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JP2006158073A - キャパシタの充放電方法および電力変換装置 - Google Patents

キャパシタの充放電方法および電力変換装置 Download PDF

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JP2006158073A JP2004344248A JP2004344248A JP2006158073A JP 2006158073 A JP2006158073 A JP 2006158073A JP 2004344248 A JP2004344248 A JP 2004344248A JP 2004344248 A JP2004344248 A JP 2004344248A JP 2006158073 A JP2006158073 A JP 2006158073A
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Abstract

【課題】 少ないエネルギー損失で、コンデンサを充電できるキャパシタの充放電方法および電力変換装置を提供する。
【解決手段】 直流電圧Eの電源1は連続的に出力電圧が可変するDC/DCコンバータ41を介して容量Cのコンデンサ2と接続される。電源1より出力される電気エネルギーは、コンデンサ2と直列に挿入された微小抵抗値の電流検出抵抗R1を介して蓄積される。DC/DCコンバータ41は、インダクタL1をスイッチングすることによって、電源1の出力電圧を所定電圧まで昇圧するように構成されている。コンデンサ2の充電に要求される時間と経路の寄生抵抗値とから計算して、DC/DCコンバータ41出力電圧を最低限必要な程度に制御しながら上昇させていくことで、低エネルギー損失でのコンデンサ2の充電が実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、出力電圧が可変の電力変換装置を介してコンデンサに充電を行うキャパシタの充放電方法、および電力変換装置に関し、とくに低電力損失でコンデンサに充電を行うようにしたものに関する。
図11に示すような従来のストロボ点灯回路では、第1のスイッチsw1をオンして直流電圧Eの電源1に接続された容量Cのコンデンサ2に充電を行い、その後、第1のスイッチsw1をオフし、第2のスイッチsw2をオンにすることでストロボ点灯回路などの負荷3にエネルギーが供給される。その場合、電源1のエネルギーをコンデンサ2に充電する過程で、配線抵抗r等による損失が生じる。すなわち、電源1から負荷3に供給可能な電力Wは下記の式(1)となるが、他方で、最終的にコンデンサ2に蓄えられ、放電可能となるエネルギーはCE2/2であるから、その差CE2/2のエネルギーは配線抵抗r等で消費される。
W=E×CE=CE2 …(1)
そして、コンデンサ2の充放電を目的とするストロボ点灯回路のようなものにおいては、エネルギー損失の大部分を占めることになる。
特許文献1には、発電手段を有する電源に接続されたキャパシタに高能率で充放電する電気エネルギー貯蔵方法の発明が開示されている。ここには、電源として太陽電池が想定されており、従来技術として、コンデンサに充電をする場合、DC/DCコンバータを用いる方法の存在、およびその問題点が指摘されている。
しかし、電力変換装置をストロボ点灯回路等のパルス電源として用いる場合は、太陽電池を電源とする場合とは異なり、コンデンサを充電する時の条件は常にほぼ同じであるから、特許文献1で懸念されるような低パワー時の効率低下は問題にならない。また、通常、コンデンサを電源電圧と異なる電圧まで充電するために、何らかの電力変換装置がすでに搭載されていて、そこに改良を加えるだけでよいこともある。
これに対して特許文献2には、放電用のコンデンサを充電するためのコンデンサ充電回路の発明についての記載がある。ここでは、定電流充電の値を時間の経過にしたがって小さくしたり、定電流充電の開始時の電力を一定値に制限したりして、最大充電電力を平均化して最大入力電力を小さくすることによって、その電力変換効率が向上し、かつ装置が小型化して安価になる効果があった。
特開2001−309569号公報 特開2004−129345号公報
ところが、特許文献2の発明では、コンデンサを充電するための経路の寄生抵抗におけるエネルギー損失については考慮されていないため、コンデンサの充電を高変換効率で行えないという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、少ないエネルギー損失でコンデンサを充電できるキャパシタの充放電方法および電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明では、上記問題を解決するために、出力電圧が可変の電力変換装置を介してコンデンサに充電を行うキャパシタの充放電方法であって、前記電力変換装置を与えられた電源と接続して、前記出力電圧を連続して、あるいは段階的に上昇させながら前記コンデンサに電荷を充電することを特徴とするキャパシタの充放電方法が提供される。
また、本発明では直流電源によって与えられた電圧から連続的に変化する出力電圧を取り出す電力変換装置において、前記直流電源より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサと、前記直流電源と前記コンデンサとの間に接続されたインダクタおよびスイッチングトランジスタによって前記出力電圧を所定電圧まで昇圧するDC/DCコンバータと、前記コンデンサの電圧に基づいて、前記コンデンサに供給される電流値が一定の大きさに保持されるように前記スイッチングトランジスタの導通時間を制御する制御回路とを具備することを特徴とする電力変換装置が提供できる。
また、本発明では直流電源によって与えられた電圧から段階的に変化する出力電圧を取り出す電力変換装置において、前記直流電源より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサと、前記直流電源と前記コンデンサとの間に接続された複数のキャパシタを複数のスイッチによって切り替えることで、異なる電圧を出力するDC/DCコンバータと、前記コンデンサへの出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように前記複数のスイッチをオンオフ制御する制御回路とを具備することを特徴とする電力変換装置が提供できる。
さらに、本発明では直流電源によって与えられた電圧から段階的に変化する出力電圧を取り出す電力変換装置において、前記直流電源より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサと、トランスの一次側、または二次側の巻線に設けたタップのスイッチを切り替えることで、その巻線比が変更可能なDC/DCコンバータと、前記コンデンサへの出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように前記複数のスイッチをオンオフ制御する制御回路とを具備することを特徴とする電力変換装置が提供できる。
本発明によれば、与えられた電源の電圧(E)をもとに高効率の電力変換装置を用いて変換して、容量(C)のコンデンサを充電するための電圧(V)を連続的に、または段階的に上昇させることができる。このとき、電力変換装置の電力効率が100%であって、その出力電圧が連続的に変化し、コンデンサを充電する経路の寄生抵抗が無視できるとするならば、電源から供給されるエネルギーが理論上では、∫V・Cdv=CE2/2となって、エネルギー損失を生じない。実際には、この式のように損失を0とすることは不可能ではあるが、たとえば電力変換装置の変換効率が80%で、寄生抵抗による電圧降下が0.1Eに抑えられるとしたときは、電源から供給されるエネルギーは0.75CE2となってエネルギー損失を従来の半分に低減できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。
同図において、直流電圧Eの電源1は連続的に出力電圧が可変するDC/DCコンバータ41を介して容量Cのコンデンサ2と接続される。電源1より出力される電気エネルギーは、コンデンサ2と直列に挿入された微小抵抗値の電流検出抵抗R1を介して蓄積される。DC/DCコンバータ41は、インダクタL1の電流をスイッチングすることによって、電源1の出力電圧を所定電圧まで昇圧するように構成されている。
ここでは、電源1の直流電圧Eを最初から目標値とするのではなく、コンデンサ2の充電に要求される時間と経路の寄生抵抗値とから計算して、DC/DCコンバータ41により最低限必要な程度に制御しながら上昇させていくことで、低エネルギー損失でのコンデンサ2の充電が実現できる。
このDC/DCコンバータ41の具体的な制御方法としては、たとえばコンデンサ2と直列に微小な電流検出抵抗R1を入れて、その電圧降下が一定になるように制御するようにしている。すなわち、コンデンサ2を充電するための電流値が一定に保持されるように制御する。コンデンサ2の充電電流の大きさは、コンデンサ2の容量値Cと、電力変換装置に要求される充電時間を考慮して決めることができる。
図2は、図1の電力変換装置の具体的構成を示す図である。
同図により、DC/DCコンバータ41とその制御回路5の具体的な構成について説明する。DC/DCコンバータ41は、ソースが電源1の+電極と接続されたスイッチングトランジスタQ1と、スイッチングトランジスタQ1のドレインに一端が接続されたインダクタL1と、インダクタL1とスイッチングトランジスタQ1のドレインとの接続点にアノードが接続され、カソードが電源1の−電極と接続されたフライホイールダイオードD1とから構成されている。
制御回路5は、それぞれ抵抗R2,R3を介して電流検出抵抗R1の両端と正負の入力端子とが接続されるオペアンプ6と、抵抗R2のオペアンプ6側の端子に接続される定電流源7と、オペアンプ6の負入力端子と出力端子との間に接続されるコンデンサC1と、オペアンプ6の出力端子に接続され、基準の三角波信号と比較するためのコンパレータ8とから構成され、このコンパレータ8の出力端子がスイッチングトランジスタQ1のゲートに接続されている。
この制御回路5では、オペアンプ6に接続された抵抗R3とコンデンサC1によって位相が補償され、スイッチングトランジスタQ1に対するオンオフの間隔を制御できる。また、インダクタL1からコンデンサ2に流れ込む充電電流Iの大きさは、電流検出抵抗R1と抵抗R2の抵抗値の比によって決定される。すなわち、定電流源7における電流値をI1とするとき、充電電流Iは下記の式(2)により制御できる。
I=I1×(R2/R1) …(2)
以上、第1の実施形態では、直流電圧Eの電源1より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサ2と、電源1とコンデンサ2との間に接続されたインダクタL1およびスイッチングトランジスタQ1によって出力電圧を所定電圧まで昇圧するDC/DCコンバータ41と、コンデンサ2の電圧に基づいて、コンデンサ2に供給される電流値が一定の大きさに保持されるようにスイッチングトランジスタQ1の導通時間を制御する制御回路5とを具備したので、低エネルギー損失でのコンデンサ2の充電が実現できる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。
この電力変換装置では、直流電圧Eの電源1が段階的に出力電圧が可変するDC/DCコンバータ42を介して容量Cのコンデンサ2と接続される。このDC/DCコンバータ42は、容量Cのコンデンサ2に蓄積された電荷に応じて、その電圧値を検出してコンデンサ2への出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように制御するスイッチトキャパシタ方式のものを用いている。スイッチトキャパシタ方式の電力変換装置では、出力電圧比を可変とするために、複数のキャパシタとそれらの接続を切り替えるための複数のスイッチが用いられ、その出力電圧比がスイッチトキャパシタの回路構造で決まる。
図4は、図3の電力変換装置の具体的構成を示す図である。
同図により、DC/DCコンバータ42の具体的な構成について説明する。DC/DCコンバータ42は3個のキャパシタC11〜C13と、これらのキャパシタC11〜C13の一端を電源1に接続するためのスイッチSi1〜Si3と、コンデンサ2に接続するためのスイッチSo1〜So3と、キャパシタC11〜C13の他端を接地するためのスイッチSg1〜Sg3と、キャパシタC11〜C13のいずれか2つを直列に接続するためのスイッチS12,S13,S23とから構成されている。
簡単な例では、コンデンサ2個を並列に電源に接続して充電し、その後にそれらを切り離して直列に接続して放電することにより、コンデンサ2への出力電圧を2倍とすることができる。ここでは、3つのキャパシタC11〜C13によってコンデンサ2への出力電圧が3倍になるように構成されている。
つぎに、出力電圧比を切り替えるためのスイッチSi1〜Si3、So1〜So3、Sg1〜Sg3、およびS12,S13,S23の切り替え動作について説明する。
図5は、第2の実施形態に係る電力変換装置における第1段階のスイッチング動作を示す等価回路図である。
この第1段階では、電源1からその直流電源電圧Eの1/3だけがコンデンサ2に充電される。まず、タイミングT1でスイッチSi1、スイッチS12,S23、およびスイッチSg3をオンに、残りのスイッチをオフにする。これにより、3つのキャパシタC11〜C13が電源1に対して直列接続された状態で充電される。つぎのタイミングT2では、スイッチSo1〜So3とスイッチSg1〜Sg3をオンに、残りのスイッチをオフにすることで、3つのキャパシタC11〜C13が並列接続された状態で、コンデンサ2に対して放電される。必要に応じタイミングT1,T2の動作を繰り返し、この第1段階におけるスイッチ制御によって、最終的にコンデンサ2にはE/3の電圧値まで充電される。
図5に示す第1段階における各スイッチのオンオフ制御状態をまとめたのが、下記の表1である。
Figure 2006158073
このタイミングT1の充電時に、電源1からキャパシタC11〜C13に供給される電力W1は下記の式(3)となるが、
W1=(E/3)×C(E/3)=CE2/9 …(3)
他方で、タイミングT2の放電時にコンデンサ2に蓄えられるエネルギーはCE2/18となる。したがって、第1段階におけるエネルギー損失は、CE2/18となることがわかる。
図6は、第2段階のスイッチング動作を示す等価回路図である。
この第2段階では、コンデンサ2には電源1からその直流電源電圧Eの2/3まで充電される。まず、タイミングT3でスイッチSi1,Si2、スイッチS13,23、およびスイッチSg3をオンに、残りのスイッチをオフにする。これにより、キャパシタC11,C12の並列回路とキャパシタC13とが電源1に対して直列接続された状態で、3つのキャパシタC11〜C13は充電される。つぎのタイミングT4では、スイッチSo1,So3、スイッチS12、およびスイッチSg2,Sg3をオンに、残りのスイッチをオフにすることで、キャパシタC11,C12の直列回路とキャパシタC13とが電源1に対して並列接続された状態で、3つのキャパシタC11〜C13からコンデンサ2に対して放電される。必要に応じタイミングT3,T4の動作を繰り返し、この第2段階におけるスイッチ制御によって、最終的にコンデンサ2には2E/3の電圧値まで充電される。
図6に示す第2段階における各スイッチのオンオフ制御状態をまとめたのが、下記の表2である。
Figure 2006158073
このタイミングT3の充電時に、電源1からキャパシタC11〜C13に供給される電力W2は下記の式(4)となるが、
W2=2CE2/9 …(4)
他方で、タイミングT4の放電時にコンデンサ2に新たに蓄えられるエネルギーはCE2/6となる。したがって、第2段階におけるエネルギー損失も、第1段階と同じくCE2/18となる。
図7は、第3段階のスイッチング動作を示す等価回路図である。
この第3段階では、コンデンサ2には電源1が直接に充電する形となり、直流電源電圧Eまで充電される。すなわち、タイミングT5でスイッチSi1〜Si3、およびスイッチSg1〜Sg3をオンに、残りのスイッチをオフにする。これにより、キャパシタC11〜C13が電源1に対してそれぞれ並列接続された状態で充電される。つぎのタイミングT6では、スイッチSo1〜So3、およびスイッチSg1〜Sg3をオンに、残りのスイッチをオフにすることで、コンデンサ2に3つのキャパシタC11〜C13が電源1に対して並列接続された状態で放電される。必要に応じタイミングT5,T6の動作を繰り返し、この第3段階におけるスイッチ制御によって、最終的にコンデンサ2にはEの電圧値まで充電される。
図7に示す第3段階における各スイッチのオンオフ制御状態をまとめたのが、下記の表3である。
Figure 2006158073
このタイミングT5の充電時に、電源1からキャパシタC11〜C13に供給される電力W3は下記の式(5)となるが、
W3=CE2/3 …(5)
他方で、タイミングT6の放電時にコンデンサ2に蓄えられるエネルギーは5CE2/18となる。したがって、第3段階におけるエネルギー損失は、第1段階、第2段階と同じくCE2/18となる。
こうして、3段階に区分して充電するときのエネルギー損失の合計はCE2/6となって、はじめから電源電圧Eで充電する場合の損失CE2/2に比較すると1/3まで低減できる。
このように、電力変換装置の出力電圧がコンデンサ2の電圧より少し高くなるように、出力電圧比が低いほうから順に、回路構造を切り替えていくようにすれば、充電時のエネルギー損失を小さくして、高効率化の電力変換装置が実現できる。なお、さらに出力電圧比は小刻みに変えることによって効率を高めることもできるが、その場合には多くのキャパシタとスイッチによる回路構造としなくてはならない。
また、このスイッチトキャパシタ方式の電力変換装置は、DC/DCコンバータ42の回路構造と各キャパシタC11〜C13の容量が与えられれば、コンデンサ2の充電特性はスイッチングの回数で決まる。このため、コンデンサ2の電圧を検出して、回路構造を切り替えるだけでなく、あらかじめスイッチング動作をプログラミングしておくようにしてもよい。
以上、第2の実施形態では、直流電圧Eの電源1より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサ2と、電源1とコンデンサ2との間に接続された複数のキャパシタC11〜C13を複数のスイッチSi1〜Si3、So1〜So3、Sg1〜Sg3、およびS12,S13,S23によって切り替えることで、異なる電圧を出力するDC/DCコンバータ42とを具備し、コンデンサ2への出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように複数のスイッチSi1〜Si3、So1〜So3、Sg1〜Sg3、およびS12,S13,S23をオンオフ制御するようにしたので、低エネルギー損失でコンデンサ2の充電が実現できる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。
この電力変換装置は、直流電源1によって与えられた電圧から段階的に変化する出力電圧を取り出すものであって、ここでは、発振回路11、トランス12、および整流回路13によってDC/DCコンバータが構成されている。そして、このトランス12の二次側で巻線L21,L22,L23に設けたタップのスイッチsw11,sw12,sw13を切り替えることで、トランス12の巻線比が変更可能となる。また、検出・制御回路14はコンデンサ2への出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように、これらのスイッチsw11,sw12,sw13をオンオフ制御するものである。なお、これらのスイッチsw11,sw12,sw13は、動作速度の速い半導体スイッチを想定しているが、これに限定されるものではない。
図9は、図8の電力変換装置の具体的構成を示す図である。
同図により、DC/DCコンバータを構成する発振回路11、トランス12、および整流回路13の具体的な構成について説明する。発振回路11は、交流電源10と抵抗R11とから構成され、トランス12の一次巻線L11に所定のエネルギーを供給している。トランス12の二次側巻線は3つの巻線L21〜L23から構成され、巻線L21の一端はスイッチsw11を介してダイオードD11と接続されている。また、巻線L21とL22の接続点はスイッチsw12を介して、巻線L22とL23の接続点はスイッチsw13を介して、それぞれダイオードD11と接続されている。
ダイオードD11は整流回路13を構成するものであって、カソード側にコンデンサ2が接続されている。また、コンデンサ2には2つの直列接続されたコンデンサC21,C22からなる回路が並列に接続され、さらにこれらのコンデンサC21,C22に対して、初期電荷放電用スイッチ回路15を構成するスイッチsw21,sw22がそれぞれ並列に接続されている。
制御回路16は、スイッチsw21,sw22の接続点電位をそれぞれ基準電圧Vref1,Vref2と比較するコンパレータ17,18と、コンパレータ18の出力信号を反転するインバータ19と、コンパレータ17の出力信号、およびインバータ19の信号がそれぞれ入力するアンド回路20と、コンパレータ17の出力信号を反転するインバータ21とから構成されている。したがって、初期電荷放電用スイッチ回路15のスイッチsw21,sw22をオンオフ制御した後に、スイッチsw21,sw22の接続点の電圧レベルを制御回路16の基準電圧Vref1,Vref2と比較することにより、コンデンサC21,C22の電圧を検出し、トランス12の出力電圧がコンデンサ2の電圧を少し上回るように、出力電圧が低い側から順にスイッチsw11,sw12,sw13を切り替えるように制御することで、低エネルギー損失でのコンデンサ2の充電が可能になる。
以上、第3の実施形態では、直流電圧Eの電源1より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサ2と、トランス12の一次側、または二次側の巻線に設けたタップのスイッチsw11,sw12,sw13を切り替えることで、その巻線比が変更可能なDC/DCコンバータと、コンデンサ2への出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように複数のスイッチsw11,sw12,sw13をオンオフ制御する制御回路16を具備したので、低エネルギー損失でコンデンサ2の充電が実現できる。
なお、図9の回路ではトランス12の二次巻線側のタップを切り替えているが、用途によっては、一次巻線側にタップを設けてもよく、あるいは一次側と二次側の両方で、タップの切り替えを行うようにしてもよい。また、タップを切り替えるのではなく、トランスの一次側の電圧を、DC/DCコンバータを用いて変換することも可能である。
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。
この電力変換装置では、少なくとも2つの巻線L31,L32で構成されたフライバックトランスTを介して出力電圧可変の電力を取り出すことができる。ここでは、フライバックトランスTの一次巻線L31に供給する電源をオンオフ制御するスイッチング素子Q2と、スイッチング素子Q2がオンからオフに変化する際にフライバックトランスTの二次巻線L32に発生するフライバックパルスを整流する整流ダイオードD21と、整流ダイオードD21で整流された電流を蓄積するコンデンサ2と、一次巻線L31に対して直列に設けて、フライバックパルスを検出するフライバックパルス検出用抵抗R12と、制御回路30とから構成されている。
この制御回路30は、フライバックパルス検出用抵抗R12で検出されたフライバックパルス電流に応じてスイッチング素子Q2のオン時間を制御する制御信号を、そのオフ時間が一定となるように生成してスイッチング素子Q2の制御端子に供給するものであって、基準電源31と、この基準電源31が−入力端子に接続されている第1のコンパレータ32と、フリップフロップ回路33と、定電流源34と、この定電流源34を介して充電されるコンデンサC23と、定電流源34とコンデンサC23との接続点と+入力端子が接続されている第2のコンパレータ35と、第2のコンパレータ35の基準電源36と、コンデンサC23両端にそれぞれソースおよびドレインが接続されているスイッチング素子Q3とから構成されている。そして、第1のコンパレータ32の出力信号はフリップフロップ回路33のセット入力端子Sに供給され、第2のコンパレータ35の出力信号はフリップフロップ回路33のリセット入力端子Rに供給され、フリップフロップ回路33の出力信号Qはそれぞれスイッチング素子Q2のゲートとスイッチング素子Q3のゲートに供給されている。
ここでは、フライバックパルス検出用抵抗R12を流れる電流によって、フライバックパルスが発生している期間に応じて一定のデューティーおよび周波数で制御信号を生成して、デューティーを適正な値で保持しながら高変換効率で充電ができる。
なお、上述した第1〜第4の実施形態では、いずれもストロボ点灯回路を負荷とするパルス電源を意図した電力変換装置について説明したが、本発明はこれらのものに限定されない。たとえば、負荷としてメモリのバックアップ等に使う大容量キャパシタを接続して、その充電を行うものとして、本発明の電力変換装置を用いることもできる。
第1の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。 図1の電力変換装置の具体的構成を示す図である。 第2の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。 図3の電力変換装置の具体的構成を示す図である。 第2の実施形態に係る電力変換装置における第1段階のスイッチング動作を示す等価回路図である。 同じく、第2段階のスイッチング動作を示す等価回路図である。 同じく、第3段階のスイッチング動作を示す等価回路図である。 第3の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。 図8の電力変換装置の具体的構成を示す図である。 第4の実施形態に係る電力変換装置を示す回路図である。 従来のストロボ点灯回路の一例を示す回路図である。
符号の説明
1 電源
2 コンデンサ
3 負荷
5 制御回路
6 オペアンプ
7 定電流源
8 コンパレータ
10 交流電源
11 発振回路
12 トランス
13 整流回路
14 検出・制御回路
41,42 DC/DCコンバータ
C11〜C13 キャパシタ
C21,C22 コンデンサ
D1 フライホイールダイオード
D11 ダイオード
L1 インダクタ
L11 一次巻線
L21〜L23 巻線
R1 電流検出抵抗
Si1〜Si3、So1〜So3、Sg1〜Sg3、S12,S13,S23、sw11,sw12,sw13、sw21,sw22 スイッチ
Q1 スイッチングトランジスタ

Claims (8)

  1. 出力電圧が可変の電力変換装置を介してコンデンサに充電を行うキャパシタの充放電方法において、
    前記電力変換装置を与えられた電源と接続して、前記出力電圧を連続して、あるいは段階的に上昇させながら前記コンデンサに電荷を充電することを特徴とするキャパシタの充放電方法。
  2. 前記コンデンサに負荷としてストロボ点灯回路を接続して、前記電荷を放電するようにしたことを特徴とする請求項1記載のキャパシタの充放電方法。
  3. 直流電源によって与えられた電圧から連続的に変化する出力電圧を取り出す電力変換装置において、
    前記直流電源より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサと、
    前記直流電源と前記コンデンサとの間に接続されたインダクタおよびスイッチングトランジスタによって前記出力電圧を所定電圧まで昇圧するDC/DCコンバータと、
    前記コンデンサの電圧に基づいて、前記コンデンサに供給される電流値が一定の大きさに保持されるように前記スイッチングトランジスタの導通時間を制御する制御回路と、
    を具備することを特徴とする電力変換装置。
  4. 前記スイッチングトランジスタの導通時間は、前記コンデンサの容量値と前記コンデンサに設定される充電時間とから決定されていることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 直流電源によって与えられた電圧から段階的に変化する出力電圧を取り出す電力変換装置において、
    前記直流電源より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサと、
    前記直流電源と前記コンデンサとの間に接続された複数のキャパシタを複数のスイッチによって切り替えることで、異なる電圧を出力するDC/DCコンバータと、
    前記コンデンサへの出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように前記複数のスイッチをオンオフ制御する制御回路と、
    を具備することを特徴とする電力変換装置。
  6. 直流電源によって与えられた電圧から段階的に変化する出力電圧を取り出す電力変換装置において、
    前記直流電源より出力される電気エネルギーを蓄積するコンデンサと、
    トランスの一次側、または二次側の巻線に設けたタップのスイッチを切り替えることで、その巻線比が変更可能なDC/DCコンバータと、
    前記コンデンサへの出力電圧が段階的に大きな値に切り替わるように前記複数のスイッチをオンオフ制御する制御回路と、
    を具備することを特徴とする電力変換装置。
  7. 少なくとも2つのコイルで構成されたフライバックトランスを介して出力電圧可変の電力を取り出す電力変換装置において、
    前記フライバックトランスの一次側コイルに供給する電源をオンオフ制御するスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子がオンからオフに変化する際に前記フライバックトランスの二次側コイルに発生するフライバックパルスを整流する整流ダイオードと、
    前記整流ダイオードで整流された電流を蓄積するコンデンサと、
    前記一次側コイル、あるいは前記二次側コイルのいずれかに対して直列に設けて、前記フライバックパルスを検出するフライバックパルス検出用抵抗と、
    前記フライバックパルス検出用抵抗で検出されたフライバックパルス電流に応じて前記スイッチング素子のオン時間を制御する制御信号を、そのオフ時間が一定となるように生成して前記スイッチング素子の制御端子に供給する制御回路と、
    を具備することを特徴とする電力変換装置。
  8. 前記コンデンサには、蓄積された電気エネルギーが放電される負荷回路が接続されていることを特徴とする請求項3ないし7のいずれかに記載の電力変換装置。
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