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JP2006124841A - 熱接着用ポリウレタンポリウレア弾性糸 - Google Patents

熱接着用ポリウレタンポリウレア弾性糸 Download PDF

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Abstract

【課題】編織布、不織布、フィルムに供する際、弾性糸の糸ズレ、糸抜けを防止できる熱接着用のポリウレタンポリウレア弾性糸を得る。
【解決手段】融点が170℃以上であるポリウレタンポリウレアに、融点が80〜160℃の熱可塑性エラストマーを2〜30重量%含有させ、乾式紡糸法または湿式紡糸法により紡糸して優れた接着性と、弾性特性を有する熱接着性ポリウレタンポリウレア弾性糸を得る。該熱可塑性エストラマーの溶解度パラメーター値は8〜12である。

Description

本発明は熱接着処理に供されるポリウレタンポリウレア弾性糸に関するものであり、より詳しくは、編織布や不織布、フィルムにストレッチ性を形成するために供される、ポリウレタンポリウレア弾性糸に関するものである。
ポリウレタンポリウレア弾性糸は、優れた弾性特性を有することから、伸縮性やフィット性を要求される様々な分野で使用されている。編織布にストレッチ性を形成する場合、ポリウレタンポリウレア弾性糸をそのまま、或いは他の非弾性糸を被覆した複合弾性糸の状態で、伸長しながら非弾性糸と同時に編織機に供給して編織布とし、染色加工等を経て、裁断し、衣料品、非衣料品に利用されるが、従来のポリウレタンポリウレア弾性糸は融点が高いので、染色加工等の熱を受けても、弾性糸同士、又は他の繊維と接着せず、不均一なストレスを受けて、編織布中のポリウレタンポリウレア弾性糸が糸ズレして斑が発生したり、裁断後に、ポリウレタンポリウレア弾性糸が伸長された状態から戻る力により、裁断部から糸抜けしてしまうという問題が起きやすい。また、不織布やフィルムにおいては、例えば、紙オムツの腰部や脚部等の伸縮性を要する部位を形成するために、伸長しながら他の部材とホットメルト接着剤によって接着されたり、あるいは熱溶着や超音波溶着によって接着される際に、ポリウレタンポリウレア弾性糸が伸長された状態から戻る力により、糸が縮んで糸抜けし、伸縮性が劣ってしまうという問題が起きやすい。このように、従来のポリウレタンポリウレア弾性糸は、糸ズレ、糸抜けが起きやすいという欠点を有している。
そこで、弾性特性の優れた乾式紡糸または湿式紡糸により得られるポリウレタンポリウレア弾性糸において、熱処理における接着性の向上を計る試みが、紙オムツへの利用分野を中心に、提案されている。一例として、表面張力が25〜30ダイン/cmである油剤をポリウレタンポリウレア弾性糸の表面に一定量付与するとホットメルト接着性を極力損なわず、巻糸体とした場合も弾性糸の膠着を抑制できることが開示されている。(特許文献1参照。)
一方、ポリウレタンポリウレア弾性糸の欠点を解決する方法として、溶融紡糸により得られるポリウレタン弾性糸が以前より用いられている。ポリウレタン弾性糸は、熱により糸全体が溶融しやすいため、糸切れのトラブルを起こしやすく、熱処理後の弾性特性が変化しやすいという欠点がある。
その欠点を解消する試みとして、巻糸体形成に使用される油剤の付着量を減らしたり、接着性を損ない難い油剤にすることが検討されてきた。また、糸の断面形状を変えることにより、接着性等を改善する試みもいくつか提案されている。一例として、弾性糸の断面形状を扁平にすることで、ホットメルト接着性を向上できる事が開示されている。(特許文献2参照。)また、弾性糸の単糸を細くし、フィラメント数を増やすことで、ホットメルト接着性を向上できる事が開示されている。(特許文献3参照。)しかしながら、これらの方法も、弾性糸とホットメルト接着剤とのぬれ面積を改善したに過ぎず、接着性について、未だ十分とはいえないという欠点があった。
また、熱接着性弾性糸を芯糸とし、この周りに熱可塑性の非弾性糸を2本巻き付けるカバーリング糸よりなる熱接着性弾性糸であって、内側に低融点の非弾性糸、外側に高融点の非弾性糸を巻き付ける事で、弾性糸の糸抜けを防止できる事が開示されている。(特許文献4参照。)しかしながら、該カバーリング糸は、カバーリング工程を必要とする為、用途が限定されるという欠点があり、熱を加えると外側のカバーリング糸が熱のため硬化してカバーリング糸の自由度が失われ、糸全体の弾性特性が劣化する。
特開平10−152264号公報 特開2001−64825号公報 特開2004−52127号公報 特開平5−186924号公報
本発明は、上述の欠点を克服し、乾式法または湿式法により得られるポリウレタンポリウレア弾性糸を用い、ポリウレタンポリウレア弾性糸の有する優れた弾性特性を維持しつつ、ホットメルト接着、熱溶着、超音波溶着等の熱処理による弾性糸同士あるいは弾性糸と他部材との間の接着性を強化する事で、糸ズレ、糸抜けを防止できる熱接着用のポリウレタンポリウレア弾性糸を得ることを目的とする。即ち、本発明の課題は、熱接着性が良好で、熱処理後の弾性特性の劣化が少なく、風合いの優れた熱接着用途に好適なポリウレタンポリウレア弾性糸を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリウレタンポリウレアに、融点がポリウレタンポリウレアより低い熱可塑性エラストマーを特定量含有させてなる、乾式紡糸法または湿式紡糸法により得られた弾性糸が、熱接着性が良好で弾性特性の劣化が少なく、風合いの優れることを見出し本発明に到達した。
即ち本発明は、融点が170℃以上のポリウレタンポリウレアに、融点が80〜160℃の熱可塑性エラストマーを2〜30重量%含有させ、乾式紡糸法または湿式紡糸法により得られる熱接着性ポリウレタンポリウレア弾性糸に係わるものであり、熱可塑性エラストマーは、溶解度パラメーター値が8〜12であることが好ましく、熱可塑性エラストマーとして熱可塑性ポリウレタンを用いることが出来る。
本発明の熱接着用のポリウレタンポリウレア弾性糸においては、熱可塑性エラストマーの融点付近の比較的低温で熱可塑性エラストマーが溶融し、優れた接着の役割をするので糸ズレを起こしにくく、熱可塑性エラストマー以外は、乾式紡糸または湿式紡糸により得られるポリウレタンポリウレア弾性糸のため、弾性特性は変化しにくく優れた弾性特性を有する。また、熱可塑性エラストマーそのものも弾性特性を有するので、ポリウレタンポリウレア弾性糸の優れた弾性特性を阻害しにくい事から、優れた熱接着性、弾性特性、風合いを具備させる事ができる。
本発明のポリウレタンポリウレアは融点が170℃以上のものであれば、特に限定されるものではない。融点が170℃以下のものは、熱接着処理により、弾性特性が低下したり、糸切れを起こしやすくなるので、好ましくない。また、ウレア結合を有さないポリウレタンは弾性特性が劣るので好ましくない。なお、ここでいう融点が170℃以上のものとは、示差走査熱量計にて、50ml窒素気流下、昇温速度10℃/分にてアルミ粉をリファレンスにした際の熱量の変化を測定し、ソフトセグメントのガラス転移点から170℃までの間に融点と見られる熱量の変曲点がないものをいう。
本発明の熱可塑性エラストマーは、融点が80〜160℃のものが好ましい。融点が80℃未満だと、可紡性が悪くなり、巻き取った際に膠着しやすくなるので好ましくない。また逆に160℃を越えると、熱処理温度を上げなければ所望の接着性が得られなくなり、ポリウレタンポリウレアの劣化を招くので好ましくない。
本発明の熱可塑性エラストマーは、融点が80〜160℃のものであればオレフィン系、スチレン系、塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系などの単独もしくは複合系のいずれであっても構わないが、ポリウレタンポリウレアとの相溶性が悪すぎる事は可紡性の面から好ましくない。編織布に用いる場合においては、ポリウレタンポリウレア弾性糸同士あるいはポリウレタンポリウレア弾性糸とポリエステル、ナイロン等の他部材との熱処理による接着性を高め、紙オムツに用いる場合においては、ポリウレタンポリウレア弾性糸とスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、パラフィンワックス、ブタジエン系タッキファイヤー等のホットメルト成分や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不織布、フィルムの他部材との熱処理による接着性を高めるという点から、熱可塑性エラストマーの溶解度パラメーター値は、ポリウレタンポリウレアの溶解度パラメーター値の約10に近く、上記に挙げた他部材の溶解度パラメーター値の7〜13の間に位置する8〜12の範囲であり、しかも他部材との相溶性ができるだけ良いもの、つまり、他部材の溶解度パラメーター値に近いものを適宜選ぶのが好ましい。熱可塑性エラストマーの溶解度パラメーター値が8未満、または溶解度パラメーター値が12を越えると、熱可塑性エラストマーとポリウレタンポリウレアとの相溶性が悪くなるので、他部材との相溶性が良くても、ポリウレタンポリウレアから熱可塑性エラストマーが剥離しやすくなる。ポリウレタンポリウレアとの相溶性から、熱可塑性エラストマーの溶解度パラメーター値はより好ましくは9〜11である。
本発明における溶解度パラメーター値は、分子引力定数法に基づき、式(1)により算出される。
Δδ=(ΣΔF)÷V・・・式(1)
Δδ:溶解度パラメーター値
ΔF:分子引力定数の総和(Cal・cm3)1/2mol-1(沖津俊直、「分子引力定数から溶解性パラメータの決定方法」日本接着学会年次大会講演要旨集、Vol.28th、p85-86(1990))
V:モル容積
接着は、ぬれ性、相溶性が高いほど接着しやすい。その指標となるのが溶解度パラメーター値であり、溶解度パラメーター値は物質固有の値である。溶解度パラメーター値が近いもの同士は極性が似ているのでぬれ性、相溶性良く接着しやすい。
ポリウレタンポリウレアに含有させる熱可塑性エラストマーの割合は、2〜30重量%が好ましい。熱可塑性エラストマーの割合が2重量%未満だと、十分な熱接着性が得られず、30重量%を越えると、可紡性が悪くなったり、基本物性が低下してしまうので好ましくない。
本発明においては、熱可塑性エラストマーをポリウレタンポリウレアに2〜30重量%含有させるが、含有させる方法としては、紡糸前のポリウレタンポリウレアのN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶剤溶液に加え、斑なく分散もしくは溶解するよう攪拌、混合処理すればよい。熱可塑性エラストマーを予め同様の溶剤により均一分散または溶解させてから、ポリウレタンポリウレア溶液と混合処理しても良い。熱可塑性エラストマーは、溶剤溶液への相溶性や可紡性といった観点から、熱可塑性ウレタンを用いるのがより好ましい。
なお、熱可塑性エラストマーがN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶剤に溶解しない場合は、平均粒子径10ミクロン以下の微粒子状として、ポリウレタンポリウレア溶剤溶液に分散させる事もできる。
本発明のポリウレタンポリウレア弾性糸は、ポリウレタンポリウレアと熱可塑性エラストマーの溶剤溶液を乾式紡糸または湿式紡糸する事により得られる。この際、必要に応じて耐光剤、紫外線吸収剤、ガス変色防止剤、顔料、活性剤、艶消剤、膠着防止剤等が含有されているものであっても良く、膠着防止剤で表面処理したものでも良い。紡糸後直ちに紙管に巻き取られるが、その巻き形状は特に限定されるものでなく、一例としては、チーズ、コーン、パイナップルコーン等が挙げられる。巻糸体の単量についても特に限定されるものでないが、チーズの例としては、巻巾44mmの単量0.5kg、巻巾88mmの単量3kg、巻巾132mmの単量6kg等が挙げられる。
本発明の熱接着性ポリウレタンポリウレア弾性糸は、そのまま、或いは他の非弾性糸を被覆した複合弾性糸の状態で、伸長しながら非弾性繊維と同時に編織機に供給し、染色加工等を経て、裁断し、衣料品、非衣料品に利用される。また、不織布やフィルムにおいては、例えば、紙オムツの腰部や脚部等の伸縮性を要する部位を形成するために、伸長しながら他の部材とホットメルト接着剤によって接着されたり、あるいは熱溶着や超音波溶着によって接着される。この時の熱処理は、熱可塑性エラストマーの一部もしくは全体が溶融し、ポリウレタンウレアが熱劣化を受けない範囲で行う必要がある事から、70〜150℃の範囲が好ましい。処理時間は、短かすぎると熱可塑性エラストマーが十分溶融しないので、所望の接着性が得られず、長すぎると、熱劣化や変色を招くので、他部材の影響も考慮しつつ最適な時間にて処理するのが好ましい。熱接着の方法は、ホットメルト接着、熱溶着、超音波溶着等のいずれの方法でも良く、熱は湿熱でも乾熱でも構わない。
以下、実施例を示すが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。なお、部はすべて重量部を示し、融点、接着性、弾性特性は以下の方法により評価した。
<融点>
示差走査熱量計にて、50ml窒素気流下、昇温速度10℃/分にてアルミ粉をリファレンスにした際の熱量の変化を測定し、ソフトセグメントのガラス転移点よりも高温側に見られる熱量の変曲点から求めた。
<弾性特性>
日本化学繊維協会(昭和53年10月発行)の「ポリウレタンフィラメント糸試験方法」により、破断時の引張り強さ(cN/Dtex)及びその時の伸度(%)、300%伸長時における引張抵抗値(cN/Dtex)を測定した。
<接着性1>
ポリウレタンポリウレア弾性糸試料の糸端と糸端を5mm重ねて150℃のホットプレートにて荷重8.4g/cm2に15秒間圧着させた。得られたポリウレタンポリウレア弾性糸の融着部分を上記の弾性特性測定法により破断時の引張り強さ(cN/Dtex)を測定した。この条件では引張り強さが0.3cN/Dtex以上の際、接着性が良いと判断した。
<接着性2>
溶解度パラメーター値が7.9のポリエステル製スパンボンド不織布上にポリウレタンポリウレア弾性糸試料を元長に対して1.2倍延伸した状態で、速やかに載せ、更に先と同じポリエステル製スパンボンド不織布を、ポリウレタンポリウレア弾性糸試料の上に重ねて載せた後、140℃のホットプレートにて荷重8.4g/cm2に1分間圧着させた。得られたポリエステル製不織布−ポリウレタンポリウレア弾性糸−ポリエステル製不織布を、ポリエステル製不織布が弛まぬように、伸ばしたままの状態で保持し、ポリウレタンポリウレア弾性糸のみを25cm間隔で2カ所カッターで切断し、40℃にて1時間放置した後の、ポリウレタンポリウレア弾性糸の糸端から糸端の長さLを計測し、以下の式にて接着保持率を算出した。この条件では接着保持率が80%以上の際、接着性が良いと判断した。
接着保持率(%)=L(cm)÷25(cm)×100
<接着性3>
溶解度パラメーター値が7.9のポリプロピレン製スパンボンド不織布上に145℃に加熱溶融したホットメルト(日立化成ポリマ−(株)製、商品名:ハイボンH9610、溶解度パラメーター値8.5)を5g/m2の割合で均一にロ−ラ−塗布した後、ポリウレタンポリウレア弾性糸試料を元長に対して2.5倍延伸した状態で、速やかに不織布上に載せ、更に溶解度パラメーター値が8.0のポリエステル製フィルムを、ポリウレタンポリウレア弾性糸試料の上に重ねて載せた後、荷重8.4g/cm2にて1分間圧着させた。得られたポリプロピレン製不織布−ポリウレタンポリウレア弾性糸−ポリエステル製フィルムを、ポリプロピレン製不織布とポリエステル製フィルムが弛まぬように、伸ばしたままの状態で保持し、ポリウレタンポリウレア弾性糸のみを25cm間隔で2カ所カッターで切断し、40℃にて1時間放置した後の、ポリウレタンポリウレア弾性糸の糸端から糸端の長さLを計測し、以下の式にて接着保持率を算出した。この条件では接着保持率が90%以上の際、接着性が良いと判断した。
接着保持率(%)=L(cm)÷25(cm)×100
[実施例1]
数平均分子量1979のポリオキシテトラメチレングリコ−ル4632部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト907部を45℃にて混合した後、75℃にて80分間反応させて、ウレタンプレポリマー5539部を得た。
これとは別に鎖伸長剤としてエチレンジアミン72部と末端停止剤としてジエチルアミン14部を、0℃に冷やしたN,N−ジメチルアセトアミド3332部に加えて良く撹拌し、鎖伸長剤と末端停止剤の混合溶液を得た。
次に、先に得たウレタンプレポリマ−5539部に、0℃に冷やしたN,N−ジメチルアセトアミド7195部を加え、良く撹拌した後、ウレタンプレポリマ−のイソシアネ−ト基に対して、鎖伸長剤と末端停止剤の活性水素基の合計が等モルとなるように鎖伸長剤と末端停止剤の混合溶液を添加し反応させて、固形分34.8重量%のポリウレタンポリウレアのN,N−ジメチルアセトアミド溶液16100部を得た。ここで得たポリウレタンポリウレアからN,N−ジメチルアセトアミドを熱風乾燥して取り除き、示差走査熱量計にかけた結果、170℃以下に融点を示さない事が確認された。また、溶解度パラメーター値は9.2となった。
このようにして得たポリウレタンポリウレアのN,N−ジメチルアセトアミド溶液約2000部に対し、熱可塑性エラストマーとして融点110℃、溶解度パラメーター値9.8の熱可塑性ポリウレタン(日本ミラクトラン工業(株)製、E385)を、予めN,N−ジメチルアセトアミドに20.0重量%となるように溶解してから、糸中の含有量が2、10、30重量%となるように加え、十分攪拌混合したものを紡糸原液とし、紡糸ノズルから熱風中に押し出して乾式紡糸し、仮撚りした後に、650m/分の速度で、5%伸長しながら紙管に巻き巾42mmで夫々巻き取り、繊度70デニール、フィラメント数5、糸巻量500gのポリウレタンポリウレア弾性糸巻糸体を得、試料No.1〜No.3とした。
更に比較のため、該熱可塑性ポリウレタンの糸中の含有量が0、1,40重量%となるように加え、同様の処理により糸巻量500gのポリウレタンポリウレア弾性糸巻糸体としたものを得、比較試料No.4〜No.6とした。
得られた夫々のポリウレタンポリウレア弾性糸巻糸体の接着性と接着処理前後の弾性特性を測定した結果を表1に示した。
Figure 2006124841
表1から明らかな如く、熱可塑性エラストマーを含有していない比較例の試料No.4は、接着性が劣る。また、熱可塑性エラストマーの含有量が本発明の含有量に満たない比較例の試料No.5も、接着性が良くなっていない。更に熱可塑性エラストマーの含有量が本発明の含有量よりも多すぎる比較例の試料No.6は、熱処理後の破断伸度が低下しており、300%応力が上昇している事から、硬い風合いとなり、弾性特性が劣る。一方、熱可塑性エラストマーの含有量が0.05〜0.50重量%の範囲である本発明の試料No.1、2、3のポリウレタンポリウレア弾性糸は、接着性が改善されており、熱処理後の弾性特性の劣化が少ない事が分かる。
[実施例2]
実施例1と同様の操作により得た固形分34.8重量%のポリウレタンポリウレアのN,N−ジメチルアセトアミド溶液1800部に対し、熱可塑性エラストマーとして融点90℃、溶解度パラメーター値9.8の熱可塑性ポリウレタン(日本ミラクトラン工業(株)製、E370MD148)、融点120℃、溶解度パラメーター値9.5の熱可塑性ポリウレタン(日本ミラクトラン工業(株)製、E780P128)、融点200℃、溶解度パラメーター値9.7の熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、XET665V)を、予めN,N−ジメチルアセトアミドに20.0重量%となるように溶解してから、糸中の含有量が10重量%となるように加え、十分攪拌混合したものを紡糸原液とし、実施例1と同様の操作によりポリウレタンポリウレア弾性糸巻糸体を得、試料No.7〜No.9とした。
得られた夫々のポリウレタンポリウレア弾性糸巻糸体の接着性と接着処理前後の弾性特性を測定した結果を表2に示した。
Figure 2006124841
表2から明らかな如く、熱可塑性エラストマーの融点が160℃を越えている比較例である試料No.9は、接着性が劣っている。一方、熱可塑性エラストマーの融点が80〜160℃の範囲である本発明の試料No.7、試料No.8のポリウレタンポリウレア弾性糸は、接着性が改善されており、熱処理後の弾性特性の劣化が少ない事が分かる。
上述したように、本発明は、ポリウレタンポリウレアに熱可塑性エラストマーを含有させる事によって、熱可塑性エラストマーの融点付近の比較的低温での熱処理により、熱可塑性エラストマーが溶融し、優れた接着性を有する上、熱可塑性エラストマー以外は、融点が170℃以上のポリウレタンポリウレアのため、乾式紡糸または湿式紡糸により得られる優れた弾性特性を有する。また、熱可塑性エラストマーそのものも弾性特性を有するので、ポリウレタンポリウレア弾性糸の優れた弾性特性を阻害しにくい事から、優れた熱接着性、弾性特性、風合いを具備させる事ができるので、本発明を利用することにより、糸ズレ、糸抜けを防止でき、熱接着を要する様々な分野での利用が可能となる。

Claims (3)

  1. 融点が170℃以上のポリウレタンポリウレアに、融点が80〜160℃の熱可塑性エラストマーを2〜30重量%含有させてなる、乾式紡糸法または湿式紡糸法により得られる熱接着性ポリウレタンポリウレア弾性糸。
  2. 熱可塑性エラストマーの溶解度パラメーター値が8〜12であることを特徴とする請求項1記載の熱接着性ポリウレタンポリウレア弾性糸。
  3. 熱可塑性エラストマーが熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱接着性ポリウレタンポリウレア弾性糸。
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