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JP2006086578A - アンテナ装置及びマルチビームアンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置及びマルチビームアンテナ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型無線機に搭載しやすい小型な平面構造で、垂直偏波を有した主ビームを高仰角方向と低仰角方向に形成することができるアンテナを提供する。
【解決手段】 基板11の表面に約1/2波長の長さを有するスロット素子13A及び13Bを所定の間隔d1を隔てて平行に配置し、スロット素子13A及び13Bの実装面から所定の間隔hを隔てて反射板14を配置する。基板11の裏面には、無給電素子15A〜15Dが銅箔パターンにより形成され、スロット素子13A及び13Bと直交するように配列される。切替素子16Aは無給電素子15Aと15Bに、切替素子16Bは無給電素子15Cと15Dにそれぞれ接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無線LANシステムの固定無線機及び端末無線機などに用いるアンテナ装置及びマルチビームアンテナ装置に関するものである。
無線LANシステムなどの高速無線通信においては、マルチパスフェージングやシャドーイングにより伝送品質が劣化するという問題があり、特に屋内では顕著である。このため、このような伝送品質の劣化を回避するための一つの手段として、これまでにセクタアンテナが検討されている。このセクタアンテナとは、異なる方向に主ビームが向けられた複数のアンテナ素子を配置し、電波伝搬環境に応じて複数のアンテナ素子を選択的に切り替えるものである。
また、一般的に、天井に設置される固定無線機や机上で使用されるノートパソコン用の端末無線機などに搭載されるアンテナとしては、生産上や持ち運びの観点から平面構造であることが求められる。また、屋内通信環境を考えた場合、これらアンテナの指向性は、主ビームの仰角がアンテナ面に対して垂直方向から水平方向に傾斜(チルト)していることが望ましく、さらには通信先の設置位置を考慮すると、このチルト角を制御できることが望ましい。
このような水平方向にチルトしている放射特性を実現するセクタアンテナとして、非特許文献1に記載の「スロット八木・宇田アレー」を用いた平面マルチセクタアンテナが提案されている。
このマルチセクタアンテナについて、図11を参照しながら説明する。このマルチセクタアンテナは、基板101上に6個のスロットアレー102A〜1102Fを放射状に円形配列したものであり、この6個のスロットアレー102A〜102Fは、それぞれ5素子のスロットから構成されている。このスロットアレーは、単体特性として、垂直面の仰角θが60度の方向に主ビームが形成され、円錐面パターンの半値角は約56度となる。
このマルチセクタアンテナは、このスロットアレーを水平面に60度間隔で6個配列し、各スロットアレーを選択的に給電することで、水平面の360度を6分割した6セクタアンテナを構成している。このセクタアンテナの寸法は、例えば、動作周波数を5GHzにすれば、直径L7が273mm(4.55波長)で、面積が58535平方mmとなる。
また、他のアンテナとして、特許文献1に記載の「導波素子共有パッチ八木・宇田アレー」を用いたマルチセクタアンテナが提案されている。
このマルチセクタアンテナについて、図12を参照しながら説明する。このマルチセクタアンテナは、円形の誘電体基板201の表面に形成されているとともに、正六角形型導波素子202の周囲に放射状に長方形パッチの導波素子203A〜203Fが配列されており、さらに、導波素子203A〜203Fの外側に、給電素子204A〜204Fを配置している。このように、3列の導波素子列が正六角形型導波素子202を中心に互いに60度の角度で交差することにより、6列のパッチ八木・宇田アレーを構成している。
ここで、1つの給電素子に給電した場合、正六角形型導波素子を含めた導波素子列が八木・宇田アレーとして動作する。このとき、垂直面の仰角θが45度の方向に主ビームが形成され、円錐面パターンの半値角は約63度となる。このように、給電素子を選択的に給電することで、水平面の360度を6分割した6セクタアンテナを構成できる。このセクタアンテナの寸法は、例えば、動作周波数を5GHzにすれば、直径L8が1.83波長(110mm)であり、面積は9503平方mmとなる。
電子情報通信学会論文誌(B), Vol.J85-B, No.9,pp1633-1643, Sep. 2002. 特開2003−142919号公報
しかしながら、上記したマルチセクタアンテナのうち、前者の「スロット八木・宇田アレー」を用いた平面マルチセクタアンテナは、セクタ毎に各スロットアレーを独立して動作させるため、セクタ数分のスロットアレーを必要とし、平面寸法が大きくなるという問題がある。また、垂直面において主ビームの仰角θが60度で一定であるため、通信先の設置位置によっては通信品質が劣化しやすいという問題がある。
また、後者の「導波素子共有パッチ八木・宇田アレー」を用いたマルチセクタアンテナは、アンテナ素子として一辺が約1/2波長のパッチを複数用いているため、平面寸法が大きくなるという問題がある。また、垂直面において主ビーム方向が45度で一定であるため、通信先の設置位置によっては通信品質が劣化しやすいという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、小型無線機に搭載しやすい小型な平面構造で、水平方向にチルトした垂直偏波の主ビームを形成し、さらには垂直面において主ビーム方向を制御できるアンテナ装置及びマルチビームアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ装置は、導体板に所定の間隔を隔てて平行に配置した略1/2波長の電気長を有する第1のスロット素子及び略1/2波長の電気長を有する第2のスロット素子と、前記導体板から平行に所定の間隔を隔てた位置に配置した反射板と、前記導体板と前記反射板の間に前記第1及び第2のスロット素子と直交するように所定の間隔を隔てて直列に配列した第1乃至第4の線状無給電素子と、前記第1及び第2の線状無給電素子との間に設け、前記第1及び第2の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第1の切替素子と、前記第3及び第4の線状無給電素子との間に設け、前記第3及び第4の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第2の切替素子とを備えることを特徴としている。
この構成により、平面構造で、垂直面において低仰角方向と高仰角方向に主ビームを切り替えることができる小型なマルチビームアンテナを実現することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1及び第2のスロット素子と直交するように、前記導体板に所定の間隔を隔てて平行に配置した略1/2波長の電気長をそれぞれ有する第3のスロット素子及び第4のスロット素子と、前記第1乃至第4の線状無給電素子と同一平面で、かつ、前記第3及び第4のスロット素子と直交するように、所定の間隔を隔てて直列に配列した第5乃至第8の線状無給電素子と、前記第5及び第6の線状無給電素子との間に設け、前記第5及び第6の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第3の切替素子と、前記第7及び第8の線状無給電素子との間に設け、前記第7及び第8の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第4の切替素子とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、平面構造で、垂直面において主ビーム方向を切り替えられる小型な4方向のセクタアンテナを実現することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、一辺が略1/4波長乃至3/8波長の長さを有し、前記導体板にひし形形状に配置する4本のスロット素子と、第5のスロット素子の一端と第6のスロット素子の一端を接続した位置に給電する第1の給電手段と、前記第5のスロット素子の他端と第7のスロット素子の一端とに接続し、略1/4波長の長さを保持して折り返した形状を有する第1のスロット迂回素子と、前記第6のスロット素子の他端と第8のスロット素子の一端とに接続し、略1/4波長の長さを保持して折り返した形状を有する第2のスロット迂回素子と、前記導体層から平行に所定の間隔を隔てた位置に配置した反射板と、前記第5及び第6のスロット素子の接続部と前記第7及び第8のスロット素子の接続部とを結ぶラインに平行で、かつ、前記導体板と前記反射板の間に所定の間隔を隔てて直列に配列した第9乃至第12の線状無給電素子と、前記第9及び第10の線状無給電素子との間に設け、前記第9及び第10の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第5の切替素子と、前記第11及び第12の線状無給電素子との間に設け、前記第11及び第12の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第6の切替素子とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、平面構造で、垂直面において低仰角方向と高仰角方向に主ビームを切り替えることができる小型な2方向のマルチビームアンテナを実現することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第2の給電手段を、前記第7のスロット素子の他端と前記第8のスロット素子の他端を接続した位置に配置することを特徴としている。
この構成によれば、平面構造で、垂直面において低仰角方向と高仰角方向に主ビームを切り替えることができる小型な4方向のマルチビームアンテナを実現することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記スロット素子及び前記スロット迂回素子を、誘電性の基板上の表面の銅箔パターンで構成するとともに、前記線状無給電素子は、前記基板上の裏面の銅箔パターンにより構成することを特徴としている。
この構成によれば、容易に製作ができる生産性の高いアンテナ装置を実現することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体板と前記反射板との間隔を、略1/4波長以上で略1/2波長以下に設定するとともに、前記スロット素子と前記線状無給電素子との間隔は、略1/6波長以上で略1/4波長以下に設定することを特徴としている。
この構成によれば、垂直面において低仰角方向と高仰角方向に主ビームを切り替えることができ、かつ垂直面の角度変化を大きくすることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記誘電体基板の厚さを、誘電体内の実効波長の略1/6以上で略1/4以下に設定するとともに、前記基板上の裏面の銅箔パターンと前記反射板との間隔は、自由空間波長の略1/4以上で略1/3以下に設定することを特徴としている。
この構成によれば、垂直面において低仰角方向と高仰角方向に主ビームを切り替えることができ、かつ垂直面の角度変化を大きくすることができる。
また、本発明のマルチビームアンテナ装置は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の複数のアンテナ装置を平面上にそれぞれ等角的に配置してあることを特徴としている。
この構成によれば、平面構造で、所望の方向に主ビームを形成するセクタアンテナを実現することができる。
本発明によれば、約1/2波長の電気長を有する第1及び第2のスロット素子を所定の間隔を隔てて平行に配置し、スロット素子の配置面から所定の間隔を隔てて反射板を設けて、スロット素子の配置面と反射板面との間にスロット素子と直交するように複数個の線状無給電素子を形成し、スロット素子を位相差給電するとともに、線状無給電素子を切替素子によって接続/未接続を切り替えて長さを調整することで、水平方向にチルトした垂直偏波の主ビームを低仰角方向と高仰角方向に形成することが可能になるとともに、位相差を調整することで水平面においても主ビーム方向を切り替えることができ、小型で平面構造のマルチビームアンテナ装置を実現することができる。
また、本発明によれば、平行に配置された2つのスロット素子を2組備え、その2組のスロット素子をその放射方向が直交するように配置することにより、小型で平面構造の4セクタアンテナを実現することができる。また、約1/3波長の長さを有するスロット素子を正方形形状に配置し、対向する一組の頂点にスロット迂回素子をそれぞれ設け、さらにはスロット素子の配置面に対して平行に所定の間隔を隔てた位置に反射板を配置し、スロット素子の配置面と反射板面との間に複数個の線状無給電素子を形成し、線状無給電素子を切替素子によって接続/未接続を切り替えて長さを調整することで、水平方向にチルトした垂直偏波の主ビームを低仰角方向と高仰角方向に形成することができる小型で平面構造のマルチビームアンテナを実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示すものであり、このアンテナ装置は、誘電体で形成した基板11と、銅箔層12と、スロット素子13A、13Bと、反射板14と、無給電素子15A〜15Dと、切替素子16A、16Bと、給電部17A、17Bとを備えている。なお、本実施形態では、アンテナの動作周波数を5GHzとして説明する。
基板11は、例えば、比誘電率εrが2.6で、厚さtが8mm(0.21波長(誘電体中の実効波長))であり、寸法L1×L2は44mm×46mm(0.73波長×0.77波長)である。
銅箔層12は、基板11の+Z側面に接着された銅箔で構成してある。
スロット素子13A、13Bは、銅箔層12を切削して形成された空隙であり、例えば長さが18.5mm(約0.5波長)で、幅が1mmである。これらのスロット素子13A、13Bは、素子間隔d1を例えば20mmとして平行に配置され、基板11の中央に形成される。
反射板14は、スロット素子13A、13Bが配置された面から、距離hが例えば25mm(0.42波長)だけ−Z側に離れた位置に配置された導体板である。
無給電素子15A〜15Dは、基板11の−Z側面に銅箔パターンにより形成され、長さL3が約10mm(約0.27波長)である。無給電素子15A〜15Dは、基板11の中央に、スロット素子13A、13Bと直交するように直列に配置される。
切替素子16A、16Bは、例えばPINダイオードで構成してある。このうち、切替素子16Aは、無給電素子15Aと無給電素子15Bに接続されている一方、切替素子16Bは、無給電素子15Cと無給電素子15Dに接続されている。なお、切替素子16A、16Bに逆バイアスを印加する場合、PINダイオードはオフ状態となり開放となるため、無給電素子15Aと無給電素子15B、無給電素子15Cと無給電素子15Dは未接続状態となる。また、切替素子16A、16Bに順バイアスを印加する場合、PINダイオードはオン状態となり短絡する。このため、無給電素子15Aと無給電素子15B、無給電素子15Cと無給電素子15Dはそれぞれ接続されることになり、約20mm(約0.54波長)の2つの無給電素子が直列に配列されている状態と等価となる。
次に、上述した構成を有するアンテナ装置において、スロット素子13A、13Bが位相差励振される場合の動作について、説明する。なお、スロット素子13A、13Bは、給電部17A、17Bによりそれぞれ励振され、例えば、このときの給電部17Aの励振位相が給電部17Bの励振位相に対して約50度遅れているとものする。
(I)まず、切替素子16A、16Bに逆バイアスを印加したときの動作について、説明する。
逆バイアスを印加する場合、無給電素子15A〜15Dは、電気的に接続されないため、これらの長さは動作周波数の半波長よりも十分に短くなり、アンテナ特性に影響を及ぼすことはない。
図2は、このときの状態を示す動作説明図であり、反射板14の効果を写像の原理によりモデル化しており、垂直(XZ)面のみに着目したものである。
図2では、図1に示すスロット素子13A,13Bを点波源21A,21Bでモデル化している。点波源21A,21Bのイメージ波源22A,22Bは、反射板14に対して対称な位置、つまり−Z側に2h(50mm(0.84波長))離れた位置に想定されることになる。このときのイメージ波源22A,22Bの励振位相は、点波源21A及び21Bの励振位相に対して、それぞれ180度反転したものとなる。
以上の4つの波源からの放射を合成することにより、+Z方向から+X側へ60度チルトした方向に主ビームが形成されることになる。このとき、主偏波成分は、垂直偏波Eθ成分となる。
図3は、切替素子16A,16Bに逆バイアスを印加したときの図1に示すアンテナ装置の指向性を示す放射パターンである。図3において、(A)は垂直(XZ)面の指向性、(B)は仰角θが60度における円錐面の指向性を示している。
同図(A)において、指向性aは、垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、仰角θが60度の方向へチルトした主ビームが得られていることが確認できる。また、同図(B)において、指向性bは、指向性aと同様に、垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向へ向いていることが確認できる。このとき、主ビームの指向性利得は12.3dBi、円錐面パターンの半値角は87度である。
(II)次に、切替素子16A,16Bに順バイアスを印加したときの動作を説明する。
順バイアスが印加される場合、無給電素子15Aと無給電素子15B、無給電素子15Cと無給電素子15Dは、それぞれ接続された状態となるため、約0.54波長の線状素子となり、反射素子として動作することになる。これは、反射板14の位置を擬似的にスロット素子に近接させた状態と同じである。
図4は、このときの状態を写像の原理によりモデル化し、垂直(XZ)面のみに着目したモデルである。同図において、スロット素子13A,13Bを点波源31A,31Bでモデル化している。点波源31A,31Bのイメージ波源32A,32Bは、反射素子に対して対称な位置、つまり−Z側に2t(16mm(0.27波長))離れた位置に想定されることになる。これらの4つの波源からの放射を合成することにより、+Z方向から+X側へ30度チルトした方向に主ビームが形成されることになる。このとき、主偏波成分は、垂直偏波Eθ成分となる。
図5は、切替素子16A,16Bに順バイアスを印加したときの図1に示すアンテナ装置の指向性を示す放射パターンである。図5において、(A)は垂直(XZ)面の指向性、(B)は仰角θが30度における円錐面の指向性を示している。
図5(A)において、指向性cは、垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、仰角θが30度の方向へチルトした主ビームが得られていることが確認できる。また、図5(B)において、指向性dは、指向性cと同様に垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向へ向いていることが確認できる。このとき、主ビームの指向性利得は9.4dBi、円錐面パターンの半値角は86度である。
このように、スロット素子13Aをスロット素子13Bに対して約50度遅れて励振させることで、+X側にチルトした主ビームが得られ、無給電素子15A〜15Dの長さを切替素子により切り替えることで、垂直(XZ)面において主ビーム方向を切り替えることができる。なお、スロット素子13Aをスロット素子13Bに対して約50度早く励振させると、−X側にチルトした主ビームが得られることから、図1に示すアンテナ構成とすることで、4方向の主ビームを形成することができる。
また、仰角θが60度の低仰角方向に主ビームを形成する場合は利得が高く、仰角θが30度の高仰角方向に主ビームを形成する場合は利得が低くなることから、例えば、天井に設置する固定局やノートパソコンに挿入されるカード型端末用のアンテナに適している。天井に設置する固定局は、高仰角方向は床方向になるため高い利得は必要とせず、低仰角方向は遠方の端末との通信を行うため高い利得が必要となる。
以上のように、本実施形態によれば、基板の表面に2つのスロット素子を所定の間隔で平行に配置するとともに、基板の裏面にスロット素子と直交するように複数個の線状無給電素子を形成し、さらに、スロット素子から所定の間隔を隔てて反射板を設けて、スロット素子を位相差給電するとともに、線状無給電素子を切替素子によって、接続/未接続を切り替えて長さを調整している。これにより、小型かつ平面構造で、垂直面において低仰角方向と高仰角方向に主ビームを切り替えることができる。さらには、スロット素子の位相差を調整することで、水平面においても主ビーム方向を切り替えることができるマルチビームアンテナを実現することができる。
なお、本実施形態では、スロット素子と反射板との距離hを25mm(0.42波長)として説明したが、距離hを変化させることにより、垂直面チルト角αを変化させることができる。無給電素子を反射素子として動作させない場合、距離hを小さくすると垂直面チルト角αは小さくなり、距離hを大きくすると垂直面チルト角αは大きくなる傾向にある。ただし、距離hを大きくしていくと、−X方向の主ビーム方向と反対の方向にバックローブが生じてしまうため、用途に応じた距離hを1/4波長から1/2波長の範囲で適切に選ぶことが望ましい。本実施形態では、距離hを0.42波長(基板の厚さを考慮すると、電気的な距離が約0.5波長)としており、F/B比が良好で垂直面チルト角が最も大きくなる値である。また、この値は、垂直面ビーム切替時の角度差を大きくするためで、無給電素子を反射素子として動作させない場合は、できるかぎり主ビームを低仰角方向に向けるように設定されている。
また、本実施形態では、基板の厚さtを8mm(0.21波長)として説明したが、この厚さtを変化させることにより、無給電素子を反射素子として動作させた場合、厚さtを小さくすると垂直面チルト角は小さくなり、厚さtを大きくすると垂直面チルト角は大きくなる傾向にある。このため、用途に応じて厚さtを1/6波長から1/4波長の範囲で適切に選ぶことが望ましい。本実施形態では、厚さtを0.21波長としたが、これは高仰角方向への垂直面チルト角とF/B比を最適にする値であるとともに、垂直面ビーム切替時の角度差を大きくするように設定している。
また、本実施形態では、基板の厚さを8mmとして説明したが、2枚の薄い誘電体で形成した基板の間に樹脂を挟んだ構成としても、同様な効果が得られる。
また、本実施形態では、スロット素子を直接給電する構成について説明したが、スロット素子をマイクロストリップラインを用いて給電する構成としても、同様な効果を得ることができる。このとき、位相差給電方法として、T分岐回路やπ分岐回路等により実現することができる。
また、本実施形態では、スロット素子を基板上の銅箔パターンによって形成しているが、例えば、導体板に空隙を設けてスロット素子を構成しても、同様な効果が得られる。このとき、基板による波長短縮を考慮すると、スロット素子と反射板との間隔は広くする必要がある。
また、本実施形態では、切替素子としてPINダイオードを用いたが、FET等の他のデバイスを用いて構成しても同様な効果を得ることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本実施形態において、図1に示す第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。なお、本実施形態でも、アンテナの動作周波数を5GHzとして説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示すものであり、スロット素子13A,13Bのほかに、スロット素子41A,41Bを備えており、第1の実施形態に係るアンテナ装置を2組直交に配列した構成のものである。
スロット素子41A,41Bは、銅箔層12を切削して形成された空隙であり、例えば長さが18.5mmで、幅が1mmである。スロット素子41A,41Bは、スロット素子13Aとスロット素子13Bの素子間隔d1と同じ20mmとして、スロット素子13A,13Bと直交するように配置され、スロット素子13A,13Bとともに正方形形状を構成する。
無給電素子42A〜42Dは、基板11の−Z側面に銅箔パターンにより形成され、無給電素子15A〜15Dの長さL3と同じ10mm(約0.27波長)である。無給電素子42C〜42Dは、基板11の中央に、スロット素子41A,41B、無給電素子15A〜15Dと直交するように直列に配列される。
次に、上述した本実施形態に係るアンテナ装置の動作を説明する。
同図において、スロット素子13A,13Bとスロット素子41A,41Bは、それぞれ選択的に励振される。つまり、スロット素子13A,13Bを位相差励振する場合は、±X方向に主ビームが切り替えられ、スロット素子41A,41Bを位相差励振する場合は、±Y方向に主ビームが切り替えられることになる。このとき、励振されないスロット素子は、例えば、素子中央で短絡される。
以上のように、スロット素子13A,13Bを位相差励振することと、スロット素子41A,41Bを位相差励振することは、主ビーム方向が異なる以外、動作は同様であるので、ここではスロット素子41A,41Bを位相差励振する場合の動作のみについて説明する。
この場合、第1の実施形態で説明したように、給電部44Aの励振位相が給電部44Bの励振位相に対して約50度遅れており、かつ、切替素子43A,43Bに逆バイアスが印加される場合、無給電素子42C〜42Dは、電気的に接続されない。このため、アンテナ特性に影響は無く、+Z方向から+Y側へ60度チルトした主ビームが形成されることになる。このときの主偏波成分は、垂直偏波Eθ成分となるため、主偏波と直交して形成されているスロット素子13A,13B、無給電素子15A〜15Dはアンテナ特性に影響を及ぼすことはない。
また、切替素子43A,43Bに順バイアスが印加される場合、無給電素子42Aと無給電素子42B、無給電素子42Cと無給電素子42Dはそれぞれ接続された状態となる。このため、約0.54波長の線状素子となり、反射素子として動作する。その結果、+Z方向から+Y側へ30度チルトした主ビームが形成されることになる。
なお、給電部44Aの励振位相が給電部44Bの励振位相に対して約50度進んでいる場合、主ビームは+Z方向から−Y側へチルトした方向に形成されることになる。
図7は、図6に示すアンテナ装置の指向性を示す図である。
ここで、図7(A)は、切替素子16A,16B、または切替素子43A,43Bに逆バイアスを印加し、主ビームを仰角θが60度の低仰角方向に形成した場合の指向性を示す図である。同図(A)において、指向性eは、スロット素子13Aの励振位相がスロット素子13Bの励振位相に対して約50度遅らせた場合の円錐面の指向性を示しており、指向性fは、スロット素子13Aの励振位相がスロット素子13Bの励振位相に対して約50度進めた場合の円錐面の指向性を示している。
また、指向性gは、スロット素子41Aの励振位相がスロット素子41Bの励振位相に対して約50度遅らせた場合の円錐面の指向性を示しており、指向性hは、スロット素子41Aの励振位相がスロット素子41Bの励振位相に対して約50度進めた場合の円錐面の指向性を示している。これらの指向性e〜hは、いずれも指向性利得が12.3dBi、円錐面パターンの半値角が87度となり、仰角θが60度における水平面の全方位をカバーできる4セクタアンテナが形成される。
一方、図7(B)は、切替素子16A,16B、または切替素子43A,43Bに順バイアスを印加し、主ビームを仰角θが30度の低仰角方向に形成した場合の指向性を示す図である。また、同図(C)において、指向性iは、スロット素子13Aの励振位相がスロット素子13Bの励振位相に対して約50度遅らせた場合の円錐面の指向性を示しており、指向性jは、スロット素子13Aの励振位相がスロット素子13Bの励振位相に対して約50度進めた場合の円錐面の指向性を示している。
また、指向性kは、スロット素子41Aの励振位相がスロット素子41Bの励振位相に対して約50度遅らせた場合の円錐面の指向性を示しており、指向性lは、スロット素子41Aの励振位相がスロット素子41Bの励振位相に対して約50度進めた場合の円錐面の指向性を示している。これらの指向性i〜lは、いずれも指向性利得が9.4dBi、円錐面パターンの半値角が86度となり、仰角θが30度における水平面の全方位をカバーできる4セクタアンテナが形成される。
以上のように、本実施形態によれば、低仰角方向と高仰角方向の水平面の全方位をカバーできるセクタアンテナが形成される。従って、本実施形態のように、基板の表面に4つのスロット素子を正方形状に配置し、基板の裏面にスロット素子と直交する方向に複数個の線状無給電素子を形成し、対向する2組のスロット素子を選択的に位相差をもたせて励振させ、かつ、線状無給電素子を切替素子によって接続/未接続を切り替えて長さを調整することで、小型かつ平面構造で、垂直面において主ビーム方向を切り替えることができる4方向のマルチセクタアンテナを実現できる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置について図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本実施形態において、図1に示す第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。なお、本実施形態でも、アンテナの動作周波数を5GHzとして説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示すものであり、スロット素子51A〜51Dと、接続導体52A〜52Dと、無給電素子15A〜15Dと、スロット迂回素子53A,53Bと、給電部54とを、基板11の銅箔層12に備えている。
スロット素子51A〜51Dは、銅箔層12を切削して形成された空隙であり、正方形形状に配置されており、素子長L4が16.3mm(約1/3波長)、素子幅が例えば1mmである。ここで、スロット素子51A,51Bの接続部と、スロット素子51C,51Dの接続部とを結んだライン上に、無給電素子15A〜15Dが配置されるようにする。
接続導体52A〜52Dは、スロット素子51A〜51Dと同一平面上に、例えば銅箔パターンにより形成されており、長さL5が約5mmの位置でそれぞれのスロット素子51A〜51Dを分断するようにスロット素子の内側の銅箔層と外側の銅箔層を接続している。このように、接続導体52A〜52Dにより、スロット素子51A〜51Dの内側の銅箔層と外側の銅箔層を接続することで、スロット素子51A〜51Dのインピーダンスを安定化させることができる。
スロット迂回素子53A,53Bは、スロット素子51A〜51Dと同様に銅箔層12を切削して形成された空隙であり、全長が13mm(約1/4波長)で、長さL6が6.5mm(約1/8波長)で折り返した構成となっている。素子幅は1mmである。スロット迂回素子53Aは、スロット素子51Aとスロット素子51Cの間に接続され、スロット迂回素子53Bは、スロット素子51Bとスロット素子51Dの間に接続される。なお、スロット素子51Aとスロット素子51B、スロット素子51Cとスロット素子51Dは、それぞれ接続されており、ここではスロット素子51Aとスロット素子51Bの間に挿入された給電部54によってスロット素子が励振される。
従って、本実施形態によれば、このように構成することで、スロット素子51A,51Bの接続部及びスロット素子51C,51Dの接続部において、電界がピーク点をとることになり、スロット迂回素子53A,53Bにより、それぞれのピーク点間において位相差が生じることになる。このため、これらの電界ピーク点からの放射を簡略化すると、X軸方向偏波のスロットアンテナを2つ平行に配列した構成と見なすことができる。この構成においては、第1の実施形態で説明したように、+Z方向から±X方向にチルトした主ビームが形成されることになる。
(I)図9は、切替素子16A,16Bに逆バイアスを印加したときに、図8に示すアンテナ装置の指向性を示す図である。図9において、(A)は垂直(XZ)面の指向性、(B)は仰角θが60度における円錐面の指向性を示している。
同図(A)において、指向性mは、垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、仰角θが60度の方向へチルトした主ビームが得られていることが確認できる。一方、同図(B)において、指向性nは、指向性mと同様に垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向へ向いていることが確認できる。このとき、主ビームの指向性利得は13.2dBi、円錐面パターンの半値角は62度である。
(II)次に、図10は、切替素子16A,16Bに順バイアスを印加したときの図8に示すアンテナ装置の指向性を示す図である。図10において、同図(A)は垂直(XZ)面の指向性、同図(B)は仰角θが20度における円錐面の指向性を示している。
図10(A)において、指向性oは、垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、仰角θが20度の方向へチルトした主ビームが得られていることが確認できる。また、図10(B)において、指向性pは、指向性oと同様に垂直偏波Eθ成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向へ向いていることが確認できる。このとき、主ビームの指向性利得は8.9dBi、円錐面パターンの半値角は84度である。
このように、図8に示すような本実施形態の構成とすることで、+X側にチルトした主ビームが得られ、無給電素子15A〜15Dの長さを切替素子により切り替えることで、垂直(XZ)面において高仰角方向と低仰角方向に主ビーム方向を切り替えることができる。また、図8に示す構成では、スロット素子51A,51Bの間にのみ給電部54を設けたが、スロット素子51C,51Dの間にも給電部を設けて、選択的に励振することで、主ビーム方向を±X方向に切り替えることができる。このとき、励振しない給電部は開放とする必要がある。また、図8に示す本実施形態のような構成のものを、複数平面上に等角度ずつ回転させて配列することで、水平面の全方位をカバーできるセクタアンテナを構成することもできる。
以上のように、本実施形態のアンテナ装置によれば、基板11の表面に正方形形状に形成されたスロット素子51A〜51Dと正方形の対向する一組の頂点にスロット迂回素子53A,53Bを設けるとともに、基板11の裏面に複数個の線状無給電素子15A〜15Dを形成し、さらにはスロット素子51A〜51D面から一定の距離を離して反射板14を設けて、線状無給電素子51A〜51Dを切替素子16A,16Bによって接続/未接続を切り替えて長さを調整することができる。従って、小型かつ平面構造で、垂直面において低仰角方向と高仰角方向に主ビームを切り替えることができる、換言すれば、1つのアンテナで複数のビームを送受信可能なマルチビームアンテナ装置を実現することができる。なお、本実施形態では、スロット素子を正方形形状に配列したが、正方形形状に限らず、円形形状やひし形形状としても良い。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。例えば、本発明では、スロット素子の内側の銅箔層と外側の銅箔層を接続導体により同一平面で接続することとしたが、スルーホールを介して基板の裏面で接続しても同様な効果が得られる。
本発明は、水平方向にチルトした垂直偏波を有した主ビームを低仰角方向と高仰角方向に形成し、さらには水平面において主ビーム方向を切り替えることができ、小型無線機に搭載する際に適した平面構造で小型なマルチビームアンテナを実現できるという効果を有し、固定無線機や端末無線機等の小型無線機に適用できる。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示すものであり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は裏からみた平面図 本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の切替素子に逆バイアスを印加したときの動作説明図 そのときのアンテナ装置の指向性を示す図 本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の切替素子に順バイアスを印加したときの動作説明図 そのときのアンテナ装置の指向性を示す図 本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示すものであり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は裏からみた平面図 本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置のいずれかの切替素子に順バイアスを印加したときの指向性を示す図 本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示すものであり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は裏からみた平面図 そのアンテナ装置の切替素子に逆バイアスを印加したときの指向性を示す図 そのアンテナ装置の切替素子に順バイアスを印加したときの指向性を示す図 従来のマルチセクタアンテナの構成を示す平面図 従来の他のマルチセクタアンテナの構成を示す平面図
符号の説明
11 (誘電体)基板
12 銅箔層
13A、13B スロット素子
14 反射板
15A〜15D 無給電素子
16A、16B 切替素子
17A、17B 給電部
21A、21B、31A、31B 点波源
22A、22B、32A、32B イメージ波源
a〜p 指向性

Claims (8)

  1. 導体板に所定の間隔を隔てて平行に配置した略1/2波長の電気長を有する第1のスロット素子及び略1/2波長の電気長を有する第2のスロット素子と、
    前記導体板から平行に所定の間隔を隔てた位置に配置した反射板と、
    前記導体板と前記反射板の間に前記第1及び第2のスロット素子と直交するように所定の間隔を隔てて直列に配列した第1乃至第4の線状無給電素子と、
    前記第1及び第2の線状無給電素子との間に設け、前記第1及び第2の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第1の切替素子と、
    前記第3及び第4の線状無給電素子との間に設け、前記第3及び第4の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第2の切替素子と
    を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記第1及び第2のスロット素子と直交するように、前記導体板に所定の間隔を隔てて平行に配置した略1/2波長の電気長をそれぞれ有する第3のスロット素子及び第4のスロット素子と、
    前記第1乃至第4の線状無給電素子と同一平面で、かつ、前記第3及び第4のスロット素子と直交するように、所定の間隔を隔てて直列に配列した第5乃至第8の線状無給電素子と、
    前記第5及び第6の線状無給電素子との間に設け、前記第5及び第6の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第3の切替素子と、
    前記第7及び第8の線状無給電素子との間に設け、前記第7及び第8の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第4の切替素子と
    を備えることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 一辺が略1/4波長乃至3/8波長の長さを有し、前記導体板にひし形形状に配置する4本のスロット素子と、
    第5のスロット素子の一端と第6のスロット素子の一端を接続した位置に給電する第1の給電手段と、
    前記第5のスロット素子の他端と第7のスロット素子の一端とに接続し、略1/4波長の長さを保持して折り返した形状を有する第1のスロット迂回素子と、
    前記第6のスロット素子の他端と第8のスロット素子の一端とに接続し、略1/4波長の長さを保持して折り返した形状を有する第2のスロット迂回素子と、
    前記導体層から平行に所定の間隔を隔てた位置に配置した反射板と、
    前記第5及び第6のスロット素子の接続部と前記第7及び第8のスロット素子の接続部とを結ぶラインに平行で、かつ、前記導体板と前記反射板の間に所定の間隔を隔てて直列に配列した第9乃至第12の線状無給電素子と、
    前記第9及び第10の線状無給電素子との間に設け、前記第9及び第10の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第5の切替素子と、
    前記第11及び第12の線状無給電素子との間に設け、前記第11及び第12の線状無給電素子を電気的に接続する状態と未接続の状態を切り替える第6の切替素子と
    を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 前記第2の給電手段は、前記第7のスロット素子の他端と前記第8のスロット素子の他端を接続した位置に配置することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記スロット素子及び前記スロット迂回素子は、誘電性の基板上の表面の銅箔パターンで構成するとともに、
    前記線状無給電素子は、前記基板上の裏面の銅箔パターンにより構成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記導体板と前記反射板との間隔は、略1/4波長以上で略1/2波長以下に設定するとともに、
    前記スロット素子と前記線状無給電素子との間隔は、略1/6波長以上で略1/4波長以下に設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記誘電体基板の厚さは、誘電体内の実効波長の略1/6以上で略1/4以下に設定するとともに、
    前記基板上の裏面の銅箔パターンと前記反射板との間隔は、自由空間波長の略1/4以上で略1/3以下に設定することを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の複数のアンテナ装置を平面上にそれぞれ等角的に配置してあることを特徴とするマルチビームアンテナ装置。
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