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JP2006275985A - 巨核球の分類計数方法 - Google Patents

巨核球の分類計数方法 Download PDF

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JP2006275985A JP2005100004A JP2005100004A JP2006275985A JP 2006275985 A JP2006275985 A JP 2006275985A JP 2005100004 A JP2005100004 A JP 2005100004A JP 2005100004 A JP2005100004 A JP 2005100004A JP 2006275985 A JP2006275985 A JP 2006275985A
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利洋 水上
Yuujiyo Mori
悠丞 森
Tomohisa Tsuji
智悠 辻
Yoshiro Ikeuchi
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Abstract

【課題】 骨髄穿刺液中の巨核球及び巨核球の倍数体を簡便に高精度で分類計数する方法を提供する。
【解決手段】 (1)骨髄穿刺液に、巨核球に結合し、且つ結合するエピトープが異なる蛍光標識抗体を少なくとも2種類添加して、巨核球を蛍光染色し、
(2)次いで遠心洗浄を行い、上清を取り除き、
(3)細胞固定液を加え、細胞膜を固定し、
(4)細胞膜透過性を亢進させ、DNA特異蛍光色素で巨核球の核を蛍光染色し、
(5)次いで、上記工程で得られた試料をフローサイトメーターに供して、個々の細胞の少なくとも2つの蛍光信号を測定し、
(6)これら蛍光強度差から巨核球を分類計数する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フローサイトメトリーによる巨核球の分類計数方法に関する。
臨床検査の分野においては、骨髄の巨核球を分類計数することにより、疾患の診断を行う上で極めて有用な情報を得ることができる。例えば、通常、正常な骨髄中には、巨核球が一定数で存在する。巨核球は血小板の母細胞であり、末梢血液中の血小板減少や血小板増多などの疾患の存在により、巨核球数及び巨核球の倍数体(ploidy)は変動することがあり、この巨核球数を分類計数することは、疾患の存在についての情報を得る上で有用である。
従来、巨核球数算定を行うには、骨髄穿刺液に適当な染色を施した後にフックス=ローゼンタールのような血球計算盤上に移し、顕微鏡で観察しながら、分類計数するのが一般的であった。この方法では、小型の巨核球を見逃す可能性があり、正確に巨核球を分類計数することはできない。また、巨核球の倍数体は、顕微鏡で観察するだけでは、区別することができない。
一方、近年、フローサイトメータの原理を利用し、巨核球を分類計数する試みが行われている。例えば、非特許文献1では、抗血小板血清とプロピジウムアイオダイドを用いた2カラー測定法でラットの巨核球を分類計数している。この方法では、骨髄穿刺液中の細胞の膜固定を行わず、単核球分離も行っていない。しかし、この方法では、細胞膜固定が行われていないため、プロピジウムアイオダイドが効率よく細胞内に進入できないため、巨核球の染色が十分に行えない。
非特許文献2では、同様に細胞膜固定を行なわず、抗血小板抗体とプロピジウムアイオダイドを用いた2カラー測定法で巨核球を分類計数しているが、プロピジウムアイオダイドの細胞内への進入を促進するために、Triton X-100を添加している。しかし、細胞膜にダメージを与える界面活性剤を一度に多量加えると、巨核球が破壊される。したがって、この方法では、正確に巨核球数を分類計数することはできない。
また、非特許文献3では、骨髄穿刺液中の単核球細胞を分離後、細胞膜固定を行い、抗血小板抗体とプロピジウムアイオダイドを用いた2カラー測定法で巨核球を分類計数している。この方法では、単核球細胞を分離するため、操作が煩雑になり、測定までの時間を要する。また、分離操作中に巨核球の一部を回収できない可能性があり、正確に巨核球数を分類計数することはできない。
さらに上記の非特許文献2及び非特許文献3の2つの方法は、抗血小板抗体を1種類しか使用しておらず、血小板抗原の発現が消失する疾患の場合、巨核球数を正確に分類計数することができない。
Jackson et al. , Blood, Vol.63, No.4, 1984 : 768-778 Tomer et al. , Blood, Vol.74, No.2, 1989 : 594-601 Tomer et al. , Blood, 1988;71: 1244-1252
本発明は、簡便に高精度で巨核球及び巨核球の倍数体を分類計数する方法を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)骨髄穿刺液に、巨核球に結合し、且つ結合するエピトープが異なる蛍光標識抗体を少なくとも2種類添加して、巨核球を蛍光染色し、
(2)次いで遠心洗浄を行い、上清を取り除き、
(3)細胞固定液を加え、細胞膜を固定し、
(4)細胞膜透過性を亢進させ、DNA特異蛍光色素で巨核球の核を蛍光染色し、
(5)次いで、上記工程で得られた試料をフローサイトメータに供して、個々の細胞の少なくとも2つの蛍光信号を測定し、
(6)これら蛍光強度差から巨核球を分類計数する、ことを特徴とする。
さらに巨核球を倍数体ごとに分類計数することを特徴とする。
本発明によれば、簡便に高精度で巨核球及び巨核球の倍数体を分類計数することができる。
本発明でいう骨髄穿刺液とは、血液の細胞を造っている骨髄より得られた、巨核球を含む骨髄液のことを意味する。
また、巨核球に結合し、且つ結合するエピトープが異なる蛍光標識抗体における抗体とは、抗CD41a抗体、抗CD61抗体、抗CD42a抗体、抗CD42b抗体、抗CD42d抗体などが挙げられ、一般的に市販されているものを使用することができる。例えば、なかでも抗CD41a抗体と抗CD61抗体を同時に使用するのが好ましい。複数の抗体を使用することで、1つの血小板抗原が発現していなくても巨核球を捉えることができる。
上記抗体を蛍光標識抗体とするための蛍光標識化合物としては、フィコエリスリン(phycoerythrin)、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate: FITC)、アロフィコシアニン(allophycocyanin)、テキサスレッド(Texas Red)、CY5、ペリジニンクロロフィルコンプレックス(peridinin chlorophyll complex)及びそれらのフィコエリスリン結合体などによる標識化合物が挙げられる。これらの標識化合物は、後述するDNA特異蛍光色素とは異なる蛍光スペクトルを有していることが好ましい。なかでも、フィコエリスリン、フルオレセインイソチオシアネートが好ましい。
工程(1)において、骨髄穿刺液と蛍光標識抗体との混合比は、用いる骨髄穿刺液の状態、蛍光標識抗体の種類等により適宜調整することができる。通常は、10:1〜2:1程度の容量比で混合される。この際の反応温度、反応時間は、通常室温で15分〜30分、アイスバスで30分〜45分程度である。
工程(2)において、上清を取り除く方法としては、例えば、
(2)−1 工程(1)で得られた試料に、生理的希釈液を添加、混合し、
(2)−2 (2)−1で得られた試料を遠心機により遠心し、細胞を沈殿させ、
(2)−3 (2)−2で沈殿した細胞以外の上清液を取り除く方法が挙げられる。
生理的希釈液としては、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline)、生理的食塩水、CATCH溶液(0.38% sodium citrate, 10-3M adenosine, 2×10-3M theophyline in Calcium and magnesium-free Hank's balanced salt solution)、1%〜2% BSA含有CATCH溶液等が挙げられる。なかでもリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline)が好ましい。
添加する生理的希釈液の量としては、特に限定されないが、例えば、1ml〜3ml程度が挙げられる。
遠心機により遠心する回転数としては、特に限定されないが、細胞にダメージを与えず、沈殿させることができる回転数であることを考慮すると、例えば、500rpm〜3,000rpmが挙げられる。この際の遠心時間は、回転数により適宜調整することができる。通常は、3分〜5分程度である。
上清を取り除く方法としては、特に限定されないが、アスピレーター等で挙げられる。血漿成分が残存していると、後の溶血に悪影響を及ぼすので、上清を取り除ことが好ましい。
工程(3)において、細胞固定液を加え、細胞膜を固定する方法としては、例えば、工程(2)において得られた試料に、細胞固定液を添加、混合する。工程(4)で細胞膜透過性を亢進させることができる程度の固定が好ましい。添加する細胞固定液の量は、細胞固定剤の種類、濃度により適宜調整することができる。通常は、10μl〜50μl、好ましくは15μl〜40μl、より好ましくは20μl〜25μlである。この際の反応時間は、細胞固定剤の種類、濃度により適宜調整することができる。通常は、5分〜60分、好ましくは10分〜30分、より好ましくは、15分〜20分である。
細胞固定液に含まれる細胞固定剤としては、パラフォルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、メタノール等が挙げられる。なかでも、パラフォルムアルデヒドが好ましい。
細胞固定液に含まれる細胞固定剤の濃度としては、例えば、1〜5%程度、好ましくは、1〜4%程度、より好ましくは2%程度である。
細胞固定液を調整するために、細胞固定剤を溶解させる溶媒としては、精製水、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline)、生理的食塩水、CATCH溶液(0.38% sodium citrate, 10-3M adenosine, 2×10-3M theophyline in calcium and magnesium-free Hank's balanced salt solution)、1%〜2% BSA含有CATCH溶液等が挙げられる。なかでも精製水が好ましい。
本工程における細胞膜固定は、後の界面活性剤処理によって赤血球が溶血する程度の弱い固定である。
工程(4)において、細胞膜透過性を亢進させる方法としては、例えば、工程(3)で得られた試料に、界面活性剤を含む溶液を添加、混合する方法が挙げられる。この際の反応時間は、界面活性剤の種類、濃度により適宜調整することができるが、例えば、Triton X-100の場合、1分〜2分が挙げられる。また、一度に多量の界面活性剤を添加すると巨核球のploidyの測定が困難になるので、複数回に分けて添加することが好ましい。
例えば、(4)−1 工程(3)で得られた試料に、細胞膜透過性を亢進させる界面活性剤を含む溶液を、一定量ずつ添加、混合し、(4)−2 赤血球が溶血するまで、(4)−1を繰り返す方法が挙げられる。
界面活性剤を含む溶液を一回に添加する量としては、界面活性剤の種類、濃度等により適宜調整することができる。例えば、0.1%Triton X-100溶液の場合、20μl〜40μlが挙げられる。
赤血球が溶血するまでの界面活性剤を含む溶液を添加する量としては、骨髄穿刺液により適宜調整することできる。例えば、0.1% Triton X-100溶液で、一回に添加する量が20μlの場合、(4)−1の操作を5回〜20回、計100μl〜400μl添加することにより、赤血球を溶血させることができる。
界面活性剤としては、細胞膜透過性を亢進されるものであれば、特に限定されないが、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられる。例えば、Triton X-100が好ましい。界面活性剤の濃度は、界面活性剤の種類等により適宜調整することができる。例えば、Triton X-100の場合、0.1%〜0.5%が挙げられる。界面活性剤を溶解させる溶媒としては、精製水、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline)、生理的食塩水、CATCH溶液(0.38% sodium citrate, 10-3M adenosine, 2×10-3M theophyline in calcium and magnesium-free Hank's balanced salt solution)、1%〜2% BSA含有CATCH溶液等が挙げられる。なかでも、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline)が好ましい。
工程(4)において、DNA特異蛍光色素で巨核球の核を染色する方法としては、DNA特異蛍光色素を溶解させた溶液を加える方法が挙げられる。DNA特異蛍光色素としては、例えば、プロピジウムアイオダイド、N−メチル−4−(1−ピレン)ビニル−プロピジウムアイオダイド、エチジウムブロマイド、TOTO-1、TOTO-3、YOYO-1、YOYO-3、BOBO-1、BOBO-3、エチジウムホモダイマー−1(EthD-1)、エチジウムホモダイマー−2(EthD-2)、POPO-1、POPO-3、BO-PRO-1、YO-PRO-1、TO-PRO-1等が挙げられる。なかでもプロピジウムアイオダイドが好ましい。これらDNA特異蛍光色素は、工程(1)における巨核球に結合する蛍光標識抗体の蛍光標識化合物とは異なる蛍光スペクトルを有していることが好ましい。
DNA特異蛍光色素の濃度は、DNA特異蛍光色素の種類等により適宜調整することができる。例えば、プロピジウムアイオダイドの場合、10μg/ml〜100μg/ml、より好ましくは20μg/ml〜80μg/ml、さらに好ましくは40μg/ml〜60μg/mlである。この際の反応時間は、DNA特異蛍光色素の種類、濃度により適宜調整することができる。例えば、プロピジウムアイオダイドの場合、30秒〜10分、より好ましくは1分〜2分である。DNA特異蛍光色素を溶解させる溶媒としては、精製水、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline)、生理的食塩水、CATCH溶液(0.38% sodium citrate, 10-3M adenosine, 2×10-3M theophyline in calcium and magnesium-free Hank's balanced salt solution)、1%〜2% BSA含有CATCH溶液等が挙げられる。なかでも、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline)が好ましい。
工程(5)において使用するフローサイトメータは、特に限定されるものではなく、一般に市販されているものを使用することができる。このようなフローサイトメータにより、個々の細胞の少なくとも2つの蛍光信号を測定する。この際の蛍光信号は、使用する蛍光標識抗体の標識化合物、核酸蛍光色素の種類により異なるが、例えば、緑蛍光と赤蛍光の組み合わせ、赤蛍光と橙蛍光の組み合わせ、橙蛍光と緑蛍光の組み合わせ等が挙げられる。具体的には、蛍光標識抗体の標識化合物としてFITCを用い、核酸蛍光色素としてプロピジウムアイオダイドを用いる場合、緑蛍光と赤蛍光の組み合わせを用いることができる。
有核細胞とは、骨髄穿刺液に含まれる核を有する全ての細胞のことをいう。有核細胞の中には、巨核球、白血球等が含まれる。
工程(6)においては、上記において測定した少なくとも2つの蛍光強度の差から巨核球を分類計数する。例えば、2つの蛍光信号を測定した場合には、2軸をそれぞれ、DNA特異蛍光色素に基づく蛍光及び巨核球に結合する蛍光標識抗体に基づく蛍光とし、2次元分布を得ることが好ましい。この2次元分布から巨核球及び有核細胞の分布領域を設定し、それぞれの領域の細胞数を計数することにより、巨核球数及び有核細胞数を計数することができる。さらに巨核球数を有核細胞数で除算することにより、有核細胞に対する巨核球の比率を求めることができる。
さらに、工程(6)で得られた巨核球の分布領域中の細胞を、DNA特異蛍光色素に基づくヒストグラムに展開し、1次元分布を得、この1次元分布から、倍数体ごとの分布領域を設定し、それぞれの領域の細胞数を計数することにより、巨核球の倍数体ごとの細胞数を計数することができる。倍数体とは、巨核球が細胞分裂をせずに、核が増えた状態のことを指し、核の量が増えるごとに4n、8n、16n、32n、64n、128nとなる。
さらに、倍数体ごとの細胞数を工程(6)で得られた巨核球数で除算することにより、巨核球数に対する巨核球の倍数体ごとの比率を求めることができる。
以下に本発明を以下の実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明には種々の変更、修飾が可能であって、従って、本発明の範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。
以下の組成の試薬を調製した。
(蛍光標識抗体)
FITC標識抗CD41a抗体(市販品)
FITC標識抗CD61抗体(市販品)
(生理的希釈液)
PBS pH7.3
(細胞固定液)
細胞固定剤 (パラフォルムアルデヒド 20g/l)
精製水
(DNA特異蛍光色素溶液)
核酸蛍光色素 (プロピジウムアイオダイド 50mg/l)
PBS pH7.3
(細胞膜透過性亢進溶液)
界面活性剤 (Triton X-100 1g/l)
PBS pH7.3
まず、抗凝固剤処理した骨髄穿刺液50μlに対して、FITC標識抗CD41a抗体及びFITC標識抗CD61抗体をそれぞれ5μlずつ加え、室温暗所で15分間インキュベートした。
その後、生理的希釈液を1ml加え、1,000rpmで3分間遠心し、上清を取り除いた。
その後、細胞固定液を25μl加え、混合し、室温暗所で15分間インキュベートした。
さらに、細胞膜透過性亢進溶液を5μl加え、1分間インキュベートした後、DNA特異蛍光色素溶液を1ml加え、1分間インキュベートした。
その後、細胞膜透過性亢進溶液を20μlずつ加え、混合し、この操作を10回繰り返した。
得られた試料に含有されている個々の細胞について、光源として488nmのアルゴンイオンレーザーを搭載したフローサイトメータで、530nm(緑)、650nm(赤)の波長の蛍光を測定した。
図1にX軸に赤蛍光、Y軸に緑蛍光をとったスキャッタグラムを示す。
図1では、巨核球、有核細胞、ゴーストの3集団が認められた。
解析は、図2に示したように、巨核球及び有核細胞をウィンドウ(W1、W2)によって囲み、巨核球及び有核細胞の数を計数した。次に巨核球数を有核細胞で除算し、有核細胞に対する巨核球の比率を算出した。
次に、ウィンドウ(W1)中の巨核球を、赤蛍光強度のヒストグラムに展開した。
図3にヒストグラムを示す。
解析は、図4に示したように、左端のピークから4n、8n、16n、32n、64nそれぞれの倍数体を囲み、各倍数体の細胞数を計数した。次に、各倍数体の細胞数を巨核球数で除算することにより、巨核球に対する各倍数体の比率を求めた。
また、実施例とは別に、実施例と同様の骨髄穿刺液を用いて、用手法(チュルク染色)により巨核球を分類計数した。図5に、本実施例のフローサイトメータで測定した巨核球数と、用手法で測定した巨核球数の相関図を示す。
図5から、相関係数rは、0.815となり、実施例の方法が分類計数について非常に精度が高いことが確認された。
本発明の巨核球分類計数方法は、血小板が関係する疾患の存在について、より正確な情報を得るのに有用である。
本発明の実施例で得られるスキャッタグラムである。 本発明の実施例で得られるスキャッタグラムの解析方法を示した模式図である。 本発明の実施例で得られるヒストグラムである。 本発明の実施例で得られるヒストグラムの解析方法を示した模式図である。 本発明の方法で得られる巨核球数と用手法で得られる巨核球数との相関図である。

Claims (16)

  1. (1)骨髄穿刺液に、巨核球に結合し、且つ結合するエピトープが異なる蛍光標識抗体を少なくとも2種類添加して、巨核球を蛍光染色し、
    (2)次いで遠心洗浄を行い、上清を取り除き、
    (3)細胞固定液を加え、細胞膜を固定し、
    (4)細胞膜透過性を亢進させ、DNA特異蛍光色素で巨核球の核を蛍光染色し、
    (5)次いで、上記工程で得られた試料をフローサイトメーターに供して、個々の細胞の少なくとも2つの蛍光信号を測定し、
    (6)これら蛍光強度差から巨核球を分類計数することからなる、巨核球分類計数方法。
  2. さらに巨核球を倍数体ごとに分類計数することからなる、請求項1記載の巨核球分類計数方法。
  3. 工程(1)における巨核球に結合し、且つ結合するエピトープが異なる蛍光標識抗体における抗体が、抗CD41a抗体、抗CD61抗体、抗CD42a抗体、抗CD42b抗体、及びCD42d抗体からなる群より選択される少なくとも2つである請求項1記載の巨核球分類計数方法。
  4. 前記蛍光標識抗体の蛍光標識化合物と、前記DNA特異蛍光色素とが異なる蛍光スペクトルを有する請求項1記載の巨核球分類計数方法。
  5. 前記蛍光標識化合物が、フィコエリスリン、フルオレセインイソチオシアネート、アロフィコシアニン、テキサスレッド、CY5、ペリジニンクロロフィルコンプレックス及びそれらのフィコエリスリン結合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項4に記載の巨核球分類計数方法。
  6. 前記工程(3)において、細胞固定液を加え、細胞膜を固定する工程が、前記工程(2)で得られた試料に、細胞固定剤を含む溶液を添加、混合することからなる請求項1記載の巨核球分類計数方法。
  7. 前記細胞固定剤が、パラフォルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、メタノールの中から選ばれる少なくとも1種類の化合物である請求項6記載の巨核球分類計数方法。
  8. 前記工程(4)において、細胞膜透過性を亢進させる工程が、前記工程(3)で得られた試料に、細胞膜透過性を亢進させる界面活性剤を含む溶液を添加することからなる請求項1記載の巨核球分類計数方法。
  9. 前記界面活性剤を含む溶液を添加する工程が、赤血球が溶血するまで複数回に分けて添加する工程である請求項8記載の巨核球分類計数方法。
  10. 前記工程(4)のDNA特異蛍光色素が、プロピジウムアイオダイド、N−メチル−4−(1−ピレン)ビニル−プロピジウムアイオダイド、エチジウムブロマイド、TOTO-1、TOTO-3、
    YOYO-1、BOBO-1、BOBO-3、エチジウムホモダイマー−1(EthD-1)、エチジウムホモダイマー−2(EthD-2)、POPO-1、POPO-3、BO-PRO-1、YO-PRO-1、TO-PRO-1、からなる群から選択される少なくとも1種類の色素である請求項1に記載の巨核球分類計数方法。
  11. 前記工程(5)において測定された個々の細胞の蛍光信号から、巨核球に結合する蛍光標識抗体に基づく蛍光及びDNA特異蛍光色素に基づく蛍光をそれぞれ2軸として2次元分布を得ることからなる請求項1記載の巨核球分類計数方法。
  12. 2次元分布から巨核球の分布領域を設定し、その領域の細胞数を計数する請求項11記載の巨核球分類計数方法。
  13. 2次元分布から有核細胞及び巨核球の分布領域を設定し、それぞれの領域の細胞数を計数し、巨核球数を有核細胞数で除算することにより有核細胞に対する巨核球の比率を求める請求項11に記載の巨核球分類計数方法。
  14. 2次元分布から巨核球の分布領域を設定し、その領域の細胞を、さらにDNA特異蛍光色素に基づく蛍光を軸とした1次元分布に展開することからなる請求項11に記載の巨核球分類計数方法。
  15. 1次元分布から巨核球の倍数体ごとの分布領域を設定し、それぞれの領域ごとに細胞数を計数する請求項14に記載の巨核球分類計数方法。
  16. 2次元分布から巨核球の分布領域を設定し、その領域の細胞数を計数し、1次元分布から巨核球の倍数体ごとの細胞数を計数し、巨核球の倍数体ごとの細胞を巨核球数で除算することにより巨核球に対する巨核球の倍数体ごとの比率を求める請求項14に記載の巨核球分類計数方法。
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