JP2006033312A - アンテナ及びアンテナ取り付け方法 - Google Patents

Abstract

【課題】マルチパスによる電界強度のヌル点に無線モジュールが設置された場合、エアコンに無線モジュールが取り付けられているため簡単にヌル点を避けるように無線モジュールを移動できないという課題があった。
【解決手段】第一の樹脂ケース１に第一のアンテナ３及び無線部を内蔵した無線モジュールにおいて、前記第一のアンテナ３に近い前記第一の樹脂ケース１の外表面に金属導体を貼り付けて前記金属導体を第二のアンテナ４とした構成である。
【選択図】図１

Description

本発明は白物家電機器等に組み込まれ、家庭内通信ネットワークを構築する無線通信モジュールのアンテナ及びアンテナ取り付け方法に関するものである。

近年、エアコンや冷蔵庫などの白物家電機器や侵入センサー等のセキュリティ機器と家庭内に設置されたホームコントローラとを無線で接続し、前記ホームコントローラを介して携帯電話と接続し、家の外よりエアコン等の機器をコントロールしたり、家の中のセキュリティ情報を携帯電話を介して外出中の家人に報知したりする家庭内ネットワークシステムが開発されてきている。

このような家庭内ネットワークシステムに用いる無線モジュールはエアコン等の機器への取り付けの容易性の理由から小型であると同時に無線モジュールケースへのアンテナ内蔵が望まれている。

上記家庭内ネットワークシステムに用いることのできる無線モジュールとしては、特許文献１に記載された無線モジュールを樹脂ケースに収めたものがある。

図４は、樹脂ケースにアンテナと無線部を収めた従来の無線モジュールである。図４において、１は無線モジュールを覆う第一の樹脂ケースである。

図５は、図４の無線モジュールの第一の樹脂ケース１の上面をはずした状態を示す。２は無線部を構成する第一のプリント基板、３は銅箔で構成された内蔵アンテナである。
特開２００２−３０５４６１号公報

しかしながら、前記従来の構成では、エアコン等の機器に取り付けた場合、無線モジュール単体でのアンテナ特性と指向性が変化する場合があり、対向する通信機器との間で充分なアンテナゲインを得られないという課題があった。

また、マルチパスによる電界強度のヌル点に無線モジュールが設置された場合、エアコンに無線モジュールが取り付けられているため簡単にヌル点を避けるように無線モジュールを移動できないという課題があった。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成でアンテナの指向性を変化させ、電界強度のヌル点を簡単に回避アンテナを提供することを目的とする。

第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールにおいて、前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体を貼り付けて前記金属導体を第二のアンテナとした構成である。

これによって、簡単な構成で、アンテナの指向性や対向する相手機器との間のアンテナゲインを改善することができることとなる。

本発明のアンテナ及びアンテナ取り付け方法を用いることにより、対向する通信相手との通信品質を向上させることが可能となる。

第１の発明は、第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールにおいて、前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体を貼り付けて前記金属導体を第二のアンテナとしたことにより、簡単な構成でアンテナ指向特性などのアンテナ特性を改善できる。

第２の発明は、第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールを第二の樹脂ケースの内部に配置し、前記第二の樹脂ケースは前記無線モジュールを内部に配置した状態において前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体が近接するように上記金属導体を配置できるように構成されており、前記金属導体を第二のアンテナとしたことにより、簡単な構成でアンテナ指向特性などのアンテナ特性を改善でき外観上も見栄えをよくすることができる。

第３の発明は、金属導体は着脱可能な構成としたことにより、違う形状の金属導体を差し替えて最適なアンテナ特性が得られるように金属導体の形状を選択できる。

第４の発明は、第二の樹脂ケースは金属導体を差し込む差込口を有し、前記差込口に金属導体を差し込む構成としたことにより、より一層簡単な操作で違う形状の金属導体を差し替えて最適なアンテナ特性が得られるように金属導体の形状を選択できる。

第５の発明は、第一の樹脂ケースに内蔵される第一のアンテナは、無線部を構成する第一のプリント基板上のグランド及びアンテナ端子から平行に伸びる銅箔線と、前記銅箔線の先端に接続される前記第一のプリント基板に垂直に配置された第二のプリント基板上の銅箔とで構成されたことにより、小型でアンテナ特性に優れた無線モジュールの指向特性を簡単な構成で改善できる。

第６の発明は、第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールにおいて、前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体を貼り付けて前記金属導体を第二のアンテナとした構成において、対向する通信相手との通信試験を実施後、所定の受信レベル以下である場合には、第二のアンテナを第一の樹脂ケースに貼り付けるようにしたアンテナ取り付け方法であり、この手順により通信の信頼性をあげることができる。

第７の発明は、第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールを第二の樹脂ケースの内部に配置し、前記第二の樹脂ケースは前記無線モジュールを内部に配置した状態において前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体が近接するように上記金属導体を配置できるように構成されており、前記金属導体を第二のアンテナとした構成において、対向する通信相手との通信試験を実施後、所定の受信レベル以下である場合には、第二のアンテナを第一の樹脂ケースに貼り付けるようにしたアンテナ取り付け方法であり、この手順により通信の信頼性をあげることができる。

第８の発明は、第二のアンテナを取り付けた後、対向する通信相手との通信試験を実施し、その結果第二のアンテナを取り付けた場合のほうが受信レベルが低い場合には、第二のアンテナの形状或いは配置場所を変更するような手順のため、より一層通信の信頼性をあげることができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
（実施の形態１）
図１は本発明の第１の実施の形態におけるアンテナの構造を示すものである。

図１において、１は無線モジュールを覆う第一の樹脂ケースであり、第一の樹脂ケース１の中には第５図に示す無線部を構成する第一のプリント基板２、銅箔で構成された第一のアンテナである内蔵アンテナ３が入っている。図１の４は金属導体である銅板であり、第一の樹脂ケースの表面に貼り付けている。銅板４を貼り付けている場所は、図５に示す内蔵アンテナ３の真上の部分である。銅板４が第二のアンテナである。

銅板４を内蔵アンテナ３の真上に配置したことにより、銅板４を内蔵アンテナ３の反射器あるいは導波器としての機能をもたせることができ、内蔵アンテナ３と銅板４で一つのアンテナとみなすことができる。その結果、内蔵アンテナ３の指向特性を変化させることができる。

第一の樹脂ケース１は、図１或いは図４から明らかなように内蔵アンテナ３を覆う部分は、内蔵アンテナ３が第一の樹脂ケース１の上面に当たらないように若干盛り上げている。つまり、内蔵アンテナ３の先端と第一の樹脂ケース１の上面とはほとんど隙間がないように設計されている。そのため、銅板４と内蔵アンテナ３の距離は２ｍｍ程度である。すなわち銅板４は内蔵アンテナ３に対して近距離に配置されている。

銅板４は、裏面に取り外し可能な接着剤がついており、第一の樹脂ケース１に覆われた無線モジュールをエアコン等の機器に取り付けた後、第一の樹脂ケース１に銅板４を貼り付けることができる。

次に、銅板４を第一の樹脂ケース１に貼り付ける手順について説明する。
１）第一の樹脂ケース１からなる無線モジュールを家庭に設置されているエアコン等の機器に取り付ける。
２）庭の居間などに設置されている無線モジュールを内蔵したホームコントローラと前記エアコンとの間で通信試験を行う。ホームコントローラは前記エアコン等の機器を集中制御するコントローラである。
３）ホームコントローラは表示装置を有し、前記通信試験の結果を表示装置に表示する。表示する結果情報としては、例えば前記エアコンの無線モジュールと前記ホームコントローラの無線モジュール間の電波状態を示す受信レベル情報である。
４）前記エアコンに取り付けた無線モジュールの取り付け位置によっては、マルチパスの影響で電界強度のヌル点に取り付けられる場合がある。前記受信レベルが所定のレベルより低い場合は、上述した電界強度のヌル点に取り付けられたと考えられる。
５）そこで前記受信レベルが所定のレベル以下である場合は、前記エアコンに取り付けた無線モジュールの第一の樹脂ケース１に銅板４を貼り付ける。
６）前記ホームコントローラと前記エアコンとの間で再度通信試験を行い、受信レベルがアップすることを確認する。銅板４によりアンテナ指向特性が変化するため、マルチパスによる電界強度のヌル点が発生する場所が移動する。そのため、通常の場合、５）の操作により受信レベルがアップする。
７）しかしながら万一前記受信レベルが銅板４を貼り付ける前の受信レベルより小さくなってしまった場合は、銅板４をいったんはがし、貼り付ける位置を変えて、６）を再度実行する。

上述の説明の通り、エアコン等の機器に無線モジュールを取り付けた後、通信状態により簡単に銅板４を追加でき、アンテナ指向特性を変化させて、電界強度のヌル点の発生場所を移動できることとなり、受信状態を改善できる。
（実施の形態２）
図２は本発明の第２の実施の形態におけるアンテナの構造を示すものである。

図２において、５は第二の樹脂ケースの片面、６は第二のアンテナである銅板である。

図４で示す第一の樹脂ケース１からなる無線モジュールを第二の樹脂ケースの片面５の上におき、図示していないが第二の樹脂ケースの別の片面をかぶせる。すなわち、第一の樹脂ケース１からなる無線モジュールを第二の樹脂ケースの中に収めた形である。そして第二のアンテナである銅板６のところに図５に示す内蔵アンテナ３がくるように第一の樹脂ケース１を第二の樹脂ケース５の上に配置する。

銅板６の機能は実施の形態１で説明した銅板４と同じである。銅板６は銅板４と同様に樹脂ケース２に貼り付けることができる。また取り外し可能である。

銅板６を第二の樹脂ケース２に貼り付ける手順について説明する。
１）一の樹脂ケース１からなる無線モジュールを家庭に設置されているエアコン等の機器に取り付ける。
２）家庭の居間などに設置されている無線モジュールを内蔵したホームコントローラと前記エアコンとの間で通信試験を行う。ホームコントローラは前記エアコン等の機器を集中制御するコントローラである。
３）ホームコントローラは表示装置を有し、前記通信試験の結果を表示装置に表示する。表示する結果情報としては、例えば前記エアコンの無線モジュールと前記ホームコントローラの無線モジュール間の電波状態を示す受信レベル情報である。
４）前記エアコンに取り付けた無線モジュールの取り付け位置によっては、マルチパスの影響で電界強度のヌル点に取り付けられる場合がある。前記受信レベルが所定のレベルより低い場合は、上述した電界強度のヌル点に取り付けられたと考えられる。
５）そこで前記受信レベルが所定のレベル以下である場合は、前記エアコンに取り付けた無線モジュールに銅板６を取り付けた第二の樹脂ケース２で覆う。
６）前記ホームコントローラと前記エアコンとの間で再度通信試験を行い、受信レベルがアップすることを確認する。銅板６によりアンテナ指向特性が変化するため、マルチパスによる電界強度のヌル点が発生する場所が移動する。そのため、通常の場合、５）の操作により受信レベルがアップする。
７）しかしながら万一前記受信レベルが銅板６を貼り付ける前の受信レベルより小さくなってしまった場合は、第二の樹脂ケースを外し銅板６をいったんはがし、貼り付ける位置を変えて、再び第二の樹脂ケースで無線モジュールを覆った後、６）を再度実行する。

上述の説明の通り、エアコン等の機器に無線モジュールを取り付けた後、通信状態により簡単に銅板６を追加でき、アンテナ指向特性を変化させて、電界強度のヌル点の発生場所を移動できることとなり、受信状態を改善できる。そして銅板６が見えないため、見栄えの良い取り付けを実現できる。

実施の形態１及び実施の形態２において用いられる無線モジュールの第一のアンテナである内蔵アンテナ３の構成について、図３を参照しながら説明する。

図３において、７はアンテナ端子から延びる銅箔線、８はグランドから延びる銅箔線、９は第二のプリント基板、１０は第二のプリント基板９上に形成された銅箔である。

銅箔１０の一端は銅箔線７に接続され、他端は銅箔線８に接続されている。そして、第二のプリント基板９は無線部回路が乗っている第一のプリント基板２に垂直に配置されている。

内蔵アンテナ３として機能するのは、銅箔線７、銅箔線８、及び銅箔１０である。銅箔線７と銅箔線９がモノポールアンテナとして働き、銅箔線１０がループアンテナのような磁流アンテナとして動作する。このようなアンテナは、銅箔１０の近傍に金属導体を配置してもアンテナインピーダンスの大きな変動は見られず、放射効率の大きな変動がない。したがって、図１に示す第二のアンテナ４がある場合に放射効率の低下を招くことなく、指向特性だけを変更することができる。

実施の形態２において第二のアンテナとして銅板６を用いたが、この限りではない。例えば、第二の樹脂ケース５に金属導線を挿入できる差込口があり、第二の樹脂ケース５に第一の樹脂ケース１からなる無線モジュールを収納した後、電界強度のヌル点に前記無線モジュールを設置したと思われるときには、前記第二の樹脂ケースに設けられた差込口に前記金属導体を差し込む。前記差込口は、第一の樹脂ケース１のアンテナ３の付近に来るように第二の樹脂ケース５に設けられている。

このように構成することにより、実施の形態２に示すように、胴板６を貼り付けるために、いちいち第二の樹脂ケース５をあける必要がない。初めから第一の樹脂ケース１からなる無線モジュールを第二の樹脂ケース５に内蔵して、エアコンに取り付け、通信試験を行った後、必要に応じ前記差込口に金属導体を差込めばよい。また、差込む金属導体の長さを返ることにより、指向特性を変化させることができる。

以上のように本発明にかかるアンテナ及びアンテナ取り付け方法は、エアコン等の機器に無線モジュールを取り付けた後、通信試験の結果に基づき通信状態がより良くなるように簡単な構成でアンテナ指向特性を返ることができる。

本発明の実施の形態１におけるアンテナ構成図 本発明の実施の形態２におけるアンテナ構成図 本発明の実施の形態１及び実施の形態２において用いられる第一のアンテナ構成図 第一の樹脂ケースからなる無線モジュール形状を示す図 従来の無線モジュールとアンテナの構成図

符号の説明

１ 第一の樹脂ケース
２ 第一のプリント基板（無線部の一部）
３ 第一のアンテナ
４ 第二のアンテナ（金属導体）
５ 第二の樹脂ケース
６ 第二のアンテナ（金属導体）
７、８ 銅箔線
９ 第二のプリント基板
１０ 銅箔

Claims (8)

1. 第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールにおいて、前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体を貼り付けて前記金属導体を第二のアンテナとしたアンテナ。
2. 第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールを第二の樹脂ケースの内部に配置し、前記第二の樹脂ケースは前記無線モジュールを内部に配置した状態において前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体が近接するように上記金属導体を配置できるように構成されており、前記金属導体を第二のアンテナとしたアンテナ。
3. 金属導体は着脱可能な構成とした請求項１或いは請求項２記載のアンテナ。
4. 第二の樹脂ケースは金属導体を差し込む差込口を有し、前記差込口に金属導体を差し込む構成とした請求項２記載のアンテナ。
5. 第一の樹脂ケースに内蔵される第一のアンテナは、無線部を構成する第一のプリント基板上のグランド及びアンテナ端子から平行に伸びる銅箔線と、前記銅箔線の先端に接続される前記第一のプリント基板に垂直に配置された第二のプリント基板上の銅箔とで構成されたことを特徴とする請求項１或いは請求項２或いは請求項３或いは請求項４記載のアンテナ。
6. 第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールにおいて、前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体を貼り付けて前記金属導体を第二のアンテナとした構成において、対向する通信相手との通信試験を実施後、所定の受信レベル以下である場合には、第二のアンテナを第一の樹脂ケースに貼り付けるようにしたアンテナ取り付け方法。
7. 第一の樹脂ケースに第一のアンテナ及び無線部を内蔵した無線モジュールを第二の樹脂ケースの内部に配置し、前記第二の樹脂ケースは前記無線モジュールを内部に配置した状態において前記第一のアンテナに近い前記第一の樹脂ケースの外表面に金属導体が近接するように上記金属導体を配置できるように構成されており、前記金属導体を第二のアンテナとした構成において、対向する通信相手との通信試験を実施後、所定の受信レベル以下である場合には、第二のアンテナを第一の樹脂ケースに貼り付けるようにしたアンテナ取り付け方法。
8. 第二のアンテナを取り付けた後、対向する通信相手との通信試験を実施し、その結果第二のアンテナを取り付けた場合のほうが受信レベルが低い場合には、第二のアンテナの形状或いは配置場所を変更するようにした請求項６或いは請求項７記載のアンテナ取り付け方法。

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