JP2006008608A - 耐光性に優れた被膜を有するマイクロカプセル農薬組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、太陽光によるマイクロカプセル被膜の分解が小さいことにより、自然環境下での使用において耐光性の優れたマイクロカプセル農薬組成物を提供することにある。
【解決手段】界面重合法を用いたポリウレア樹脂被膜マイクロカプセル農薬組成物において、ポリアミン類として1種又は2種以上のポリオキシアルキレンアミン類を原料として使用する。
【効果】耐光性の優れたマイクロカプセル農薬組成物を得ることができ、自然環境下においてマイクロカプセル中の活性成分の溶出を制御し優れた効果持続性を発揮させることができた。
Description
農薬活性成分の溶出制御を図る技術としては、カプセルの粒径/膜厚の比率範囲を規定して所望の残効性を得る技術(例えば、特許文献1参照。)、膜厚の異なるマイクロカプセルを配合して速効性と残効性の両性能を発揮させる技術(例えば、特許文献2参照。)、異種のポリイソシアネートを適宜混合して使用することにより所望の放出制御能を発現させる技術(例えば、特許文献3参照。)などが知られている。
更には、農薬活性成分の耐光性を向上させる目的でのマイクロカプセル化技術として、ヒンダートアミン類等の紫外線/可視光線吸収性化合物を芯物質に添加して活性成分の光分解を抑制する技術(例えば、特許文献4参照。)、酸化チタン微粒子を芯液に分散させて活性成分の光分解を抑える技術(例えば、特許文献5参照。)などが知られている。
より詳しくは、一般式(I)
H2N-CH(CH3)CH2-[O-CH2CH(CH3)]a-NH2 (I)
(式中、aは0〜40の整数を示す。)、
一般式(II)
H2N-CH(CH3)CH2-[O-CH2CH(CH3)]b-[O-CH2CH2]c-[O-CH2CH(CH3)]d-NH2 (II)
(式中、b、c及びdは0〜40の整数を示す。)
又は一般式(III)
H2N-CH(CH3)CH2-[O-CH2CH(CH3)]a-NH2 (I)
(式中、aは0〜40の整数を示す。)、
一般式(II)
H2N-CH(CH3)CH2-[O-CH2CH(CH3)]b-[O-CH2CH2]c-[O-CH2CH(CH3)]d-NH2 (II)
(式中、b、c及びdは0〜40の整数を示す。)
又は一般式(III)
同様にPolyetheramine D230[CAS 9046−10−0]、Polyetheramine D400[CAS 9046−10−0]、Polyetheramine D2000[CAS 9046−10−0]、Polyetheramine T403[CAS 39423−51−3](以上、BASF製)等があげられ、これらは単独で、又は2種以上併せて用いられる。ポリオキシアルキレンアミン類の使用量はとくに制限されないが、農薬活性成分重量に対して0.05〜30.0重量%であるように使用することが好ましい。
ポリイソシアネート類の使用量はとくに制限されないが、農薬活性成分重量に対するポリイソシアネート類重量が0.05〜30.0重量%であるように使用することが好ましい。
殺虫剤、殺ダニ剤としては、アセタミプリド、アセフェート、アミトラズ、アレスリン、イソキサチオン、イソフェンホス、イミダクロプリド、エスフェンバレレート、エチルチオメトン、エトフェンプロックス、エトリムホス、エンペンスリン、オキサミル、カズサホス、カルボスルファン、クロチアニジン、クロルピクリン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフルアズロン、ケルセン、ジエノクロル、シクロプロトリン、ジノテフラン、シハロトリン、シフルトリン、ジフルベンズロン、シペルメトリン、ジメチルビンホス、ジメトエート、スルプロホス、ダイアジノン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、テトラジホン、テブフェンピラド、テフルスリン、テフルベンズロン、トラロメスリン、トルフェンピラド、ニテンピラム、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリプロキシフェン、ピリミホスメチル、フェノチオカルブ、フェンバレレート、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ブプロフェジン、フルシトリネート、フルバリネート、プロチオホス、プロパホス、プロフェノホス、ヘキシチアゾクス、ペルメトリン、ベンクロチアズ、ベンスルタップ、ベンゾエピン、ベンフラカルブ、ホサロン、ホルモチオン、マラソン、モノクロトホス、フェノブカルブ、プロパルギット、シアノホス、ジクロルボス(DDVP)、メチダチオン(DMTP)、ジクロフェンチオン(ECP)、EPN、フェニトロチオン、イソプロカルブ(MIPC)、フェンチオン(MPP)、カルバリル(NAC)、フェントエート(PAP)、プロポキスル(PHC)、XMC、クロルフェナピル等が挙げられる。
本発明において用いられる溶剤としては、例えば、n−デカン、トリデカン等の炭化水素類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等のアルキルベンゼン類、ドデシルナフタレン等のアルキルナフタレン類、n−ヘキサノール、n−オクタノール等のアルコール類、グリコール類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、マレイン酸エステル類、動植物油類、鉱物油類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いても良いし2種以上を混合して用いても良い。
その使用量は、農薬活性成分重量に対して1.0〜300.0重量%である。
さらに、プロピレングリコール、エチレングリコール等の凍結防止剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、その他必要に応じて、分解防止剤、防腐剤、協力剤等を添加して水中懸濁製剤とすることができる。
実施例1
17.00gのイソプロチオランを17.00gの芳香族炭化水素溶剤(ソルベッソ200、エクソンモービル化学株式会社製)に加え、40℃に加温して溶解させた。撹拌しながら、0.85gのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)を混合した。
この液を、6.32gのポリビニルアルコール(ゴーセノールNK−05、日本合成化学株式会社製)15%水溶液を溶解させた41.54gのイオン交換水中に加え、T.K.オートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて3000rpmで5分間撹拌した。次いで、0.80gのポリオキシアルキレンアミン(JEFFAMINE D−230 polyetheramines、ハンツマン製)を溶解させた16.49gのイオン交換水を滴下し、50℃にて穏やかに5時間撹拌を続け、マイクロカプセルスラリーを得た。
得られた61.76gのマイクロカプセルスラリーに、20.00gのキサンタンガム1%液、10.00gのアルミニウムマグネシウムシリケート4%液、8.24gのイオン交換水を加えて、有効成分濃度10%マイクロカプセル農薬組成物を得た。
本組成物の平均粒子径測定値は、30μmであった。
17.00gのイソプロチオランを17.00gの芳香族炭化水素溶剤(ソルベッソ200、エクソンモービル化学株式会社製)に加え、40℃に加温して溶解させた。撹拌しながら、1.67gのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)を混合した。
この液を、6.32gのポリビニルアルコール(ゴーセノールNK−05、日本合成化学株式会社製)15%水溶液を溶解させた41.54gのイオン交換水中に加え、T.K.オートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて3000rpmで5分間撹拌した。次いで、1.56gのポリオキシアルキレンアミン(JEFFAMINE D−230 polyetheramines、ハンツマン製)を溶解させた14.91gのイオン交換水を滴下し、50℃にて穏やかに5時間撹拌を続け、マイクロカプセルスラリーを得た。
得られた61.76gのマイクロカプセルスラリーに、20.00gのキサンタンガム1%液、10.00gのアルミニウムマグネシウムシリケート4%液、8.24gのイオン交換水を加えて、有効成分濃度10%マイクロカプセル農薬組成物を得た。
本組成物の平均粒子径測定値は、33μmであった。
17.00gのイソプロチオランを17.00gの芳香族炭化水素溶剤(ソルベッソ200、エクソンモービル化学株式会社製)に加え、40℃に加温して溶解させた。撹拌しながら、1.24gのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)を混合した。
この液を、6.32gのポリビニルアルコール(ゴーセノールNK−05、日本合成化学株式会社製)15%水溶液を溶解させた41.54gのイオン交換水中に加え、T.K.オートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて3000rpmで5分間撹拌した。次いで、2.03gのポリオキシアルキレンアミン(JEFFAMINE D−400 polyetheramines)を溶解させた14.87gのイオン交換水を滴下し、50℃にて穏やかに5時間撹拌を続け、マイクロカプセルスラリーを得た。
得られた61.76gのマイクロカプセルスラリーに、20.00gのキサンタンガム1%液、10.00gのアルミニウムマグネシウムシリケート4%液、8.24gのイオン交換水を加えて、有効成分濃度10%マイクロカプセル農薬組成物を得た。
本組成物の平均粒子径測定値は、33μmであった。
17.00gのフェノキサニルを17.00gの芳香族炭化水素溶剤(ソルベッソ200、エクソンモービル化学株式会社製)に加え、40℃に加温して溶解させた。撹拌しながら、0.85gのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)を混合した。
この液を、6.32gのポリビニルアルコール(ゴーセノールNK−05、日本合成化学株式会社製)15%水溶液を溶解させた41.54gのイオン交換水中に加え、T.K.オートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて3000rpmで5分間撹拌した。次いで、0.80gのポリオキシアルキレンアミン(JEFFAMINE D−230 polyetheramines、ハンツマン製)を溶解させた16.49gのイオン交換水を滴下し、50℃にて穏やかに5時間撹拌を続け、マイクロカプセルスラリーを得た。
得られた61.76gのマイクロカプセルスラリーに、20.00gのキサンタンガム1%液、10.00gのアルミニウムマグネシウムシリケート4%液、8.24gのイオン交換水を加えて、有効成分濃度10%マイクロカプセル農薬組成物を得た。
本組成物の平均粒子径測定値は、33μmであった。
18.00gのイソプロチオランを18.00gの芳香族炭化水素溶剤(ソルベッソ200、エクソンモービル化学株式会社製)に加え、40℃に加温して溶解させた。撹拌しながら、1.17gのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)を混合した。
この液を、6.32gのポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05、日本合成化学株式会社製)15%水溶液を溶解させた43.49gのイオン交換水中に加え、T.K.オートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて2500rpmで5分間撹拌した。次いで、0.55gのヘキサメチレンジアミンを溶解させた12.47gのイオン交換水を滴下し、50℃にて穏やかに5時間撹拌を続け、マイクロカプセルスラリーを得た。
得られた58.33gのマイクロカプセルスラリーに、20.00gのキサンタンガム1%液、10.00gのアルミニウムマグネシウムシリケート4%液、11.67gのイオン交換水を加えて、有効成分濃度10%マイクロカプセル農薬組成物を得た。
本組成物の平均粒子径測定値は、31μmであった。
18.00gのイソプロチオランを18.00gの芳香族炭化水素溶剤(ソルベッソ200、エクソンモービル化学株式会社製)に加え、40℃に加温して溶解させた。撹拌しながら、2.34gのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)を混合した。
この液を、6.52gのポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05、日本合成化学株式会社製)15%水溶液を溶解させた44.86gのイオン交換水中に加え、T.K.オートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて2500rpmで5分間撹拌した。次いで、1.10gのヘキサメチレンジアミンを溶解させた9.18gのイオン交換水を滴下し、50℃にて穏やかに5時間撹拌を続け、マイクロカプセルスラリーを得た。
得られた58.33gのマイクロカプセルスラリーに、20.00gのキサンタンガム1%液、10.00gのアルミニウムマグネシウムシリケート4%液、11.67gのイオン交換水を加えて、有効成分濃度10%マイクロカプセル農薬組成物を得た。
本組成物の平均粒子径測定値は、32μmであった。
18.00gのフェノキサニルを18.00gの芳香族炭化水素溶剤(ソルベッソ200、エクソンモービル化学株式会社製)に加え、40℃に加温して溶解させた。撹拌しながら、1.17gのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)を混合した。
この液を、6.32gのポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05、日本合成化学株式会社製)15%水溶液を溶解させた43.49gのイオン交換水中に加え、T.K.オートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて2500rpmで5分間撹拌した。次いで、0.55gのヘキサメチレンジアミンを溶解させた12.47gのイオン交換水を滴下し、50℃にて穏やかに5時間撹拌を続け、マイクロカプセルスラリーを得た。
得られた58.33gのマイクロカプセルスラリーに、20.00gのキサンタンガム1%液、10.00gのアルミニウムマグネシウムシリケート4%液、11.67gのイオン交換水を加えて、有効成分濃度10%マイクロカプセル農薬組成物を得た。
本組成物の平均粒子径測定値は、30μmであった。
10%マイクロカプセル農薬組成物を用い、有効成分濃度100ppmに調製した薬液に、光照射装置(Heraeus社製、SUNTEST CPS)を用いて3.5mw/cm2の光強度で8時間光を照射した。この薬液50mlを100mlシリンダーに入れた後、n−ヘキサン50mlを加えた。シリンダーを2秒に1回の割合で50回転倒させた後、n−ヘキサン層の有効成分濃度を測定し、有効成分全量溶出時の濃度に対する割合を算出した。
光非照射の薬液について同様の操作を行い、光照射によるマイクロカプセル被膜分解による抽出率を比較した。結果を第1表に示す。
Claims (3)
- 農薬活性成分をマイクロカプセル化させ水中に懸濁させてなる農薬組成物であって、該マイクロカプセルの被膜樹脂がポリアミン類とポリイソシアネート類から調製されるポリウレア樹脂であって、ポリアミン類が1種又は2種以上のポリオキシアルキレンアミン類であることを特徴とし、耐光性に優れる被膜で構成されたマイクロカプセル農薬組成物。
- ポリイソシアネート類がヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートから選択される1種又は2種以上の化合物である請求項1又は2いずれか1項記載のマイクロカプセル農薬組成物。
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