JP2006207422A - 電動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 磁気特性の損失なくロータを冷却し、且つ、過度の冷却を回避することができる電動圧縮機を提供する。
【解決手段】 駆動ケーシング(22、23)内のモータ(40)は、その通電により駆動させる回転軸(30)の周囲に配置され、回転軸と一体に回転される永久磁石を有するロータ(42)と、ロータの周囲に配置され、磁界の回転によりロータを回転させる電機子巻線を有するステータ(44)と、ロータ内を貫通して機械室(26)から圧縮ユニット(52)に向かう吸入冷媒の流路をなす連通孔(90)と、ロータの温度が低い場合には連通孔の流路面積を小さくさせる流量制御手段(92)とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 駆動ケーシング(22、23)内のモータ(40)は、その通電により駆動させる回転軸(30)の周囲に配置され、回転軸と一体に回転される永久磁石を有するロータ(42)と、ロータの周囲に配置され、磁界の回転によりロータを回転させる電機子巻線を有するステータ(44)と、ロータ内を貫通して機械室(26)から圧縮ユニット(52)に向かう吸入冷媒の流路をなす連通孔(90)と、ロータの温度が低い場合には連通孔の流路面積を小さくさせる流量制御手段(92)とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電動圧縮機に係り、詳しくは、車両の空調システムの冷凍回路等に組み込まれて好適な電動圧縮機に関する。
この種の圧縮機は駆動部と圧縮部とから構成され、この圧縮部には冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する圧縮ユニットが備えられている。
例えばスクロール型圧縮機では、互いに噛み合うような固定スクロール及び可動スクロールを備えており、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動する。これにより、各スクロールで形成される空間の容積が減少し、上記一連のプロセスが行われる。一方、このユニットは回転軸によって駆動され、回転軸はモータを通電することにより駆動される。これら回転軸やモータは上記駆動部の機械室内に設けられている。
例えばスクロール型圧縮機では、互いに噛み合うような固定スクロール及び可動スクロールを備えており、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動する。これにより、各スクロールで形成される空間の容積が減少し、上記一連のプロセスが行われる。一方、このユニットは回転軸によって駆動され、回転軸はモータを通電することにより駆動される。これら回転軸やモータは上記駆動部の機械室内に設けられている。
ここで、モータの発熱量が大きくなるとモータの破損を招くため、モータを冷却させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開昭61−112785号公報
ところで、電動圧縮機のモータは、回転軸の周囲に配置されたロータと、このロータの周囲に配置されたステータとからなり、このロータは永久磁石を有し、ステータは電機子巻線を有する構成が多く用いられている。
ここで、前記従来の技術では、ステータの外周側に冷媒用の流路を設け、モータの温度が異常に上昇した時、つまり、モータの発熱量が大きい場合にはこの流路内に冷媒を導入している。
ここで、前記従来の技術では、ステータの外周側に冷媒用の流路を設け、モータの温度が異常に上昇した時、つまり、モータの発熱量が大きい場合にはこの流路内に冷媒を導入している。
しかしながら、前記従来の技術では、上記一連のプロセスを経た吐出冷媒が機械室内に導入されてモータの冷却に用いられている。すなわち、上記ロータは磁気特性を損なわないように所定の耐熱温度以下での使用が望まれるものの、ステータの外周側に設けられた流路に冷媒を導入してロータを当該耐熱温度以下に抑えられるのかとの懸念がある。また、高圧高温の吐出冷媒を用いてロータを当該耐熱温度以下に抑えられるのかとの懸念もある。つまり、前記従来の技術ではステータの冷却を主眼とし、ロータの冷却の点については格別な配慮がなされていない。
ここで、機械室内には吐出冷媒に代えて吸入冷媒を導入させることも考えられるが、前記従来の技術の如くモータの発熱量が大きい場合を基準とした流路を設けると、モータの発熱量が小さい場合にはモータが必要以上に冷却されるとの問題がある。具体的には、モータの発熱量が小さい場合にはモータが過度に冷却されてしまい、実際に必要な圧縮動力が大きくなって圧縮効率が低下してしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、磁気特性の損失なくロータを冷却し、且つ、過度の冷却を回避することができる電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の電動圧縮機は、駆動ケーシング及び駆動ケーシングに気密に嵌合された圧縮ケーシングを有するハウジングと、駆動ケーシング内に形成され、回転自在に支持された回転軸を通電により駆動させるモータを備えた機械室と、冷凍回路から吸入冷媒として機械室内に導入される吸入口と、圧縮ケーシング内に収容され、回転軸によって駆動されて冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行い、吐出冷媒として冷凍回路に導出される吐出口に接続する圧縮ユニットとを具備し、モータは、回転軸の周囲に配置され、回転軸と一体に回転される永久磁石を有するロータと、ロータの周囲に配置され、磁界の回転によりロータを回転させる電機子巻線を有するステータと、ロータ内を貫通して機械室から圧縮ユニットに向かう吸入冷媒の流路をなす連通孔と、ロータの温度が低い場合には連通孔の流路面積を小さくさせる流量制御手段とを含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、ステータは、ステータの外周部分を切り欠いて機械室から圧縮ユニットに向かう吸入冷媒の流路をなす連通路と、ステータの温度が低い場合には連通路の流路面積を大きくさせ、一方、ステータの温度が高い場合には連通路の流路面積を小さくさせる流量制御手段とを含むことを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、流量制御手段は、形状記憶合金或いはバイメタルにて構成されていることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、流量制御手段は、形状記憶合金或いはバイメタルにて構成されていることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明では、機械室には、機械室内に導入された吸入冷媒をロータに向かわせるファンが備えられていることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の電動圧縮機によれば、ロータが吸入冷媒の流路をなす連通孔を備え、ロータは比較的低温の吸入冷媒により直接に冷却可能となり、ロータの永久磁石の磁気特性は損なわれない。そして、ロータが流量制御手段を備え、この流量制御手段は、ロータの温度が低くなると連通孔の流路面積を小さくし、モータの冷却に用いられた上記吸入冷媒の流量を抑えている。従って、モータの発熱量が小さい場合にはモータは冷却されなくなり、モータの過度の冷却を回避できる。この結果、圧縮ユニットに吸入される際の吸入冷媒に対してモータによる不必要な加熱が防止され、圧縮効率の低下が防止される。
また、請求項2記載の発明によれば、ステータが吸入冷媒の流路をなす連通路と流量制御手段とを備えており、この流量制御手段は、ステータの温度が低くなると連通路の流路面積を大きくし、圧縮ユニットにて必要とされる吸入冷媒の量を確保するとともに、この吸入冷媒をロータには向かわせず、モータの過度の冷却を積極的に回避する。よって、圧縮効率の低下がより一層防止される。しかも、この流量制御手段は、ステータの温度が高くなると連通孔の流路面積を小さくし、吸入冷媒をロータに向かわせてロータを冷却させる。従って、ロータの磁気特性がより適切に維持される。
更に、請求項3記載の発明によれば、吸入冷媒の流量を制御する機構が簡単になり、圧縮機の製造コストの低廉化が図られる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、吸入冷媒はファンによって攪拌され、ロータに向けて指向されるので、圧縮ユニットにて必要とされる吸入冷媒の量の確保や、モータの発熱量が大きい場合にはロータの冷却が更に促進される。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、吸入冷媒はファンによって攪拌され、ロータに向けて指向されるので、圧縮ユニットにて必要とされる吸入冷媒の量の確保や、モータの発熱量が大きい場合にはロータの冷却が更に促進される。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電動圧縮機4を示す。
当該電動圧縮機4は水平方向に延びるハウジング20を備えた横置型の圧縮機であり、この圧縮機4は車両の空調システムの冷凍回路に組み込まれている。具体的には、この冷凍回路には圧縮機4、図示しないガスクーラ、膨張弁及び蒸発器が順次配置され、圧縮機4は蒸発器から自然系冷媒であるCO2冷媒(以下、単に冷媒と称す)を吸入し、この冷媒を圧縮してガスクーラに向けて吐出する。
図1は、本実施形態に係る電動圧縮機4を示す。
当該電動圧縮機4は水平方向に延びるハウジング20を備えた横置型の圧縮機であり、この圧縮機4は車両の空調システムの冷凍回路に組み込まれている。具体的には、この冷凍回路には圧縮機4、図示しないガスクーラ、膨張弁及び蒸発器が順次配置され、圧縮機4は蒸発器から自然系冷媒であるCO2冷媒(以下、単に冷媒と称す)を吸入し、この冷媒を圧縮してガスクーラに向けて吐出する。
ハウジング20は駆動ケーシング22、リアケーシング23及び圧縮ケーシング24を有している。駆動ケーシング22はその両端が開口され、圧縮ケーシング24は駆動ケーシング22に向けて開口したカップ形状をなし、この開口端と駆動ケーシング22の一端側とがボルト28を介して気密に嵌合されている。また、リアケーシング23も駆動ケーシング22に向けて開口したカップ形状をなし、この開口端と駆動ケーシング22の他端側とがボルト29を介して気密に嵌合されている。なお、駆動ケーシング22とリアケーシング23とは一体に形成されていても良い。
駆動ケーシング22の一端側の開口端部分には環状の支持ブロック46が設けられ、駆動ケーシング22内、具体的には、支持ブロック46と本実施形態ではリアケーシング23の有底部分との空間がモータ室(機械室)26として形成されている。このモータ室26には段付きの回転軸30が配置され、この回転軸30は小径軸部32と大径軸部34とを有する。小径軸部32はニードル軸受38を介してリアケーシング23の有底部分から突出するボス48に回転自在に支持され、大径軸部34はボール軸受36を介して支持ブロック46に回転自在に支持されている。
一方、リアケーシング23の周壁にはモータ室26に連通する吸入口25が形成されており、吸入口25は前述した蒸発器に接続され、冷凍回路の吸入冷媒としてモータ室26内に導入させる。
回転軸30は電動モータ40への通電により駆動される。詳しくは、モータ室26にはブラシレスの電動モータ40が配設されており、希土類の永久磁石、例えばネオジウム磁石を有するロータ42が回転軸30の外周側に固着され、このロータ42の外周側には電機子巻線43を有するステータ44が配置されている。そして、電機子巻線43が通電されると、ロータ42は電機子巻線43で発生した磁界の回転に伴って回転し、回転軸30と一体的に回転する。
回転軸30は電動モータ40への通電により駆動される。詳しくは、モータ室26にはブラシレスの電動モータ40が配設されており、希土類の永久磁石、例えばネオジウム磁石を有するロータ42が回転軸30の外周側に固着され、このロータ42の外周側には電機子巻線43を有するステータ44が配置されている。そして、電機子巻線43が通電されると、ロータ42は電機子巻線43で発生した磁界の回転に伴って回転し、回転軸30と一体的に回転する。
ここで、圧縮ケーシング24内にはスクロールユニット(圧縮ユニット)52が収容され、このスクロールユニット52は可動スクロール54及び固定スクロール56を備えている。これら可動スクロール54及び固定スクロール56は互いに噛み合うような渦巻きラップ61,79をそれぞれ有し、これら渦巻きラップ61,79は互いに協働し、図示しないシール等を介して圧縮室58を形成する。この圧縮室58は可動スクロール54の旋回運動により、渦巻きラップ61,79の径方向外周側から中心に向けて移動し、この際にその容積が減少される。
上述した可動スクロール54の旋回運動を達成するため、可動スクロール54の基板60は駆動ケーシング22側に向けて突出するボス62を有しており、このボス62はニードル軸受64を介して偏心ブッシュ66を回転自在に支持している。この偏心ブッシュ66はクランクピン68に支持され、このクランクピン68が大径軸部34から偏心して突出している。従って、回転軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動することなる。
また、偏心ブッシュ66には、カウンタウエイト70が連結ピン71を介して偏心ブッシュ66と大径軸部34との間に取り付けられており、このカウンタウエイト70は可動スクロール54の旋回運動に対するバランスウエイトとなる。
固定スクロール56は圧縮ケーシング24の有底部分にボルト57を介して固定され、その基板78が圧縮ケーシング24内を圧縮室58側と吐出室80側とを仕切っている。基板78にはその中央に圧縮室58に連なる吐出孔82が形成され、この吐出孔82はリード弁84により開閉される。このリード弁84はその弁押さえ86とともに基板78の吐出室80側に取り付けられている。
固定スクロール56は圧縮ケーシング24の有底部分にボルト57を介して固定され、その基板78が圧縮ケーシング24内を圧縮室58側と吐出室80側とを仕切っている。基板78にはその中央に圧縮室58に連なる吐出孔82が形成され、この吐出孔82はリード弁84により開閉される。このリード弁84はその弁押さえ86とともに基板78の吐出室80側に取り付けられている。
更に、圧縮ケーシング24の有底部分には吐出室80に連通する吐出口87が形成されており、吐出室80は吐出口87を介して前述したガスクーラに接続され、吐出冷媒として冷凍回路中に吐出させる。
ところで、本実施形態の圧縮機4には、図1に二点鎖線Lで示されるように、吸入口25からの吸入冷媒がモータ室26の略半分程度にまで充填されている。そして、電動モータ40には、この吸入冷媒で完全に満たされた部分、同図の回転軸30の停止位置では、この回転軸30よりも下側に配置されたロータ42部分にロータ連通孔(連通孔)90が備えられている。
ところで、本実施形態の圧縮機4には、図1に二点鎖線Lで示されるように、吸入口25からの吸入冷媒がモータ室26の略半分程度にまで充填されている。そして、電動モータ40には、この吸入冷媒で完全に満たされた部分、同図の回転軸30の停止位置では、この回転軸30よりも下側に配置されたロータ42部分にロータ連通孔(連通孔)90が備えられている。
より詳しくは、ロータ連通孔90は、ロータ42内を貫通してモータ室26からスクロールユニット52に向かう吸入冷媒の流路をなしている。本実施形態のロータ連通孔90は、図2に示されるように、3つのロータ連通孔90がロータ42内を周方向に沿ってそれぞれ形成されている。そして、ロータ42の温度に応じて電動モータ40を冷却する吸入冷媒の流量が調整される。具体的には、ロータ40の端面には各ロータ連通孔90をそれぞれ開閉するロータ流量制御部(流量制御手段)92が設けられている。
このロータ流量制御部92は、本実施形態では形状記憶合金で形成されており、ネオジウム磁石を有するロータ42の温度が低い場合にはロータ連通孔90を閉じてその流路面積を小さくさせる一方、ロータ42の温度が高い場合には湾曲してロータ連通孔90を開き、その流路面積を大きくさせる。このように、ロータ流量制御部92がロータ連通孔90を適宜開閉作動し、ロータ42を約100〜120℃程度の温度に調整する。
また、電動モータ40には、回転軸30よりも下側に配置されたステータ44部分にステータ連通路(連通路)94が備えられている。
具体的には、ステータ連通路94は、ステータ44の外周部分を切り欠いてモータ室26からスクロールユニット52に向かう吸入冷媒の流路をなしている。本実施形態のステータ連通路94は、図2に示されるように、2つのステータ連通路94がステータ44の外周端を周方向に沿ってそれぞれ形成されている。そして、ステータ44の温度に応じて電動モータ40を冷却する吸入冷媒の流量が調整される。より詳しくは、ステータ44の側面には各ステータ連通路94をそれぞれ開閉するステータ流量制御部(流量制御手段)96が設けられている。
具体的には、ステータ連通路94は、ステータ44の外周部分を切り欠いてモータ室26からスクロールユニット52に向かう吸入冷媒の流路をなしている。本実施形態のステータ連通路94は、図2に示されるように、2つのステータ連通路94がステータ44の外周端を周方向に沿ってそれぞれ形成されている。そして、ステータ44の温度に応じて電動モータ40を冷却する吸入冷媒の流量が調整される。より詳しくは、ステータ44の側面には各ステータ連通路94をそれぞれ開閉するステータ流量制御部(流量制御手段)96が設けられている。
このステータ流量制御部96もまた、本実施形態では形状記憶合金で形成されており、ステータ44の温度が低い場合にはステータ連通路94を開いてその流路面積を大きくさせる一方、ステータ44の温度が高い場合には湾曲してステータ連通路94を閉じ(図2)、その流路面積を小さくさせる。このように、ステータ流量制御部96がステータ連通路94を適宜開閉作動し、電動モータ40において最も熱くなり得るステータ44の温度を調整する。
そして、上記圧縮機4では、電動モータ40の通電による回転軸30の回転に伴い、偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が固定スクロール56の軸心周りを旋回運動する。この際、可動スクロール54の自転は複数個の回転阻止機構50の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール54はその旋回姿勢を一定に維持した状態で固定スクロール56に対して旋回運動し、この旋回運動は吸入口25を通じてモータ室26から圧縮室58内に冷媒を吸い込み、この吸い込んだ冷媒を圧縮し、圧縮冷媒を吐出室80内に吐出する。
この吐出室80から吐出された高温高圧ガス状態の冷媒は吐出口87を経てガスクーラ内で冷却され、膨張弁に供給され、絞り作用による膨張を受けて蒸発器内に噴出され、冷媒の気化熱により蒸発器の周囲の空気が冷却される。次いで、冷気が車室内に送り込まれて車室内の冷房が行われる。なお、この蒸発器内の冷媒は圧縮機4の吸入口25に戻り、この後、圧縮機4により再度圧縮され、上述の如く循環する。
以上のように、本実施形態の圧縮機4は、電動モータ40を冷却するための冷媒量を必要な時に必要な量だけに制限したい点に着目したものである。
そして、ロータ42が吸入冷媒の流路をなすロータ連通孔90を備え、ロータ42は比較的低温の吸入冷媒により直接に冷却可能となり、ロータ42のネオジウム磁石の磁気特性は損なわれずに維持される。
そして、ロータ42が吸入冷媒の流路をなすロータ連通孔90を備え、ロータ42は比較的低温の吸入冷媒により直接に冷却可能となり、ロータ42のネオジウム磁石の磁気特性は損なわれずに維持される。
また、ロータ42がロータ流量制御部92を備えており、このロータ流量制御部92は、ロータ42の温度が低くなるとロータ連通孔90の流路面積を小さくし、電動モータ40の冷却に用いられた吸入冷媒の流量を抑えている。つまり、電動モータ40が冷却を必要とする温度にまで上昇した場合のみロータ42を冷却するのに対し、電動モータ40の発熱量が小さい場合にはロータ42は冷却されず、ロータ42の過度の冷却を回避できる。この結果、スクロールユニット52に吸入される際の吸入冷媒では電動モータ40による不必要な加熱が防止され、実際に必要な圧縮動力が抑えられて圧縮効率の低下を防止できる。
また、ステータ44が吸入冷媒の流路をなすステータ連通路94とステータ流量制御部96とを備えており、このステータ流量制御部96は、ステータ44の温度が低くなる、換言すれば、ロータ42の温度が低くなるとステータ連通路94の流路面積を大きくし、スクロールユニット52にて必要とされる吸入冷媒の量を確保するとともに、この吸入冷媒をロータ42には向かわせず、電動モータ40の過度の冷却を積極的に回避する。一方、ステータ流量制御部96は、ステータ44の温度が高くなる、すなわち、ロータ42の温度が高くなるとステータ連通路94の流路面積を小さくし、吸入冷媒をロータ42に向かわせてロータ42を冷却させる。従って、上述したロータ42とステータ44との構成が相俟って、圧縮効率の低下をより一層防止でき、しかも、ロータ42の磁気特性をより一層適切に維持できる。
更に、ロータ流量制御部92やステータ流量制御部96を形状記憶合金で構成させれば、吸入冷媒の流量を制御する機構が簡単になり、圧縮機4の製造コストの低廉化が図られる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、ロータ連通孔90やステータ連通路94の位置は、吸入冷媒の充填領域内であれば必ずしも図示の位置に限定されるものではなく、例えば、図3に示されるように、ロータ連通孔90とステータ連通路(連通路)94Aとを同一直線状に配設させても良い。また、ロータ流量制御部やステータ流量制御部は、電動モータ40の温度に対して反応できれば良く、例えば、同図に示されるように、ロータ42の端面に設けられたロータ流量制御部92Aや、ステータ44Aの側面に設けられたステータ流量制御部96Aは、形状記憶合金に代えてバイメタルであっても良い。或いは電磁弁の如くの構成であっても良い。
更に、上述したステータ連通路94,94Aは、電動モータ40の温度が低い場合に開けられ、温度が高い場合に閉じられる構成として説明されている、しかしながら、例えば、上述のロータ流量制御部92の機能と同様に、電機子巻線43や絶縁物の破損を考慮し、ステータ44の温度が高くなるとステータ連通路の流路面積を大きくし、吸入冷媒でステータ44を冷却させても良い。この場合には、バイメタル等のステータ流量制御部をステータ44の端面に設ければ達成できる。
更にまた、図3に二点鎖線で示される如く、このモータ室26内の吸入冷媒をロータ42に向かわせるファン98がモータ室26内に備えられていても良く、この場合には、吸入冷媒はロータ42に向けて良好に指向される結果、電動モータ40の発熱量が大きい場合にもロータ42の冷却が更に促進される。
ところで、上記実施形態ではスクロール型の電動圧縮機について説明されているが、本発明の圧縮ユニットは、スクロール型又はピストン往復動型のいずれのタイプにも適用可能であり、また、冷凍回路に使用される冷媒もCO2冷媒の他、代替フロンを用いても良い。
ところで、上記実施形態ではスクロール型の電動圧縮機について説明されているが、本発明の圧縮ユニットは、スクロール型又はピストン往復動型のいずれのタイプにも適用可能であり、また、冷凍回路に使用される冷媒もCO2冷媒の他、代替フロンを用いても良い。
4 電動圧縮機
20 ハウジング
22 駆動ケーシング
23 リアケーシング(駆動ケーシング)
24 圧縮ケーシング
25 吸入口
26 モータ室(機械室)
30 回転軸
40 電動モータ
42 ロータ
43 電機子巻線
44、44A ステータ
52 スクロールユニット(圧縮ユニット)
87 吐出口
90 ロータ連通孔(連通孔)
92、92A ロータ流量制御部(流量制御手段)
94、94A ステータ連通路(連通路)
96、96A ステータ流量制御部(流量制御手段)
98 ファン
20 ハウジング
22 駆動ケーシング
23 リアケーシング(駆動ケーシング)
24 圧縮ケーシング
25 吸入口
26 モータ室(機械室)
30 回転軸
40 電動モータ
42 ロータ
43 電機子巻線
44、44A ステータ
52 スクロールユニット(圧縮ユニット)
87 吐出口
90 ロータ連通孔(連通孔)
92、92A ロータ流量制御部(流量制御手段)
94、94A ステータ連通路(連通路)
96、96A ステータ流量制御部(流量制御手段)
98 ファン
Claims (4)
- 駆動ケーシング及び該駆動ケーシングに気密に嵌合された圧縮ケーシングを有するハウジングと、
前記駆動ケーシング内に形成され、回転自在に支持された回転軸を通電により駆動させるモータを備えた機械室と、
冷凍回路から吸入冷媒として該機械室内に導入される吸入口と、
前記圧縮ケーシング内に収容され、前記回転軸によって駆動されて冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行い、吐出冷媒として前記冷凍回路に導出される吐出口に接続する圧縮ユニットとを具備し、
前記モータは、
前記回転軸の周囲に配置され、該回転軸と一体に回転される永久磁石を有するロータと、
該ロータの周囲に配置され、磁界の回転により該ロータを回転させる電機子巻線を有するステータと、
前記ロータ内を貫通して前記機械室から前記圧縮ユニットに向かう前記吸入冷媒の流路をなす連通孔と、
前記ロータの温度が低い場合には前記連通孔の流路面積を小さくさせる流量制御手段と
を含むことを特徴とする電動圧縮機。 - 前記ステータは、該ステータの外周部分を切り欠いて前記機械室から前記圧縮ユニットに向かう前記吸入冷媒の流路をなす連通路と、
前記ステータの温度が低い場合には前記連通路の流路面積を大きくさせ、一方、前記ステータの温度が高い場合には前記連通路の流路面積を小さくさせる流量制御手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。 - 前記流量制御手段は、形状記憶合金或いはバイメタルにて構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動圧縮機。
- 前記機械室には、該機械室内に導入された前記吸入冷媒を前記ロータに向かわせるファンが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
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---|---|---|---|
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