Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2006196298A - 有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

有機el表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006196298A
JP2006196298A JP2005006347A JP2005006347A JP2006196298A JP 2006196298 A JP2006196298 A JP 2006196298A JP 2005006347 A JP2005006347 A JP 2005006347A JP 2005006347 A JP2005006347 A JP 2005006347A JP 2006196298 A JP2006196298 A JP 2006196298A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
solution
layer
display device
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005006347A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshibumi Takehara
俊文 竹原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Display Central Inc
Original Assignee
Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd filed Critical Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd
Priority to JP2005006347A priority Critical patent/JP2006196298A/ja
Priority to US11/315,011 priority patent/US20060153971A1/en
Publication of JP2006196298A publication Critical patent/JP2006196298A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • H10K71/15Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating characterised by the solvent used
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • H10K71/13Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing
    • H10K71/135Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing using ink-jet printing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/40Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour
    • H10K71/441Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour in the presence of solvent vapors, e.g. solvent vapour annealing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/35Devices specially adapted for multicolour light emission comprising red-green-blue [RGB] subpixels

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】インクジェット法を利用して有機EL素子の有機物層を形成する有機EL表示装置で点欠陥及び線欠陥が発生するのを抑制すること。
【解決手段】本発明の有機EL表示装置の製造方法は、下地面内の互いから離間した複数の第1領域40aに、有機EL素子の有機物層27に使用する有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液をインクジェット法によって供給する工程と、前記複数の第1領域40aの中から前記第1溶液の供給量が不十分なものを選択する工程と、前記下地面の前記複数の第1領域40aとは異なる第2領域内であって前記選択した第1領域40aの周囲に、有機溶剤を含有した第2溶液45をインクジェット法によって供給するとともに、前記選択した第1領域40aに、前記有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第3溶液をインクジェット法によって供給する工程とを含んだことを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置の製造方法に係り、特には、インクジェット法を利用して有機EL素子の有機物層を形成する有機EL表示装置の製造方法に関する。
有機EL表示装置は、自己発光表示装置である。そのため、有機EL表示装置は、視野角が広く、応答速度が速い。また、バックライトが不要であるため、薄型軽量化が可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる表示装置として注目されている。
ところで、有機EL表示装置の製造プロセスでは、有機物層を構成する発光層やバッファ層を形成する際、その材料として低分子有機材料を使用する場合には真空蒸着法を利用している。他方、発光層やバッファ層の材料として高分子有機材料を使用する場合には、高分子有機材料を含有した溶液を塗布してなる塗膜を乾燥するという方法を採用している。
後者の方法では、例えば、まず、各画素に対応して貫通孔を有する隔壁絶縁層を基板上に形成する。次に、これら貫通孔を液溜めとして利用して、インクジェット法などにより、高分子有機材料を含有した溶液でそれら貫通孔を満たす。その後、貫通孔内の液膜を乾燥することにより、それら液膜から溶媒を除去する。以上のようにして発光層やバッファ層を得る。
この方法は、簡便ではあるが、インクジェットノズルに高分子有機材料を含有した溶液,すなわちインク,が詰まり、一部の液溜めにインクが十分に吐出されないか或いは全く吐出されないことがある。この場合、これを放置したまま有機物層の上に電極を形成すると、一部の画素で有機EL素子の陽極と陰極とが短絡する可能性がある。陽極と陰極とが短絡した有機EL素子は、最早、発光させることができない。
そこで、有機物層上に電極を形成する前に、インクが供給されなかった液溜めを特定し、この液溜めへのインクの再吐出及びそれによって得られる塗膜の乾燥を行なうことが考えられる。しかしながら、本発明者は、このような処理を行った画素とその他の画素とは輝度が顕著に異なり、これらの相違が点ムラ及び/または線状ムラ等の局所的に輝度の異なる表示ムラとして視認されることを見出している。
本発明の目的は、インクジェット法を利用して有機EL素子の有機物層を形成する有機EL表示装置で表示ムラが発生するのを抑制することにある。
本発明の第1側面によると、下地面内の互いから離間した複数の第1領域に、有機EL素子の有機物層に使用する有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液をインクジェット法によって供給する工程と、前記複数の第1領域の中から前記第1溶液の供給量が不十分なものを選択する工程と、前記下地面の前記複数の第1領域とは異なる第2領域内であって前記選択した第1領域の周囲に、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給するとともに、前記選択した第1領域に、前記有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第3溶液をインクジェット法によって供給する工程とを含んだことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法が提供される。
本発明の第2側面によると、絶縁基板上に形成されるとともに複数の貫通孔が設けられた隔壁絶縁層の前記複数の貫通孔内部に、有機EL素子の有機物層に使用する有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液をインクジェット法によって供給する工程と、前記複数の貫通孔の中から前記第1溶液の供給量が不十分なものを選択する工程と、前記隔壁絶縁層の上面であって前記選択した貫通孔の周囲に、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給するとともに、前記選択した貫通孔内部に、前記有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第3溶液をインクジェット法によって供給する工程とを含んだことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法が提供される。
本発明の第3側面によると、絶縁基板上に形成されるとともに複数の貫通孔とそれらの各々を取り囲む複数の凹部とが設けられた隔壁絶縁層の前記複数の貫通孔内部に、有機EL素子の有機物層に使用する有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液をインクジェット法によって供給する工程と、前記複数の貫通孔の中から前記第1溶液の供給量が不十分なものを選択する工程と、前記複数の凹部のうち前記選択した貫通孔の周囲に位置したものに、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給するとともに、前記選択した貫通孔内部に、前記有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第3溶液をインクジェット法によって供給する工程とを含んだことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法が提供される。
本発明によると、インクジェット法を利用して有機EL素子の有機物層を形成する有機EL表示装置で表示ムラが発生するのを抑制可能となる。
以下、本発明の幾つかの態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1態様に係る方法で製造可能な有機EL表示装置の一例を概略的に示す断面図である。
図1に示す有機EL表示装置1は、互いに対向したアレイ基板2及び封止基板3とそれらの間に介在したシール層(図示せず)とを備えている。シール層は封止基板3の周縁に沿って設けられており、それにより、アレイ基板2と封止基板3との間に密閉された空間を形成している。この空間は、例えば、Arガスなどの希ガスやN2ガスのような不活性ガスで満たされている。
アレイ基板2は、ガラス板等の光透過性を有する絶縁基板11を有している。基板11上には、アンダーコート層として、例えば、SiNx層12とSiO2層13とが順次積層されている。アンダーコート層上には、チャネル及びソース・ドレインが形成されたポリシリコン層のような半導体層14、ゲート絶縁膜15、及びゲート電極16が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTという)20を構成している。
ゲート絶縁膜15及びゲート電極16上には、SiO2などからなる層間絶縁膜21が設けられている。層間絶縁膜21上には電極配線(図示せず)及びソース・ドレイン電極23が設けられており、それらは、SiNxなどからなるパッシベーション膜24で埋め込まれている。なお、ソース・ドレイン電極23は、層間絶縁膜21に設けられたコンタクトホールを介してTFT20のソース・ドレインに電気的に接続されている。
パッシベーション膜24上には、有機絶縁体からなる平坦化層29が設けられている。この平坦化層29上には、複数の陽極25が互いから離間して並置されている。ここでは、陽極25はITO等の光透過性を有する導電膜で構成される。それぞれの陽極25は、ドレイン電極23に電気的に接続されている。
平坦化層29上には、さらに、絶縁層26aが設けられている。絶縁層26aは、例えば、後述する有機物層27を形成するための第1及び第3溶液に対して親液性の無機絶縁層である。絶縁層26aは、陽極25に対応した位置に貫通孔を有しており、平坦化層29の陽極25から露出した部分と陽極25の周縁部とを被覆している。
絶縁層26a上には、絶縁層26bが設けられている。絶縁層26bは、例えば、先の第1及び第3溶液に対して撥液性の有機絶縁層である。絶縁層26bは、陽極25に対応した位置に、絶縁層26aの貫通孔と等しいか或いはそれよりも大きな径の貫通孔を有している。
なお、絶縁層26aと絶縁層26bとの積層体は、陽極25に対応した位置に貫通孔を有する隔壁絶縁層26を構成している。隔壁絶縁層26は、絶縁層26aと絶縁層26bとの積層体で構成してもよく、或いは、絶縁層26bのみで構成してもよい。
隔壁絶縁層26の貫通孔内で露出した陽極25上には、発光層を含んだ有機物層27が設けられている。この発光層は、例えば、発光色が赤色、緑色、または青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。有機物層27は、発光層に加え、例えば、陽極25から発光層への正孔の注入を媒介する役割を果たすバッファ層などをさらに含むことができる。
隔壁絶縁層26及び有機物層27上には共通電極(陰極)28が設けられている。陰極28は、パッシベーション膜24、平坦化層29及び隔壁絶縁層26に設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して電極配線に電気的に接続されている。それぞれの有機EL素子30は、これら陽極25、有機物層27、及び陰極28で構成されている。
図2は、図1に示す有機EL表示装置1で採用可能な回路構成の一例を概略的に示す平面図である。図2に示すように、この有機EL表示装置1は、基板11上にマトリクス状に配置された走査信号線41及び映像信号線42を備えており、画素31は走査信号線41と映像信号線42とに囲われた領域内に配置されている。
走査信号線41は画素の行方向に延在するとともに列方向に配列しており、それらは走査信号線ドライバ51に接続されている。他方、映像信号線42は画素の列方向に延在するとともに行方向に配列しており、それらは映像信号線ドライバ52に接続されている。
それぞれの画素31は、駆動制御素子である駆動用トランジスタ20と、有機EL素子30と、選択用スイッチである選択用トランジスタ32と、キャパシタ33とで構成されている。この例では、駆動用トランジスタ20はpチャネルTFTであり、選択用トランジスタ32はnチャネルTFTである。
駆動用トランジスタ20及び有機EL素子30は、一対の電圧電源端子間で直列に接続されている。キャパシタ33は、駆動用トランジスタ20のゲートと定電位端子,この例では第1電源端子,との間に接続されている。選択用トランジスタ32は、映像信号線42と駆動用トランジスタ20のゲートとの間に接続されており、そのゲートは走査信号線41に接続されている。
なお、駆動用トランジスタ20と選択用トランジスタ32とキャパシタ33とそれらを接続する配線とは画素回路を構成している。この画素回路は、走査信号線駆動回路51から走査信号線41を介して供給される走査信号と、映像信号線駆動回路52から映像信号線42を介して供給される映像信号に基づいて、第1電源端子から有機EL素子30への電流の大きさを制御する。
さて、本態様では、有機EL表示装置1の有機物層27に含まれる各層,すなわち発光層やバッファ層など,は、以下の方法により形成する。ここでは、有機物層27が発光層のみから構成されている場合を例に説明する。
図3乃至図6は、本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図である。
この方法では、まず、図3に示す構造を作製する。図3の構造は、図1のアレイ基板2から有機物層27及び陰極28を除いた構造に相当している。図3に示す例では、隔壁絶縁層26には略正八角形状の貫通孔40aが設けられている。各貫通孔40aの位置では、陽極25が隔壁絶縁層26から露出している。
次に、必要に応じて、隔壁絶縁層26の表面に、例えばCF4・O2などのプラズマガスを用いた撥液処理を施す。これにより、絶縁層26bの表面を、有機物層27の材料を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液に対して撥液性とする。
次いで、図4に示すように、各貫通孔40aの内部に一定量の第1溶液をインクジェット法によって供給して、有機溶剤を含んだ有機物層27を形成する。有機物層27として発光色が青、緑、赤色の3種の有機物層を形成する場合、これら有機物層に対応して3種の第1溶液を調製し、それらを表示色が青、緑、赤色の画素31の貫通孔40aにそれぞれ吐出する。ここでは、一例として、インクジェットヘッドに第1溶液用のインクジェットノズルを表示色毎に少なくとも1個搭載したインクジェット装置を使用し、3種の第1溶液の吐出動作を並行して行うこととする。なお、ここで使用するインクジェット装置は、そのインクジェットヘッドに、さらに、後述する第2溶液用のインクジェットノズルを少なくとも1個搭載している。
全ての貫通孔40aへの第1溶液の吐出動作を完了した後、例えば画像処理技術などを利用して、それら貫通孔40aの中に第1溶液の供給量が不十分なものがあるかを調べる。第1溶液の供給量が不十分な貫通孔40aが存在していなかった場合、乾燥処理を施すことにより、有機物層27から有機溶剤をほぼ完全に除去する。その後、陰極28を形成することにより、アレイ基板2を完成する。
他方、図4に示すように、第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aが存在していた場合、その位置情報を記録する。好ましくは、これとともに、先の貫通孔40aについて、その第1溶液供給量の不足の程度を記録する。第1溶液供給量の不足の程度は、例えば、有機物層27の有無及び有機物層27の平面形状や面積などから測定可能である。その後、以下の工程を実施する。
すなわち、上記の位置情報に基づいて、図5に示すように、隔壁絶縁層26の上面であって第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aの周囲に、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給する。これにより、先の貫通孔40aを、複数の液膜45で取り囲む。隔壁絶縁層26の上面への第2溶液の供給量は、隣り合う液膜45同士が繋がらず且つ第2溶液が貫通孔40a内に流れ込まない程度とする。
また、これとともに、第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aの内部に、第3溶液をインクジェット法によって供給して、有機溶剤を含んだ有機物層27を形成する。この第3溶液は、有機物層27の材料を有機溶剤に溶解または分散させたものである。第3溶液の供給量は、一定量とするか或いは第1溶液供給量の不足分にほぼ対応した量とする。
なお、第2溶液の供給と第3溶液の供給とは、液膜45から有機溶剤が揮発している期間と、第3溶液を用いて形成した有機物層27から有機溶剤が揮発している期間とが、少なくとも部分的に重複するように行う。典型的には、第2溶液の供給と第3溶液の供給とは、ほぼ同時に行う。例えば、或る貫通孔40aの周囲に第2溶液を供給した直後に、その貫通孔40aの内部に第3溶液を供給する。
その後、有機物層27及び液膜45に含まれる有機溶剤を揮発させる。これにより、図6の構造を得る。
ところで、図4を参照して説明した工程で形成した各有機物層27は、複数の有機物層27で取り囲まれている。また、各有機物層27とその周囲の有機物層27との乾燥は、ほぼ同時に進行する。そのため、これら有機物層27の乾燥は、有機溶剤を高濃度に含んだ雰囲気のもとで進行する。
図5に示すように、第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aに第3溶液を供給して形成した有機物層27が乾燥する際、この貫通孔40aが第2溶液からなる複数の液膜45で取り囲まれていると、その貫通孔40aの内部に形成した有機物層27に含まれる有機溶剤が揮発するのに加え、液膜45からも有機溶剤が揮発する。そのため、第1溶液供給量が不十分であった貫通孔40aの近傍には、液膜45を形成しなかった場合と比較して、有機溶剤をより高い濃度で含んだ雰囲気が生じる。すなわち、液膜45を形成した場合、有機物層27の乾燥は、液膜45を形成しなかった場合と比較して、図4の工程で形成した有機物層27の乾燥条件により近い条件,具体的にはより穏やかな条件,で進行する。その結果、例えば、図4の工程で有機物層27を形成した画素31と図5の工程で有機物層27を形成した画素31との間における有機物層27の膜厚プロファイルなどのばらつきが低減され、表示ムラの発生を抑制可能となる。
なお、第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aへの有機物層27の形成を、液膜45を形成せずに、有機溶剤を高濃度に含んだガスで満たした処理容器内で実施しても、図4の工程で形成した有機物層27の乾燥条件とほぼ同等の条件を再現することができる。但し、この場合、図4の工程で形成した有機物層27までもが、有機溶剤を高濃度に含んだ雰囲気に晒されることとなる。このような有機溶剤を高濃度に含んだ雰囲気への有機物層27の再度の曝露は、得られる有機EL素子30の発光特性に少なからず影響を与える。そのため、図4の工程で有機物層27を形成した有機EL素子30の輝度と図5の工程で有機物層27を形成した有機EL素子30の輝度とを等しくすることや、図5の工程を実施して製造した有機EL表示装置1と図5の工程なしで製造した有機EL表示装置1とで有機EL素子30の輝度を等しくすることなどが難しくなる。
これに対し、図5を参照したように、液膜45を利用した方法によると、有機溶剤を高濃度に含んだ雰囲気を局所的に生じさせることができる。そのため、既に乾燥が或る程度進行した有機物層27の殆んどを、有機溶剤を高濃度に含んだ雰囲気に再び晒すことなく、図4の工程で形成した有機物層27の乾燥条件とほぼ同等の条件を再現することができる。したがって、本態様によると、図4の工程で有機物層27を形成した有機EL素子30の輝度と図5の工程で有機物層27を形成した有機EL素子30の輝度とを等しくすることや、図5の工程を実施して製造した有機EL表示装置1と図5の工程なしで製造した有機EL表示装置1とで有機EL素子30の輝度を等しくすることなどが容易である。
次に、本発明の第2態様について説明する。
図7は、本発明の第2態様に係る方法で製造可能な有機EL表示装置の一例を概略的に示す断面図である。図7に示す有機EL表示装置1は、隔壁絶縁層26の上面に、複数の凹部40bが各貫通孔40aを取り囲むように設けられていること以外は、図1の有機EL表示装置1と同様の構造を有している。なお、ここでは一例として、絶縁層26bに貫通孔を設けることにより底面が絶縁層26aの上面で構成された凹部40bを形成しているが、凹部40bは絶縁層26a及び26bの双方に貫通孔を設けることにより形成してもよい。
本態様では、この有機EL表示装置1の有機物層27に含まれる各層,すなわち発光層やバッファ層など,は、以下の方法により形成する。ここでは、有機物層27が発光層のみから構成されている場合を例に説明する。
図8乃至図11は、本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図である。
この方法では、まず、図8に示す構造を作製する。図8の構造は、図7のアレイ基板2から有機物層27及び陰極28を除いた構造に相当している。図8に示す例では、隔壁絶縁層26を構成している絶縁層26a及び26bには略正八角形状の貫通孔40aが設けられている。各貫通孔40aの位置では、陽極25が隔壁絶縁層26から露出している。また、図8に示す例では、隔壁絶縁層26を構成している絶縁層26a及び26bのうち、絶縁層26bにのみ、貫通孔40aと比較して径がより小さな略正八角形状の貫通孔がさらに設けられている。これら貫通孔と絶縁層26aの上面とは、略正八角形状の開口を有する凹部40bを構成している。
次に、第1態様と同様、必要に応じて、隔壁絶縁層26の表面に、例えばCF4・O2などのプラズマガスを用いた撥液処理を施す。これにより、絶縁層26bの表面を、有機物層27の材料を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液に対して撥液性とする。
次いで、第1態様と同様、図9に示すように、各貫通孔40aの内部に一定量の第1溶液をインクジェット法によって供給して、有機溶剤を含んだ有機物層27を形成する。ここでは、第1溶液が凹部40bに供給されないように注意する。
全ての貫通孔40aへの第1溶液の吐出動作を完了した後、例えば画像処理技術などを利用して、それら貫通孔40aの中に第1溶液の供給量が不十分なものがあるかを調べる。第1溶液の供給量が不十分な貫通孔40aが存在していなかった場合、熱処理を施すことにより、有機物層27から有機溶剤をほぼ完全に除去する。その後、陰極28を形成することにより、アレイ基板2を完成する。
他方、図9に示すように、第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aが存在していた場合、その位置情報を記録する。好ましくは、これとともに、先の貫通孔40aについて、第1溶液供給量の不足の程度を記録する。その後、以下の工程を実施する。
すなわち、上記の位置情報に基づいて、図10に示すように、第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aを取り囲んでいる凹部40bに、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給する。第2溶液の凹部40bへの供給量は、第2溶液が凹部40bから溢れ出さない程度とする。
また、これとともに、第1溶液供給量が不十分な貫通孔40aの内部に、第3溶液をインクジェット法によって供給して、有機溶剤を含んだ有機物層27を形成する。第3溶液の供給量は、一定量とするか或いは第1溶液供給量の不足分にほぼ対応した量とする。
なお、第2溶液の供給と第3溶液の供給とは、液膜45から有機溶剤が揮発している期間と、第3溶液を用いて形成した有機物層27から有機溶剤が揮発している期間とが、少なくとも部分的に重複するように行う。典型的には、第2溶液の供給と第3溶液の供給とは、ほぼ同時に行う。例えば、或る貫通孔40aの周囲に第2溶液を供給した直後に、その貫通孔40aの内部に第3溶液を供給する。
その後、有機物層27及び液膜45に含まれる有機溶剤を揮発させる。これにより、図11の構造を得る。
この方法は、第1態様で説明した方法とほぼ同様である。したがって、本態様によると、第1態様で説明したのと同様の効果を得ることができる。
また、本態様では、隔壁絶縁層26の上面に凹部40bを設け、これら凹部40bに第2溶液を供給する。そのため、第1態様と比較して、第2溶液が貫通孔40aの内部に流れ込み難い。しかも、第2溶液に対する絶縁層26bの撥液性が、その第1溶液に対する撥液性と同様であれば、第2溶液の供給に、第1態様ほど高い位置精度を要求されることがない。
液膜45を形成するのに使用する第2溶液の量は、第3溶液を用いて形成した有機物層27の乾燥を、第1溶液を用いて形成した有機物層27の乾燥条件とほぼ等しい条件で進行させることができれば、特に制限はない。例えば、1つの貫通孔40aの内部に供給する第3溶液に含まれる有機溶剤の量と、その貫通孔40aを取り囲む複数の液膜45に含まれる有機溶剤の量とをほぼ等しくしてもよい。
第1及び第2態様で説明した方法で使用する第1溶液と第3溶液とは、組成が同一であってもよく、或いは、異なっていてもよい。但し、第1溶液が溶質または分散質として含有している有機物と、第3溶液が溶質または分散質として含有している有機物とは同一とする。また、典型的には、第1溶液が含有している有機溶剤と、第3溶液が含有している有機溶剤とは同一とする。
第2溶液が含有する有機溶剤と、第3溶液が含有する有機溶剤とは、同一であってもよく、或いは、異なっていてもよい。但し、典型的には、第2溶液が含有する有機溶剤は、第3溶液が含有する有機溶剤と同一とする。
第1乃至第3溶液が含有する有機溶剤としては、例えば、テトラリン、トルエン、シクロヘキサン、アニソール、ジフェニルエーテルなどを挙げることができる。
第2溶液は、有機溶剤以外の成分をさらに含むことができる。インクジェット法では、吐出すべき溶液の粘度が低すぎる或いは高すぎると、高精度な吐出が難しくなることがある。また、吐出した溶液の粘度が低すぎると、吐出した溶液の被吐出面上における不所望な流動を生じる可能性がある。第2溶液として有機溶剤に加えて溶質または分散質をさらに含有したものを使用すると、溶質または分散質の種類及び含量などに応じて、第2溶液の粘度を調節することができる。
第2溶液に含有させ得る溶質または分散質は、無機物、有機物、及びそれらの混合物の何れであってもよい。また、この溶質または分散質は、絶縁体、半導体、及び導体の何れであってもよい。但し、通常は、絶縁体を先の溶質または分散質として使用する。
第2溶液に溶質または分散質として含有させ得る無機物としては、例えば、酸化アルミニウム、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを挙げることができる。
第2溶液に溶質または分散質として含有させ得る有機物としては、例えば、テトラリン、トルエン、シクロヘキサン、アニソール、ジフェニルエーテルなどを挙げることができる。また、この有機物としては、第1及び第3溶液が溶質または分散質として含有している有機物を使用することもできる。この場合、第1乃至第3溶液の組成が同一であれば、第1乃至第3溶液の吐出に同一のインクジェットノズルを使用することができる。したがって、インクジェット装置の構造を簡略化することができる。
なお、第2溶液として有機溶剤に加えて溶質または分散質をさらに含有したものを使用した場合、有機EL表示装置1には、以下に説明する特徴的な構造が現れる。
例えば、図3乃至図6を参照しながら説明した方法で第2溶液として有機溶剤と溶質または分散質とを含有したものを使用すると、図6の工程を完了した時点で、第2溶液が溶質または分散質として含有していた材料が図5に示す液膜45の位置に薄膜状に残留する。
また、図8乃至図11を参照しながら説明した方法で第2溶液として有機溶剤と溶質または分散質とを含有したものを使用すると、図11の工程を完了した時点で、第2溶液が溶質または分散質として含有していた材料が図10に示す液膜45の位置に薄膜状に残留する。
したがって、完成した有機EL表示装置について、この薄膜状に残留した材料の有無を調べれば、その有機EL表示装置が図3乃至図6のプロセスまたは図8乃至図11のプロセスを経て製造されたものであるか否かを判別することができる。さらに、その有機EL表示装置について、凹部40bの有無を調べれば、それが図3乃至図6のプロセス及び図8乃至図11のプロセスのどちらを経て製造されたかを判別することができる。
次に、先の有機EL表示装置1の構成要素に使用可能な材料などについて説明する。
絶縁基板11としては、その上に形成される構造を保持可能なできるものであれば、どのようなものを用いてもよい。基板11としては、ガラス基板のように硬質な基板が一般的であるが、有機EL表示装置1の用途によっては、プラスチックシートなどのようにフレキシブルな基板を使用してもよい。
有機EL表示装置1が基板11側から光を発する下面発光型の場合、陽極25としては光透過性を有する透明電極を使用する。透明電極の材料としては、ITO(インジウム・スズ酸化物)等の透明導電材料を使用することができる。透明電極の膜厚は、通常、10nm乃至150nm程度である。透明電極は、ITO等の透明導電材料を蒸着法やスパッタリング等により堆積し、それにより得られる薄膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより得ることができる。
絶縁層26aの材料としては、例えば、シリコン窒化物やシリコン酸化物のような無機絶縁材料を使用することができる。これら無機絶縁材料からなる絶縁層26aは比較的高い親液性を示す。
絶縁層26bの材料としては、例えば、有機絶縁材料を使用することができる。絶縁層26bに使用可能な有機絶縁材料に特に制限はないが、感光性樹脂を使用した場合、貫通孔が設けられた絶縁層26bを容易に形成可能である。絶縁層26bを形成するのに使用可能な感光性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリアクリル、ポリアミド樹脂、ポリアミック酸などのアルカリ可溶性の高分子誘導体にナフトキノンジアジドなどの感光性化合物を添加してなり、露光及びアルカリ現像によりポジパターンを与える材料を挙げることができる。また、ネガパターンを与える感光性樹脂としては、化学線の照射により現像液への溶解速度が遅くなる感光性組成物,例えばエポキシ基のように化学線照射により架橋する官能基を有する感光性組成物を挙げることができる。絶縁層26bは、例えば、これら感光性樹脂を基板11の陽極25などが形成された面にスピンコート法などにより塗布し、それにより得られた塗膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより得られる。
隔壁絶縁層26の膜厚は、有機物層27の膜厚以上であることが望ましく、通常、0.09μm乃至0.13μm程度である。また、絶縁層26aの膜厚は、通常、0.05乃至0.1μm程度である。
有機物層27は、発光層を含んでいる。発光層の材料としては、有機EL表示装置で一般に使用されているルミネセンス性有機化合物を用いることができる。そのような有機化合物のうち赤色のルミネセンスを発するものとしては、例えば、ポリビニレンスチレン誘導体のベンゼン環にアルキルまたはアルコキシ置換基を有する高分子化合物や、ポリビニレンスチレン誘導体のビニレン基にシアノ基を有する高分子化合物などを挙げることができる。緑色のルミネセンスを発する有機化合物としては、例えば、アルキルまたはアルコキシまたはアリール誘導体置換基をベンゼン環に導入したポリビニレンスチレン誘導体などを挙げることができる。青色のルミネセンスを発する有機化合物としては、例えば、ジアルキルフルオレンとアントラセンの共重合体のようなポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。また、発光層には、これらの高分子のルミネセンス性有機化合物に低分子のルミネセンス性有機化合物などをさらに添加してもよい。
発光層の膜厚は、使用する材料に応じて適宜設定する。通常、発光層全体の膜厚は50nm乃至200nmの範囲内である。
上記の通り、有機物層27は、発光層に加え、バッファ層などをさらに含むことができる。バッファ層の材料としては、例えば、ドナー性の高分子有機化合物とアクセプタ性の高分子有機化合物との混合物を使用することができる。ドナー性の高分子有機化合物としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTという)のようなポリチオフェン誘導体及び/またはポリアニリンのようなポリアニリン誘導体などを使用することができる。また、アクセプタ性の有機化合物としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(以下、PSSという)などを使用することができる。
有機物層27に含まれる層の少なくとも1つは、図3乃至図6を参照しながら説明した方法及び図8乃至図11を参照しながら方法の何れかによって形成する。例えば、有機物層27を発光層とバッファ層などの他の層とで構成した場合、典型的には、少なくとも発光層は、図3乃至図6を参照しながら説明した方法及び図8乃至図11を参照しながら方法の何れかによって形成する。なお、有機物層27に含まれる各層からの有機溶剤の除去は、熱及び/または減圧のもとで行ってもよく、或いは、自然乾燥により行ってもよい。
陰極28は、単層構造を有していてもよく、或いは、多層構造を有していてもよい。陰極28を多層構造とする場合、例えば、有機物層27上にバリウムやカルシウムなどを含有した主導体層と銀やアルミニウムなどを含有した保護導体層とを順次積層してなる二層構造としてもよい。また、有機物層27上にフッ化バリウムなどを含有した非導体層と銀やアルミニウムなどを含有した導体層とを順次積層してなる二層構造としてもよい。さらに、有機物層27上にフッ化バリウムなどを含有した非導体層とバリウムやカルシウムなどを含有した主導体層と銀やアルミニウムなどを含有した保護導体層とを順次積層してなる三層構造としてもよい。
第1及び第2態様では、特定の構造を例に有機物層27の形成方法を説明したが、第1及び第2態様で説明した方法は、様々な有機EL表示装置の製造に利用可能である。例えば、図1及び図7には、平坦化層29を設けた構造を示したが、平坦化層29は省略してもよい。また、図1及び図7に示した構造では、陽極25を平坦化層29上に設けているが、陽極25は層間絶縁膜21上に設けてもよい。つまり、映像信号線と陽極25とを同一平面上に設けてもよい。
また、図1及び図7の有機EL表示装置1は下面発光型であるが、先の方法は上面発光型の有機EL表示装置の製造に利用することもできる。さらに、アレイ基板2を対向基板3によりシーリングする場合、基板間の空間に乾燥剤を封入することで、素子の長寿命化を図ることも可能であり、また、対向基板3とアレイ基板2との間に樹脂を充填して放熱特性を向上させることもできる。
また、第1溶液をインクジェットにて塗布する際、第2溶液用のノズルを用いて、第1溶液を塗布するブロックの隣りのブロックの画素に第2溶液を塗布してもよい。このとき、第2溶液は、第1溶液が含む有機溶剤と同一の有機溶剤であることが望ましい。これにより、有機溶剤の乾燥速度の違いにより生じる有機物層の膜厚分布ムラに起因する表示ムラを抑制することが可能となる。また、この第2溶液の塗布は、貫通孔41a内であってもその周辺であってもよい。
また、インクジェット装置において、1つのインクジェットヘッドに複数のインクジェットノズルを有する装置について説明したが、これに限定されず、各ヘッドを表示色毎に独立して設けてもよく、また、第2溶液用のインクジェットノズルを第1溶液用のインクジェットノズルとは独立のインクジェットヘッドに設けてもよい。また、さらに各インクジェットヘッドが複数のインクジェットノズルを有していてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す有機EL表示装置1を以下の方法により作製した。
まず、ガラス基板11のアンダーコート層12,13が形成された面に対し、通常のTFT形成プロセスと同様に成膜とパターニングとを繰り返し、TFT20、層間絶縁膜21、電極配線(図示せず)、ソース・ドレイン電極23、パッシベーション膜24、及び平坦化層29を形成した。
次に、平坦化層29上に、スパッタリング法を用いてITO膜を形成した。続いて、このITO膜を、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより陽極25を得た。なお、陽極25は、マスクスパッタリング法により形成してもよい。
次いで、基板11の陽極25を形成した面に、各画素の発光部に対応して開口を有する絶縁層26aを形成した。続いて、基板11の陽極25を形成した面に、感光性樹脂を塗布し、得られた塗膜をパターン露光及び現像することにより、各画素の発光部に対応して開口を有する絶縁層26bを形成した。以上のようにして、隔壁絶縁層26として、シリコン窒化膜からなる絶縁層26aとポリイミドからなる絶縁層26bとの積層体を得た。なお、隔壁絶縁層26を形成した基板11にはCF4/O2プラズマガスを用いた表面処理を施し、絶縁層26bの表面をフッ素化した。
次に、図3乃至図6を参照しながら説明した方法により、隔壁絶縁層26が形成する液溜めに発光色が青、緑、赤色の発光層を形成した。
具体的には、発光色が青、緑、赤色のルミネセンス性有機化合物を有機溶剤である(トルエン)にそれぞれ溶解させ、第1溶液として3種の溶液を調製した。次に、図12に示すように、インクジェット法により、これら第1溶液を、隔壁絶縁層26に設けた貫通孔40aの一部にのみ吐出し、有機物層27を形成した。ここでは、各発光色に対応した有機物層27は、ノズルヘッドと絶縁基板11とをX方向に相対移動させながら、Y方向に配列した複数のインクジェットノズルからインク滴が貫通孔40aの内部に供給されるタイミングで第1溶液を吐出することにより形成した。なお、図12において、有機物層27に付している符号B,G,Rは、それぞれ、発光色が青、緑、赤色のルミネセンス性有機化合物を含有した第1溶液を用いて形成したことを示している。
次いで、第1溶液を供給しなかった各貫通孔40aの周囲に、インクジェット法により第2溶液を供給し、図5に示すように配列した複数の液膜45を形成した。ここでは、第2溶液として、第1溶液で使用したのと同種の有機溶剤を使用した。また、1つの貫通孔40aの内部への第1溶液の供給量と、1つの貫通孔40aの周囲に供給する第2溶液の供給量の合計とをほぼ等しくした。
この第2溶液の供給とほぼ同時に、インクジェット法により、第1溶液を供給しなかった各貫通孔40aにのみ第3溶液を吐出した。ここでは、第3溶液として、第1溶液と組成が同一のものを使用した。また、1つの貫通孔40aの内部への第1溶液の供給量と、1つの貫通孔40aの内部への第3溶液の供給量とはほぼ等しくした。
液膜45から有機溶剤がほぼ完全に揮発した後、第1及び第3溶液を用いて形成した塗膜を90℃の温度に1時間加熱することにより発光層を得た。以上のようにして、図13に示すように、有機物層27として、発光色が青、緑、赤色の発光層を得た。なお、図13において、破線で囲んだ有機物層27は第3溶液を用いて形成したものであり、その他の有機物層27は第1溶液を用いて形成したものである。
このようにして有機物層27を形成した後、基板11の有機物層27を形成した面にバリウムを真空蒸着し、続いてアルミニウムを蒸着することにより陰極28を形成した。これにより、アレイ基板2を完成した。
その後、ガラス基板3の一方の主面の周縁部に紫外線硬化型樹脂を塗布してシール層を形成した。次いで、ガラス基板3とアレイ基板2とを、ガラス基板3のシール層を設けた面とアレイ基板2の陰極28を設けた面とが対向するように不活性ガス中で貼り合せた。さらに、紫外線照射によりしてシール層を硬化させることにより、図1に示す有機EL表示装置1を完成した。
次に、この有機EL表示装置1について、各色毎に、第1溶液を用いて有機物層27を形成した画素31の輝度と、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31の輝度とを測定した。
具体的には、図13に示す有機物層27のうち、一点鎖線で囲んだ(第1溶液を用いて形成した)有機物層27を有する一対の画素31と、破線で囲んだ(第3溶液を用いて形成した)有機物層27を有する1つの画素31とを各発光色毎に選択し、これらの輝度を測定した。ここでは、有機物層27に流す電流の電流密度は、発光色が青色及び緑色の画素31についてはそれぞれ20.0mA/cm2とし、発光色が赤色の画素31については45.2mA/cm2とした。
次いで、先の一対の画素31の輝度を平均し、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31の、第1溶液を用いて有機物層27を形成した画素31に対する相対輝度を求めた。その結果を以下の表に示す。
(実施例2)
第2溶液として第1溶液と組成が同一のものを使用したこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、図1に示す有機EL表示装置1を以下の方法により作製した。この有機EL表示装置1についても、実施例1で説明したのと同様の方法により、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31の、第1溶液を用いて有機物層27を形成した画素31に対する相対輝度を求めた。その結果を以下の表に示す。
(比較例)
第2溶液を使用しなかったこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、図1に示す有機EL表示装置1を以下の方法により作製した。この有機EL表示装置1についても、実施例1で説明したのと同様の方法により、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31の、第1溶液を用いて有機物層27を形成した画素31に対する相対輝度を求めた。その結果を以下の表に示す。
Figure 2006196298
上記表に示すように、比較例に係る有機EL表示装置1では、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31は、第1溶液を用いて有機物層27を形成した画素31と比較して著しく高輝度であった。この有機EL表示装置1で画像を表示し、表示画像を観察したところ、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31は、点欠陥として視認された。
他方、実施例1及び2に係る有機EL表示装置1では、上記表に示すように、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31と、第1溶液を用いて有機物層27を形成した画素31とは、高輝度がほぼ等しかった。これら有機EL表示装置1で画像を表示し、表示画像を観察したが、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31と、第3溶液を用いて有機物層27を形成した画素31との相違を判別することはできなかった。
本発明の第1態様に係る方法で製造可能な有機EL表示装置の一例を概略的に示す断面図。 図1に示す有機EL表示装置で採用可能な回路構成の一例を概略的に示す平面図。 本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 本発明の第2態様に係る方法で製造可能な有機EL表示装置の一例を概略的に示す断面図。 本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す平面図。 実施例で形成した有機物層の配置を概略的に示す平面図。 実施例で形成した有機物層の配置を概略的に示す平面図。
符号の説明
1…有機EL表示装置、2…アレイ基板、3…封止基板、11…絶縁基板、12…SiNx層、13…SiO2層、14…半導体層、15…ゲート絶縁膜、16…ゲート電極、20…駆動制御素子、21…層間絶縁膜、23…ソース・ドレイン電極、24…パッシベーション膜、25…陽極、26…隔壁絶縁層、26a…絶縁層、26b…絶縁層、27…有機物層、28…陰極、29…平坦化層、30…有機EL素子、31…画素、32…選択用スイッチ、33…キャパシタ、40a…貫通孔、40b…凹部、41…走査信号線、42…映像信号線、45…液膜、51…走査信号線ドライバ、52…映像信号線ドライバ。

Claims (8)

  1. 下地面内の互いから離間した複数の第1領域に、有機EL素子の有機物層に使用する有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液をインクジェット法によって供給する工程と、
    前記複数の第1領域の中から前記第1溶液の供給量が不十分なものを選択する工程と、
    前記下地面の前記複数の第1領域とは異なる第2領域内であって前記選択した第1領域の周囲に、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給するとともに、前記選択した第1領域に、前記有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第3溶液をインクジェット法によって供給する工程とを含んだことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  2. 絶縁基板上に形成されるとともに複数の貫通孔が設けられた隔壁絶縁層の前記複数の貫通孔内部に、有機EL素子の有機物層に使用する有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液をインクジェット法によって供給する工程と、
    前記複数の貫通孔の中から前記第1溶液の供給量が不十分なものを選択する工程と、
    前記隔壁絶縁層の上面であって前記選択した貫通孔の周囲に、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給するとともに、前記選択した貫通孔内部に、前記有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第3溶液をインクジェット法によって供給する工程とを含んだことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  3. 絶縁基板上に形成されるとともに複数の貫通孔とそれらの各々を取り囲む複数の凹部とが設けられた隔壁絶縁層の前記複数の貫通孔内部に、有機EL素子の有機物層に使用する有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第1溶液をインクジェット法によって供給する工程と、
    前記複数の貫通孔の中から前記第1溶液の供給量が不十分なものを選択する工程と、
    前記複数の凹部のうち前記選択した貫通孔の周囲に位置したものに、有機溶剤を含有した第2溶液をインクジェット法によって供給するとともに、前記選択した貫通孔内部に、前記有機物を有機溶剤に溶解または分散させてなる第3溶液をインクジェット法によって供給する工程とを含んだことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  4. 前記第2溶液の供給は、前記第3溶液の供給に先立って実施することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  5. 前記第2溶液は前記有機溶剤のみからなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  6. 前記第2溶液は前記有機物をさらに含有したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  7. 前記第3溶液として、前記第1溶液と組成が同一なものを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  8. 前記有機物は、前記有機物層が含む発光層の材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
JP2005006347A 2005-01-13 2005-01-13 有機el表示装置の製造方法 Pending JP2006196298A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006347A JP2006196298A (ja) 2005-01-13 2005-01-13 有機el表示装置の製造方法
US11/315,011 US20060153971A1 (en) 2005-01-13 2005-12-23 Display manufacturing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006347A JP2006196298A (ja) 2005-01-13 2005-01-13 有機el表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006196298A true JP2006196298A (ja) 2006-07-27

Family

ID=36653553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005006347A Pending JP2006196298A (ja) 2005-01-13 2005-01-13 有機el表示装置の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20060153971A1 (ja)
JP (1) JP2006196298A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004153A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Sekisui Chem Co Ltd SiNの親水化処理方法
WO2011013275A1 (ja) * 2009-07-28 2011-02-03 シャープ株式会社 有機素子及びそれを備えた有機デバイス

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005085604A (ja) * 2003-09-09 2005-03-31 Seiko Epson Corp 有機金属化合物の薄膜形成方法、有機金属化合物薄膜、およびこれを備えた有機電子デバイスの製造方法、有機電子デバイス、有機エレクトロルミネッセンスの製造方法、有機エレクトロルミネッセンス、及び電子機器
JP2009187898A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Seiko Epson Corp 有機el装置及びその製造方法
JP6861495B2 (ja) * 2016-10-05 2021-04-21 株式会社Joled 有機el素子及びその製造方法
CN112164708B (zh) * 2020-09-16 2022-07-29 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 Oled显示面板制备方法和oled显示面板

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3899566B2 (ja) * 1996-11-25 2007-03-28 セイコーエプソン株式会社 有機el表示装置の製造方法
US6861810B2 (en) * 2001-10-23 2005-03-01 Fpd Systems Organic electroluminescent display device driving method and apparatus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004153A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Sekisui Chem Co Ltd SiNの親水化処理方法
WO2011013275A1 (ja) * 2009-07-28 2011-02-03 シャープ株式会社 有機素子及びそれを備えた有機デバイス
US8853664B2 (en) 2009-07-28 2014-10-07 Sharp Kabushiki Kaisha Organic element and organic device including the same

Also Published As

Publication number Publication date
US20060153971A1 (en) 2006-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6879099B2 (en) Organic EL element and organic EL display
US20050023969A1 (en) Organic EL display
JP2007134327A (ja) 表示装置とその製造方法
JP4497185B2 (ja) 表示装置の製造方法
KR20140064328A (ko) 유기전계 발광소자 및 이의 제조 방법
JP2005327674A (ja) 有機エレクトロルミネッセント表示素子、それを有する表示装置、及び、その製造方法
JP2009036948A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、および有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2004319119A (ja) 表示装置及びその製造方法
JP2003186420A (ja) アクティブマトリクス基板、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器
US7294960B2 (en) Organic electroluminescent device with HIL/HTL specific to each RGB pixel
US7948162B2 (en) Light-emissive display and method of manufacturing the same
KR20070019814A (ko) 디스플레이 장치와 디스플레이 장치의 제조방법
US7449215B2 (en) Method of manufacturing display device
JP2004158815A (ja) 成膜方法、光学素子、半導体素子および電子機器、電気光学装置の製造方法、カラーフィルターの製造方法
JP2005166315A (ja) 有機el表示装置
JP2003317960A (ja) エレクトロルミネッセンス装置とその製造方法及び電子機器
JP4373653B2 (ja) 有機el表示装置
JP2006196298A (ja) 有機el表示装置の製造方法
US7378679B2 (en) Patterned substrate, electro-optical device, and method for manufacturing an electro-optical device
JP2007095608A (ja) 電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法
JP2005093421A (ja) 有機el表示装置
JP2014075260A (ja) 隔壁の形成方法、有機el素子の製造方法
JP4788161B2 (ja) 塗布液組成物、薄膜形成方法および有機薄膜
KR102127217B1 (ko) 유기전계발광 표시장치 및 그 제조 방법
JP5125686B2 (ja) 発光装置の製造方法