JP2006083526A - 自動ドア装置及びこれに用いる接触検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 誤検知することなく物体との接触を高感度で検知する。
【解決手段】 ドア2a、2bをモータ4が開閉駆動する。エンコーダ6の出力からドア2a、2bの速度をCPU14が測定し、その測定速度が、設定した速度と一致するようにCPU14が制御する。モータ4の負荷トルクTをモータ4の速度と、モータ4への駆動電圧からCPU14が算出し、この付加トルクTが所定のしきい値を越えた場合に、ドア2a、2bが物体と接触したと判断して、検知信号を出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ドア2a、2bをモータ4が開閉駆動する。エンコーダ6の出力からドア2a、2bの速度をCPU14が測定し、その測定速度が、設定した速度と一致するようにCPU14が制御する。モータ4の負荷トルクTをモータ4の速度と、モータ4への駆動電圧からCPU14が算出し、この付加トルクTが所定のしきい値を越えた場合に、ドア2a、2bが物体と接触したと判断して、検知信号を出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動ドア装置においてドアの開閉時にドアが物体に接触したことを検知する接触検知装置及びこの接触検知装置を備えた自動ドア装置に関する。
一般に、自動ドア装置では、ドアをモータによって走行させる。この走行時にドアがなんらかの物体に接触した場合、そのままドアを走行させようとすると、モータに過大な電流が流れ、モータが損傷する可能性がある。或いは、接触した物体が人の場合、危険である。そこで、ドアに物体が接触しているか否かを検出する装置として、例えば特許文献1に開示されているような技術がある。
この技術は、ドアが所定の距離を移動するごとに立ち上がるパルス信号を発生する回路を設け、このパルス信号が立ち上がってから次に立ち上がるまでの期間(周期)を計測し、この周期が、前回の周期よりも所定の許容値以上長くなっていると、ドアが物体に接触していると判定するものである。即ち、この技術は、前回よりもドアの速度が許容値以上低下すると、ドアが物体に接触していると判定している。
この技術ではドア速度の変動が許容値以上に生じているか否かによって、接触検知を行っている。この技術において検知感度を高めるためには、上記許容値を小さく設定する必要がある。しかし、許容値を小さく設定すると、ドアが風圧を受けて前回よりもわずかに速度が低下しただけでも、或いはガードレールにわずかにゴミが詰まって、ドアの速度が前回よりもわずかに低下しただけでも、簡単に許容値以上にドアの速度が低下し、誤検知する可能性が高い。そのため、上記許容値を大きく設定し、大きく速度が変化しない限り、物体検知と判定しないように検知感度を下げる必要がある。検知感度を下げると、力が掛かるとゆっくり変形するような物体、例えばダンボールの空き箱等がドアに接触して、ドアの速度が前回よりも僅かに低下する場合に、物体接触を検知しにくくなる。また、力が掛かるとその力が働く方向に移動する物体、例えば買い物カートがドアに接触して、わずかにドアの速度が前回よりも低下するような場合も、物体接触を検知しにくくなる。
本発明は、誤検知することなく物体との接触を高感度で検知することができる物体接触検知装置及びこのような物体接触検知が行える自動ドア装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の自動ドア装置は、ドアをモータが開閉駆動する。前記ドアの速度を計測部が測定する。前記測定した速度が、設定した移動速度と一致するように、制御部が前記モータを、例えばフィードバック制御する。前記モータの負荷トルクが、所定のしきい値を越えた場合に、前記ドアが物体と接触したと判断して、前記制御部に接触検知部が検知信号を出力する。ドアとしては、引戸、スイングドア、回転ドア等種々のものを使用することができる。モータとしては、直流モータ、ステッピングモータ、交流モータ等の種々のものを使用することができる。接触検知部は、モータの負荷トルクを、例えばモータを流れる電流によって検知する。或いは、前記負荷トルクを、前記モータへの駆動電圧と、前記計測した速度とに基づいて算出する。制御部は、接触検知部が検知信号が供給されると、例えばモータを停止させる。
このように構成すると、物体とドアが接触している場合、たとえその接触によって物体をドアが移動させている場合でも、物体をドアが変形させている場合でも、モータの負荷トルクは増加する。このトルクが予め定めたしきい値を越えたか否かによって物体接触の有無を判定しているので、即ち、速度の変動が許容値以上生じているか否かで物体との接触の有無を判定していないので、物体とドアとの接触を敏感に検知することができる。しかも、負荷トルクをモータへの駆動電圧とドアの速度とに基づいて算出する場合、モータに流れる電流を検出する電流センサを使用する必要が無く、電流センサへノイズ混入があっても、負荷トルクの検知精度が低下することがない。
負荷トルクをモータへの駆動電圧とドアの速度とに基づいて算出する場合、更に、前記制御部は、印加電圧をパルス信号によってパルス幅変調して前記駆動電圧を生成するものとできる。この場合、前記駆動電圧は、前記印加電圧と前記パルス信号のデュティ比とから算出される。
このように構成すると、駆動電圧の検出は、印加電圧の値とデュティ比との演算によって求めることができ、電圧センサによってモータの駆動電圧を測定する必要が無く、電圧センサへのノイズの混入によって検知精度が低下することがない。
前記接触検知部は、前記しきい値を前記自動ドア装置の状態変化に応じて自動更新することができる。この自動更新としては、例えば前記ドアが以前に開または閉動作したときの前記モータの負荷トルクに基づいて前記しきい値を設定するものや、前記ドアが停止しているときから所定の速度になるまでに要する時間に基づいて前記しきい値を設定するものがある。
しきい値を自動更新することによって、常に最適なしきい値を使用することが可能となり、既設によってドアに対する風の強さが変化して、ドアに対する風圧が変わったり、ドアのガイドレールの清掃によってドアの走行抵抗が減少したりすることによって、自動ドア装置の状態が変化しても、その変化状態に応じてしきい値が変化しているので、検知精度が低下することはない。
本発明の他の態様による接触検知装置は、ドアの速度を測定する計測部と、前記ドアを開閉駆動するモータの駆動電流を測定する電流計測部と、前記計測部で測定した前記ドアの速度がほぼ一定であり、かつ前記モータの駆動電流が所定のしきい値を越えた場合に、前記ドアが物体に接触したと判断して検知信号を出力する接触検知部とを、具備している。
このように構成すると、物体とドアが接触したことにより、たとえ物体をドアが移動させている場合でも、物体をドアが変形させている場合でも、ドアの速度が一定に保とうとしている限り、モータの負荷トルクを増加させるため電流が接触前よりも増加するので、容易に前記駆動電流がしきい値を越えて、物体とドアとの接触を敏感に検知することができる。特に、この接触検知装置は、既存の自動ドア装置に設置することも可能であり、既存の自動ドア装置であっても物体とのドアとの接触を高感度で検出することができる。
以上のように、本発明によれば、物体とドアとの接触を敏感に検知することができる。
本発明の第1実施形態の自動ドア装置は、図1に示すように、ドア2a、2bを有している。ドア2a、2bは、ドア開口を完全に閉じた閉位置と、ドア開口を完全に開いた開位置との間を直線路に沿ってスライディング運動する。そのため、ドア2aは、ベルト3の上部に結合され、ドア2bはベルト3の下部に結合されている。ベルト3は、従動プーリ5aと駆動プーリ5bとの間に張架されている。駆動プーリ5bは、モータ、例えば直流モータ4によって正逆転駆動される。この駆動によってドア2a、2bが閉位置から開位置、または開位置から閉位置に直線的に移動する。
ドア2a、2bは、制御装置1によって開閉制御される。制御装置1は、制御手段、例えばCPU14を有している。ドア2a、2bの移動方向とドア2a、2bの位置とを検出するために、モータ4に回転検出手段、例えばロータリエンコーダ6が取り付けられている。エンコーダ6からの信号は、CPU14にI/Oユニット7を介して供給される。また、ドア2a、2bの近辺に通行者等の物体が近づいたことを検出するためにセンサ12が設けられている。センサ12が物体を検知したとき、センサ12が発生する検知信号もI/Oユニット13を介してCPU14に供給され、この検知信号に基づいてドア2a、2bが開閉制御される。
ハンディターミナル16から、ドア2a、2bを動作させるために必要な種々のパラメータがCPU14にI/Oユニット17を介して供給される。これらパラメータは、記憶手段、例えばメモリユニット18に記憶される。これらパラメータを基に、CPU14が演算を行い、方向信号とPWM信号とをI/Oユニット11を介して駆動手段、例えばモータドライブユニット10に供給する。
方向信号には正方向信号と逆方向信号とがある。正方向信号は、ドア2a、2bを開く方向にモータ4を回転させることをモータドライブユニット10に指示するものである。逆方向信号は、ドア2a、2bを閉じる方法にモータ4を回転させることをモータドライブユニット10に指示するものである。PWM信号は、パルス信号の1周期のうちHレベルが占める割合(デュティ比)が変化するもので、このHレベルの期間、モータドライブユニット10はモータ4を駆動し、Lレベルの期間、モータドライブユニット10はモータ4を制動する。デュティ比が大きくなればなるほど、モータ4に供給される駆動電圧が増加し、モータ4の速度が増加する。
CPU14は、例えばドア2a、2bを閉位置から開位置に移動させる場合、図2に示すように閉位置から開位置までを加速域、高速域、減速域、低速域の4つの領域に分けて、ドア2a、2bの速度制御を行う。ドア2a、2bを開位置から閉位置に移動させる場合も同様である。
センサ12から検知信号がCPU14に供給されたときに、加速域での制御が開始され、PWM信号におけるデュティ比が予め定めた増分ずつ所定時間の経過ごとに増加させられる。その結果、モータ4の駆動電圧が増加し、かつ、ドア2a、2bの速度が図2に示すように増加していく。その結果、予め定めた時間が経過したとき、ドア2a、2bの速度は予め定めた速度となる。なお、所定時間の計測は、例えばクロック信号発生器20が発生するクロック信号をカウントすることによって行われる。
加速域での制御終了後、高速域での制御が行われる。この高速域での制御では、上述したパラメータの1つとして設定されている開速度パラメータに従ってCPU14が開高速域目標速度Vohを決定する。この開高速域目標速度Vohに、ドア2a、2bの速度が一致するようにCPU14がフィードバック制御を行う。即ち、CPU14がモータドライブユニット10に所定時間経過ごとに供給するPWM信号のデュティ比Du(x)は、前回に供給したPWM信号のデュティ比Du(x−1)と速度指令値Vcに基づく駆動電圧増加分をデュティ比に換算した値との代数和である。デュティ比Du(x−1)は、前回に供給したPWM信号のデュティ比は、前回にモータ4に供給された駆動電圧に比例している。速度指令値Vcは、ドア2a、2bの現在の速度Vxと開高速域目標速度Vohとの差に所定の係数K1を乗算し、モータ4に供給する必要のある電圧の増加分に比例した値を算出する。この速度指令値Vcに適当な係数を乗算して、デュティ比の変動分に換算している。速度Vxは、エンコーダ6からの信号に基づいてCPU14が決定する。即ち、エンコーダ6、CPU14が計測部として機能する。
この高速域での制御は、減速域制御を開始する位置にドア2a、2bが移動するまで継続される。減速域での制御では、CPU14がまず複数の開減速域目標速度を定める。各開減速域目標速度は、減速域制御を開始するときのドア2a、2bの速度から予め定めた低速域目標速度まで順に小さくなる。開減速域目標速度のステップ数は予め定められている。ステップごとにドア2a、2bの速度が、そのステップに対応する開減速域目標速度となるようにCPU14がフィードバック制御を行う。即ち、モータドライブユニット10に所定時間経過ごとにCPU14から供給されるPWM信号のデュティ比Du(x)は、前回に供給されたPWM信号のデュティ比Du(x−1)と速度指令値Vcに基づく駆動電圧増加分をデュティ比に換算したものとの代数和である。速度指令値Vcは、ドア2a、2bの現在の速度Vxと開減速域目標速度との差に上記係数K1を乗算した値である。
この減速域制御は、ドア2a、2bの速度が予め定めた低速域速度になるまで継続される。減速域制御についで、低速域制御が行われる。低速域制御では、ドア2a、2bの速度が、低速域速度を維持するようにフィードバック制御が行われる。即ち、モータドライブユニット10に所定時間経過ごとに供給されるPWM信号のデュティ比Du(x)は、前回に供給されたPWM信号のデュティ比Du(x−1)と速度指令値Vcに基づく駆動電圧増加分をデュティ比に換算したものとの代数和である。速度指令値Vcは、ドア2a、2bの現在の速度Vxと低速域速度との差に上記係数K1を乗算した値である。この制御は、例えばドア2a、2bが開位置に到達するまで行われる。
上記の速度制御の説明は、ドア2a、2bが物体に接触しないことを前提としたものである。実際には、この実施の形態では、ドア2a、2bと物体との接触検知が行われている。この接触検知は、PWM信号から算出した駆動電圧と、エンコーダ6の出力信号から算出した回転速度とに基づいて、CPU14において行われる。
まず、図3を参照して、駆動電圧と回転速度とから接触検知が行える原理を説明する。モータ4に印加される駆動電圧をV、モータ4に流れる電流をI、モータ4に誘起される電圧をE、モータ4の回転数をN、モータ4の抵抗値をR、モータ4のトルクをTとする。駆動電圧Vと電流Iと抵抗値Rと誘起電圧Eとの間には、
V=E+R*I・・・(1)
の関係がある。また、誘起電圧Eと回転数Nとの間には、
E=Ke*N・・・(2)
の関係がある。Keは比例係数である。また、トルクTと電流Iとの間には、
T=Kt*I・・・(3)
の関係がある。Ktは比例定数である。式(2)、(3)を式(1)に代入すると、
V=Ke*N+(R*T/Kt)・・・(4)
が成立する。式(4)をTについて整理すると、
T=Kt/R(V−Ke*N)・・・(5)
が成立する。従って、モータ4への駆動電圧Vとモータ4の回転速度Nとからモータ4のトルクTを計算できる。例えば、ドア2a、2bが物体に接触したことにより、ドア2a、2bの移動速度が低下すると、モータ4の回転数Nが低下する。しかし、上述したCPU14は、速度を一定に維持するようにモータ4を制御するので、この回転数Nの低下を補うように駆動電圧Vを増加させる(デュティ比を増加させる)。その結果、トルクTが増加する。この駆動電圧Vの増加は、力がかかるとゆっくりと変形するダンボール等にドア2a、2bが接触しているときでも、力がかかるとゆっくりと力が加わっている方向に移動する買い物カート等に自動ドア2a、2bが接触しているときでも、モータ4の回転数が低下することによって生じる。この増加されたトルクTが、予め定めたしきい値を越えると、ドア2a、2bが物体と接触していると判定することができる。また、モータ4に流れる電流を直接に検出していないし、駆動電圧Vも直接に検出していないので、電流や電圧を検出するためのセンサが不要である上に、これらセンサを使用した場合、その検出信号に含まれることがあるノイズの影響を受けず、高精度に物体の接触を検知することができる。
V=E+R*I・・・(1)
の関係がある。また、誘起電圧Eと回転数Nとの間には、
E=Ke*N・・・(2)
の関係がある。Keは比例係数である。また、トルクTと電流Iとの間には、
T=Kt*I・・・(3)
の関係がある。Ktは比例定数である。式(2)、(3)を式(1)に代入すると、
V=Ke*N+(R*T/Kt)・・・(4)
が成立する。式(4)をTについて整理すると、
T=Kt/R(V−Ke*N)・・・(5)
が成立する。従って、モータ4への駆動電圧Vとモータ4の回転速度Nとからモータ4のトルクTを計算できる。例えば、ドア2a、2bが物体に接触したことにより、ドア2a、2bの移動速度が低下すると、モータ4の回転数Nが低下する。しかし、上述したCPU14は、速度を一定に維持するようにモータ4を制御するので、この回転数Nの低下を補うように駆動電圧Vを増加させる(デュティ比を増加させる)。その結果、トルクTが増加する。この駆動電圧Vの増加は、力がかかるとゆっくりと変形するダンボール等にドア2a、2bが接触しているときでも、力がかかるとゆっくりと力が加わっている方向に移動する買い物カート等に自動ドア2a、2bが接触しているときでも、モータ4の回転数が低下することによって生じる。この増加されたトルクTが、予め定めたしきい値を越えると、ドア2a、2bが物体と接触していると判定することができる。また、モータ4に流れる電流を直接に検出していないし、駆動電圧Vも直接に検出していないので、電流や電圧を検出するためのセンサが不要である上に、これらセンサを使用した場合、その検出信号に含まれることがあるノイズの影響を受けず、高精度に物体の接触を検知することができる。
このように自動ドア2a、2bが開閉動作しているときに、そのときのモータ4の回転数、駆動電圧の大きさからモータ4の負荷トルクTを決定し、この負荷トルクTの値としきい値とを比較することによって、物体とドア2a、2bとの接触を検知している。
即ち、図4に示すように、高速域制御、減速域制御及び低速域制御のいずれにおいても、CPU14は、モータ4の現在速度Vxをロータリエンコーダ6の出力から決定する(ステップS2)。次に、CPU14は、上述した各高速域制御、減速域制御または低速域制御における駆動電圧Vを算出する(ステップS4)。この駆動電圧Vは、例えばモータ4に印加可能な電圧Veにデュティ比を乗算することによって求められる。さらに、CPU14は、例えば式(5)に従って負荷トルクTを算出する(ステップS6)。そして、この負荷トルクTと比較するしきい値TLを設定する(ステップS8)。このしきい値TLの設定については、後述する。次に、負荷トルクTとしきい値TLとを比較する(ステップS10)。もし、負荷トルクTが、しきい値TLよりも小さければ(ステップS10の判断の答えがイエス)、非接触と判断する(ステップS12)。もし、負荷トルクTの方が、しきい値TLよりも大きければ(ステップS10の判断の答えがノー)、接触と判断する(ステップS14)。接触と判断した場合、CPU14は、ドア2a、2bの移動を停止させる。
しきい値の設定法としては、図5(a)または(b)に示すような方法のいずれかを使用することができる。
図5(a)では、現在行われている速度制御に対応する前回の速度、例えば現在の速度制御が、開行程における高速域制御であるとすると、接触と判断されていない前回の開行程における高速制御において発生した種々の負荷トルクの値T1乃至Tnが前回の高速域制御の際にメモリユニット18に記憶されており、これらを呼び出す(ステップS16)。これら前回の負荷トルクT1乃至Tnのうち最大値Tmaxを選択する(ステップS18)。この最大値Tmaxをしきい値TLと決定する(ステップS20)。他の高速制御、減速制御、低速制御においても同様にしてしきい値TLが決定される。
図5(b)では、各速度制御に対応する複数の標準しきい値Tsがメモリユニット18に予め記憶されており、また、各速度制御における所定速度になるまでの標準時間tsそれぞれもメモリユニット18に記憶されている。そして、現在の速度制御に対応する標準しきい値Tsと、その速度制御における標準時間tsもメモリユニットから呼び出され、現在の速度制御において上記所定速度になるまでに要した時間taが計測され、Ts*ts/taの演算を行うことによって、しきい値TLが決定される(ステップS22)。
このようにしきい値TLは、常に一定値を使用するのではなく、前回の対応する速度制御における負荷トルクまたは今回所定速度になるまでに要した時間によって修正した標準しきい値Tsを使用しているので、自動ドア装置の状況が変化していても、例えば清掃等によってガイドレールのゴミ等が除去されて走行抵抗が変化していても、その変化に追従したしきい値TLに更新することができる。
図6は、ドア2a、2bを開または閉動作中の高速域において、ドア2a、2bが物体に接触して、ドア2a、2bの速度が低下した場合のモータ4の回転速度N、駆動電圧V、負荷トルクTの変化を示したものである。この図から明らかなように、ドア2a、2bが物体に衝突するまで、負荷トルクT、駆動電圧V、回転速度Nはそれぞれ一定である。ドア2a、2bが物体に接触し、モータ4の回転が徐々に遅くなると、速度制御しているのでモータ4の回転を元に戻そうとして、駆動電圧Vは上昇を始め、負荷トルクTも上昇していく。やがて、負荷トルクTはしきい値TLを越えて、物体とドア2a、2bとの接触が検知される。なお、モータ4の回転速度が正常時よりも低下した一定の回転速度でモータ4が回転していても、モータ4の回転速度を正常に戻そうとして駆動電圧VをCPU14が上昇させるので、負荷トルクTが大きくなり、しきい値TLを越え、物体が接触していることを検知できる。また、ドア2a、2bが受ける風圧が一時的に増加しても、或いはドア2a、2bのガイドレールの一部にゴミが詰まっていても、一時的に負荷トルクTは増加するが、しきい値TLを越えるまでに負荷トルクTが増加する前に、風圧が元に戻ったり、ゴミの無い部分をドア2a、2bが走行するようになる。その結果、物体接触と誤検知することはない。
上記の実施の形態では、物体接触が生じているか否かの判定はCPU14によって行ったが、これに限ったものではない。例えば第2の実施の形態では、図7に示すようにモータドライブユニット10に付属させた接触検知部22によって、第1の実施の形態と同様に物体の接触を判定している。そのため、接触検知部22には、CPU14からI/Oユニット11を介して速度信号が供給されている。接触検知部22は、モータドライブユニット10にCPU14から供給されているPWM信号を用いて、駆動電圧Vを算出する。なお、しきい値TLを決定するためのデータ(前回動作時の負荷トルクまたは標準しきい値、標準時間)は、メモリユニット18からCPU14を介して接触検知部22に供給される。物体とドア2a、2bとが接触していると、接触検知部22が判定すると、その判定結果はCPU14に送られ、CPU14はドア2a、2bを停止させる。
或いは、図8に示す第3の実施形態のように、モータドライブユニット10からモータ4に供給される電流Iを検出し、接触検知部24において、上述した式(3)に基づいて負荷トルクTを算出する。この場合、エンコーダ6からの出力信号も接触検知部24に供給し、モータ4の速度がほぼ一定になっているときに、算出した負荷トルクTとしきい値TLとを比較する。なお、しきい値TLを決定するためのデータは、CPU14を介してメモリユニット18から供給される。物体とドア2a、2bとが接触していると、接触検知部24が判定すると、その判定結果はCPU14に送られ、CPU14はドア2a、2bを停止させる。このように電流から負荷トルクTを演算するように構成すると、既存の自動ドア装置に対しても、接触検知部24を容易に付加することができる。
上記の実施の形態では、PWM信号をモータ4に供給して速度制御を行ったが、これに限ったものではなく、例えばモータ4に供給する電圧自体を直接にCPU14が変化させることもできる。この場合には、図4に示した駆動電圧の算出のステップS4は不要である。上記の実施の形態では、スライディングドアに本発明を実施したが、これに限ったものではなく、例えば回転ドアやスイングドアに本発明を実施することもできる。
1 制御装置
2a、2b ドア
6 ロータリエンコーダ(計測部)
14 CPU(計測部、制御部 接触検知部)
22 24 接触検知部
2a、2b ドア
6 ロータリエンコーダ(計測部)
14 CPU(計測部、制御部 接触検知部)
22 24 接触検知部
Claims (7)
- ドアを開閉駆動するモータと、
前記ドアの速度を測定する計測部と、
前記測定した速度が、設定した移動速度と一致するように、前記モータを制御する制御部と、
前記モータの負荷トルクが、所定のしきい値を越えた場合に、前記ドアが物体と接触したと判断して、前記制御部に検知信号を出力する接触検知部とを、
具備する自動ドア装置。 - 請求項1記載の自動ドア装置において、前記接触検知部は、前記負荷トルクを、前記モータへの駆動電圧と、前記計測した速度とに基づいて算出する自動ドア装置。
- 請求項2記載の自動ドア装置において、前記制御部は、印加電圧をパルス信号によってパルス幅変調して前記駆動電圧を生成し、前記駆動電圧は、前記印加電圧と前記パルス信号のデュティ比とから算出される自動ドア装置。
- 請求項1記載の自動ドア装置において、前記接触検知部は、前記しきい値を前記自動ドア装置の状態変化に応じて自動更新する自動ドア装置。
- 請求項4記載の自動ドア装置において、前記接触検知部は、前記ドアが以前に開または閉動作したときの前記モータの負荷トルクに基づいて前記しきい値を自動更新する自動ドア装置。
- 請求項4記載の自動ドア装置において、前記接触検知部は、前記ドアが停止しているときから所定の速度になるまでに要する時間に基づいて前記しきい値を設定する自動ドア装置。
- ドアの速度を測定する計測部と、
前記ドアを開閉駆動するモータの駆動電流を測定する電流計測部と、
前記計測部で測定した前記ドアの速度がほぼ一定であり、かつ前記モータの駆動電流が所定のしきい値を越えた場合に、前記ドアが物体に接触したと判断して検知信号を出力する接触検知部とを、
具備する接触検知装置。
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