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JP2006117646A - 粉末状化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉末状油や水が塗擦の圧力や体温により、肌上で液状化する粉末状化粧料に関するものである。また、塗擦時に均一に液化し、滑らかな使用感ではあるもののべたつきが少なく、毛穴が目立ちにくく、化粧膜の均一性に優れ、輸送時等の耐衝撃性に優れる粉末状化粧料に関するものである。
【解決手段】 油の表面をフッ素化合物処理粉体で被覆し、水の表面をフッ素化合物処理粉体又は疎水化処理粉体で被覆したものを含有することを特徴とする粉末状化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、油剤をフッ素化合物処理粉体で被覆した含油粉末組成物及び水を疎水化処理粉体で被覆した含水粉末組成物とを配合することを特徴とする粉末状化粧料に関するものである。そして、前記含油粉末組成物及び前記含水粉末組成物は、何れも肌に塗布した時に液化することを特徴とする粉末状化粧料に関するものである。更に詳細には、肌上での状態変化(液状化)に優れ、べたつきがなく滑らかな使用感で、毛穴や小皺を目立たなくする効果に優れ、しかも輸送時や携帯時に振動や衝撃を受けても粉末状態が保持できる粉末状化粧料に関するものである。
粉末状化粧料とは、粉体を主骨格とし必要に応じて少量の油を添加した、連続相が空気である化粧料であり、油っぽいべたつき感がなく、さらさらとした使用感に優れる化粧料剤型である。その反面、粉末状化粧料は、粉っぽい使用感やメーキャップ化粧料としたときのメーキャップ効果の持続性に劣るという欠点を有していた。このため、粉末状化粧料の滑らかな使用感を損なうことなく、粉っぽさを低減し、メーキャップ効果の持続性を高めるために、添加する油剤の量を高めることが試みられてきた。しかし、単純に粉体に添加する油剤量を増やすだけでは、油剤と粉体が練り合わされ、連続相が油となる化粧料(いわゆる、油性化粧料)となってしまい、粉末状態を維持するのが困難であった。
また、粉末状化粧料に添加する油剤量を徐々に増やしていくと、油剤と粉体との組成が、油性化粧料と固形粉末化粧料の中間領域となり、成形性の面で良好な品質を確保することが困難となる。また、この領域の組成の化粧料は、粉体が毛穴に落ち込み易くなるため、化粧膜の均一性が保たれなくなる。しかし、この領域の組成の化粧料は、油性化粧料と固形粉末化粧料との両方の優れた品質を併せ持つ化粧料が得られるという技術予測の基、種々の技術が開発されている。
具体的には、油剤を予めフッ素化合物処理粉体で粉末化したものに、水を添加し含水粉末化粧料を得る技術(例えば、特許文献1参照)、フッ素化合物処理粉体と油中水型乳化組成物を含有して粉末状化粧料を得る技術(例えば、特許文献2参照)等が挙げられる。
特許第3107891号公報(第1頁−第6頁) 特開2003−12450号公報(第1頁−第4頁)
しかしながら、前記特許文献1記載の技術では、水を多量に含有するため、みずみずしさはあるものの、滑らかな使用感が損なわれる場合があった。そして、前記文献2記載の技術では、油中水型乳化組成物を調製するための界面活性剤が含有されるので、油剤や水を安定に粉末化することが困難であり、輸送時や携帯時に振動や衝撃を受けた時に、粉末状態が保持できない場合があった。
このため、肌上での状態変化(液状化)に優れ、べたつきがなく滑らかな使用感で、毛穴や小皺を目立たなくする効果に優れ、しかも輸送時や携帯時に振動や衝撃を受けても粉末状態が保持できる粉末状化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、油剤をフッ素化合物処理粉体で被覆した含油粉末組成物、水を疎水化処理粉体で被覆した含水粉末組成物とを其々別々に調製し、両者を組み合わせて配合することにより、上記課題が解決される粉末状化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、次の成分(a)及び(b);
(a)油剤をフッ素化合物処理粉体で被覆した含油粉末組成物
(b)水を疎水化処理粉体で被覆した含水粉末組成物
を配合する粉末状化粧料であって、全粉末状化粧料における油剤の含有量が10〜75質量%、水の含有量が0.3〜20質量%であることを特徴とする粉末状化粧料を提供するものである。
前記成分(a)における油剤中に融点15〜40℃のシリコーンワックスを含有することを特徴とする粉末状化粧料を提供するものである。
前記成分(b)における水中に水溶性高分子を含有することを特徴とする前記何れかの粉末状化粧料を提供するものである。
前記成分(a)及び(b)の粉末が、肌に塗布した時に液化することを特徴とする前記何れかの粉末状化粧料を提供するものである。
前記成分(b)における疎水化処理粉体がフッ素化合物処理粉体であることを特徴とする前記何れかの粉末状化粧料を提供するものである。
前記成分(b)における疎水化処理粉体が、表面積80m2/g以上の疎水化無水ケイ酸を疎水化処理したものであることを特徴とする前記何れかの粉末状化粧料を提供するものである。
本発明の粉末状化粧料は、肌上での状態変化(液状化)に優れ、べたつきがなく滑らかな使用感で、毛穴や小皺を目立たなくする効果に優れ、しかも輸送時や携帯時に振動や衝撃を受けても粉末状態が保持できるものである。
本発明の用いられる成分(a)は、油剤をフッ素化合物処理粉体で被覆し粉末化した含油粉末組成物である。
成分(a)に用いられる油剤は、通常の化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、シリコーンワックス、炭化水素、ロウ、硬化油、高級脂肪酸、高級アルコール等が挙げられる。具体的には、例えば、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、ワセリン、パラフィンワックス、オゾケライト、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ、モクロウ、ゲイロウ、ラノリン、モンタンワックス、カカオ脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、馬脂、硬化油、硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベへニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリトール等の固体油または半固体油、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油等の油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ホホバ油等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、変性シリコーン等のシリコーン類、オクチルメトキシシンナメート等の紫外線吸収剤が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
更に、これら油剤中に、融点が15〜40℃のシリコーンワックスを10質量%(以下、単に「%」と略す。)以上含有することにより、肌上での状態変化(溶融による液状化)に優れ、粉末状化粧料とした場合に、耐衝撃性が特に良好な粉末状化粧料を得ることができる。
前記融点15〜40℃のシリコーンワックスは、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等の中より、適宜一種又は二種以上を選択して用いることができる。
このような融点が15〜40℃のシリコーンワックスは、市販品として、ステアリルジメチコンであるDC2503(融点32℃:東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、SDM5055VP(融点30℃:旭化成ワッカーシリコーン社製)等のシリコーンワックス等が挙げられる。
成分(a)に用いられる油剤中に、融点15〜40℃のシリコーンワックスを含有することが好ましい理由としては、分子中に結晶部分(アルキル、高級脂肪酸、高級アルコール等の部位)と非結晶部分(オルガノポリシロキサン部位)が共存するので、肌上で瞬時に溶融するためである。更に、融点15〜40℃のシリコーンワックスは、DSC(示差走査熱量測定)の吸熱・発熱ピークがシャープなものが特に好ましい。
成分(a)に用いられるフッ素化合物処理粉体とは、通常の化粧料に用いられる粉体を粉体処理剤として公知のフッ素化合物により、撥水撥油化処理した粉体である。
フッ素化合物処理粉体における粉体とは、通常の化粧料に使用される粉体であればよく、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、低次酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム,水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、合成金雲母鉄、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート,ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
フッ素化合物処理粉体におけるフッ素化合物とは、粉体処理剤として公知のフッ素化合物であれば特に限定されなきが、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル及び/又はこの塩、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸エステル及び/又はこの塩、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルアクリレート、フッ素変性シリコーン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
成分(a)に用いられるフッ素化合物処理粉体において、粉体を処理する方法は、通常公知の方法であれば何れの方法でもよいが、例えば、フッ素化合物を溶媒に溶解又は分散し、これに粉体を添加し、均一混合した後、該溶媒を乾燥除去する湿式法、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。また、フッ素化合物処理粉体における前記処理剤と前記粉体との処理比は、質量比として、0.1〜10:99.9〜90が好ましい、この範囲内で処理すると、油剤の粉末化が特に良好となる。
次に、前記油剤をフッ素化合物処理粉体で被覆し、粉末化する方法は、特に限定されないが、例えば、油剤を溶媒に溶解し、その溶液を噴霧乾燥し、フッ素化合物処理粉体と混合し、被覆し粉末化する方法、フッ素化合物処理粉体を攪拌しながら、溶解又は溶媒に溶解した油剤を噴霧、混合し、被覆し粉末化する方法等が挙げられるが、油剤が固形又は半固形の場合は、油剤を粉末化してフッ素化合物処理粉体と混合し、被覆し粉末化する方法等が挙げられる。
前記固形又は半固形の油剤を粉砕粉末化する方法としては、通常公知の機械的又は化学的粉砕により粉末化することが好ましい。具体的には、機械的粉砕方法として、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ボールミル、ビーズミル、マイクロス(登録商標)、オングミル(登録商標)、ハイブリダイザー(登録商標)、メカノヒュージョン(登録商標)等が挙げられるが、粉砕時の温度を0℃以下にコントロールして粉砕する、所謂、凍結粉砕することが好ましい。また、化学的粉砕方法としては、油をn−ヘキサン、イソプロピルアルコール等の溶媒に溶解した溶液を噴霧乾燥する方法や、前記溶液から相分離させる方法(所謂、コアセルベーション法)、前記溶液を水と乳化してマイクロエマルジョンとして凍結乾燥させる方法等が挙げられる。成分(a)に用いられる油剤が常温で固形又は半固形を呈する場合は、前記した粉砕方法の中でも、凍結粉砕又は噴霧乾燥を用いることにより、粒径のそろった成分(a)を得ることができる。
成分(a)における油剤の含有量は、特に限定されないが、成分(a)中20〜80%が好ましく、25〜60%が特に好ましい。油剤の含有量がこの範囲であると、肌上での状態変化(溶融による液状化)と、べたつきがなく滑らかな使用感が特に優れる粉末状化粧料を得ることができる。
本発明に用いられる成分(b)は、水を疎水化処理粉体で被覆し粉末化した含水粉末組成物である。
成分(b)に用いられる疎水化処理粉体とは、通常の化粧料に用いられる粉体〔前記した段落番号0022と同じ。〕を粉体処理剤として公知の疎水化剤により、疎水化処理した粉体である。
特に、表面積80m/g以上の表面積の高い無水ケイ酸を疎水化処理した粉体が、より多くの水を保持するため好ましい。具体的には、特許3107891号段落0006記載の疎水化無水ケイ酸が挙げられる。
(トリメチルシロキシル化シリカ(キャボット社製、TS-530、表面積325m2/g)、ジメチルシロキシル化シリカ(デグッサ社製、エロジールR-972、表面積110±20m2/g)、オクチルシロキシル化シリカ(デグッサ社製、エロジールR−805、表面積150±25m2/g)、シリコーンオイル処理シリカ(デグッサ社製、エロジールR−202、表面積100±20m2/g)等が挙げられる。)
成分(b)に用いられる疎水化剤とは、粉体処理剤として公知の疎水化剤であれば特に限定されないが、例えば、前記成分(a)に用いられるフッ素化合物や、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸誘導体、高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エステル油、ワックス等の油剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。中でも、フッ素化合物で処理した粉体は水を安定に保持するため好ましい。
成分(b)に用いられる疎水化処理粉体において、粉体を処理する方法は、通常公知の方法であれば何れの方法でもよいが、例えば、疎水化剤を溶媒に溶解又は分散し、これに粉体を添加し、均一混合した後、該溶媒を乾燥除去する湿式法、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。また、疎水化処理粉体における前記処理剤と前記粉体との処理比は、質量比として、0.1〜10:99.9〜90が好ましい。この範囲内で処理すると、水の粉末化が特に良好な含水粉末組成物を得ることができる。
次に、水を前記疎水化処理粉体で被覆し、粉末化する方法は、特に限定されないが、例えば、水と疎水化処理粉体を攪拌混合する方法や、水を凍結粉砕し直ちに疎水化処理粉体と混合する方法等が挙げられる。
成分(b)における水の含有量は、特に限定されないが、成分(b)中1〜20%が好ましく、1.5〜10%が特に好ましい。水の含有量がこの範囲であると、毛穴や小皺を目立たなくする効果に特に優れる粉末状化粧料を得ることができる。尚、成分(b)における水は、化粧料塗布動作により肌上で水がはじき出されることで粉体表面が部分的に親水性になり、粉体が皮丘に留まることによって毛穴に落ち込まず、結果的に毛穴を目立たせず、化粧膜の均一性を高める効果がある。
更に成分(b)には、水溶性高分子を含有し水をゲル化、粘性化、固化させることにより、含水粉末組成物の耐衝撃性(容器への充填時の衝撃や輸送衝撃等)を高めることができる。このような水溶性高分子は、水に溶解又は膨潤することにより、水をゲル化するものである。例えば、寒天、グァーガム、ローカストビーンガム、クインスシードガム、ファーセラン、カラギーナン、アルギン酸ソーダ、ジェランガム、デンプン、ペクチン、コンニャク粉等の植物系天然高分子、スクレロチウムガム等の微生物系天然高分子、ゼラチン等の動物系天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル(共)重合体等のカルボン酸ビニル(共)重合体、(メタ)アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸ナトリウム(共)重合体等の親水性アクリル系ポリマー、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、含水ケイ酸アルミニウム、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、フッ素四珪素雲母等の水膨潤性粘土鉱物等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、水溶性高分子は成分(b)中0.01〜5%含有することが好ましい。
本発明の粉末状化粧料における、成分(a)の粉末組成物と成分(b)の粉末組成物の配合質量比(a)/(b)は、全粉末状化粧料における油剤の含有量が10〜75%、水の含有量が0.3〜20%となるように配合することが好ましく、(a)/(b)は99.5/0.5〜30/70であることが好ましい。
本発明の粉末状化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に含有される成分として、フッ素化合物処理粉体以外の粉体、多価アルコール、界面活性剤、保湿成分、水溶性高分子、酸化防止剤、防腐剤、薬剤、香料等を添加、混合して粉末化粧料とすることも可能である。
本発明の粉末状化粧料は、アイカラー、ファンデーション、頬紅、白粉、毛穴隠し、下地等のメーキャップ化粧料、クレンジング、ボディパウダー等のスキンケア化粧料、日焼け止め化粧料等へ適用可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜5、比較例1〜3の粉末状ファンデーション
表1に示す組成の粉末状ファンデーションを以下に示す製造方法により調製し、イ)塗擦時の液化状態、ロ)滑らかな使用感、ハ)べたつきのなさ、ニ)毛穴の目立ちにくさ、ホ)化粧膜の均一性、ヘ)耐衝撃性について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価・判定し、結果を併せて表1に示した。
製造方法:
(A):成分(1)〜(11)を予めヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合分散する。
(B):成分(12)〜(14)を60℃で加温混合し、(A)に添加混合し、成分(a)の含油粉末組成物を得る。
(C):成分(19)〜(20)をヘンシェルミキサーで混合分散する。
(D):成分(15)〜(18)を70℃で加温混合し、(D)に添加混合し、成分(b)の含水粉末組成物を得る。
(E):ヘンシェルミキサーで(B)と(D)を混合し、容器に充填して粉末状ファンデーションを得る。
〔評価方法<1>:項目(イ)〜(ホ)〕
化粧品評価専門パネル20名に、前記実施例及び比較例の粉末状ファンデーションを使用してもらい、イ)塗擦時の液化状態、ロ)滑らかな使用感、ハ)べたつきのなさ、ニ)毛穴の目立ちにくさ、ホ)化粧膜の均一性について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し粉末状ファンデーション毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
〔評価方法<2>:項目(ヘ)〕
前記実施例及び比較例の粉末状ファンデーションを容量30mLで高さ5cmの円柱状の透明蓋付き樹脂容器に、10g充填し蓋をする。これを70cmの高さから、タイル上に1回落下(正立方向)させ、その時の粉末状態変化を目視観察し、以下の基準により判定した。
判定基準:
[観察結果] :[判 定]
変化無し : ◎
極僅かな凝集があるが、全体として流動性がある : ○
粉体の凝集があり、全体として流動性が失われている : △
粉体の大部分が凝集していて、全体として流動性がない : ×
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜5の粉末状ファンデーションは、イ)塗擦時の液化状態、ロ)滑らかな使用感、ハ)べたつきのなさ、ニ)毛穴の目立ちにくさ、ホ)化粧膜の均一性、ヘ)耐衝撃性の全ての項目に優れた粉末状化粧料であった。一方、フッ素化合物処理粉体の代わりに未処理粉体を用いて含油粉末組成物の調製を試みた比較例1の粉末状ファンデーションは、油が粉体により被覆されていないため、塗擦時の液状化状態(含油粉末組成物が調製できていない)と耐衝撃性が劣っていた。また、水を含有しない比較例2の粉末状ファンデーションは、べたつきのなさと化粧膜の均一性が劣っていた。そして、油を含まない比較例3の粉末状ファンデーションは、滑らかな使用感が感じられなかった。
実施例6:粉末状アイカラー
予め、ステアリルジメチコン(注8)と部分架橋型オルガノポリシロキサン(注9)を質量比40:1で溶解混合後、−60℃に冷却し、粉砕機を用い、冷却しながら油の粒子を得る。次いで、前記油粒子41質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理雲母(注4)15.9質量部、フッ素化合物処理ガラスパール(注2)30質量部、パラオキシ安息香酸メチル 0.1質量部と混合し含油粉末組成物を調製した。精製水5質量部とグリセリン1質量部、1,3−ブチレングリコール2質量部をフッ素化合物処理雲母(注4)5質量部と混合して含水粉末組成物を得、先ほどの含油粉末組成物と混合し、粉末状アイカラーを得た。
※注8:DC2503(融点32℃:東レ・ダウコーニングシリコーン社製)
※注9:KSG−43(信越化学工業社製)
本発明の実施品である実施例6の粉末状アイカラーは、イ)塗擦時の液化状態、ロ)滑らかな使用感、ハ)べたつきのなさ、ニ)毛穴の目立ちにくさ、ホ)化粧膜の均一性、ヘ)耐衝撃性の全ての項目に優れた粉末状化粧料であった。
実施例7:粉末状美容液
予め、スクワランとC24−28のアルキルジメチコン(注10)とビタミンAパルミテートを質量比で9:0.5:0.05の割合で混合溶解し、この65質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、ポリメチルメタクリル酸15質量部、フッ素化合物処理雲母(注4)10.79質量部、パラオキシ安息香酸メチル 0.1質量部と混合し均一分散し、含油粉末組成物を調製した。また、精製水 3質量部と寒天 0.01質量部とジプロピレングリコール 1質量部とL−アスコルビン酸リン酸マグネシウム0.1質量部を、フッ素化合物処理タルク(注3) 5質量部に分散して得た含水粉末組成物に、先ほどの含油粉末組成物に添加混合し、粉末状美容液を得た。
※注10:ABIL WAX9810P(Goldschmidt AG社製)
本発明の実施品である実施例7の粉末状美容液は、イ)塗擦時の液化状態、ロ)滑らかな使用感、ハ)べたつきのなさ、ニ)毛穴の目立ちにくさ、ホ)化粧膜の均一性、ヘ)耐衝撃性の全ての項目に優れた粉末状化粧料であった。
本発明の粉末状化粧料は、化粧料として利用可能である。
以上

Claims (6)

  1. 次の成分(a)及び(b);
    (a)油剤をフッ素化合物処理粉体で被覆した含油粉末組成物
    (b)水を疎水化処理粉体で被覆した含水粉末組成物
    を配合する粉末状化粧料であって、全粉末状化粧料における油剤の含有量が10〜75質量%、水の含有量が0.3〜20質量%であることを特徴とする粉末状化粧料。
  2. 前記成分(a)における油剤中に融点15〜40℃のシリコーンワックスを含有することを特徴とする請求項1記載の粉末状化粧料。
  3. 前記成分(b)における水中に水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粉末状化粧料。
  4. 前記成分(a)及び(b)の粉末組成物が、肌に塗布した時に液化することを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の粉末状化粧料。
  5. 前記成分(b)における疎水化処理粉体がフッ素化合物処理粉体であることを特徴とする請求項1〜4の何れかの項記載の粉末状化粧料。
  6. 前記成分(b)における疎水化処理粉体が、表面積80m2/g以上の無水ケイ酸を疎水化処理したものであることを特徴とする請求項1〜5の何れかの項記載の粉末状化粧料。
JP2005269523A 2004-09-27 2005-09-16 粉末状化粧料 Expired - Fee Related JP4808456B2 (ja)

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