以下、図面を参照して、本発明を複写機に適用した実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の複写機1は、シートに画像を形成するデジタル複写機本体1Aと、複写機本体1Aの側部に装着され複写機本体1Aから搬送されたシートの端部を整合可能な整合装置2と、整合装置2の下流側の側面に装着され整合装置2から搬送されたシートに穿孔処理を施すと共に、複数のシートで構成されるシート束に綴じ処理や折り処理を施すシート後処理装置3とを備えている。
1.複写機本体
複写機本体1Aは、原稿Dの複写画像をシートに形成する画像形成部902、画像形成部902の上方に配設され原稿Dに光を照射する光源907を有し原稿Dからの反射光を光学系908を介してCCD931に結像させ、いわゆるスキャナとして機能する画像入力部930、並びに、これら各部の動作を制御する制御部950を有して構成されている。
画像形成部902は、外周面に潜像が形成可能な円筒状の感光ドラム914を有している。感光ドラム914の周囲には、感光ドラム914に潜像形成用の電荷を帯電させる一次帯電器919、感光ドラム914上にハードディスクに記憶された画像データに応じて変調されたレーザビームを出力するレーザユニット922、感光ドラム914に形成された静電潜像を現像してトナー像とする現像器915、シートにトナー像を転写するために帯電させる転写用帯電器916、シートに転写用帯電器916とは逆極性に帯電させて感光ドラム914から分離するための分離帯電器917、及び、感光ドラム914を清浄するクリーナ918がそれぞれ配設されている。
レーザユニット922は、レーザビームを発生させる半導体レーザ、コリメータレンズを介して半導体レーザから出力されるレーザビームを1ライン毎のビームに変換するポリゴンミラー、ポリゴンミラーからの走査ライン毎のレーザビームを平行光に変換するfθレンズ、fθレンズからの平行光を反射して感光ドラム914に導くミラー、及び、ポリゴンミラーを回転させるモータを有して構成されている。
感光ドラム914の下流側かつ分離帯電器917の近傍には、無端搬送ベルト920が巻き掛けられたローラが配置されており、無端搬送ベルト920は、ヒートローラ等を有しシートに形成されたトナー像を加熱・定着させるための定着器904の近傍に配置されたローラとの間で張架されている。定着器904の下流側には、画像が形成されたシートを複写機本体1Aから排出するための排出ローラ対905が配設されている。無端搬送ベルト920の下部位置、かつ、排出ローラ対905と感光ドラム914の上流側との間には、片面に画像が定着されたシートの他面に画像を形成して両面印刷を行うためのデュープレックス921が配置されている。
複写機本体1Aの上部には原稿Dを載置するためのプラテンガラス906が配置されており、プラテンガラス906の上方には一側が複写機本体1Aの端部に固定され他側が回動可能にプラテンガラス906を覆うと共に、原稿Dをプラテンガラス906に自動給送可能な原稿自動給送装置(以下、ADFと略称する。)940が配置されている。また、複写機本体1Aの下部には、複写機本体1Aに所定サイズのシートを1枚ずつ給紙する給紙装置909が装着されている。給紙装置909は、着脱自在で、A5、A4、A3サイズのシートを収容する各カセットを有している。給紙装置909は、シートを画像形成部902に向けて給送するローラ対の回転駆動を制御する図示しない制御部で制御される。なお、シートのサイズの選択等の設定は、タッチパネル248から行うことができる。
制御部950は、中央演算処理装置として作動するCPU(以下、CPU1Aという。)、デジタル複写機1Aの基本制御プログラムを記憶したROM、CPU1Aのワークエリアとして働くRAM及びこれらを接続する内部バスで構成されている。制御部950には外部バスが接続されている。外部バスには、画像入力部930、画像入力部930で入力されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換するA/D変換部、画像形成部902、タッチパネル248の表示や操作命令を制御するタッチパネル制御部、画像入力部930又はパーソナルコンピュータ等の外部装置から送出される画像データを記憶するハードディスクが接続されている。また、外部バスは、図示しないステッピングモータやソレノイドを駆動/作動させるアクチュエータ制御部にも接続されている。更に、外部バスは、周辺機器との通信を行うために、図示しないインターフェースを介して、給紙装置909及びADF940の制御部、後述する整合装置2の制御部206及びシート後処理装置3の制御部50にも接続されている。
2.整合装置
図2に示すように、整合装置2は、整合装置2のケーシングとなる装置フレーム2A内に、複写機本体1Aから排出されたシートの端部を整合可能な整合板201、この整合板201を移動させる整合板移動モータ202、整合板201の下流側に配置されシートをニップ・搬送する用紙搬送ローラ対203、用紙搬送ローラ対203の下側のローラ203Aを駆動する用紙搬送モータ204、及び、後述するシート後処理装置3の用紙搬送ローラ対13を所定のタイミングでニップ・離間させるニップ離間モータ205を有している。整合板201は、搬送されるシートのサイズに応じて整合板移動モータ202の回転によりシートの幅方向に移動可能である。整合板移動モータ202の回転は、後述するように、複写機本体1Aの制御部950から受信した設定情報に含まれるシートサイズ等の情報に応じて決定される。
また、整合装置2は、整合装置2全体を制御する制御部206を有している。制御部206は、CPU(以下、CPU2という。)、CPU2が実行するプログラムやプログラムデータを予め記憶したROM、CPU2のワークエリアとして機能すると共に複写機本体1Aの制御部950から受信した設定情報等を記憶するRAM及び複写機本体1Aの制御部950との通信を行うためのインターフェース等を含んで構成されている。
3.シート後処理装置
図2に示すように、シート後処理装置3は、シート後処理装置3のケーシングとなる装置フレーム3A内に、整合装置2を介して複写機本体1Aから排出されたシートを略水平方向に整合装置2の反対側に搬送する搬送ユニット10、搬送ユニット10の下流に斜めに配置されシートの端部を整合可能な整合ユニット20、整合ユニット20の下流に斜めに配置され複数枚のシートからなるシート束に綴じ処理を施すステイプラユニット30、ステイプラユニット30の下流に斜めに配置されシート束の所定位置を折り位置として折り処理を施す折りユニット40、シート束や冊子(折り処理が施されたシート束)を収積するためのスタック部、及び、シート後処理装置3の各ユニットを制御する制御部50を有している。
搬送ユニット10は、シートをシート後処理装置3内に案内する搬送ガイド11、シートを更に下流に案内する搬入ガイド12、搬送ガイド11に配設されシートをニップ・搬送する用紙搬送ローラ対13、及び、搬入ガイド12の最下流に配設されシートをニップ・排出する排出ローラ対14を有している。用紙搬送ローラ対13は、ニップ・離間可能な構造を有し、整合装置2のニップ離間モータ205の駆動によりニップ・離間される。用紙搬送ローラ対13の下側のローラ13Aには、用紙搬送モータ15からの駆動力が伝達される。
搬送ガイド11により案内される経路上であって、用紙搬送ローラ対13の上流側にパンチユニット60が配設されている。パンチユニット60は、搬入ガイド11内に搬送されたシートの先端及び後端を検出するシート検知センサ601、搬送ガイド11上を搬送されるシートに穿孔処理を施すパンチが連結されるパンチ駆動軸602、及び、このパンチ駆動軸602に駆動力を伝達するパンチ駆動軸回転モータ603を有している。なお、パンチユニットの詳細については後述する。
整合ユニット20は、排出ローラ対14によって排出されたシートを積載する処理トレイ21を有している。処理トレイ21は、シートの下流側への搬送を付勢するために、シート搬送方向を下側として複写機本体1Aのプラテンガラス906に対し約30°に斜設されている。処理トレイ21上には、シートの両端を案内して幅寄せ整合する整合板22が設けられている。整合板22は、シートのサイズに応じて図示しない整合モータの回転で処理トレイ21の幅方向に移動可能である。
処理トレイ21の中央下部には、図示しない無端移送ベルトが巻き掛けられたプーリ23、24が配設されている。プーリ23の軸には搬送下ローラ25が嵌着されている。搬送下ローラ25の外周部は、処理トレイ21に形成された切り欠きを介して処理トレイ21の上面から露出している。プーリ23の軸には、正逆回転可能な図示しないステッピングモータからの駆動力が伝達される。
一方、搬送下ローラ25の上方には、搬送下ローラ25に当接する当接位置(不図示)と、搬送下ローラ25から離間した離間位置との間で移動自在な搬送上ローラ26が配設されている。搬送上ローラ26の当接位置及び離間位置間の移動は図示しないカム等の動作により行われ、搬送上ローラ26の回転力はギアを介して上述した図示しないステッピングモータから付与される。処理トレイ21のステイプラユニット30側の上方には、斜設された処理トレイ21上を自重でシート搬送方向に落下するように付勢されるシートの一端を規制・整合する図示しないストッパが配置されている。
ステイプラユニット30は、整合ユニット20の下流に配置され、シート束を搬送するための搬送通路39を挟んで下方にステイプル針のカートリッジを有しステイプル針を打ち出すヘッドアセンブリ31と、上方にヘッドアセンブリ31から打ち出されたステイプル針の先端部を受けて折り曲げるアンビルアセンブリ32とを有している。ステイプラユニット30は、搬送下ローラ25と搬送上ローラ26とでニップ・搬送されたシート束の搬送距離に応じて、シートの端部や中央部に綴じ処理を行う機能を有している。なお、ステイプラユニット30は、1点鎖線で示すユニット体として構成されており、ステイプル針の補充が可能なように、シート後処理装置3から引き出し可能に構成されている。
折りユニット40は、ステイプラユニット30の下流に1点鎖線で示されるユニット体として構成されると共に、ステイプルユニット30と同様に、シート後処理装置3から引き出可能な構造を有している。折ユニット40の入口には、シート束をニップして下流に搬送する束搬送上ローラ41及び束搬送下ローラ42が配設されている。束搬送上ローラ41及び束搬送下ローラ42の下流には、これらのローラ対により搬送されてくるシート束を更に下流に案内するための束搬送ガイド43が配設されている。束搬送ガイド43のシート束搬送経路には、シート束の先端部を検出する透過一体型の端部検出センサ44が配置されている。制御部50は、端部検出センサ44のシート束先端検出信号に基づいて束搬送上ローラ41と束搬送下ローラ42とを圧接させると共に、シート束の搬送方向の折り位置の設定制御を行う。
束搬送上ローラ41は、束搬送下ローラ42と圧接する位置と、束搬送下ローラ42と離間する位置(不図示)との間で移動可能に構成されており、束搬送上ローラ41と束搬送下ローラ42とは、シート束の先端部が端部検出センサ44で検出される迄は離間状態を維持し、シート束の先端部が端部検出センサ44で検出されると圧接状態に移行する。この圧接状態にほぼ同期して、搬送上ローラ26は当接位置から離間位置へ移行し、シート束の下流側への搬送は束搬送上ローラ41と束搬送下ローラ42との圧接搬送に引き継がれる。
搬送ガイド43の下方には、シート束を折るために、シート束の搬送方向と交差する方向に互いに圧接するように付勢され、夫々が回転駆動される折りローラ45A、45Bからなるローラ対が配設されている。また、搬送ガイド43の下流でシート束の搬送方向と交差する方向には、折りローラ45A、45Bの圧接位置近傍まで先端エッジが移動し、折りローラ45A、45Bの圧接位置にシート束を押し込む突き板46が配置されている。折りローラ45A、45Bによるシート束の搬送方向の下流側に、シート束を排出する排出ローラ対47が配設されている。
折りユニット40は、シートが長手方向に搬送される縦送りのときに、シート束の(搬送方向)先端部から1/2(中央)の位置に折り処理を施す。折りユニット40の下流には、シート後処理装置3の底部位置に、整合ユニット20、ステイプラユニット30及び折りユニット40の配置傾斜とは反対の傾斜面を有し折りユニット40で折り処理が施されたシート束をストックする折りシート束排出スタッカ70が配置されている。折りシート束排出スタッカ70の上方には、一端が回動可能に固定され排出されるシート束を折りシート束排出スタッカ70の傾斜面による落下力と相俟ってバネ等の付勢力により押える折りシート押え71が配置されている。
また、整合装置2とは反対側の装置フレーム3Aの側面には、装置フレーム3Aに対して垂直方向に昇降可能な昇降トレイ80が配置されている。昇降トレイ80は、昇降トレイ支持部81で支持されている。
制御部50は、CPU(以下、CPU3という。)、CPU3が実行するプログラムやプログラムデータを予め記憶したROM、CPU3のワークエリアとして機能すると共に複写機本体1Aの制御部950から受信した設定情報等を記憶するRAM及びインターフェース等を含んで構成されている。
図3に示すように、パンチユニット60は、シートの搬送方向(同図に示す矢印方向)と交差する方向に配置されたパンチ駆動軸602を有する。パンチ駆動軸602は、後述するスライド機構の一部を為すスライド部材604に固定された軸受け部材605に回動自在に軸支される。パンチ駆動軸602の一方の端部近傍にパンチ駆動軸回転モータ603が配置されている。パンチ駆動軸602のパンチ駆動軸回転モータ603に対応する位置に、パンチ駆動軸回転モータ603の軸に連結されるギア606と噛合するギア607が固着されている。パンチ駆動軸回転モータ603は正逆回転可能であり、その駆動力は、ギア606及びギア607を介してパンチ駆動軸602に伝達される。
パンチ駆動軸602には、3個の偏心カム(以下、カムと略記する。)608A、608B及び608Cが固着されている。カム608A及び608Bは、それぞれパンチ駆動軸602に形成されたネジ穴部にカム608A及び608B側からネジ609A及び609Bで固定することで、パンチ駆動軸602に固着される。ネジ609A及び609Bは、カム608A及び608Bに形成されたネジ収容部610A及び610Bに収容された状態でカム608A及び608Bをパンチ駆動軸62に固着する。なお、図示していないが、カム608Cについても同様の要領でパンチ駆動軸602に固着される。カム608A及び608Bは、パンチ駆動軸602の中央近傍に取り付けられ、カム608Cは、パンチ駆動軸602のパンチ駆動軸回転モータ603と反対側の端部近傍に取り付けられている。
これらのカム608A、608B及び608Cは周面を有し、その周面にそれぞれパンチ駆動軸602の回転に応じて摺動する摺動リング611A、611B及び611Cが取り付けられている。図4に示すように、摺動リング611A、611B及び611Cの下方には、それぞれ円柱状のパンチ612A、パンチ612B及びパンチ612Cが連結されている。摺動リング611Aの下端部には、下方から進入するパンチ612Aの上端部を収容する収容部613Aが形成されている。収容部613Aを形成する摺動リング611Aの下端部の側面には、パンチ駆動軸602の軸方向にビス614Aが貫通可能な穴が形成されている。一方、パンチ612Aの上端部にも収容部613Aを貫通するビス614Aが貫通可能な穴が形成されている。パンチ612Aを収容部613Aに収容し収容部613A及びパンチ612Aに形成された双方の穴をビス614Aで貫通することでパンチ612Aが摺動リング611Aに連結される。なお、パンチ612B及び612Cも同様の要領で摺動リング611B及び611Cに連結される。
摺動リング611Aに連結された状態のパンチ612Aの下方にパンチガイド615Aが配置されている。パンチガイド615Aは、スライド部材604に固定され、パンチ612Aの下端部を収容する形状を有する。パンチガイド615Aは、パンチ612Aが一定位置に垂直に穿孔するようにパンチ612Aの下端部を案内する役割を果す。後述するようにパンチ612Aは、パンチ駆動軸602の回転に応じて上下運動を行うが、パンチガイド615Aは、パンチ612Aが上限位置まで到達した場合においてもパンチ612Aが外れない高さに設定されている。このため、摺動リング611Aは、パンチ612Aの下端部をパンチガイド615Aに保持された状態でカム608Aの周面を摺動する。なお、摺動リング611B及び611Cに連結された状態のパンチ612B及び612Cの下方にも同様にパンチガイド615B及び615Cが配置されている。
パンチ612A、612B及び612Cの下端部には穿孔刃が形成されている。パンチ612A、612B及び612Cは、それぞれ図3に示すシート上のA穴、B穴及びC穴に穿孔処理を施す位置(以下、それぞれA穴穿孔位置、B穴穿孔位置及びC穴穿孔位置という。)に対応する位置に取り付けられている。パンチ612A及び612Bは、主として、搬送されるシートの一辺(長辺又は短辺)に沿って穿孔する第1の穿孔処理を実施する場合に用いられる。一方、パンチ612Cは、第1の穿孔処理で穿孔される一辺に隣り合う一辺(短辺又は長辺)に沿って穿孔する第2の穿孔処理を実施する場合に用いられる。なお、パンチ612Cは、後述するように、必要に応じて第1の穿孔処理で穿孔される一辺に対して穿孔する場合にも用いられる。
また、パンチユニット60は、パンチ駆動軸602の軸方向に沿って配設されたスライド機構616を備えている。スライド機構616は、図4に示すように、上述したスライド部材604、装置フレーム3Aに設けられた図示しないスライドレール、スライド部材604をパンチ駆動軸602の軸方向に所定範囲に渡ってスライドさせる駆動モータ617から構成される。駆動モータ617の駆動力は、駆動モータ617の軸に連結されるギア618、ギア618と噛合するギア619、ギア619と噛合されスライド部材604のパンチ駆動軸回転モータ603側の端部に取り付けられたギア620を介してスライド部材604に伝達される。スライド機構616は、シートに対する穿孔位置を変更する場合にスライド部材604をスライドさせる機能を有する。
上述したカム608A、608B及び608Cは、図5に示すように偏心した位置でパンチ駆動軸602に固着されている。カム608A、608B及び608Cは、同一形状を有するが、カム608A及び608Bとカム608Cとではパンチ駆動軸602に固着される位置で相違する。カム608A及び608Bは、パンチ駆動軸602からカム608A(608B)の周面までの最大距離を有する部分(以下、最大距離部分dという。)が図5に示す矢印B方向に向かって水平に配置されるようにパンチ駆動軸602に固着されている。一方、カム608Cは、最大距離部分dが図5に示す矢印A方向に向かって水平に配置されるようにパンチ駆動軸602に固着されている。なお、図5においては、穿孔処理を待機している状態について示している。
いずれのカム608A、608B及び608Cも、最大距離部分dがパンチ駆動軸602の真下に配置された場合にシートに穿孔処理を施すことが可能となる。穿孔処理を待機している状態においては、最大距離部分dがパンチ駆動軸602の水平方向に配置された状態であるため、カム608A、608B及び608Cに取り付けられた摺動リング611A、611B及び611Cは、下端部に連結されたパンチ612A、612B及び612Cを穿孔位置から退避させた状態となっている。
待機状態からパンチ駆動軸602が図5に示す矢印C方向に回転され、カム608A及び608Bの最大距離部分dがパンチ駆動軸602の真下に配置されると、図6(a)に示すように、摺動リング611A及び611Bは、カム608A及び608Bの周面を摺動し下端部に連結されたパンチ612A及び612Bを穿孔位置まで下降させた状態となる。このとき、カム608Cの最大距離部分dは、図6(a)に示すように、パンチ駆動軸602の真上に配置される。このため、摺動リング611Cは、カム608Cの周面を摺動し下端部に連結されたパンチ612Cをさらに上昇させた状態となる。
一方、待機状態からパンチ駆動軸602が図5に示す矢印D方向に回転され、カム608Cの最大距離部分dがパンチ駆動軸602の真下に配置されると、図6(b)に示すように、摺動リング611Cは、カム608Cの外周面を摺動し下端部に連結されたパンチ612Cを穿孔位置まで下降させた状態となる。このとき、カム608A及び608Bの最大距離部分dは、図6(b)に示すように、パンチ駆動軸602の真上に配置される。このため、摺動リング611A及び611Bは、カム608A及び608Bの外周面を摺動し下端部に連結されたパンチ612A及び612Cをさらに上昇させた状態となる。
パンチ駆動軸602の回転に応じてカム608A、608B及び608Cが図6(a)に示す位置に移動すると、図7(a)に示すように、パンチ612A及び612Bの下端部は、それぞれA穴穿孔位置及びB穴穿孔位置より下方側の位置まで入り込む。これにより、搬送されたシートのA穴及びB穴に対応する位置に穿孔処理(第1の穿孔処理)が施される。一方、パンチ612Cは、C穴穿孔位置よりも上方の位置に退避した状態となるので、搬送されたシートのC穴に対応する位置に穿孔処理が施されることはない。同様に、パンチ駆動軸602の回転に応じてカム608A、608B及び608Cが図6(b)に示す位置に移動すると、図7(b)に示すように、パンチ612Cの下端部は、それぞれC穴穿孔位置より下方側の位置まで入り込む。これにより、搬送されたシートのC穴に対応する位置に穿孔処理(第2の穿孔処理)が施される。一方、パンチ612A及び612Bは、A穴穿孔位置及びB穴穿孔位置よりも上方の位置に退避した状態となるので、搬送されたシートのA穴及びB穴に対応する位置に穿孔処理が施されることはない。
つまり、本実施形態のシート穿孔装置は、パンチ駆動軸602の回転方向によって第1の穿孔処理と、第2の穿孔処理とを選択的に実施することが可能となっている。パンチ駆動軸602の回転方向は、パンチ駆動軸回転モータ603の正逆回転により決定される。パンチ駆動軸回転モータ603が正転することでパンチ駆動軸602を図5に示す矢印C方向に回転させるとすれば、パンチ駆動軸回転モータ603を正転させることで第1の穿孔処理を実施する一方、逆転させることで第2の穿孔処理を実施することが可能となる。
(動作)
次に、本実施形態の複写機1の動作について説明する。ADF940に原稿Dがセットされ、オペレータにより、タッチパネル248に表示された設定の変更や未設定内容の指タッチによる入力が行われた後、タッチパネル248のスタートボタンが押下されると、CPU1Aは、タッチパネル制御部を介してデジタル複写機1Aの全設定情報を取り込む。CPU1Aは、例えば、タッチパネル248から入力されたA4サイズ等のシートサイズ、当該シートの搬送方向及び穿孔処理の対象となる辺(以下、穿孔対象辺という。)などの設定情報を取り込む。
CPU1Aは、画像入力部930で読み取った画像データを、A/D変換部を介して取り込み、順次ハードディスクに格納する。次いで、CPU1Aは、制御部206、制御部50にそれぞれ整合装置2、シート後処理装置3に関連する設定情報を送出し、ハードディスク内の画像データに従い画像形成部902にシートへの画像形成を実行させる。
すなわち、CPU1Aは給紙装置909に所定サイズのシートを給紙させるために給紙信号を出力する。給紙装置909の制御部は、ローラ対を回転駆動させて指示されたカセットから所定サイズのシートを給紙する。シートは、給紙装置909内のローラ対で斜行が補正され、更にタイミングが合わされて画像形成部902へ向けて搬送される。CPU1Aは1シート分の画像データを1ライン毎にレーザユニット922から感光ドラム914に照射させる。感光ドラム914は予め一次帯電器919で帯電されており、照射光により感光ドラム914に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器915により現像されトナー像が感光ドラム914上に形成される。
画像形成部902では、感光ドラム914のトナー像が、転写用帯電器916により、給紙されたシート上に転写される。トナー像が転写されたシートは、分離帯電器917により転写用電器916と逆極性に帯電されて感光ドラム914から分離される。更に、分離されたシートは、無端搬送ベルト920により定着器904に搬送され、定着器904でシートに転写画像が永久定着され、シート上に画像が形成(記録)される。両面印刷のときは、デュープレックス921を介してシートの他面に画像が形成される。
そして、画像が形成されたシートは、排出ローラ対905により複写機本体1Aから整合装置2側に排出される。排出ローラ対905の下流側には図示しないセンサが配置されており、CPU1Aは、図示しないセンサがシートの先端を検出してから所定ステップ数、排出ローラ対905を回転させたところで、シート搬送を停止させる。また、CPU1Aは、CPU2にシート搬送を停止させた旨を報知する。
CPU1Aから報知を受けたCPU2は、先にCPU1Aから受信した整合装置2に関連する設定情報に従って整合板移動モータ202を回転させ、整合板201を移動させる。特に、CPU2は、受信した設定情報のうちシートサイズ、搬送方向及び穿孔対象辺に従って整合板201を移動させる。
ここで、図8〜図10を参照してシートサイズ、搬送方向及び穿孔対象辺に従って整合装置2で行われる整合動作の具体例について説明する。図8〜図10は、シートサイズ、搬送方向及び穿孔対象辺に従って整合装置2で行われる整合動作を説明するための模式図である。パンチユニット60においては各穿孔位置を示し、搬送されるシートには穿孔処理が施される予定の穴を示している。
例えば、図8に示すように、A4サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として短辺が設定されている場合には、CPU2は、シートの短辺の中央がA穴穿孔位置とB穴穿孔位置の中央に配置されるように整合板201を移動させる。一方、A3サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として長辺が設定されている場合には、CPU2は、シートのC穴穿孔位置側の長辺の端部から予め定めた距離だけ内側の位置がC穴穿孔位置に配置されるように整合板201を移動させる。
また、図9に示すように、A4サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として長辺が設定されている場合には、CPU2は、シートのC穴穿孔位置側の長辺の端部から予め定めた距離だけ内側の位置がC穴穿孔位置に配置されるように整合板201を移動させる。
さらに、図10に示すように、A4サイズのシートが短辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として長辺が設定されている場合には、CPU2は、シートの長辺の中央がA穴穿孔位置とB穴穿孔位置の中央に配置されるように整合板201を移動させる。一方、Legalサイズのシートが短辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として短辺が設定されている場合には、CPU2は、シートのC穴穿孔位置側の短辺の端部から予め定めた距離だけ内側の位置がC穴穿孔位置に配置されるように整合板201を移動させる。
このようにCPU1Aから受信した設定情報に従って整合板201を移動させてシートを整合した後、CPU2は、用紙搬送ローラ対203を回転させ、シートをシート後処理装置3に送り込む。
整合装置2から送り込まれたシートの先端をシート検知センサ601が検出すると、CPU3は、先にCPU1Aから受信したシート後処理装置3に関連する設定情報に従ってパンチ駆動軸回転モータ603を回転させ、搬送されるシートに対して穿孔処理を行う。特に、CPU3は、設定情報のうちシートサイズ、搬送方向及び穿孔対象辺に従ってパンチ駆動軸回転モータ603を回転させ、穿孔処理を行う。以下、パンチユニット60による穿孔処理について、図5〜図7を参照しながら、穿孔処理対象となるシートが図8に示すA4サイズである場合と、A3サイズである場合を用いて説明する。
A4サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として短辺が設定されている場合には、CPU3は、シート検知センサ601がシートの先端を検出してからA4サイズシートに応じた所定ステップ数、用紙搬送ローラ対203が回転したところで、シート搬送を停止させる。これにより、シートの被穿孔箇所が、パンチユニット60のA穴穿孔位置及びB穴穿孔位置で停止する。シートの被穿孔箇所がA穴穿孔位置及びB穴穿孔位置で停止したならば、CPU3は、パンチ駆動軸回転モータ603により図5に示す矢印C方向にパンチ駆動軸602を回転させる。すなわち、シートに対して第1の穿孔処理を施す。
パンチ駆動軸602が図5に示す矢印C方向に回転すると、パンチ駆動軸602に固着されたカム608A、608B及び608Cもこれに応じて回転し、図6(a)に示す状態となる。このとき、摺動リング611A、611B及び611Cは、パンチ611A、611B及び611Cの下端部をパンチガイド615A、615B及び615Cに保持された状態で摺動するため、パンチ611A及び611Bの下端部は穿孔位置よりも下方まで下降する一方、パンチ611Cの下端部は穿孔位置よりも上方に退避する。これにより、搬送されるA4サイズのシートの短辺の被穿孔箇所(A穴穿孔位置及びB穴穿孔位置の対応箇所)に穿孔処理が施される。穿孔処理を施した後、CPU3は、パンチ駆動軸602を待機状態まで戻す。これにより、シートは搬送可能となる。
一方、A3サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として長辺が設定されている場合には、CPU3は、シート検知センサ601がシートの先端を検出してからA3サイズシートに応じた所定ステップ数、用紙搬送ローラ対203が回転したところで、シート搬送を停止させる。これにより、シートの最初の被穿孔箇所が、パンチユニット60のC穴穿孔位置で停止する。シートの最初の被穿孔箇所がC穴穿孔位置で停止したならば、CPU3は、パンチ駆動軸回転モータ603により図5に示す矢印D方向にパンチ駆動軸602を回転させる。すなわち、シートに対して第2の穿孔処理を施す。
パンチ駆動軸602が図5に示す矢印D方向に回転すると、パンチ駆動軸602に固着されたカム608A、608B及び608Cもこれに応じて回転し、図6(b)に示す状態となる。このとき、摺動リング611A、611B及び611Cは、パンチ611A、611B及び611Cの下端部をパンチガイド615A、615B及び615Cに保持された状態で摺動するため、パンチ611Cの下端部は穿孔位置よりも下方まで下降する一方、パンチ611A及び611Bの下端部は穿孔位置よりも上方に退避する。これにより、搬送されるA3サイズのシートの長辺のうち、最も先端側の被穿孔箇所(C穴穿孔位置の対応箇所)に穿孔処理が施される。穿孔処理を施した後、CPU3は、パンチ駆動軸602を待機状態まで戻す。これにより、シートは搬送可能となる。
ここでは、図8に示すように、A3サイズのシートの長辺の4箇所に穿孔処理を施す場合について説明するものとする。この場合、CPU3は、用紙搬送ローラ対203の回転を再開させ、最初の穿孔処理を行ってからA3サイズシートに応じた所定ステップ数、用紙搬送ローラ対203が回転したところで、再びシート搬送を停止させる。これにより、シートの2番目の被穿孔箇所が、パンチユニット60のC穴穿孔位置で停止する。シートの2番目の被穿孔箇所がC穴穿孔位置で停止したならば、CPU3は、再度、パンチ駆動軸回転モータ603により図5に示す矢印D方向にパンチ駆動軸602を回転させる。パンチ駆動軸602の回転に応じて上述の穿孔処理と同様に、搬送されるA3サイズのシートの長辺のうち、2番目の被穿孔箇所(C穴穿孔位置の対応箇所)に穿孔処理が施される。
その後、再び、CPU3は、パンチ駆動軸602を待機状態まで戻し、同様の要領でシートの搬送処理及び穿孔処理を行うことで、搬送されるA3サイズのシートの長辺のうち、3番目、4番目の被穿孔箇所に穿孔処理を施す。
なお、以上においては、穿孔処理を施す前にCPU2で整合板201を移動させ、シートに対する穿孔位置を調整する場合について示している。しかし、CPU2を介在させずにCPU3でスライド部材604を移動させ、シートに対する穿孔位置を調整することも可能である。この場合、CPU3は、CPU1Aから受信した設定情報のうちシートサイズ、搬送方向及び穿孔対象辺に従ってスライド部材604を移動させる。
例えば、図11に示すように、A4サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として短辺が設定されている場合には、CPU3は、シートの短辺の中央がA穴穿孔位置とB穴穿孔位置の中央に配置されるように実線で示す位置までスライド部材604(パンチユニット60)を移動させる。一方、穿孔対象辺として長辺が設定された場合には、CPU3は、シートのC穴穿孔位置側の長辺の端部から予め定めた距離だけ内側の位置がC穴穿孔位置に配置されるように点線で示す位置までスライド部材604を移動させる。また、A3サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として長辺が設定されている場合には、CPU2は、シートのC穴穿孔位置側の長辺の端部から予め定めた距離だけ内側の位置がC穴穿孔位置に配置されるように実線で示す位置までスライド部材604を移動させる。そして、整合板201を移動させてシートに対する穿孔位置を調整した場合と同様に、パンチ駆動軸602を回転させてシートに対して穿孔処理を施す。
シートに穿孔処理を施したならば、CPU3は、用紙搬送ローラ対13及び排出ローラ対14を回転させてシートを整合ユニット20に送り込む。整合ユニット20の処理トレイ21に排出されたシートに対して、CPU3は、予め設定されたモードに応じて動作を行う。例えば、CPU3は、予め設定された非綴じ処理モード、端綴じ処理モード、中綴じ及び折り処理モード及び折り処理モードに応じて動作を行う。
非綴じ処理モードが設定されている場合には、CPU3は、処理トレイ21に排出されたシートの両端を整合板22で整合する。そして、処理トレイ21上に整合された所定枚数のシート束を図示しない無端移送ベルトで昇降トレイ80側に移動させる。
端綴じ処理モードが設定されている場合には、CPU3は、処理トレイ21に排出されたシートの両端を整合板22で整合すると共に、処理トレイ21上に整合された所定枚数のシート束をステイプラユニット30に送り込む。そして、ステイプラユニット30でシート束の端部に綴じ処理を行った後に図示しない無端移送ベルトで昇降トレイ80側に移動させる。
中綴じ及び折り処理モードが設定されている場合には、CPU3は、処理トレイ21に排出されたシートの両端を整合板22で整合すると共に、処理トレイ21上に整合された所定枚数のシート束をステイプラユニット30に送り込む。そして、ステイプラユニット30でシート束のシート搬送方向中央部に綴じ処理を行った後にシート束を折り処理ユニット40に送り込む。さらに、折り処理ユニット40で突き板46及び折りローラ45A、45Bにより折り処理を行った後にシート束を折りシート束スタッカ70に排出する。
折り処理モードが設定されている場合には、CPU3は、処理トレイ21に排出されたシートの両端を整合板22で整合すると共に、処理トレイ21上に整合された所定枚数のシート束をステイプラユニット30に送り込む。そして、ステイプラユニット30で綴じ処理を行うことなくシート束を折り処理ユニット40に送り込む。さらに、折り処理ユニット40で突き板46及び折りローラ45A、45Bにより折り処理を行った後にシート束を折りシート束スタッカ70に排出する。
なお、以上においては、第1の穿孔処理に用いられるパンチ612A及び612Bと、第2の穿孔処理に用いられるパンチ612Cとがシートの異なる辺に対して穿孔処理を施す場合について説明している。しかし、本実施形態のシート穿孔装置は、第1の穿孔処理に用いられるパンチ612A及び612Bと、第2の穿孔処理に用いられるパンチ612Cとを用いてシートの同一の辺に対して穿孔処理を施すことも可能である。すなわち、第2の穿孔処理に用いられるパンチ612Cを利用して、第1の穿孔処理で穿孔対象となる辺に対して穿孔処理を行うことが可能である。
例えば、図12に示すように、A3サイズのシートが長辺に沿った方向に搬送され、穿孔対象辺として短辺が設定されている場合には、CPU3は、パンチ612A、612B及び612Cを用いてシートの同一の辺に対して穿孔処理を施す制御を行う。この場合、CPU3は、シートの短辺の中央がほぼB穴穿孔位置に配置されるように実線で示す位置までスライド部材604を移動させる。そして、パンチ612A及び612Bと、パンチ612Cとを用いてシートの異なる辺に対して穿孔処理を施した場合と同様に、パンチ駆動軸602を回転させてシートに対して穿孔処理を施す。なお、第1の穿孔処理と、第2の穿孔処理とでは、パンチ駆動軸602の回転方向が反対であるため、一方の穿孔処理を行った後に他方の穿孔処理を行うこととなる。この場合における双方の穿孔処理は、シートを停止させた状態で実施される。シートに対して穿孔処理を施した後の動作については、パンチ612A及び612Bと、パンチ612Cとを用いてシートの異なる辺に対して穿孔処理を施した場合と同様であるため、その説明を省略する。
なお、図12においては、スライド部材604を移動させてシートに対する穿孔位置を調整する場合について示している。しかし、これに限定されず、整合板201を移動させてシートに対する穿孔位置を調整する場合においても、パンチ612A、612B及び612Cを用いてシートの同一の辺に対して穿孔処理を施すことが可能である。
(作用等)
次に、本実施形態の複写機1の作用等について、主にパンチユニット60で構成されるシート穿孔装置の作用等を中心に説明する。
本実施形態のシート穿孔装置は、搬送されるシートの一辺(長辺又は短辺)に沿って穿孔する第1の穿孔処理と、この第1の穿孔処理で穿孔される一辺と隣り合う一辺(短辺又は長辺)に沿って穿孔する第2の穿孔処理とを選択的に実施可能なパンチユニット60を有している。このため、このパンチユニット60を用いて第1の穿孔処理及び第2の穿孔処理のいずれかを選択して実施することが可能となるので、操作者に煩わしい処理を要求することなく、シートの長辺又は短辺を区別して穿孔処理を施すことができる。
特に、本実施形態のシート穿孔装置は、複写機本体1AのCPU1Aから受信した設定情報のうち穿孔処理の対象となるシートのサイズ、搬送方向に応じてCPU3が第1の穿孔処理及び第2の穿孔処理を選択的に実施する。このため、従来技術のように、操作者が給紙部のシートカセット内のシートを入れ替えたり、シートカセット内のシートの方向をセットし直したりする作業が不要となる。従って、操作者に煩わしい処理を要求することなく、シートの長辺又は短辺を区別して穿孔処理を施すことができる。
また、本実施形態のシート穿孔装置は、第1の穿孔処理を実施するために用いられるパンチ612A及び612B、並びに、第2の穿孔処理を実施するために用いられるパンチ612Cを備えている。このため、パンチ612A及び612B、並びに、パンチ612Cで独立してそれぞれ第1の穿孔処理及び第2の穿孔処理を実施することができるので、第1の穿孔処理と第2の穿孔処理とを選択的に実施することがより容易となる。
特に、本実施形態のシート穿孔装置は、パンチ612A及び612B、並びに、パンチ612Cを駆動する共通の駆動手段としてパンチ駆動軸回転モータ603を備える。また、パンチ駆動軸回転モータ603の駆動をパンチ612Cに伝達することなくパンチ612A及び612Bに伝達する第1駆動伝達手段としてカム608A及び608B、並びに、摺動リング611A及び611Bを備えると共に、パンチ駆動軸回転モータ603の駆動をパンチ612A及び612Bに伝達することなくパンチ612Cに伝達する第2駆動伝達手段としてカム608C及び摺動リング611Cを備える。このため、パンチ駆動軸回転モータ603の駆動を、パンチ612A及び612Bにのみ、或いは、パンチ612Cにのみ適切に伝達することができるので、共通の駆動手段を用いて第1の穿孔処理及び第2の穿孔処理を選択的に実施することができる。
特に、パンチ駆動軸回転モータ603は正逆回転可能であり、カム608A及び608B、並びに、摺動リング611A及び611Bは、パンチ駆動軸回転モータ603の正逆回転の一方の駆動をパンチ612A及び612Bに伝達し、カム608C及び摺動リング611Cは、パンチ駆動軸回転モータ603の正逆回転の他方の駆動をパンチ612Cに伝達する。このため、パンチ駆動軸回転モータ603の回転方向を切り替えるだけで第1の穿孔処理及び第2の穿孔処理を選択的に実施することができる。
また、本実施形態のシート穿孔装置は、第1の穿孔処理及び第2の穿孔処理を実施するために用いられる共通のパンチ612Cを備えている。パンチ612Cは、第1の穿孔処理で穿孔処理の対象となる一辺に穿孔する一方、第2の穿孔処理の対象となる一辺に穿孔することできる。このため、第1の穿孔処理及び第2の穿孔処理で用いられるパンチを共通化することができるので、部品点数を削減することができると共に、装置の小型化を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態のシート穿孔装置は、搬送されるシートとパンチユニット60との相対的な位置を変化させる移動手段として整合装置2及びスライド機構616を備える。整合装置2は、搬送されるシートの位置を移動させるのに対し、スライド機構616は、パンチユニット60を構成するスライド部材604の位置を移動させる。これらにより搬送されるシートとパンチユニット60の相対的な位置が調整されるので、操作者に煩わしい処理を要求することなく、シートの長辺又は短辺を区別して穿孔処理を施すことができる。
特に、整合装置2及びスライド機構616は、搬送されるシートのサイズ、搬送方向に応じて、それぞれシートの位置及びスライド部材604の位置を移動させる。このため、従来技術のように、操作者が給紙部のシートカセット内のシートを入れ替えたり、シートカセット内のシートの方向をセットし直したりする作業が不要となる。従って、操作者に煩わしい処理を要求することなく、シートの長辺又は短辺を区別して穿孔処理を施すことができる。
なお、本実施形態では、主にパンチユニット60から構成されるシート穿孔装置を、複写機本体1Aの周辺機器として例示したが、本発明はこれに限定されず、スタンドアローンタイプ、複写機本体内に複写機本体と一体とされた一体タイプ等種々の態様での適用が可能である。
また、本実施形態では、搬送されるシートとして、A4サイズ、A3サイズ、Legalサイズのシートに対して穿孔処理を施す例について示したが、本発明はこれに限定されず、画像形成装置で画像が形成される種々のシートサイズに応じて適用可能である。
さらに、本実施形態では、搬送されるシートに対して穿孔処理を施す3個のパンチ612A〜612Cがパンチ駆動軸602の軸方向に並んで固着されている例について示したが、本発明はこれに限定されず、ファイルバインダが要求する種々の穴数に応じて適用可能である。