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JP2006030681A - 有機elパネル - Google Patents

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JP2006030681A JP2004210544A JP2004210544A JP2006030681A JP 2006030681 A JP2006030681 A JP 2006030681A JP 2004210544 A JP2004210544 A JP 2004210544A JP 2004210544 A JP2004210544 A JP 2004210544A JP 2006030681 A JP2006030681 A JP 2006030681A
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Abstract

【課題】 有機ELパネルにおける封止構造の強度を改善し、さらに表示デバイスへ有機ELパネルを実装する際に正確な位置合わせを可能とする簡便な方法を提供すること。
【解決手段】 基板上に少なくとも陽極、有機発光層、および陰極を順次有する有機EL素子と、封止用接着剤を介して基板に接合された封止ガラス基板とを備えた有機ELパネルに、封止ガラス基板の外周縁に沿って連続的に配置される緩衝材と、緩衝材を介して封止ガラス基板に固定される保護ケースとをさらに設け、緩衝材によって封止ガラス基板と保護ケースとの間に空間を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は高精細で、耐環境性および生産性に優れ、携帯端末機や産業用計測器の表示など広範囲に応用可能性を有する有機ELパネルに関する。
近年、情報通信の高速化と応用範囲の拡大が急速に進んでいる。このような状況下、表示デバイスには「美・軽・薄・優」が求められると同時に、携帯性や動画表示の要求に対応可能な低消費電力・高速応答性といった特性が求められている。そして、そのような高精細な表示デバイスに関する検討が広くなされている。
有機EL素子は、液晶表示素子などと比較して、高コントラスト、低電圧駆動、高視野角、高速応答性といった、優れた特性を有するために、それらのフラットパネルディスプレイへの応用が期待されている。特に、近年では、高精細のフルカラーディスプレイの実現に向けて、有機EL素子の構造および材料に関する検討、ならびに素子のマルチカラー化またはフルカラー化に関する検討が数多く報告されている(特許文献1〜11)。
有機EL素子は、代表的に、基板上に、陽極と、有機発光層を含む有機EL層と、陰極とを順次有してなり、外気を遮断するように封止部材によって密閉されている。このような有機EL素子を用いて構成されるカラーディスプレイの実現において、最も重要な課題は、高精細なカラー表示機能を有するとともに、長期的に有機EL素子が色再現性を含めた安定性を有することである。しかしながら、有機EL素子は、その使用に伴って、発光輝度、発光の均一性といった発光性能が初期性能と比較して低下する傾向がある。
発光性能の低下を招く原因の1つは、有機EL素子の表面に吸着している水分や、封止接着界面あるいは接着剤自体を通過して有機EL素子の封止空間内に浸入した水分である。一対の電極と、これらの電極に挟持された有機EL発光層とからなる有機EL素子の積層体において、陰極表面の欠陥部から水分が侵入すると、有機EL発光層と陰極との界面で剥離が生じ、電流が流れなくなってしまう。その結果、非発光部となるダークスポット(黒点)が素子内に発生し、発光性能を著しく低下させることになる。
したがって、一般に、有機EL素子に封止部材を設けて有機ELパネルを形成する場合、ダークスポットの発生を抑制するために、封止空間内の水分を除去する手段が設けられている。封止空間内の水分を除去する代表的な手段としては、基板上に、陰極、有機発光層、陰極を積層した構造体の外側に、さらに乾燥剤を有する保護層および封止層を積層した構造を有するもの(特許文献12)や、吸湿効果のある粉末材料を封止基板上に粘着剤を用いて固定する方法などがある。また、ガラス基板などの封止部材に水分を吸着するゲッター剤を配置する方法もあり、その封止部材は、例えば、ガラス基板の片面にザグリ加工などによって形成された凹部を有し、その凹部にゲッター剤を貼り合わせたものとなっている。
特開昭57−157487号公報 特開昭58−147989号公報 特開平3−214593号公報 特開平1−315988号公報 特開平2−273496号公報 特開平3−194895号公報 特開平3−152897号公報 特開平5−258860号公報 特開平8−286033号公報 特開平9−208944号公報 特開平5−198921号公報 特開平7−169567号参照
従来の有機ELパネルの一例を図1に示す。図1に示した有機ELパネルは、陽極12、有機発光層14および陰極16から構成される有機EL素子が積層されたガラス基板10に、紫外線硬化型接着剤20を使用して封止ガラス基板30を接合させた封止構造を有するものであり、封止ガラス基板30の内面にはザグリ加工などの加工技術によって凹部が形成されており、その凹部にゲッター剤32が固定されている。このような封止構造を採用することによって、有機EL素子を密閉するとともに、封止構造内部での水分による素子の劣化を低減することが可能となる。しかしながら、上述の封止構造では、以下に示す2つの解決すべき課題がある。
第1の課題は、封止ガラス基板の強度の改善に関する。すなわち、封止ガラス基板は、その片面が凹部を有するようにザグリ加工されているため、ザグリ加工部のエッジに応力が集中し、破損が生じやすくなる。具体的には、加工後の封止ガラス基板(特に、ザグリ加工部)の強度は、加工前の封止ガラス基板と比較して50%以下に低下する傾向がある。また、近年のディスプレイの薄型化に向けた要望に伴い、有機ELパネル自体を薄くする傾向が高まっており、強度低下による問題は無視できなくなってきている。例えば、代表的な有機ELパネルにおける封止構造では、有機EL素子が積層された厚さ0.7mmのガラス基板に、厚さ1.1mmの封止ガラス基板を封止接着するが、その封止ガラス基板には0.5mmの厚さでザグリ加工が施されている。一方、薄型の有機ELパネルにおける封止構造では、有機EL素子が積層された厚さ0.7mmのガラス基板に、厚さ0.7mmの封止ガラスを封止接着するが、その封止ガラスには0.3mmのザグリ加工が施されるため、ザグリ加工部は非常に割れやすくなる。
上述のように、ザグリ加工によって封止ガラス基板の強度が低下すると、有機ELパネルを組立て、次いで表示デバイス(ディスプレイ)に実装する際に、封止ガラス基板に割れが発生しやすくなる。封止ガラス基板の形状によって異なるが、概ね3〜5kgの圧縮荷重で、割れが発生するようになる。封止ガラス基板に割れが発生すると、その割れた部分から水分および酸素が浸入しやすくなる。そして、封止構造内に水分および酸素が浸入すると、それらの影響によって、発光素子の寿命が著しく低下するだけでなく、発光素子の著しい劣化によって発光を示さなくなる可能性もある。そのため、封止ガラス基板のザグリ加工による強度低下を改善する技術が望まれている。
第2の課題は、有機ELパネルを表示デバイスに実装する際の位置合わせに関する。図1に示した封止構造を有する有機ELパネルは、一般に、有機EL素子が積層されたガラス基板の外周縁に沿って紫外線硬化型接着剤を塗布し、次いで予めゲッター剤を貼り合わせた封止ガラスを接着剤上に位置合わせして重ねた後、紫外線を照射し接着剤を硬化させることによって作製される。通常、このような有機ELパネルを、取り付け冶具などを使用して表示デバイスに実装し、フレームやカバーに固定することによって最終製品が得られることになる。しかしながら、従来の有機ELパネルには実装時の位置合わせに利用可能な機構がないため、有機ELパネルを表示デバイスの所定位置に正確に実装することは難しい。位置合わせが正確に実施されないと、有機ELパネルと表示デバイスのフレームやカバーとの位置関係が望ましくないものとなり、最悪の場合にはフレームやカバー内部に画素が隠れてしまうという問題が生じる。そのため、有機ELパネルを実装する際に位置合わせを正確に実施できるようにする簡便な方法が望まれている。
したがって、本発明は、高精細なカラー表示機能を有する信頼性の高いフラットパネルディスプレイの実現に向けて、有機ELパネルにおける封止構造の強度低下を改善することを課題とする。さらに、本発明は、表示デバイスへ有機ELパネルを実装する際に正確な位置合わせを可能とする簡便な方法を提供することを課題とする。
上述の状況に鑑み、本発明者らは有機EL素子の封止構造について鋭意検討を行い、封止ガラス基板に外部からの衝撃が直接加わらないように改良を加えることによって良好な結果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の有機ELパネルは、基板上に少なくとも陽極、有機発光層、および陰極を順次有する有機EL素子と、封止用接着剤を介して前記基板に接合された封止ガラス基板とを備えた有機ELパネルに、上記封止ガラス基板の外周縁に沿って連続的に配置された緩衝材と、上記緩衝材を介して上記封止ガラス基板に固定された保護ケースとをさらに備え、上記緩衝材によって封止ガラス基板と上記保護ケースとの間に空間が形成されていることを特徴とする。
なお、緩衝材は、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂からなる発泡材料であることが好ましい。
保護ケースは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタールからなる群から選択されるエンジニアリングプラスチックから構成されることが好ましい。また、保護ケースの表面に突起が設けられていることが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、有機ELパネルにおける封止ガラス基板の外面に、空間を設け、緩衝材を介して保護ケースを取り付ける構造を採用したことによって、封止ガラス基板のザグリ加工部における割れなどの強度低下に伴う問題が低減される。また、保護ケースに有機ELパネルの位置出し固定用の突起を設けることによって、有機ELパネルを表示デバイスに実装する際に、より正確な位置出しが可能となる。さらに、そのような突起を、有機ELパネルを表示デバイスに搭載する際のそれらの位置関係の整合を測る基準として使用し、位置合わせを正確かつ容易に実施することが可能となる。
以下、本発明の詳細について説明する。図2に、本発明による有機ELパネルの一例を示す。図2(a)は本発明による有機ELパネルの構成例を示す模式的縦断面図であり、図2(b)は図2(a)のb−b線断面図である。図2(a)に示したように、本発明による有機ELパネルは、基板10上に少なくとも陽極12、有機発光層14、および陰極16を順次有する有機EL素子と、封止用接着剤20を介して上記基板10に接合された封止ガラス基板30とを備え、上記封止ガラス基板30の内面にゲッター剤32が固定された有機ELパネルに、上記封止ガラス基板30の外周縁に沿って連続的に配置された緩衝材40と、上記緩衝材40を介して上記封止ガラス基板30に固定された保護ケース50とをさらに備え、上記緩衝材40によって封止ガラス基板30と上記保護ケース50との間に空間42が形成されていることを特徴とする。
このように本発明による有機ELパネルでは、封止ガラス基板の外面に緩衝材を介して保護ケースが配置されるため、外部からの衝撃が緩和されるとともに、封止ガラス基板が補強されることになる。すなわち、本発明によれば、封止ガラス基板表面に、直接外力が加わることによって破損が生じることが防止されるため、耐久性および信頼性に優れた有機ELパネルを提供することが可能となる。
以下、本発明の有機ELパネルに適用される緩衝材および保護ケースについて詳細に説明する。
(緩衝材)
本発明において使用可能な緩衝材は、衝撃を吸収緩和する機能を有する周知の発泡プラスチックであってよい。例えば、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂からなる発泡材料、すなわち、ウレタンフォームまたはアクリルフォームが挙げられる。これらは、連続気泡型または独立気泡型のいずれであってもよいが、衝撃に対する吸収緩和能力により優れた独立気泡型が好ましく使用される。これらの緩衝材は、例えば、基板表面に接着剤を塗布した後に緩衝材を設置することによって固定することが可能である。別法としては、緩衝材の片面または両面に予め接着剤が設けられた感圧型テープの形態で設置し固定してもよい。感圧型テープの一例として、ウレタンフォームを基材としてその両面にアクリル系粘着材が設けられた感圧型両面テープが挙げられる。このような感圧型両面テープは、例えば、東洋インキ製造(株)から、商品名「DF5100」として市販されており、それらは本発明において好適に使用される。
上述の緩衝材を介して、封止ガラス基板と保護ケースとが接合されることになるが、その際、緩衝材は、ザグリ加工によって薄くした箇所に外力が伝わることを避けるために、ザグリ加工部を避けて配置しなければならない。また、外力をより効果的に緩和するために、緩衝材は基板と保護ケースとの間に空間が形成されるように配置されることが望ましい。例えば、図2(b)に示すように封止ガラス基板の外周縁に沿って連続的に緩衝材を設け、さらに保護ケースと接合させることによって、封止ガラス基板と保護ケースとの間に密閉された空間が形成されることになる。このような空間は、保護ケースに外力が加わったときに、保護ケースに外力がゆっくりと伝わるようにするダンパー的な効果を示し、外力を吸収緩和する機能を有する。空間の大きさはウレタンフォームなどの緩衝材の厚みを調整することによって任意に変更することが可能である。特に限定されるものではないが、緩衝材の厚みは、0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1.5mm、さらに好ましくは0.3〜1.0mmの範囲とすることが適当である。
(保護ケース)
保護ケースの形状は、先に図2に示したようなキャップ(参照符号50)に限定されるものではない。保護ケースの別の形状として、封止ガラス基板の外面全体を覆う基板であってもよい。図3に基板形状の保護ケースを使用して構成される本発明による有機ELパネルの一例を示す。図3(a)は、本発明による有機ELパネルの構成例を示す模式的縦断面図であり、図3(b)は図3(a)のb−b線断面図である。キャップまたは基板のいずれの場合であっても、本発明では、保護ケースの外面に位置合わせ用の突起(図2および図3の参照符号52)が形成されていることが望ましい。このような突起が保護ケースに存在することによって、有機EL素子が積層された基板と封止ガラス基板とを接合させて有機ELパネルを形成する際、および有機ELパネルを表示デバイスに搭載する際に、それらの突起をそれぞれの位置関係の整合を測る基準として使用することができ、正確な位置合わせを容易に実施することが可能となる。
保護ケースは、熱可塑性プラスチック材料からなるエンジニアリングプラスチックから構成することが可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリアセタールからなる群から選択されるエンジニアリングプラスチックが挙げられる。特に限定されるものではないが、加工性、機械的強度、耐熱性といった物性面およびコスト面で優れた、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上述の材料を所望の形状に成形加工することによって保護ケースを形成することが可能である。保護ケースの厚みは、0.2〜0.8mmの範囲の厚さとすることが可能であり、より好ましくは0.4〜0.6mmの範囲である。保護ケースの厚みが0.2mmを下回ると、保護ケースとして必要とされる機械的強度が低下し、有機ELパネルを保護するための所期の保護機能を得ることが難しくなる。一方、保護ケースの厚みが0、8mmを上回ると、保護機能は向上するものの、デバイスに向けられた薄型化の要望に合わなくなってしまう。
なお、本発明による有機ELパネルでは、封止ガラス基板の外面に緩衝材および保護ケースを設けることを除き、全ての構成エレメントおよび材料に関して周知の技術を適用することが可能である。以下に各構成エレメントおよび材料について簡単に説明する。
(有機EL素子)
有機EL素子は、基板上に、少なくとも陽極と、有機発光層と、陰極とを順次有し、陽極および陰極に電圧が印加されることによって生じる正孔および電子が有機発光層で再結合することによって発光が生じる。有機EL素子は、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層を介在させた層構成としてもよい。より具体的には、以下に示すような層構造が挙げられる。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
上述の層構成において、陽極および陰極の少なくとも一方は、有機発光層から発する光の波長域において透明であることが望ましく、この透明電極を通して光が取り出されることになる。当該技術分野では、陰極よりも陽極を透明電極とする構成とした方が容易に作製できることが知られている。そのため、本発明においても陽極を透明電極として構成することが望ましい。なお、各層の材料は、公知の材料から適宜選択することが可能である。例えば、有機発光層は所望の発光を得るために選択された材料から形成される。有機発光層から発した光を蛍光色変換フィルターに入射させる色変換方式の素子を構成する場合、有機発光層からの発光は近紫外から可視領域の光、好ましくは青色から青緑色領域の光としなければならない。このように有機発光層において、例えば青色から青緑色の発光を得るためには、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが使用される。また、赤、青、緑の三原色の有機発光層をマトリクス状に分離配置するフルカラー表示形式の素子を構成する場合、各有機発光層から それぞれ三原色の光が発光するように、それぞれの材料が選択される。
陽極および陰極のパターンとしては、それぞれ平行に並んだストライプとし、それぞれのパターンが互いに交差するように陽極および陰極を対向させてもよい。この場合、パッシブマトリクス方式の駆動を実施することが可能となる。すなわち、陽極パターンにおける特定部位(ストライプ)と、陰極パターンにおける特定部位(ストライプ)に電圧が印加された時に、それらのストライプが交差する部分に位置する有機発光層から発光が生じることになる。したがって、陽極および陰極の各パターンにおいて選択されたストライプに電圧を印加することによって、特定部分のみを発光させることができる。
また、陽極および陰極の別のパターン形式としては、陽極をストライプパターンではない一様な平面電極として形成し、その一方で陰極を各画素に対応するようにパターニングしたものを対向させてもよい。この場合、画素ごとにスイッチング素子を設けることによって、アクティブマトリクス方式の駆動を実施することが可能となる。さらに、カラー表示のディスプレイを構成するために、色変換フィルターまたは色変換膜といった周知の色変換手段を追加してもよい。
(封止部材)
本発明において使用される封止ガラス基板は、基板の片面にザグリ加工などの周知の技術によって形成された凹部を有するものであり、その凹部には吸湿効果のあるゲッター材が固定されている。ゲッター材の固定は、紫外線硬化型接着剤または感圧粘着剤を使用して実施することが可能である。ゲッター材としては、特に限定されるものではなく、CaOなどの当技術分野で周知の乾燥剤をバインダーに添加してシート状に成型したものを使用することが可能である。このようなシート化されたゲッター材は、シートの片面にアクリル系接着剤などの接着剤が塗布されて、封止ガラス基板のザグリ部に固定される。なお、本発明によれば、封止ガラス基板の外面に緩衝材および保護ケースが設けられるため、通常設定されるザグリ部の厚さよりもさらに薄い設定にすることが可能である。例えば、0.7mmの封止ガラスに0.3mmの厚さでザグリ加工を行い、ザグリ部分の板厚を0.4mm程度にまで薄くすることが可能である。通常、ザグリ部分の板厚が0.4mm程度にまで薄くなると、表示デバイスへの実装時に割れが発生し易くなる。しかし、本願発明では保護ケースによって補強効果が得られるため、割れを生じることなく表示デバイスへの実装を実施することが可能となる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、それらは本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
本実施例は、封止ガラス基板の外面に緩衝材を介してキャップ形状の保護ケースが設けられた有機ELパネル(図2を参照)に関する。
(有機EL素子の作製)
基板上に、透明な陽極と、正孔注入層と、正孔輸送層と、有機発光層と、電子注入層と、陰極とを順次有する有機EL素子を、以下の手順に従って作製した。
最初に、ガラス基板上に、スパッタ法に従い幅4mmのパターンを2本形成できるメタルマスクを用いて陽極(ITO)を成膜した。
次に、陽極が形成されたガラス基板を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子注入層を、真空を破らずに順次成膜した。成膜は、1×10−4Paまで減圧した真空槽内で実施した。正孔注入層として、銅フタロシアニン(CuPc)を100nm積層した。正孔輸送層として、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。有機発光層として、4,4′−ビス(2,2′−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層として、アルミキレート(Alq)を20nm積層した。
次に、陽極(ITO)のラインと垂直に幅4mmのパターンが得られるメタルマスクを用い、陰極として厚さ200nmのMg/Ag(10:1の重量比率)層を、真空を破らずに形成した。
(封止)
次に、上述のようにして得られた有機EL素子を、乾燥窒素雰囲気下(酸素および水分濃度ともに1ppm以下)のグローブボックス内に移し、封止材として紫外線硬化型接着剤を用いて、予めゲッター材が固定された封止ガラス基板と接合させ封止を実施することによって有機ELパネルを組み立てた。なお、使用した封止ガラス基板は、厚さ1.1mmの封止ガラス基板にザグリ加工によって0.5mmの深さの空間を設けたものであった。封止ガラス基板へのゲッター材の固定は、XYロボット型ディスペンサーを使用して封止ガラス基板の中央部近傍に紫外線硬化型接着剤を塗布し、次いで接着剤上にゲッター材を乗せた状態で封止ガラス基板側より紫外線を照射し、接着剤を硬化させることによって実施した。紫外線の照射は、照度150mW/cm、照射時間60sec、照射量は9000mJ/cmとした。
有機EL素子が積層された基板と、予めゲッター材が固定された封止ガラス基板との接合は、XYロボット型ディスペンサーを用いて封止ガラス基板の外周部近傍全周囲に渡って紫外線硬化型接着剤を塗布し、次いで基板と重ね合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させることによって実施した。なお紫外線照射は、照度150mW/cm、照射時間60sec、照射量9000mJ/cmとした。なお、上述の封止工程は、酸素および水分濃度ともに1ppm以下に制御されたグローブボックス中で全て実施され、作製された有機ELパネルは、封止接着剤として使用した紫外線硬化型接着剤の硬化が完了した時点で、グローブボックス内部から一般環境に出した。
(緩衝材および保護ケースの設置)
上述のようにして作製した有機ELパネルの封止ガラス基板の外面外周縁に沿って、緩衝材として厚さ0.5mmの、ウレタンフォームを基材として両面にアクリル系粘着材が設けられた感圧型両面テープ(DF5100(商品名)、東洋インキ製造(株)製)を連続的に貼り付け、次いでPETからなる保護ケースを設置した。保護ケースは、封止ガラス基板の形状に適合するように成型加工された厚さ0.5mmのキャップであり、その外面に突起が形成されたものを使用した。
上述のようにして得られた保護ケース付き有機ELパネルの保護ケース側から5kgの圧縮荷重を加え、封止ガラス基板のザグリ部分への影響を調べたところ、割れは見られなかった。また、有機ELパネルの素子寿命に影響する問題の発生も確認できなかった。より詳細には、保護ケースに圧縮荷重がかかった状態にはなるが、保護ケースの変形は封止ガラス基板の表面までは届かず、保護ケースと封止ガラス基板との間に空間が保持された状態で圧縮荷重を受けない状態であった。さらに、保護ケースの突起を基準として有機ELパネルと表示デバイスとの位置合わせを行ったところ、突起のない場合と比較して正確な位置合わせを容易に行なうことができた。
なお、本実施例では、市販の緩衝材とキャップ形状の保護ケースを使用した場合について例示したが、使用する材料などはこれらに限定されるものではなく、同一の機能および性能を有するものを組み合わせて使用した場合でも同様の効果が得られることは当業者には容易に理解できるであろう。例えば、別の緩衝材としてアクリルフォーム(例えば、住友スリーエム(株)製のY−4920(厚さ0.40mm))と、図3に示すような基板形状の保護ケースとを組み合わせて使用した場合であっても、同様の効果を得ることが可能である。
(比較例)
本実施例は、封止ガラス基板の外面に緩衝材および保護ケースを持たない従来の有機ELパネルに関する。緩衝材および保護ケースを設けないことを除き、全て実施例1と同様にして有機ELパネルを作製した。得られた有機ELパネルの封止ガラス基板側から5kgの圧縮荷重を加え、封止ガラス基板のザグリ部分への影響を調べたところ、封止ガラス基板に割れが発生していた。さらに、有機ELパネルと表示デバイスとの位置合わせを行ったところ、突起のある場合(実施例1)と比較して、位置合わせを正確に行なうことは困難であった。
従来の有機ELパネルの一例を示す模式的断面図である。 本発明による有機ELパネルの構成例を示す図であり、(a)は模式的縦断面図であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。 本発明による有機ELパネルの構成例を示す図であり、(a)は模式的縦断面図であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。
符号の説明
10 基板
12 陽極(ITO透明電極)
14 有機発光層
16 陰極(金属電極)
20 封止用接着剤
30 封止ガラス基板
32 ゲッター剤
40 緩衝材
42 空間
50,50’保護ケース
52 突起

Claims (4)

  1. 基板上に少なくとも陽極、有機発光層、および陰極を順次有する有機EL素子と、封止用接着剤を介して前記基板に接合された封止ガラス基板とを備えた有機ELパネルに、前記封止ガラス基板の外周縁に沿って連続的に配置された緩衝材と、前記緩衝材を介して前記封止ガラス基板に固定された保護ケースとをさらに備え、前記緩衝材によって封止ガラス基板と前記保護ケースとの間に空間が形成されていることを特徴とする有機ELパネル。
  2. 前記緩衝材が、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂からなる発泡材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
  3. 前記保護ケースが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタールからなる群から選択されるエンジニアリングプラスチックから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の有機ELパネル
  4. 前記保護ケースの表面に突起が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機ELパネル。
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