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JP2006275110A - 外部制御式粘性流体継手装置及び車両用冷却ファン装置 - Google Patents

外部制御式粘性流体継手装置及び車両用冷却ファン装置 Download PDF

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JP2006275110A
JP2006275110A JP2005092535A JP2005092535A JP2006275110A JP 2006275110 A JP2006275110 A JP 2006275110A JP 2005092535 A JP2005092535 A JP 2005092535A JP 2005092535 A JP2005092535 A JP 2005092535A JP 2006275110 A JP2006275110 A JP 2006275110A
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Yasuo Ozawa
保夫 小澤
Mitsutoshi Hagiwara
光敏 萩原
Hironori Yoshida
裕徳 吉田
Satoru Kato
悟 加藤
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】 制御部の耐久性、信頼性を増大し、且つ、駆動側回転体から従動側回転体への伝達トルクを好適に制御することができる外部制御式粘性流体継手装置及び車両用冷却ファン装置を提供する。
【解決手段】 外部制御式粘性流体継手装置は、ハウジング11と、ハウジングに回転可能に支持されたボディ12と、ボディに回転可能に支持された出力軸13と、シリコンオイルの供給量に応じてボディから出力軸への伝達トルクが変更されるトルク伝達部41と、シリコンオイルを貯蔵するオイル貯蔵室44と、オイル供給路42と、ハウジングに固定されオイル貯蔵室に貯蔵されたシリコンオイルをオイル供給路に供給する電子制御ポンプ15と、トルク伝達部に供給されたシリコンオイルをオイル貯蔵室に戻すオイル戻し路43と、ハウジングに固定され外部信号に基いて電子制御ポンプがオイル供給路に供給するシリコンオイルの供給量を変化させるECU16とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外部制御式粘性流体継手装置及び車両用冷却ファン装置に関するものである。
従来、粘性流体継手装置として種々のものが提案されている。例えば、特許文献1の粘性流体継手装置は、駆動軸(1)に固定された駆動側回転体(7)を挟み込むようにして構成されるケース(2)及びカバー(3)により形成される作動側空間(14)と、カバーに設けられた油の貯蔵室(6)とから構成される。この粘性流体継手装置は、カバー前面に固定された空気温度感応式バイメタル(10)を前面空気温度(ラジエータ通過風温度)により変形させ、これにより弁部材(8)を動作させて貯蔵室からトルク伝達部(4)へとつながる油の供給孔(5−1)の開度を変化させることで、伝達トルクを制御しファン回転数を変化させる。
ところで、この粘性流体継手装置では、前面空気温度による空気温度感応式バイメタルの変形によって伝達トルクが制御されるため、所要の応答性が得られないことがある。そして、例えばファン回転数が、実際に必要な風量に対し応答遅れや過剰供給を生じて制御されてしまう。
そこで、近年では、空気温度感応式バイメタルに代えて、永久磁石、電磁コイルから構成される制御部を設け、この制御部に対して外部からラジエータ水温(エンジン冷却液の温度)、油温、エンジン回転数等の信号(外部信号)を入力し、制御部により弁部材を動作させて油の供給孔の開度、即ち伝達トルクを制御する外部制御式粘性流体継手装置が提案されている。例えば特許文献2の外部制御式粘性流体継手装置は、空気温度感応式バイメタルを廃止し、電磁石で弁部材を駆動して油の供給孔の開度を制御するものである。
特許第3582739号公報(第1図) 特開2004−340373号公報 特開2005−3131号公報
ところで、特許文献2の外部制御式粘性流体継手装置は、既存の粘性流体継手装置の構造を利用することから、信号を伝える制御部等を回転体に設置する必要がある。従って、制御部に対し外力が加えられる分、制御部の耐久性・信頼性を低減させてしまう。
一方、粘性流体を使用せず、電磁クラッチによる外部制御にて伝達トルクを制御する機構も提案されている(例えば特許文献3など)。しかしながら、この機構では構造が複雑化してシステムとして大掛かりなものとなり、加えてファン回転数を必要風量に対しリニアに制御することが難しい。
本発明の目的は、制御部の耐久性、信頼性を増大し、且つ、駆動側回転体から従動側回転体への伝達トルクを好適に制御することができる外部制御式粘性流体継手装置及び車両用冷却ファン装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動側回転体と、前記駆動側回転体と同軸に配置されて該駆動側回転体に回転可能に支持された従動側回転体と、前記駆動側回転体と、前記従動側回転体との間に形成され、流体の供給量に応じて、前記駆動側回転体から前記従動側回転体への伝達トルクが変更されるトルク伝達部と、前記ハウジングに形成され、流体を貯蔵する流体貯蔵室と、前記ハウジングに形成され、前記トルク伝達部と前記流体貯蔵室とを連通する流体供給路と、前記ハウジングに固定され、前記流体貯蔵室に貯蔵された流体を前記流体供給路に供給する流体供給部材と、前記従動側回転体に形成され、前記トルク伝達部に供給された流体を前記流体貯蔵室に戻す流体戻し路と、前記ハウジングに固定され、外部信号に基いて前記流体供給部材が前記流体供給路に供給する流体の供給量を変化させる制御部とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の外部制御式粘性流体継手装置において、前記ハウジングには、該ハウジングとの間で熱交換するようにエンジン冷却液の循環する冷却液路が設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の外部制御式粘性流体継手装置において、前記冷却液路は、前記流体貯蔵室に隣接して配置されており、前記エンジン冷却液と前記流体とを熱交換させるようにしたことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部制御式粘性流体継手装置を備えた車両用冷却ファン装置であることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、前記制御部は、外部信号に基づき、前記流体供給部材が前記流体供給路に供給する流体の供給量を変化させる。従って、この流体供給路に供給される流体の供給量に応じて、前記トルク伝達部への流体の供給量がリニアに変更され、前記駆動側回転体から前記従動側回転体への伝達トルクが変更される。そして、前記トルク伝達部に供給された流体は、前記流体戻し路により前記流体貯蔵室に戻される。つまり、前記流体供給部材が前記流体供給路に供給する流体の供給量は、外部信号に基づき前記制御部により制御されており、前記駆動側回転体から前記従動側回転体への伝達トルクは、この供給量の変化に伴う、前記トルク伝達部への流体の供給量のリニアな変更によって好適に制御される。特に、前記流体貯蔵室を固定側である前記ハウジングにて形成し、更に前記流体供給部材及び前記制御部を前記ハウジングに固定したことで、これら流体供給部材及び制御部の耐久性、信頼性が増大される。
請求項2に記載の発明によれば、前記ハウジングは、前記冷却液路を循環するエンジン冷却液との間で熱交換する。従って、例えば本装置の作動による前記ハウジングの発熱は、エンジン冷却液への放熱によって冷却される。
請求項3に記載の発明によれば、ハウジングに形成される冷却液路を流体貯蔵室に隣接して設けることで、エンジン冷却液と流体との間で熱交換することが可能となる。これは、請求項1に記載の発明によって流体貯蔵室がハウジングに固定される結果、流体貯蔵室とハウジングに形成される流体液路とを隣接することが可能となったことに起因する。このように、エンジン冷却液と流体との間で熱交換させることで、流体をエンジン冷却液により冷却して粘性を回復させたり、エンジン冷却液を流体の熱で加熱したりすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、所要の冷却性に応じて伝達トルクを好適に制御可能な車両用冷却ファン装置を提供することができる。
以上詳述したように、請求項1乃至4に記載の発明では、制御部の耐久性、信頼性を増大し、且つ、駆動側回転体から従動側回転体への伝達トルクを好適に制御することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、例えば自動車などの車両用冷却ファン装置に適用される外部制御式粘性流体継手装置を示す断面図であり、図2は、この粘性流体継手装置の車両搭載状態を示す模式図である。図1では、その上下方向を鉛直方向に一致させて描画している。同図に示されるように、この外部制御式粘性流体継手装置は、内燃機関としての車載エンジン10上に固定されるハウジング11と、駆動側回転体としてのボディ12と、従動側回転体としての出力軸13と、仕切り板14と、流体供給部材としての電子制御ポンプ15と、制御部としての電子制御装置(以下、「ECU」という)16とを備えている。そして、前記ボディ12は、ケース17及びカバー18を備えている。
前記ハウジング11は、一側(図1の左側)に向かって段階的に縮径される段付き円柱状の本体部21と、同本体部21の他側(図1の右側)端部に連続して同側に向かって段階的に拡開される段付き円筒状の筒部22とを有している。そして、上記本体部21は、一側及び他側(図1の左側及び右側)にそれぞれ小径部21a及び大径部21bを形成している。また、この本体部21は、その中心線に沿って貫通する軸挿通孔21cを有している。この軸挿通孔21cは、他側(図1の右側、即ち筒部22側)端部で拡開されて円環状の凹部21dを形成している。一方、上記筒部22は、一側及び他側(図1の左側及び右側)にそれぞれ第1筒部22a及び第2筒部22bを形成している。上記第1筒部22aの内径は、第2筒部22bの内径よりも小さく、且つ、前記凹部21dの内径よりも大きく設定されている。
そして、上記ハウジング11には、本体部21において前記ボディ12が回転可能に支持されている。詳述すると、前記ボディ12のケース17は、前記本体部21の外径よりも大きい外径を有する有底円筒状に形成されており、その中央部には、中心線に沿って貫通する円筒状のリブ17aが形成されている。一方、前記カバー18は、前記ケース17の外径と同等の外径を有する有底円筒状に形成されており、その中央部には、中心線に沿って貫通する円筒状のリブ18aが形成されている。これらケース17及びカバー18は、前記リブ17a,18aを互いに対向する側に突出させ、互いの外周壁部17b,18bの対向面を突合わせる態様で接合されている。このとき、これらケース17及びカバー18は、カバー18に装着されたガスケット30にて液密的に接合されている。そして、前記ケース17の径方向中間部には、前記大径部21bの外径よりも大きい内径を有して他側(図1の右側)に円環状に突設されたプーリ17cが一体形成されている。前記ケース17(ボディ12)は、上記プーリ17cにおいて、大径部21bに設けられたベアリング31を介して前記ハウジング11に回転可能に支持されている。また、このケース17は、リブ17aにおいて、前記小径部21aの外周側に設けられたオイルシール32により前記ハウジング11に液密的に支持されている。
なお、図2に示したように、前記ボディ12は、前記プーリ17cに掛けられるベルト51を介して車載エンジン10の回転(駆動力)が伝達されることでその軸線(ベアリング31)周りに回転駆動される。すなわち、前記ボディ12は、車載エンジン10の駆動軸52の軸線に平行な軸線を有して前記ハウジング11に回転可能に支持されており、前記ベルト51は、駆動軸52に設けられた駆動プーリ53と上記プーリ17cとの間に掛け渡されている。従って、車載エンジン10の駆動軸52の回転により駆動プーリ53が回転すると、この回転(駆動力)がベルト51を介してプーリ17cに伝達され前記ボディ12が回転駆動される。
ここで、前記リブ17a,18aの外径は互いに同等に設定されており、前記外周壁部17b,18bの内径は互いに同等に設定されている。そして、前記ケース17の底壁部には、リブ17aの外周面と外周壁部17bの内周面との間で径方向に所定間隔をおいて、複数(本実施形態では3個)の円環状の突壁部23が形成されている。これら突壁部23は、軸線周りに同心円状に一側(図1の左側)に突設されている。同様に、前記カバー18の底壁部には、リブ18aの外周面と外周壁部18bの内周面との間で径方向に所定間隔をおいて、複数(本実施形態では3個)の円環状の突壁部24が形成されている。これら突壁部24は、前記複数の突壁部23に対向する態様で軸線周りに同心円状に他側(図1の右側)に突設されている。
上記ハウジング11及びボディ12には、前記出力軸13が回転可能に支持されている。すなわち、前記出力軸13は、前記軸挿通孔21cの内径より小さい外径を有する円柱状の第1シャフト25と、前記カバー18(リブ18a)の内径よりも小さい外径を有する円柱状の第2シャフト26と、これら第1及び第2シャフト25,26の境界部において径方向外側に突出する円盤状のロータ27とを一体的に備えている。上記ロータ27の外径は、前記外周壁部17b,18bの内径よりも小さく設定されている。上記出力軸13は、前記ロータ27が前記小径部21aの先端面との間で空間を有する態様で前記第1シャフト25が前記軸挿通孔21cに挿通されており、オイルシール34に回転可能に支持されている。また、上記出力軸13は、第2シャフト26において、リブ18aに設けられたベアリング33を介して前記ボディ12(カバー18)に回転可能に支持されている。この出力軸13は、ボディ12と同軸で配置・支持されている。
なお、上記出力軸13は、第1シャフト25の先端面が前記本体部21の筒部22側の端面と面一になるように設定されており、同出力軸13は、第1シャフト25の先端部において、前記凹部21dの内周側に設けられたオイルシール34により前記ハウジング11に液密的に支持されている。
ここで、前記ロータ27は、前記ケース17(突壁部23)及びカバー18(突壁部24)間の軸方向中央部に配置されている。そして、前記ロータ27の軸方向他側(図1の右側)には、径方向に所定間隔をおいて、複数(本実施形態では4個)の円環状の突壁部35が形成されている。これら突壁部35は、リブ17aの外周面と外周壁部17bの内周面との間で各隣接する突壁部23等の中央部に配置されるように、軸線周りに同心円状に他側(図1の右側)に突設されている。また、前記ロータ27の軸方向一側(図1の左側)にも、径方向に所定間隔をおいて、複数(本実施形態では4個)の円環状の突壁部36が形成されている。これら突壁部36は、リブ18aの外周面と外周壁部18bの内周面との間で各隣接する突壁部24等の中央部に配置されるように、軸線周りに同心円状に一側(図1の左側)に突設されている。そして、上記ボディ12と出力軸13(ロータ27)との間には、これら突壁部23,24及び突壁部35,36によってトルク伝達部41が形成されている。このトルク伝達部41は、前記ロータ27の軸方向両側において、同ロータ27の径方向内側から外側に向かって蛇行する態様で形成されている。上記ボディ12から出力軸13への伝達トルクは、後述の態様でトルク伝達部41に供給される流体としてのシリコンオイルの供給量に応じて変更される。そして、上記出力軸13は、上記ボディ12からの伝達トルクに応じた回転数で回転駆動される。
ここで、上記ハウジング11の本体部21には、前記トルク伝達部41と前記筒部22(第1筒部22a)側とを連通する流体供給路としてのオイル供給路42が形成されている。このオイル供給路42は、前記オイルシール34の一側(図1の左側)において前記軸挿通孔21cの長手方向に延びるように前記第1シャフト25の外周面との間に形成され、更に外径方向に延びるように前記ロータ27との間に形成されて前記トルク伝達部41の内周側に連通する第1流路42aと、前記オイルシール34の一側において前記第1流路42aから他側(図1の下側)方向に延びるように凹設され、更にその先端から軸方向と平行に延びるように凹設されて前記筒部22側に開口する第2流路42bとを有している。上記第2流路42bは、前記オイルシール34から他側(図1の下側)に離隔された位置で前記筒部22側に開口している。なお、前記第1流路42aは、前記軸挿通孔21cに挿通される第1シャフト25の外周面等によって周囲の閉じた流路を形成している。
一方、前記出力軸13には、前記トルク伝達部41と前記筒部22(第1筒部22a)側とを連通する流体戻し路としてのオイル戻し路43が形成されている。このオイル戻し路43は、前記ロータ27の軸方向中央部において同ロータ27の径方向外側端面から径方向内側に延びるように凹設された第1流路43aと、第1流路43aの先端から軸方向と平行に前記第1シャフト25に凹設されて前記筒部22側に開口する第2流路43bとを有している。
前記仕切り板14は、前記筒部22の第2筒部22bの内径と同等の外径を有する円盤状に形成されている。この仕切り板14は、前記第1及び第2筒部22a,22b間の内周側の段差部に当接する態様で前記筒部22に液密的に装着されている。前記出力軸13を支持するハウジング11は、この仕切り板14との間で流体貯蔵室としてのオイル貯蔵室44を形成しており、同オイル貯蔵室44にはシリコンオイルが貯蔵されている。
前記電子制御ポンプ15は、前記ハウジング11に固定されており、前記第1筒部22aを液密的に貫通する態様で前記オイル貯蔵室44内に突出している。この電子制御ポンプ15は、その吐出口が前記オイル供給路42(第2流路42b)の開口部に接続されており、前記オイル貯蔵室44に貯蔵されたシリコンオイルを吸入口から吸い込んで加圧し、これを吐出口から前記オイル供給路42に吐出することで、前記トルク伝達部41にシリコンオイルを供給する。このトルク伝達部41に供給されたシリコンオイルは、その径方向内側(内周側)から外側へと流れる。上記トルク伝達部41に供給されたシリコンオイルは、前記オイルシール32等によってベアリング31等側への浸入が遮断されることはいうまでもない。そして、前記トルク伝達部41に供給されその径方向外側に達したシリコンオイルは、前記オイル戻し路43を介してオイル貯蔵室44に戻される。
なお、上記電子制御ポンプ15は、前記オイル供給路42に供給するシリコンオイルの供給量を変更しうる周知の構成を有しており、前記ECU16からの駆動信号に基づいて駆動制御される。つまり、ECU16による電子制御ポンプ15の駆動制御により、前記オイル貯蔵室44から前記オイル供給路42を介して前記トルク伝達部41に供給されるシリコンオイルの供給量のリニアな変更が可能となっている。従って、上記ボディ12から出力軸13への伝達トルクも、リニアな変更が可能となっている。
前記ECU16は、図示しないブラケットを介して前記ハウジング11に固定されている。このECU16は、デジタルコンピュータを主体に構成されており、各種外部信号(例えば、エンジン回転数、エンジン冷却液の温度、エンジンオイルの油温等を表す外部からの入力信号)に基づいて前記電子制御ポンプ15に駆動信号を出力し、同電子制御ポンプ15を駆動制御する。
ここで、前記出力軸13の第2シャフト26には、ラジエータコアに対向する態様で冷却ファン45が固着されている。この冷却ファン45は、前記ボディ12から前記出力軸13への伝達トルクに応じたファン回転数で回転駆動され、同回転数に応じた送風量でラジエータコア、即ちエンジン冷却液を冷却する。つまり、冷却ファン45の回転によって冷却性能が得られる。
また、前記ハウジング11には、前記仕切り板14に対してオイル貯蔵室44の反対側に冷却液路46が設けられている。図2に示したように、この冷却液路46は、前記車載エンジン10の本体内部に形成されたエンジン冷却液の流路10aと連通しており、同冷却液路46には前記ハウジング11との間で熱交換するようにエンジン冷却液が循環する。従って、例えば本装置の作動によるハウジング11や前記オイル貯蔵室44に貯蔵されたシリコンオイル等の発熱は、主として前記冷却液路46を循環するエンジン冷却液への放熱によって冷却される。
次に、前記ECU16の駆動制御により前記電子制御ポンプ15が前記トルク伝達部41に供給するシリコンオイルの供給量と、伝達トルク及びこれに対応するファン回転数との関係について説明する。まず、前記電子制御ポンプ15が駆動されず、前記トルク伝達部41に供給されるシリコンオイルが皆無であると、前記ボディ12から前記出力軸13への伝達トルクも皆無であり、これに対応してファン回転数も最小(零)となる。
さて、前記電子制御ポンプ15の駆動により前記トルク伝達部41にシリコンオイルが供給されると、このときのシリコンオイルの供給量に応じて、前記ボディ12から前記出力軸13へとトルクが伝達される。そして、前記電子制御ポンプ15の駆動により前記トルク伝達部41に最大供給量となるシリコンオイルが供給されると、前記ボディ12から前記出力軸13への伝達トルクも最大となって、これに対応してファン回転数も最大となる。
従って、前記電子制御ポンプ15を駆動制御することで、前記トルク伝達部41へのシリコンオイルの供給量(ボディ12から出力軸13への伝達トルク)がリニアに変更され、ファン回転数もリニアに変更される。前記ECU16は、各種外部信号に基づいて、上述の態様でシリコンオイルの供給量を制御することでファン回転数を制御し、冷却液の温度をフィードバック制御する。
ここで、前記電子制御ポンプ15が前記トルク伝達部41に供給するシリコンオイルの供給量を、最小供給量(皆無)から最大供給量までの範囲で各種態様で変化させたときのファン回転数等の推移を、図3を併せ参照して説明する。なお、図3は、上記シリコンオイルの供給量を各種態様で変化させたときの冷却液の温度とファン回転数との関係、即ち感温特性を示すグラフである。同図では、ファン回転数が最小(最小値N1)となる状態を状態(I)として、ファン回転数が最大(最大値N2)となる状態を状態(III)としてそれぞれ図示している。また、ファン回転数がこれらの中間(最小値N1〜最大値N2の中間値)となる状態を状態(II)として図示している。
例えば、最小供給量から最大供給量までの範囲で上記シリコンオイルの供給量を変化させる際、中間の状態が短時間になるように同供給量を早く変化させたとする。この場合、ファン回転数も短時間で最小値N1から最大値N2へと推移するため、状態(II)は短時間になる。そして、図3(a)に示したように、冷却液の温度は、概ね2段階のファン回転数(最小値N1、最大値N2)によって制御される。
また、最小供給量から最大供給量までの範囲で上記シリコンオイルの供給量を変化させる際、中間の状態が長時間になるように同供給量をゆっくり変化させたとする。この場合、ファン回転数も長時間をかけて最小値N1から最大値N2へと推移するため、状態(II)は長時間になる。そして、図3(b)に示したように、冷却液の温度は、2段階のファン回転数(最小値N1、最大値N2)による制御に加え、状態(II)においてリニア(無段階)に推移するファン回転数によっても制御される。
さらに、最小供給量から最大供給量までの範囲で上記シリコンオイルの供給量を変化させる際、中間の状態で一時的に止めるように同供給量を変化させたとする。この場合、ファン回転数は、最小値N1から最大値N2へと推移する間に一時的にこれらの中間値N3(N1<N3<N2)に保持される。そして、図3(c)に示したように、冷却液の温度は、概ね3段階のファン回転数(最小値N1、中間値N3、最大値N2)によって制御される。
次に、本実施形態の動作について、図4に模式的に示したフローチャートに従って総括的に説明する。まず、S(ステップ)11において、ECU16は各種外部信号に基づき目標とする冷却液の温度(水温)を設定する。そして、ECU16はこの水温に応じて前記電子制御ポンプ15を駆動し(S12)、前記トルク伝達部41にシリコンオイルを供給する(S13)。これにより、前記トルク伝達部41に供給されたシリコンオイルを介して前記ボディ12から前記出力軸13へとトルクが伝達され(S14)、同出力軸13が回転する(S15)。これに伴い、出力軸13(第2シャフト26)に固着された冷却ファン45が回転し(S16)、冷却液が空冷されて水温が低下する(S17)。
この水温の低下はECU16にフィードバックされ(S18)、S11において新たに目標とする水温の設定に供される。すなわち、冷却液の水温が低下すると、ECU16は新たに目標とする水温の設定によって前述のシリコンオイルの供給量を制限し、前記ボディ12から前記出力軸13への伝達トルクを減少させてファン回転数が低下するように冷却ファン45を回転させる(S11〜S16)。
なお、S14におけるトルク伝達は、車載エンジン10(駆動軸52)の回転(駆動力)がベルト51を介してボディ12に伝達されることによる、ボディ12の回転を駆動源とするものである(S21〜S23)。また、S14のトルク伝達においてトルク伝達部41に供給されたシリコンオイルは、オイル戻し路43を介して前記オイル貯蔵室44に戻され(S24〜S25)、S13におけるシリコンオイルの供給に供される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記電子制御ポンプ15が前記オイル供給路42に供給するシリコンオイルの供給量は、各種外部信号に基づき前記ECU16により制御されており、この供給量の変化に伴う、前記トルク伝達部41へのシリコンオイルの供給量のリニアな変更によって、前記ボディ12から前記出力軸13への伝達トルクを好適に制御することができる。そして、外部信号としてエンジン冷却液の温度を直接監視した伝達トルクの制御によって、所要の冷却性に対し冷却ファンのファン回転数を好適に制御することができる。
特に、前記オイル貯蔵室44の一部(第1筒部22aの内周面等)を固定側である前記ハウジング11にて形成し、更に前記電子制御ポンプ15とともに前記ECU16を実質的にハウジング11に固定したことで、これら電子制御ポンプ15及びECU16の耐久性、信頼性を増大することができる。
また、例えば電磁クラッチによる外部制御にて伝達トルクを制御する機構に比べ、構造を簡易化し、システム全体として小規模化することができる。
(2)本実施形態では、前記ハウジング11は、前記冷却液路46を循環するエンジン冷却液との間で熱交換する。従って、例えば本装置の作動による前記ハウジング11や前記オイル貯蔵室44に貯蔵されたシリコンオイル等の発熱を、エンジン冷却液への放熱によって冷却することができる。そして、ベアリング31等の長寿命化と、シリコンオイルの劣化防止を図ることができる。
あるいは、エンジン冷間時に、本装置を主動的に作動させてハウジング11等を発熱させ、この発熱をエンジン冷却液に放熱して同エンジン冷却液を温めることで、エンジンの暖機性を向上することができる。
また、例えばハウジング11等に対し、冷却(空冷)のための放熱フィンを設ける必要がなくなったことで、これらの部材をより軽量化することができる。
(3)本実施形態では、所要の冷却性に応じて伝達トルクを好適に制御可能な車両用冷却ファン装置を提供することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、トルク伝達に係る流体は、適宜のオイルや水などであってもよい。
・前記実施形態において、ECU16は、実質的にハウジング11に固定されるのであれば、ブラケットの有無に関わらず車載エンジン10上やその他の適宜位置に固定してもよい。
・前記実施形態において、冷却液の温度は、4段階以上のファン回転数で制御してもよい。
・前記実施形態において、各種外部信号として、トランスミッションオイルの油温、車両速度、エアコンディショナの作動状態等を表す外部からの入力信号を採用してもよい。
・前記実施形態においては、車両用冷却ファン装置に本発明を適用したが、それ以外の適宜の装置に本発明を適用してもよい。
本発明の一実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す模式図。 (a)(b)(c)は、冷却液の温度とファン回転数との関係を示すグラフ。 同実施形態の動作を示すフローチャート。
符号の説明
11…ハウジング、12…駆動側回転体としてのボディ、13…従動側回転体としての出力軸、15…流体供給部材としての電子制御ポンプ、16…制御部としてのECU、41…トルク伝達部、42…流体供給路としてのオイル供給路、43…流体戻し路としてのオイル戻し路、44…流体貯蔵室としてのオイル貯蔵室、46…冷却液路。

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支持された駆動側回転体と、
    前記駆動側回転体と同軸に配置されて該駆動側回転体に回転可能に支持された従動側回転体と、
    前記駆動側回転体と、前記従動側回転体との間に形成され、流体の供給量に応じて、前記駆動側回転体から前記従動側回転体への伝達トルクが変更されるトルク伝達部と、
    前記ハウジングに形成され、流体を貯蔵する流体貯蔵室と、
    前記ハウジングに形成され、前記トルク伝達部と前記流体貯蔵室とを連通する流体供給路と、
    前記ハウジングに固定され、前記流体貯蔵室に貯蔵された流体を前記流体供給路に供給する流体供給部材と、
    前記従動側回転体に形成され、前記トルク伝達部に供給された流体を前記流体貯蔵室に戻す流体戻し路と、
    前記ハウジングに固定され、外部信号に基いて前記流体供給部材が前記流体供給路に供給する流体の供給量を変化させる制御部とを備えたことを特徴とする外部制御式粘性流体継手装置。
  2. 請求項1に記載の外部制御式粘性流体継手装置において、
    前記ハウジングには、該ハウジングとの間で熱交換するようにエンジン冷却液の循環する冷却液路が設けられていることを特徴とする外部制御式粘性流体継手装置。
  3. 請求項2に記載の外部制御式粘性流体継手装置において、
    前記冷却液路は、前記流体貯蔵室に隣接して配置されており、前記エンジン冷却液と前記流体とを熱交換させるようにしたことを特徴とする外部制御式粘性流体継手装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部制御式粘性流体継手装置を備えたことを特徴とする車両用冷却ファン装置。
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