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JP2006169472A - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

液晶組成物および液晶表示素子 Download PDF

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JP2006169472A JP2004367512A JP2004367512A JP2006169472A JP 2006169472 A JP2006169472 A JP 2006169472A JP 2004367512 A JP2004367512 A JP 2004367512A JP 2004367512 A JP2004367512 A JP 2004367512A JP 2006169472 A JP2006169472 A JP 2006169472A
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Yoshitake Tomi
嘉剛 富
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JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0444Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group
    • C09K2019/0466Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group the linking chain being a -CF2O- chain

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧、大きな比抵抗などの特性において、複数の特性を充足する液晶組成物を提供することである。また、これらの目的に加えて、大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するため、または、素子を長時間使用しあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を有するための液晶組成物を提供することでもある。この目的は、これら組成物を含有する液晶表示素子を提供することでもある。
【解決手段】 液晶性化合物を少なくとも1つ含有し、酸化防止剤として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
Figure 2006169472

ここで、nは1から9の整数である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、PM(passive matrix)およびAM(active matrix)素子などに適する液晶組成物であり、特に、酸化防止剤を添加した液晶組成物に関する。さらに、この組成物を含有するPM素子およびAM素子などに関する。
液晶表示素子において、液晶の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMはスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
これらの素子は適切な特性を有する液晶組成物を含有する。この液晶組成物はネマチック相を有する。良好な一般的特性を有するSTN素子を得るには組成物の一般的特性を向上させる。2つの一般的特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の一般的特性を市販されているSTN素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は−20℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。
Figure 2006169472
組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子におけるコントラスト比を最大にするために、組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn・d)を0.80〜0.85μmに設計する。したがって、組成物における光学異方性は主に0.10〜0.20の範囲である。組成物における低いしきい値電圧は素子における小さな消費電力寄与する。したがって、低いしきい値電圧が好ましい。組成物における電圧−透過率曲線は、素子のコントラスト比に寄与する。したがって、電圧−透過率曲線が急峻である組成物が好ましい。
一方、良好な一般的特性を有するAM素子を得るには組成物の一般的特性を向上させる。2つの一般的特性における関連を下記の表2にまとめる。組成物の一般的特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は−20℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。
Figure 2006169472
組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子におけるコントラスト比を最大にするために、組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn・d)を約0.45μmに設計する。したがって、組成物における光学異方性は主に0.08〜0.12の範囲である。組成物における低いしきい値電圧は素子における小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、低いしきい値電圧が好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、初期段階において室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用したあと、室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。
STN素子の特性を向上させるため、高いネマチック相の上限温度、低いネマチック相の下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧、急峻な電圧−透過率曲線を有し、しきい値電圧の小さな温度依存性、そして高い温度から低い温度に至り、駆動する周波数の影響を受けない組成物が特に望まれる。
一方、望ましいAM素子は、使用できる温度範囲が広い、応答時間が短い、コントラスト比が大きい、などの特性を有する。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な値を有する光学異方性、低いしきい値電圧、大きな比抵抗などの特性を有する組成物が特に望まれる。
さらに、大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するため、または、素子を長時間使用しあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を有するための液晶組成物が望まれている。
本発明の目的は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧、大きな比抵抗などの特性において、複数の特性を充足する液晶組成物を提供することである。また、これらの目的に加えて、大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するため、または、素子を長時間使用しあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を有するための液晶組成物を提供することでもある。この目的は、これら組成物を含有する液晶表示素子を提供することでもある。
Figure 2006169472
本発明は、酸化防止剤として、式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物、およびこの組成物を含有する液晶表示素子である。
ここで、nは1から9である。
本発明の組成物は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧、大きな比抵抗などの特性において、複数の特性を充足した。また、この組成物は、大気中での加熱による比抵抗の低下を防止できた。素子を長時間使用しあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を有した。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。本発明の液晶組成物または本発明の液晶表示素子をそれぞれ「組成物」または「素子」と略すことがある。液晶表示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。「液晶性化合物」は、25℃でネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物または25℃で液晶相を有さないが組成物の成分として有用な化合物を意味する。光学活性な化合物は液晶性化合物に含まれない。式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を「化合物(1)」と略すことがある。式(1)で表される化合物の群も「化合物(1)」と略すことがある。他の式で表される化合物についても同様である。
ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。「比抵抗が大きい」は、組成物が初期段階において室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有し、そして長時間使用したあと室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、素子が初期段階において室温だけでなく高い温度でも大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用したあと室温だけでなく高い温度でも大きな電圧保持率を有することを意味する。光学異方性などの特性を説明するときは、実施例に記載した方法で測定した値を用いる。成分または液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶性化合物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。
本発明の詳細は、下記の項のとおりである。
1.液晶性化合物を少なくとも1つ含有し、酸化防止剤として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、nは1から9の整数である。
2.酸化防止剤の割合が50〜600ppmの範囲である、項1に記載の液晶組成物。
3.液晶性化合物が、式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項1または2に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、Rは水素、フッ素またはアルキルであり;Rは水素またはフッ素であり;Rはアルキルであり;そしてaおよびmは独立して0〜1である。
4.液晶性化合物として、式(3)〜式(5)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項3に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、Rはアルキルであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは1,4−フェニレンであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレンまたは2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは単結合、−(CH−または−COO−であり;Zは単結合または−(CHであり;Zは単結合、−(CH−、−COO−または−CFO−であり;XおよびXは独立して水素またはフッ素であり;そしてYはフッ素または塩素である。
5.液晶性化合物として、式(6)および式(7)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項3に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、Rはアルキルであり;Rはアルキルまたはアルケニルであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは1,4−フェニレンであり;Zは単結合または−COO−であり;そしてXおよびXは独立して水素またはフッ素である。
6.液晶性化合物として、式(8)〜式(10)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項4または5に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、Rはアルキルであり;Rはアルキルまたはアルコキシであり;Rはアルキルまたはアルコキシメチルであり;Zは単結合または−(CH−;Zは単結合または−COO−であり;Zは単結合または−C≡C−であり;AおよびAは独立して1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Aは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−1,4−フェニレンであり;そしてXは水素またはフッ素である。
7.液晶性化合物が、式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−13)、式(4−16)および式(4−21)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−10)、式(4−11)、式(4−15)、式(4−19)および式(4−20)で表される化合物の少なくとも1つである、項1または2に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
8.液晶性化合物として、式(4−2)、式(4−3)、式(4−4)、式(4−6)および式(4−7)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項7に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
9.液晶性化合物として、式(5−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項7または8に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
10.液晶性化合物として、式(3−3)および式(3−6)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項7〜9のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
11.液晶性化合物として、式(8−3)、式(9−1)および式(10−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項7〜10のいずれか1項に記載の液晶組成物。




Figure 2006169472
ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
12.液晶性化合物が、式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(2−4)および式(2−5)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−13)、式(4−16)および式(4−21)で表される化合物の少なくとも1つである、項1または2に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
13.液晶性化合物として、式(4−10)、式(4−15)、式(4−19)および式(4−20)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項12に記載の液晶組成物。

Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
14.液晶性化合物として、式(5−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項12または13に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
15.液晶性化合物として、式(4−2)、式(4−3)および式(4−6)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項12〜14のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
16.液晶性化合物として、式(8−3)、式(9−1)、式(9−2)および式(10−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項12〜15のいずれか1項に記載の液晶組成物。




Figure 2006169472
ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
17.液晶性化合物が、式(2−3)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−21)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−1)、式(4−2)および式(4−3)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(8−3)、式(9−1)および式(10−3)で表される化合物の少なくとも1つである、項1または2に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
18.液晶性化合物として、式(4−10)、式(4−11)および式(4−15)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項17に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
19.液晶性化合物として、式(3−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項17または18に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは1〜10の整数である。
20.液晶性化合物が、式(2−2)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(2−4)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(6−9)および式(6−11)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(9−3)および式(9−4)で表される化合物の少なくとも1つである、項1または2に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
21.液晶性化合物が、式(2−3)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(2−6)および式(2−7)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(6−9)および式(6−11)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(9−3)および式(9−4)で表される化合物の少なくとも1つである、項1または2に記載の液晶組成物。

Figure 2006169472
ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
22.液晶性化合物として、式(6−1)および式(6−5)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項20または21に記載の液晶組成物。
Figure 2006169472
ここで、bは独立して1〜10の整数である。
23.液晶性化合物として、式(8−3)、式(9−1)、式(9−2)および式(10−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項20〜22のいずれか1項に記載の液晶組成物。

Figure 2006169472
ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
24.項1〜23のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
本発明は、次の項も含む。1)ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、そしてネマチック相の下限温度が−20℃以下である上記の組成物、2)光学活性な化合物をさらに含有する上記の組成物、3)上記の組成物を含有するPM素子またはAM素子、4)上記の組成物を含有し、そしてTN、STN、ECB、OCB、またはIPSのモードを有する素子、5)上記の組成物を含有する透過型の素子、6)上記の組成物を、ネマチック相を有する組成物としての使用、7)上記の組成物に光学活性な化合物を添加することによって光学活性な組成物としての使用。
本発明の組成物を次の順で説明する。第一に、組成物における成分化合物の構成を説明する。第二に、成分化合物が組成物に及ぼす主要な効果を説明する。第三に、成分化合物の好ましい割合を説明する。第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。第五に、成分化合物の具体的な例を示す。第六に、成分化合物の合成法などを説明する。最後に、組成物の用途を説明する。
第一に、組成物における成分化合物の構成を説明する。本発明の組成物は組成物Aと組成物Bに分類される。組成物Aはその他の化合物をさらに含有してもよい。「その他の化合物」は、液晶性化合物、添加物、不純物などである。この液晶性化合物は化合物(2)〜化合物(10)とは異なる。このような液晶性化合物は、特性をさらに調整する目的で組成物に混合される。この添加物は光学活性な化合物、色素、酸化防止剤などである。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物が組成物に混合される。GH(Guest host)モードの素子に適合させるために色素が組成物に混合される。大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するため、または、素子を長時間使用しあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を有するために、酸化防止剤が組成物に混合される。酸化防止剤は、式(1)で表される化合物などである。不純物は成分化合物の合成などの工程において混入した化合物などである。
組成物Bは、実質的に化合物(2)〜(10)のいずれかより選択された化合物のみからなる。「実質的に」は、これらの化合物と異なる液晶性化合物を組成物が含有しないことを意味する。「実質的に」は、添加物、不純物などを組成物がさらに含有してもよいことも意味する。組成物Bは組成物Aに比較して成分の数が少ない。組成物Bはコストを下げるためから組成物Aよりも好ましい。その他の液晶性化合物を混合することによって物性をさらに調整できるので、組成物Aは組成物Bよりも好ましい。
光学活性な化合物の例は式(11−1)〜式(11−4)である。
Figure 2006169472
素子を駆動させるために、前記項1〜項3の組成物には、10以上の誘電率異方性を有する液晶性化合物を成分として、さらに混合することが好ましい。さらに好ましくは、素子の応答時間をさらに短くするために、10以上の誘電率異方性を有する液晶性化合物をさらに混合し、および誘電率異方性が10未満の液晶性化合物をさらに混合することが好ましい。
第二に、成分化合物が組成物に及ぼす主要な効果を説明する。表3に代表的な成分化合物の誘電率異方性をまとめる。この表の化合物の構造は表4の表記法に基づいて表した。素子を小さな電圧で駆動させるために、低いしきい値電圧を有する組成物に調製するためには、大きな誘電率異方性がを有する化合物を組成物の成分として混合した方が好ましい。大きい方が好ましい。例えば、表3の化合物(6−11)を混合すれば、組成物のしきい値電圧をかなり小さくできる。
Figure 2006169472
成分化合物が組成物に及ぼす主要な効果は次のとおりである。化合物(1)は、組成物を大気中で加熱することにより、組成物の比抵抗低下を防止するための効果があり、そして、素子を長時間使用しあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を維持するたの効果がある。
化合物(2)は、組成物の粘度を下げる効果がある。STN素子において、化合物(2)は、電圧透過率曲線を急峻にする効果がある。
化合物(3)〜(5)は、TFT素子において、素子の電圧保持率を高くし、そしてしきい値電圧を下げる効果がある。
化合物(6)または(7)は、STN素子において、素子のしきい値電圧を下げる、そして電圧透過率曲線を急峻にする効果がある。
化合物(8)〜(10)は、組成物の粘度を下げる効果がある。
第三に、成分化合物の好ましい割合を説明する。化合物(1)の好ましい割合は、50〜600ppmである。好ましくは、100〜300ppmである。
化合物(2)の好ましい割合は、3〜60重量%である。好ましくは、5〜40重量%である。
化合物(3)〜(5)の好ましい割合は、3〜90重量%である。好ましくは、5〜60重量%である。
化合物(6)または(7)の好ましい割合は、3〜90重量%である。好ましくは、5〜40重量%である。
化合物(8)〜(10)を混合する場合、これら化合物の好ましい割合は、3〜80重量%である。好ましくは、5〜60重量%である。
第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。成分化合物の化学式において、Rの記号を複数の化合物に用いた。これらの化合物において、Rの意味は同一であってもよいし、または異なってもよい。例えば、化合物(2)のRがエチルであり、化合物(3)のRがエチルであるケースがある。化合物(2)のRがエチルであり、化合物(3)のRがプロピルであるケースもある。このルールは、R、A、Z、X、Y、a、b、c、n、mなど記号についても適用される。
好ましいRは、水素、フッ素または直鎖の炭素数1〜10のアルキルである。好ましいRは水素またはフッ素である。好ましいRは直鎖の炭素数1〜10のアルキルである。好ましいRは直鎖の炭素数1〜10のアルキルまたは直鎖の炭素数2〜10のアルケニルである。好ましいRは直鎖の炭素数1〜10のアルキルまたは直鎖の炭素数1〜10のアルコキシである。好ましいRは直鎖の炭素数1〜10のアルキルまたは直鎖の炭素数2〜10のアルコキシメチルである。
好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘプチルである。これらのアルキルにおいては、分岐よりも直鎖のアルキルが好ましい。
好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニルである。さらに好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、または3−ペンテニルである。これらのアルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランスが好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシスが好ましい。これらのアルケニルにおいては、分岐よりも直鎖のアルケニルが好ましい。
好ましいアルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシである。さらに好ましいアルコキシは、メトキシまたはエトキシである。これらのアルコキシにおいては、分岐よりも直鎖のアルコキシが好ましい。
好ましいアルコキシメチルは、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、またはペンチルオキシメチルである。さらに好ましいアルコキシメチルは、メトキシメチルである。これらのアルコキシメチルにおいては、分岐よりも直鎖のアルコキシメチルが好ましい。
好ましいAは、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは1,4−フェニレンである。好ましいAは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレンまたは2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。好ましいAおよび好ましいAは独立して1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンである。好ましいAは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−1,4−フェニレンである。
記号中または構造式中の1,4−シクロヘキシレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルに関する立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。1,3−ジオキサン−2,5−ジイルは、誘電率異方性を大きくするように位置している。例えば、化合物(4−17)などを参照。2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンのフルオロ基は、化合物の誘電率異方性を大きくするように位置している。例えば、化合物(4−21)などを参照。2−フルオロ−1,4−フェニレンのフルオロ基は、環の右側に位置してもよいし、または左側に位置してもよい。好ましい位置は、化合物(10−3)などのように右側である。
好ましいZは、単結合、−(CH−または−COO−である。好ましいZは、単結合または−(CHである。好ましいZは、単結合、−(CH−、−COO−または−CFO−である。好ましいZは、単結合または−COO−である。好ましいZは、単結合または−C≡C−である。これら−COO−または−CFO−の結合基は化合物の誘電率異方性を大きくするように位置している。例えば、化合物(3−6)、化合物(4−21)などを参照。
好ましいXおよびXは、独立して水素またはフッ素である。好ましいYは、フッ素または塩素である。好ましいnは1〜9の整数である。好ましいaおよびmは、独立して0または1である。
第五に、成分化合物の具体的な例を示す。化合物(1)について説明する。素子に液晶組成物を注入する際に、組成物を真空下に置くことがある。これに伴い、化合物(1)のnが小さいほど揮発する。素子中の組成物に化合物(1)を混入させたくない場合には、化合物(1)のnが1であることが特に好ましい。一方、素子中の組成物に化合物(1)を混入させたい場合には、化合物(1)のnが7であることが特に好ましい。
化合物(2)〜化合物(10)について説明する。好ましい化合物(2)は、化合物(2−1)〜化合物(2−7)である。好ましい化合物(3)は、化合物(3−1)〜化合物(3−6)である。好ましい化合物(4)は、化合物(4−1)〜化合物(4−21)である。好ましい化合物(5)は、化合物(5−1)および化合物(5−2)である。好ましい化合物(6)は、化合物(6−1)〜化合物(6−11)である。好ましい化合物(7)は、化合物(7−1)および化合物(7−2)である。好ましい化合物(8)は、化合物(8−1)〜化合物(8−5)である。好ましい化合物(9)は、化合物(9−1)〜化合物(9−4)である。好ましい化合物(10)は、化合物(10−1)〜化合物(10−3)である。
下記の好ましい化合物において、bおよびcは、独立して1〜10の整数である。好ましいaおよびbの数は、上記した好ましいアルキルに関連する。これら好ましい化合物において1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルに関する立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。














Figure 2006169472
Figure 2006169472

Figure 2006169472
Figure 2006169472

Figure 2006169472
第六に、成分化合物の合成法などを説明する。上記の化合物は試薬として入手できるし、または既知の方法によって合成できる。式(1)のnが1である化合物は、市販されている。この化合物は、例えばAldrich社から販売されている。式(1)のnが7である化合物などは、US3,660,505に記載された方法によって合成できる。化合物(2−1)は、特開昭61−27928号に記載された方法で合成する。化合物(3−1)は、特開昭58−126823号公報で合成する。化合物(4−1)は、特開昭57−114531号公報に記載された方法で合成する。化合物(5−1)は、特開平2−233626号公報に記載された方法を修飾することによって合成する。化合物(6−6)は、特許第2649339号公報に記載された方法で合成する。化合物(8−1)は、特開昭59−70624号公報に記載された方法で合成する。化合物(9−1)は、特開昭57−165328号公報に記載された方法で合成する。化合物(10−3)は、特開平2−237949号公報に記載された方法で合成する。
合成法を記載しなかった化合物は、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。組成物は、このようにして得た化合物から公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。
最後に、組成物の用途を説明する。本発明の組成物は、PC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VAなどのモードを有する素子への使用も可能である。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子にも使用できる。
実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は下記の実施例によって限定されない。実施例における化合物は、下記の表4の定義に基づいて記号により表した。表4において、1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルに関する立体配置はトランスである。−CH=CH−の結合基に関する立体配置はトランスである。実施例において記号の後にあるかっこ内の番号は好ましい化合物の番号に対応する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶性化合物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、組成物の特性値をまとめた。





























Figure 2006169472
組成物は、液晶性化合物などの成分の重量を測定してから混合することによって調製される。したがって、成分の重量%を算出するのは容易である。しかし、組成物をガスクロマト分析することによって成分の割合を正確に算出するのは容易でない。補正係数が液晶性化合物の種類に依存するからである。幸いなことに補正係数はほぼ1である。さらに、成分化合物における1重量%の差異が組成物の特性に与える影響は小さい。したがって、本発明においてはガスクロマトグラフにおける成分ピークの面積比を成分化合物の重量%と見なすことができる。つまり、ガスクロマト分析の結果(ピークの面積比)は、補正することなしに液晶性化合物の重量%と等価であると考えてよいのである。
試料が組成物のときはそのまま測定し、得られた値を記載した。試料が化合物のときは、15重量%の化合物および85重量%の母液晶を混合することによって試料を調製した。測定によって得られた値から外挿法よって化合物の特性値を算出した。外挿値=(試料の測定値−0.85×母液晶の測定値)/0.15。この割合でスメクチック相(または結晶)が25℃で析出するときは、化合物と母液晶の割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量%の順に変更した。この外挿法によって化合物に関する上限温度、光学異方性、粘度、および誘電率異方性の値を求めた。
母液晶の組成は下記のとおりである。
Figure 2006169472
特性値の測定は下記の方法にしたがった。それらの多くは、日本電子機械工業会規格(Standard of Electric Industries Association of Japan)EIAJ・ED−2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法である。測定に用いたTN素子には、TFTを取り付けなかった。
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
ネマチック相の下限温度(T;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、Tを≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):測定にはE型回転粘度計を用いた。
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧である。
ガスクロマト分析:測定には島津製作所製のGC−14B型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2ml/分)である。試料気化室を280℃に、検出器(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持したあと、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はアセトン溶液(0.1重量%)に調製したあと、その1μlを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC−R5A型Chromatopac、またはその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積を示した。
試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd製のBP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリーカラムCBP1−M50−025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は成分化合物の割合に相当する。成分化合物の重量%は各ピークの面積比と完全には同一ではない。しかし、本発明においては、これらのキャピラリカラムを用いるときは、成分化合物の重量%は各ピークの面積比と同一であると見なしてよい。成分化合物における補正係数に大きな差異がないからである。
実施例1
3−HH−V1 (2−1) 11%
4−HH−V (2−2) 3%
5−HH−V (2−2) 12%
V−HHB−1 (2−4) 7%
V2−HHB−1 (2−5) 7%
3−HBB−F (4−3) 2%
3−HBB(F,F)−F (4−13) 7%
3−HHXB(F,F)−F (4−20) 14%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−21) 25%
2−HHBB(F,F)−F (5−1) 4%
3−HHBB(F,F)−F (5−1) 4%
3−HB−O2 (8−3) 4%
この組成物に、式(1)のnが7である酸化防止剤を200ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=79.5℃;Tc≦−20℃;Δn=0.100;Δε=8.0;η=16.9mPa・s;Vth=1.49V.
実施例2
3−HH−V (2−2) 35%
V−HHB−1 (2−4) 7%
2−HHB(F,F)−F (4−10) 5%
3−HHB(F,F)−F (4−10) 8%
3−HHXB(F,F)−F (4−20) 8%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−21) 20%
3−HHBB(F,F)−F (5−1) 6%
3−HHB−1 (9−1) 6%
3−HHB−O1 (9−2) 5%
この組成物に、式(1)のnが7である酸化防止剤を500ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=79.7℃;Tc≦−20℃;Δn=0.085;Δε=6.2;η=13.1mPa・s;Vth=1.53V.
実施例3
5−HH−V (2−2) 6%
V−HHB−1 (2−4) 2%
2−HHB(F,F)−F (4−10) 11%
3−HHB(F,F)−F (4−10) 11%
3−HBB(F,F)−F (4−13) 8%
3−HHEB(F,F)−F (4−15) 10%
4−HHEB(F,F)−F (4−15) 3%
5−HHEB(F,F)−F (4−15) 3%
3−GHB(F,F)−F (4−19) 3%
4−GHB(F,F)−F (4−19) 6%
5−GHB(F,F)−F (4−19) 15%
3−HHXB(F,F)−F (4−20) 17%
2−HHBB(F,F)−F (5−1) 3%
3−HHBB(F,F)−F (5−1) 2%
この組成物に、式(1)のnが7である酸化防止剤を300ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=80.2℃;Tc≦−30℃;Δn=0.077;Δε=11.2;η=34.1mPa・s;Vth=1.03V.
実施例4
3−HH−V (2−2) 20%
V−HHB−1 (2−4) 8%
3−HBB(F,F)−F (4−13) 13%
3−HHEB(F,F)−F (4−15) 8%
2−HBB−F (4−3) 4%
3−HBB−F (4−3) 4%
3−HHXB(F,F)−F (4−20) 20%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−21) 10%
2−HHBB(F,F)−F (5−1) 4%
3−HHBB(F,F)−F (5−1) 4%
3−HHEBH−3 (10−2) 3%
3−HHEBH−4 (10−2) 2%
この組成物に、式(1)のnが1である酸化防止剤を300ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=101.3℃;Tc≦−30℃;Δn=0.100;Δε=7.2;η=16.9mPa・s;Vth=1.57V.
実施例5
5−HH−V (2−2) 17%
4−HHB(F)−F (4−6) 12%
5−HHB(F)−F (4−6) 13%
7−HHB(F)−F (4−6) 13%
3−H2HB(F)−F (4−7) 6%
3−H2HB(F,F)−F (4−11) 7%
5−H2HB(F,F)−F (4−11) 5%
3−HBB(F,F)−F (4−13) 12%
5−HBB(F,F)−F (4−13) 12%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−21) 3%
この組成物に、式(1)のnが1である酸化防止剤を500ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=86.3℃;Tc≦−20℃;Δn=0.087;Δε=5.6;η=22.1mPa・s;Vth=1.65V.
実施例6
3−HH−V1 (2−1) 7%
5−HH−V (2−2) 14%
2−HHB(F,F)−F (4−10) 11%
3−HHB(F,F)−F (4−10) 11%
3−H2HB(F,F)−F (4−11) 7%
3−HHXB(F,F)−F (4−20) 32%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−21) 10%
2−HHBB(F,F)−F (5−1) 3%
3−HHBB(F,F)−F (5−1) 2%
3−HB−O2 (8−3) 3%
この組成物に、式(1)のnが7である酸化防止剤を300ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=78.8℃;Tc≦−20℃;Δn=0.078;Δε=8.1;η=19.6mPa・s;Vth=1.29V.
実施例7
3−HH−V1 (2−1) 11%
5−HH−V (2−2) 19%
3−HBB(F,F)−F (4−13) 7%
3−HHEB(F,F)−F (4−15) 9%
2−HBEB(F,F)−F (4−16) 3%
3−HBEB(F,F)−F (4−16) 3%
5−HBEB(F,F)−F (4−16) 3%
3−HHXB(F,F)−F (4−20) 24%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−21) 12%
3−HHBB(F,F)−F (5−1) 3%
5−HHBB(F,F)−F (5−1) 2%
3−HHEBH−3 (10−2) 2%
3−HHEBH−4 (10−2) 2%
この組成物に、式(1)のnが1である酸化防止剤を300ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=91.1℃;Tc≦−20℃;Δn=0.089;Δε=9.3;η=17.3mPa・s;Vth=1.28V.
実施例8
5−HH−V (2−2) 19%
7−HB(F)−F (3−3) 14%
5−HEB(F,F)−F (3−6) 6%
2−HHB(F,F)−F (4−10) 7%
3−HHB(F,F)−F (4−10) 4%
3−HHEB(F,F)−F (4−15) 5%
3−GHB(F,F)−F (4−19) 3%
5−GHB(F,F)−F (4−19) 10%
3−HHXB(F,F)−F (4−20) 17%
3−HHEBH−3 (10−2) 5%
3−HHEBH−4 (10−2) 5%
3−HHEBH−5 (10−2) 5%
この組成物に、式(1)のnが1である酸化防止剤を200ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=81.9℃;Tc≦−30℃;Δn=0.065;Δε=5.9;η=21.0mPa・s;Vth=1.32V.
実施例9
3−HH−VFF (2−3) 30%
3−HB−CL (3−1) 18%
3−HHB−CL (4−1) 6%
5−HHB−CL (4−1) 6%
2−HBB−F (4−3) 3%
3−HBB−F (4−3) 4%
5−HBB−F (4−3) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−21) 15%
3−HHB−1 (9−1) 3%
5−HBB(F)B−2 (10−3) 6%
5−HBB(F)B−3 (10−3) 6%
この組成物に、式(1)のnが7である酸化防止剤を500ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=78.2℃;Tc≦−20℃;Δn=0.111;Δε=4.5;η=11.9mPa・s;Vth=1.95V.
実施例10
5−HH−V (2−2) 20%
V−HHB−1 (2−4) 12%
3−HB−C (6−1) 9%
2−BEB(F)−C (6−9) 5%
3−BEB(F)−C (6−9) 5%
4−BEB(F)−C (6−9) 10%
1V2−BEB(F,F)−C (6−11) 11%
3−HB−O2 (8−3) 5%
3−HHB−1 (9−1) 5%
3−HHB−O1 (9−2) 3%
3−HB(F)TB−2 (9−4) 5%
3−HB(F)TB−3 (9−4) 5%
3−HB(F)TB−4 (9−4) 5%
この組成物に、式(1)のnが7である酸化防止剤を300ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=73.8℃;Tc≦−30℃;Δn=0.130;Δε=16.4;η=20.7mPa・s;Vth=1.18V.
実施例11
5−HH−VFF (2−3) 11%
VFF−HHB−1 (2−6) 8%
VFF2−HHB−1 (2−7) 19%
3−HB(F)−C (6−5) 22%
2−BEB(F)−C (6−9) 5%
3−BEB(F)−C (6−9) 5%
1V2−BEB(F,F)−C (6−11) 6%
3−H2BTB−2 (9−3) 4%
3−H2BTB−3 (9−3) 3%
3−HB(F)TB−2 (9−4) 6%
3−HB(F)TB−3 (9−4) 6%
1O1−HBBH−5 (10−1) 5%
この組成物に、式(1)のnが1である酸化防止剤を500ppm添加した。このときの特性は次のとおりであった。NI=95.6℃;Tc≦−20℃;Δn=0.143;Δε=13.3;η=23.8mPa・s;Vth=1.54V.

Claims (24)

  1. 液晶性化合物を少なくとも1つ含有し、酸化防止剤として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、nは1から9の整数である。
  2. 酸化防止剤の割合が50〜600ppmの範囲である、請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 液晶性化合物が、式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項1または2に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、Rは水素、フッ素またはアルキルであり;Rは水素またはフッ素であり;Rはアルキルであり;そしてaおよびmは独立して0または1である。
  4. 液晶性化合物として、式(3)〜式(5)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項3に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、Rはアルキルであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは1,4−フェニレンであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレンまたは2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは単結合、−(CH−または−COO−であり;Zは単結合または−(CHであり;Zは単結合、−(CH−、−COO−または−CFO−であり;XおよびXは独立して水素またはフッ素であり;そしてYはフッ素または塩素である。
  5. 液晶性化合物として、式(6)および式(7)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項3に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、Rはアルキルであり;Rはアルキルまたはアルケニルであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは1,4−フェニレンであり;Zは単結合または−COO−であり;そしてXおよびXは独立して水素またはフッ素である。
  6. 液晶性化合物として、式(8)〜式(10)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項4または5に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、Rはアルキルであり;Rはアルキルまたはアルコキシであり;Rはアルキルまたはアルコキシメチルであり;Zは単結合または−(CH−;Zは単結合または−COO−であり;Zは単結合または−C≡C−であり;AおよびAは独立して1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Aは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Aは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−1,4−フェニレンであり;そしてXは水素またはフッ素である。
  7. 液晶性化合物が、式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−13)、式(4−16)および式(4−21)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−10)、(4−11)、式(4−15)、式(4−19)および式(4−20)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項1または2に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  8. 液晶性化合物として、式(4−2)、式(4−3)、式(4−4)、式(4−6)および式(4−7)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項7に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  9. 液晶性化合物として、式(5−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項7または8に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  10. 液晶性化合物として、式(3−3)および式(3−6)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  11. 液晶性化合物として、式(8−3)、式(9−1)および式(10−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の液晶組成物。







    Figure 2006169472
    ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
  12. 液晶性化合物が、式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(2−4)および式(2−5)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−13)、式(4−16)および式(4−21)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項1または2に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  13. 液晶性化合物として、式(4−10)、式(4−15)、式(4−19)および式(4−20)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項12に記載の液晶組成物。



    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  14. 液晶性化合物として、式(5−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項12または13に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  15. 液晶性化合物として、式(4−2)、式(4−3)および式(4−6)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  16. 液晶性化合物として、式(8−3)、式(9−1)、式(9−2)および式(10−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項12〜15のいずれか1項に記載の液晶組成物。





    Figure 2006169472
    ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
  17. 液晶性化合物が、式(2−3)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−21)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(4−1)、式(4−2)および式(4−3)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(8−3)、式(9−1)および式(10−3)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項1または2に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
  18. 液晶性化合物として、式(4−10)、式(4−11)および式(4−15)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項17に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  19. 液晶性化合物として、式(3−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項17または18に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは1〜10の整数である。
  20. 液晶性化合物が、式(2−2)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(2−4)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(6−9)および式(6−11)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(9−3)および式(9−4)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項1または2に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
  21. 液晶性化合物が、式(2−3)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(2−6)および式(2−7)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(6−9)および式(6−11)で表される化合物の少なくとも1つであり、式(9−3)および式(9−4)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項1または2に記載の液晶組成物。

    Figure 2006169472
    ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
  22. 液晶性化合物として、式(6−1)および式(6−5)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項20または21に記載の液晶組成物。
    Figure 2006169472
    ここで、bは独立して1〜10の整数である。
  23. 液晶性化合物として、式(8−3)、式(9−1)、式(9−2)および式(10−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項20〜22のいずれか1項に記載の液晶組成物。

    Figure 2006169472
    ここで、bおよびcは独立して1〜10の整数である。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
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