以下、図面に基づき、本発明の各種実施形態を説明する。
始めに、図面に基づき、本発明の充放電保護回路の実施形態を説明する。
図1は、本発明の2次電池12の充放電保護回路20、及びこれをを用いたバッテリーパック10の構成を説明するための機能ブロック図である。
図1に示す充放電保護回路20は、充電制御時の2次電池12の過充電状態、負荷電流を供給する放電制御時の2次電池12の過放電状態、または充放電制御時の2次電池12の過電流状態を検出して2次電池12を過充電状態、過放電状態または過電流状態から保護する機能を有し、更に、過電流検出時の発振防止機能、2次電池12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって確実な充電制御を実行する機能を有している点に特徴を有している。
このような充放電保護回路20は、過電流検出時の発振防止機能を実現するために中心的役割を果たすヒステリシスインバータ回路30、2次電池12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって確実な充電制御を実行する機能を実現するために中心的役割を果たすレベルシフト回路(充電器接続検出回路)、その他の充電制御機能や放電制御機能を実現するために中心的役割を果たす過充電検出回路22、レベルシフト回路23、短絡検出回路24、過電流検出回路25、ディレイ回路26、過放電検出回路27を中心にして構成されてており、ICチップ化されて装置内に組み込まれることが通常である。この様に装置内に組み込まれる場合、装置内のバッテリーから電力の供給を受けるのが通常である。以下の説明では、充放電保護回路20を充放電保護IC20と呼ぶことにする。
ここで2次電池12としては、リチウムイオンバッテリー12が代表的であるので、以下の説明では、リチウムイオンバッテリー12を用いて説明を進めることにする。
また充放電保護IC20は、ICチップ化されてバッテリーパック10に内蔵された使用形態で、リチウムイオンバッテリー12を使用する携帯端末、携帯電話、無線機等の各種携帯機器に装着されて使用されるケースが通常である。以下の説明では、負荷14を携帯電話14で代表することにする。
図2は、ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)の回路構成を説明するための回路図である。
入力電圧のスレッショルドレベルにヒステリシス特性を備えたヒステリシスインバータ回路30(具体的には、後述するQ26やQ31)は、図2に示すように、初段インバーター回路と後段インバーター回路と上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)と下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)とを有している。
このようなヒステリシスインバータ回路30(具体的には、後述するQ26やQ31)は、後述する充放電保護回路20やこれを内蔵するバッテリーパック10において過電流検出時の電池電圧変動によって検出の出力信号が発振しないように過電流検出回路25に設けられることが望ましい。
初段インバーター回路(Q42,Q43)は、図2に示すように、充放電電位VDD(電源電位VDD)に接続された第1pチャネルMOSFETQ42とバッテリー接地電位Vss(接地電位Vss)に接続された第1nチャネルMOSFETQ43とがゲートを共通入力としドレインを共通出力として直列に接続された回路構成となっている。
また初段インバーター回路(Q42,Q43)は、図2に示すように、第1pチャネルMOSFETQ42のソースと充放電電位VDDとの間に上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)が並列接続され、第1nチャネルMOSFETQ43のソースとバッテリー接地電位Vssとの間に第1nチャネルMOSFETQ43のソースとバッテリー接地電位Vssとの間に下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)が並列接続された回路構成となっている。
このような回路構成によれば、pチャネルMOSFETQ45のON抵抗値に比べて上昇ヒステリシス抵抗素子Q41の抵抗値を十分大きく設定することにより回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく上昇時のスレッショルドレベルVtHを設定できる集積化に適した上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)を実現できるようになるといった効果を奏する。同様の主旨で、nチャネルMOSFETQ46のON抵抗値に比べて下降ヒステリシス抵抗素子Q44の抵抗値を十分大きく設定することにより回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく下降時のスレッショルドレベルVtLを設定できる集積化に適した下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)を実現できるようになるといった効果を奏する。
このような回路においては、図2に示すように、初段インバーター回路(Q42,Q43)に入力される論理値の電圧の立ち上がりに応じて活性化された上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)のpチャネルMOSFETQ45を介して充放電電位VDDに第1pチャネルMOSFETQ42が接続され、初段インバーター回路(Q42,Q43)に入力される論理値の電圧の立ち上がりに応じて下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)のnチャネルMOSFETQ46が不活性化された状態で下降ヒステリシス抵抗素子Q44を介して第1nチャネルMOSFETQ43がバッテリー接地電位Vssに接続される回路構成となっている。
これに依り、回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことの少ない後段インバーター回路をヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)の出力段に設けることにより、初段インバーター回路(Q42,Q43)に入力される信号の論理値とヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)の出力信号の論理値との整合をとって初段インバーター回路(Q42,Q43)に入力される信号の論理値を保持してヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)から出力できるようになるといった効果を奏する。
後段インバーター回路(Q47,Q48)は、図2に示すように、充放電電位VDDに接続された第2pチャネルMOSFETQ47とバッテリー接地電位Vssに接続された第2nチャネルMOSFETQ48とがゲートを共通入力としドレインを共通出力として直列に接続された回路構成となっている。
また上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)は、図2に示すように、充放電電位VDDと第1pチャネルMOSFETQ42との間に接続され、初段インバーター回路の入力電圧の上昇時の入力電圧スレッショルドレベルVtHを設定する回路構成となっている。
ここで、上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)における入力電圧上昇時のスレッショルドレベルVtHは、pチャネルMOSFETQ42のスレッショルドレベルpVthに基づいて設定されることが望ましい。
これに依り、pチャネルMOSFETQ42のスレッショルドレベルpVthだけに基づいて入力電圧の上昇時における初段インバーター回路のスレッショルドレベルVtHを回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく設定できる集積化に適したヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)を実現できるようになるといった効果を奏する。
上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)は、pチャネルMOSFETQ45と上昇ヒステリシス抵抗素子Q41とが並列に接続された回路構成となっている。本実施形態では、このような回路構成において、回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことの少ないpチャネルMOSFETQ45のON抵抗値に比べて上昇ヒステリシス抵抗素子Q41の抵抗値を十分大きく設定することが望ましい。
これに依り、初段インバーター回路(Q42,Q43)の入力電圧の上昇時に、活性化された上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)を介して充放電電位VDDに第1pチャネルMOSFETQ42が接続された場合に、pチャネルMOSFETQ42のスレッショルドレベルp
Vthだけに基づいて入力電圧の上昇時における初段インバーター回路のスレッショルドレベルVtHを回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく設定できる集積化に適した回路を実現できるようになるといった効果を奏する。
また、図2に示すように、後段インバーター回路(Q47,Q48)の共通入力は初段インバーター回路(Q42,Q43)の共通出力に接続され、後段インバーター回路(Q47,Q48)の共通出力は上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)のpチャネルMOSFETQ45のゲート及び下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)のnチャネルMOSFETQ46のゲートに接続され、初段インバーター回路(Q42,Q43)から出力される論理値を反転した論理値が後段インバーター回路(Q47,Q48)から出力される回路構成となっている。
下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)は、バッテリー接地電位Vssと第1nチャネルMOSFETQ43との間に接続され、初段インバーター回路の入力電圧の下降時の入力電圧スレッショルドレベルVtLを設定する回路構成となっている。
ここで、下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)における入力電圧下降時のスレッショルドレベルVtLは、nチャネルMOSFETQ43のスレッショルドレベルnVthとバッテリー接地電位Vssとの和に基づいて設定されることが望ましい。
これに依り、バッテリー接地電位Vssは一定電位であるので、第1nチャネルMOSFETQ43のスレッショルドレベルnVthだけに基づいて入力電圧の下降時における初段インバーター回路のスレッショルドレベルVtLを回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく設定できる集積化に適したヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)を実現できるようになるといった効果を奏する。
また下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)は、nチャネルMOSFETQ46と下降ヒステリシス抵抗素子Q44とが並列に接続された回路構成となっている。
本実施形態では、このような回路構成において、回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことの少ないnチャネルMOSFETQ46のON抵抗値に比べて下降ヒステリシス抵抗素子Q44の抵抗値を十分大きく設定することが望ましい。
これに依り、初段インバーター回路の入力電圧の下降時に、活性化された下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)を介してバッテリー接地電位Vssに第1nチャネルMOSFETQ43が接続された場合に、この第1nチャネルMOSFETQ43のスレッショルドレベルnVthだけに基づいて入力電圧の下降時における初段インバーター回路のスレッショルドレベルVtLを回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく設定できる集積化に適した回路を実現できるようになるといった効果を奏する。
更に詳しく、ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)の動作を説明する。
入力Inが論理値Lの時、出力Outも論理値Lに遷移し、この時、pチャネルMOSFETQ45は活性化しており、nチャネルMOSFETQ46は不活性化している。
上昇ヒステリシス抵抗素子Q41よりpチャネルMOSFETQ45の活性化抵抗を十分小さくし、下降ヒステリシス抵抗素子Q44よりnチャネルMOSFETQ46の活性化抵抗を十分小さくしておけば、初段インバーター回路(Q42,Q43)は、pチャネルMOSFETQ45,42,nチャネルMOSFETQ43、下降ヒステリシス抵抗素子Q44で構成されていることになり、スレッショルドレベルは、pチャネルMOSFETQ42のVthにほぼなる。
同様に、Inが論理値Hの時は、Outが論理値HでpチャネルMOSFETQ45は不活性化しており、nチャネルMOSFETQ46は活性化しているので、初段インバーター回路(Q42,Q43)は、上昇ヒステリシス抵抗素子Q41、pチャネルMOSFETQ42,nチャネルMOSFETQ43,46で構成されていることになり、スレッショルドレベルは、nチャネルMOSFETQ43のVtHの値にほぼ一致する。
従って、図2に示すヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)のスレッショルドVtH,VtLは、VtH=充放電電位VDD−|pチャネルMOSFETのスレッショルドレベルpVth|、VtL=バッテリー接地電位Vss+nチャネルMOSFETのスレッショルドレベルnVthとなり、ヒステリシス巾(VtHとVtLとの差)を十分取ることができ、発振防止に有効なヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)を構成することができる。もちろん他の回路構成のヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)を使用しても同様である。
図3は、ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)における初段インバーター回路の入力電圧の上昇時の入力電圧スレッショルドレベルVtHを設定する動作を説明するためのグラフである。
過電流検出回路25において、過電流が流れて充電器接地電位V−がVrefよりも高く
なると、コンパレータQ21が反転する。これによって、ディレイ回路26内のコンデンサーC2 が定電流源Q24からの定電流Iで充電され、図3のaのノードの電位が徐々に上が
っていきヒステリシスインバータQ26のスレッショルドレベルに達すると、ヒステリシスインバータQ26の出力が反転し、放電信号出力端子Dout が論理値Lとなる。
ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)は、図3に示すように、初段インバーター回路(Q42,Q43)の入力電圧の上昇時に、活性化(ON)された上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)を介して充放電電位VDDに第1pチャネルMOSFETQ42が接続されると同時に、不活性化(OFF)された下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)と下降ヒステリシス抵抗素子Q44とを介して第1nチャネルMOSFETQ43がバッテリー接地電位Vssに接続されるような回路構成となっている。
更に詳しくヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)の動作を説明する。
充放電電位VDDはバッテリーセル12の電圧であり、過電流が流れると、バッテリーセル12の内部インピーダンスによって、充放電電位VDD電圧が図3の様に下がる。この瞬間に後述するコンデンサーC2 (図5参照)に充電電流が流れ始め、aのノードは図3の
様に上昇する。
そして、図3に示すように、ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)のスレッショルドVtHに達すると、放電信号出力端子Doutが論理値Lに遷移し、図1の放電用ト
ランジスタQ1を不活性化させる為、放電電流が流れなくなり、充放電電位VDD電圧は急激に上昇する。
この時に、図3に示すように、ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)の代わりにスレッショルドが1レベルのインバータを使用すると、図3の様に充放電電位VDDが急激に上昇した時、スレッショルドレベルVtHも上昇するので、ノードaの電圧は再びスレッショルドVtHより下がってしまい放電信号出力端子Doutが再び論理値Hになり、放
電電流が流れ、充放電電位VDDが下がる。これを繰り返すことによって発振してしまう。
ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)を使用することによって、放電信号出力端子Dout が論理値Lに遷移して、充放電電位VDDが上昇する時に、スレッショルドレベルがVtHからVtLに移行するので、aの電圧は確実にスレッショルドレベルVtLよりも高くなり、放電信号出力端子Doutが論理値Lで安定する。短絡検出回路24が動作する
場合も同様である。
このような回路構成によれば、初段インバーター回路(Q42,Q43)の入力電圧の上昇時に、活性化された上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)を介して充放電電位VDDに第1pチャネルMOSFETQ42が接続されることにより、pチャネルMOSFETQ42のスレッショルドレベルpVthだけに基づいて入力電圧の上昇時における初段インバーター回路(Q42,Q43)のスレッショルドレベルVtHを回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく設定できる集積化に適した回路を実現できるようになるといった効果を奏する。
図4は、短絡検出時における、スレッショルドレベルと充電器接地電位V−との関係を説明するためのグラフである。
初段インバーター回路(Q42,Q43)の入力電圧の下降時に、図4に示すように、不活性化された上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)と上昇ヒステリシス抵抗素子Q41とを介して充放電電位VDDに第1pチャネルMOSFETQ42が接続されると同時に、活性化された下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)を介して第1nチャネルMOSFETQ43がバッテリー接地電位Vssに接続されるような回路構成となっている。
更に詳しくヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)の動作を説明する。
充電器接地電位V−レベルが図3の短絡検出回路24のヒステリシスインバータQ36のスレッショルドレベルを越えると、瞬間的に放電信号出力端子Dout を論理値Lにして、電流が流れないようにする。
この時の電圧波形が図4である。負荷を短絡すると、充電器接地電位V−のレベルが図4のように上昇すると同時に、充放電電位VDDが急激に下がる。
充電器接地電位V−がヒステリシスインバータQ36のスレッショルドVtHに達した時点で放電信号出力端子Doutが論理値Lに遷移し、充放電電位VDD電圧が上昇するが、ヒステリシスインバータQ36のスレッショルドレベルがVtLに移行するので、同様に発振は起こらない。
このような回路構成によれば、初段インバーター回路(Q42,Q43)の入力電圧の下降時に、活性化された下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)を介して第1nチャネルMOSFETQ43がバッテリー接地電位Vssに接続されることにより、この第1nチャネルMOSFETQ43のスレッショルドレベルnVthだけに基づいて入力電圧の下降時における初段インバーター回路のスレッショルドレベルVtLを回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことなく設定できる集積化に適した回路を実現できるようになるといった効果を奏する。
以上説明したように、ヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)によれば、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成を有し、回路規模がコンパクトで、チップ面積が小さく、消費電力が少なく、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減できる上昇ヒステリシス回路(Q41,Q45)と下降ヒステリシス回路(Q44,Q46)を用いてヒステリシスインバータ回路30(Q26,Q31)を実現できるようになるといった効果を奏する。
過放電検出回路27は、リチウムイオンバッテリー12を充電する充電器14の充電電位に接続され、リチウムイオンバッテリー12の放電状態を監視すると同時に、過放電状態を検知した際に過放電検出信号27a(過放電検出時論理値L)を生成する機能を有している。
このような過放電検出回路27を設けることにより、リチウムイオンバッテリー12の放電状態を監視して過放電状態を検知した際に過放電検出信号27aを生成できるようになる。
レベルシフト回路23は、図6に示すように、リチウムイオンバッテリー12を充電する充電器14の充電電位に接続され、バッテリー接地電位Vssを充電器接地電位V−にシフトして充電制御信号23aを生成する機能を有している。
このように、レベルシフト回路23は充電器14の充電電位に接続されているので、充電器14が充電電位に接続された際に充電器14から電力の供給を受けて動作可能となり充電制御信号23aを生成できるようになる。すなわち、リチウムイオンバッテリー12に充放電保護IC20を動作させるだけの電力を供給する能力が無くなってしまった場合であっても充電器14が充電電位に接続されればレベルシフト回路23が動作可能状態となって充電制御信号23aを生成できるようになり、リチウムイオンバッテリー12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって確実な充電制御を実行する機能を実現できるようになる。その結果、充電制御信号23aを用いて充電用トランジスタQ2 を制御してリチウムイオンバッテリー12の充電制御ができるようになり、充放電保護IC20を動作させるだけの電力の供給する能力をリチウムイオンバッテリー12において復帰させることができるようになるといった効果を奏する。更に、ヒステリシスインバータ回路Q26を設けることで、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような充電制御機能を有するレベルシフト回路23を実現できるようになる。
更にレベルシフト回路23は、図6に示すように、ソースとゲートとが飽和結線されて定電流源として動作するデプレション型のnチャネルトランジスタQ4 のドレインとエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 のドレインとが直列に接続され、デプレション型のnチャネルトランジスタQ4 のソースが充電器接地電位V−に接続され、エンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 のソースが充放電電位VDDである充放電電位VDDに接続された回路構成となっている。
このような回路構成によれば、コンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力に好適なエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 のソースが充電器14の充電電位である充放電電位VDDに接続されているので論理値Lの信号をゲートに入力するだけで活性化できる。一方、コンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力に好適なデプレション型のnチャネルトランジスタQ4 は飽和結線されて常時活性化状態にあるのでレベルシフト回路23は動作可能状態となることができる結果、充電器14が充電電位に接続された際であっても充電器14から電力の供給を受けて動作可能となり充電制御信号23aを生成できるようになる。すなわち、リチウムイオンバッテリー12に充放電保護IC20を動作させるだけの電力を供給する能力が無くなってしまった場合であっても充電器14が充電電位に接続されればレベルシフト回路23が動作可能状態となって充電制御信号23aを生成できるようになり、リチウムイオンバッテリー12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって確実な充電制御を実行する機能を実現できるようになる。その結果、充電制御信号23aを用いて充電用トランジスタQ2 を制御してリチウムイオンバッテリー12の充電制御ができるようになり、充放電保護IC20を動作させるだけの電力の供給する能力をリチウムイオンバッテリー12において復帰させることができるようになるといった効果を奏する。
過放電検出回路27は、リチウムイオンバッテリー12の過放電状態に応じて活性化された際に充電器接地電位V−を充放電電位VDDに接続するプルアップトランジスタ(図示せず)を有している。
これに依り、リチウムイオンバッテリー12が過放電検出電圧以下になった際に放電用トランジスタQ1 が不活性化され、携帯電話14が接続されている場合はその携帯電話14で、また携帯電話14が接続されていなくても、プルアップトランジスタによって充放電電位VDDまで充電器接地電位V−を上昇させることができるようになる。その結果、短絡検出回路24のヒステリシスインバータが反転され短絡検出状態となって短絡検出信号24aが生成され、同時に短絡検出信号24aを用いて充放電保護IC20の全回路を停止させて消費電流を0に低減させるスタンバイ機能を過放電検出回路27に付加できるようになる。これにより、回路規模やチップ面積のコンパクト化、リチウムイオンバッテリー12の消耗の軽減化を更に進めることができるようになる。
このように、ヒステリシスインバータ回路Q26を有するディレイ回路26を設けることにより、過放電検出信号27aを前述のヒステリシスインバータ回路Q26に入力できるようになり、その結果、上昇時の入力電圧スレッショルドレベルVtHと下降時の入力電圧スレッショルドレベルVtLとで特定できるヒステリシス特性を有するディレイ信号26aを生成できるようになる。このようなヒステリシス特性をディレイ信号26aに付与することにより、過電流検出時の発振防止機能を実現できるようになり、ディレイ信号26aを用いて放電電流の制御を行う放電用トランジスタQ1 の過電流検出時の発振防止機能を実現できるようになる。更に、ヒステリシスインバータ回路Q26を設けることで、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような発振防止機能を有するディレイ回路26を実現できるようになる。
過充電検出回路22は、リチウムイオンバッテリー12を充電する充電器14のバッテリー接地電位Vssに接続され、リチウムイオンバッテリー12の充電状態を監視すると同時に、過充電状態を検知した際に過充電検出信号22a(充電可能時論理値H)を生成する機能を有している。なお、過充電検出回路22は、リチウムイオンバッテリー12の充電可能状態に応じて活性化された際に充電器接地電位V−をバッテリー接地電位Vssに接続するプルダウントランジスタ(図示せず)を有しててもよい。このような過充電検出回路22を用いることにより、リチウムイオンバッテリー12の充電可能状態と過充電状態とを区別して検知できるようになる。
図5は、図1の短絡検出回路24、過電流検出回路25及びディレイ26の回路構成を説明するための回路図である。
短絡検出回路24は、図5に示すように、充電器接地電位V−に接続されたヒステリシスインバータ回路Q31を備え、ヒステリシスインバータ回路Q31が充電器接地電位V−の電位を監視すると同時に、短絡状態を検知した際に短絡検出信号24aを生成する機能を有している。
このように、ヒステリシスインバータ回路Q31を有する短絡検出回路24を設けることにより、充電器接地電位V−の電位をを前述のヒステリシスインバータ回路Q31に入力できるようになり、その結果、上昇時の入力電圧スレッショルドレベルVtHと下降時の入力電圧スレッショルドレベルVtLとで特定できるヒステリシス特性を有する短絡検出信号24aを生成できるようになる。このようなヒステリシス特性を短絡検出信号24aに付与することにより、短絡検出状態における過電流検出時の発振防止機能を実現できるようになり、短絡検出信号24aを用いて放電電流の制御を行う放電用トランジスタQ1 の短絡検出状態における過電流検出時の発振防止機能を実現できるようになる。更に、ヒステリシスインバータ回路Q31を設けることで、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような発振防止機能を有する短絡検出回路24を実現できるようになる。
また短絡検出回路24は、リチウムイオンバッテリー12の過放電状態に応じてプルアップトランジスタが活性化された際の充電器接地電位V−に応じて全回路を停止させるスタンバイ動作を指示する短絡検出信号24aをヒステリシスインバータ回路Q31が生成する回路構成となっている。
具体的には、バッテリーセル12が過放電検出電圧以下になると、放電用トランジスタQ1が不活性化し、充電器接地電位V−レベルは、負荷が接続されている場合は、その負荷で、負荷が接続されていなくても、プルアップトランジスタによって充放電電位VDDレベルまで上昇する。これによって、短絡検出回路24のヒステリシスインバータQ31が反転し、短絡検出状態となるが、同時に全回路を停止させて、消費電流を0にする信号であるノードgが論理値Hとなる。すなわち、短絡検出回路24は、全回路を停止させるスタンバイ回路も兼ねている。
このような回路構成によれば、上昇時の入力電圧スレッショルドレベルVtHと下降時の入力電圧スレッショルドレベルVtLとで特定できるヒステリシス特性を有するヒステリシスインバータ回路Q31を用いてスタンバイ動作を指示する短絡検出信号24aを生成することにより、短絡検出状態における過電流検出時の発振防止機能を実現できるようになり、短絡検出信号24aを用いて放電電流の制御を行う放電用トランジスタQ1 の短絡検出状態における過電流検出時の発振防止機能を実現できるようになる。更に、ヒステリシスインバータ回路Q31を設けることで、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような発振防止機能を有する短絡検出回路24を実現できるようになる。
また短絡検出回路24は、充電器接地電位V−と充放電電位VDDとの間に充電器14が接続されて充電器接地電位V−がヒステリシスインバータ回路Q31のスレッショルドレベルVtLを下回った際にスタンバイ動作から全回路の動作開始に復帰させる短絡検出信号24aをヒステリシスインバータ回路Q31が生成する回路構成となっている。
これに依り、リチウムイオンバッテリー12が過放電を検出したあとで、全ての回路を停止させ、消費電流を0にしても、充電器14を接続することによって、全ての回路を再び動作状態にさせる充放電保護IC20を実現できる。
具体的には、充電器接地電位V−レベルが、短絡検出回路24のヒステリシスインバータQ31のVtLを下回ると、ノードgが論理値Lに遷移し、全回路が動作し、スタンバイ状態から動作状態となる。ヒステリシスインバータQ31の内部は、図2であるから、電流を消費する経路はない。従って、スタンバイ時に消費電流が0でも充電器14を接続されたことを検出して、動作状態にさせる回路を簡単に構成することができる。
すなわち、上昇時の入力電圧スレッショルドレベルVtHと下降時の入力電圧スレッショルドレベルVtLとで特定できるヒステリシス特性を有するヒステリシスインバータ回路Q31を用いて全回路の動作開始に復帰させる短絡検出信号24aを生成することにより、短絡検出状態における過電流検出時の発振防止機能を実現できるようになり、短絡検出信号24aを用いて放電電流の制御を行う放電用トランジスタQ1の短絡検出状態における過
電流検出時の発振防止機能を実現できるようになる。更に、ヒステリシスインバータ回路Q31を設けることで、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような発振防止機能を有する短絡検出回路24を実現できるようになる。 過電流検出回路25は、図5に示すように、充電器接地電位V−に接続され、充電器接地電位V−の電位を監視すると同時に、過電流状態を検知した際に過電流検出信号25aを生成する機能を有している。
過電流検出回路25においては、過電流が流れて充電器接地電位V−がVrefよりも高くなると、コンパレータQ21が反転する。これによって、ディレイ回路26内のコンデンサーC2 が定電流源Q24からの定電流Iで充電され、aのノードの電位が徐々に上がっていきヒステリシスインバータQ26のスレッショルドレベルに達すると、ヒステリシスインバータQ26の出力が反転し、放電信号出力端子Doutが論理値Lとなる。
ディレイ回路26は、ヒステリシスインバータ回路Q26を有し、過放電検出信号27aに応じてリチウムイオンバッテリー12において過放電状態を検出するタイミングにかかるディレイ時間を設定するためのディレイ信号26aをヒステリシスインバータ回路Q26を介して生成し、また過電流検出信号25aに応じてリチウムイオンバッテリー12において過電流状態を検出するタイミングにかかるディレイ時間を設定するためのディレイ信号26aをヒステリシスインバータ回路Q26を介して生成する機能を有している。
図6は、電池電圧が0Vになっても、充電器14を接続することによって、確実に充電信号出力端子Coutに論理値Hを出力できる充電器接続検出回路23を説明するための回
路図である。
充電器接続検出回路23は、図6に示すように、充電器接地電位V−と充電器充放電電位VDDとの間に充電器14が接続されたことを検出して充電制御信号23aを生成する機能を有している。
これに依り、リチウムイオンバッテリー12が過放電を検出したあとで、全ての回路を停止させ、消費電流を0にしても、充電器14を接続することによって、全ての回路を再び動作状態にさせる充放電保護IC20を実現できる。すなわち、レベルシフト回路23は充電器14の充電電位に接続されているので、充電器14が充電電位に接続された際に充電器14から電力の供給を受けて動作可能となり充電制御信号23aを生成できるようになる。すなわち、リチウムイオンバッテリー12に充放電保護IC20を動作させるだけの電力を供給する能力が無くなってしまった場合であっても充電器14が充電電位に接続されればレベルシフト回路23が動作可能状態となって充電制御信号23aを生成できるようになり、リチウムイオンバッテリー12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって確実な充電制御を実行する機能を実現できるようになる。その結果、充電制御信号23aを用いて充電用トランジスタQ2 を制御してリチウムイオンバッテリー12の充電制御ができるようになり、充放電保護IC20を動作させるだけの電力の供給する能力をリチウムイオンバッテリー12において復帰させることができるようになるといった効果を奏する。更に、ヒステリシスインバータ回路Q26を設けることで、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような充電制御機能を有する充放電保護IC20を実現できるようになる。
更に、このような充電制御機能を前述のレベルシフト回路23と共通化する回路構成も可能であり、回路規模やチップ面積のコンパクト化、リチウムイオンバッテリー12の消耗の軽減化を容易とすることができる。
また充電器接続検出回路23は、図4に示したように充電信号出力端子Cout出力のレベルシフト回路23そのものでありレベルシフト回路23と回路を共通化することが可能である。その場合の回路は、ソースとゲートとが飽和結線されて定電流源として動作するデプレション型のnチャネルトランジスタQ4のドレインとエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3のドレインとが直列に接続され、デプレション型のnチャネルトランジスタQ4のソースが充電器接地電位V−に接続され、エンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3のソースが充放電電位VDDに接続された回路構成となっていることが望ましい。
これに依り、飽和結線されてデプレション型のnチャネルトランジスタQ4とエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3とが直列に接続された回路構成を用いることにより、レベルシフト回路23と充電器接続検出回路23とが同一の回路を共通化する回路構成が可能であり、回路規模やチップ面積のコンパクト化、リチウムイオンバッテリー12の消耗の軽減化を容易とすることができる。
また充電器接続検出回路23は、図6に示すように、ソースとゲートとが飽和結線されて定電流源として動作するデプレション型のnチャネルトランジスタQ4 のドレインとエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 のドレインとが直列に接続され、デプレション型のnチャネルトランジスタQ4 のソースが充電器接地電位V−に接続され、エンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 のソースが充放電電位VDDに接続された回路構成となっている。
このような回路構成によれば、コンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力に好適なエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 のソースが充電器14の充電電位である充放電電位VDDに接続されているので論理値Lの信号をゲートに入力するだけで活性化できる。一方、コンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力に好適なデプレション型のnチャネルトランジスタQ4 は飽和結線されて常時活性化状態にあるのでレベルシフト回路23は動作可能状態となることができる結果、充電器14が充電電位に接続された際であっても充電器14から電力の供給を受けて動作可能となり充電制御信号23aを生成できるようになる。すなわち、リチウムイオンバッテリー12に充放電保護IC20を動作させるだけの電力を供給する能力が無くなってしまった場合であっても充電器14が充電電位に接続されればレベルシフト回路23が動作可能状態となって充電制御信号23aを生成できるようになり、リチウムイオンバッテリー12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって確実な充電制御を実行する機能を実現できるようになる。その結果、充電制御信号23aを用いて充電用トランジスタQ2 を制御してリチウムイオンバッテリー12の充電制御ができるようになり、充放電保護IC20を動作させるだけの電力の供給する能力をリチウムイオンバッテリー12において復帰させることができるようになるといった効果を奏する。
更に、このような充電制御機能を前述のレベルシフト回路23と共通化する回路構成が可能であり、回路規模やチップ面積のコンパクト化、リチウムイオンバッテリー12の消耗の軽減化を容易とすることができる。
また充電器接続検出回路23は、図6に示すように、充電器接地電位V−と充電器充放電電位VDDとの間に充電器14が接続された際にエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 が不活性化されると同時に、デプレション型のnチャネルトランジスタQ4 が活性化されて充電制御信号23aを生成する判定回路Q3,Q4を有する回路構成となっている。
このような回路構成によれば、判定回路Q3 ,Q4 を設けることにより、充電器接地電位V−と充電器充放電電位VDDとの間に充電器14が接続された際にエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 が不活性化させ同時にデプレション型のnチャネルトランジ
スタQ4 が活性化させる充電制御信号23a(論理値L)を生成できるようになる。そこで、ソースが充電器14の充電電位である充放電電位VDDに接続されているエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 のゲートに充電制御信号23a(論理値L)の信号を入力すればエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 を活性化できるようになる。この様に活性状態にあるエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3 と常時活性化状態にあるデプレション型のnチャネルトランジスタQ4 とによりレベルシフト回路23を動作可能状態に導くことができるようになる結果、充電器14が充電電位に接続された際であっても充電器14から電力の供給を受けて動作可能となり充電制御信号23aを生成できるようになる。すなわち、リチウムイオンバッテリー12に充放電保護IC20を動作させるだけの電力を供給する能力が無くなってしまった場合であっても充電器14が充電電位に接続されればレベルシフト回路23が動作可能状態となって充電制御信号23aを生成できるようになり、リチウムイオンバッテリー12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって確実な充電制御を実行する機能を実現できるようになる。その結果、充電制御信号23aを用いて充電用トランジスタQ2 を制御してリチウムイオンバッテリー12の充電制御ができるようになり、充放電保護IC20を動作させるだけの電力の供給する能力をリチウムイオンバッテリー12において復帰させることができるようになるといった効果を奏する。
また充電器接続検出回路23は、充放電電位VDDにソースが接続されたpチャネルMOSFETQ5 (Q7 ,Q9 )と充電器接地電位V−にソースが接続されたnチャネルMOSFETQ6(Q8 ,Q10)とがゲートを共通入力としドレインを共通出力として直列に接続され充電器14が充電器接地電位V−と充放電電位VDDとの間に接続された際に活性化されるインバーター回路234 が充電制御信号23aの論理レベルに応じた所定段数だけ縦続接続されたゲート回路234,…,234が判定回路Q3,Q4の後段に縦続接続される回路構成となっている。
更に詳しく、充電器接続検出回路23の動作を説明する。
図6において、バッテリー電圧が0Vになるということは、充放電電位VDD−バッテリー接地電位Vss間の電圧が0Vになるということである。
この時、充電器14を接続すると、リチウムイオン電池の場合、4.1Vや4.2Vといった電圧が、充放電電位VDD−充電器接地電位V−間にかかる。充放電電位VDD−バッテリー接地電位Vss間電圧は0Vであるから、bのノードは、ほとんど充放電電位VDDレベルになり、pチャネルMOSFETQ3 のゲート・ソース間電圧は0Vとなり、pチャネルMOSFETQ3は不活性化している。
充放電電位VDD−充電器接地電位V−間には充電器14の電圧が印加されているので、レベルシフト回路23内のトランジスタは全て動作することができる。
このとき、pチャネルMOSFETQ3 は不活性化しており、デプレションnチャネルMOSFET30は飽和結線されているので定電流で活性化しており、従って、ノードcは論理値Lレベル(充電器接地電位V−レベル)となり、結果として、充電信号出力端子Cout は充電器接地電位V−レベルに対して論理値Hが出力され、確実に充電電流を流すことができる。
このような回路構成によれば、回路規模の拡大や消費電力の増大を伴うことの少ないゲート回路を充電器接続検出回路23の出力段に設けることにより、充電器接続検出回路23の初段に入力される充電制御信号23aの論理レベルと充電器接続検出回路23の出力段から出力される充電制御信号23aの論理レベルとの整合をとることができるようになるといった効果を奏する。
図7は、図6の回路からインバーター回路233(Q51,Q52),インバーター回路234(Q5,Q6)を取り除いた回路構成を有する充電器接続検出回路23を説明するための回路図である。
また充電器接続検出回路23は、図7に示すように、充放電電位VDDにソースが接続されたpチャネルMOSFETQ51とバッテリー接地電位Vssにソースが接続されたnチャネルMOSFETQ52とがゲートを共通入力としドレインを共通出力として直列に接続されて成るインバーター回路が判定回路Q3,Q4の前段に縦続接続され、インバーター回路は、充放電電位VDDとバッテリー接地電位Vssとの差がnチャネルMOSFETQ52のスレッショルドレベルnVthを越えた際に充電器接続検出回路23のエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3を活性化する回路構成となっている。
このような回路において、入力に対する出力の位相は変わっていない。充電信号出力端子Cout を論理値Hに遷移させて充電電流を流す為には、ノードdがpチャネルMOSFETQ3 のスレッショルドレベルpVthよりも下がりノードeに論理値Hを出力しなければならない。
バッテリー電圧、すなわち、充放電電位VDD−バッテリー接地電位Vss間の電圧がnチャネルMOSFETQ52のスレッショルドレベルnVthよりも低いと、ノードdは、充放電電位VDDレベルもしくはハイインピーダンスとなるので、pチャネルMOSFETQ3 を活性化させることができない。
すなわち、図7は、バッテリー電圧がnチャネルMOSFETQ3のVtL以下では充電器14を接続しても充電電流が流せない回路となる。
このような回路構成によれば、充電電流を流すことができる充放電電位VDDとバッテリー接地電位Vssとの差電圧は、nチャネルMOSFETQ52のスレッショルドレベルnVthによって自由に設定できるようになる。またnチャネルMOSFETQ52における下降時の入力電圧スレッショルドレベルVtLを変更することによって、充電電流を流すことができない電池電圧を自由に設定することができる。
図8は、図7のnチャネルMOSFETQ52の下にもう1つnチャネルMOSFETQ53をカスコード接続した回路構成を有する充電器接続検出回路23を説明するための回路図である。
充放電保護IC20は、図8に示すように、インバーター回路のnチャネルMOSFETQ52のソースとバッテリー接地電位Vssとの間に、少なくとも1つ以上カスコード接続されたnチャネルMOSFETQ53を有し、インバーター回路は、インバーター回路のnチャネルMOSFETQ52のスレッショルドレベルnVthとカスコード接続されたnチャネルMOSFETQ53のスレッショルドレベルnVthとの和が充放電電位VDDとバッテリー接地電位Vssとの差より小さいときに充電器接続検出回路23のエンハンスメント型のpチャネルトランジスタQ3を活性化する回路構成となっていてもよい。
このようなカスコード構造によって、ノードfを論理値Lにして、充電電流を流すことができる充放電電位VDD−バッテリー接地電位Vssの電圧は、nチャネルMOSFETQ52とQ53のスレッショルドレベルnVthの和になる。
このようにnチャネルMOSFETを何段にもカスコード接続したり、又、nチャネルMOSFETのVthを変更することによって、充電電流を流すことができないバッテリー電圧を自由に設定することができる。
このような回路構成によれば、充電電流を流すことができる充放電電位VDDとバッテリー接地電位Vssとの差電圧は、所定段数だけカスコード接続されたnチャネルMOSFETQ53のスレッショルドレベルnVthの和によって自由に設定できるようになる。また所定段数だけカスコード接続されたnチャネルMOSFETQ53における下降時の入力電圧スレッショルドレベルVtLを変更することによって、充電電流を流すことができない電池電圧を自由に設定することができる。
次に、図面に基づき、本発明のバッテリーパックの実施形態を説明する。
前述の充放電保護IC20がIC化されて内蔵されたバッテリーパック10は、充放電保護IC20を用いてリチウムイオンバッテリー12の充放電が実行できる。このようなバッテリーパック10は、リチウムイオンバッテリー12を使用する携帯端末、携帯電話、無線機等の各種携帯機器に装着されて使用されるケースが通常である。
図1は、本発明のバッテリーパック10の構成を説明するための機能ブロック図である。
バッテリーパック10は、図1に示すように、充放電保護IC20に加えて、リチウムイオンバッテリー12であるバッテリーセル12、放電用トランジスタQ1 、充電用トランジスタQ2 、遅延コンデンサC1 を中心にして構成されていることが望ましい。
充放電保護回路20の端子は6端子あり、充放電電位VDDが接続される端子、バッテリー接地電位Vssが接続される端子、遅延コンデンサCT が接続される端子、放電信号出力が接続される端子Dout ,充電信号出力が接続される端子Cout 、充電器接地電位V−が接続される端子である。
ここで、バッテリーセル12は例えばリチウムイオン電池の場合、過充電検出電圧は、例えば4.25Vや4.35Vである。
遅延コンデンサC1はバッテリー接地電位Vssに接続され、バッテリーセル12において過充電状態を検出するタイミングにかかるディレイ時間を設定するための充放電信号12aを生成して前述の過充電検出回路22に端子CTを介して送信する回路構成となっている。
放電用トランジスタQ1 は、携帯電話14とバッテリーセル12間に直列に接続され、放電制御時にバッテリーセル12から携帯電話14に供給される放電電流の通電状態をディレイ信号26aの論理値に応じて制御する回路構成となっている。
また放電用トランジスタQ1 は、ディレイ信号26aの論理値と短絡検出信号24aの論理値との論理積である放電信号26bの論理値に応じてバッテリーセル12から携帯電話14に供給される放電電流の通電状態を制御する回路構成となっている。
このような回路構成によれば、ディレイ信号26aの論理値と短絡検出信号24aの論理値との論理積である放電信号26bとの論理演算を実行し演算結果の論理値に応じてバッテリーセル12から携帯電話14に供給される放電電流の通電状態を過放電状態や短絡状態をモニタリングしながら放電用トランジスタQ1 を用いて制御できるようになるといった効果を奏する。
充電用トランジスタQ2は、充電器14とバッテリーセル12間に直列に接続され、充電制御時に充電器14からバッテリーセル12に供給される充電電流の通電状態を充電制御信号23aの論理値に応じて制御する回路構成となっている。
この場合、レベルシフト回路23は、充電器接地電位V−に応じて活性化された際に充電用トランジスタQ2 を活性化する論理値を有する充電制御信号23aを生成する回路構成となっている。
このような回路構成によれば、前述の充放電保護IC20にこのようなレベルシフト回路23を設けることにより、リチウムイオンバッテリー12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって、前述の過電流検出時の発振防止機能を実現と同時に、確実な充電制御を充電用トランジスタQ2 を用いて実行する機能を実現するための充電制御信号23aを生成できるようになるといった効果を奏する。更に、このようなレベルシフト回路23は、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような充放電制御機能や発振防止機能を有するバッテリーパック10を実現することに寄与する。
以上説明したように、バッテリーパック10に依れば、過電流検出時の発振防止の為に、ヒステリシスインバータQ26,Q36を使用することによって、回路素子数を少なくし、小型のバッテリーパック10を構成することができる。更に、前述の充放電保護IC20を設けることにより、リチウムイオンバッテリー12の電池電圧が動作可能電圧を下回ってしまった場合であっても充電器14の接続によって、過電流検出時の発振防止機能を実現でき、確実な放電制御を放電用トランジスタQ1 を用いて実行する機能を実現でき、バッテリー電圧が0Vになっても、確実に充電電流を流す充電制御を充電用トランジスタQ2 を用いて実行する機能を実現できるようになるといった効果を奏する。また、過充電検出信号のレベルシフト回路23を兼用することによって、回路を追加することなく、小型のバッテリーパック10を構成することができる。また、バッテリー電圧がある設定電圧以下になった時は、確実に充電電流を流すことができなくなる回路を、過充電検出信号のレベルシフト回路23を流用することによって回路を追加することなく、小型のバッテリーパック10を構成することができる。また過放電を検出したのちに、消費電流を0にしても、充電器14が接続されたことを検出して、動作状態にする回路を、短絡検出回路24のヒステリシスインバータQ26,Q31を流用することによって、回路を追加することなく、小型のバッテリーパック10を構成することができる。更に、このような充放電保護IC20を設けることにより、ラッチ機能付コンパレータA22に比べて簡便な回路構成で、かつコンパクトな回路規模、小さいチップ面積、リチウムイオンバッテリー12の消耗を軽減した少ない消費電力でこのような充放電制御機能や発振防止機能を有するバッテ
リーパック10を実現できるようになる。