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JP2006017144A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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JP2006017144A
JP2006017144A JP2004192640A JP2004192640A JP2006017144A JP 2006017144 A JP2006017144 A JP 2006017144A JP 2004192640 A JP2004192640 A JP 2004192640A JP 2004192640 A JP2004192640 A JP 2004192640A JP 2006017144 A JP2006017144 A JP 2006017144A
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Daiki Nishii
大樹 西井
Shoji Yokoyama
将司 横山
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

【課題】 各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する、各パワーローラ4、7を支持する為の変位軸33、33の組み付け位置の調整作業を容易に行なえる様にする。そして、変速比の同期不良や変速比制御が不安定になる事を防止すると共に、十分な耐久性を確保できる構造を、低コストで実現する。
【解決手段】 各揺動フレーム21、22の支持筒部49、49の軸方向両端面と支持フレーム23、24を構成する支持環20、20の側面との間に、それぞれスラストニードル軸受51、51を設置する。これら各スラストニードル軸受51、51を構成するスラストレース52、52の厚さ寸法を上記各揺動フレーム21、22毎に調節して、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する、上記各変位軸33、33の位置のずれを規制値以下に抑える。
【選択図】 図1

Description

この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば車両(自動車)用の自動変速装置を構成する変速ユニットとして利用する。
自動車用の変速機としてトロイダル型無段変速機が研究され、一部で実施されているが、乗用車用としては大型で大きなトルクを発生するエンジンを組み込んだ四輪駆動車用の自動変速装置の変速ユニットとして好適な構造が、例えば特許文献1に記載されて従来から知られている。図3〜6は、この特許文献1に記載された、大排気量の四輪駆動車用のトロイダル型無段変速機を示している。このトロイダル型無段変速機1は、第一入力側ディスク2と第一出力側ディスク3との間に3個の第一パワーローラ4、4を、第二入力側ディスク5と第二出力側ディスク6との間に3個の第二パワーローラ7を、それぞれ設けて、合計6個のパワーローラ4、7により、動力の伝達を行なう様に構成している。
上記自動変速装置を構成する為、動力の伝達方向に関して最も前段部には、発進クラッチであるトルクコンバータ8を設け、このトルクコンバータ8の出力部に、上記トロイダル型無段変速機1を構成する入力軸9の前半部9aを組み込んでいる。図示しない走行用エンジンの回転に伴ってこの前半部9aは、上記トルクコンバータ8により回転駆動される。そして、この前半部9aの後端部に上記入力軸9の後半部9bを、互いに同心に且つ相対回転自在に支持している。
そして、上記前半部9aと後半部9bとの間に、前進と後退とを切り換える為の前後進切り換えユニット10を、動力の伝達方向に関して直列に設けている。遊星歯車機構である、この前後進切り換えユニット10は、それぞれが湿式多板クラッチである前進用クラッチ11と後退用クラッチ12とを選択して断接させる事により、前進状態と後退状態とを切り換える。
動力の伝達方向に関して、上述の様な前後進切り換えユニット10の後側に、上記トロイダル型無段変速機1を設けている。そして、このトロイダル型無段変速機1の入力部、即ち、上記前後進切り換えユニット10の出力部につながる部分と、出力部、即ち、前輪用駆動軸13及び後輪用駆動軸14につながる部分との間の変速比を連続的に変化させる様にしている。このトロイダル型無段変速機1は、上記後半部9bの周囲に設けている。即ち、この後半部9bの前後両端部近傍に前記第一、第二両入力側ディスク2、5を、それぞれが断面円弧状の凹面である内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持している。この為に図示の例では、前側(図3の左側)に設けた第一入力側ディスク2を、上記前後進切り換えユニット10を構成するキャリア15の基端部にスプライン係合させると共に、前側への移動を阻止している。これに対して、後側(図3の右側)に設けた第二入力側ディスク5は、上記後半部9bの後端部に、ボールスプライン16を介して支持している。そして、油圧式のローディング装置17により、上記第二入力側ディスク5を上記第一入力側ディスク2に向け、押圧自在としている。
又、上記後半部9bの中間部周囲には支持筒18を、この後半部9bと同心に設けている。この支持筒18は、ステー19、19の内径側端部により、その両端部を支持固定している。尚、これら各ステー19、19は、後述する支持環20、20にそれぞれの外径側端部を支持固定して、やはり後述する第一、第二各揺動フレーム21、22を揺動自在に支持する為の、第一、第二各支持フレーム23、24を構成する。又、上記支持筒18の内側に上記後半部9bを、この支持筒18の周囲に前記第一、第二両出力側ディスク3、6を、それぞれ回転及び軸方向の変位自在に支持している。又、これら両出力側ディスク3、6は、間に設けたスラスト軸受25により、互いの間に加わる軸方向荷重(スラスト荷重)を支承しつつ、相対回転を自在としている。図示の例では、上記スラスト軸受25として、スラストニードル軸受を使用している。
又、上記第一出力側ディスク3の外側面側には前輪用出力歯車26を固定し、この前輪用出力歯車26と前記前輪用駆動軸13とを、前輪用従動歯車27を介して結合し、上記第一出力側ディスク3により上記前輪用駆動軸13を回転駆動自在としている。又、この前輪用駆動軸13の回転を、前輪用デファレンシャルギヤ28を介して、図示しない前輪に伝達自在としている。一方、上記第二出力側ディスク6の外側面側には後輪用出力歯車29を固定し、この後輪用出力歯車29と前記後輪用駆動軸14とを、後輪用従動歯車30を介して結合して、上記第二出力側ディスク6により上記後輪用駆動軸14を回転駆動自在としている。又、この後輪用駆動軸14の回転を、図示しない後輪用デファレンシャルギヤを介して、やはり図示しない後輪に伝達自在としている。
又、前記第一入力側ディスク2の内側面と上記第一出力側ディスク3の内側面との間には前記3個の第一パワーローラ4、4を、前記第二入力側ディスク5の内側面と上記第二出力側ディスク6の内側面との間には前記3個の第二パワーローラ7を、それぞれ挟持している。これら第一、第二各パワーローラ4、7は、それぞれ第一、第二各トラニオン31、32の内側面で、この内側面から突出した状態で設けられた各変位軸33、33の周囲に回転自在に支持している。尚、これら各変位軸33、33の中心と上記各パワーローラ4、7の中心とは、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に対し、ほぼ直角方向に、互いにずらせて(オフセットして)いる。この理由は、トロイダル型無段変速機の分野で周知の様に、運転時に生じる各部材の弾性変形分を吸収する為である。これら第一、第二各トラニオン31、32は、それぞれの両端部に互いに同心に設けた、上記各ディスク2、5、3、6の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、5、3、6の中心軸の方向に対して直角若しくは直角に近い方向となる捻れの位置に存在する、第一、第二各枢軸34、34(第二枢軸は図示せず)を中心に揺動する。又、上記第一、第二各トラニオン31、32は、それぞれ第一、第二各揺動フレーム21、22の両端部に、揺動変位自在に支持している。
そして、上記第一、第二各揺動フレーム21、22の中間部を前記第一、第二各支持フレーム23、24を構成する前記各支持環20、20同士の間に、各ディスク2、5、3、6の中心軸に対し平行若しくは平行に近い方向に設けられた支持軸35、35を中心とする揺動変位自在に支持している。上記第一、第二各支持フレーム23、24は、互いに平行に配置されたそれぞれ1対ずつの支持環20、20を、前記ステー19を構成する3本の支柱部36、36の外径側端部を介して互いに結合して成る。上記各支持軸35、35は、上記各支持環20、20の円周方向に関して、上記各支柱部36、36の中間位置で、上記第一、第二各支持フレーム23、24を構成する1対ずつの支持環20、20同士の間に掛け渡している。従って、上記第一、第二各揺動フレーム21、22は、円周方向に隣り合う支柱部36、36同士の間に、揺動自在に支持されている。
更に、上記第一、第二各揺動フレーム21、22を、これら各揺動フレーム21、22の両端部と上記各支持環20、20との間に設けた油圧シリンダ37a、37bにより、揺動変位自在としている。これら各油圧シリンダ37a、37bは、それぞれ上記各支持環20、20の一部で上記各揺動フレーム21、22の両端部に整合する位置に設けている。一方、上記第一、第二各揺動フレーム21、22の両端部で、上記各油圧シリンダ37a、37bに整合する部分にはロッド38a、38bを、上記各支持軸35、35と平行に、上記第一、第二各揺動フレーム21、22の両端部を貫通する状態で支持固定している。そして、上記各油圧シリンダ37a、37bに嵌装したピストン39a、39bと、上記各ロッド38a、38bを係合させている。
変速時には、上記各揺動フレーム21、22毎に2対ずつ(各揺動フレーム毎に4個ずつ、トロイダル型無段変速機1全体として合計24個)設けた油圧シリンダ37a、37bのうちの、上記各揺動フレーム21、22の長さ方向一端側に設けた一方の油圧シリンダ37a(37b)を伸長させると共に他方の油圧シリンダ37b(37a)を収縮させて、上記各揺動フレーム21、22を所定方向に所定量だけ揺動変位させる。
又、上記各油圧シリンダ37a、37bへの圧油の給排を制御する為の制御弁40は、前記各支持環20、20に支持している。上記各油圧シリンダ37a、37bへの圧油の給排により上記各揺動フレーム21、22が揺動変位すると、これら各揺動フレーム21、22に支持した前記第一、第二各トラニオン31、32の外側面に設けたカム面41が、上記制御弁40に付属のプランジャ42を介してこの制御弁40のスプール43を変位させ、上記制御弁40の切り換えを行なう。このスプール43と共にこの制御弁40を構成するスリーブ44は、変速時には所望の変速比を実現できる様に、制御モータ45により、所定位置に変位させておく。この様な制御弁40及び制御モータ45は、前記第一入力側ディスク2及び第一出力側ディスク3を含んで構成する第一キャビティ46側に1個、前記第二入力側ディスク5及び第二出力側ディスク6を含んで構成する第二キャビティ47側に1個、トロイダル型無段変速機1全体で2個設けている。そして、第一キャビティ46側の制御モータ45によりこの第一キャビティ46側の制御弁40を、第二キャビティ47側の制御モータ45によりこの第二キャビティ47側の制御弁40を、マイクロコンピュータを内蔵した図示しない制御器からの指令信号に基づき、互いに同期して(直進状態の場合)、或は互いに独立して(旋回状態の場合)制御する。
この様に構成する為、変速時には、上記各油圧シリンダ37a、37bへの圧油の給排に基づき、上記第一、第二各揺動フレーム21、22が、前記各支持軸35、35を中心に、所定方向に所定量だけ揺動変位する。この結果、これら各揺動フレーム21、22に支持された上記第一、第二各トラニオン31、32が、上記各支持軸35、35を中心とした円弧運動(スイベル運動)をする。そして、この円弧運動に基づく上記第一、第二各トラニオン31、32の前記第一、第二枢軸34の軸方向に関する変位により、前記各パワーローラ4、7の周面と前記各ディスク2、5、3、6の内側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記第一、第二各トラニオン31、32が、上記第一、第二各揺動フレーム21、22に枢支された第一、第二各枢軸34を中心として、互いに逆方向に揺動し、上記第一、第二各パワーローラ4、7の周面と上記各ディスク2、5、3、6の内側面との当接位置が変化して、第一、第二各入力側ディスク2、5と第一、第二各出力側ディスク3、6との間の回転速度比が変化する。
上述の様に構成する従来のトロイダル型無段変速機1の運転時には、前記入力軸9の後半部9bと共に互いに同期して回転する第一、第二両入力側ディスク2、5のうち、第一入力側ディスク2から上記各第一パワーローラ4、4を介して上記第一出力側ディスク3に伝わった動力により、前記前輪用駆動軸13を回転駆動する。又、第二入力側ディスク5から上記各第二パワーローラ7を介して上記第二出力側ディスク6に伝わった動力により、前記後輪用駆動軸14を回転駆動する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の効率並びに耐久性を確保する為には、構成各部品同士の位置関係を高精度に規制しなければならない。特に上述の図3〜6に示した様な、第一、第二各揺動フレーム21、22を円弧運動させる事により変速比を変える構造の場合、特許文献2等に記載されている様な、トラニオンを枢軸の軸方向にアクチュエータにより直接変位させる事により変速比を変える構造に比べ、上記構成各部品同士の僅かなずれが、第一、第二各パワーローラ4、7に関する変速比の同期不良に結び付き易い。そして、この様な変速比の同期不良に基づいて、変速比制御が不安定になったり、効率並びに耐久性が低下する可能性がある。
例えば、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向(図3の左右方向)に関する前記各変位軸33、33の位置は、これら各変位軸33、33に支持された上記各パワーローラ4、7による、上記各入力側ディスク2、5と上記各出力側ディスク3、6との間の変速比を互いに同期させる為にも、一致させる必要がある。特に、同一のキャビティ46(又は47)内に存在する各パワーローラ4、4(又は7)をそれぞれの先半部周囲に回転自在に支持している変位軸33、33の基半部の、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する位置がずれていると、伝達効率並びに耐久性が著しく低下する。即ち、この様な場合には、上記各パワーローラ4、4(又は7)の周面と上記入力側ディスク2(又は5)及び上記出力側ディスク3(又は6)の内側面との転がり接触部(トラクション部)で過大な滑りが発生し、伝達効率並びに耐久性が著しく低下する。又、変速比制御も不安定になる。逆に言えば、伝達効率並びに耐久性を確保し、変速比制御を安定させる為には、上記各変位軸33、33の基半部の、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する位置を一致させる必要がある。
ところが、上記各変位軸33、33の位置は、多くの部材の形状誤差、寸法誤差、組み付け誤差に伴って、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向にずれ易い。そして、ずれた場合には、上記入力側ディスク2(又は5)と上記出力側ディスク3(又は6)との間の変速比が、上記各変位軸33、33にそれぞれ回転自在に支持された上記各パワーローラ4、4(又は7)毎に微妙に異なってしまう。この様な状態では、上述の様に上記各トラクション部で発生する過大な滑りに基づいて、トロイダル型無段変速機の伝達効率並びに耐久性が著しく低下するだけでなく、変速比制御も不安定になる。
この様な不都合をなくす為には、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する上記各変位軸33、33の組み付け位置を一致させる必要があるが、この組み付け位置を一致させる作業は、上記各誤差の累積の為、難しい。特に、図7に鎖線αで示した、前記各トラニオン31(又は32)の両端部に設けた枢軸34、34の中心軸の配置方向と、同じく鎖線βで示した、上記各ディスク2、5、3、6の中心軸の方向とが、互いに直角方向ではない構造の場合には、上記組み付け位置の調整が難しくなる。即ち、上記図7に示した様に、上記トラニオン31(又は32)を揺動フレーム21(又は22)に対し、所謂キャスター角を持たせた状態で支持した構造の場合には、上記各変位軸33、33の設置位置を一致させる為の調整作業が難しい。
特開2001−165262号公報 特開平11−153203号公報
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様な事情に鑑み、各ディスクの軸方向に関する、各パワーローラを支持する為の変位軸の組み付け位置の調整作業を容易に行なえる様にして、変速比の同期不良や変速比制御が不安定になる事を防止でき、しかも十分な耐久性を確保できる構造を、低コストで実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述の特許文献1等に記載されて従来から知られ ているトロイダル型無段変速機と同様に、入力側ディスク及び出力側ディスクと、複数のトラニオンと、複数の変位軸と、複数のパワーローラとを備える。
このうちの入力側ディスク及び出力側ディスクは、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、上記入力側ディスク及び出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するものである。
又、上記各変位軸は、上記各トラニオンにそれぞれの基半部を揺動自在に支持されている。
更に、上記各パワーローラは、上記各変位軸の先半部周囲に回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスク及び出力側ディスク同士の間に挟持されたもので、その周面を球状凸面としている。
そして、上記各トラニオンは、それぞれの両端部に設けた上記各枢軸をこれら各トラニオンと同数の揺動フレームの両端部に枢支している。
又、これら各揺動フレームは、それぞれの中間部に設けた支持筒部に上記各トラニオンの周囲に設けた支持フレームに設置した支持軸を挿通すると共に、この支持フレームとの間に設けたアクチュエータにより揺動変位自在としている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各揺動フレームの支持筒部の軸方向両端面と上記支持フレームとの間に、それぞれが1対のスラストレース同士の間に複数本のニードルを挟持して成るスラストニードル軸受を設置している。そして、これら各スラストニードル軸受の軸方向寸法を上記各揺動フレーム毎に調節する事により、上記各ディスクの軸方向に関する、上記各変位軸の位置のずれを規制値以下に抑えている。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、各ディスクの軸方向に関する、各パワーローラを支持する為の各変位軸の組み付け位置の調整作業を容易に行なえる。即ち、各揺動フレームの支持筒部の軸方向両端面と支持フレームとの間に設けた各スラストニードル軸受の軸方向寸法を変えれば、上記各ディスクの軸方向に関する上記各変位軸の組み付け位置を容易に調整できる。そして、変速比の同期不良や変速比制御が不安定になる事を防止でき、しかも十分な耐久性を確保できる構造を、低コストで実現できる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、互いに対向する1対の入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側面との間に存在するキャビティ内に存在する複数の変位軸の位置のずれに関する規制値を0.1mm、より好ましくは0.05mmとする。
各ディスクの軸方向に関する上記各変位軸の組み付け位置のずれを0.1mm以下に抑えれば、一般的な自動車用のトロイダル型無段変速機に就いて考慮した場合、各パワーローラの周面と入力側ディスク及び出力側ディスクの内側面とのトラクション部で、接触楕円のスピンに伴う不可避な滑り以外に生じる、不要な滑りを、実用上問題ない程度に抑えられる。そして、変速比の同期不良や変速比制御が不安定になる事を防止して、トロイダル型無段変速機の効率を確保すると共に、十分な耐久性を確保できる。上記規制値を0.05mm以下に抑えれば、これら効率及び耐久性の確保を、より高次元で図れる。
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、各支持軸の両端部を支持フレームを構成する1対の支持環に支持固定し、各支持筒部の内周面とこれら各支持軸の外周面との間にラジアルニードル軸受を、これら各支持筒部の軸方向両端面と上記両支持環の側面との間にスラストニードル軸受を、それぞれ設置する。そして、上記各ディスクの軸方向に関する各変位軸の位置を、これら各スラストニードル軸受を構成するスラストレースの厚さ寸法を変える事により調節する。
上記各支持筒部の内周面と上記各支持軸の外周面との間にラジアルニードル軸受を設ければ、各揺動フレームを上記支持フレームに対し、軽い力で揺動自在に支持できる。
更に、上記スラストレースの厚さ寸法を変える事により上記各変位軸の設置位置を調節すれば、この調節作業を、低コストで容易且つ確実に行なえる。即ち、各スラストニードル軸受の軸方向寸法は、各ニードルの直径を変える事によっても調節できるが、直径が微妙に異なる多種類のニードルを用意する事は、コスト上昇の原因となる。これに対して、上記スラストレースの厚さ寸法を変える事により調節する様に構成すれば、厚さの異なる多種類のスラストレースを用意しても、コスト上昇を抑える事ができ、しかも調節作業を容易に行なえる。
又、本発明は、請求項4に記載した様に、各ディスクの中心軸の方向に対する、各トラニオンの両端部に設けた枢軸の中心軸の方向が直角方向ではない構造で実施する事が有効である。
前述した様に、この様な構造の場合には、上記各ディスクの軸方向に関する、上記各変位軸の位置を調節する作業が難しい。そこで、この様な構造で本発明を実施すれば、本発明による効果を有効に得られる。
図1〜2は、本発明の実施例を示している。尚、本発明の特徴は、変速比の同期不良や変速比制御が不安定になる事を防止すると共に、十分な耐久性を確保すべく、各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する、各パワーローラ4、7を支持する為の変位軸33、33の組み付け位置の調整作業を容易に行なえる構造を実現する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図3〜6に示した従来構造と同様であるから、重複する図示及び説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分並びに先に説明しなかった部分を中心に説明する。
第一、第二各揺動フレーム21、22の中間部を第一、第二両支持フレーム23、24に対し、それぞれ支持軸48、48を中心とする揺動変位自在に支持している。この為に、これら各支持軸48、48の両端部を、上記両支持フレーム23、24を構成する、これら両支持フレーム23、24毎に1対ずつ設けた支持環20、20に支持固定している。又、上記各揺動フレーム21、22の中間部に、それぞれ支持筒部49、49を設けている。そして、これら各支持筒部49、49の内周面と上記各支持軸48、48の中間部外周面との間に、ラジアルニードル軸受50、50を設けている。更に、上記各支持筒部49、49の軸方向両端面と上記各支持環20、20の側面との間に、それぞれスラストニードル軸受51、51を設置している。これら各スラストニードル軸受51、51はそれぞれ、1対のスラストレース52、52により、放射状に配列された複数本のニードル53、53を配置して成る。
図示の様な、ハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機の運転時には、上記各揺動フレーム21、22に、第一、第二各トラニオン31、32を介して支持した第一、第二各パワーローラ4、7にスラスト荷重が加わり、このスラスト荷重が上記各支持筒部49、49と上記各支持軸48、48との間にラジアル荷重として加わる。又、各入力側ディスク2、5と各出力側ディスク3、6との間の変速比が1(等速伝達)でない限り、上記各パワーローラ4、7に加わるスラスト荷重のうちで上記各ディスク2、3、5、6の軸方向に関する分力が、上記各支持筒部49、49と上記各支持軸48、48との間にスラスト荷重として加わる。本実施例の場合、上記各ラジアルニードル軸受50、50及び上記各スラストニードル軸受51、51により、上述の様なラジアル荷重及びスラスト荷重に拘らず、上記各揺動フレーム21、22の揺動変位を円滑に行なえる様にしている。
又、本実施例の場合には、上記各スラストニードル軸受51、51を上記各スラストレース52、52の厚さ寸法を変える事により、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向(図1〜2の左右方向)に関する前記各変位軸33、33の位置を調節している。そして、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関するこれら各変位軸33、33の位置のずれを、0.05〜0.1mm程度の範囲内で予め設定した規制値以下に納めている。
尚、本実施例の場合には、四輪駆動車用の自動変速装置の変速ユニットとして使用する事を前提としており、第一入力側ディスク2と第一出力側ディスク3との間の変速比と、第二入力側ディスク5と第二出力側ディスク6との間の変速比とは、直進走行時を除いて一致しない。即ち、第一キャビティ46部分の変速比と第二キャビティ47部分の変速比とは、互いに独立して制御する。従って、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する上記各変位軸33、33の位置のずれを上記規制値以下に抑えるのは、同一のキャビティ46(又は47)内に存在する変位軸33同士の間で良い。言い換えれば、異なるキャビティ46、47同士の間で、上記各変位軸33、33の位置のずれを上記規制値以下に抑える必要はない。これに対して、一般的な二輪駆動車用で複数のキャビティを有するトロイダル型無段変速機で本発明を実施する場合には、異なるキャビティ同士の間でも、各変位軸の位置のずれを規制値以下に抑える。
上述の様に構成する本実施例のトロイダル型無段変速機によれば、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する、第一、第二各パワーローラ4、7を支持する為の各変位軸33、33の組み付け位置の調整作業を容易に行なえる。この調整作業は、前記第一、第二各揺動フレーム21、22の中間部に設けた支持筒部49、49の軸方向両端面と、前記第一、第二両支持フレーム23、24を構成する前記各支持環20、20の側面との間に設けた、前記各スラストニードル軸受51、51を構成するスラストレース52、52の厚さ寸法を変える事により行なう。例えば、図2に示した変位軸33の位置を同図の右方に移動させるべく、第一揺動フレーム21を同方向に移動させる為には、同図の右側のスラストニードル軸受51を構成するスラストレース52、52の(合計)厚さ寸法を小さくする。これに合わせて、同図の左側のスラストニードル軸受51を構成するスラストレース52、52の(合計)厚さ寸法を大きくする。上記各スラストレース52、52は、単なる円輪状の平板であり、厚さ寸法が僅かずつ事なるものを多種類用意して適切なものを選択使用する事は容易である。従って、上記各ディスク2、5、3、6の軸方向に関する上記各変位軸33、33の組み付け位置の調整作業も容易に行なえる。そして、調整した状態では、変速比の同期不良や変速比制御が不安定になる事を防止でき、しかも十分な耐久性を確保できる構造を、低コストで実現できる。
尚、図1で、前記第一、第二両支持フレーム23、24の一部に、前記各ラジアルニードル軸受50、50とは別のラジアルニードル軸受54、54を介して、同期ケーブルの中間部を案内する為のガイドローラ55、55を設置している。この同期ケーブルは、同一のキャビティ46(又は47)内に存在する複数のトラニオン31(又は32)同士の間に襷掛けで掛け渡し、これら複数のトラニオン31(又は32)の揺動量を機械的に一致させるものである。この様な同期ケーブルの構造に就いては、トロイダル型無段変速機の技術分野で周知であるから、詳しい図示並びに説明は省略する。
本発明の実施例を示す要部断面図。 図1のA部拡大図。 従来構造の1例を示す断面図。 図3のB−B断面図。 同C−C断面図。 図5とほぼ同じ部分を、第一トラニオンの両端部に設けた第一枢軸の中心軸を含む平面で切断した状態で示す断面図。 トラニオン及び揺動フレームを取り出して、各ディスクの径方向内側から見た図。
符号の説明
1 トロイダル型無段変速機
2 第一入力側ディスク
3 第一出力側ディスク
4 第一パワーローラ
5 第二入力側ディスク
6 第二出力側ディスク
7 第二パワーローラ
8 トルクコンバータ
9 入力軸
9a 前半部
9b 後半部
10 前後進切り換えユニット
11 前進用クラッチ
12 後退用クラッチ
13 前輪用駆動軸
14 後輪用駆動輪
15 キャリア
16 ボールスプライン
17 ローディング装置
18 支持筒
19 ステー
20 支持環
21 第一揺動フレーム
22 第二揺動フレーム
23 第一支持フレーム
24 第二支持フレーム
25 スラスト軸受
26 前輪用出力歯車
27 前輪用従動歯車
28 前輪用デファレンシャルギヤ
29 後輪用出力歯車
30 後輪用従動歯車
31 第一トラニオン
32 第二トラニオン
33 変位軸
34 第一枢軸
35 支持軸
36 支柱部
37a、37b 油圧シリンダ
38a、38b ロッド
39a、39b ピストン
40 制御弁
41 カム面
42 プランジャ
43 スプール
44 スリーブ
45 制御モータ
46 第一キャビティ
47 第二キャビティ
48 支持軸
49 支持筒部
50 ラジアルニードル軸受
51 スラストニードル軸受
52 スラストレース
53 ニードル
54 ラジアルニードル軸受
55 ガイドローラ

Claims (4)

  1. それぞれが断面円弧形の凹面である互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持された入力側ディスク及び出力側ディスクと、これら入力側ディスク及び出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンにそれぞれの基半部を揺動自在に支持された変位軸と、これら各変位軸の先半部周囲に回転自在に支持された状態で上記入力側ディスク及び出力側ディスク同士の間に挟持された、その周面を球状凸面とした複数のパワーローラとを備え、上記各トラニオンは、それぞれの両端部に設けた上記各枢軸をこれら各トラニオンと同数の揺動フレームの両端部に枢支しており、これら各揺動フレームは、それぞれの中間部に設けた支持筒部に上記各トラニオンの周囲に設けた支持フレームに設置した支持軸を挿通すると共に、この支持フレームとの間に設けたアクチュエータにより揺動変位自在としているトロイダル型無段変速機に於いて、上記各揺動フレームの支持筒部の軸方向両端面と上記支持フレームとの間に、それぞれが1対のスラストレース同士の間に複数本のニードルを挟持して成るスラストニードル軸受を設置すると共に、これら各スラストニードル軸受の軸方向寸法を上記各揺動フレーム毎に調節する事により、上記各ディスクの軸方向に関する、上記各変位軸の位置のずれを規制値以下に抑えた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 互いに対向する1対の入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側面との間に存在するキャビティ内に存在する複数の変位軸の位置のずれに関する規制値が、0.1mmである、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 各支持軸はそれぞれの両端部を支持フレームを構成する1対の支持環に支持固定されており、各支持筒部の内周面と上記各支持軸の外周面との間にラジアルニードル軸受が、これら各支持筒部の軸方向両端面と上記両支持環の側面との間にスラストニードル軸受が、それぞれ設置されており、各ディスクの軸方向に関する各変位軸の位置を、これら各スラストニードル軸受を構成するスラストレースの厚さ寸法を変える事により調節している、請求項1〜2の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 各ディスクの中心軸の方向に対する、各トラニオンの両端部に設けた枢軸の中心軸の方向が、直角方向ではない、請求項1〜3の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
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