、コンピュータから供給されるデバイス固有の入力色信号(RGB信号)を、Ostwaldカラーシステムに基づく色相H、明るさL、飽和Sに変換する色空間変換部105と、色空間変換部104による色空間変換時に色信号(CMY+K)の組み合わせを制約する色信号制御部106と、ガマット変換処理部200を有している。
図11は、実施例3に関わる色補正装置の一例を示すブロック図である。図11における色補正装置301は、ガマット変換処理部200で採用するデバイス・インディペンデントな色信号に変換するための色空間変換部103と、ガマット変換処理部200の出力結果を画像出力装置固有の色信号(CMY信号やCMYK信号など)に変換するための色空間変換部104と、コンピュータから供給されるデバイス固有の入力色信号(RGB信号)を、Ostwaldカラーシステムに基づく色相H、明るさL、飽和Sに変換する色空間変換部105と、色空間変換部104による色空間変換時に色信号(CMY+K)の組み合わせを制約する色信号制御部106と、ガマット変換処理部200を有している。
(色補正装置301の動作)
次に、上記構成を有する色補正装置301の動作について説明する。まず、コンピュータ100は、コンピュータ内部の画像データを出力する。コンピュータが送信したRGB信号は、色補正装置301における色空間(RGB→HLS)変換部105へ送信され、色信号制御部106とガマット変換処理部200の代表色設定部210で採用するHLS信号に変換される。さらにこのHLS信号は、色空間(HLS→JCH)変換部103へ送信され、ガマット変換処理部200の色変換部230で採用する色信号に変換される。ガマット変換処理部200の色変換部230で採用する色信号は、知覚均等色空間としてCIEで標準化されているL*a*b*や、CIECAM97sなどのカラー・アピアランス・モデルをベースとする種々の観察光源や観察条件下での知覚量を予測できるJCH信号のような明度、彩度、色相に相当する色成分を有する色信号でもかまわない。本実施例における色空間変換部103では、入力HLS信号をCIECAM97sの明度J、彩度C、色相Hに準ずる色信号Pi(Ji,Ci,Hi)へ変換し出力する。
次に、上記構成を有する色補正装置301の動作について説明する。まず、コンピュータ100は、コンピュータ内部の画像データを出力する。コンピュータが送信したRGB信号は、色補正装置301における色空間(RGB→HLS)変換部105へ送信され、色信号制御部106とガマット変換処理部200の代表色設定部210で採用するHLS信号に変換される。さらにこのHLS信号は、色空間(HLS→JCH)変換部103へ送信され、ガマット変換処理部200の色変換部230で採用する色信号に変換される。ガマット変換処理部200の色変換部230で採用する色信号は、知覚均等色空間としてCIEで標準化されているL*a*b*や、CIECAM97sなどのカラー・アピアランス・モデルをベースとする種々の観察光源や観察条件下での知覚量を予測できるJCH信号のような明度、彩度、色相に相当する色成分を有する色信号でもかまわない。本実施例における色空間変換部103では、入力HLS信号をCIECAM97sの明度J、彩度C、色相Hに準ずる色信号Pi(Ji,Ci,Hi)へ変換し出力する。
上記Pi(Ji,Ci,Hi)信号は、RGB色信号から生成された色信号であるため、そのままでは画像出力装置が再現できないような色信号が含まれている。そこで、ガマット変換処理部200では、後述する手段を用いてPi(Ji,Ci,Hi)を画像出力装置が再現可能な色信号Po(Jo,Co,Ho)に変換する。色空間変換部104では、ガマット変換処理部200から出力されたPo(Jo,Co,Ho)を、色信号制御部106からの制約条件に基づき、CMY信号やCMYK信号などの画像出力装置が処理可能な色信号に変換してコンピュータ100へ送信する。
上記の処理によって変換された色信号を画像出力装置に送信することによりプリント出力が行われる。
上記の処理はソフトウエアで実現することも可能であり、例えば、コンピュータ内のプログラムとして存在するプリンタ・ドライバで機能を実現することもできる。
次に、色補正装置301を構成する各部の中で本実施例に関わるところについて詳細に説明する。
・色空間変換部105(RGB→HSL)
色空間変換部105(RGB→HSL)は、色信号制御部106とガマット変換処理部200の代表色設定部210で採用するOstwaldカラーシステムに基づく色相H、明るさL、飽和Sの信号に変換する。
・色空間変換部105(RGB→HSL)
色空間変換部105(RGB→HSL)は、色信号制御部106とガマット変換処理部200の代表色設定部210で採用するOstwaldカラーシステムに基づく色相H、明るさL、飽和Sの信号に変換する。
HLSカラーモデルはRGB色立体を変形したもので、図12に示すように、双6角錐部分空間を形成する。色相Hは、双6角錐の垂直軸まわりの角度で、ある色相の補色色相は、双6角錐の対角に位置し、軸上0から面上1の垂直軸から半径方向に飽和を測る(グレーはS=0)。明るさは、(双6角錐の低い頂点での)黒には0、(上方の頂点での)白には1である。また最大飽和色は、S=1、L=0.5となっている。
・色信号制御部106
色信号制御部106は、デバイス依存の入力色空間HLS(RGB色空間)における前記入力色の色の属性(HLS)に応じて、色空間変換部104で演算される出力デバイス色信号の組合せ(CMYK)に関する制約条件を与える。
色信号制御部106は、デバイス依存の入力色空間HLS(RGB色空間)における前記入力色の色の属性(HLS)に応じて、色空間変換部104で演算される出力デバイス色信号の組合せ(CMYK)に関する制約条件を与える。
例えば、前記HLSカラーモデルにおいて、H=60、L>=0.5、S=1の入力に対しては、イエローの色材のみを使用して色再現したり、ある色領域において色材の総量規制値を変更する等といった制約条件を、オペレータによりコンピュータ100から設定することができ、色空間変換部104ではその制約条件下で最も色差が小さくなる出力デバイス色信号の組合せ(CMYK)を選択する。
また本実施例では、入力色のガマット圧縮方向を同じ色の属性(HLS)に応じて自由に制御できるので、前述したような制約条件を与えても、色相の逆転等なしに色変換が可能である。
(ガマット変換処理部の構成)
ここではさらにガマット変換処理部200の構成について説明する。図11に示すように、ガマット変換処理部200は、代表色設定部210、対応色設定部220、色変換部230、ガマット圧縮部240、出力デバイスのガマット情報(記憶部)250で構成されている。
(ガマット変換処理部の動作)
次に、ガマット変換処理部200の動作について説明する。まず、色変換を実施する前に、コンピュータ100から入力デバイスと出力デバイスが指定されると、出力デバイスの特性とそれを観察する複数の観察環境条件に基づいた出力デバイスの色再現範囲(ガマット)を選択、あるいは、色空間(CMYK→JCH)変換部104において演算を実施し、出力デバイスのガマット情報250に保存される。
(ガマット変換処理部の構成)
ここではさらにガマット変換処理部200の構成について説明する。図11に示すように、ガマット変換処理部200は、代表色設定部210、対応色設定部220、色変換部230、ガマット圧縮部240、出力デバイスのガマット情報(記憶部)250で構成されている。
(ガマット変換処理部の動作)
次に、ガマット変換処理部200の動作について説明する。まず、色変換を実施する前に、コンピュータ100から入力デバイスと出力デバイスが指定されると、出力デバイスの特性とそれを観察する複数の観察環境条件に基づいた出力デバイスの色再現範囲(ガマット)を選択、あるいは、色空間(CMYK→JCH)変換部104において演算を実施し、出力デバイスのガマット情報250に保存される。
色空間(RGB→HLS)変換部105からの入力色信号Pi(Hi,Li,Si)は、代表色設定部210に入力され、同じ色の属性、例えば、同じ色相(=Hi)と飽和度(=Si)をもつ代表色Pd(Hd,Ld,Sd)が求められ、対応色設定部220において、出力デバイスの色再現範囲内の対応色Pt(Jt,Ct,Ht)が設定される。
入力色信号Pi(Ji,Ci,Hi)は、前記代表色Pd(Jd,Cd,Hd)と対応色Pt(Jt,Ct,Ht)を参照して、色変換部230において色相成分や明度成分が変更され、仮想入力色Pk(Jk,Ck,Hk)が生成される。
ガマット圧縮部240は、仮想入力色Pk(Jk,Ck,Hk)を、出力デバイスのガマット情報250にある画像出力装置102の色再現範囲内の色信号Po(Jo,Co,Ho)に色圧縮し、色空間(JCH→CMYK)変換部104へ出力する。
次に、ガマット変換処理部を構成する各部の中で本実施例に関わるところについて詳細に説明する。
・代表色設定部210
代表色設定部210は、HLS色空間において、同じ色相(Hd=Hi)と飽和度(Sd=Si)の代表色Pd(Hd,Ld,Sd)を設定する(図12参照)。ここでは、同じ色相と飽和度の色の中で最大彩度色(Ld=0.5)をできるだけ色変わりの目立たない色にマッピングし、イメージ全体としても色変わりの目立たない色再現が可能にしている。
・代表色設定部210
代表色設定部210は、HLS色空間において、同じ色相(Hd=Hi)と飽和度(Sd=Si)の代表色Pd(Hd,Ld,Sd)を設定する(図12参照)。ここでは、同じ色相と飽和度の色の中で最大彩度色(Ld=0.5)をできるだけ色変わりの目立たない色にマッピングし、イメージ全体としても色変わりの目立たない色再現が可能にしている。
尚、具体的な手段としては、色相、飽和度ごとの代表色を記述しておき、代表色の設定の際に、入力色信号Piの色相Hi、飽和度Siに対応する代表色Pdを読み出せばよい。入力色信号Piに対応する代表色Pdがない場合には、色相Hi、飽和度Si近傍のデータを読み出して補間演算を行うことにより近似的に計算することができる。
また、ここでは自動的に代表色を設定する実施例を記述したが、オペレータが色変わりを抑えたいと希望する色や記憶色などの重要色を代表色Pdとして手動で設定しても構わない。
・色変換部230
色変換部230では、代表色Pd(Jd,Cd,Hd)と対応色Pt(Jt,Ct,Ht)を参照して、入力色信号Pi(Ji,Ci,Hi)の色相成分や明度成分(必要に応じて彩度成分も)を変更して、仮想入力色Pk(Jk,Ck,Hk)を生成する。
色変換部230では、代表色Pd(Jd,Cd,Hd)と対応色Pt(Jt,Ct,Ht)を参照して、入力色信号Pi(Ji,Ci,Hi)の色相成分や明度成分(必要に応じて彩度成分も)を変更して、仮想入力色Pk(Jk,Ck,Hk)を生成する。
例えば、図13に示すような入力デバイスと出力デバイスのガマットの関係において、色信号Pi(Ji,Ci,Hi)が入力されると、色変換部230では下式で示す色変換を行ない、仮想入力色Pk(Jk,Ck,Hk)を算出する。
Hk=Ht+(Hi−Hd)×α
if(Ji<Jd)
Jk=(Jt−Bp)×(Ji−Bm)/(Jd−Bm)+Bp
else
Jk=(Jt−Wp)×(Ji−Wm)/(Jd−Wm)+Wp
if(Cd<Ct)
Ck=Ci×Ct/Cd
else
Ck=Ci
Pi(Ji,Ci,Hi):入力色(明度、彩度、色相)
Pk(Jk,Ck,Hk):仮想入力色(明度、彩度、色相)
Pd(Jd,Cd,Hd):代表色(明度、彩度、色相)
Pt(Jt,Ct,Ht):対応色(明度、彩度、色相)
Wm:入力デバイスのホワイトポイントのもつ明度
Wp:出力デバイスのホワイトポイントのもつ明度
Bm:入力デバイスのブラックポイントのもつ明度
Bp:出力デバイスのブラックポイントのもつ明度
α:定数 (43)
ここでは、システム色空間のHLS色空間(カラーモデル)において等色相上に並ぶ色が、知覚色空間であるJCH色空間では色相が異なる。
Hk=Ht+(Hi−Hd)×α
if(Ji<Jd)
Jk=(Jt−Bp)×(Ji−Bm)/(Jd−Bm)+Bp
else
Jk=(Jt−Wp)×(Ji−Wm)/(Jd−Wm)+Wp
if(Cd<Ct)
Ck=Ci×Ct/Cd
else
Ck=Ci
Pi(Ji,Ci,Hi):入力色(明度、彩度、色相)
Pk(Jk,Ck,Hk):仮想入力色(明度、彩度、色相)
Pd(Jd,Cd,Hd):代表色(明度、彩度、色相)
Pt(Jt,Ct,Ht):対応色(明度、彩度、色相)
Wm:入力デバイスのホワイトポイントのもつ明度
Wp:出力デバイスのホワイトポイントのもつ明度
Bm:入力デバイスのブラックポイントのもつ明度
Bp:出力デバイスのブラックポイントのもつ明度
α:定数 (43)
ここでは、システム色空間のHLS色空間(カラーモデル)において等色相上に並ぶ色が、知覚色空間であるJCH色空間では色相が異なる。
(実施例4におけるプログラムコードを記録した記憶媒体の説明)
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
図14は、本発明をソフトウェアによって実現する場合の構成例を示す。この画像処理システムは、ワークステーション等のコンピュータ101とプリンタ102とディスプレイ100が接続されている。ワークステーション(コンピュータ101)は、前記した色補正の機能を実現するもので、ディスプレイ100、キーボード112、プログラム読取装置111および演算処理装置110などで構成されている。演算処理装置は、種々のコマンドを実行可能なCPU121に、ROM123、RAM122がバスで接続されている。また、バスには大容量記憶装置であるハードディスク等のDISK124と、ネットワーク上の機器と通信を行なうNIC125が接続されている。
プログラム読取装置111は、各種のプログラムコードを記憶した記憶媒体、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置で、例えば、フロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブなどである。
記憶媒体に記憶されているプログラムコードは、プログラム読取装置で読み取ってDISK124などに格納され、このDISK124などに格納されたプログラムコードをCPU121によって実行することにより、前記した画像処理方法などを実現することができるようになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)やデバイス・ドライバなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前記した機能が達成される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
101 コンピュータ
201 色補正装置
301 観察条件設定部
302 第1色変換部
303 第2色変換部
304 第3色変換部
305 第4色変換部
306 色差演算部
307 出力信号制御部
201 色補正装置
301 観察条件設定部
302 第1色変換部
303 第2色変換部
304 第3色変換部
305 第4色変換部
306 色差演算部
307 出力信号制御部
Claims (19)
- 入力色信号を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正装置において、想定される複数の観察条件を設定する手段と、入力色信号を、前記複数の観察条件に対応した色空間での知覚量を参照して画像出力装置で再現可能な対応色に補正する手段とを具備することを特徴とする色補正装置。
- 請求項1記載の色補正装置において、前記観察条件は、少なくとも出力画像に対する色順応の状態を含むことを特徴とする色補正装置。
- 請求項1記載の色補正装置において、前記観察条件は、複数の観察条件に対応した色空間での知覚量として、少なくとも相対的な属性と絶対的な属性をもつ知覚量の設定を含むことを特徴とする色補正装置。
- 入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正装置において、想定される複数の観察条件を設定する手段と、入力信号の入力色空間における色の属性を求める手段と、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間において、前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求める手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正する手段とを具備することを特徴とする色補正装置。
- 入力色空間を画像出力装置の色再現範囲に補正する色補正装置において、想定される複数の観察条件を設定する手段と、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間において設定する手段と、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形する手段と、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲に補正する手段とを具備することを特徴とする色補正装置。
- 請求項1、4または5記載の色補正装置において、前記対応色は、前記複数の観察条件に対応した知覚色空間における色差に応じて設定することを特徴とする色補正装置。
- 請求項4または5記載の色補正装置において、前記補正は、入力色空間における色相および飽和度に応じて行なわれることを特徴とする色補正装置。
- 請求項4または5記載の色補正装置において、前記代表色は、入力色空間において同じ色相および飽和度を有する色の中で最高彩度の色であることを特徴とする色補正装置。
- 請求項4または5記載の色補正装置において、前記代表色には、少なくとも人肌、空、草木などの記憶色の情報を含むことを特徴とする色補正装置。
- 請求項6記載の色補正装置において、前記対応色は、画像出力装置における色材の量に相当する色信号で設定することを特徴とする色補正装置。
- 請求項10記載の色補正装置において、前記対応色をオペレータによりマニュアル設定する手段を具備することを特徴する色補正装置。
- 請求項4または5記載の色補正装置において、前記補正は、入力色を、同じ色の属性をもつ代表色と対応色の色相が一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むことを特徴とする色補正装置。
- 請求項4または5記載の色補正装置において、前記補正は、入力色を、同じ色の属性をもつ代表色と対応色の明度が一致するように、知覚色空間において仮想的にシフトさせる処理を含むことを特徴とする色補正装置。
- 入力色信号を画像出力装置で再現可能な色に補正する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力色信号を、前記複数の観察条件に対応した色空間での知覚量を参照して画像出力装置で再現可能な対応色に補正することを特徴とする色補正方法。
- 入力色信号に対して画像出力装置の色再現を制御する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力信号の入力色空間における色の属性と、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間で前記色の属性を有する代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色信号を、画像出力装置の再現範囲の色に補正することを特徴とする色補正方法。
- 入力色空間を画像出力装置の色再現範囲に補正する色補正方法において、想定される複数の観察条件を設定し、入力色空間における色の属性毎に設定された代表色に対する画像出力装置で再現可能な対応色を、前記複数の観察条件に応じた知覚色空間において求め、前記代表色と対応色との関係に基づいて、前記入力色空間を、色補正を行なう知覚色空間で仮想的に変形し、前記変形した仮想入力色空間を前記色再現範囲に補正することを特徴とする色補正方法。
- 請求項14、15または16記載の色補正方法において、前記対応色は、前記複数の観察条件に対応した各々の知覚色空間における色差の総和に応じて設定することを特徴とする色補正方法。
- 請求項14乃至17のいずれか1項に記載の色補正方法をコンピータに実現させるためのプログラム。
- 請求項14乃至17のいずれか1項に記載の色補正方法をコンピータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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