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JP2006096201A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置 Download PDF

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JP2006096201A JP2004285151A JP2004285151A JP2006096201A JP 2006096201 A JP2006096201 A JP 2006096201A JP 2004285151 A JP2004285151 A JP 2004285151A JP 2004285151 A JP2004285151 A JP 2004285151A JP 2006096201 A JP2006096201 A JP 2006096201A
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Koichi Nakazato
浩一 中里
Hideyuki Saeki
秀之 佐伯
Akinori Aoyanagi
成則 青柳
Takeshi Nakajima
中島  剛
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】モータと従駆動輪との間に介装されたクラッチを走行中に解放状態に移行する際におけるショック発生を防止することが可能な車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】走行中において、4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行して、クラッチ12を解放するに際し、モータトルクを一定に保持し、その保持するトルクを、クラッチ12でのトルクを略ゼロとするのにモータで出力が要求されるクラッチ解放トルクとする。このとき、クラッチ下流側でのトルクがゼロより若干大きな値となるトルクをクラッチ解放トルクとする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、主駆動輪をエンジンなどの主駆動源で駆動し、4輪駆動状態では従駆動輪をモータで駆動する車両の駆動力制御装置に関する。
従来、前輪をエンジンで駆動し、後輪をモータで駆動可能とし、モータから後輪軸までのトルク伝達経路にクラッチや減速機が介装されている車両の駆動力制御装置としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。
この特許文献1に記載の従来技術では、走行中において4輪駆動状態へ移行する際には、モータの回転速度が、車軸の回転速度に相当する速度と等しくなるように、モータを空転させてからクラッチを接続することで、クラッチ接続時のショック発生を回避している。
この従来技術では、クラッチの出力軸側と入力軸側の回転速度差がクラッチ動作時におけるショック発生の原因と考えるものである。したがって、この技術思想からすると、クラッチを解放状態に移行させる際には、当然に出力軸側と入力軸側との間に回転速度差が無いので、クラッチの出力軸側と入力軸側の回転速度を合わせる処理を行う必要はないし、ショックも発生することがないと考えるのが通常である。しかしながら、上記クラッチを解放するときにショックが発生する場合がある。
そして、クラッチ解放時のショックをより低減するために、例えば特許文献2などに記載されているように、モータの目標トルク指令値を、クラッチでのトルクを略ゼロとするに必要なクラッチ解放トルクとなるように調整してからクラッチを解放することで、クラッチ解放時のショックを低減している。
特開平11−243608号公報 特開2004−122998号公報
しかし、クラッチ解放までの時間を短くするために、走行中に4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行となったと判定したら、直ぐにクラッチ解放の指令値にモータを制御すると、上記クラッチ解放トルクに制御しても、走行シーンによっては、所定以上のショックが発生することを本願発明者らは確認した。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行の際のクラッチ解放時のショックを低減することを課題としている。
上記課題を解決するために、本願発明は、主駆動輪を駆動する主駆動源と、従駆動輪に駆動トルクを伝達可能なモータと、上記モータから従駆動輪までのトルク伝達経路に介装されたクラッチとを備えた車両の駆動力制御装置である。そして、車両走行中に4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行すると判定すると、モータの制御指令を所定のクラッチ解放指令値に設定してからクラッチを解放する際に、クラッチよりも従駆動輪側にある下流トルク伝達経路でのトルクがゼロより若干大きなトルク状態と推定される状態で上記クラッチの解放を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、早めにクラッチを解放するために、車両走行中に4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行すると判定したらすぐにモータの制御指令値をクラッチ解放時の制御状態としても、クラッチ解放時のショックを低減することが可能である。
次に、本発明に係る第1実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る車両のシステム構成を説明する図である。
この図1に示すように、本実施形態の車両は、左右前輪1L、1Rが、エンジン2によって駆動される主駆動輪であり、左右後輪3L、3Rが、モータ4によって駆動可能な従駆動輪である。上記エンジン2の出力トルクTeは、変速機30及びディファレンスギア31を通じて左右前輪1L、1Rに伝達される。
上記変速機30には、現在の変速のレンジを検出するシフト位置検出手段32が設けられ、該シフト位置検出手段32は、検出したシフト位置信号を4WDコントローラ8に出力する。
上記変速機30は、不図示の変速制御部からのシフト命令に基づき変速操作を行う。変速制御部は、例えば車速とアクセル開度に基づく変速シフトスケジュールをテーブルなどの情報として有していて、現在の車速及びアクセル開度に基づき変速点を通過すると判定するとシフト命令を変速機30に出力する。
上記エンジン2の吸気管路14(例えばインテークマニホールド)には、メインスロットルバルブ15とサブスロットルバルブ16が介装されている。メインスロットルバルブ15は、アクセル開度指示装置(加速指示操作部)であるアクセルペダル17の踏み込み量等に応じてスロットル開度が調整制御される。このメインスロットルバルブ15は、アクセルペダル17の踏み込み量に機械的に連動するか、あるいは当該アクセルペダル17の踏み込み量を検出するアクセルセンサ40の踏み込み量検出値に応じて、エンジンコントローラ18が電気的に調整制御することで、そのスロットル開度が調整される。上記アクセルセンサ40の踏み込み量検出値は、4WDコントローラ8にも出力される。
また、サブスロットルバルブ16は、ステップモータ19をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整制御される。上記ステップモータ19の回転角は、モータコントローラ20からの駆動信号によって調整制御される。なお、サブスロットルバルブ16にはスロットルセンサが設けられており、このスロットルセンサで検出されるスロットル開度検出値に基づいて、上記ステップモータ19のステップ数はフィードバック制御される。ここで、上記サブスロットルバルブ16のスロットル開度をメインスロットルバルブ15の開度以下等に調整することによって、運転者のアクセルペダルの操作とは独立して、エンジン2の出力トルクを制御することができる。
また、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数検出センサ21を備え、エンジン回転数検出センサ21は、検出した信号をエンジンコントローラ18及び4WDコントローラ8に出力する。
また、符号34はブレーキペダルであって、そのブレーキペダル34のストローク量がブレーキストロークセンサ35によって検出される。該ブレーキストロークセンサ35は、検出したブレーキストローク量を制動コントローラ36及び4WDコントローラ8に出力する。
制動コントローラ36は、入力したブレーキストローク量に応じて、各車輪1L、2R、3L、3Rに装備したディスクブレーキなどの制動装置37FL、37FR、37RL、37RRを通じて、車両に作用する制動力を制御する。
また、符号39は、駆動モードスイッチであって、2WDと4WDとの切替指令を出力するものである。
また、上記エンジン2の回転トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達されることで、上記発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転する。
上記発電機7は、図2に示すように、出力電圧Vを調整するための電圧調整器22(レギュレータ)を備え、発電機制御指令値c1(デューティ比)に応じた界磁電流Ifhに調整されることで、エンジン2に対する発電負荷及び発電する電圧Vが制御される。すなわち、電圧調整器22は、発電機制御部8Eから発電機制御指令c1(デューティ比)を入力し、その発電機制御指令c1に応じたデューティ比に発電機7の界磁電流Ifhを調整すると共に、発電機7の出力電圧Vを検出し4WDコントローラ8に出力する。
なお、発電機7の回転数Nhは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
その発電機7が発電した電力は、電線9を介してモータ4に供給可能となっている。その電線9の途中にはジャンクションボックス10が設けられている。上記モータ4(電動機)の駆動軸は、減速機11及びクラッチ12を介して後輪3L、3Rに接続可能となっている。符号13はデフを表す。
また、上記ジャンクションボックス10内には電流センサ23が設けられ、該電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電機子電流値Iatを検出し、当該検出した電機子電流Iatの信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)が4WDコントローラ8で検出される。符号24は、リレーであり、4WDコントローラ8から指令によってモータ4に供給される電圧(電流)の遮断及び接続が制御される。
また、モータ4は、4WDコントローラ8からの指令によって界磁電流Ifmが制御され、その界磁電流Ifmの調整によって駆動トルクが目標モータトルクTmに調整される。なお、符号25はモータ4の温度を測定するサーミスタである。
上記モータ4の駆動軸の回転数Nmを検出するモータ用回転数センサ26を備え、該モータ用回転数センサ26は、検出したモータ4の回転数信号を4WDコントローラ8に出力する。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
4WDコントローラ8は、図3に示すように、目標モータトルク演算部8A、モータ制御部8B、リレー制御部8C、クラッチ制御部8D、発電機制御部8E、及びクラッチ解放前処理部8Fを備え、駆動モードスイッチ39が4WD状態の場合に作動する。
リレー制御部8Cは、発電機7からモータ4への電力供給の遮断・接続を制御し、4輪駆動状態となっている間は、リレー24を接続状態とする。
クラッチ制御部8Dは、上記クラッチ12の状態を制御し、4輪駆動状態と判定している間はクラッチ12を接続状態に制御する。
上記目標モータトルク演算部8Aは、余剰トルク演算部8Aa、加速アシストトルク演算部8Ab、及びモータトルク決定部8Acを備える。
余剰トルク演算部8Aaは、前輪の加速スリップに応じた余剰のエンジントルクを演算する手段であって、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づき、次のような処理を行う。
すなわち、図4に示すように、先ず、ステップS10において、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRからの信号に基づき演算した、前輪1L、1R(主駆動輪)の車輪速から後輪3L、3R(従駆動輪)の車輪速を減算することで、前輪1L、1Rの加速スリップ量であるスリップ速度ΔVFを求め、ステップS20に移行する。
ここで、スリップ速度ΔVFの演算は、例えば、次のように行われる。
前輪1L、1Rにおける左右輪速の平均値である平均前輪速VWf、及び後輪3L、3Rにおける左右輪速の平均値である平均後輪速VWrをそれぞれ算出する。次に、上記平均前輪速VWfと平均後輪速VWrとの偏差から、主駆動輪である前輪1L、1Rの加速スリップ度合を示すスリップ速度(加速スリップ量)ΔVFを、下記式により算出する。
ΔVF = VWf −VWr
ステップS20では、上記求めたスリップ速度ΔVFが所定値、例えばゼロより大きいか否かを判定する。スリップ速度ΔVFが0以下と判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていないと推定されるので、ステップS100に移行し、Tm1にゼロを代入した後、復帰する。
一方、ステップS20において、スリップ速度ΔVFが0より大きいと判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていると推定されるので、ステップS40に移行する。
ステップS40では、前輪1L、1Rの加速スリップを抑えるために必要な吸収トルクTΔVFを、下記式によって演算してステップS50に移行する。この吸収トルクTΔVFは加速スリップ量に比例した量となる。
TΔVF = K1 × ΔVF
ステップS50では、現在の発電機7の負荷トルクTGを、下記式に基づき演算したのち、ステップS60に移行する。
TG =K2・(Vg × Ia)/(K3 × Nh)
ここで、
Vg:発電機の電圧
Ia:発電機の電機子電流
Nh:発電機の回転数
K3:効率
K2:係数
である。
ステップS60では、下記式に基づき、余剰トルクつまり発電機7で負荷すべき発電負荷トルクThを求め、ステップS70に移行する。
Th = TG + TΔVF
次に、ステップS70では、上記発電負荷トルクThが、仕様等から定まる発電機7の最大負荷容量HQより大きいか否かを判定する。発電負荷トルクThが当該発電機7の最大負荷容量HQ以下と判定した場合には、ステップS90に移行する。一方、目標発電負荷トルクThが発電機7の最大負荷容量HQを越えている場合には、ステップS80にて、発電負荷トルクThを最大負荷容量HQに制限してステップS90に移行する。
ステップS90では、上記発電機負荷トルクThに応じた第1目標モータトルクTm1を求めて処理を終了する。この第1目標モータトルクTm1は、前輪の加速スリップ量に応じた目標モータトルクとなる。なお、上記処理では、一度、発電機7での負荷トルクThを求めてから第1目標モータトルクTm1を演算しているが、前輪1L、1Rの加速スリップ量に対し直接に所定ゲインを乗算して第1目標モータトルクTm1を演算しても良い。
次に、加速アシストトルク演算部8Abの処理について説明する。
加速アシストトルク演算部8Abは、図5に示すマップに基づき、車両速度とアクセル開度θ(運転者による加速指示量)に応じた第2目標モータトルクTm2を演算する。この第2目標モータトルクTm2は、アクセル開度θが大きい程大きく且つ、車両速度が小さい程小さい値となり、所定車両速度以上ではゼロとなるように設定される。所定車両速度とは、例えば、車両が発進状態から脱したと推定される低速の車両速度とする。
ここで、上記第2目標モータトルクTm2を演算する際の特性値は、第2目標モータトルクの最大値(図5中のCONSTの部分)が通常想定される路面での発進が可能と思われるモータトルクとなるように設定されたものである。若しくは、上記特性値は、深雪などの走行抵抗が大きい路面での発進を可能とすべく、第2目標モータトルクの最大値(図5中のCONSTの部分)がモータ特性において許容される最大値となるように設定する。
次に、モータトルク決定部8Acは、上記余剰トルク演算部8Aa及び加速アシストトルク演算部8Abが演算した第1及び第2目標モータトルクTm1、Tm2についてセレクトハイを行い、大きい方の値を目標モータトルクTmとして決定し、モータ制御部8Bに出力する。
次に、モータ制御部8Bの処理について、図6を参照しつつ説明する。
モータ制御部8Bは、所定サンプリング時間毎に作動し、まず、ステップS200で、目標モータトルクTmが「0」より大きいか否かを判定する。Tm>0と判定されれば、前輪1L、1Rが加速スリップしているなど4輪駆動状態(モータ駆動要求状態)であるので、ステップS210に移行する。また、Tm≦0と判定されれば、4輪駆動状態(モータ駆動要求状態)でないので、ステップS270に移行して発電停止(目標発電トルクV=0)の信号など2輪駆動状態の各種の信号を出力して復帰する。
ステップS210では、4輪駆動状態から2輪駆動状態への移行か否かを判定し、2輪への移行と判定した場合にはステップS280に移行し、ステップS280にて、クラッチ解放前処理部を起動した後に、復帰する。例えば、目標モータトルクTmが所定値以下となったり、モータ回転数が許容限界回転数に近づいたと判定したり、変速機30のレンジが非駆動レンジ(パーキング又はニュートラル)となっていたりすると、2輪駆動状態への移行と判定する。一方、4輪駆動状態であればステップS220に移行する。
ステップS220では、クラッチ制御部8Dにクラッチオン指令を出力してステップS240に移行する。
次に、ステップS240では、モータ用回転数センサ21が検出したモータ4の回転数Nmを入力し、そのモータ4の回転数Nmに応じた目標モータ界磁電流Ifmを算出し、当該目標モータ界磁電流Ifmをモータ界磁電流の目標値とした後、ステップS250に移行する。なお、センサで検出された界磁電流値の目標モータ界磁電流Ifmに対する偏差に基づきフィードバック制御が行われる。
ここで、上記モータ4の回転数Nmに対する目標モータ界磁電流Ifmは、回転数Nmが所定回転数以下の場合には一定の所定電流値とし、モータ4が所定の回転数以上になった場合には、公知の弱め界磁制御方式でモータ4の界磁電流Ifmを小さくする。すなわち、モータ4が高速回転になるとモータ誘起電圧Eの上昇によりモータトルクが低下することから、上述のように、モータ4の回転数Nmが所定値以上になったらモータ4の界磁電流Ifmを小さくして誘起電圧Eを低下させることでモータ4に流れる電流を増加させて所要モータトルクを得るようにする。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ誘起電圧Eの上昇を抑えてモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクを得ることができる。
次に、ステップS250では、上記目標モータトルクTm及び目標モータ界磁電流Ifmを変数として、マップなどに基づき、対応する目標電機子電流Iaを求め、ステップS260に移行する。
ステップS260では、目標電機子電流Ia、及びモータの実電機子電流値Iatを出力して処理を終了する。
ここで、発電機制御部8Eでは、現在の発電電圧を入力しつつ、目標電機子電流Iaに基づき、下記のように発電制御指令値(デューティ比)c1を演算し、電圧調整器22を介して、発電機制御指令値c1に応じた値に発電機7の界磁電流Ifhを調整することで、発電機7の出力電圧を制御する。
上述の目標電機子電流Iaに基づく発電制御指令値c1の演算を説明する。
エンジン回転数(発電機の回転数)の状態などによって発電出力が変化することを考慮して、下記のような比例項(P制御)、積分項(I制御)、及びフィードフォワード項(F/F制御)の和から発電目標値を演算し、その演算した発電目標値から発電制御指令値c1(但し、上限値及び下限値の制限を加えている)を求めている。
比例項(P制御):(Iat −Ia)×Gp =Iap
積分項(I制御):(Iat −Ia)×Gi +Iai(前回値)=Iai
フィードフォワード項(F/F制御):発電機回転数及び発電機電圧、及び目標電機子電流Iaに基づき予め設定したマップから演算される値=Iaff
但し、Iatはモータの実電機子電流値
発電目標値 =Iap +Iai +Iaff
c1 ←F(発電目標値)
次に、ステップS280のクラッチ解放前処理を行うクラッチ解放前処理部8Fの処理を、図7及び図8を参照して説明する。
まずステップS310にて、解放前処理中フラグCLK−FLGがONか否かを判定し、ONつまりクラッチ解放前処理中と判定した場合にはステップS500(図8)に移行する。一方、OFFつまりクラッチ解放前処理中でないと判定した場合にはステップS320に移行する。
ステップS320では、変速機のシフトが1速か否かを判定し、1速の場合にはステップS330に移行し、そうでなければステップS380にて、変速機のシフトが2速か否かを判定し、2速と判定した場合にはステップS390に移行し、そうでない場合、本実施形態では、変速機のシフトが変速中の場合にはステップS420に移行する。
ステップS330では、アクセルセンサからの信号に基づき、アクセル開度が4%以上か否かを判定し、アクセル開度が4%以上の場合にはステップS340に移行し、4%未満の場合にはステップS350に移行する。
アクセル開度が4%未満とは、アクセルペダルが踏まれていない状態か、踏まれていても車両の加速に影響の無い程度の加速指示量であることを示す。つまり、アクセル開度4%未満とはアクセル・オフ(加速指示無し、以下同様)を示し、アクセル開度4%以上とはアクセル・オン(加速指示有り、以下同様)を示している。
ステップS340では、1速で且つアクセル・オンの状態での第1クラッチ解放指令値の設定してステップS450に移行する。
すなわち、クラッチ下流側で若干プラスのトルクが発生すると推定される目標モータトルクとなる、第1終了時電機子電流D−Ia1(例えば24A)及び第1終了時界磁電流D−Ifm1(例えば3A)に、終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmを設定すると共に、界磁電流の目標減少変化率Difとして第1変化率Dif1(例えば0.3A/10ms)を設定する。さらに、クラッチ解放時間CLH−CNTとして第1クラッチ解放時間CNT1(例えば330msに相当するカウント値)を設定する。
ここで、上記第1クラッチ解放時間CNT1は、クラッチ解放指令値への切換による振幅が小さくなってクラッチでのトルクがマイナスに振れることが無いだけ安定した状態になったと推定できる経過時間である。また、サンプリング時間を考慮して、目的の経過時間に対応したカウント値で設定してある。
また、本実施形態では、目標電機子電流値Iaは、2輪移行と判定すると一気に上記クラッチ解放指令値としての終了時電機子電流D−Iaに設定される。また、目標界磁電流Ifmについても短期間(大きな減少変化率)で上記クラッチ解放指令値としての終了時界磁電流D−Ifmに設定される。
ステップS450では、解放前処理中フラグCLK−FLGをONにして復帰し、上述のステップS260に移行する。
また、ステップS350では、後輪速が所定車輪速、本実施形態では19km/h以上か否かを判定し、所定車輪速以上と判定した場合にはステップS360に移行し、所定車速未満の場合にはステップS370に移行する。
ステップS360では、1速で且つアクセル・オフ且つ後輪速が所定以上の状態の第2クラッチ解放指令値の設定してステップS450に移行する。
すなわち、クラッチ下流側で若干プラスのトルクが発生すると推定される目標モータトルクとなる、第1終了時電機子電流D−Ia1(例えば24A)及び第1終了時界磁電流D−Ifm1(例えば3A)に終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmを設定すると共に、界磁電流の目標減少変化率Difとして第1変化率Dif1(例えば0.3A/10ms)を設定する。さらに、クラッチ解放時間CLH−CNTとして第1クラッチ解放時間CNT1(例えば330msに相当するカウント値)を設定する。この設定値は上記第1クラッチ解放指令値と同じである。但し、第2クラッチ解放指令値では、発電機制御部8EでのPゲインGapを、第1クラッチ解放指令値の状態よりも大きくする。例えば、第1クラッチ解放指令ではGapを70とし、第2クラッチ解放指令ではGapを84とする。
これは第2クラッチ解放指令の状態では、アクセル・オフのためにエンジン回転数(発電機の回転数)が低下して発電の比例ゲインを大きくしないと目標とする電機子電流を稼げないおそれがあるからである。
また、ステップS370では、1速で且つアクセル・オフ且つ後輪速が所定未満の状態の第3クラッチ解放指令値の設定してステップS450に移行する。
すなわち、クラッチ下流側で若干プラスのトルクが発生すると推定される目標モータトルクとなる、第2終了時電機子電流D−Ia2(例えば30A)及び第1終了時界磁電流D−Ifm1(例えば3A)に終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmを設定すると共に、界磁電流の目標減少変化率Difとして第1変化率Dif1(例えば0.3A/10ms)を設定する。さらに、クラッチ解放時間CLH−CNTとして第2クラッチ解放時間CNT2(例えば140msに相当するカウント値)を設定する。また、第3クラッチ解放指令値では、発電機制御部8EでのPゲインGapを、第1クラッチ解放指令値の状態よりも大きくする。例えば、第1クラッチ解放指令ではGapを70とし、第2クラッチ解放指令ではGapを84とする。
ここで、上記第2クラッチ解放時間CNT2は、クラッチ解放指令値への切換による振幅が小さくなってクラッチでのトルクが安定すると推定する経過時間よりも短い時間である。
また、第3クラッチ解放指令値では、第1及び第2クラッチ解放指令値よりも若干終了時電機子電流D−Iaが高めに設定されることから、クラッチ解放指令値としての目標モータトルク値が、上記第1及び第2クラッチ解放指令値の場合に比べて更に高く設定される。また、クラッチ切断までの時間も短く設定される。
また、2速と判定されるとステップS390に移行し、アクセルセンサからの信号に基づき、アクセル開度が4%以上か否かを判定し、アクセル開度が4%以上の場合にはステップS400に移行し、4%未満の場合にはステップS410に移行する。
ステップS400では、2速で且つアクセル・オンの状態の第4クラッチ解放指令値の設定してステップS450に移行する。
すなわち、クラッチ下流側で若干プラスのトルクが発生すると推定される目標モータトルクとなる、第3終了時電機子電流D−Ia3(例えば27A)及び第2終了時界磁電流D−Ifm2(例えば2.5A)に終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmを設定すると共に、界磁電流の目標減少変化率Difとして第1変化率Dif1より小さな第2変化率Dif2(例えば0.1A/10ms)を設定する。さらに、クラッチ解放時間CLH−CNTとして第1クラッチ解放時間CNT1(例えば330msに相当するカウント値)を設定する。また、第4クラッチ解放指令値では、発電機制御部8EでのPゲインGapを、第1クラッチ解放指令値の状態と等しい値、例えばGapを70とする。
この第4クラッチ解放指令値では、第1クラッチ解放指令値における目標モータトルク値とほぼ等しいトルク値となるが、第1クラッチ解放指令値に比べて、終了時界磁電流D−Ifm指令値を低めに設定すると共に終了時電機子電流D−Ia値を高めに設定している。さらに、終了時界磁電流D−Ifm指令値を低めに設定することによる実電機子電流の跳ね上がりを防止する目的で、界磁電流の目標減少変化率Difを、第1クラッチ解放指令値よりも小さく設定している。
また、ステップS410では、2速で且つアクセル・オフの状態の第5クラッチ解放指令値の設定してステップS450に移行する。
すなわち、クラッチ下流側で若干プラスのトルクが発生すると推定される目標モータトルクとなる、第3終了時電機子電流D−Ia3(例えば27A)及び第3終了時界磁電流D−Ifm3(例えば1.9A)に終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmを設定すると共に、界磁電流の目標減少変化率Difとして第1変化率Dif1より小さな第2変化率Dif2(例えば0.1A/10ms)を設定する。さらに、クラッチ解放時間CLH−CNTとして第1クラッチ解放時間CNT1(例えば330msに相当するカウント値)を設定する。また、第5クラッチ解放指令値では、発電機制御部8EでのPゲインGapを、第1クラッチ解放指令値の状態と等しい値、例えばGapを70とする。
つまり、第5クラッチ解放指令値では、第4クラッチ解放指令値とほぼ同じであるが、終了時界磁電流D−Ifm値を第4クラッチ解放指令値よりも低めに設定している。
また、変速機のシフトが1速でも2速でもない、本実施形態では変速中と判定した場合にはステップS420に移行して、アクセルセンサからの信号に基づき、アクセル開度が4%以上か否かを判定し、アクセル開度が4%以上の場合にはステップS430に移行し、4%未満の場合にはステップS440に移行する。
ステップS430では、変速中で且つアクセル・オンの状態の第6クラッチ解放指令値の設定してステップS450に移行する。
すなわち、クラッチ下流側で若干プラスのトルクが発生すると推定される目標モータトルクとなる、第3終了時電機子電流D−Ia3(例えば27A)及び第2終了時界磁電流D−Ifm2(例えば2.5A)に終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmを設定すると共に、界磁電流の目標減少変化率Difとして第1変化率Dif1より小さな第2変化率Dif2(例えば0.1A/10ms)を設定する。さらに、クラッチ解放時間CLH−CNTとして第1クラッチ解放時間CNT1(例えば330msに相当するカウント値)を設定する。また、第6クラッチ解放指令値では、発電機制御部8EでのPゲインGapを、第1クラッチ解放指令値の状態と等しい値、例えばGapを70とする。
つまり、第6クラッチ解放指令値は第4クラッチ解放指令値と等しい設定となる。
また、ステップS440では、変速中で且つアクセル・オフの状態の第7クラッチ解放指令値の設定してステップS450に移行する。
すなわち、クラッチ下流側で若干プラスのトルクが発生すると推定される目標モータトルクとなる、第3終了時電機子電流D−Ia3(例えば27A)及び第4終了時界磁電流D−Ifm4(例えば2.2A)に終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmを設定すると共に、界磁電流の目標減少変化率Difとして第1変化率Dif1より小さな第2変化率Dif2(例えば0.1A/10ms)を設定する。さらに、クラッチ解放時間CLH−CNTとして第1クラッチ解放時間CNT1(例えば330msに相当するカウント値)を設定する。また、第4クラッチ解放指令値では、発電機制御部8EでのPゲインGapを、第1クラッチ解放指令値の状態と等しい値、例えばGapを70とする。
つまり、第7クラッチ解放指令値は、第6クラッチ解放指令値と原則同じであるが、終了時界磁電流D−Ifmが第6クラッチ解放指令値よりも低めに設定される。
また、ステップS310でクラッチ解放前処理中と判定されるとステップS500に移行し、現在の目標界磁電流がクラッチ解放指令用の終了時界磁電流D−Ifm以下か否か判定され、現在の目標界磁電流がクラッチ解放指令用の終了時界磁電流D−Ifm以下と判定された場合には、ステップS520にて、目標界磁電流Iaにクラッチ解放指令用の終了時界磁電流D−Ifmを設定してステップS550に移行する。一方、現在の目標界磁電流Iaがクラッチ解放指令用の終了時界磁電流D−Ifmより大きい場合にはステップS530に移行する。
ステップS530では、目標界磁電流Iaを走行シーンに応じて設定された減少変化率Difだけ小さくしてステップS550に移行する。
ステップS550では、クラッチ解放カウンタがゼロ以下か否かを判定し、クラッチ解放カウンタがゼロ以下の場合には、ステップS580に移行し、クラッチ解放カウンタがゼロより大きい場合には、ステップS560に移行する。
ステップS560では、目標電機子電流Iaを、上記クラッチ解放指令用の終了時電機子電流D−Iaに設定し、続いてステップS570にてクラッチ解放カウンタをカウントダウンした後に、復帰する。
一方、ステップS580では、クラッチ制御部8Dにクラッチ解放指令を出力し、続いてステップS590にて、目標モータトルクTmをゼロ、電機子電流Iaをゼロ、クラッチ解放前処理フラグCLK1−FLGをオフにするなど、4輪駆動制御用の指令値を初期化して復帰する。
次に、エンジンコントローラ18の処理について説明する。
エンジンコントローラ18では、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づいて図10に示すような処理が行われる。
すなわち、まずステップS700にて、主駆動輪である前輪1L、1Rの加速スリップ量ΔVを求めてステップS710に移行して、その加速スリップ量ΔVが目標スリップ量Tslipを越えているか否かを判定し、目標スリップ量Tslipを越えている場合にはステップS750に移行する。一方、加速スリップ量ΔVが目標スリップ量Tslip以下の場合には、ステップS720に移行する。なお、目標スリップ量Tslipは、例えばスリップ率で10%程度に設定される。
ステップS720では、アクセルセンサ40からの検出信号等に基づいて、運転者の要求する目標出力トルクTeNを演算して、ステップS730に移行する。
ステップS730では、スロットル開度やエンジン回転数Neなどに基づき、現在の出力トルクTeを算出してステップS740に移行する。
ステップS740では、現在の出力トルクTeに対する目標出力トルクTeNの偏差分ΔTeを下記式に基づき出力して、ステップS760に移行する。
ΔTe =TeN − Te
一方、ステップS550では、いわゆるエンジンTCS制御を行い、所定のTCSトルク変化分を上記偏差分ΔTeに代入してステップS760に移行する。
また、ステップS760では、その偏差分ΔTeに応じたスロットル開度αの変化分Δαを演算し、その開度の変化分Δαに対応する開度信号を上記ステップモータ19に出力して、復帰する。なお、上述の説明では、説明を分かりやすくするために、偏差分ΔTeに対応する開度信号Δαを出力するとしているが、実際には、トルク等の変化を滑らかにするために、起動のたびに所定のトルク増加分若しくはトルク減少分ずつ変化させている。
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。なお、駆動モードスイッチ39が4WD状態に操作されているものとして説明する。
路面μが小さいためや運転者によるアクセルペダル17の踏み込み量が大きいなどによって、エンジン2から前輪1L、1Rに伝達されたトルクが路面反力限界トルクよりも大きくなると、つまり、主駆動輪1L、1Rである前輪1L、1Rが加速スリップすると、クラッチ12が接続されると共に、その加速スリップ量に応じた発電負荷トルクThで発電機7が発電することで、4輪駆動状態に移行し、続いて、前輪1L、1Rに伝達される駆動トルクが、当該前輪1L、1Rの路面反力限界トルクに近づくように調整されることで、2輪駆動状態に移行する。この結果、主駆動輪である前輪1L、1Rでの加速スリップが抑えられる。
しかも、発電機7で発電した余剰の電力によってモータ4が駆動されて従駆動輪である後輪3L、3Rも駆動されることで、車両の加速性が向上する。
このとき、主駆動輪1L、1Rの路面反力限界トルクを越えた余剰のトルクでモータ4を駆動するため、エネルギー効率が向上し、燃費の向上に繋がる。ここで、常時、後輪3L、3Rを駆動状態とした場合には、力学的エネルギー→電気的エネルギー→力学的エネルギーと何回かエネルギー変換を行うために、変換効率分のエネルギー損失が発生することで、前輪1L、1Rだけで駆動した場合に比べて車両の加速性が低下する。このため、後輪3L、3Rの駆動は原則として抑えることが望まれる。これに対し、本実施形態では、滑り易い路面等では前輪1L、1Rに全てのエンジン2の出力トルクTeを伝達しても全てが駆動力として使用されないことに鑑みて、前輪1L、1Rで有効利用できない駆動力を後輪3L、3Rに出力して加速性を向上させるものである。
また、上述のように加速スリップが発生しクラッチ12が接続されて4輪駆動状態となっているときに、上記加速スリップが抑えられるにつれて、モータトルクが連続して減少していく。そして、4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行と判定すると、クラッチオフシーケンスとなって、走行シーンに応じて上述の第1クラッチ解放設定値〜第7クラッチ解放設定のうちのいずれかが選択されて、図10に示すように、その選択されたクラッチ解放用の終了時電機子電流D−Iaに設定されると共に、そのクラッチ解放用の終了時界磁電流D−Ifmに向けて所定の減少変化率Difで変化して当該クラッチ解放用の終了時界磁電流D−Ifmに設定され、さらに、クラッチオフシーケンスになってから走行シーンに応じた所定時間が経過すると、クラッチが実際に解放される。
このように制御することで、クラッチ下流での伝達トルクがゼロより若干大きなトルクの状態と推定されるモータトルクの状態でクラッチが解放されることで、確実にクラッチ解放時におけるショックの発生が防止若しくは許容値以下に低減することができる。
なお、上記ゼロより若干大きいトルクは、例えば20(N)以下の範囲で設定する。なお、略ゼロとすると確実にマイナスでない状態を確保するのが困難となる。
ここで、発明者らは、クラッチでのトルクがゼロ近傍となると推定されるモータトルク状態でクラッチを解放しても走行シーンによっては許容以上のクラッチ開放時のショックがあることを確認した。そして、その原因は、色々な実験その他の情報から、発明者らは、モータトルクをモータ解放トルクに短期に移行することによるクラッチ下流側でのバネマス系の捻れ、特にドライバシャフトの捻れによる影響であることを見出した。そして、クラッチ下流側のトルクがゼロより小さいと、たとえクラッチのトルクがゼロ近傍と推定されても許容以上のショックとなる可能性が高いことを確認し、ドライバシャフトでの捻れを考慮して、確実にクラッチでのトルクがゼロより若干大きなトルク状態と推定されるトルク状態でクラッチを解放するように制御している。
次に、各走行シーン毎のクラッチ解放について図11を参照しながら説明する。
「1速でアクセル・オンの場合」
この場合には、加速状態でクラッチオフシーケンスに移行して目標電機子電流Ia及び目標界磁電流Ifmを短時間で終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmにさげると、実電機子電流に跳ね上がりが生じる。
このため、目標モータトルクを、クラッチ下流側でゼロより若干大きなトルクとなるよう値に設定しても、当該クラッチ下流側のトルク(図11では、ドライブシャフトでのトルクで代表している)が、上記実電機子電流の跳ね上がり、及びドライブシャフトのバネマス系での捻れ及びその戻りの発生によって大きく振幅してしまい、一時的にクラッチ下流側のトルクがマイナスとなる。このため、クラッチオフ処理の際の走行シーンが1速でアクセル・オンの場合のは、クラッチ下流側でのトルク振幅が、マイナスにならないだけの安定したと推定される時間を経過したときに、クラッチオフにすることで、確実に、クラッチ下流側でのトルクがゼロより若干大きな値と推定される状態でクラッチが解放されて、当該クラッチ解放時のショックを許容範囲に低減している。
図11(b)に、上記走行シーンでのタイムチャートの模式を示す。
「1速でアクセル・オフの場合」
この場合には、アクセルオフで加速されていないため、エンジン回転数つまり発電機の回転数が低減している。
しかし、後輪速が所定値以上の場合には、アクセルオフであるが、それなりの発電機回転数が確保されているので、上記「1速でアクセル・オンの場合」と同様に、上記実電機子電流の跳ね上がり、及びドライブシャフトのバネマス系での捻れ及びその戻りの発生によって大きく振幅してしまうことを考慮して、上述の「1速でアクセル・オンの場合」と同様の条件の制御を行う。但し、アクセルオフであることから発電機の回転数が低下していることに鑑み、発電機の比例ゲインを上述の「1速でアクセル・オンの場合」の場合よりも大きくして、目標電機子電流Iaを確保できるようにしている。
この走行シーンでのタイムチャートは、図11(b)と同様である。
一方、後輪速が所定値未満の場合には、目標電機子電流Ia及び目標界磁電流Ifmを短時間で終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmにさげても、車速が遅いためにドライブシャフトのバネマス系での捻れ及びその戻りが小さい。また、アクセルオフであり且つ車速(発電機の回転数)も小さいことから、電機子電流が跳ね上がるだけの余裕もない。このため、クラッチ下流側でのトルク振幅が、模式図である図11(c)のように小さい。これを考慮して、クラッチオフシーケンスでの目標モータトルクを、上記「1速でアクセル・オンの場合」の場合よりも大きめとなるように、終了時電機子電流D−Iaを当該「1速でアクセル・オンの場合」の場合よりも大きく設定し、かつ、クラッチオフ時の目標モータトルクに収束する前にクラッチをオフしている。
ここで、上記目標モータトルクは、終了時電機子電流D−Ia及び終了時界磁電流D−Ifmに急に下げても、クラッチ下流側のトルクが確実に負にならないで且つゼロに近い値となる値である。
なお、この場合には、モータトルクが安定するのを待ってクラッチを解放すると、逆にクラッチ下流でのトルクが大きすぎてクラッチ開放時に許容以上のショックが発生するおそれがある。
「2速若しくは変速中の場合」
2速若しくは変速中は、1速に比べて発電能力が低い状態であることから、界磁電流が高いと目標とする電機子電流を流せないおそれがあるので、終了時電機子電流D−Iaを上記1速の場合よりも小さく設定して目標とする電機子電流を確保可能としている。これに合わせて、クラッチ下流のトルクがゼロより若干大きな値とするモータトルクとなるように、終了時電機子電流D−Iaを、1速の場合よりも大きく設定している。
また、1速に比べて終了時界磁電流D−Ifmを小さく抑えていることから、界磁電流の降下(落差)が大きくなることを鑑み、1速の場合に比べて界磁電流の減少変化率を抑えて、電機子電流の跳ね上がりが過大となることを防止している。
そして、アクセルオンの場合には、1速ほどではないものの、図11(d)のように、電機子電流の跳ね上がりやドライブシャフトの捻れ及び戻りの発生により振幅が大きくなることから、クラッチ下流でのトルクがマイナスに振れない程度に安定したと推定する時間が経過したのちにクラッチを解放して、クラッチ解放時のショック発生を防止している。
一方、アクセルオフの場合には、アクセルオンの場合に比べて発電能力がさらに厳しくなるため、アクセルオンの場合よりも更に界磁電流を小さく設定して、目標とする電機子電流を確保するようにしている。図11(e)に、そのタイムチャートの模式図を示す。この場合には、トルク変動は小さいものの、モータトルク値がアクセルオンの場合よりも小さくなって、クラッチ下流側でのトルクがゼロに近づいてしまうため、同様にクラッチ下流でのトルクがマイナスに振れない程度に安定したと推定する時間が経過したのちにクラッチを解放している。勿論、終了時電機子電流D−Iaを若干大きめに設定して、早めにクラッチを解放するようにしても良い。
以上のように、いずれの走行シーンであっても、各走行シーンに合わせて、クラッチ下流側でのトルクがゼロより若干大きな値となっていると推定される状態でクラッチを解放しているので、確実にショックの発生を許容値以下に抑えることができる。
ここで、上記実施形態では、発電機7の発電した電圧でモータ4を駆動して4輪駆動を構成する場合で説明しているが、これに限定されない。モータ4ヘ電力供給できるバッテリを備えるシステムに採用しても良い。要は、クラッチ下流でのトルクがゼロより若干大きな値となる状態でクラッチを解放するように制御すればよい。なお、この場合には、モータに供給できる電機子電流が安定するので、走行シーンの区分けはもっと簡単となる。
また、上記システムでは、前輪の加速スリップに応じて4輪駆動状態に移行する場合で説明したが、アクセル開度などに応じて4輪駆動状態に移行するシステムであっても適用可能である。
本発明に基づく実施形態に係る概略装置構成図である。 本発明に基づく実施形態に係るシステム構成図である。 本発明に基づく実施形態に係る4WDコントローラを示すブロック図である。 本発明に基づく実施形態に係る余剰トルク演算部の処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係るアクセル開度及び車両速度と第2目標モータトルクとの関係を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係るモータ制御部を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係るクラッチ解放前処理部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るクラッチ解放前処理部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るエンジンコントローラの処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係るタイムチャート示す模式図である。 本発明に基づく実施形態に係る走行シーン毎の状態を示す模式図である。
符号の説明
1L、1R 前輪
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 目標モータトルク演算部
8Aa 余剰トルク演算部
8Ab 加速アシストトルク演算部
8Ac モータトルク決定部
8B モータ制御部
8C リレー制御部
8D クラッチ制御部
8E 発電機制御部
8F クラッチ解放前処理
9 電線
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
14 吸気管路
15 メインスロットルバルブ
16 サブスロットルバルブ
18 エンジンコントローラ
19 ステップモータ
20 モータコントローラ
21 エンジン回転数センサ
22 電圧調整器
23 電流センサ
26 モータ用回転数センサ
27FL、27FR、27RL、27RR
車輪速センサ
30 変速機
31 ディファレンシャル・ギヤ
32 シフト位置検出手段
34 ブレーキペダル
35 ブレーキストロークセンサ
36 制動コントローラ
37FL、37FR、37RL、37RR
制動装置
39 駆動モードスイッチ
40 アクセルセンサ
D−Ia 終了時電機子電流
D−Ifm 終了時界磁電流
Dif 減少変化率
Tm 目標モータトルク
Tm1 第1目標モータトルク
Tm2 第2目標モータトルク
Tslip 目標スリップ量
Ifh 発電機の界磁電流
V 発電機の電圧
Nh 発電機の回転数
Ia 目標電機子電流
Ifm 目標モータ界磁電流
E モータの誘起電圧
Nm モータの回転数(回転速度)
Th 発電機負荷トルク
Te エンジンの出力トルク

Claims (7)

  1. 主駆動輪を駆動する主駆動源と、従駆動輪に駆動トルクを伝達可能なモータと、上記モータから従駆動輪までのトルク伝達経路に介装されたクラッチとを備えて、4輪駆動状態では上記クラッチを接続状態とし、2輪駆動状態では上記クラッチを解放状態とする車両の駆動力制御装置であって、
    車両走行中に4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行すると判定すると、モータの制御指令を所定のクラッチ解放指令値に設定してからクラッチを解放する車両の駆動力制御装置において、
    上記クラッチ解放指令値に設定してから、クラッチよりも従駆動輪側にある下流トルク伝達経路での実トルクがゼロより若干大きなトルク状態になっていると推定される状態で上記クラッチの解放を行うことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 上記クラッチ解放指令値は、クラッチでのトルクをゼロよりも若干大きなトルクとするのに必要とされるモータトルクにする指令値であることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  3. 上記主駆動源は内燃機関であり、その内燃機関から主駆動輪までのトルク伝達経路に変速機が介装されると共に、上記内燃機関の出力によって駆動される発電機を備え、その発電機が発電した電力が上記モータに供給され、該発電機は上記モータの目標電機子電流に応じた電流を当該モータに供給するように制御される車両の駆動力制御装置において、
    上記クラッチ解放指令値は、クラッチでのトルクをゼロよりも若干大きなトルクとするのに必要とされるモータトルクとする目標電機子電流及び目標界磁電流であり、
    下流トルク伝達経路での実トルクがゼロ以下に下回らないだけの安定した状態になるだけの時間が経過後にクラッチを解放することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の駆動力制御装置。
  4. 上記目標電機子電流と実電機子電流との偏差に比例ゲインを乗算した比例項の値で上記発電機の発電量が補正される車両の駆動力制御装置において、
    変速機のシフトモードが1速の場合において、車両の加速指示がある状態に比べて当該加速指示が無い状態の方が上記比例ゲインを大きい値にすることを特徴とする請求項3に記載した車両の駆動力制御装置。
  5. 変速機のシフトモードが1速の場合において、加速指示が無い状態で且つ従駆動輪速が所定値以下の場合には、クラッチでの目標トルクを1速で且つ加速指示が有る状態のときよりも高めの目標トルクに設定するように、目標電機子電流を、シフトモードが1速且つ加速指示がある状態よりも高くに設定すると共に、下流トルク伝達経路でのトルクが安定した状態となる前にクラッチを解放することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載した車両の駆動力制御装置。
  6. 変速機のシフトモードが2速若しくは変速中の場合には、シフトモードが1速の場合よりもクラッチ解放指令値としての目標界磁電流を小さく設定すると共に、当該クラッチ解放指令値としての目標界磁電流への移行の際の界磁電流の減少変化率を、1速の場合よりも小さく設定し、
    下流トルク伝達経路でのトルクがゼロ以下に下回らないだけの安定した状態になるだけの時間が経過後にクラッチを解放することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  7. 変速機のシフトモードが2速若しくは変速中の場合には、加速指示が有る状態に比べて加速指示が無い状態の方が、クラッチ解放指令値としての目標界磁電流を小さく設定することを特徴とする請求項6に記載した車両の駆動力制御装置。
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