JP2006082582A - ウォータージェット推進艇の排気弁構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウォータージェット推進艇の排気弁構造20は、ポンプ室14の天井壁41に開口部56を備え、この開口部56にテールパイプ48の排気口18を臨ませ、この排気口18を開閉する弁体61を備え、この弁体61を天井壁41に取り付ける弁体支持手段62を備え、この弁体61を、排気口18を閉じた状態に押し付ける押付け手段64を備え、この押付け手段64の押付け力に抗して弁体61を開くために、水ジェットポンプ15からジェット水の一部を取り出し、取り出したジェット水で弁体61を開くジェット水噴射手段66を備える。
【選択図】図2
Description
このウォータージェット推進艇のなかには、エンジンから延ばした排気管の排気口をポンプ室に臨ませ、この排気口を弁体で開閉可能に構成したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
図10は従来の基本構成を説明する図である。
ウォータージェット推進艇200は、艇体の後部にトンネル状のポンプ室201を設け、このポンプ室に水ジェットポンプを設け、この水ジェットポンプにエンジンを連結し、このエンジンから延ばした排気管202の排気口203をポンプ室201に臨ませ、この排気口203の近傍に固定ねじ204を介してゴム板製の弁体205を備える。
これにより、弁体205が、実線で示す閉位置に配置されて当接面206に当たり、排気口203を閉じた状態に保つ。
これにより、弁体205が、想像線で示す開位置まで弾性変形し、排気口203を開いた状態に保つ。排気口203を開くことにより、排気口203から排気ガスを排出する。
弁体205を当接面206に確実に押し付けないと、当接面206と弁体205との間に隙間が発生する。
このため、排気口203を弁体205で確実に閉じることができない。
しかし、排気ガス圧では、弁体205の弾性力に抗して弁体205を大きく開くことは難しい。弁体205が十分に大きく開かないと、弁体205が排気ガスを排出する妨げになる虞がある。
ウォータージェット推進艇10は、艇体11の前部11aに燃料タンク12を設け、この燃料タンク12の後方に駆動用のエンジン13を設け、このエンジン13後方の艇尾(艇体の後部)11bにポンプ室14を設け、このポンプ室14に水ジェットポンプ15を設け、この水ジェットポンプ15に駆動シャフト16を介してエンジン13を連結し、このエンジン13から延ばした排気管17の排気口18(図4参照)をポンプ室14内に臨ませ、この排気口18を開閉するウォータージェット推進艇の排気弁構造20を備える。
ステアリングノズル22から艇体11の後方へ噴射することで艇体11が前進状態で推進(滑走)する。
このリバースバケット34で、ステアリングノズル22から噴射した水を前方に向けて案内することで艇体11が後進する。
以下、ウォータージェット推進艇の排気弁構造20について詳しく説明する。
排気管17は、エンジン13の排気マニホールド(図示しない)に繋ぎ、排出側端部38をポンプ室14の天井壁41に貫通させ、この排出側端部38の排気口18をポンプ室14の空間42に臨ませたものである。
空間42は、後端42aが開口したトンネル状の空間である。以下、後端42aを開口後端42aと称す。
リバースバケット34は、ポンプ室14の後端42aに位置し、支持ピン36を軸にしてステアリングノズル22上方の前進位置と、ステアリングノズル22後方の後進位置とにスイング移動可能な部材である。
また、操舵ハンドル23の操作レバー(図示せず)でリバースケーブル54を操作してリバースバケット34をステアリングノズル22後方の後進位置に配置することで艇体11を後進させる。
ポンプ室14の天井壁41に開口部56を備え、この開口部56に弁体支持手段62を介して弁体61を取り付ける。
天井壁41の開口部56は、略円形状に形成した排気用の穴であり、この開口部56の中央に前後方向に延びる支持梁71を渡すことにより左側開口56aと右側開口56bとに区分けしたものである。
ガイド部72をV断面又は略V断面に形成することにより、ガイド部72をテールパイプ48の排気口18に向けて(上方に向けて)先細状に突出させる(図4参照)。
なお、支持梁71にガイド部72を形成することで、支持梁71の下面側(ポンプ室14に臨む面側)には凹状部72aを備える。
右フラップ77は、左フラップ76と同様に、略半円弧状に形成された右円弧部86と、右円弧部86の頂部86aに一体に形成された略矩形状の右突片87とからなり、右円弧部86および右突片87の下面側周縁に補強リブ88を備える。
それぞれのコイルばね95…のうちの、前側のコイルばね95,95の他片95b,95bを、前サポート部97のサポート片97a,97aに接触させる。
さらに、それぞれのコイルばね95…のうちの、後側のコイルばね95,95の他片95b,95bを、後サポート部98のサポート片98a,98aに接触させる。
これにより、天井壁41と取付プレート91とで弁体61の取付部74を挟持し、天井壁41の裏面に弁体61の取付部74を取り付ける。
また、右前コイルばね95および右後コイルばね95のばね力で、右前揺動片92および右後揺動片94を右フラップ77の下面に押し付ける。
ポンプ室14の天井壁41の表面にテールパイプ48の排気側端部38を4本のボルト104…で取り付けることで、テールパイプ48の排気口18を天井壁41の開口部56に臨ませる。
この状態で、天井壁41のガイド部72を、テールパイプ48の排気口18に向けて突出させた状態に配置する。
左前コイルばね95および左後コイルばね95(左後コイルばね95は図3参照)のばね力で、左前揺動片92および左後揺動片94(左後揺動片94は図3参照)を左フラップ76の下面に押し付ける。
また、右前コイルばね95および右後コイルばね95(右後コイルばね95は図3参照)のばね力で、右前揺動片92および右後揺動片94(右後揺動片94は図3参照)を右フラップ77の下面に押し付ける。
よって、左フラップ76で、開口部56の左側開口56aを確実に閉じ、右フラップ77で、開口部56の右側開口56bを確実に閉じる。
これにより、左右のフラップ76,77で、天井壁41の開口部56を確実に閉じることが可能になり、弁体61で排気口18を確実に閉じることができる。
左噴射孔106は、艇体11の中心に向けて下向きに傾斜させた貫通孔である。
右噴射孔107は、艇体11の中心に向けて下向きに傾斜させた貫通孔である。
また、右噴射孔107に右案内流路111の端部111aを臨ませ、この端部111aをボルト112,112、ナット(図示せず)で天井壁41に取り付ける(図5参照)。
すなわち、ハウジング31の後部の外壁31aには、外壁31aを貫通する取出孔(図示せず)が設けられ、この取出孔を、ハウジング31内で、かつインペラー32(図1参照)より後方の空間に臨ませる。
この取出孔に取出流路113の端部113aを連通する。
取出流路113に取り出したジェット水を、左右の案内流路108,111に導く。
左右の案内流路108,111に導かれたジェット水は、それぞれ左右の噴射孔106,107に導かれる。
左突片82にジェット水を当てることで、左突片82にジェット水の噴射力がかかる。ジェット水の噴射力は、左側のコイルばね95,95の押付け力と比較して十分に大きい。
よって、ジェット水を用いることで、左側のコイルばね95,95の押付け力に抗して、左フラップ76を矢印aの如く大きく開く。
右突片87にジェット水を当てることで、右突片87にジェット水の噴射力がかかる。ジェット水の噴射力は、右側のコイルばね95,95の押付け力と比較して十分に大きい。
よって、ジェット水を用いることで、右側のコイルばね95,95の押付け力に抗して、右フラップ77を矢印bの如く大きく開く。
分散流路118は、ポンプ室14内で、かつテールパイプ48の排気口18の後方に設けた流路である。
分散流路118は、断面略U字形の溝部121(図2も参照)をポンプ室14内に配置するとともに、ポンプ室の左右壁47,49まで艇体11の左右方向に延ばし、溝部121の左右端部を左右のプレート122,122で塞ぎ、溝部121の取付片121a,121a(図2も参照)をボルト・ナットで天井壁41の裏面に取り付けることで、溝部121と天井壁41で形成された流路である。
後案内流路116に導いたジェット水を導入孔115を経て分岐流路118に導く。分散流路118に導いたジェット水を、複数の噴射小孔119…からポンプ室14内の空間42に向けて噴射する。
複数の噴射小孔119…からジェット水をポンプ室14内の空間42に向けて噴射することで、噴射したジェット水でウォーターカーテン67(図8参照)を形成する。
先ず、ウォータージェット推進艇の排気弁構造20で排気口18を閉じる例を、主に図7に基づいて説明する。
図7は本発明に係るウォータージェット推進艇の排気弁構造の弁体を閉じる例を説明する図である。
ウォータージェット推進艇10のエンジン13(図1参照)が停止しているとき、左前コイルばね95および左後コイルばね95(左後コイルばね95は図3参照)のばね力で、左フラップ76を天井壁41の裏面に確実に押し付ける。
よって、左フラップ76で、開口部56の左側開口56aを確実に閉じ、右フラップ77で、開口部56の右側開口56bを確実に閉じる。
したがって、エンジン13が停止しているときに、ポンプ室14側から排気口18に水が侵入することを確実に防止する。
連通管46を逆U状に形成することで、排気管17に侵入した水をブロックし、水がエンジン13(図1参照)側に流入することを防止するためである。
しかし、連通管46を逆U状に形成すると、連通管46が長くなり、連通管46を配置する空間を大きく確保する必要がある。
このため、排気管17の連通管46(図2参照)を逆U状に形成して水をブロックする必要がない。よって、連通管46を短くすることが可能になり、連通管46を小さな空間に配置することが可能になる。
図1に示すウォータージェット推進艇10のエンジン13が回転すると、水ジェットポンプ15のインペラー32が回転する。
インペラー32が回転すると、インペラー32の後方にジェット水が発生する。発生したジェット水の一部を取出口(図示せず)および取出流路113の端部113a(図2参照)を介して取出流路113に取り出す。
(a)に示す取出流路113に取り出したジェット水を、矢印cの如く左案内流路108に導くとともに、矢印dの如く右案内流路111に導く。
左右の案内流路108,111に導かれたジェット水は、それぞれ左右の噴射孔106,107に導かれる。
同様に、右噴射孔107に導かれたジェット水を、右噴射孔107から矢印gの如く噴射させて右フラップ77の右突片87に当てる。
よって、ジェット水を用いることで、左側のコイルばね95,95の押付け力に抗して、左フラップ76を矢印hの如く大きく開く。
よって、ジェット水を用いることで、右側のコイルばね95,95の押付け力に抗して、右フラップ77を矢印iの如く大きく開く。
弁体61を開くことで、排気ガスを、排気口18から開口部56を経てポンプ室14内の空間42内に矢印jの如く排出する。
この際に、弁体61を十分に大きく開くことで、弁体61に影響されずに排気ガスを好適に矢印jの如く排出することができる。
図1に示すウォータージェット推進艇10のエンジン13が回転すると、水ジェットポンプ15のインペラー32が回転する。
インペラー32が回転すると、インペラー32の後方にジェット水が発生する。発生したジェット水の一部を取出口(図示せず)および取出流路113の端部113a(図2参照)を介して取出流路113に取り出す。
取り出したジェット水の一部を、取出流路113から後案内流路116に導く。
(a)において、後案内流路116に導いたジェット水を導入孔115を経て分岐流路118に導く。分散流路118に導いたジェット水を、複数の噴射小孔119…からポンプ室14内の空間42に向けて矢印kの如く噴射する。
ウォーターカーテン67はポンプ室14の左壁47から右壁49全域に渡って形成される。
ここで、ウォータージェット推進艇10のエンジン13が回転しているので、ジェット噴射手段66のジェット水で弁体61が開く。
この際に、排気音が発生するが、排気音はウォーターカーテン67で遮音され、開口後端42aから外部に漏れることを防ぐ。
排気音が開口後端42aから外部に漏れることを防ぐことで、排気音の低減を図る。
Claims (1)
- 艇体の後部にトンネル状のポンプ室を設け、このポンプ室に水ジェットポンプを設け、この水ジェットポンプに駆動用のエンジンを連結し、このエンジンから延ばした排気管の排気口をポンプ室に臨ませたウォータージェット推進艇の排気弁構造において、
前記排気口を開閉する弁体を備え、
この弁体を、前記排気口を閉じた状態に押し付ける押付け手段を備え、
この押付け手段の押付け力に抗して弁体を開くために、前記水ジェットポンプからジェット水の一部を取り出し、取り出したジェット水を弁体に噴射させるジェット水噴射手段を備えたことを特徴とするウォータージェット推進艇の排気弁構造。
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