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JP2006099813A - 磁気記録媒体用基板の製造方法及びその製造方法を用いた磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用基板の製造方法及びその製造方法を用いた磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Kazuhiro Kusakawa
和大 草川
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Holdings Ltd
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Abstract

【課題】 テクスチャー加工を施すべき基板の表面のスラリーの濡れ性を改善し、テクスチャー加工時に基板の表面に供給するスラリーが基板の表面に均一に広がるようにすることにより、基板表面の均一な加工を可能とし、異常突起の形成を抑制する。
【解決手段】 テクスチャー加工を施すべき基板の表面に砥粒を含むスラリーの濡れ性を改善するための濡れ性改善液をテクスチャー加工を施す前に塗布する濡れ性改善液塗布工程40と、濡れ性改善液で濡れた状態の基板を回転してその表面にスラリーを供給しながらテクスチャー加工を施すテクスチャー加工工程50とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気記録媒体用基板の製造方法及びその製造方法を用いた磁気記録媒体の製造方法に関し、特に、ハードディスク装置(HDD)に搭載する磁気記録媒体に用いて好適なものである。
近年、パソコンやデジタル家電などの記憶装置としてハードディスク装置(HDD)が多く用いられている。
このHDDに搭載される磁気記録媒体としての磁気ディスク(HD)は、一般に、ディスク状の非磁性基体、例えばアルミニウム合金やガラスからなる基体の表面に無電解めっき法でNi−P膜からなる非磁性金属膜を形成し、その表面にテクスチャー加工を施してなる基板を作製し、その基板上に、Cr膜などからなる非磁性金属下地層、Co合金磁性膜などからなる磁気記録層、アモルファスカーボン膜などからなる保護層をスパッタ法などで順次成膜し、その上に液体潤滑剤を塗布することにより潤滑層を成膜してなるものとして構成される。
上述のテクスチャー加工は、磁気記録層に磁気異方性を与えて磁気特性を向上し、また、磁気ヘッドとの摩擦・吸着特性(CSS特性)を向上するために、基板の表面に同心円状の条痕を形成する加工技術であり、回転する基板の表面にスラリーを供給しながら研磨テープを押し付けることでなされるが、磁気ディスクの記録容量を増大させるためには、磁気ヘッドと磁気ディスクの表面との間の距離(磁気ヘッドの浮上量)を小さくする必要があるので、テクスチャー加工においては、その加工液のスラリーに含有する砥粒の粒径を縮小して微細化する必要がある。
その際、テクスチャー加工を施した基板の表面に異常突起があると、その表面上に磁気記録層などを成膜してなる磁気ディスクの表面にそのまま突起として現れるので、異常突起をなくし、またはその高さをできるだけ低くするためのテクスチャー加工技術が望まれている。
スラリーに含有する砥粒の粒径を縮小する際の課題解決を示すものとしては、例えば、特許文献1には、基板の表面の親水性を高めることにより、砥粒の粒径を縮小しても短時間で十分かつ均一なテクスチャーを形成できることが記載されている。
特開2003−30821号公報 特開2001−341058号公報 特開平10−188273号公報
近年、デジタル家電などの普及に伴って磁気ディスクの記録容量のさらなる増大、従って磁気ヘッド浮上量のさらなる低下が求められている情況にあり、最近では0.25マイクロインチという低浮上量での磁気ヘッドの安定浮上走行が要求されている。
このように磁気ヘッドの浮上量が著しく低いため、磁気ディスクの表面に異常突起があるとヘッドクラッシュを招き、磁気ディスクの表面を傷つけることがある。また、ヘッドクラッシュに至らないような微小な突起でも情報の読み書きの際に種々のエラーの原因となり易い。
このため、テクスチャー加工において、基板表面の異常突起の形成をなくし、またはその高さをできるだけ低くすることが必要であるが、テクスチャー加工時に基板の表面に供給するスラリーが基板の表面に短時間で均一に広がらないと、スラリー中に浮遊しているダイヤモンドなどの砥粒の基板上での分散量が異なる(分散状態が均一でない)ことにより、基板表面の均一な加工ができずに異常突起が形成され易くなる恐れがある。
本発明は、上述の点に鑑み、テクスチャー加工を施すべき基板の表面のスラリーの濡れ性を改善し、テクスチャー加工時に基板の表面に供給するスラリーが基板の表面に均一に広がるようにすることにより、基板表面の均一な加工を可能とし、異常突起形成の抑制が可能な磁気記録媒体用基板の製造方法及びその製造方法を用いた磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の磁気記録媒体用基板の製造方法は、テクスチャー加工を施すべき基板の表面に砥粒を含むスラリーの濡れ性を改善するための濡れ性改善液をテクスチャー加工を施す前に塗布する濡れ性改善液塗布工程と、該濡れ性改善液で濡れた状態の基板を回転してその表面に前記スラリーを供給しながらテクスチャー加工を施すテクスチャー加工工程とを備えることを特徴とする。
ここで、濡れ性改善液は、テクスチャー加工を施すべき基板の表面への接触角が前記スラリーのそれよりも小さい液体からなり、また、スラリーから砥粒を除いた成分の液体からなることが好ましく、濡れ性改善液の塗布は、ディプコート法又はスピンコート法により行うことができる。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明の磁気記録媒体用基板の製造方法により製造された磁気記録媒体用基板上に、少なくともCo合金磁性膜などからなる磁気記録層を成膜する成膜工程を備えることを特徴とする。
本発明においては、スラリーの濡れ性を改善するための濡れ性改善液をテクスチャー加工を施す前に基板の表面に塗布することにより基板表面のスラリーの濡れ性を改善しているので、その濡れ性改善液で濡れた状態で回転する基板の表面に供給されるスラリーは、基板の回転により短時間で均一に基板の表面に広げられることとなる。
本発明によれば、スラリーの濡れ性を改善するための濡れ性改善液をテクスチャー加工を施す前に基板の表面に塗布することにより、テクスチャー加工時に供給されるスラリーが基板の表面に均一に広がるようにしたので、砥粒の分散状態に分布のない均一な加工が可能となり、異常突起の形成を抑制することができる。従って、異常突起の高さを低くして低浮上量での磁気ヘッドの安定浮上走行を可能とし、以って記録容量の増大を図ることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明により製造する磁気記録媒体の実施形態を示す断面模式図である。
図1に示すように、本発明により製造する実施形態の磁気記録媒体100は、本発明により製造する実施形態の磁気記録媒体用基板10上に、非磁性金属下地層11、磁気記録層12、保護層13及び潤滑層14が順次積層されてなる。
その磁気記録媒体用基板10は、ディスク状の非磁性基体1上に非磁性金属膜2を備えてなることが好ましい。非磁性基体1としてガラス基板などを用いる場合には、非磁性基体1自体を基板10として非磁性金属膜2を不要とすることもできる。
図示はしてないが、非磁性金属膜2、非磁性金属下地層11、磁気記録層12、保護層13及び潤滑層14は、非磁性基体1の他面側にも同様に設けることができる。
この実施形態の磁気記録媒体100の製造方法は、図2に示すように、ディスク状の非磁性基体1上に非磁性金属膜2を無電解めっきするめっき工程20と、このめっきされた非磁性金属膜2の表面を研磨する研磨工程30と、この研磨された非磁性金属膜2の表面に砥粒を含むスラリーの濡れ性を改善するための濡れ性改善液を塗布する濡れ性改善液塗布工程40と、この濡れ性改善液で濡れた状態の基板10を回転してその表面にスラリーを供給しながらテクスチャー加工を施すテクスチャー加工工程50とからなる基板製造工程200と、この基板製造工程200により製造された磁気記録媒体用基板10上に、非磁性金属下地層11、磁気記録層12、保護層13及び潤滑層14を順次成膜する成膜工程60とを備える。
〔基板製造工程200の説明〕
めっき工程20では、公称直径2.5インチ、3インチ、3.3インチ、3.5インチ、5インチなどのアルミニウム合金基板又はガラス基板などをディスク状の非磁性基体1として用い、その両面に、無電解めっき法でNi−P膜などを非磁性金属膜2として形成して基板10することが好ましい。
なお、ガラス基板などからなる非磁性基体1そのものを基板10とする場合には、このめっき工程20は不要である。
研磨工程30としては、周知の両面研磨装置を用いて基板10の両面を同時に鏡面研磨することが好ましい。研磨した基板10は洗浄・乾燥してテクスチャー加工に備える。
濡れ性改善液塗布工程40では、テクスチャー加工に用いるスラリーから砥粒を除いた成分の液体を濡れ性改善液として基板10の表面に均一に塗布することが好ましく、ディプコート法又はスピンコート法により基板10の両面に塗布することができる。
この塗布は、濡れ性改善液をディプコートするためのディップ槽及びそのディップ槽内への基板10の上下機構やスピンコートするための濡れ性改善液の塗布ノズルをテクスチャー加工装置に付加して行うことができる。濡れ性改善液の塗布ノズルを付加する場合には、テクスチャー加工装置の基板回転機構を利用して濡れ性改善液をスピンコートすることができるので好適である。
テクスチャー加工工程50としては、周知のテクスチャー加工装置を用い、基板10を回転してその表面に研磨布(好ましくは研磨テープ)を接触させ、その接触部にダイヤモンドなどの研磨砥粒を分散浮遊させたスラリーをスラリー供給ノズルから滴下することにより行うことができる。
このテクスチャー加工に用いるスラリーから砥粒を除いた成分の液体を濡れ性改善液として濡れ性改善液塗布工程40で均一に塗布しておくことにより、スラリーの基板10上での親和性が良くなるため、テクスチャー加工時にスラリーが短時間で均一に広がることができ、スラリー中に浮遊しているダイヤモンドなどの砥粒の基板に対する分散状態が均一になる。そのため、基板にテクスチャームラのない均一な加工ができ、異常突起の形成が抑制される。
〔成膜工程60の説明〕
成膜工程60は、テクスチャー加工工程50でテクスチャー加工を施した後、洗浄・乾燥した基板10上に、非磁性金属下地層11、磁気記録層12、保護層13及び潤滑層14を順次成膜する各成膜工程からなる。
非磁性金属下地層11としては、スパッタ法により成膜することが好ましく、また、組成は慣用のものでよく特に限定されないが、例えば、Cr、Cr−W、Cr−V、Cr−Mo、Cr−Si、Ni−Al、Co−Cr、Mo、W、Ptなどからなり、多層構造のものであってもよい。膜厚は20nm以下であり、好ましくは10〜20nmである。
磁気記録層12としては、スパッタ法により成膜することが好ましく、記録層として使用できる強磁性金属を含み、例えば、CoCrTaPt、CoCrTaPt-Cr2O3、CoCrTaPt-SiO2、CoCrTaPt-ZrO2、CoCrTaPt-TiO2、CoCrTaPt-Al2O3などを成分とするCo合金磁性膜などからなり、多層構造のものであってもよい。膜厚は20nm以下であり、好ましくは10〜20nmである。
保護層13としては、スパッタ法又はプラズマCVD法により成膜することが好ましく、磁気記録層12を磁気ヘッドの衝撃、外界の腐食性物質などの腐食から保護する機能を有するもので、水素添加アモルファスカーボンや窒素添加アモルファスカーボンなどからなるカーボン保護膜が好ましい。膜厚は5.0nm以下であり、好ましくは2.0〜4.0nmである。
潤滑層14としては、液体潤滑剤を塗布することにより成膜することが好ましく、その液体潤滑剤は、パーフルオロ-ポリエーテルが好ましく、Z-dol、Z-tetraol、Z-dol TX、AM(アウジモント社商品名)など、いずれの液体潤滑剤でもよい。膜厚は2.0nm以下であり、好ましくは1.0〜1.5nmである。
以上のようにして作製した磁気記録媒体について、磁気ヘッドの安定飛行を保証できる浮上量を測定すると、濡れ性改善液塗布工程40を設けたことにより、濡れ性改善液塗布工程40のない従来のものと比較して、砥粒の分散状態に分布のない均一な加工がなされて異常突起の形成が抑制され、異常突起の高さを低くすることができるので、磁気ヘッドは低浮上量でも安定飛行することができる。
本発明により製造する磁気記録媒体の実施形態の構成を示す断面模式図である。 本発明に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を用いた磁気記録媒体の製造方法の実施形態の構成を示す工程図である。
符号の説明
1 非磁性基体
2 非磁性金属膜
10 磁気記録媒体用基板
11 非磁性金属下地層
12 磁気記録層
13 保護層
14 潤滑層
100 磁気記録媒体
200 基板製造工程

Claims (5)

  1. テクスチャー加工を施すべき基板の表面に砥粒を含むスラリーの濡れ性を改善するための濡れ性改善液をテクスチャー加工を施す前に塗布する濡れ性改善液塗布工程と、
    該濡れ性改善液で濡れた状態の基板を回転してその表面に前記スラリーを供給しながらテクスチャー加工を施すテクスチャー加工工程とを備えることを特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法。
  2. 前記濡れ性改善液は、テクスチャー加工を施すべき基板の表面への接触角が前記スラリーのそれよりも小さい液体からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  3. 前記濡れ性改善液は、前記スラリーから砥粒を除いた成分の液体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  4. 前記濡れ性改善液塗布工程における濡れ性改善液の塗布は、ディプコート法又はスピンコート法により行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにより製造された磁気記録媒体用基板上に、少なくとも磁気記録層を成膜する成膜工程を備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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