JP2006045038A - 成形型およびそれを用いた成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 型同士の間に被成形物が入り込むことを防止でき、被成形物の離型が容易で、被成形物の変形を防止でき、被成形物の外周および高さ方向の寸法精度を制御でき、かつ被成形物の緻密化が容易な成形型およびそれを用いた成形方法を提供する。
【解決手段】 成形型は、中空空間を有する胴型3と、その中空空間内に嵌挿された上型1および下型2とを備え、中空空間内で上型1および下型2により被成形物5を成形するものであって、胴型3の中空空間内において上型1と被成形物5との間に配置され、かつ中空空間における胴型3の壁面に沿うリング部材4を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】 成形型は、中空空間を有する胴型3と、その中空空間内に嵌挿された上型1および下型2とを備え、中空空間内で上型1および下型2により被成形物5を成形するものであって、胴型3の中空空間内において上型1と被成形物5との間に配置され、かつ中空空間における胴型3の壁面に沿うリング部材4を有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、成形型およびそれを用いた成形方法に関するものである。
成形型を示した文献として、たとえば特開平8−310820号公報(特許文献1)、特開2000−63131号公報(特許文献2)などがある。
特開平8−310820号公報には、稜線を境界として連続する光学機能面を有する光学素子の製造においてガラス素材を加熱軟化した状態でプレス成形するための光学素子の成形型が開示されている。この光学素子の成形型は、光学素子の稜線に沿って分割された分割型部材を有している。分割型部材は、分割面を互いに接触させて組み合わされており、両分割面の間には上記稜線に沿った隙間が形成されている。別部材を介在させることでこの隙間へのガラスのしみこみが防がれている。
また特開2000−63131号公報には、型枠とその型枠に挿入される挿入型(入れ子型)とで構成された成形型が開示されている。この成形型では、挿入型の内面を枠型の内面よりも突出させることで枠型と挿入型のクリアランスへの成形材料の入り込みが防がれている。
特開平8−310820号公報
特開2000−63131号公報
特開平8−310820号公報に記載された技術は、別部材としての低融金属部材を隙間内に充填して分割型部材を蝋付け固定するものであるため、胴型とパンチのように相対的に移動する部材間にこの別部材を適用することができないという問題がある。
またガラス素材のプレス成形温度が800℃以下であるのに対してセラミックスの成形温度は800〜2000℃に達するため、別部材としての低融金属部材が溶融または反応して、結果としてセラミックスと融着して、離型しない、割れる、または組み型の場合は製品の形状が変形するという問題がある。
また特開2000−63131号公報では、型枠と挿入型とからなる成形型の外周方向がフリーであるため、被成形品が外周方向へ広がり、被成形品の外周および高さ方向の寸法精度を制御することができないという問題がある。
またガラスやプラスチックの様に高温で軟化・変形する材料ではなく、粉体を原料とするセラミックス素材では、緻密化のために胴型の中で加熱・加圧する必要がある。これに対して、特開2000−63131号公報に開示された成形型の構造では被成形品が外周方向へ広がるため、被成形品が機能(光学的、機械的)を発現するのに必要な緻密化を達成できないという問題もある。
それゆえ本発明の目的は、型同士の間に被成形物が入り込むことを防止でき、被成形物の離型が容易で、被成形物の変形を防止でき、被成形物の外周および高さ方向の寸法精度を制御でき、かつ被成形物の緻密化が容易な成形型およびそれを用いた成形方法を提供することである。
本発明の成形型は、中空空間を有する胴型と、その中空空間内に嵌挿された上型および下型とを備え、中空空間内で上型および下型により被成形物を成形する成形型であって、中空空間内において上型および下型の少なくとも一方と被成形物との間に配置され、かつ中空空間における胴型の壁面に沿うリング部材を有することを特徴とするものである。
本発明の成形型によると、上型および下型の少なくとも一方と被成形物との間にリング部材を介在させることにより、上型および下型の少なくとも一方と胴型との間に生じる隙間に被成形物が入り込むことを防ぐことができる。これは、(1)上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間よりも、リング部材と胴型との間の隙間を小さくできるためと、(2)リング部材が介在することで上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間まで被成形物が到達し難くなるためである。
上記(1)について、上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間を小さくすればするほど、中空空間からのエアの抜けが悪くなり、また上型および下型の少なくとも一方と胴型との摺動時の抵抗が増大してしまう。このことから、上型および下型の少なくとも一方と胴型との間には、ある一定の大きさの隙間が必要となる。これに対してリング部材では、エアはリング部材の中央の孔、およびリング部材と上型および下型の少なくとも一方との隙間から抜ける。またリング部材の加圧軸方向の高さは、上型および下型の少なくとも一方よりも小さくできるため、リング部材と胴型との摺動時の動摩擦も軽減される。これらのことから、上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間よりも、リング部材と胴型との間の隙間を小さくすることができる。これにより、リング部材と胴型との間の隙間に被成形物が入り込みにくくなるため、上型および下型の少なくとも一方と胴型との隙間に被成形物が入り込むことを防ぐことができる。
また上記(2)については、被成形物が変形する際には、まずリング部材の中央の孔へ入り込み、被成形物に圧力がかかるにしたがって横方向への力が発生する。これにより、リング部材はその中央から押し広げられ、リング部材と胴型との隙間はより小さくなる(この際、リング部材は割れて広がってもよい)。特に、被成形物に面取りをし、その面取り部に組合せる形でリング部材を用いた場合にはこの効果は顕著となる。これにより、リング部材が介在することで上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間まで被成形物が到達し難くなる。
上記(1)および(2)により、リング部材を用いることで上型および下型の少なくとも一方と胴型との間に生じる隙間に被成形物が入り込むことを防ぐことができるため、被成形物の隙間への入り込みによる被成形物のバリの発生や、被成形物の欠け・割れや、離型が困難になることや、上型および下型の少なくとも一方の欠け・割れを防止することができる。
また上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間に被成形物が入り込んだとしても、リング部材が介在することにより、上型および下型の少なくとも一方のエッジ部の応力集中を防ぐことができる。この点においても、上型および下型の少なくとも一方の欠け・割れを防止することができる。
また胴型を用いているため、成形時における被成形物の外周方向への広がりは胴型により抑えられる。よって、被成形物の外周および高さ方向の寸法精度を制御することができ、かつ被成形品が機能(光学的、機械的)を発現するのに必要な緻密化を達成することが容易である。
特に該リング部材は、上型および下型のうち少なくとも移動側(プレス側)の型と被成形物との間に必要である。なぜなら、隙間への被成形物の入り込みは主に移動側で生じるからである。たとえば上型を下方へ移動させてプレス成形する場合は上型と被成形物との間に、下型を上方へ移動させてプレス成形する場合は下型と被成形物との間にリング部材を配置することが好ましい。なお、上型と被成形物との間および下型と被成形物との間の双方にリング部材を介在させてもよい。
上記の成形型において好ましくは、リング部材と中空空間における胴型の壁面との間隔が、上型および下型の少なくとも一方と中空空間における胴型の壁面との間隔よりも小さい。
これにより、上述したように中空空間内のエアや残留不純物を十分に抜くことができるとともに、上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間に被成形物が入り込むことを防ぐことが可能となる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材の融点、ガラス転移点または昇華点が被成形物を成形する際の成形温度以上で、成形温度におけるJIS4点曲げ強度が成形圧力の30%以上である。
リング部材の成形温度におけるJIS4点曲げ強度が成形圧力の30%未満では、リング部材が割れて粉々になる可能性が高く、この場合には粉々になった被成形物が隙間に入り込む。このため、リング部材の材質の融点、ガラス転移点または昇華点を成形温度以上とし、かつ成形温度におけるJIS4点曲げ強度を成形圧力の30%以上にすることで、成形中にリング部材が粉々に割れて上型および下型の少なくとも一方と胴型との間に生じる隙間に被成形物が入り込むことを防ぐことができ、またリング部材を繰り返し使用することが可能となる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材のビッカース硬度が、胴型のビッカース硬度以下である。
これにより、リング部材が胴型の摺動面を傷付けることを防ぐことができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材が、被成形物を成形する際の成形温度において被成形物と化学的に反応しない。
このように成形温度において被成形物と化学的に反応しない材質をリング部材に用いることで、成形物とリング部材との融着を防ぎ、離型性を向上させることができるため、成形物のバリ、割れ、欠けを防止することができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材が、被成形物の成形中に被成形物と固着しない。
このように成形中に被成形物と固着しない材質をリング部材に用いることで、成形物とリング部材との融着を防ぎ、離型性を向上させることができるため、成形物のバリ、割れ、欠けを防止することができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材と胴型との動摩擦係数が、被成形物と胴型との動摩擦係数以下である。
このようにリング部材を胴型との摺動性に優れたものとすることで、成形時のリング部材の動きを滑らかにし、成形性を低下させない。また、引っかかりによるリング部材の割れや被成形物への局所的な応力発生による割れ、欠けを防ぐことができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材と胴型との動摩擦係数が0.6以下である。
このようにリング部材と胴型との動摩擦係数を0.6以下とすることで、リング部材の引っかかりによる成形性の阻害、またはリング部材の割れ、または被成形物への局所的な応力発生による割れ、欠けを防ぐことができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材の熱膨張係数が被成形物の熱膨張係数よりも小さい。
このようにリング部材の熱膨張係数を被成形物よりも小さくすることで、冷却時にリング部材が被成形物を締め付けることで生じる割れや欠けを防ぐことができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材が多孔質である。
これにより、成形中に被成形物が発生するガスなどの不純物が中空空間内に残留することを防ぐことができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材の相対密度が95%以下である。
このようにリング部材の相対密度を95%以下とすることで、被成形物が成形中に発生するガスなどの不純物が中空空間内に残留することを防ぐことができる。なお、相対密度とは、真密度を100%としたときの密度である。
上記の成形型において好ましくは、リング部材の材質がセラミックス、金属および炭素系材料よりなる群から選ばれる1種以上を含む。
上記の成形型において好ましくは、セラミックスが、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびクロム(Cr)よりなる群から選ばれる1種以上の元素の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくともいずれかを50質量%以上含む。
上記の成形型において好ましくは、金属が、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)基耐熱合金および鉄(Fe)基耐熱合金のいずれかである。
上記の成形型において好ましくは、炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、繊維強化炭素複合材料、ダイヤモンド状カーボンおよびダイヤモンドのいずれかである。また炭素系材料は、材料の表面に形成された形態であってもよい。
リング部材、そのリング部材に用いられるセラミックス、そのリング部材に用いられる金属、またはそのリング部材に用いられる炭素系材料として上記のような材質を選択することにより、リング部材の融点、ガラス転移点または昇華点を成形温度以上にでき、成形温度におけるJIS4点曲げ強度を成形圧力の30%以上にでき、リング部材のビッカース硬度を胴型のビッカース硬度以下にでき、リング部材が成形温度において被成形物と化学的に反応しないようにでき、リング部材が成形中に被成形物と固着しないようにでき、リング部材と胴型との動摩擦係数を被成形物と胴型との動摩擦係数以下にでき、リング部材と胴型との動摩擦係数を0.6以下にでき、リング部材の熱膨張係数を被成形物の熱膨張係数よりも小さくでき、リング部材を多孔質にでき、かつリング部材の相対密度を95%以下にすることができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材の内径面の一部または全部に、加圧軸の方向に沿って一方または両方向にテーパを有する。
これにより、成形物(例えば光学素子)の外周稜線部に成形により面取りをすることができ、欠けや割れを防ぐことができる。
上記の成形型において好ましくは、リング部材の内径が被成形物の光学機能面の有効径以上であり、リング部材の外径が胴型の内径未満である。
このように内径を最適化することでリング部材の強度を保って成形時に有効に働くようにし、また成形物(例えば光学素子)をリング部材が締め付けることにより生じるチッピングを防ぐことができる。なお、該リング部材の内径が小さすぎると光学素子を締め付けて光機能面にチッピングを生じさせてしまい、大きすぎるとリング部材の強度が低下し割れてしまうため、最適な径とすることが望ましい。
上記の成形型において好ましくは、上型および下型の各々の融点、ガラス転移点または昇華点が被成形物を成形する際の成形温度以上で、成形温度における上型および下型の各々の圧縮強さが被成形物を成形する際の成形圧力以上である。
このように該上型・下型の材質の融点、ガラス転移点、または昇華点を成形温度以上とし、圧縮強さを成形圧力以上とすることで、成形時における型の割れ・欠け・変形・被成形物との融着を防ぎ、繰り返し耐久性を向上させることができる。
上記の成形型において好ましくは、上型および下型の各々が、被成形物を成形する際の成形温度において被成形物と化学的に反応しない。
このように上型および下型の各々に成形温度において被成形物と化学的に反応しない材質を用いることで、成形物と上型、下型との融着を防ぎ、離型性を向上させることができるため、成形物のバリ、割れ、欠けや上型および/または下型の割れ、欠けを防止することができる。
上記の成形型において好ましくは、上型および下型の各々が、被成形物の成形中に被成形物と固着しない。
このように成形中に被成形物と固着しない材質を上型および下型の各々に用いることで、成形物と上型、下型との融着を防ぎ、離型性を向上させることができるため、成形物のバリ、割れ、欠けや上型および/または下型の割れ、欠けを防止することができる。
上記の成形型において好ましくは、上型および下型の各々の材質が、セラミックス、炭素系材料、またはセラミックスと炭素系材料との複合材料である。
上記の成形型において好ましくは、セラミックスが、シリコン、アルミニウム、ホウ素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、モリブデンおよびクロムよりなる群から選ばれる1種以上の元素の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくともいずれかを50質量%以上含む。
上記の成形型において好ましくは、炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、繊維強化炭素複合材料、ダイヤモンド状カーボン、ダイヤモンドのいずれかである。また炭素系材料は、材料の表面に形成された形態であってもよい。
上記の成形型において好ましくは、複合材料が、炭素系材料を含有する非酸化物セラミックスである。
上記の成形型において好ましくは、複合材料としての炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンナノチューブ、フラーレン、炭素繊維およびダイヤモンドよりなる群から選ばれる1種以上である。
上記の成形型において好ましくは、複合材料が、表面に炭素質被膜を有する多孔質セラミックスである。
上記の成形型において好ましくは、炭素質被膜が、ガラス状カーボン、熱分解炭素、ダイヤモンドライクカーボンおよびダイヤモンドのいずれかである。
上型・下型、その上型・下型に用いられるセラミックス、その上型・下型に用いられる炭素系材料、その炭素系材料、その上型・下型に用いられる複合材料、その複合材料に用いられる炭素質被覆として上記のような材質を選択することにより、上型・下型の融点、ガラス転移点または昇華点を成形温度以上にでき、上型・下型が成形温度において被成形物と化学的に反応しないようにでき、上型・下型が成形中に被成形物と固着しないようにすることができる。
上記の成形型において好ましくは、上型および下型の少なくとも一方が外周稜線部に面取り部を有する。
このように上型および下型の少なくとも一方が外周稜線部に面取り部を有することで、リング部材と上型および下型の少なくとも一方との接触時に外周稜線部に応力が集中することを防ぐことができ、耐久性が向上する。
本発明の成形方法は、中空空間を有する胴型と、その中空空間内に嵌挿された上型および下型とを備えた成形型を用いて、中空空間内で上型および下型により被成形物を成形する成形方法であって、中空空間内において上型および下型の少なくとも一方と被成形物との間に、中空空間における胴型の壁面に沿うリング部材を配置して被成形物の成形を行うことを特徴とするものである。
本発明の成形方法によれば、リング部材を用いることで上型および下型の少なくとも一方と胴型との間に生じる隙間に被成形物が入り込むことを防ぐことができるため、被成形物の隙間への入り込みによる被成形物のバリの発生や、被成形物の欠け・割れや、離型が困難になることや、上型および下型の少なくとも一方の欠け・割れを防止することができる。
また上型および下型の少なくとも一方と胴型との間の隙間に被成形物が入り込んだとしても、リング部材が介在することにより、上型および下型の少なくとも一方のエッジ部の応力集中を防ぐことができる。この点においても、上型および下型の少なくとも一方の欠け・割れを防止することができる。
また胴型を用いているため、成形時における被成形物の外周方向への広がりは胴型により抑えられる。よって、被成形物の外周および高さ方向の寸法精度を制御することができ、かつ被成形品が機能(光学的、機械的)を発現するのに必要な緻密化を達成することが容易である。
上記の成形方法において好ましくは、被成形物の外周稜線部に形成した面取り部に、リング部材の内径面に形成したテーパを組み合わせる。
このように被成形物に面取り部を形成し、その面取り部にリング部材の内径テーパを組み合わせることにより、確実に胴型と上下型との隙間への被成形物の入り込みを防ぐことができる。
上記の成形方法において好ましくは、外周稜線部に面取り部を有する被成形物と、外周稜線部に面取り部を有する上型および下型の少なくとも一方との間に、被成形物の面取り部と対向する一方のテーパを有し、かつ上型および下型の少なくとも一方の面取り部と対向する他方のテーパを有するリング部材を介在させ、リング部材の一方のテーパを被成形物の面取り部に組み合わせ、リング部材の他方のテーパを上型および下型の少なくとも一方の面取り部に組合せて被成形物の成形を行なう。
これにより、上型、下型と成形物との中心軸が一致するため、同軸度に優れた成形物を得ることができる。
上記の成形方法において好ましくは、被成形物の外周稜線部に形成した面取り部に、リング部材の内径面に形成したテーパを組み合わせる際に、被成形物とリング部材との間に隙間を設ける。
このようにリング部材の内面テーパを被成形物の面取り部に組み合わせる際に隙間を設けることで、成形の際に被成形物がリング部材に上手くなじみ、局所的な圧力がかかることによるリング部材および成形物のバリ、割れ、欠けを防ぐことができる。
上記の成形方法において好ましくは、被成形物の外周稜線部に形成した面取り部に、リング部材の内径面に形成したテーパを組み合わせる際に、被成形物に形成した面取り部の最小内径がリング部材の最小内径よりも大きい。
このようにリング部材の内面テーパを被成形物の面取り部に組み合わせる際に、被成形物の面取り部における最小内径がリング部材の最小内径よりも大きくすることにより、成形の際に被成形物がリング部材に上手くなじみ、局所的な圧力がかかることによるリング部材や成形物のバリ、割れ、欠けを防ぐことができる。また、これにより、成形中に被成形物がテーパ内径から上型および下型の少なくとも一方とリング部材との間に侵入してくることを防ぐことができる。
なお上記の被成形物としては、高温で軟化する一般的なガラスやアモルファス金属またはセラミックスを用いることができる。また、そのセラミックスとしては、粉末を原料としたセラミックスを用いることができる。また、そのセラミックスの成形温度は800℃以上に及ぶものとすることができる。また、そのセラミックスは硫化亜鉛(ZnS)とすることができる。
また、被成形物を選ばず、ガラスや例えば硫化亜鉛のような透光性をもつセラミックスを用いることで高精度なレンズやアモルファス金属を用いることでミラーの様な光学素子を得ることができる。
以上説明したように、本発明の成形型およびそれを用いた成形方法によれば、型同士の間に被成形物が入り込むことを防止でき、被成形物の離型が容易で、被成形物の変形を防止でき、被成形物の外周および高さ方向の寸法精度を制御でき、かつ被成形物を容易に緻密化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図1を参照して、本実施の形態における成形型は、上型1と、下型2と、胴型3と、リング部材4とを有している。胴型3は、中空空間を有しており、その中空空間内に上型1および下型2が嵌挿されている。リング部材4は、この中空空間内において上型1および下型2の少なくとも一方と被成形物5との間に配置されている。このリング部材4は、中空空間における胴型3の壁面に沿う環形状を有している。リング部材4と胴型3の壁面との隙間7aは上型1と胴型3の壁面との隙間7bよりも小さくなるように設定されている。
図1は、本発明の実施の形態1における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図1を参照して、本実施の形態における成形型は、上型1と、下型2と、胴型3と、リング部材4とを有している。胴型3は、中空空間を有しており、その中空空間内に上型1および下型2が嵌挿されている。リング部材4は、この中空空間内において上型1および下型2の少なくとも一方と被成形物5との間に配置されている。このリング部材4は、中空空間における胴型3の壁面に沿う環形状を有している。リング部材4と胴型3の壁面との隙間7aは上型1と胴型3の壁面との隙間7bよりも小さくなるように設定されている。
本実施の形態においては、リング部材4は、たとえば上型1と被成形物5との間に配置されている。また被成形物5はたとえば光学素子としての両凸レンズに成形されるものである。このような両凸レンズに成形する場合、上型1および下型2の各々は、そのレンズの光学機能面を形成するための鏡面仕上げされた成形面6を有している。
また上型1および下型2の各々の材質はたとえばガラス状カーボンであり、胴型3の材質はたとえばカーボン(黒鉛)であり、被成形物5の材質はたとえばZnSである。またリング部材4の内径面は加圧軸方向Aに下型2から上型1へ向かって径が次第に減少するテーパー形状を有しており、リング部材4の外径面は中空空間の胴型3の壁面に沿う形状を有している。
次に、図1に示す成形型を用いた成形方法について説明する。
まず図2に示すようなたとえばZnSなどの材質よりなる被成形物5が準備される。この被成形物5はたとえば光学素子としての両凸レンズに成形されるものである。この被成形物5が、図1に示すように胴型3の中空空間内にて下型2の上に配置される。そして、胴型3の中空空間内の被成形物5の上にリング部材4を介在して上型1が嵌挿される。この状態から、上型1を中空空間内を下型2側へ移動させることにより被成形物5が上型1と下型2との間でプレスされる。これにより、図3に示すような成形品(たとえば両凸レンズ)5が得られる。この成形品5では、成形時にコバ部10(レンズの縁の部分)のリング部材4のテーパーに当接した部分(外周稜線部)に面取り部9が形成される。
本実施の形態によれば、リング部材4を上型1と被成形物5の間に介在させることにより、上型1と胴型3との間に生じる隙間7bに被成形物5が入り込むことを防ぐことができる。これは、(1)上型1と胴型3との間の隙間7bよりも、リング部材4と胴型3との間の隙間7aを小さくできるためと、(2)リング部材4が介在することで上型1と胴型3との間の隙間7bまで被成形物5が到達し難くなるためである。
上記(1)について、上型1と胴型3との間の隙間7bを小さくすればするほど、胴型3の中空空間からのエアの抜けが悪くなり、また上型1と胴型3との摺動時の抵抗が増大してしまうことから、ある一定の隙間7bが必要となる。これに対してリング部材4では、エアや不純物はリング部材4の中央の孔、およびリング部材4と上型1との隙間から抜ける。またリング部材4の加圧軸方向の高さは、上型1よりも小さくできるため、リング部材4と胴型3との摺動時の動摩擦も軽減することができる。これらのことから、上型1と胴型3との間の隙間7bよりも、リング部材4と胴型3との間の隙間7aを小さくすることができる。これにより、リング部材4と胴型3との間の隙間7aに被成形物5が入り込みにくくなるため、上型1と胴型3との隙間7bに被成形物5が入り込むことを防ぐことができる。
また上記(2)については、被成形物5が変形する際には、まずリング部材4の中央の孔へ入り込み、被成形物5に圧力がかかるにしたがって横方向(外周方向)への力が発生する。これにより、リング部材4はその中央から押し広げられ、リング部材4と胴型3との隙間7aはより小さくなる(この際、リング部材4は割れて広がってもよい)。特に、被成形物5に面取り部を形成し、その面取り部に当接させる形でリング部材を用いた場合(つまりテーパーを形成した場合)にはこの効果は顕著となる。これにより、リング部材4が介在することで上型1と胴型3との間の隙間7bまで被成形物5が到達し難くなる。
上記(1)および(2)により、リング部材4を用いることで上型1と胴型3との間に生じる隙間7bに被成形物5が入り込むことを防ぐことができるため、被成形物5の隙間7bへの入り込みによる被成形物5のバリの発生や、被成形物5の欠け・割れや、離型が困難になることや、上型1の欠け・割れを防止することができる。
また上型1と胴型3との間の隙間7bに被成形物5が入り込んだとしても、リング部材4が介在することにより、上型1のエッジ部の応力集中を防ぐことができる。この点においても、上型1の欠け・割れを防止することができる。
また胴型3を用いているため、成形時における被成形物5の外周方向への広がりは胴型3により抑えられる。よって、被成形物5の外周および高さ方向の寸法精度を制御することができ、かつ成形品5が機能(光学的、機械的)を発現するのに必要な緻密化を達成することが容易である。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図4を参照して、この成形型は、両凸レンズの形成に用いられるものであって、その構成は上述した実施の形態1の成形型の構成と同じである。本実施の形態では、被成形物5に図5に示すようにコバ部10の上下両方の外周稜線部に予め面取り部9aが形成されている。そして、図4に示すようにその面取り部9aにリング部材4の内径面に形成されたテーパーを当接させて(組合せて)、上型1のみを移動させて、下型2とにより被成形物5のプレス成形が行なわれる。これにより、図3に示す成形品5が得られる。
図4は、本発明の実施の形態2における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図4を参照して、この成形型は、両凸レンズの形成に用いられるものであって、その構成は上述した実施の形態1の成形型の構成と同じである。本実施の形態では、被成形物5に図5に示すようにコバ部10の上下両方の外周稜線部に予め面取り部9aが形成されている。そして、図4に示すようにその面取り部9aにリング部材4の内径面に形成されたテーパーを当接させて(組合せて)、上型1のみを移動させて、下型2とにより被成形物5のプレス成形が行なわれる。これにより、図3に示す成形品5が得られる。
図6は、本発明の実施の形態2における光学素子成形用の成形型の他の構成を概略的に示す断面図である。図6を参照して、この成形型は平凸レンズの形成に用いられる。平凸レンズの場合、一方の面が平面状で、他方の面が凸状である。このため、平面状の一方の面を形成するための型(たとえば下型2)の成形面は平坦となっており、凸状の他方の面を形成するための型(たとえば上型1)の成形面は凹状に湾曲している。
この平凸レンズを成形するための被成形物5にも、図5と同様、コバ部10の上方の外周稜線部に予め面取り部が形成されている。図6を参照して、その被成形物5の面取り部9aにリング部材4の内径面に形成されたテーパーを当接させて、上型1と下型2とにより被成形物5のプレス成形が行なわれる。これにより、平凸レンズが形成される。
なお、上述した以外の図6および図7に示す成形型および成形方法については実施の形態1とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図7を参照して、この成形型は、両凸レンズの形成に用いられるものであって、その構成は上述した実施の形態1の成形型の構成と比較して下型2と被成形物5との間にリング部材4が追加されている点において異なる。つまり本実施の形態では、被成形物5の上側と下側の両側にリング部材4が配置される。
図7は、本発明の実施の形態3における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図7を参照して、この成形型は、両凸レンズの形成に用いられるものであって、その構成は上述した実施の形態1の成形型の構成と比較して下型2と被成形物5との間にリング部材4が追加されている点において異なる。つまり本実施の形態では、被成形物5の上側と下側の両側にリング部材4が配置される。
この成形型により、図5に示すようにコバ部10の上下両方の外周稜線部に予め面取り部9aを有するように形成された被成形物5がプレス成形される。このプレス成形は、下側のリング部材4の内径面に形成されたテーパーが下側の面取り部9aに当接し、上側のリング部材4の内径面に形成されたテーパーが上側の面取り部9aに当接した状態で行なわれる。これにより、図8に示す成形品5が得られる。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図9を参照して、この成形型は、平凹レンズの形成に用いられるものである。平凹レンズの場合、一方の面が平面状で、他方の面が凹状である。このため、平面状の一方の面を形成するための型(たとえば上型1)の成形面は平坦となっており、凹状の他方の面を形成するための型(たとえば下型2)の成形面は凸状に湾曲している。
図9は、本発明の実施の形態4における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図9を参照して、この成形型は、平凹レンズの形成に用いられるものである。平凹レンズの場合、一方の面が平面状で、他方の面が凹状である。このため、平面状の一方の面を形成するための型(たとえば上型1)の成形面は平坦となっており、凹状の他方の面を形成するための型(たとえば下型2)の成形面は凸状に湾曲している。
リング部材4は、成形面が凸状に湾曲した型(たとえば下型2)と被成形物5との間に配置されている。成形面が凸状に湾曲した型(たとえば下型2)の外周稜線部には、面取り部2aが形成されており、リング部材4のの内径面に形成されたテーパーがその面取り部2aに当接した状態で被成形物5のプレス成形が行なわれる。これにより、図10に示す成形品5が得られる。
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図11を参照して、上述した実施の形態2の構成と比較して、上型1の外周稜線部に面取り部1aが形成されている点において異なる。
図11は、本発明の実施の形態5における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図11を参照して、上述した実施の形態2の構成と比較して、上型1の外周稜線部に面取り部1aが形成されている点において異なる。
なおこれ以外の成形型の構成および成形方法については実施の形態2とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図12を参照して、本実施の形態の成形型の構成は、上述した実施の形態2の構成と比較して、上型1の外周稜線部に面取り部1aが形成されている点と、リング部材4の内径面が加圧軸方向Aに下型2から上型1へ向かって径が次第に減少するテーパー形状と上型1から下型2へ向かって径が次第に減少するテーパー形状との組合せ形状を有している点とにおいて異なる。
図12は、本発明の実施の形態6における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図12を参照して、本実施の形態の成形型の構成は、上述した実施の形態2の構成と比較して、上型1の外周稜線部に面取り部1aが形成されている点と、リング部材4の内径面が加圧軸方向Aに下型2から上型1へ向かって径が次第に減少するテーパー形状と上型1から下型2へ向かって径が次第に減少するテーパー形状との組合せ形状を有している点とにおいて異なる。
リング部材4の内径面の組合せテーパーが、上型1の面取り部1aと被成形物5の面取り部9aとの双方に当接した状態で被成形物5のプレス成形が行なわれる。これにより、図3に示す成形品5が得られる。
なおこれ以外の成形型の構成および成形方法については実施の形態2とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態7)
図13は、本発明の実施の形態7における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図13を参照して、本実施の形態の成形型においては、被成形物5の外周稜線部に形成した面取り部9aに、リング部材4の内径面に形成したテーパーを当接させる際に、被成形物5に形成した面取り部9aの最小内径φd1がリング部材4の最小内径φd2よりも大きい。
図13は、本発明の実施の形態7における光学素子成形用の成形型の構成を概略的に示す断面図である。図13を参照して、本実施の形態の成形型においては、被成形物5の外周稜線部に形成した面取り部9aに、リング部材4の内径面に形成したテーパーを当接させる際に、被成形物5に形成した面取り部9aの最小内径φd1がリング部材4の最小内径φd2よりも大きい。
また、リング部材4の内径φd2が被成形物5の光学機能面の有効径φd5以上であり、かつリング部材4の外径φd3が胴型3の中空空間の径φd4未満である。
なおこれ以外の成形型の構成および成形方法については実施の形態2とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1〜7においては、リング部材4の融点、ガラス転移点または昇華点が被成形物5を成形する際の成形温度以上で、その成形温度におけるJIS4点曲げ強度が成形圧力の30%以上であることが好ましい。ここで、JIS4点曲げ強度は、JIS R1601に規定された方法で測定されるものである。またリング部材4のビッカース硬度が、胴型3のビッカース硬度以下であることが好ましい。
リング部材4が離型性に優れるものであることが好ましい。ここで、離型性とは、型の構造因子を除いて、被成形物5と上型1および下型2との少なくとも一方とが外れるか否かを意味している。この離型性は、実際には被成形物5と型材とを成形温度で圧着し、冷却後に問題なくお互いが外れるか否かという実験を行なって判断するものであり、以下のように化学的に反応しないこと、または固着しないことなどを基準に判断するものである。よって、リング部材4が、被成形物5を成形する際の成形温度において被成形物5と化学的に反応しないことが好ましい。またリング部材4が、被成形物5の成形中に被成形物5と固着しないことが好ましい。この固着とは、化学的な反応によりある生成物を作ることにより付着することではなく、ファンデルワールス力や表面に凹凸がある場合のアンカー効果、または平滑面同士の真空密着、熱膨張係数差によりお互いがくっつき合うような形状効果(たとえば焼きばめのイメージ)など物理的に付着していることを意味する。よって、固着しない要件は、これら物理的な付着を防ぐことになる。
リング部材の材質が胴型との摺動性に優れるものであることが好ましい。摺動性の指標として互いの材料が接触したときの動き易さを示す動摩擦係数を用いることがある。しかし、一般に、動摩擦係数はJIS R 1613に示すボールオンディスク法などで求め、固体同士を接触させることから表面粗さを規定している。本発明における摺動性は、表面粗さによる摺動性だけでなく、表面状態の違いによる摺動性も含むものである。摺動性として動摩擦係数を用いる場合には、リング部材4と胴型3との動摩擦係数が被成形物5と胴型3との動摩擦係数以下であることが好ましい。またリング部材4と胴型3との動摩擦係数が0.6以下であることが好ましい。
リング部材4の熱膨張係数が被成形物5の熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。リング部材4が多孔質であることが好ましい。リング部材4の相対密度が95%以下であることが好ましい。リング部材4の材質がセラミックス、金属および炭素系材料の各々単独またはこれらの任意の組合せよりなることが好ましい。上記セラミックスが、シリコン、アルミニウム、ホウ素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、モリブデンおよびクロムの各々単独またはこれらの任意の組合せの炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくともいずれかを50質量%以上含むことが好ましい。上記金属が、金、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、ニッケル基耐熱合金および鉄基耐熱合金の各々単独またはこれらの任意の組合せよりなることが好ましい。上記炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、繊維強化炭素複合材料、ダイヤモンド状カーボンおよびダイヤモンドの各々単独またはこれらの任意の組合せよりなることが好ましい。
また、リング部材4の内径面の一部または全部に、実施の形態1〜5および7のように加圧軸の方向に沿って一方にテーパーを有していてもよく、または実施の形態6のように加圧軸の方向に沿って両方向にテーパーを有していてもよい。
上型1および下型2の各々の融点、ガラス転移点または昇華点が被成形物5を成形する際の成形温度以上で、その成形温度における上型1および下型2の各々の圧縮強さが被成形物5を成形する際の成形圧力以上であることが好ましい。また上型1および下型2の各々が、被成形物5を成形する際の成形温度において被成形物5と化学的に反応しないことが好ましい。
上型1および下型2の各々が、被成形物5の成形中に被成形物5と固着しないことが好ましい。上型1および下型2の各々の材質が、セラミックス、炭素系材料、またはセラミックスと炭素系材料との複合材料であることが好ましい。上記のセラミックスが、シリコン、アルミニウム、ホウ素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、モリブデンおよびクロムの各々単独またはこれらの任意の組合せの元素の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくともいずれかを50質量%以上含むことが好ましい。上記の炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、繊維強化炭素複合材料、ダイヤモンド状カーボン、ダイヤモンドのいずれかであることが好ましい。上記の複合材料が、炭素系材料を含有する非酸化物セラミックスであることが好ましい。上記の炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンナノチューブ、フラーレン、炭素繊維およびダイヤモンドの各々単独またはこれらの任意の組合せであることが好ましい。上記の複合材料が、表面に炭素質被膜を有する多孔質セラミックスであることが好ましい。上記の炭素質被膜が、ガラス状カーボン、熱分解炭素、ダイヤモンドライクカーボンおよびダイヤモンドの各々単独またはこれらの任意の組合せであることが好ましい。
また上型1および下型2の少なくとも一方が実施の形態4〜6のように外周稜線部に面取り部を有することが好ましい。実施の形態4においては下型2に面取り部2aがある場合について説明したが、上型1に、または上型1と下型2との双方に面取り部があり、それらの面取り部が成形時にリング部材の内径面に形成したテーパーと当接されてもよい。また、実施の形態5および6の双方においては上型1に面取り部1aがある場合について説明したが、下型2に、または上型1と下型2との双方に面取り部があり、それらの面取り部が成形時にリング部材の内径面に形成したテーパーと当接されてもよい。特に、図12に示す実施の形態6においては、上型1の外周稜線部と下型2の外周稜線部と被成形物5のコバ部の上側外周稜線部と下側外周稜線部とのそれぞれに面取り部があり、それらの面取り部が成形時にリング部材の内径面に形成した組合せテーパーと当接されてもよい。
また実施の形態2、3および5〜7のように被成形物5の外周稜線部に形成した面取り部9aに、リング部材4の内径面に形成したテーパを当接させてもよい。
また被成形物5の外周稜線部に形成した面取り部9aに、リング部材4の内径面に形成したテーパを当接させる際に、被成形物5とリング部材4との間に隙間を設けてもよい。
また実施の形態1〜7においては、光学素子成形用の成形型について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1を参照して、光学素子として両凸レンズを成形するための上下一対の成形型1、2およびその外殻部を構成する胴型3がセット状態とされている。ここで、上型1、下型2はガラス状カーボンからなり、所望の形状を転写して光学機能面を形成するために鏡面仕上げされた成形面6を形成しており、これらが摺動可能となるために黒鉛からなる胴型3との間に隙間7bが形成されている。
図1を参照して、光学素子として両凸レンズを成形するための上下一対の成形型1、2およびその外殻部を構成する胴型3がセット状態とされている。ここで、上型1、下型2はガラス状カーボンからなり、所望の形状を転写して光学機能面を形成するために鏡面仕上げされた成形面6を形成しており、これらが摺動可能となるために黒鉛からなる胴型3との間に隙間7bが形成されている。
まず、被成形物5としてZnSからなる素材を準備した。原料粉末として、純度99.7%で平均粒径が2μmのZnS粉末を準備し、両軸式冷間金型プレス成形により圧力98MPaにて図2の形状に成形した。この成形体5を真空炉中700℃の温度で5時間焼結し、相対密度が60%の焼結体を得た。これを被成形物5として、図1に示す上型1、下型2の間に、またその面取り部9に黒鉛からなるリング部材4をセットし、真空中で950℃まで加熱・保持し、その途中850℃より上型1を変形速度0.4mm/分で下方に移動させて加圧・成形し、60MPa到達時点で4分間保持した。
その結果、隙間7bにZnSが入り込むことが無く、外周稜線部に面取り9が施された図3に示す光学素子5を得た。この光学素子5には面取り部9が形成されていることから光学素子5にバリや割れは生じなかった。また、隙間7bにZnSが入り込むことが無いので、冷却や脱型時の型の欠け、割れも無かった。
次に、リング部材4の有無それぞれのケースで10000回まで成形を行い、型の破損や光学素子5のバリ・割れなどの不具合の生じた回数を比較した。その結果、以下の表1に示すような結果が得られた。また、リング部材4を用いない場合は隙間に入り込んだZnSにより上型が離型しなかったのに対して、リング部材4を用いることにより大幅に耐久性が向上した。
(実施例2)
被成形物5の外周稜線部に面取り部9aを形成し、図4に示すリング゛部材4を用いた型構成にて実施例1と同様にZnSからなる素材5を10000回成形した結果、型に欠け・割れは無く、また成形品にもバリ・割れが無い良好な光学素子を得た。
被成形物5の外周稜線部に面取り部9aを形成し、図4に示すリング゛部材4を用いた型構成にて実施例1と同様にZnSからなる素材5を10000回成形した結果、型に欠け・割れは無く、また成形品にもバリ・割れが無い良好な光学素子を得た。
(実施例3)
図7に示すように上下型1、2両方にリング゛部材4を用いた本型構成にて実施例2と同様にZnSからなる素材5を10000回成形した結果、型に欠け・割れは無く、成形品にもバリ・割れが無かった。また成形品5のコバ部の両外周稜線部に面取り部9を形成することができた。
図7に示すように上下型1、2両方にリング゛部材4を用いた本型構成にて実施例2と同様にZnSからなる素材5を10000回成形した結果、型に欠け・割れは無く、成形品にもバリ・割れが無かった。また成形品5のコバ部の両外周稜線部に面取り部9を形成することができた。
(実施例4)
図9に示すように下型2と被成形物5の間にリング゛部材4を用いた本型構成にて実施例1と同様にZnSを10000回成形した結果、型に欠け・割れは無かった。
図9に示すように下型2と被成形物5の間にリング゛部材4を用いた本型構成にて実施例1と同様にZnSを10000回成形した結果、型に欠け・割れは無かった。
(実施例5)
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にZnSを10000回成形した結果、型に欠け・割れは無かった。また成形品5にもバリ・割れのない良好な光学素子を得た。
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にZnSを10000回成形した結果、型に欠け・割れは無かった。また成形品5にもバリ・割れのない良好な光学素子を得た。
(実施例6)
図12に示すようにテーパ部が上型1および被成形物5の両側に伸びている構造のリング部材4を用い、また上型1および被成形物5のいずれにも外周稜線部に面取り部1a、9aを形成した本型構成にて実施例2と同様にZnSを10000回成形した結果、成形品5にもバリ・割れが無く、さらにリング部材4により上型1と光学素子5の中心軸が一致し、同軸度が0.010μmと優れた光学素子を得た。
図12に示すようにテーパ部が上型1および被成形物5の両側に伸びている構造のリング部材4を用い、また上型1および被成形物5のいずれにも外周稜線部に面取り部1a、9aを形成した本型構成にて実施例2と同様にZnSを10000回成形した結果、成形品5にもバリ・割れが無く、さらにリング部材4により上型1と光学素子5の中心軸が一致し、同軸度が0.010μmと優れた光学素子を得た。
(実施例7)
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表2に示すようにリング部材4の材質と各種の条件とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表2に併せて示す。
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表2に示すようにリング部材4の材質と各種の条件とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表2に併せて示す。
表2の結果から、JIS4点曲げ強度が成形圧力の30%以上の試料(黒鉛、アルミナ、多孔質SiC、多孔質Si3N4)については成形結果(破損)が良好であったのに対し、JIS4点曲げ強度が成形圧力の30%未満の試料(多孔質アルミナ)についてはリングおよび型に割れが生じた。
またリング部材4の相対密度が95%以下の試料(黒鉛、多孔質アルミナ、多孔質SiC)では成形結果(色むら)が良好であったのに対し、相対密度が95%より大きい試料(アルミナ)では色むらが生じた。
(実施例8)
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表3に示すようにリング部材4と胴型3との材質とビッカース硬度とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表3に併せて示す。
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表3に示すようにリング部材4と胴型3との材質とビッカース硬度とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表3に併せて示す。
表3の結果から、リング部材4のビッカース硬度が胴型3のビッカース硬度以下の本発明例の試料では型に傷、欠け、割れは無かったのに対し、リング部材4のビッカース硬度が胴型3のビッカース硬度より大きい比較例の試料では胴型3に傷が付いた。
(実施例9)
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表4に示すようにリング部材4と胴型3との材質と動摩擦係数とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表4に併せて示す。
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表4に示すようにリング部材4と胴型3との材質と動摩擦係数とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表4に併せて示す。
表4の結果から、動摩擦係数が0.6以下の本発明例では被成形体を緻密に成形できたのに対し、動摩擦係数が0.6より大きい比較例では被成形体を緻密に成形できなかった。
なお表4における「スリ」とは、鏡面ではなく、研削面を意味しており、その基準は表面粗さRa>0.2で規定されるものである。
(実施例10)
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表5に示すようにリング部材4の材質と熱膨張係数とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表5に併せて示す。
図11に示すように上型1に面取りを施し、本型構成にて実施例2と同様にして、以下の表5に示すようにリング部材4の材質と熱膨張係数とを変えて、ZnSを10000回成形した。その結果を表5に併せて示す。
表5の結果から、リング部材の熱膨張係数が被成形物の熱膨張係数よりも小さい本発明例ではレンズに欠けが生じなかったのに対し、リング部材の熱膨張係数が被成形物の熱膨張係数以上の比較例ではレンズに欠けが生じた。
(実施例11)
実施例5と同様にして、以下の表6に示すようにリング部材4、上下型および被成形物の各材質を変えて、被成形物5を10000回成形して図10に示す凹面ミラー光学素子5を得た。その結果を表6に併せて示す。
実施例5と同様にして、以下の表6に示すようにリング部材4、上下型および被成形物の各材質を変えて、被成形物5を10000回成形して図10に示す凹面ミラー光学素子5を得た。その結果を表6に併せて示す。
表6の結果から、リング部材4にSiC50%/SiO250%のセラミックスを用いた場合および上下型1、2にSiC50%/SiO250%のセラミックスを用いた場合を除いて、全ての材質で離型性が良好で、反応や固着の生じない良好な結果が得られた。
なお、被成形物の材質によって条件は以下の通り異なるものとした。被成形物5にガラスを用いた場合、成形温度を600℃、成形圧力を5MPaとした。また被成形物5にアモルファス金属を用いた場合、Fe、Co、Ni、Cu、Ca、Mgを基とするアモルファス合金成形温度を300℃、成形圧力を5MPaとした。
(実施例12)
図13に示す成形型を用いて、実施例5と同様にしてZnSを10000回成形した。また成形の際には、被成形物5の外周稜線部に形成した面取り部9aに、リング部材4の内径面に形成したテーパーを当接させた。またこの成形を、被成形物5に形成した面取り部9aの最小内径φd1をφ7.5、リング部材4の最小内径φd2を7とした本発明例と、最小内径φd1をφ6.5、最小内径φd2を7.5とした比較例とについて行なった。
図13に示す成形型を用いて、実施例5と同様にしてZnSを10000回成形した。また成形の際には、被成形物5の外周稜線部に形成した面取り部9aに、リング部材4の内径面に形成したテーパーを当接させた。またこの成形を、被成形物5に形成した面取り部9aの最小内径φd1をφ7.5、リング部材4の最小内径φd2を7とした本発明例と、最小内径φd1をφ6.5、最小内径φd2を7.5とした比較例とについて行なった。
この結果、本発明例では型に欠け・割れは無く、成形品5にもバリ・割れのない良好な光学素子を得たのに対し、比較例では成形品5に欠けが生じた。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、型同士の隙間内に被成形物が入り込みやすい成形型およびそれを用いた成形方法に特に有利に適用され得る。より具体的には、本発明は、被成形物がたとえばガラスやセラミックス素材からなるものを加熱・加圧により所望の形状、例えば光学素子に成形する際に使用する成形型およびそれを用いた成形方法に特に有利に適用され得る。
1 上型、2 下型、2a,9,9a 面取り部、3 胴型、4 リング部材、5 被成形物、6 成形面、7a,7b 隙間、10 コバ部。
Claims (33)
- 中空空間を有する胴型と、前記中空空間内に嵌挿された上型および下型とを備え、前記中空空間内で前記上型および前記下型により被成形物を成形する成形型であって、
前記中空空間内において前記上型および前記下型の少なくとも一方と前記被成形物との間に配置され、かつ前記中空空間における前記胴型の壁面に沿うリング部材を有することを特徴とする、成形型。 - 前記リング部材と前記中空空間における前記胴型の壁面との間隔が、前記上型および前記下型の少なくとも一方と前記中空空間における前記胴型の壁面との間隔よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の成形型。
- 前記リング部材の融点、ガラス転移点または昇華点が前記被成形物を成形する際の成形温度以上で、前記成形温度におけるJIS4点曲げ強度が成形圧力の30%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形型。
- 前記リング部材のビッカース硬度が、前記胴型のビッカース硬度以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材が、前記被成形物を成形する際の成形温度において前記被成形物と化学的に反応しないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材が、前記被成形物の成形中に前記被成形物と固着しないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材と前記胴型との動摩擦係数が、前記被成形物と前記胴型との動摩擦係数以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材と前記胴型との動摩擦係数が0.6以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材の熱膨張係数が前記被成形物の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材が多孔質であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材の相対密度が95%以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材の材質がセラミックス、金属および炭素系材料よりなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の成形型。
- 前記セラミックスが、シリコン、アルミニウム、ホウ素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、モリブデンおよびクロムよりなる群から選ばれる1種以上の元素の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくともいずれかを50質量%以上含むことを特徴とする、請求項12に記載の成形型。
- 前記金属が、金、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、ニッケル基耐熱合金および鉄基耐熱合金のいずれかであることを特徴とする、請求項12に記載の成形型。
- 前記炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、繊維強化炭素複合材料、ダイヤモンド状カーボンおよびダイヤモンドのいずれかであることを特徴とする、請求項12に記載の成形型。
- 前記リング部材の内径面の一部または全部に、加圧軸の方向に沿って一方または両方向にテーパを有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の成形型。
- 前記リング部材の内径が前記被成形物の光学機能面の有効径以上であり、前記リング部材の外径が前記胴型の内径未満であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の成形型。
- 前記上型および前記下型の各々の融点、ガラス転移点または昇華点が前記被成形物を成形する際の成形温度以上で、前記成形温度における前記上型および前記下型の各々の圧縮強さが前記被成形物を成形する際の成形圧力以上であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の成形型。
- 前記上型および前記下型の各々が、前記被成形物を成形する際の成形温度において前記被成形物と化学的に反応しないことを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の成形型。
- 前記上型および前記下型の各々が、前記被成形物の成形中に前記被成形物と固着しないことを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の成形型。
- 前記上型および前記下型の各々の材質が、セラミックス、炭素系材料、またはセラミックスと炭素系材料との複合材料であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の成形型。
- 前記セラミックスが、シリコン、アルミニウム、ホウ素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、モリブデンおよびクロムよりなる群から選ばれる1種以上の元素の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくともいずれかを50質量%以上含むことを特徴とする、請求項21に記載の成形型。
- 前記炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、繊維強化炭素複合材料、ダイヤモンド状カーボン、ダイヤモンドのいずれかであることを特徴とする、請求項21に記載の成形型。
- 前記複合材料が、炭素系材料を含有する非酸化物セラミックスであることを特徴とする、請求項21に記載の成形型。
- 前記炭素系材料が、黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンナノチューブ、フラーレン、炭素繊維およびダイヤモンドよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項24に記載の成形型。
- 前記複合材料が、表面に炭素質被膜を有する多孔質セラミックスであることを特徴とする、請求項21に記載の成形型。
- 前記炭素質被膜が、ガラス状カーボン、熱分解炭素、ダイヤモンドライクカーボンおよびダイヤモンドのいずれかであることを特徴とする、請求項26に記載の成形型。
- 前記上型および前記下型の少なくとも一方が外周稜線部に面取り部を有することを特徴とする、請求項1〜27のいずれかに記載の成形型。
- 中空空間を有する胴型と、前記中空空間内に嵌挿された上型および下型とを備えた成形型を用いて、前記中空空間内で前記上型および前記下型により被成形物を成形する成形方法であって、
前記中空空間内において前記上型および前記下型の少なくとも一方と前記被成形物との間に、前記中空空間における前記胴型の壁面に沿うリング部材を配置して前記被成形物の成形を行うことを特徴とする、成形方法。 - 前記被成形物の外周稜線部に形成した面取り部に、前記リング部材の内径面に形成したテーパを組み合わせることを特徴とする、請求項29に記載の成形方法。
- 外周稜線部に面取り部を有する前記被成形物と、外周稜線部に面取り部を有する前記上型および前記下型の少なくとも一方との間に、前記被成形物の面取り部と対向する一方のテーパを有し、かつ前記上型および前記下型の少なくとも一方の面取り部と対向する他方のテーパを有する前記リング部材を介在させ、前記リング部材の前記一方のテーパを前記被成形物の面取り部に組み合わせ、前記リング部材の前記他方のテーパを前記上型および前記下型の少なくとも一方の面取り部に組合せて前記被成形物の成形を行なうことを特徴とする請求項29または30に記載の成形方法。
- 前記被成形物の外周稜線部に形成した面取り部に、前記リング部材の内径面に形成したテーパを組み合わせる際に、前記被成形物と前記リング部材との間に隙間を設けることを特徴とする、請求項30または31に記載の成形方法。
- 前記被成形物の外周稜線部に形成した面取り部に、前記リング部材の内径面に形成したテーパを組み合わせる際に、前記被成形物に形成した面取り部の最小内径が前記リング部材の最小内径よりも大きいことを特徴とする、請求項30〜32のいずれかに記載の成形方法。
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