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JP2006180904A - 注射針カバー - Google Patents

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JP2006180904A
JP2006180904A JP2004374546A JP2004374546A JP2006180904A JP 2006180904 A JP2006180904 A JP 2006180904A JP 2004374546 A JP2004374546 A JP 2004374546A JP 2004374546 A JP2004374546 A JP 2004374546A JP 2006180904 A JP2006180904 A JP 2006180904A
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Hirohiko Tokunaga
裕彦 徳永
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Abstract

【課題】簡単な構造で、かつ、既存の注射針に装着することができ、しかも確実に針刺し事故を防止することが可能な注射針カバーの提供を図る。
【解決手段】弾性樹脂材料からなり、後端には開口部を有し、該後端から所定の中間位置まで筒状に形成されるとともに、該中間位置から先端に向けて径が小さくなる略円錐状に形成され、かつ、先端部には注射針保持部が形成されて最先端部において閉口され、該中間位置における内側面所定の位置に円弧状の溝を設けるとともに、該中間位置における外側面所定の位置に円弧状の凸部を設けた構造を採用する。また、後端から所定の中間位置まで逆円錐台形状に形成した構造を採用することも可能であり、さらには、略円錐状に形成された箇所の内側面所定部位に円弧状の凸部を複数設ける構造を採ることも可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、注射針を保護するための注射針カバーに関するものである。
医療行為を行うに際して注射針は、必要不可欠な器具であり、体液採取や注射の時、また、カテーテルチューブ・ドレナーチューブの留置時等において広く使用されている。使用後の注射針は、患者の血液等の体液が付着した状態であり、細菌やウイルス等の感染性病原体で汚染されている可能性がある。したがって、注射針は1回限りの使い捨てであって、使用後は医療廃棄物として廃棄される。
医療の現場では、注射針の使用後から廃棄するまでの間において、細菌やウイルス等に汚染された使用済みの注射針の針先が、医師や看護士などの医療従事者・医療関係者の手や指などに誤って刺さってしまう針刺し事故がしばしば発生している。これは、使用済みの注射針をそのまま廃棄した場合に、医療廃棄物の処分に携わる作業員が針刺し事故を起こす危険があるため、安全に廃棄しようとするあまり使用後の注射針にもともと付属のキャップを再び被せて、それから注射針を廃棄処分することが慣行として行われているからであり、かかる付属のキャップを被せ損なった際に針刺し事故が発生してしまうのである。針刺し事故により肝炎ウイルス等の命に係わるウイルスに感染してしまう可能性もあるため、使用後の注射針に再びキャップをする場合には、充分な注意が必要となる。
かかる針刺し事故を防止すべく、下記文献に列挙したように、従来から注射針のキャップやカバーに関する種々の器具・装置等が数多く提案されている。これらは、確かに多少の効果はあるものの、既存の注射針に装着できなかったり、構造が複雑であったり、コスト高であったり等といった様々な要因から、現時点において実用化されるに至っていない。そしてまた、針刺し事故の防止という課題を解決するに至っていないものも多々ある。
特開2004‐202208 特開2003‐290355 特開2002‐220138 特開2002‐345955 特開2000‐342689 特開平9‐84875 特開平8‐206203 特開平8‐182761 特開平8‐112348 特開平7‐328116 特開平6‐15002
本発明は、上記問題点に鑑み、簡単な構造で、かつ、既存の注射針に装着することができ、しかも確実に針刺し事故を防止することが可能な注射針カバーを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、注射針カバーであって、弾性樹脂材料からなり、後端には開口部を有し、該後端から所定の中間位置まで筒状に形成されるとともに、該中間位置から先端に向けて径が小さくなる略円錐状に形成され、かつ、先端部には注射針保持部が形成されて最先端部において閉口され、該中間位置における内側面所定の位置に円弧状の溝を設けるとともに、該中間位置における外側面所定の位置に円弧状の凸部を設けた構造となっている。
また、本発明は、弾性樹脂材料からなり、後端には開口部を有し、該後端から所定の中間位置に向けて径が大きくなる逆円錐台形状に形成されるとともに、該中間位置から先端に向けて径が小さくなる略円錐状に形成され、かつ、先端部には注射針保持部が形成されて最先端部において閉口され、該中間位置における内側面所定の位置に円弧状の溝を設けるとともに、該中間位置における外側面所定の位置に円弧状の凸部を設けた構造とすることができる。
さらに、本発明は、略円錐状に形成された箇所の内側面所定部位に円弧状の凸部を複数設けた構造を採用することもできる。
そしてまた、本発明は、後端の開口部に、弾性樹脂材料からなる略筒状の装着用ジョイントを設けた構造とすることもできる。
本発明にかかる注射針カバーによれば、簡単な構造であって、かつ、専用の注射針を用意する必要がなく既存の注射針に装着することができ、コスト面においても大変効果的である。
そしてまた、実際の現場において、注射針カバーを取り外すことなく注射器内に薬剤を充填でき、また、注射針カバーを取り外すことなく患者に対して注射することが可能であって、しかも、注射後再び注射針にカバーをする際、軽く注射針カバーの根元部分に触れるだけで完全に注射針をカバーすることが可能となって、作業効率の飛躍的な向上が図られ、さらには、安全性の向上にもつながり、非常に有益である。
本発明にかかる注射針カバー1は、弾性樹脂材料からなる特徴的な構造を採用することで、該注射針カバー1を装着したまま薬瓶Bに注射針11を刺して注射器10内に薬剤を充填することができるとともに、該注射針カバー1を取り外すことなく患者に対して注射することが可能であり、しかも、軽く該注射針カバー1の根元部分に触れるだけで再び注射針11にカバーをすることが可能であることを最大の特徴とする。以下、本発明にかかる注射針カバー1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかる注射針カバー1の第一の実施形態を示す斜視図であり、図2は該注射針カバー1の断面図並びに部分拡大図である。該注射針カバー1は、弾性樹脂材料により形成されている。また、該注射針カバー1の後端には開口部が設けられ、該開口部は注射針11の根元部11aに取り付け可能な構造となっている。そしてまた、該注射針カバー1は、後端から所定の中間位置まで筒状に形成されるとともに、該中間位置から先端に向けて径が小さくなる略円錐状に形成され、かつ、先端部には注射針保持部2が形成されて最先端部において閉口されている。さらに、前記中間位置における内側面所定の位置に円弧状の溝3を設けるとともに、その中間位置における外側面所定の位置に円弧状の凸部4を設けた構造となっている。
材質として使用する弾性樹脂材料については、弾性力があって且つ反発力のあるもの、例えば合成樹脂や合成ゴム等であればよい。尚、本発明にかかる注射針カバー1にとって最適な材質として、種々選択し研究の結果、現段階において以下の表1に示す配合例による合成ゴムが有効であることがわかった。ただし、下記表に示す配合のものに限定するものではなく、また、下記表に記載の性質を充足するものであれば、製造元(販売元)を限定するものでもない。
Figure 2006180904
本発明にかかる注射針カバー1は、その後端に設けられた開口部によって注射針11の根元部11aに取り付けられることとなるが、取り付け後に該根元部11aから注射針カバー1の抜け落ち防止のため、注射針カバー1内の開口部付近に滑り止め5を備えることが望ましい。
図3は、本発明にかかる注射針カバー1を装着した注射器10の使用状態を示す部分断面図であり、図3(a)は注射器10内に薬剤を充填するために注射針11を薬瓶Bに押し当てた状態、図3(b)は注射針11の先端部分を薬瓶Bに刺し込んだ状態、図3(c)は注射針11を薬瓶Bに完全に刺し込んで注射器10内に薬剤を充填できる状態、図3(d)は注射器10内に薬剤を充填し終わって薬瓶Bから注射針11を引き抜いた状態をそれぞれ示している。
図3(a)に示す通り、注射針11を薬瓶Bに押し当てた状態において、該注射針11は注射針カバー1の最先端部を突き抜けて薬瓶Bに当接される。注射針カバー1は弾性樹脂材料からなるため、注射針11は容易に該注射針カバー1の最先端部を突き抜けることができる。その後、注射針11を薬瓶Bに刺し込む過程において、図3(b)に示す通り、注射針カバー1はその最先端部が薬瓶Bによって進行を阻止され、注射針11だけが薬瓶B内へ刺し込まれる。その際、注射針カバー1が、その中間位置における内側面所定の位置に円弧状の溝3を設けるとともに、その中間位置における外側面所定の位置に円弧状の凸部4を設けた構造であることによって、該溝3を折り目として注射針カバー内部Hへ屈曲され、略円錐状に形成された箇所が折り畳まれる状態で注射針カバー内部Hへ入り込んでいく状態となる。そして、注射針11を薬瓶Bに完全に刺し込んだ状態において、図3(c)に示す通り、注射針カバー1も折り畳まれて注射針カバー内部Hに完全に収まった状態となり、その状態において薬瓶Bから薬剤が注射器10に充填される。薬剤を充填し終わると、注射針11は薬瓶Bから引き抜かれることとなるが、その際に注射針カバー1は、図3(d)に示す通り、注射針カバー内部Hに折り畳まれ収まった状態のまま維持され、したがって注射針11が注射針カバー1から突き出した状態のままとなる。そして、その状態のまま患者へ注射をすることが可能となる。
注射終了後には、注射針11を再び注射針カバー1で被覆することとなる。その際の作用状態を、図4に示す。注射終了後、折り畳まれて注射針カバー内部Hに完全に収まった状態となっている注射針カバー1において、略筒状に形成された箇所の外面を押圧する。それにより、注射針カバー内部Hにある空気の押し出す力によって、一瞬にして注射針11全体を被覆する元の注射針カバー1の状態に戻る。すなわち、図面では、実線で描いた折り畳まれた注射針カバー1において、矢印の方向へ押圧が加わることで、注射針カバー内部Hにある空気で注射針カバーが押し出され、点線で描いた注射針11全体を被覆する元の注射針カバー1の状態に戻ることとなる。
図5は、本発明にかかる注射針カバー1の第二の実施形態を示す断面図である。該注射針カバー1は、注射針カバー1の後端から所定の中間位置に向けて径が大きくなる逆円錐台形状に形成されるとともに、該中間位置から先端に向けて径が小さくなる略円錐状に形成される構造を採用している。かかる構造とすることにより、注射針カバー内部Hに閉じ込められる空気の量が、第一の実施形態にかかる注射針カバー1よりも多くなるため、注射終了後に注射針カバー1を元の状態に戻す際に、空気による押し出す力が働きやすくなる。すなわち、図6に示す通り、実線で描いた折り畳まれた注射針カバー1において、矢印の方向へ押圧が加わることで、注射針カバー内部Hにある空気で注射針カバーが押し出され、点線で描いた注射針11全体を被覆する元の注射針カバー1の状態に戻ることとなる。その際、注射針カバー内部Hにある空気の量が多いため、矢印の方向へ押圧を加えた場合に、折り畳まれた状態の注射針カバー1に対して空気の押し出す力が大きく作用し、確実に注射針カバー1は元の状態に戻されることとなる。
図7は、本発明にかかる注射針カバー1の第三の実施形態を示す断面図である。該注射針カバー1は、略円錐状に形成された箇所の内側面所定部位に円弧状の凸部6を複数設けた構造となっている。尚、図面では第一の実施形態にかかる注射針カバー1について凸部6を設けた場合を示しているが、第二の実施形態についても同様の構造とし得る。かかる構造とすることにより、図8に示す通り、注射針カバー1が注射針カバー内部Hに折り畳まれる際に、凸部6と凸部6との間にできる溝で折り畳まれることとなる。すなわち、注射針11を薬瓶Bに刺し込んだ際に注射針カバー1の折り畳みがスムーズ且つ確実に行われることとなって、非常に有益である。
また、同図8に示す通り、実線で描いた折り畳まれた注射針カバー1において、矢印の方向へ押圧が加わることで、注射針カバー内部Hにある空気で注射針カバーが押し出され、点線で描いた注射針11全体を被覆する元の注射針カバー1の状態に戻ることとなる。その際、凸部6と凸部6との間の溝が折り畳まれることにより引き伸ばされた状態となっているため、矢印の方向へ押圧を加えた場合に、注射針カバー内部Hにある空気で注射針カバーを押し出すとともに、その引き伸ばされた溝の元に戻ろうとする弾性的な反発力も相俟って、確実に注射針カバー1は元の状態に戻されることとなる。
図9は、本発明にかかる注射針カバー1の第四の実施形態を示す部分断面図である。該注射針カバー1は、後端の開口部に、弾性樹脂材料からなる略筒状の装着用ジョイント1aを設けた構造となっている。すなわち、注射針11に装着する際、該開口部を注射針11の根元部11aに直接装着するのではなく、開口部と注射針11の根元部11aとの間に該装着用ジョイント1aを介して装着されることとなる。尚、図面では第一の実施形態にかかる注射針カバー1について装着用ジョイント1aを設けた場合を示しているが、第二及び第三の実施形態についても同様の構造とし得る。かかる構造とすることにより、注射針カバー1における開口部の径を装着用ジョイント1aの厚みの分だけ大きくすることができ、したがってその分だけ注射針カバー内部Hに閉じ込められる空気の量が多くなるため、注射終了後に注射針カバー1を元の状態に戻す際に、空気による押し出す力が働きやすくなる。
本発明にかかる注射針カバーの第一の実施形態を示す斜視図である。 本発明にかかる注射針カバーの第一の実施形態を示す断面図並びに部分拡大図である。 本発明にかかる注射針カバーを装着した注射器の使用状態を示す部分断面図である。 本発明にかかる注射針カバーを装着した注射器の使用状態を示す部分断面図である。 本発明にかかる注射針カバーを装着した注射器の使用状態を示す部分断面図である。 本発明にかかる注射針カバーを装着した注射器の使用状態を示す部分断面図である。 第一の実施形態にかかる注射針カバーを元の状態に戻すための作用を示す部分断面図である。 本発明にかかる注射針カバーの第二の実施形態を示す断面図である。 第二の実施形態にかかる注射針カバーを元の状態に戻すための作用を示す部分断面図である。 本発明にかかる注射針カバーの第三の実施形態を示す断面図である。 第三の実施形態にかかる注射針カバーを元の状態に戻すための作用を示す部分断面図である。 本発明にかかる注射針カバーの第四の実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1 注射針カバー
1a 装着用ジョイント
2 注射針保持部
3 溝
4 凸部
5 滑り止め
6 凸部
10 注射器
11 注射針
11a 根元部
B 薬瓶
H 注射針カバー内部


Claims (4)

  1. 注射針カバーであって、弾性樹脂材料からなり、後端には開口部を有し、該後端から所定の中間位置まで筒状に形成されるとともに、該中間位置から先端に向けて径が小さくなる略円錐状に形成され、かつ、先端部には注射針保持部が形成されて最先端部において閉口され、該中間位置における内側面所定の位置に円弧状の溝を設けるとともに、該中間位置における外側面所定の位置に円弧状の凸部を設けたことを特徴とする注射針カバー。
  2. 注射針を保護する注射針カバーであって、弾性樹脂材料からなり、後端には開口部を有し、該後端から所定の中間位置に向けて径が大きくなる逆円錐台形状に形成されるとともに、該中間位置から先端に向けて径が小さくなる略円錐状に形成され、かつ、先端部には注射針保持部が形成されて最先端部において閉口され、該中間位置における内側面所定の位置に円弧状の溝を設けるとともに、該中間位置における外側面所定の位置に円弧状の凸部を設けたことを特徴とする注射針カバー。
  3. 前記注射針カバーにおいて、略円錐状に形成された箇所の内側面所定部位に円弧状の凸部を複数設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の注射針カバー。
  4. 前記注射針カバーにおいて、後端の開口部に、弾性樹脂材料からなる略筒状の装着用ジョイントを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の注射針カバー。

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