JP2006079939A - 陰極線管 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐気圧強度を確保し、ビームシャドウネックを防止しつつ、水平偏向の効率向上効果を高めて偏向電力の低減効果を高めることができる陰極線管を提供する。
【解決手段】 真空外囲器は、電子銃を内装するネック部と、偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部4とを含んでおり、コーン部4の陰極線管の管軸1aに垂直な方向の断面形状は、パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、コーン部4の管軸1a上の点を原点として水平軸H及び垂直軸Vを直交2軸とする座標系において、コーン部4の外面の水平軸径をLA、垂直軸径をSAとすると、コーン部4は、LA/SA<1の関係を満足する部分を含んでいる。
【選択図】 図4
【解決手段】 真空外囲器は、電子銃を内装するネック部と、偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部4とを含んでおり、コーン部4の陰極線管の管軸1aに垂直な方向の断面形状は、パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、コーン部4の管軸1a上の点を原点として水平軸H及び垂直軸Vを直交2軸とする座標系において、コーン部4の外面の水平軸径をLA、垂直軸径をSAとすると、コーン部4は、LA/SA<1の関係を満足する部分を含んでいる。
【選択図】 図4
Description
この発明は、偏向ヨークの装着された陰極線管に関し、特に偏向電力を有効に低減できる陰極線管に関する。
図13を参照しながら、従来の陰極線管の一例を説明する。図13は、従来例に係る陰極線管20の断面図を示している。真空外囲器21は、表示部がほぼ矩形状のガラス製のパネル22、このパネル22に径大部が連設された漏斗状のガラス製のファンネル23、及びこのファンネル23のコーン部24に連設された円筒状のガラス製のネック部25を備えている。
パネル22の内面には、蛍光体層で形成された蛍光体スクリーン26が設けられている。蛍光体層は、青、緑、赤に発光するドット状又はストライプ状の3色の蛍光体層である。蛍光体スクリーン26に対向してシャドウマスク27が配置されている。シャドウマスク27には、多数の電子ビーム通過孔が形成されている。ネック部25内には、3本の電子ビームを放出する電子銃28が配設されている。
ファンネル23のコーン部24の外側からネック25の外側にかけて、偏向ヨーク29が装着されている。3本の電子ビームは、偏向ヨーク29の発生する水平、垂直偏向磁界により偏向され、シャドウマスク27を介して蛍光体スクリーン26上を水平、垂直走査することにより、カラー画像が表示されることになる。
陰極線管においては、セルフコンバーゼンス・インライン型陰極線管が広く実用化されている。この陰極線管は、電子銃28を同一水平面上を通る一列配置の3本の電子ビームを放出するインライン型としたものである。そして、偏向ヨーク29の発生する水平偏向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形として、一列配置の3本の電子ビームを、これらの水平、垂直偏向磁界により偏向することにより、格別の補正手段を要することなく、画面全面にわたり一列配置の3本の電子ビームを集中させるというものである。
このような陰極線管においては、偏向ヨーク29が大きな電力消費源であり、陰極線管の消費電力の低減に当たっては、この偏向ヨーク29の消費電力を低減することが重要である。一方、スクリーンの輝度を上げるためには、最終的に電子ビームを加速する陽極電圧を高める必要がある。またHD(High Definition)TVやパーソナルコンピュータなどのOA機器に対応するためには、偏向周波数を上げなければならない。これらはいずれも偏向電力を増大させることになる。
一般に偏向電力の低減には、陰極線管20のネック部25の径を小さくし、偏向ヨーク29の装着されるコーン部24の外径を小さくして、電子ビームに対して偏向磁界が効率よく作用するようにするとよい。この場合、電子ビームが偏向ヨーク29の装着されたコーン部24の内面に接近して通過することになる。
このため、ネック部25の径やコーン部24の外径をさらに小さくすると、BSN(ビームシャドウネック)と呼ばれる現象が生じる。この現象は、蛍光体スクリーン26の対角部に向かう最大偏向角で偏向される電子ビームが、コーン部24の内壁に衝突し、ファンネル23の内壁の影により、部分的に電子ビームが蛍光体スクリーン22上に到達しない現象(以下、「ビームシャドウネック」という。)である。
このような問題を解決する技術として、特許文献1には、蛍光体スクリーン26上に矩形状のラスターを描く場合、コーン部24内側における電子ビームの通過領域もほぼ矩形状になるとの考えから、偏向ヨーク29の装着されるコーン部24を、ネック部25側からパネル22方向に円形から次第にほぼ矩形状に変化する形状にしたものが提案されている。
また、特許文献2には、コーン部の断面形状が略長方形形状の陰極線管において、コーン部の断面形状をスクリーンの縦横比よりも縦長にして、偏向ヨークの磁界発生効率の改善を図る技術が提案されている。
偏向ヨーク29の装着されるコーン部24を角錐状に形成すると、コーン部24は、円形である通常の形状に対して、電子ビームが衝突しやすい対角部(対角軸近傍:D軸近傍)の内径を大きくして電子ビームの衝突を避けることができる。さらに、水平軸(H軸)及び垂直軸(V軸)方向の内径を小さくして、偏向ヨークの水平、垂直偏向コイルを電子ビームに近づけ、電子ビームを効率よく偏向することができ、偏向電力を低減することができる。
また、特許文献3には、ビームシャドウネックの防止効果をより高めるために、コーン部を角錐状にすることに加えて、コーン部外面の管軸方向に沿った垂直軸端位置の曲率半径を水平軸端位置の曲率半径より小さくする技術が提案されている。
特公昭48−34349号公報
特開2000−243317号公報
特開2000−156180号公報
しかしながら、前記のように、コーン部の断面形状が略矩形状の陰極線管においては、コーン部の断面形状を矩形に近づけるほど、真空外囲器の耐気圧強度が低下し、安全性が損なわれる。したがって、実用的には適度に丸みのある形状にしなければならず、この場合は偏向電力の低減効果が損なわれるという問題があった。
特許文献2に記載の構成は、偏向ヨークからの磁界の発生効率を改善し、消費電力低減を図るものであるが、垂直偏向に比べ消費電力の大きい水平偏向の消費電力低減に着眼したものではなく、必ずしも効率的に消費電力を低減できるというものではなかった。
本発明は、前記のような従来の問題を解決するためになされたものであり、耐気圧強度を確保し、かつビームシャドウネックを防止しつつ、偏向ヨークの偏向磁界を電子ビームに近づけ、電子ビームを効率よく偏向し、偏向電力を低減できる陰極線管を提供すること目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の第1の陰極線管は、電子銃を内装し蛍光体スクリーンが内面に形成されたパネル部を含む真空外囲器と、前記真空外囲器の外周上に配置され前記電子銃から放出された電子ビームを偏向する偏向ヨークとを備えた陰極線管であって、前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、前記非円形の断面形状を形成する部分は、前記管軸上の点を原点として水平軸及び垂直軸を直交2軸とする座標系において、前記コーン部の外面の水平軸径をLA、垂直軸径をSAとすると、LA/SA<1の関係を満足する部分を含んでいることを特徴とする。
本発明の第2の陰極線管は、電子銃を内装し蛍光体スクリーンが内面に形成されたパネル部を含む真空外囲器と、前記真空外囲器の外周上に配置され前記電子銃から放出された電子ビームを偏向する偏向ヨークとを備えた陰極線管であって、
前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、前記コーン部の外面の前記管軸方向に沿った垂直軸端位置の曲率半径をRv、水平軸端位置の曲率半径をRh、対角軸端位置の曲率半径をRdとすると、Rh<Rv<Rdの関係を満足していることを特徴とする。
前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、前記コーン部の外面の前記管軸方向に沿った垂直軸端位置の曲率半径をRv、水平軸端位置の曲率半径をRh、対角軸端位置の曲率半径をRdとすると、Rh<Rv<Rdの関係を満足していることを特徴とする。
本発明の第3の陰極線管は、電子銃を内装し蛍光体スクリーンが内面に形成されたパネル部を含む真空外囲器と、前記真空外囲器の外周上に配置され前記電子銃から放出された電子ビームを偏向する偏向ヨークとを備えた陰極線管であって、
前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、前記コーン部の前記管軸上の点を原点として水平軸及び垂直軸を直交2軸とする座標系において、前記コーン部の外面の水平軸径をLA、垂直軸径をSAとすると、前記管軸上の各位置におけるLA/SAの値は、偏向角の基準となるリファレンスラインの近傍の位置において、極小値があることを特徴とする。
前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、前記コーン部の前記管軸上の点を原点として水平軸及び垂直軸を直交2軸とする座標系において、前記コーン部の外面の水平軸径をLA、垂直軸径をSAとすると、前記管軸上の各位置におけるLA/SAの値は、偏向角の基準となるリファレンスラインの近傍の位置において、極小値があることを特徴とする。
本発明によれば、耐気圧強度を確保し、ビームシャドウネックを防止しつつ、水平偏向の偏向効率の向上効果を高めて偏向電力の低減効果を高めることができる。
本発明の第1、2の陰極線管によれば、コーン部と電子ビームとの距離を近づけることができ、耐気圧強度を確保し、ビームシャドウネックを防止しつつ、水平偏向の偏向効率の向上効果を高めて偏向電力の低減効果を高めることができる。
本発明の第3の陰極線管によれば、偏向ヨークの最大磁界が発生する位置の近傍に、水平偏向磁界を電子ビームにより近づけることができるので、水平偏向の効率向上効果が大きく、偏向電力の低減効果も高めることができる。
前記本発明の第1の陰極線管においては、前記コーン部の外面の前記管軸方向に沿った垂直軸端位置の曲率半径をRv、水平軸端位置の曲率半径をRh、対角軸端位置の曲率半径をRdとすると、Rh<Rv<Rdの関係を満足していることが好ましい。
また、前記管軸上の各位置におけるLA/SAの値は、偏向角の基準となるリファレンスラインの近傍の位置において、極小値があることが好ましい。この構成によれば、偏向ヨークの最大磁界が発生する位置の近傍に、水平偏向磁界を電子ビームにより近づけることができるので、水平偏向の効率向上効果が大きくなる。
また、前記座標系において、前記コーン部の内面の水平軸径をLAin、垂直軸径をSAinとすると、前記LA/SA<1の関係を満足する部分において、LAin/SAin<1の関係を満足していることが好ましい。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る陰極線管の外観斜視図及び内部構造の斜視図を示している。図2は、本発明の一実施の形態に係る陰極線管の断面図を示している。図3は、図2に示した陰極線管のパネル2の平面図を示している。
図1に示したように、陰極線管1は真空外囲器10を備えている。真空外囲器10は、水平軸(H軸)を長軸にし垂直軸(V軸)を短軸とする矩形状のパネル2と、パネル2に連設される漏斗状のファンネル3と、ファンネル3に連設される円筒状のネック部5を含んでいる。
パネル2の内面には、蛍光体層で形成されたスクリーン6が設けられている。蛍光体層は、青、緑、赤に発光するドット状又はストライプ状の3色の蛍光体層である。スクリーン6に対向してシャドウマスク7が配置されている。シャドウマスク7には、多数の電子ビーム通過孔が形成されている。ネック部5内には、3本の電子ビームを放出する電子銃8が配設されている。
ファンネル3の外周部のうち、ネック部5との連設部分からパネル2側に向けて広がるコーン部4に偏向ヨーク9が装着されている。
図3に示したように、パネル2は、互いに直交する水平軸2a(H軸)及び垂直軸2b(V軸)に対して対称になっている。電子銃8から放射された3本の電子ビームは、偏向ヨーク9によってパネル2の水平軸2a及び垂直軸2b方向に偏向される。電子ビームは、パネル2の内側へ設置されたシャドウマスク7の電子ビーム通過孔を通過して蛍光体スクリーン6にランディングし、所定の画像を実現する。
図2に示したように、陰極線管は、機種に応じた偏向角φを有している。偏向角は、リファレンスライン12(偏向基準位置)と関係がある。リファレンスラインとは、スクリーン6の対角線端6a、6b(図2、3)から管軸1a(Z軸)上の任意の点に連結される2つの直線が形成する角度がその陰極線管の偏向角φと同一になるような管軸上の点16(偏向中心)を通り管軸1aと直交する線のことである。
図4はコーン部4の管軸1aに直交する方向における部分断面図である。管軸1aからコーン部4外面の水平軸端の距離を水平半径LA、管軸1aからコーン部4外面の垂直軸端の距離を垂直半径SA、コーン部4外面の最大半径を対角半径DAとする。また、管軸1aからコーン部4内面の水平軸端の距離をLAin、管軸1aから内面の垂直軸端の距離をSAin、コーン部4内面の最大半径をDinとする。
次に、図5A、B、Cは、それぞれ図2に示した真空外囲器1の管軸と直交する方向におけるコーン部4の断面図を示している。図5Aはネック部5とコーン部4との連設部11付近の断面図であり、図5Bはリファレンスライン12の位置における断面図、図5Cはコーン部4とファンネル3との連設部13付近の断面図である。これらの各図から分かるように、偏向ヨーク9の装着されるコーン部4がほぼ角錐状に構成されている。
より具体的には、図5Aに示したように、コーン部4は、連設部11付近では、ネック部5と略同形の円環形状であり、コーン部4外面はLA=SAになっている。図5Bに示したように、リファレンスライン12付近から、連設部13にかけては、略矩形状(非円形状)であり、コーン部4外面はLA<SAと縦長形状としている。図5Cに示したように、ファンネル3との連設部13では、コーン部外面はLA>SAと横長形状としている。
ここで、偏向ヨーク9の磁界強度はリファレンスライン12近傍において最も大きくなる。また、偏向ヨーク9の消費電力は概ね水平偏向:垂直偏向=6:4〜7:3であり、消費電力は垂直偏向より水平偏向のほうが大きい。このため、消費電力の低減を図るには、水平偏向の消費電力の低減を図るのが効果的であるといえる。
本実施の形態では、図5Bに示したように、リファレンスライン12の位置において、コーン部4外面形状をLA<SAの縦長形状としている。このことにより、横長形状に比べて偏向ヨークの水平偏向コイルを電子ビームに近づけることができ、水平偏向磁界効率を向上させ、偏向電力の低減を図るようにしている。
以下、具体例を挙げながら説明する。図6は、実施例に係るコーン部4の水平半径LA、垂直半径SA、対角半径DAの関係を示した図である。本実施例は、80cm型でスクリーンアスペクト比が4:3の陰極線管である。横軸の管軸方向位置が0の位置がリファレンスライン12位置であり、正方向がスクリーン6側であり、負方向がネック部5側である(図7〜10も同じ)。
これに対して、図9は、比較例に係るコーン部4の水平半径LA、垂直半径SA、対角半径DAの関係を示した図である。本比較例も画面サイズは実施例と同じであり、80cm型でスクリーンアスペクト比が4:3の陰極線管である。
図6と図9とを比較してみると、図9の比較例では、ほぼ全域でDA>LA>SAの関係であるのに対して、図6の実施例ではSAとLAとの大小関係が逆転している。例えば、リファレンスライン位置近傍を比較してみると、図6の実施例では、SA>LAの縦長形状であるのに対して、図9の比較例では、SA<LAの横長形状になっている。
ただし、コーン部4とファンネル3との連接部13においては、ファンネル3はパネル2の横長形状にほぼ追従した横長形状になっている。このため、実施例は、連接部13におけるコーン部4の形状については、ファンネル3の横長形状に合わせている。
図7は、本実施例に係る80cm型陰極線管の偏向ヨークの磁界強度分布を示した図である。リファレンスライン12位置(管軸方向位置0mm)よりややネック部5側の位置(管軸方向位置約−15mm)において、最大磁界強度が形成されている。
図8は、図6に示した本実施例に係る80cm型陰極線管の水平半径LAと垂直半径SAとの比LA/SAを表した図である。管軸方向の略全域において、LA/SA<1、すなわち縦長形状になっており、リファレンスライン12位置の近傍において、LA/SAはより小さな値になっている。
より具体的には、リファレンスライン12位置(管軸方向位置0mm)よりややネック部5側の位置P1(管軸方向位置約−10mm)において、LA/SAは極小値になっている。この位置は、図7において、最大磁界強度が形成される位置と略一致している。
ここで、一般に電子ビームの偏向は、偏向ヨークの最大磁界が発生する位置から大きくなる。また、前記のように、消費電力の低減を図るには、水平偏向の消費電力の低減を図るのが効果的である。このため、この最大磁界の発生位置付近からリファレンスライン12を含むスクリーン6側の位置において、水平偏向磁界を電子ビームに近づけるようにすれば、水平偏向の効率向上効果が大きくなり、偏向電力の低減効果も高めることができる。
本実施例は、このことに着眼したものである。より具体的には、最大磁界の発生位置からネック部5側に行くにつれて、電子ビームの偏向効果は小さくなる。図7の例では、−20mm程度までの範囲であれば、最大磁界の発生位置(約−15mm)の近傍であり、磁界強度も90%以上と大きな値である。一方、最大磁界の発生位置よりスクリーン6側の位置は、電子ビームの偏向効果が大きい位置であり、図7の例では10mm程度までの範囲は60%以上の磁界強度が保たれている。
したがって、図7の例では、管軸方向の位置が−20mmから10mmの範囲において、水平偏向磁界を電子ビームに近づけるようにすれば、水平偏向の効率向上効果に有利であるといえる。
このため、必ずしもコーン部の管軸方向の全域において、LA/SA<1とする必要はなく、LA/SA<1の構成は、前記のような水平偏向の効率向上に有利な範囲に部分的に適用してもよい。
本実施例は、図8に示したように、管軸方向の略全域においてLA/SA<1としつつ、管軸方向の位置が−20mmから10mmの範囲において、LA/SAの値を他の範囲に比べて小さくして、水平偏向の効率向上効果をより高めるようにしている。
また、陰極線管のサイズが異なっても、基本的な構成は同じである。このため、前記の水平偏向の効率向上効果に有利な範囲は、コーン部の管軸方向の長さに対する比率で表現すると、リファレンスライン12位置からスクリーン6側に15%、リファレンスライン12位置からネック部5側に−25%の範囲を挙げることができる。前記の図7の例は、コーン部の管軸方向の長さは82mm(−42〜40mm)であり、−20mm(24.4%)から10mm(12.2%)の範囲は、前記の例示範囲内である。
図10は、比較例に係る80cm型陰極線管の水平半径LAと垂直半径SAとの比LA/SAを表した図である。コーン部4とネック部5との連接部11よりスクリーン6側の方向において、LA/SA≧1になっている。
実施例と比較例との偏向電力を比較したところ、比較例の偏向電力を100%とすると実施例は86%であり、実施例は比較例に比べ偏向電力が低減できていることが確認できた。
図11(a)は、コーン部4のリファレンスライン12位置における管軸1aに垂直な断面形状を示す。図11(b)は、図11(a)のJ部の拡大図を示している。図11(a)の破線で示したコーン部は、LA/SA<1の縦長形状を満足している。このように、LA/SA<1の縦長形状を満足している場合、通常はコーン部4の最大径方向の対角軸D(線14)と水平軸Hとのなす角度θ2は45°以上となる。
しかし、電子ビームがスクリーン6の対角端(図3の6a)に到達するときの、リファレンスライン12位置近傍の対角の電子ビーム軌道を解析すると、電子ビーム軌道と水平軸Hとのなす角度は約44°である。これは図11(a)の角度θ1に相当する。
ここで、図11(a)、(b)の破線形状は、コーン部4内面の線14との交点Aにおいて、最大内径Rinを有するが、電子ビームがコーン部4内面と衝突する点は、電子ビーム軌道に相当する線15とコーン部4内面との交点Bとなり、これは最大内径Rinよりも内側になる。図11(a)、(b)の実線形状は、線15上において、交点Cは交点Bから遠ざかっており、ビームシャドウネックの回避に有利な形状である。
この場合、コーン部4外面の実線形状の点C′は、線15上にありかつ破線形状の最大外径Routを半径とする円周上にある。このため、実線形状は、最大径方向における厚さCC′は、破線形状の最大径方向における厚さAA′と同じであり、かつ最大内径Rinの円周内に収まっていることになる。
この実線形状と破線形状とを比べると、コーン部4外面の最大外径Routは同じであり、偏向電力の観点からは両者は同等である。また、最大径方向における厚さも同じであるので、耐気圧強度の観点からも両者は同等である。
また、このような実線形状においても、LA/SA<1の縦長形状を満足していることには変りない。すなわち、縦長形状は偏向電力低減の効果を実現しながらも、ビームシャドウネック現象の回避に特別不利になることはなく、耐気圧強度も維持することができる形状であるといえる。
また、前記のような構成により、偏向電力低減、耐真空圧強度確保、及びビームシャドウネック防止を実現した実施例について、コーン部4内面のLAinとSAin(図4)の関係を測定したところ、LA/SA<1の縦長形状になっている部分については、LAin/SAin<1となっていることが確認できた。
図12は本実施の形態に係る陰極線管の背面図を示している。本図はコーン部4の外面形状を説明する図である。Rv、Rh、Rdはそれぞれ、コーン部4外面の管軸(Z軸)方向に沿った垂直軸端位置の曲率半径、水平軸端位置の曲率半径、対角軸端位置の曲率半径である。
より具体的には、Rv、Rh、Rdはそれぞれ、管軸と直交する方向のコーン部4の各断面形状の外周のうち、垂直軸(V軸)と交わる点(図4の点E)を結んだ線の曲率半径、水平軸(H軸)と交わる点(図4の点F)を結んだ線の曲率半径、対角軸(D軸)と交わる点(図4の点G)を結んだ線の曲率半径のことである。
以下の表1に、本実施例(図6)と比較例(図9)のリファレンスライン位置近傍でのRv、Rh、Rdの結果を示した。曲率半径は、リファレンスライン12位置(0mm)その前後10mmの計3点の平均値で算出した。より具体的には、例えば−10mmの点における曲率半径は、−20mm、−10mm、0mmの3点を通る円の曲率半径、10mmの点における曲率半径は、0mm、10mm、20mmの3点を通る円の曲率半径である。
比較例がRv<Rh<Rdの関係であるのに対し、実施例ではRh<Rv<Rdの関係になっており、RvとRhの大小関係が逆転している。すなわち、実施例では比較例に比べ、リファレンスライン12位置の水平径を縮小し、相対的に管軸側へ凹んだ形状とし、コーン部4と電子ビームとの距離を近づけている。
本実施例は、LA/SA<1の縦長形状の関係とRh<Rv<Rdの関係の双方を満足しているが、いずれか一方を満足するものでもよい。LA/SA<1の関係を満足していれば、水平偏向の効率が高まり、偏向電力の低減効果も高めることができるのは前記の通りである。しかしながら、LA/SA<1の関係を満足していなくても、Rh<Rv<Rdの関係を満足していれば、比較例のようにRv<Rh<Rdの構成に比べ、コーン部4と電子ビームとの距離を近づけることができ、水平偏向の偏向効率の向上に有利になる。
例えばスクリーンアスペクト比が16:9の陰極線管のように、4:3の陰極線管よりスクリーンの横長の程度が大きい場合、コーン部においても横長の程度が大きくなる。この場合コーン部外面を全体的に横長形状(LA/SA>1)にした構成であっても、Rh<Rv<Rdの関係としたものは、Rv<Rh<Rdの関係にしたものに比べて、効率よく偏向電力を低減できることを確認している。
このことは、LA/SAの値がリファレンスラインの近傍の位置において極小値がある構成においても同様である。具体的には、図8に示した構成のように、LA/SA<1であり、かつリファレンスラインの近傍の位置においてLA/SAの値の極小値がある構成が望ましい。しかしながら、LA/SA<1の関係を満足していなくても、リファレンスラインの近傍の位置においてLA/SAの極小値がある構成であれば、水平偏向の偏向効率の向上に有利な位置において、コーン部4と電子ビームとの距離を近づけることができる。
本発明によれば、耐気圧強度を確保し、ビームシャドウネックを防止しつつ、水平偏向の効率向上効果を高めて偏向電力の低減効果を高めることができので、本発明は、例えばテレビ受像機、コンピュータディスプレイに用いられる陰極線管に有用である。
1 真空外囲器
1a 管軸
2 パネル
3 ファンネル
4 コーン部
5 ネック部
6 スクリーン
7 シャドウマスク
8 電子銃
9 偏向ヨーク
12 リファレンスライン
1a 管軸
2 パネル
3 ファンネル
4 コーン部
5 ネック部
6 スクリーン
7 シャドウマスク
8 電子銃
9 偏向ヨーク
12 リファレンスライン
Claims (6)
- 電子銃を内装し蛍光体スクリーンが内面に形成されたパネル部を含む真空外囲器と、前記真空外囲器の外周上に配置され前記電子銃から放出された電子ビームを偏向する偏向ヨークとを備えた陰極線管であって、
前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、
前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、
前記非円形の断面形状を形成する部分は、前記管軸上の点を原点として水平軸及び垂直軸を直交2軸とする座標系において、前記コーン部の外面の水平軸径をLA、垂直軸径をSAとすると、
LA/SA<1
の関係を満足する部分を含んでいることを特徴とする陰極線管。 - 前記コーン部の外面の前記管軸方向に沿った垂直軸端位置の曲率半径をRv、水平軸端位置の曲率半径をRh、対角軸端位置の曲率半径をRdとすると、
Rh<Rv<Rd
の関係を満足している請求項1に記載の陰極線管。 - 前記管軸上の各位置におけるLA/SAの値は、偏向角の基準となるリファレンスラインの近傍の位置において、極小値がある請求項1に記載の陰極線管。
- 前記座標系において、前記コーン部の内面の水平軸径をLAin、垂直軸径をSAinとすると、前記LA/SA<1の関係を満足する部分において、
LAin/SAin<1
の関係を満足している請求項1に記載の陰極線管。 - 電子銃を内装し蛍光体スクリーンが内面に形成されたパネル部を含む真空外囲器と、前記真空外囲器の外周上に配置され前記電子銃から放出された電子ビームを偏向する偏向ヨークとを備えた陰極線管であって、
前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、
前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、
前記コーン部の外面の前記管軸方向に沿った垂直軸端位置の曲率半径をRv、水平軸端位置の曲率半径をRh、対角軸端位置の曲率半径をRdとすると、
Rh<Rv<Rd
の関係を満足していることを特徴とする陰極線管。 - 電子銃を内装し蛍光体スクリーンが内面に形成されたパネル部を含む真空外囲器と、前記真空外囲器の外周上に配置され前記電子銃から放出された電子ビームを偏向する偏向ヨークとを備えた陰極線管であって、
前記真空外囲器は、前記電子銃を内装するネック部と、前記偏向ヨークが配置された位置に対応したコーン部とを含んでおり、
前記コーン部の前記陰極線管の管軸に垂直な方向の断面形状は、前記パネルの長軸及び短軸以外の方向に最大径を有する非円形の断面形状を含んでおり、
前記コーン部の前記管軸上の点を原点として水平軸及び垂直軸を直交2軸とする座標系において、前記コーン部の外面の水平軸径をLA、垂直軸径をSAとすると、
前記管軸上の各位置におけるLA/SAの値は、偏向角の基準となるリファレンスラインの近傍の位置において、極小値があることを特徴とする陰極線管。
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