JP2006069855A - 空洞充填材 - Google Patents
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Abstract
【課題】混練が容易で自己充填性を有し、ブリーディング率が小さい空洞充填材を提供する。
【解決手段】(A)石炭灰と、(B)セメントと、(C)水と、
(D)下記一般式(1)
R1O(AO)nR2 (1)
(ただし、式中、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で10〜100、R2は炭素数1〜8の炭化水素基を表す)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸を必須成分とする共重合体を含有する減水剤、を含有する空洞充填材。
更に、鉱物質微粉末(石灰石粉末、珪石粉末、高炉スラグ粉末、ドロマイト粉末等)や、細骨材を含有することが好ましい。
Description
上記特許文献2の空隙充填材では、水と、水硬性粉体と、助材と、刺激材とをミキサーに投入し、攪拌して得られる水硬性スラリーに、化合物(α)または化合物(β)の一方の化合物を添加、混練した後に、化合物(α)または化合物(β)の他方の化合物を添加、混練する必要がある、又、前記水硬性スラリーに、化合物(α)または化合物(β)の一方の化合物の水溶液を添加してなる混合物であるA流体と、化合物(α)または化合物(β)の他方の化合物の水溶液であるB流体とを異なる搬送経路で搬送し、打設前にA流体とB流体とを混合して製造した空隙充填材を使用する必要があるので、空隙充填材の混練や搬送に手間がかかるという問題がある。
(D)下記一般式(1)
R1O(AO)nR2 (1)
(ただし、式中、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で10〜100、R2は炭素数1〜8の炭化水素基を表す)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸を必須成分とする共重合体を含有する減水剤、を含有することを特徴とする空洞充填材である(請求項1)。
本発明においては、更に、鉱物質微粉末(請求項2)や、細骨材(請求項3)を含有することが好ましい。
本発明の空洞充填材は、(A)石炭灰と、(B)セメントと、(C)水と、
(D)下記一般式(1)
R1O(AO)nR2 (1)
(ただし、式中、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で10〜100、R2は炭素数1〜8の炭化水素基を表す)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸を必須成分とする共重合体を含有する減水剤、を含有するものである。
石炭灰は、石炭火力発電所等から発生する灰であって、微粉炭燃焼によって生成され、燃焼ボイラの燃焼ガスから空気余熱器、節炭器などを通過する際に落下採取された石炭灰、集塵機で採取された石炭灰、および燃焼ボイラの炉底に落下した石炭灰のいずれも使用できる。特に、電気集塵器等で採取された粒径が小さく、球状の粒子の含有率の高い石炭灰あるいは分級して得られた石炭灰微粉を使用した場合は、空洞充填材のブリーディング率が小さく強度特性が良好となる。
セメントの量は、石炭灰100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、2〜25質量部であることがより好ましい。セメントの量が1質量部未満では、空洞充填材の強度発現性が低下するうえ、ブリーディング率も大きくなるので好ましくない。セメントの量が30質量部を越えると、流動性を高めるために水量が多くなりブリーディング率も大きくなるので好ましくない。また、流動性の経時変化も大きくなるので好ましくない。
水量は、全固形分100質量部に対して、22〜35質量部が好ましく、24〜33質量部がより好ましい。水量が全固形分100質量部に対して22質量部未満では、流動性が低くなり自己充填性を有することが困難になるため好ましくない。水量が全固形分100質量部に対して35質量部を超えると、ブリーディング率が大きくなるので好ましくない。
R1O(AO)nR2 (1)
で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸を必須成分とする共重合体を含有する減水剤を使用する。
一般式(1)において、R1は炭素数2〜5のアルケニル基であり、このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、3-ブテニル基、4-ペンテニル基、3-メチル-3-ブテニル基等を挙げることができる。
一般式(1)において、R2は炭素数1〜8の炭化水素基であり、このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの飽和炭化水素基;シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリル基、フェネチル基などの環状炭化水素基等を挙げることができる。
一般式(1)において、nの値は10〜100であり、10〜50であることが好ましい。
細骨材としては、モルタル・コンクリート用の細骨材を使用することができる。
混練に用いるミキサは、例えば、ホバートミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。既設の混合プラントにて混練する場合、打設場所へはアジテータ車により運搬すればよい。
空洞充填材の打設方法も特に限定されるものではなく、ピストン式やスクイズ式等のコンクリートポンプを用いる打設方法、アジテータ車より直接打設する方法等を採用することができる。
また、本発明の空洞充填材では、ブリーディング率が2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。ブリーディング率が2.0%を越えると、充填部の上部に空洞が生じるおそれがある。なお、本発明において、ブリーディング率は、下記の方法により算出される値である。
ブリーディング率の算出方法:空洞充填材400cm3を、土木学会コンクリート標準示方書[規準編]JSCE-F 522に規定するポリエチレン袋に充填し、つるした状態で24時間静置後、浮水の容量を測定し、最初に充填した空洞充填材の容積に対する割合を算出してブリーディング率とする。
1.使用材料
使用材料を以下に示す。
石炭灰A:石炭灰(比重2.10)
石炭灰B:石炭灰(比重2.20)
セメント:太平洋セメント(株)製普通ポルトランドセメント
水 :水道水
減水剤A:ポリオキシアルキレン誘導体(CH2=CHCH2O(C2H4O)33CH3)と無水マレイン酸と のモル比1:1の共重合体の水溶液
減水剤B:ポリオキシアルキレン誘導体(CH2=CHCH2O(C2H4O)33CH3)と無水マレイン酸と スチレンのモル比0.9:1.0:0.1の共重合体の水溶液
減水剤C:市販高性能AE減水剤(ポリカルボン酸エーテル化合物を主成分とする)
減水剤D:市販高性能AE減水剤(ポリカルボン酸系グラフトコポリマーを主成分とする)
減水剤E:市販高性能AE減水剤(末端スルホン基を有するポリカルボン酸基含有多元ポリ マーを主成分とする)
石灰石粉末:ブレーン比表面積4730cm2/gの石灰石粉末
高炉スラグ粉末:ブレーン比表面積4400cm2/gの高炉スラグ粉末
上記各材料を表1に示す割合でホバートミキサに投入し、120秒間混練して空洞充填材を調製した。
以下の測定を行い、空洞充填材の性状を評価した。
(1)フロー値
日本道路公団規格JHS A 313「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」に規定するコンシステンシー試験方法のうちのシリンダー法によって行った。すなわち、平板上に高さ80mm、内径80mmのシリンダーを置き、これに空洞充填材を充填後、シリンダーをゆっくり引き上げ、スラリーの広がりを測定してフロー値とした。
なお、測定は、混練直後と混練から1時間経過後に行った。
(2)ブリーディング率
空洞充填材400cm3を、土木学会コンクリート標準示方書[規準編]JSCE-F 522に規定するポリエチレン袋に充填し、つるした状態で24時間静置後、浮水の容量を測定し、最初に充填した空洞充填材の容積に対する割合を算出してブリーディング率とした。
(3)一軸圧縮強さ
高さ11cm、内径5cmの型枠に空洞充填材を入れ、型枠ごとビニール袋で封緘し、20℃で3日間養生した後、型枠から取り外し、高さ10cm、直径5cmの供試体を作成した。これを再びビニール袋で封緘し、20℃で7日および28日間養生して一軸圧縮強さを測定した。一軸圧縮試験は日本工業規格JIS A 1218「土の一軸圧縮試験方法」に準じて行った。
その結果を表2に併記する。
一方、本発明で規定する減水剤以外の減水剤を使用した空洞充填材では、流動性が低く、ブリーディング率も大きかった。
Claims (3)
- (A)石炭灰と、(B)セメントと、(C)水と、
(D)下記一般式(1)
R1O(AO)nR2 (1)
(ただし、式中、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で10〜100、R2は炭素数1〜8の炭化水素基を表す)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸を必須成分とする共重合体を含有する減水剤、
を含有することを特徴とする空洞充填材。 - 更に、鉱物質微粉末を含有する請求項1記載の空洞充填材。
- 更に、細骨材を含有する請求項1又は2記載の空洞充填材。
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