JP2006162032A - 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温時の動作性、熱安定性及び耐久性に優れた一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を提供する。
【解決手段】 外径側部材12と、この外径側部材12の内径側に外径側部材12と同心に配置されたスリーブ11と、このスリーブ11と外径側部材12との間に設けられる転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3と、を備える一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置において、転がり軸受2に充填するグリース組成物Gとして、40℃における動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下、流動点が−55℃以上−45℃以下である式(1)に示すアルキル化ジフェニルエーテルからなる基油と、金属複合石鹸及びウレア化合物のうちの少なくとも1種からなる増ちょう剤と、を含有するグリース組成物を用いる。これにより厳しい使用条件下でも、耐久性に優れる。
【選択図】図1
【解決手段】 外径側部材12と、この外径側部材12の内径側に外径側部材12と同心に配置されたスリーブ11と、このスリーブ11と外径側部材12との間に設けられる転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3と、を備える一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置において、転がり軸受2に充填するグリース組成物Gとして、40℃における動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下、流動点が−55℃以上−45℃以下である式(1)に示すアルキル化ジフェニルエーテルからなる基油と、金属複合石鹸及びウレア化合物のうちの少なくとも1種からなる増ちょう剤と、を含有するグリース組成物を用いる。これにより厳しい使用条件下でも、耐久性に優れる。
【選択図】図1
Description
本発明は一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置に関し、特に厳しい使用条件下でも耐久性に優れる一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置に関する。
オルタネータ等の自動車用補機、補機駆動装置やエンジンのクランクシャフト等には、所定方向の駆動力のみを伝達し又は取り出すために、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を用いることが知られている(特許文献1参照)。
特開2001−12513号公報
近年、オルタネータ等の高性能化、高出力化が益々進んでおり、これに伴い一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置に対する、低温時(−40℃程度)の動作性、高速回転及び高負荷荷重運転下で発生する熱及び振動に対する耐久性等の要求も高度になってきている。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、低温時の動作性、熱安定性及び耐久性に優れた一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を提供する。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、低温時の動作性、熱安定性及び耐久性に優れた一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1による一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、内径側部材と、前記内径側部材の周囲に前記内径側部材と同心に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられ、前記内径側部材と前記外径側部材とを相対回転自在に支持する転がり軸受と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられ、前記外径側部材及び前記内径側部材の一方を他方に対し所定方向に相対回転させる回転力のみを伝達する一方向クラッチと、を備えた一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置において、前記転がり軸受及び一方向クラッチは、それぞれグリース組成物により潤滑されており、前記転がり軸受及び一方向クラッチに用いるグリース組成物のうちの少なくとも一方は、40℃における動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下、流動点が−55℃以上−45℃以下である下記式(1)に示すアルキル化ジフェニルエーテルからなる基油と、金属複合石鹸及びウレア化合物のうちの少なくとも1種からなる増ちょう剤と、を含有することを特徴とする。
本発明の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置によれば、厳しい使用条件下でも耐久性に優れる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の構成について]
図1に、本発明の一例である自動車用オルタネータに用いられる一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を示す。
一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、外径側部材12と、この外径側部材12の内径側に外径側部材12と同心に配置されたスリーブ(内径側部材)11と、このスリーブ11と外径側部材12との間に設けられる転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3と、を備える。
[一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の構成について]
図1に、本発明の一例である自動車用オルタネータに用いられる一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を示す。
一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、外径側部材12と、この外径側部材12の内径側に外径側部材12と同心に配置されたスリーブ(内径側部材)11と、このスリーブ11と外径側部材12との間に設けられる転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3と、を備える。
外径側部材12は、略円筒状の回転部材であり、外周には軸方向に沿う断面が波形となるように凹凸が形成され、不図示の無端ベルト(ポリVベルト)が掛け渡される。無端ベルトは、図示しないが、エンジンのクランクシャフトに取り付けられた駆動プーリにも掛け渡されており、この無端ベルトを介してエンジンのクランクシャフトの駆動力が外径側部材12に伝達されるようになっている。
スリーブ11は、図1ではオルタネータ軸Sに外嵌固定された筒状部材であり、このオルタネータ軸Sに回転力を伝達する。スリーブ11の軸方向中間部には、外径寸法の大きな大径部11Aが形成され、またこの大径部11Aの軸方向一端部には、さらに外径寸法の大きな突出部11Bが形成されている。なお、オルタネータ軸Sには発電用ローターが固定されており、オルタネータ軸Sの回転によって発電する。
一対の転がり軸受2,2は、外輪22と、内輪21と、転動体23と、転動体23を保持する保持器24と、を備え、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置に生じるラジアル荷重を支持しつつ、スリーブ11と外径側部材12との相対回転を自在としている。そして、本実施形態では外輪22と内輪21の間に形成される軸受空間には、潤滑剤としてのグリース組成物(組成については後述する)Gが充填され、この軸受空間を塞ぐように設けられた一対のシール部材25,25によって密封されている。
一方向クラッチ3は、クラッチ用内輪31と、クラッチ用外輪32と、クラッチ用内輪31及びクラッチ用外輪32の間に配された複数のローラ33と、ローラ33を保持するクラッチ用保持器34と、を備える。
クラッチ用内輪31は、スリーブ11に締まり嵌めで外嵌固定された略円筒状部材であり、その外周には円周方向に向かうにつれて徐々に窪みの深くなる凹状のカム面31aが円周方向に複数等間隔に形成されている。
クラッチ用内輪31は、スリーブ11に締まり嵌めで外嵌固定された略円筒状部材であり、その外周には円周方向に向かうにつれて徐々に窪みの深くなる凹状のカム面31aが円周方向に複数等間隔に形成されている。
また、クラッチ用外輪32は、外径側部材12に締まり嵌めで内嵌固定された略円筒状部材であり、クラッチ用内輪31に対向する内周面は通常の円筒面32bとされている。この結果、クラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32との間隔は、カム面31aでは円周方向に向かうにつれて徐々に広くあるいは狭くなっている。また、クラッチ用外輪32の両端は、スリーブ11に向かって折り曲げられて鍔32aを形成し、クラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32の間にグリース組成物が充填される場合にはグリース溜りとしての機能も果たす。
これらクラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32との間には、クラッチ用保持器34に保持された複数のローラ33がそれぞれ転動及び円周方向に若干移動可能に配されるとともに、転がり軸受2,2に充填したグリース組成物Gと同組成のグリース組成物が充填されている。
クラッチ用保持器34は、ローラ33,33間に配される柱部と、この柱部に固定された板状部材よりなるばねとを備え、合成樹脂で形成されており、ローラ33は、このばねによってクラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32との間隔が狭くなる方向に弾性的に押圧される。また、柱部の一方の端部には、スリーブ11に向かって突出した凸部34aが形成されており、この凸部34aがスリーブ11の突出部11Bとクラッチ用内輪31との間に挟まれることで、クラッチ用保持器34の軸方向への位置決めが行われるようになっている。
クラッチ用保持器34は、ローラ33,33間に配される柱部と、この柱部に固定された板状部材よりなるばねとを備え、合成樹脂で形成されており、ローラ33は、このばねによってクラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32との間隔が狭くなる方向に弾性的に押圧される。また、柱部の一方の端部には、スリーブ11に向かって突出した凸部34aが形成されており、この凸部34aがスリーブ11の突出部11Bとクラッチ用内輪31との間に挟まれることで、クラッチ用保持器34の軸方向への位置決めが行われるようになっている。
前記のような構成の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置はオルタネータ軸Sに取り付けられた状態で、次のように動作する。
無端ベルトの走行により回転する外径側部材12の回転速度がオルタネータ軸Sの回転速度と同等以上であるときは、ローラ33がカム面31aの窪みの浅くなる方へ移動する傾向となる。この際、クラッチ用保持器34のばねにも押圧されることで、ローラ33がクラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32の間に楔状に食い込む(クラッチロック状態)。これにより、外径側部材12からスリーブ11へ回転力が伝達されるようになり、無端ベルトの駆動力がオルタネータ軸Sに伝達される。
無端ベルトの走行により回転する外径側部材12の回転速度がオルタネータ軸Sの回転速度と同等以上であるときは、ローラ33がカム面31aの窪みの浅くなる方へ移動する傾向となる。この際、クラッチ用保持器34のばねにも押圧されることで、ローラ33がクラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32の間に楔状に食い込む(クラッチロック状態)。これにより、外径側部材12からスリーブ11へ回転力が伝達されるようになり、無端ベルトの駆動力がオルタネータ軸Sに伝達される。
一方、無端ベルトの走行が減速し、慣性で回転するオルタネータ軸Sの回転速度よりも小さくなったときは、スリーブ11と外径側部材12の相対回転の方向が反転し、ローラ33がカム面31aの窪みが深くなる方へ移動する傾向となる。このため、ロック状態が解除され、クラッチ用内輪31とクラッチ用外輪32との接続が切断される。この状態では、転がり軸受2,2によって支持されて、外径側部材12がスリーブ11に対して相対回転するため(オーバラン状態)、無端ベルトの減速に従ってオルタネータ軸Sも減速することなく、そのままの速度で回転を継続する。この結果、エンジンのクランクシャフトの回転角速度が変動した場合でも、無端ベルトと外径側部材12が擦れ合うことを防止できるので、鳴きと呼ばれる異音の発生や、摩耗による無端ベルトの寿命低下を防止できる。これとともに、オルタネータの発電効率の低下を防止できる。
なお、本発明を適用する一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、以上のような構成のものに限定されない。例えば、クラッチ用外輪32の内周面にカム面31aを設けたり、あるいは、クラッチ用外輪32を省略し、外径側部材12の内周面を直接、一方向クラッチ3の摺動面として利用したりすることも可能である。同様に、クラッチ用内輪31を設けずに直接スリーブ11の外周面を一方向クラッチ3の摺動面としてもよい。
さらに、一対の転がり軸受2,2は玉軸受に限らず、ころ軸受を採用した場合であっても、さらにはころ軸受と玉軸受の双方を採用した場合であっても、同様の効果を得られる。
また、一方向クラッチとしてローラクラッチを使用した場合について述べたが、本発明はこの一方向クラッチとして、スプラグクラッチ等、従来から知られている他の構造の一方向クラッチを使用してもよい。
また、一方向クラッチとしてローラクラッチを使用した場合について述べたが、本発明はこの一方向クラッチとして、スプラグクラッチ等、従来から知られている他の構造の一方向クラッチを使用してもよい。
なお、自動車用オルタネータに用いる一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置について説明したが、本発明に係る一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置はオルタネータ用途のものに限定されない。例えば、自動車用オルタネータ以外のコンプレッサ、ウォータポンプ、冷却ファン等自動車用補機の従動軸に取り付け、補機駆動装置やエンジンからの所定方向の回転力を伝達させてもよい。あるいは、アイドリングストップ車に搭載するエンジンのクランクシャフト及び補機駆動装置の駆動軸等に装着し、エンジン又は補機駆動装置の一方が運転状態、他方が停止状態にある場合に、運転状態にある一方の回転力のみを伝達し、他方の駆動軸を回転させないようにするために、用いてもよい。また、スタータモータ等の駆動装置の回転軸に取り付けて、一方向のみの回転力を伝達するために用いるものであってもよい。
[グリース組成物Gについて]
次に、転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3に充填されるグリース組成物Gについて説明する。
本実施形態に係るグリース組成物Gは、アルキル化ジフェニルエーテルからなる基油と、金属複合石鹸及びウレア化合物のうちの少なくとも1種からなる増ちょう剤と、を含有する。
アルキル化ジフェニルエーテルは、前記式(1)に示すものであり、かつ、式(1)中のR1,R2は、同一又は異なる直鎖アルキル基であり、好ましくは炭素数8〜20、さらに好ましくは12〜14の直鎖アルキル基である。また、低温流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温時の油膜形成不足による焼付きを避けるために40℃における動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下のものを用いる。また、自動車用補機等では動作時の温度が−40℃程度になるので、流動点が−45℃以下ものを用いる。なお、流動点が−55℃以下のものは工業的に製造することが難しい。
次に、転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3に充填されるグリース組成物Gについて説明する。
本実施形態に係るグリース組成物Gは、アルキル化ジフェニルエーテルからなる基油と、金属複合石鹸及びウレア化合物のうちの少なくとも1種からなる増ちょう剤と、を含有する。
アルキル化ジフェニルエーテルは、前記式(1)に示すものであり、かつ、式(1)中のR1,R2は、同一又は異なる直鎖アルキル基であり、好ましくは炭素数8〜20、さらに好ましくは12〜14の直鎖アルキル基である。また、低温流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温時の油膜形成不足による焼付きを避けるために40℃における動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下のものを用いる。また、自動車用補機等では動作時の温度が−40℃程度になるので、流動点が−45℃以下ものを用いる。なお、流動点が−55℃以下のものは工業的に製造することが難しい。
増ちょう剤として用いることができる金属複合石鹸は、周期律表1,2及び13族の金属(例えばリチウム、カルシウム、ナトリウム、バリウム、アルミニウム)を含む金属源と、少なくとも1個のヒドロキシル基を含む炭素数12以上24以下の脂肪族モノカルボン酸と、炭素数2以上12以下の脂肪族ジカルボン酸と、から合成されるものである。
増ちょう剤として用いることができるウレア化合物としては、ジウレア、トリウレア、テトラウレアあるいはそれ以上のウレア結合(−NHCONH−)を有するポリウレアを使用できるが、特に下記式(2)で示されるジウレアが好ましい。
増ちょう剤として用いることができるウレア化合物としては、ジウレア、トリウレア、テトラウレアあるいはそれ以上のウレア結合(−NHCONH−)を有するポリウレアを使用できるが、特に下記式(2)で示されるジウレアが好ましい。
R3−NHCONH−R4−NHCONH−R5 ・・・式(2)
さらに、上記式(2)で表されるジウレア中、R3,R5が、脂肪族基であるもの、シクロヘキシル基であるもの、又は、いずれかが脂肪族基で他方がシクロヘキシル基であるものが好適に使用できる。一方、R3,R5に芳香族基を導入したものは、過熱により硬化する傾向があり、使用時に高温となる滑り接触部の潤滑には適さないことがある。
さらに、上記式(2)で表されるジウレア中、R3,R5が、脂肪族基であるもの、シクロヘキシル基であるもの、又は、いずれかが脂肪族基で他方がシクロヘキシル基であるものが好適に使用できる。一方、R3,R5に芳香族基を導入したものは、過熱により硬化する傾向があり、使用時に高温となる滑り接触部の潤滑には適さないことがある。
なお、グリース組成物には、上記基油及び増ちょう剤のほか、各種性能を向上させるため、所望により例えば以下に列挙するような種々の添加剤を配合してもよい。酸化防止剤として、例えば、アミン系化合物(フェニル−1−ナフチルアミン等)、フェノール系化合物(2,6−ジ−tert−ジブチルフェノール等)、硫黄系化合物、ジチオリン酸亜鉛を用いることができる。防錆剤として、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属等の有機スルフォン酸塩、アルキルコハク酸誘導体(アルキルコハク酸エステル等)、アルケニルコハク酸誘導体(アルケニルコハク酸エステル等)、多価アルコールの部分エステル(ソルビタンモノオレエート等)を用いることができる。極圧剤として、例えば、リン系極圧剤、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブデンを用いることができる。油性向上剤として、例えば、脂肪酸や動植物油を用いることができる。金属不活性剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールを用いることができる。これらの添加剤は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの添加剤を合計した量は、潤滑性能を損なわない範囲であれば、特に限定されるものではない。なお、各種の添加剤の配合量は、それぞれ0.1質量%以上5質量%以下の範囲であり、好ましくは0.3質量%以上2質量%以下の範囲である。0.1質量%未満では、所望の効果を十分に得ることは困難であり、一方、5質量%を超えると効果が飽和するばかりか、熱安定性が劣化するため実用的でない。
なお、本実施形態では、転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3に、同一の組成の本発明に係るグリース組成物を充填したが、転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3に充填するグリース組成物は必ずしも同一の組成のものに限定されず、異なる組成のものを用いてもよい。この場合に、どちらか一方のグリース組成物のみが本発明に係る組成のものであってもよい。なお、転がり軸受2,2及び一方向クラッチ3に同一の組成のグリース組成物を用いると、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の組立てが容易であり、また漏れ出したグリース組成物が混ざり合っても劣化のおそれがないので、好ましい。
次に、本発明の効果を確認すべく、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置に封入するグリース組成物の低温特性、耐摩耗性及び熱安定性について試験を行ったので説明する。
なお、いずれの試験においても、実施例1,2及び比較例1〜4として、表1に示す組成の各グリース組成物を用いた。
なお、いずれの試験においても、実施例1,2及び比較例1〜4として、表1に示す組成の各グリース組成物を用いた。
[低温特性試験について]
低温特性は、グリース組成物のレオロジー特性を測定するレオメーターを用いて調べた。図2に試験の様子を示す。試験では、図2に示すように、平板状のステージ42と円盤状の測定プレート(パラレルプレート)41を向かい合う面が平行になるように配置し、このステージ42と測定プレート41との間のギャップに試験対象のグリース組成物を満たした。そして、不図示の通気孔より冷気を通じて冷却し、またステージ42に内蔵された温度制御装置によりグリース組成物を所定の温度に制御しながら、測定プレート41を一方向に所定のせん断速度で回転させ、このときの測定プレート41の動トルクを測定することでグリース組成物に生じるせん断応力を求め、見かけ粘度を算出した。なお、測定プレート41の直径は20mmで、ギャップは0.1mmであった。また、せん断応力の測定条件は、温度が−40℃、せん断速度が200s-1であり、見かけ粘度が50Pa・s以下の場合を合格とした。結果を表1に示す。
低温特性は、グリース組成物のレオロジー特性を測定するレオメーターを用いて調べた。図2に試験の様子を示す。試験では、図2に示すように、平板状のステージ42と円盤状の測定プレート(パラレルプレート)41を向かい合う面が平行になるように配置し、このステージ42と測定プレート41との間のギャップに試験対象のグリース組成物を満たした。そして、不図示の通気孔より冷気を通じて冷却し、またステージ42に内蔵された温度制御装置によりグリース組成物を所定の温度に制御しながら、測定プレート41を一方向に所定のせん断速度で回転させ、このときの測定プレート41の動トルクを測定することでグリース組成物に生じるせん断応力を求め、見かけ粘度を算出した。なお、測定プレート41の直径は20mmで、ギャップは0.1mmであった。また、せん断応力の測定条件は、温度が−40℃、せん断速度が200s-1であり、見かけ粘度が50Pa・s以下の場合を合格とした。結果を表1に示す。
[熱安定性試験について]
熱安定性は、高温放置試験を行うことで確認した。試験では、ステンレスシャーレ(SUS304)に試験対象のグリース組成物を厚さ3mmに均一に塗布し、150℃の恒温槽内に500時間放置した。そして、500時間放置後のグリース組成物の全酸価を測定し、試験前のグリース組成物の全酸価との差を全酸価増加量として求め、この値が3mgKOH/g以下の場合を合格とした。結果を表1に示す。
熱安定性は、高温放置試験を行うことで確認した。試験では、ステンレスシャーレ(SUS304)に試験対象のグリース組成物を厚さ3mmに均一に塗布し、150℃の恒温槽内に500時間放置した。そして、500時間放置後のグリース組成物の全酸価を測定し、試験前のグリース組成物の全酸価との差を全酸価増加量として求め、この値が3mgKOH/g以下の場合を合格とした。結果を表1に示す。
[焼付性試験について]
焼付性試験は、内径8mm、外径22mm、幅7mmの鉄シールド付き深溝玉軸受け(図1に示す転がり軸受と同様の構造である)に試験対象のグリース組成物を、軸受空間容積の50%を占めるように充填し、ASTM D1741の規定に準拠した軸受寿命試験機に類似の試験機に装着して行った。そして、軸受温度140℃、アキシアル荷重59Nの条件下(その他の条件はASTM D1741に準拠した)で、回転速度3000min-1で回転させ、焼付により外輪の温度が150℃以上に上昇するまでの時間を寿命として測定した。結果は、比較例2の寿命を1とした場合の相対値で表1に示した。
焼付性試験は、内径8mm、外径22mm、幅7mmの鉄シールド付き深溝玉軸受け(図1に示す転がり軸受と同様の構造である)に試験対象のグリース組成物を、軸受空間容積の50%を占めるように充填し、ASTM D1741の規定に準拠した軸受寿命試験機に類似の試験機に装着して行った。そして、軸受温度140℃、アキシアル荷重59Nの条件下(その他の条件はASTM D1741に準拠した)で、回転速度3000min-1で回転させ、焼付により外輪の温度が150℃以上に上昇するまでの時間を寿命として測定した。結果は、比較例2の寿命を1とした場合の相対値で表1に示した。
表1に示すように、実施例1及び2では、低温特性、熱安定性に優れ、耐久性にも優れることが確認された。特に増ちょう剤としてジウレアを用いた実施例1では、極圧剤としてのZnDTPを添加しなくても、優れた耐久性を発揮することが確認された。
一方、実施例1及び2と同じ基油を用いた場合でも、比較例3及び比較例4のように動粘度が90mm2/sを超えると、低温特性に劣ることが確認された。また、動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下の範囲にあっても、アルキル化ジフェニルエーテル以外の基油を用いた場合には、熱安定性や耐久性が不十分であることが確認された。
一方、実施例1及び2と同じ基油を用いた場合でも、比較例3及び比較例4のように動粘度が90mm2/sを超えると、低温特性に劣ることが確認された。また、動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下の範囲にあっても、アルキル化ジフェニルエーテル以外の基油を用いた場合には、熱安定性や耐久性が不十分であることが確認された。
11 スリーブ
11A 大径部
11B 突出部
12 外径側部材
2 転がり軸受
21 内輪
22 外輪
23 転動体
24 保持器
25 シール部材
3 一方向クラッチ
31 クラッチ用内輪
31a カム面
32 クラッチ用外輪
32a 鍔
32b 円筒面
33 ローラ
34 クラッチ用保持器
34a 凸部
G グリース組成物
S オルタネータ軸
11A 大径部
11B 突出部
12 外径側部材
2 転がり軸受
21 内輪
22 外輪
23 転動体
24 保持器
25 シール部材
3 一方向クラッチ
31 クラッチ用内輪
31a カム面
32 クラッチ用外輪
32a 鍔
32b 円筒面
33 ローラ
34 クラッチ用保持器
34a 凸部
G グリース組成物
S オルタネータ軸
Claims (1)
- 内径側部材と、前記内径側部材の周囲に前記内径側部材と同心に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられ、前記内径側部材と前記外径側部材とを相対回転自在に支持する転がり軸受と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられ、前記外径側部材及び前記内径側部材の一方を他方に対し所定方向に相対回転させる回転力のみを伝達する一方向クラッチと、を備えた一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置において、
前記転がり軸受及び一方向クラッチは、それぞれグリース組成物により潤滑されており、
前記転がり軸受及び一方向クラッチに用いるグリース組成物のうちの少なくとも一方は、
40℃における動粘度が50mm2/s以上90mm2/s以下、流動点が−55℃以上−45℃以下である下記式(1)に示すアルキル化ジフェニルエーテルからなる基油と、
金属複合石鹸及びウレア化合物のうちの少なくとも1種からなる増ちょう剤と、
を含有することを特徴とする一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004358371A JP2006162032A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004358371A JP2006162032A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006162032A true JP2006162032A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36664268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004358371A Pending JP2006162032A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006162032A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008044650A1 (fr) | 2006-10-06 | 2008-04-17 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Graisse |
WO2008050787A1 (fr) | 2006-10-25 | 2008-05-02 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Graisse lubrifiante |
JP2008208174A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Nsk Ltd | グリース組成物及び転動装置 |
JP2009209953A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Nsk Ltd | 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置 |
JP2014084913A (ja) * | 2012-10-22 | 2014-05-12 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
JP2018059584A (ja) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | 日本精工株式会社 | モータ用玉軸受 |
-
2004
- 2004-12-10 JP JP2004358371A patent/JP2006162032A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008044650A1 (fr) | 2006-10-06 | 2008-04-17 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Graisse |
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WO2008050787A1 (fr) | 2006-10-25 | 2008-05-02 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Graisse lubrifiante |
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