JP2006088160A - 溶接位置検査装置および溶接位置検査プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持し得る溶接位置検査装置および溶接位置検査プログラムを提供する。
【解決手段】 溶接位置検査装置10では、CADシステム31等によりスポット溶接を予定する位置の座標情報としてCADデータのリスト座標値である正寸データを取得し、3次元位置測定器32等により実際にスポット溶接された位置の座標情報として位置データのボディ座標値である実寸データを取得し、CPU21等により、正寸データと実寸データとを比較し両データの差が所定の範囲内にあるか否かを判断し、この判断結果をプリンタ装置28により出力する。これにより、3次元位置測定器32による測定では鋼尺を用いる必要がないので、人為的な誤りの発生を抑制することが可能となり、また鋼尺を用いた測定よりも高精度な測定ができる。したがって、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 溶接位置検査装置10では、CADシステム31等によりスポット溶接を予定する位置の座標情報としてCADデータのリスト座標値である正寸データを取得し、3次元位置測定器32等により実際にスポット溶接された位置の座標情報として位置データのボディ座標値である実寸データを取得し、CPU21等により、正寸データと実寸データとを比較し両データの差が所定の範囲内にあるか否かを判断し、この判断結果をプリンタ装置28により出力する。これにより、3次元位置測定器32による測定では鋼尺を用いる必要がないので、人為的な誤りの発生を抑制することが可能となり、また鋼尺を用いた測定よりも高精度な測定ができる。したがって、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スポット溶接の溶接位置を検査し得る溶接位置検査装置およびコンピュータの溶接位置検査プログラムに関するものである。
従来より、スポット溶接の溶接位置を検査し得る装置として、例えば、下記特許文献1に開示される「スポット溶接工程用検査装置」がある。この検査装置では、溶接不良を検出した場合、当該不良を生じたワークと関与したスポット溶接機および不良の打点位置を特定する不良データを取り込んで記憶することにより、当該ワークが次工程等に搬入された時点で警告音を発したり、また当該ワークの不良データを解析することにより不良の打点位置、溶接工程番号、スポット溶接機番号や打点番号等をディスプレイにグラフィック表示する。これにより溶接不良の生じたワークやその溶接位置等を特定可能にしている。
ところで、このようなスポット溶接機は、特許文献1にも開示されているように(特許文献1;段落番号0002)、多くの場合、自動化されているため、各溶接箇所の位置データが溶接ロボット(溶接機)に入力されると、その位置データに従った箇所にスポット溶接が行われる。そして、このような位置データには、例えば、当該ワークをCAD(Computer Aided Design)により設計したときに得られるCADの座標データが用いられることが多い。そのため、当該CADの座標データに従ってスポット溶接が行われる場合、基本的には、スポット溶接を予定する位置に溶接が行われる。
ところが、溶接ロボットによる溶接であっても、例えば、溶接時のワークの位置に誤差があったり、CADデータに対しワーク自体に寸法誤差がある場合には、スポット溶接を予定する位置からズレた位置に溶接されることがある。また、何らかの原因により当該CADの座標データが誤っていたり欠落していた場合には、誤った位置に溶接されたり溶接されないこともあり得る。さらに、溶接ロボットではなく作業者による溶接では、溶接ガンの位置を案内するガンガイドを用いて溶接作業が行われるが、当該ガンガイドに寸法誤差がある場合には、スポット溶接を予定する位置からズレた位置に溶接され得る。
そこで、スポット溶接工程では、実際に生産ラインが稼動する前の生産準備の段階において、スポット溶接を予定する位置に実際に溶接されているか否かの打点検査(以下「Nチェック」という。)、およびスポット溶接を予定する位置(正寸)と実際に溶接された位置(実寸)との誤差を測定しこの誤差が所定範囲にあるか否かの検査(以下「Pチェック」という。)を行うことにより、溶接ロボットのデータ入力の誤りの有無や、溶接設備、ガンガイド等の設定誤差の有無等をチェックしている。そして、データ入力の誤りや溶接設備等に設定誤差があればそれを是正することで、量産時のワークの品質確保を可能にしている。
特開平11−90643号公報(第1頁〜第3頁、段落番号0002,0007〜0011、図1〜3)
しかしながら、このような生産準備段階におけるNチェックやPチェックでは、実際にスポット溶接された位置(実寸)は、作業者が金属製の物差し(以下「鋼尺」という。)を用いて測定していた。そのため、数箇所であればさほど時間を要しないものの、数十箇所以上あるいは数百箇所におよぶ測定となると、膨大な時間を要することから、上述したような生産準備に相当な工数を必要とするという課題がある。
また、作業者による鋼尺を用いた実寸の測定では、鋼尺の当て方の個人差により発生し得る測定誤差、あるいは目盛りの読み違いや寸法積算の計算ミス等による人為的な誤りを避けることが非常に難しい。そのため、このような人為的な誤りの発生を防ぐため、異なった作業者により二重、三重の重複した実寸の測定を行う必要があることから、さらなる工数が必要になるという課題もある。
一方、スポット溶接を予定する位置(正寸)は、CADの座標データにより与えられ得るが、当該座標データの原点(基準点)は、通常、CADシステム上で仮想的に設定されている。そのため、正寸にすべき座標データの原点は当該ワーク上に存在しないことが多いことから、たとえ正寸が座標データで与えられていたとしても、現場では、どこを基準に鋼尺を当てればよいかわからない。また、CADシステムにより出力された設計図面に鋼尺を当てて正寸を測るとしても、実寸を測る場合と同様、人為的な誤りが発生し得る。
このような課題は、スポット溶接を予定する位置(正寸)と実際に溶接された位置(実寸)との誤差を大幅に許容することで、NチェックやPチェックに要する工数を削減すれば解決し得るかもしれないが、それでは溶接品質の低下を招くため、製品の品質を維持することが困難になってしまうという新たな技術的な課題が生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持し得る溶接位置検査装置および溶接位置検査プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載された請求項1の溶接位置検査装置では、スポット溶接を予定する位置の座標情報として溶接予定位置情報を取得する溶接予定位置情報取得手段と、実際にスポット溶接された位置の座標情報として溶接結果位置情報を取得する溶接結果位置情報取得手段と、前記溶接予定位置情報と前記溶接結果位置情報とを比較し両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断する溶接位置誤差判断手段と、前記溶接位置誤差判断手段による判断結果を出力する出力手段と、を備えることを技術的特徴とする。
また、上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載された請求項2の溶接位置検査プログラムでは、「スポット溶接を予定する位置の座標情報として溶接予定位置情報」および「実際にスポット溶接された位置の座標情報として溶接結果位置情報」を取得可能なコンピュータを、前記溶接予定位置情報を取得する溶接予定位置情報取得手段、前記溶接結果位置情報を取得する溶接結果位置情報取得手段、前記溶接予定位置情報と前記溶接結果位置情報とを比較し両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断する溶接位置誤差判断手段、前記溶接位置誤差判断手段による判断結果を出力装置に出力させる出力手段、として機能させることを技術的特徴とする。
なお、上記の溶接予定位置情報は、例えば、溶接対象となるワークの設計時に用いられるCAD(コンピュータ支援設計)システムから「スポット溶接を予定する位置の座標情報」として取得される。また、上記の溶接結果位置情報は、例えば、被測定点の相対位置を3次元空間において測定可能な3次元位置測定器により溶接箇所を測定することにより得られる「実際にスポット溶接された位置の座標情報」として取得される。
請求項1の発明では、溶接予定位置情報取得手段によりスポット溶接を予定する位置の座標情報として溶接予定位置情報を取得し、溶接結果位置情報取得手段により実際にスポット溶接された位置の座標情報として溶接結果位置情報を取得する。そして、溶接位置誤差判断手段により、溶接予定位置情報と溶接結果位置情報とを比較し両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断し、この判断結果を出力手段により出力する。
これにより、スポット溶接を予定する位置を座標情報として溶接予定位置情報取得手段により取得し、実際にスポット溶接された位置を座標情報として溶接結果位置情報取得手段により取得するので、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較する際に、作業者が例えば鋼尺を用いてスポット溶接された位置を測定する必要がなくなる。このため、例えば、3次元位置測定器により溶接箇所を測定したとしても、鋼尺を用いて測定していた場合に比べて人為的な誤りの発生を抑制することができ、また、作業者による鋼尺を用いた測定よりも高精度な測定ができるので、測定誤差を大幅に削減することができる。したがって、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持することができる。
請求項2の発明では、「スポット溶接を予定する位置の座標情報として溶接予定位置情報」および「実際にスポット溶接された位置の座標情報として溶接結果位置情報」を取得可能なコンピュータを、溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段、溶接位置誤差判断手段および出力手段として機能させることによって、溶接予定位置情報と溶接結果位置情報とを比較し両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断し、この判断結果を出力装置に出力させる。
これにより、当該コンピュータは、溶接予定位置情報と溶接結果位置情報とを比較し両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断した後、この判断結果を出力装置に出力し得るので、例えば、当該コンピュータが、溶接対象となるワークの設計時に用いられるCAD(コンピュータ支援設計)システムから「スポット溶接を予定する位置の座標情報」を取得し、被測定点の相対位置を3次元空間において測定可能な3次元位置測定器により溶接箇所を測定することにより得られる「実際にスポット溶接された位置の座標情報」を取得し得るものであれば、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較する際に、作業者が例えば鋼尺を用いてスポット溶接された位置を測定する必要がなくなる。このため、例えば、3次元位置測定器により溶接箇所を測定したとしても、鋼尺を用いて測定していた場合に比べて人為的な誤りの発生を抑制することができ、また、作業者による鋼尺を用いた測定よりも高精度な測定ができるので、測定誤差を大幅に削減することができる。したがって、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持することができる。
以下、本発明の溶接位置検査装置および溶接位置検査プログラムの実施形態について図を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る溶接位置検査装置10の構成を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、溶接位置検査装置10は、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較して両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断しその判断結果を出力する機能を有するもので、主に、制御部20、入力装置25、ディスプレイ装置26、プリンタ装置28、CADシステム31および3次元位置測定器32から構成されている。
まず、本実施形態に係る溶接位置検査装置10の構成を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、溶接位置検査装置10は、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較して両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断しその判断結果を出力する機能を有するもので、主に、制御部20、入力装置25、ディスプレイ装置26、プリンタ装置28、CADシステム31および3次元位置測定器32から構成されている。
制御部20は、CPU21、メモリ22、HDD23、入出力インターフェイス24等によりコンピュータとしての機能を実現可能に構成されている。ここで、CPU21、メモリ22、HDD23、入出力インターフェイス24について説明する。
CPU21は、制御部20を制御する中央演算処理装置で、システムバスを介してメモリ22、HDD23、入出力インターフェイス24等と接続されている。このメモリ22には、CPU21を制御するシステムプログラム22aのほか、各種制御プログラム22b〜22d等が格納されており、CPU21はこれらのプログラムをメモリ22から読み出して逐次実行している。なお、CPU21は、特許請求の範囲に記載の「溶接予定位置情報取得手段」、「溶接結果位置情報取得手段」、「溶接位置誤差判断手段」、「出力手段」に相当し得るものである。
メモリ22は、システムバスに接続されている半導体記憶装置であり、CPU21が使用する主記憶空間を構成するもの(ROM、RAM等)である。このメモリ22には、システムプログラム22aをはじめとして、入力プログラム22b、検査プログラム22c、出力プログラム22d等の各種プログラムデータやそれに付随する設定データ等が予め書き込まれていたり、あるいはHDD23等からロード可能に構成されている。
HDD23は、CPU21が使用する補助記憶空間を構成するハードディスク装置(情報記憶媒体)で、システムバスを介してそれぞれCPU21に接続されている。例えば、メモリ22にロードされているシステムプログラム22a、入力プログラム22b、検査プログラム22cや出力プログラム22dあるいは後述するCADシステム31や3次元位置測定器32から取得したデータを格納可能に構成されている。なお、このHDD23は、データを書き込み可能なコンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサティルディスク(DVD)や磁気テープ(MT)等の情報記憶媒体であっても良い。
入出力インターフェイス24は、入力装置25、ディスプレイ装置26、プリンタ装置28、CADシステム31、3次元位置測定器32等の入出力装置とCPU21等とのデータのやり取りを仲介する装置で、システムバスに接続されている。なお、この入出力インターフェイス24は、特許請求の範囲に記載の「溶接予定位置情報取得手段」、「溶接結果位置情報取得手段」、「出力手段」に相当し得るものである。
このように制御部20を構成することで、制御部20をコンピュータとして機能可能にし、検査プログラム22cの実行による溶接位置検査処理、即ち、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較して両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断しその判断結果を出力する機能の実現を可能にしている。
入力装置25は、制御部20へのデータ入力を可能にするもので、制御部20の入出力インターフェイス24に接続されている。具体的には、例えば、キーボード装置がこれに相当し、制御部20を制御するためのコマンドやデータを入力可能に構成されている。この入力装置25からのデータ入力は、システムプログラム22aや入力プログラム22bによる制御を介して行われている。
ディスプレイ装置26は、制御部20からのデータ出力を可能にするもので、これも入出力インターフェイス24に接続されている。具体的には、例えば、液晶ディスプレイ装置がこれに相当し、制御部20による制御処理の結果や出力データを画像として出力可能に構成されている。このディスプレイ装置26へのデータ出力は、システムプログラム22aや出力プログラム22dによる制御を介して行われている。なお、ディスプレイ装置26は、特許請求の範囲に記載の「出力手段」に相当し得るものである。
プリンタ装置28も、制御部20からのデータ出力を可能にするもので、これも入出力インターフェイス24に接続されている。具体的には、例えば、レーザプリンタ装置がこれに相当し、制御部20による制御処理の結果や出力データを印刷物として出力可能に構成されている。このプリンタ装置28へのデータ出力は、システムプログラム22aや出力プログラム22dによる制御を介して行われている。なお、プリンタ装置28は、特許請求の範囲に記載の「出力手段」に相当し得るものである。
CADシステム31は、溶接対象となるワークWaの設計時に用いられるコンピュータ支援設計システムで、コンピュータ上でワークWaの機械的構造を線画により表現可能にするとともに、その線画情報をCADデータとして保存可能にする機能を有する。また、CADシステム31では、例えば、図4に示すように、ワークWaの溶接箇所(図4に示す○で囲まれた×印)を表すことも可能で、この例の場合、それぞれの溶接位置に、「SMR1101」、「SMR1102」、「SMR1103」等の打点IDが付加されている。これにより、各溶接位置を識別可能にしている。この溶接位置に関するデータも、CADデータに含まれる。なお、このCADシステム31は、特許請求の範囲に記載の「溶接予定位置情報取得手段」に相当し得るもので、またCADデータは、特許請求の範囲に記載の「溶接予定位置情報」に相当し得るものである。
ここで、図4に示すワークWaは、車両の右側サイドメンバであるが、この例の場合、車両の前後方向をL、左右方向をW、高さ方向をHで表し、Wについては車両のセンターラインから進行方向右側を+W、進行方向左側を−Wで表現している。そして、CAD上の原点αを基準に、線画を構成する線分の起点および終点あるいは円や円弧の中心点等を実際の寸法によって規定している。即ち、当該CADシステム31における線画は、L,W,Hによる3次元座標により特定可能に構成されており、例えば、図4に示すワークWaの場合、溶接位置「SMR1101」は、L=1209.00,W=+830.00,H=1453.00(それぞれ単位はミリメートル)として表される。
なお、図1に示す溶接位置検査装置10の構成例では、CADシステム31からCADデータ(溶接予定位置情報)を取得するように構成しているが、このCADデータを情報記憶媒体(例えばHDD、CD、DVD、MT、メモリカード等)に格納し、CADシステム31の代わりに、当該情報記憶媒体からCADデータを制御部20に取り込み可能に構成しても良い。この場合、当該情報記憶媒体からCADデータ(溶接予定位置情報)を取り込むハードウェア(入出力インターフェイス24)およびそれを制御するソフトウェア(システムプログラム22aや入力プログラム22b)が特許請求の範囲に記載の「溶接予定位置情報取得手段」に相当し得る。
3次元位置測定器32は、被測定点の相対位置を3次元空間において測定可能なもので、例えば、被測定点に当てる測定プローブと、この測定プローブを先端に備えた多関節機構による測定アームと、この測定アームの屈曲状態を検出可能なセンサと、このセンサから出力されるセンサ信号を情報処理し測定プローブの先端部の位置を算出可能なコンピュータと、などから構成される。そして、所定の制御プログラムにより、前述したCAD上の原点αが測定される3次元座標の原点(L=0.00,W=0.00,H=0.00)に設定される。
これにより、例えば図4に示すワークWaの溶接位置「SMR1101」に測定プローブを当てると、その位置が、L=1207.36,W=+829.91,H=1450.50(それぞれ単位はミリメートル)というような3次元座標による位置データとして得られる。このような測定プローブをワークWaの溶接箇所に当てる操作は、生産準備の段階において作業者により行われ、ワークWaに存在するスポット溶接された箇所(以下「スポット打点」という。)のすべてについて行われる。なお、3次元位置測定器32は、特許請求の範囲に記載の「溶接結果位置情報取得手段」に相当し得るもので、また位置データは、特許請求の範囲に記載の「溶接結果位置情報」に相当し得るものである。
ここで、メモリ22に格納されている、システムプログラム22a、入力プログラム22b、検査プログラム22c、出力プログラム22dの概要を説明する。なお、これらは、いずれもCPU21によって実行可能なコンピュータプログラムである。
システムプログラム22aは、制御部20の起動から停止までに行われる各機能、即ちコンピュータとしての基本機能のほか、溶接位置検査機能(図2)等を制御したり、またメモリ22を介した各プログラム間のデータ授受に関する等の一連のメモリ管理等も行う基本プログラムに相当するものである。
入力プログラム22bは、前述した入力装置25、CADシステム31および3次元位置測定器32から、入出力インターフェイス24を介して入力されるデータを、CPU21やメモリ22を経由して他のプログラムや処理等に受け渡す機能も有するもので、特許請求の範囲に記載の「溶接予定位置情報取得手段」、「溶接結果位置情報取得手段」に相当し得るものである。
検査プログラム22cは、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較して両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断しその判断結果を出力する機能を有するもので、特許請求の範囲に記載の「溶接位置検査プログラム」や「溶接予定位置情報取得手段」、「溶接結果位置情報取得手段」、「溶接位置誤差判断手段」、「出力手段」に相当し得るものである。処理内容の詳細は図2を参照して後述する。
出力プログラム22dは、CADシステム31から取得したCADデータ(溶接予定位置情報)や3次元位置測定器32から取得した位置データ(溶接結果位置情報)をHDD23に出力する機能や、CPU21により演算処理された結果、例えば、図3に示す判定結果リストのデータをディスプレイ装置26やプリンタ装置28に線画として描画する機能を有するもので、特許請求の範囲に記載の「出力手段」に相当し得るものである。
次に、制御部20のCPU21により実行される検査プログラム22c、つまりCPU21により演算処理される溶接位置検査処理の流れを図2〜図4に基づいて説明する。
図2に示すように、溶接位置検査処理では、まずステップS101により初期化処理が行われる。この処理は、例えば、メモリ22に所定のワーク領域を確保したり、後述するNフラグやPフラグ等の各種フラグを初期値(例えば0(ゼロ))設定する。
図2に示すように、溶接位置検査処理では、まずステップS101により初期化処理が行われる。この処理は、例えば、メモリ22に所定のワーク領域を確保したり、後述するNフラグやPフラグ等の各種フラグを初期値(例えば0(ゼロ))設定する。
次のステップS103では、CADデータの読込みおよび格納処理が行われる。例えば、図3に示す判定結果リスト(以下「本判定結果リスト」という。)のデータのうち、ワークWaのスポット溶接を予定する位置に関するデータとして、データ番号、リスト座標値、結合品番1、結合品番2、結合品番3、結合品番4、保安特性、設備名、打点ID、プログラム番号等からなるCADデータをCADシステム31から読み込むとともに当該リスト座標値をHDD23に格納する処理を行う。
ここで、図3に示す判定結果リストのデータ内容を簡単に説明する。判定結果リストには、データ番号、リスト座標値、結合品番1〜4、保安特性、設備名、打点ID、プログラム番号、ボディ座標値、判定に関する情報が出力される。なお、(1) 「データ番号」、(2) 「リスト座標値」、(3) 「結合品番1〜4」、(4) 「保安特性」、(5) 「設備名」、(6) 「打点ID」および(7) 「プログラム番号」は、CADシステム31から取得されるものである。また、(8) 「ボディ座標値」は3次元位置測定器32から取得されるもので、(9) 「判定」は、本溶接位置検査処理により出力されるものである。
(1) 「データ番号」は、個々のスポット打点に対する各データを特定するための情報で、例えば4桁からなる10進数値(0000〜9999)で管理されている。例えば本判定結果リストの場合、データ番号「2666」、「2667」が与えられている。
(2) 「リスト座標値」は、当該スポット打点に対する「スポット溶接を予定する位置の座標情報」で、例えばCADシステム31によって作成された正寸データがこれに該当し、本実施形態の場合、図4に示す座標値L,W,Hにより設定されている。例えば本判定結果リストでは、データ番号「2666」のスポット打点には、座標値L=1209.00、座標値W=+830.00、座標値H=1453.00からなるリスト座標値が正寸データとして与えられている。また、データ番号「2667」のスポット打点には、座標値L=1229.00、座標値W=+830.00、座標値H=1453.00からなるリスト座標値が正寸データとして与えられている。
(3) 「結合品番1〜4」は、当該スポット打点において溶接対象となる鋼板(ワーク)の品番を示すもので、例えば、2枚の鋼板を溶接する場合には「結合品番1」および「結合品番2」に該当する鋼板の品番が、また3枚の鋼板を溶接する場合には「結合品番1」、「結合品番2」および「結合品番3」に該当する鋼板の品番が、さらに4枚の鋼板を溶接する場合には「結合品番1」、「結合品番2」、「結合品番3」および「結合品番4」に該当する鋼板の品番が、それぞれ設定されている。例えば本判定結果リストの場合、データ番号「2666」や「2667」のスポット打点では、品番「58333−26B70」と品番「58222−25170」の2枚の鋼板が溶接されることを表している。
(4) 「保安特性」は、溶接位置の許容誤差範囲のレベルを示すもので、一般打点を示す「空欄」と特殊打点を示す「S」とに区分されている。例えば、一般打点「空欄」の場合には、おおよその目安として10ミリメートル未満に設定され、また特殊打点「S」の場合には、おおよその目安として5ミリメートル未満に設定される。例えば本判定結果リストの場合、データ番号「2666」や「2667」のスポット打点については、保安特性「S」が設定されているので、後述するPチェックで、溶接位置の誤差として5ミリメートル以上を「NG」、つまり不合格とする。
(5) 「設備名」は、当該スポット打点の溶接を行う溶接ロボットの機番を特定するための情報で、例えば4桁からなる10進数値(0000〜9999)で管理されている。例えば本判定結果リストの場合、データ番号「2666」や「2667」のスポット溶接は、機番「2248」の溶接ロボットが行ったことを示している。
(6) 「打点ID」は、当該スポット打点を特定するための情報で、例えば7桁からなる英数字で管理されている。例えば本判定結果リストの場合、データ番号「2666」のスポット打点には「SMR1101」が与えられ、また「2667」のスポット打点には「SMR1102」が与えられている。
(7) 「プログラム番号」は、溶接ロボットを制御するプログラムを特定するための情報で、例えば4桁からなる10進数値(0000〜9999)で管理されている。例えば本判定結果リストの場合、いずれのスポット打点もプログラム番号「0020」の制御プログラムによって溶接ロボット「2248」が制御されていることを示している。
(8) 「ボディ座標値」は、当該スポット打点に対する「実際にスポット溶接された位置の座標情報」で、例えば3次元位置測定器32によって実際に測定された実寸データがこれに該当する。このボディ座標値も、前述のリスト座標と同様に、座標値L,W,Hにより表されている。例えば本判定結果リストの場合、データ番号「2666」のスポット打点の実寸データは、座標値L=1207.36、座標値W=+829.91、座標値H=1450.50で、またデータ番号「2667」のスポット打点の実寸データは、座標値L=1235.45、座標値W=+829.87、座標値H=1450.55である。
(9) 「判定」は、本溶接位置検査処理によって出力されるもので、「距離」、「Nチェック」、「Pチェック」および「コメント」から構成される。「距離」は、正寸データと実寸データとの差、即ちリスト座標値とボディ座標値との偏差を表すもので、L・W・Hの誤差をそれぞれ演算し、その全てを出力したり、またはL・W・Hの誤差のうち最大値のものを出力したりする。本実施形態では、図3に示すように、誤差の最大値とその座標軸名を括弧付きで出力している。「Nチェック」は、後述する溶接位置検査処理のステップS111により行われる判断処理による結果を出力したもので、スポット溶接を予定する位置に実際に溶接されているか否かを、「OK」(溶接有りの場合)または「NG」(溶接無しの場合)により表現している。「Pチェック」は、後述する溶接位置検査処理のステップS115により行われる判断処理による結果を出力したもので、スポット溶接を予定する位置(正寸データ)と実際に溶接された位置(実寸)との誤差を測定しこの誤差が所定範囲にあるか否かを、「OK」(所定範囲内の場合)または「NG」(所定範囲外の場合)により表現している。なお「コメント」には、必要に応じてメッセージ等が適宜出力される。
再び図2に示す溶接位置検査処理に戻ると、ステップS103に続くステップS105では、位置データの読込みおよび格納処理が行われる。例えば、本判定結果リストのデータのうち、ワークWaの実際にスポット溶接された位置に関するデータとして、打点ID、ボディ座標値等からなる位置データを3次元位置測定器32から読み込むとともに当該ボディ座標値をHDD23に格納する処理を行う。
このようにCADシステム31からCADデータ、また3次元位置測定器32から位置データをそれぞれ読み込んでHDD23に格納すると、次にステップS107により、正寸データの読出し処理が行われる。即ち、HDD23に格納されているCADデータから正寸データとしてのリスト座標値(座標値L,W,H)をスポット打点1箇所分、読み出す処理を行う。このスポット打点1箇所分の特定は、例えば、図3に示すデータ番号を基準に行われる。図4に示すワークWaの例では、まず「データ番号2666」の溶接位置「SMR1101」に対応するリスト座標値(L=1209.00,W=+830.00,H=1453.00)を読み出す。なお、正寸データは、特許請求の範囲に記載の「溶接予定位置情報」に相当し得るものである。
続くステップS109では、実寸データの読出し処理が行われる。即ち、HDD23に格納されている位置データから、ステップS107により読み込んだリスト座標値に対応すべきボディ座標値(座標値L,W,H)を実寸データとして読み出す処理を行う。例えば、図4に示すワークWaの例では、「データ番号2666」の溶接位置「SMR1101」に対応するボディ座標値(L=1207.36,W=+829.91,H=1450.50)を読み出す。なお、実寸データは、特許請求の範囲に記載の「溶接結果位置情報」に相当し得るものである。
ステップS111では、Nチェック処理が行われる。即ち、スポット溶接を予定する位置に実際に溶接されているか否か、つまりスポット打点の有無を確認する処理を行う。そして、スポット打点が存在する場合には(S111でOK)、続くステップS113に処理を移行し、スポット打点が存在しない場合には(S111でNG)、ステップS119に処理を移行する。本判定結果リストでは、例えば、打点ID「SMR1101」のボディ座標値は存在し、スポット打点の有りを確認することができるので、NチェックはOKとなって(S111でOK)、ステップS113によりNフラグを1に設定する処理が行われる。なお、Nフラグは、Nチェックの結果を表すもので、「0」に設定されている場合にはNチェックのNG(不合格)を、また「1」に設定されている場合にはNチェックのOK(合格)を、それぞれ示す。
ステップS115では、Pチェック処理が行われる。即ち、スポット溶接を予定する位置(正寸データ)と実際に溶接された位置(実寸)との誤差を測定しこの誤差が所定範囲にあるか否かを確認する処理を行う。そして、この誤差が所定範囲にある場合には(S115でOK)、続くステップS117に処理を移行し、この誤差が所定範囲にない場合には(S115でNG)、ステップS119に処理を移行する。
本判定結果リストでは、例えば、打点ID「SMR1101」については、保安特性は「S」に設定されているので、当該所定範囲は5ミリメートル未満となる。そして、打点ID「SMR1101」の正寸データであるリスト座標値(L=1209.00,W=+830.00,H=1453.00)と、実寸であるボディ座標値(L=1207.36,W=+829.91,H=1450.50)とを比較すると、L・W・Hのすべてについて誤差は5ミリメートル未満であることから、PチェックはOKとなり(S115でOK)、ステップS117によりPフラグを1に設定する処理が行われる。なお、L・W・Hの誤差のうちで、最大値をとるもの(この打点の場合、Hの2.5ミリメートル)が距離データとして記録される。また、Pフラグは、Pチェックの結果を表すもので、Nフラグと同様に、「0」に設定されている場合にはNチェックのNG(不合格)を、また「1」に設定されている場合にはNチェックのOK(合格)を、それぞれ示す。
続くステップS119では、全ての実寸データをNPチェックしたか否かを判断する処理が行われる。即ち、検査されるスポット打点1箇所分は、データ番号を基準に特定されているので、このデータ番号から、全てのスポット打点について検査が終了しているか否かを判断し、まだ検査すべきスポット打点が残っている場合には(S119でNo)、次のデータ番号を設定した後、ステップS107に処理を移行する。一方、全てのスポット打点について検査が終了している場合には(S119でYes)、ステップS121に処理を移行する。
本判定結果リストでは、データ番号2667が未だ存在するので、ステップS107に処理を移行し、打点ID「SMR1102」について前述したように、Nチェック処理(S111)およびPチェック処理(S115)を順次行う。すると、打点ID「SMR1102」については、保安特性は「S」に設定されているにもかかわらず、打点ID「SMR1102」の正寸データであるリスト座標値(L=1229.00,W=+830.00,H=1453.00)と、実寸であるボディ座標値(L=1235.45,W=+829.87,H=1450.55)とを比較すると、W・Hについては誤差は5ミリメートル未満であるが、Lについては誤差が6.45ミリメートルであることから、PチェックはNGとなる(S115でNG)。そのため、距離データとして、当該NGのLについて6.45ミリメートルを記録した後、ステップS119に処理を移行することとなる。つまり、打点ID「SMR1102」は、NチェックはOKで、PチェックはNGとなる例である。
ステップS121では、判定結果リストを出力する処理が行われる。即ち、前述したステップS111によるNチェック処理に合格したものは(S111でOK)、ステップS113によりNフラグに「1」が設定されているので、その場合には判定結果として「OK」の表示を行う出力処理を、またNチェック処理に合格していないものは(S111でNG)、ステップS101による初期化処理で設定された「0」がNフラグに設定されたままになっているので、その場合には判定結果として「NG」の表示を行う出力処理を、それぞれ行う。
同様に、ステップS115によるPチェック処理に合格したものは(S115でOK)、ステップS117によりPフラグに「1」が設定されているので、その場合には判定結果として「OK」の表示を行う出力処理を、またPチェック処理に合格していないものは(S115でNG)、ステップS101による初期化処理で設定された「0」がPフラグに設定されたままになっているので、その場合には判定結果として「NG」の表示を行う出力処理を、それぞれ行う。
これにより、例えば図3に示すように、プリンタ装置28から判定結果リストが出力される。この例では、検査プログラム22cの判定結果として、データ番号2666の打点ID「SMR1101」については、Nチェック、Pチェックともに「OK」の表示がされ、最大誤差の距離がHについて2.5ミリメートルであることが表示されている。また、データ番号2667の打点ID「SMR1102」については、Nチェックは「OK」、Pチェックは「NG」の表示がされ、最大誤差の距離がLについて6.45ミリメートルであることが表示されている。なお、このステップS121による出力装置は、ディスプレイ装置26であっても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る溶接位置検査装置10によると、CADシステム31、CPU21等によりスポット溶接を予定する位置の座標情報としてCADデータのリスト座標値である正寸データ(溶接予定位置情報)を取得し(S103、S107)、3次元位置測定器32、CPU21等により実際にスポット溶接された位置の座標情報として位置データのボディ座標値である実寸データ(溶接結果位置情報)を取得する(S105、S109)。そして、CPU21等により、正寸データと実寸データとを比較し両データの差が所定の範囲内にあるか否かを判断し(S115)、この判断結果をCPU21、プリンタ装置28等により出力する(S121)。これにより、スポット溶接を予定する位置をL・W・Hによる正寸データとしてCADシステム31から取得し、実際にスポット溶接された位置をL・W・Hによる実寸データとして3次元位置測定器32により取得するので、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較する際に、作業者が例えば鋼尺を用いてスポット溶接された位置を測定する必要がなくなる。
このため、作業者が3次元位置測定器32を用いてスポット打点を測定したとしても、鋼尺を用いて測定していた場合に比べて人為的な誤りの発生を抑制することができる。即ち、作業者による鋼尺を用いた実寸の測定では、図4に示すように、例えば点βを基準に鋼尺で打点ID「SMR1105」や「SMR1106」を測定する場合、鋼尺の当て方の個人差により測定誤差や目盛りの読み違い等の人為的な誤りが発生し得るのに対し、3次元位置測定器32による測定では鋼尺を用いる必要がないので、このような人為的な誤りの発生を抑制することが可能となる。また、作業者個人差による測定上の癖による誤差の発生も抑制することが可能となる。さらに、3次元位置測定器32を用いることによって、作業者による鋼尺を用いた測定よりも高精度な測定ができ、かつ鋼尺により測定した場合に伴う付帯作業として測定データを制御部20に入力する作業等も不要になるので、測定誤差や作業工数を大幅に削減することができる。したがって、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持することができる。
また、本実施形態に係る検査プログラム22cによると、CADシステム31からCADデータ(スポット溶接を予定する位置の座標情報として溶接予定位置情報)および3次元位置測定器32による位置データ(実際にスポット溶接された位置の座標情報として溶接結果位置情報)を取得可能な制御部20に、溶接位置検査処理を実行させることで、当該制御部20は、リスト座標値である正寸データ(溶接予定位置情報)を取得し(S103、S107)、ボディ座標値である実寸データ(溶接結果位置情報)を取得し(S105、S109)、正寸データと実寸データとを比較し両データの差が所定の範囲内にあるか否かを判断し(S115)、この判断結果をプリンタ装置28により出力する(S121)。これにより、スポット溶接を予定する位置をL・W・Hによる正寸データとしてCADシステム31から取得し、実際にスポット溶接された位置をL・W・Hによる実寸データとして3次元位置測定器32により取得するので、「スポット溶接を予定する位置」と「実際にスポット溶接された位置」とを比較する際に、作業者が例えば鋼尺を用いてスポット溶接された位置を測定する必要がなくなる。
このため、前述同様、作業者が3次元位置測定器32を用いてスポット打点を測定したとしても、鋼尺を用いて測定していた場合に比べて人為的な誤りの発生を抑制することができる。また、3次元位置測定器32を用いることによって、作業者による鋼尺を用いた測定よりも高精度な測定ができ、かつ測定データを制御部20に入力する作業等も不要になるので、測定誤差や作業工数を大幅に削減することができる。したがって、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持することができる。
なお、上述した実施形態では、制御部20のCPU21により検査プログラム22cを実行させることで、図2に示す溶接位置検査処理を行ったが、例えば、3次元位置測定器32を構成するコンピュータ(CPU、メモリ、入出力インターフェイス等により構成されるもの)の機能により検査プログラム22cを実行させても良い。この場合、制御部20に代えて3次元位置測定器32を置き換え、3次元位置測定器32がCADシステム31からCADデータを取得し得るように構成するとともに、3次元位置測定器32のメモリに検査プログラム22cをロードする。これにより、別途、制御部20を設けなくても、検査プログラム22cの実行が可能になるので、図2に示す溶接位置検査処理を3次元位置測定器32に行わせることができ、上述した作用および効果を得ることができる。したがって、設備コストを低減しつつ、生産準備における作業工数を削減しかつ溶接品質を維持することができる。
10…溶接位置検査装置
20…制御部
21…CPU(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段、溶接位置誤差判断手段、出力手段)
22…メモリ
22a…システムプログラム
22b…入力プログラム(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段)
22c…検査プログラム(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段、溶接位置誤差判断手段、出力手段、溶接位置検査プログラム)
22d…出力プログラム(出力手段)
23…HDD
24…入出力インターフェイス(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段、出力手段)
25…入力装置
26…ディスプレイ装置(出力手段)
28…プリンタ装置(出力手段)
31…CADシステム(溶接予定位置情報取得手段)
32…3次元位置測定器(溶接結果位置情報取得手段)
Wa…ワーク
S103、S107(溶接予定位置情報取得手段)
S105、S109(溶接結果位置情報取得手段)
S115(溶接位置誤差判断手段)
S121(出力手段)
20…制御部
21…CPU(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段、溶接位置誤差判断手段、出力手段)
22…メモリ
22a…システムプログラム
22b…入力プログラム(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段)
22c…検査プログラム(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段、溶接位置誤差判断手段、出力手段、溶接位置検査プログラム)
22d…出力プログラム(出力手段)
23…HDD
24…入出力インターフェイス(溶接予定位置情報取得手段、溶接結果位置情報取得手段、出力手段)
25…入力装置
26…ディスプレイ装置(出力手段)
28…プリンタ装置(出力手段)
31…CADシステム(溶接予定位置情報取得手段)
32…3次元位置測定器(溶接結果位置情報取得手段)
Wa…ワーク
S103、S107(溶接予定位置情報取得手段)
S105、S109(溶接結果位置情報取得手段)
S115(溶接位置誤差判断手段)
S121(出力手段)
Claims (2)
- スポット溶接を予定する位置の座標情報として溶接予定位置情報を取得する溶接予定位置情報取得手段と、
実際にスポット溶接された位置の座標情報として溶接結果位置情報を取得する溶接結果位置情報取得手段と、
前記溶接予定位置情報と前記溶接結果位置情報とを比較し両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断する溶接位置誤差判断手段と、
前記溶接位置誤差判断手段による判断結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする溶接位置検査装置。 - 「スポット溶接を予定する位置の座標情報として溶接予定位置情報」および「実際にスポット溶接された位置の座標情報として溶接結果位置情報」を取得可能なコンピュータを、前記溶接予定位置情報を取得する溶接予定位置情報取得手段、
前記溶接結果位置情報を取得する溶接結果位置情報取得手段、
前記溶接予定位置情報と前記溶接結果位置情報とを比較し両位置の差が所定の範囲内にあるか否かを判断する溶接位置誤差判断手段、
前記溶接位置誤差判断手段による判断結果を出力装置に出力させる出力手段、
として機能させることを特徴とする溶接位置検査プログラム。
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